JP2005345862A - カプセル化粒子及びその製造方法、静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
又、前記カプセル化粒子を用い、帯電性に優れ、高精細画像再現が可能で、低温定着が可能であり、さらに機械的強度が強く耐久性に優れ、且つ耐熱保管性に優れたトナーの提供。
【解決手段】 水系媒体中に微分散しているポリエステル系樹脂粒子からなるコア粒子の表面及び内部でエチレン性不飽和結合を有する単量体を重合させることにより得られるカプセル化粒子において、該単量体を重合させる時に水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤を同時に使用することを特徴とするカプセル化粒子。
【選択図】 なし
Description
水系媒体中に微分散しているポリエステル系樹脂粒子からなるコア粒子の表面及び内部でエチレン性不飽和結合を有する単量体を重合させることにより得られるカプセル化粒子において、該単量体を重合させる時に水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤を同時に使用することを特徴とするカプセル化粒子。
ポリエステル系樹脂とエチレン性不飽和結合を有する単量体の重合により得られる樹脂の質量比が、100:3〜100:100であることを特徴とする請求項1に記載のカプセル化粒子。
水系媒体中に微分散しているポリエステル系樹脂粒子からなるコア粒子の表面及び内部でエチレン性不飽和結合を有する単量体を重合させることにより得られるカプセル化粒子の製造方法において、該単量体を重合させる工程で水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤を同時に使用することを特徴とするカプセル化粒子の製造方法。
ポリエステル系樹脂とエチレン性不飽和結合を有する単量体の重合により得られる樹脂の質量比が、100:3〜100:100であることを特徴とする請求項3に記載のカプセル化粒子の製造方法。
少なくとも樹脂粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、熱融着させて得られる静電荷像現像用トナーにおいて、樹脂粒子が請求項1又は2に記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
少なくとも樹脂粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて母粒子の分散液を形成した後、さらに微粒子の分散液に樹脂粒子を添加し、樹脂粒子を母粒子に凝集させ外層を形成し、その後熱融着させて得られる静電荷像現像用トナーにおいて、母粒子及び/又は外層を形成する樹脂粒子が請求項1又は2に記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
水中に、少なくとも重合性単量体と着色剤を懸濁させたのち重合させて母粒子を形成した後、樹脂粒子をこれに添加して母粒子に凝集させ外層を形成し、その後熱融着させて得られる静電荷像現像用静電荷像現像用トナーにおいて、外層を形成するための樹脂粒子が請求項1又は2記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
少なくとも樹脂粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させる工程、熱融着させる工程を経て作製する静電荷像現像用トナーの製造方法において、樹脂粒子が請求項1又は2記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
少なくとも樹脂粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて母粒子の分散液を形成する工程、該微粒子の分散液に樹脂粒子を添加し、樹脂粒子を母粒子に凝集させ外層を形成する工程、その後熱融着させる工程を経て作製する静電荷像現像用トナーの製造方法において、母粒子及び/又は外層を形成する樹脂粒子が請求項1又は2に記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
水中に、少なくとも重合性単量体と着色剤を懸濁させたのち重合させて母粒子を形成する工程、樹脂粒子をこれに添加して母粒子に凝集させ外層を形成する工程、その後熱融着させる工程を経て得られる静電荷像現像用トナーの製造方法において、外層を形成する樹脂粒子が請求項1又は2記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
〈トナー粒子の平均粒径及び粒度分布〉
トナー粒子の体積及び個数平均粒径(μm)は、「コールターマルチサイザーII」(コールタカウンタ社製)で測定して求める。その測定結果から体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dp)、その比(Dv/Dp)は算出する。
トナー粒子の平均円形度は、相当円の周囲長/粒子投映像の周囲長で表される。相当円の周囲長と粒子投映像の周囲長は、フロー式粒子像解析装置「FPIA−2000」(シスメックス社製)を用い、水分散系中のトナー粒子を測定して求める。尚、トナー粒子の平均円形度は、0.90〜1.00が好ましく、0.960〜1.00がより好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、動的光散乱粒度分布測定装置「ELSー800」(大塚電子工業社製)で測定して求める。尚、好ましい範囲については後述する。
ガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に準拠して測定される物性値であり、該規格に記載されている中間ガラス転移温度を意味する。
軟化温度(Tm)は、フローテスター「CFT−500」(島津製作所社製)で測定して求める。具体的には、測定する試料1.0gを秤量し、径1.0mm×長さ1.0mmのダイを使用し、昇温速度3.0℃/min、予熱時間180秒、荷重30kg、測定温度範囲60〜180℃の条件で測定を行い、上記の試料が1/2流出したときの温度を軟化温度とする。尚、好ましい軟化温度につていは後述する。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー「807−IT型」(日本分光工業社製)で測定して求める。具体的には、カラム温度を40℃に保ちながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを1kg/cm2で流し、測定する試料30mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、この溶液0.5mgを上記のキャリア溶媒とともに装置内に導入して、ポリスチレン換算により求める。尚、好ましい重量平均分子量につていは後述する。
