JP2005345691A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、デジタル露光適性を有し、処理安定性、圧力耐性及び製造時の塗布液安定性が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。
【解決手段】 支持体上に、イエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を有し、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、色画像形成層の少なくとも1層が、塩化銀含有率が90モル%以上で、かつセレン増感が施されたハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のデジタル情報に基づき露光、現像してカラープリントを作製するハロゲン化銀カラー写真感光材料に関する。
近年、コンピューターの演算能力の向上や、ネットワーク技術の進歩に伴い、画像をデジタルデータとして取り扱う機会が急速に増加している。スキャナなどを用いてデジタルデータ化された画像情報は、コンピューター上で編集加工したり、更には文字やイラスト等のデータを付加することも比較的容易に行える。このようなデジタル化された画像情報に基づいたハードコピーを作成するハードコピー材料としては、例えば、昇華型熱転写プリント、溶融型熱転写プリント、インクジェットプリント、静電転写型プリント、サーモオートクロームプリント、ハロゲン化銀写真感光材料等が挙げられるが、中でもハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、単に感光材料ともいう)は、高感度であること、階調性に優れていること、画像保存性に優れていること等、他のプリント材料に比べて非常に優れた特性を有しているため、特に高品質なハードコピーの作成用として今日盛んに用いられている。
スキャナなどを用いてデジタルデータ化された画像情報は、コンピューター上で編集加工したり、更には文字やイラスト等のデータを付加することも比較的容易に行えるため、例えば、人物、風景、静物等の写真撮影データに基づいた画像等(以下「シーン画像」と称す)と、文字画像(特に細くて小さな黒文字画像)が混在する画像を扱う機会が増加している。そのため、デジタルデータに基づく画像出力においては、シーン画像はより自然に、文字画像は滲みなく再現させるという2つの要求を同時に満足する必要がある。
また、ここ数年のデジタルスチルカメラ、あるいはフィルムスキャナ等の画像入力装置の高解像度化はめざましく、その高品質画像データを活かした画像出力を行うために、出力装置(デジタル露光機)の高解像度化も検討されている。最近では様々なデジタル露光機が製品化されているが、このような露光を行うデジタル画像露光装置として、現在多くの機種が販売されており、また露光光源や制御装置等の進歩と相まって、新しいデジタル画像露光装置も数多く開発されている。これらのデジタル画像露光装置の中でも、露光光源として、レーザーやLEDのように光源波長分布がシャープなものを用いている