酸価とは、樹脂1g中に存在する酸を中和するするために必要な水酸化カリウムのミリグラム数を示し、いわゆる分子端末等に存在する酸性極性基の量を示す。酸価は、JISのK0070に規定された方法で測定することができる。本発明では、測定用溶剤としてトルエン/メタノール(2:1)の混合溶剤を用いる。
トナーの帯電量の測定は、ブローオフ法により測定することができる。具体的には、キャリアとトナーとが混合された試料(現像剤)を1.0gを採り、ステンレススチール製のメッシュを張ったセルに入れ、窒素ガス圧2N/cm2で6sec間ブローし、残ったキャリアの帯電量(Q)を測定することにより、トナーの帯電量を算出する。
M:ブロー前のサンプル質量
M0:ブロー後のサンプル質量
尚、トナーの帯電量は、−40〜−55μC/gが好ましく、−42〜−55がより好ましい。トナーの帯電量をこの範囲にすることで、カブリの発生や経時劣化が無く、高濃度の画像を安定して得ることができ好ましい。
さらに、本発明に係るカプセル化粒子のカプセル化に使用され、又懸濁重合法、乳化重合凝集法で作製されるトナーに使用される重合性単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル系モノマーが挙げられる。この中でも特にスチレンとブチル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
これらの中でアニオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤が好ましい。
又、乳化重合法で調製した樹脂粒子分散液と本発明のポリエステル系樹脂粒子及び、少なくとも別途用意した着色剤分散液とを会合させた会合粒子を加熱融合して得た粒子に本発明のポリエステル系樹脂粒子を会合させて、会合粒子を得、加熱融合させてトナー粒子を形成してもよい。
さらに、上記のように乳化分散凝集法で凝集融合させて形成した粒子に本発明のポリエステル系樹脂粒子を会合させて、会合粒子を得、加熱融合させてトナー粒子を形成してもよい。
外添剤としては、トナーの分野で流動性調整剤として使用されている公知の無機微粒子が使用可能であり、例えば、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブテン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン(チタニア)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等の各種フッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト等の各種非磁性無機微粒子を単独あるいは組み合わせて用いることができる。
攪拌機、蒸留塔、温度計及び窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ネオペンチルグリコール4モル、エチレングリコール4モル、テレフタル酸8モルの比率で仕込んだ。これをマントルヒーター中、窒素気流下にて180℃まで昇温し、そこで酸及びアルコール成分の総仕込量に対して0.14質量%の重合開始剤(チタンテトラブトキシド)を加え、撹拌しながら加熱することにより反応させた。反応の進行は、酸価を測定することにより追跡し、所定の酸価に達した時点で反応を終了させて、重量平均分子量が6,700、Tgが56℃、Tmが103℃、酸価が3.2の「ポリエステル樹脂(1)」を得た。
攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び原料・助剤仕込み装置を備えた反応フラスコに、テレフタル酸ジメチル4.9モル、ネオペンチルグリコール3.8モル、エチレングリコール7.4モル及びチタンテトラブトキシド0.52部を仕込み、窒素気流下200rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を160℃から220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行なった。
次に、ビーカー内に「ポリエステル樹脂(1)」20部、酢酸エチル70部、メチルエチルケトン30部を入れ、「TKホモミキサー」(特殊機化工業社製)を用いて10000rpmで攪拌し、均一に溶解させてポリエステル樹脂溶液を調製した。
次に、攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に上記「ポリエステル樹脂粒子(1)分散液」(固形分として20部)を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した後、これに1質量%の過硫酸カリウム水溶液12部を添加した。次に、下記に示す「モノマー混合液1」を1時間かけて添加した後、更に2時間保持し重合を完結させた。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、乳白色の「アクリル樹脂含有ポリエステル樹脂粒子(1)分散液」を得た。得られたアクリル樹脂含有ポリエステル樹脂粒子の動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定した平均粒径は120nmであった。
スチレン 1.0部
アクリル酸ブチル 0.6部
メタクリル酸 0.06部
n−オクチルメルカプタン 0.03部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.01部
(アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子の調製2)
次に、攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に上記「ポリエステル樹脂粒子(1)分散液」(固形分として20部)を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した後、これに1質量%の過硫酸カリウム水溶液12部を添加した。次に、下記に示す「モノマー混合液2」を1時間かけて添加した後、更に2時間保持し重合を完結させた。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、乳白色の「アクリル樹脂含有ポリエステル樹脂粒子(2)分散液」を得た。得られたアクリル樹脂含有ポリエステル樹脂粒子の動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定した平均粒径は120nmであった。
スチレン 1.2部
アクリル酸ブチル 0.4部
メタクリル酸 0.06部
n−オクチルメルカプタン 0.02部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.01部
(アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子の調製3)
次に、攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に上記「ポリエステル樹脂粒子(1)分散液」(固形分として20部)を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した後、これに1質量%の過硫酸カリウム水溶液12部を添加した。次に、下記に示す「モノマー混合液3」を1時間かけて添加した後、更に2時間保持し重合を完結させた。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、乳白色の「アクリル樹脂含有ポリエステル樹脂粒子(3)分散液」を得た。得られたアクリル樹脂含有ポリエステル樹脂粒子の動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定した平均粒径は120nmであった。
スチレン 1.0部
メタクリル酸メチル 0.6部
メタクリル酸 0.08部
n−オクチルメルカプタン 0.02部
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.02部
上記アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子の調製と同様の手法で「アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子(4)〜(10)分散液」を作製した。
蒸留水680部、カルナバワックス(セラリカ野田社製)180部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオゲンSC」(第一工業製薬製)17部を混合し、高圧せん断をかけて乳化分散させ「ワックス粒子(1)分散液」を得た。ワックス粒子の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、「ELS−800」(大塚電子工業社製)を用いて測定した所、平均粒径は110nmであった。
蒸留水680部、ペンタエリスリトールエステル「ユニスターH476」(日本油脂社製)180部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオゲンSC」(第一工業製薬製)17部を混合し、高圧せん断をかけて乳化分散させ「ワックス粒子(2)分散液」を得た。ワックス粒子の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)を用いて測定した所、平均粒径は130nmであった。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオゲンSC」(第一工業製薬製)10部を蒸留水180部に溶解させ、これに着色剤粒子としてカーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)25部を加えて分散させ、「着色剤粒子(1)分散液」を得た。分散させたカーボンブラックの粒径を動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)を用いて測定した所、平均粒径は106nmであった。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオゲンSC」(第一工業製薬製)10部を蒸留水180部に溶解させ、これに着色剤粒子としてシアン顔料「銅フタロシアニンB15:3」(大日精化社製)25部を加えて分散させ、「着色剤粒子(2)分散液」を得た。分散させたカーボンブラックの粒径を動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)を用いて測定した所、平均粒径は110nmであった。
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、蒸留水450部、ドデシル硫酸ナトリウム0.56部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した後、これに1質量%過硫酸カリウム水溶液120部を添加した。次に、下記組成の「モノマー混合液A」を1.5時間かけて添加した後、更に2時間保持し重合を完結させた。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、乳白色の「重合体一次粒子(1)分散液」を得た。重合体の重量平均分子量は11,000、Tgは34℃、Tmは82℃、動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定した平均粒径は120nmであった。
スチレン 99部
アクリル酸ブチル 52部
メタクリル酸 14部
n−オクチルメルカプタン 6部
(重合体一次粒子(2)分散液の調製)
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、蒸留水450部、ドデシル硫酸
ナトリウム0.56部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した後、これに1質量%過硫酸カリウム水溶液120部を添加した。次に、下記組成の「モノマー混合液B」を1.5時間かけて添加した後、更に2時間保持し重合を完結させた。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、乳白色の「重合体一次粒子(2)分散液」を得た。重合体の重量平均分子量は9,800、Tgは30℃、Tmは78℃、動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定した平均粒径は110nmであった。
スチレン 95部
アクリル酸ブチル 58部
メタクリル酸 12部
n−オクチルメルカプタン 8部
〈トナー粒子1の製造〉
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、「アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子(1)分散液」240部、「ワックス粒子(1)分散液」13.6部、「着色剤粒子(1)分散液」24部、アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製)5部、及び蒸留水240部とを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。撹拌しながら50℃に昇温し、次に、これに50質量%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら60℃に昇温して0.5時間保持した後、80℃まで昇温して更に0.5時間保持した。この時の混合分散液中のトナーの平均粒径は4.8μmであった。次に20質量%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過、得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させる事によって体積平均粒径4.8μmの「トナー粒子1」を得た。
トナー粒子1の製造において、「アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子(1)分散液」を用いる代わりに、「アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子(2)分散液」を用いて同様の操作により、体積平均粒径4.8μmの「トナー粒子2」を得た。
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、「アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子(3)分散液」240部、「ワックス粒子(1)分散液」13.6部、「着色剤粒子(1)分散液」24部、アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製)5部、及び蒸留水240部とを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。撹拌しながら50℃に昇温し、次に、これに50質量%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら60℃に昇温して0.5時間保持した後、70℃まで昇温して更に0.5時間保持した。この時の混合分散液中のトナーの平均粒径は4.5μmであった。次に温度を50℃に冷却した後、「ポリエステル樹脂粒子(3)分散液」30部を添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20質量%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過、得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させる事によって体積平均粒径4.8μmの「トナー粒子3」を得た。
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、「重合体一次粒子(1)分散液」240部、「ワックス粒子(2)分散液」13.6部、「着色剤粒子(2)分散液」24部、アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製)5部、及び蒸留水240部とを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50質量%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら70℃に昇温して0.5時間保持した後、75℃まで昇温して更に0.5時間保持した。この時の混合分散液中の「粒子」の平均粒径は4.3μmであった。次に、系内の温度を60℃まで冷却した後、「アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子(4)分散液」40部を添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20質量%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過、得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させることによって体積平均粒径4.7μmの「トナー粒子4」を得た。
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、「重合体一次粒子(2)分散液」240部、「ワックス粒子(2)分散液」13.6部、「着色剤粒子(2)分散液」24部、アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製)5部、及び蒸留水240部とを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50質量%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら70℃に昇温して0.5時間保持した後、75℃まで昇温して更に0.5時間保持した。この時の混合分散液中の粒子の平均粒径は4.3μmであった。次に、系内の温度を60℃まで冷却した後、「アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子(5)分散液」40部を添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20質量%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過、得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させることによって体積平均粒径4.6μmの「トナー粒子5」を得た。
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、「重合体一次粒子(2)分散液」160部、「アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子(6)分散液」80部、「ワックス粒子(2)分散液」13.6部、「着色剤粒子(2)分散液」24部、アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製)5部、及び蒸留水240部とを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50質量%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら60℃に昇温して0.5時間保持した後、80℃まで昇温して更に0.5時間保持した。この時の混合分散液中の粒子の平均粒径は4.9μmであった。次に20質量%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過、得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させる事によって体積平均粒径4.9μmの「トナー粒子6」を得た。
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、「重合体一次粒子(2)分散液」
160部、「ポリエステル樹脂粒子(3)分散液」80部、「ワックス粒子(2)分散液」13.6部、「着色剤粒子(2)分散液」24部、アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製)5部、及び蒸留水240部とを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。撹拌しながら50℃に昇温し、次に、これに50質量%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら60℃に昇温して0.5時間保持した後、70℃まで昇温して更に0.5時間保持した。この時の混合分散液中の「粒子」の平均粒径は4.6μmであった。次に温度を50℃に冷却した後、「アクリル樹脂カプセル化ポリエステル樹脂粒子(7)分散液」30部を添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20質量%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過、得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させることによって体積平均粒径4.8μmの「トナー粒子7」を得た。
「TKホモミキサー」(特殊機化工業社製)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び原料・助剤仕込み装置を備えた反応フラスコに、イオン交換水325部とリン酸ソーダ41部をイオン交換水250部に溶解させた溶液を仕込み、12000rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。この溶液に、塩化カルシウム3.9部をイオン交換水31部に溶解させた溶液を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤リン酸カルシウムを含む水系連続相を調製した。
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、「重合体一次粒子(1)分散液」288部、「ワックス粒子(1)分散液」13.6部、「着色剤粒子(1)分散液」24部、及び蒸留水240部とを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50質量%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら70℃に昇温して1.5時間保持した。この時の混合分散液の平均粒径は4.8μmであった。次に、20質量%塩化ナトリウム水溶液120部を添加してから75℃に昇温し、1時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過、得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させることによって体積平均粒径4.8μmの「トナー粒子9」得た。
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、「重合体一次粒子(1)分散液」240部、「ワックス粒子(1)分散液」13.6部、「着色剤粒子(1)分散液」24部、アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製)5部、及び蒸留水240部とを仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50質量%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら70℃に昇温して0.5時間保持した後、75℃まで昇温して更に0.5時間保持した。この時の混合分散液中の粒子の平均粒径は4.5μmであった。次に、系内の温度を70℃まで冷却した後、「重合体一次粒子(2)分散液」30部を添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20質量%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過、得られた固形分の蒸留水への再懸濁処理といった洗浄処理を数回繰り返し、乾燥させることによって体積平均粒径4.8μmの「トナー粒子10」を得た。
「ポリエステル樹脂(1)」100部に対してシアン着色剤「C.I.ピグメントブルー15−3」が7部となるようにして、上記のポリエステル系樹脂と顔料マスターバッチとポリエステルワックス「WE−5」(日本油脂社製)1部を、ヘンシェルミキサーにより周速40m/secで180秒間かけて充分に混合した。
上記で製造した「トナー粒子1〜11」の各々100部に対して、疎水性シリカ「H−2000」(クラリアント社製)0.5部、酸化チタン「STT30A」(チタン工業社製)1.0部及びチタン酸ストロンチウム(平均粒径0.2μm)1.0部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)を用い、周速40m/sec、60秒間混合した後、目開き90μmの篩でふるい、「トナー1〜11」を調製した。尚、「トナー1〜8」を「実施例1〜8」、「トナー9〜11」を「比較例1〜3」とする。
上記で得られたトナーを2成分系現像剤として評価に供するため、バインダ型キャリアを製造した。
トナー特性評価は、下記項目について下記方法で行った。
上記で調製した「現像剤1〜11」30gを順次容量50mlのポリエチレン瓶に入れ、1200rpmで90分間回転して攪拌した。その後、トナーの帯電量を前記のブローオフ法により求めた。
○:帯電量が−40〜42未満で好ましい範囲内
×:帯電量が−40未満で問題。
画質は、市販のデジタル複写機「DIALTA Di350」(コニカミノルタ社製)を用い、初期と10万枚連続プリント後の画質の状態について評価した。
○:初期と10万枚プリント後の画質共に良好
△:10万枚プリント後の画像に部分的にガサツキやノイズが見られた
×:10万枚プリント後の画像に全体的にガサツキやノイズが発生した
××:初期と10万枚プリント後の画像共に画像品位が劣る。
耐熱保管性は、トナー10gをガラス容器に入れ、50℃の高温下で24時間放置した後、トナーの凝集状態を目視観察して評価した。
○:凝集物は10個未満存在した
×:凝集物は10個以上存在した。
低温定着性は、耐剥離性及び耐オフセット性の評価結果から総合的に評価した。
○:「◎」又は「○」のほかに「△」が含まれていた
×:少なくとも1つの「×」が含まれていた。
オイルレス定着器を備えたデジタル複写機「DIALTA Di350」(コニカミノルタ社製)に上記「トナー1〜11」と「現像剤1〜11」を順次装填し、定着温度を80〜130℃の範囲で2℃刻みで変化させながら、1.5cm×1.5cmのベタ画像(付着量2.0mg/cm2)を上質紙にプリントし、それぞれのプリント画像を真中から2つに折り曲げてその画像部のトナーが剥離したかどうかを目視にて評価した。
○:定着下限温度が105℃以上、110℃未満であった
△:定着下限温度が110℃以上、115℃未満であった
×:定着下限温度が115℃以上であった。
オイルレス定着器を備えたデジタル複写機「DIALTA Di350」(コニカミノルタ社製)に上記「トナー1〜11」と「現像剤1〜11」を順次装填し、定着速度を1/2にし、定着温度を90〜150℃の範囲において5℃刻みで変化させながらハーフトーン画像を上質紙にプリントした。
○:オフセット温度が130℃以上、140℃未満であった
△:オフセット温度が120℃以上、130℃未満であった
×:オフセット温度が120℃未満であった。
オイルレス定着器を備えたデジタル複写機「DIALTA Di350」(コニカミノルタ社製)に上記「トナー1〜11」と「現像剤1〜11」を順次装填し、上質紙を用いて10万枚のプリントを行った。
○:感光体表面にトナーの付着はわずかに認められるがプリント画像上では視認できなかった
×:感光体表面にトナーの付着が視認でき、プリント画像上でも視認できた。
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極
60 定着装置
70 プロセスカートリッジ
P 記録紙
Claims (10)
- 水系媒体中に微分散しているポリエステル系樹脂粒子からなるコア粒子の表面及び内部でエチレン性不飽和結合を有する単量体を重合させることにより得られるカプセル化粒子において、該単量体を重合させる時に水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤を同時に使用することを特徴とするカプセル化粒子。
- ポリエステル系樹脂とエチレン性不飽和結合を有する単量体の重合により得られる樹脂の質量比が、100:3〜100:100であることを特徴とする請求項1に記載のカプセル化粒子。
- 水系媒体中に微分散しているポリエステル系樹脂粒子からなるコア粒子の表面及び内部でエチレン性不飽和結合を有する単量体を重合させることにより得られるカプセル化粒子の製造方法において、該単量体を重合させる工程で水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤を同時に使用することを特徴とするカプセル化粒子の製造方法。
- ポリエステル系樹脂とエチレン性不飽和結合を有する単量体の重合により得られる樹脂の質量比が、100:3〜100:100であることを特徴とする請求項3に記載のカプセル化粒子の製造方法。
- 少なくとも樹脂粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、熱融着させて得られる静電荷像現像用トナーにおいて、樹脂粒子が請求項1又は2に記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 少なくとも樹脂粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて母粒子の分散液を形成した後、さらに微粒子の分散液に樹脂粒子を添加し、樹脂粒子を母粒子に凝集させ外層を形成し、その後熱融着させて得られる静電荷像現像用トナーにおいて、母粒子及び/又は外層を形成する樹脂粒子が請求項1又は2に記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 水中に、少なくとも重合性単量体と着色剤を懸濁させたのち重合させて母粒子を形成した後、樹脂粒子をこれに添加して母粒子に凝集させ外層を形成し、その後熱融着させて得られる静電荷像現像用静電荷像現像用トナーにおいて、外層を形成するための樹脂粒子が請求項1又は2記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 少なくとも樹脂粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させる工程、熱融着させる工程を経て作製する静電荷像現像用トナーの製造方法において、樹脂粒子が請求項1又は2記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 少なくとも樹脂粒子と着色剤粒子を含む水性分散液に、凝集剤を添加して該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させて母粒子の分散液を形成する工程、該微粒子の分散液に樹脂粒子を添加し、樹脂粒子を母粒子に凝集させ外層を形成する工程、その後熱融着させる工程を経て作製する静電荷像現像用トナーの製造方法において、母粒子及び/又は外層を形成する樹脂粒子が請求項1又は2に記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 水中に、少なくとも重合性単量体と着色剤を懸濁させたのち重合させて母粒子を形成する工程、樹脂粒子をこれに添加して母粒子に凝集させ外層を形成する工程、その後熱融着させる工程を経て得られる静電荷像現像用トナーの製造方法において、外層を形成する樹脂粒子が請求項1又は2記載のカプセル化粒子を用いて作製されることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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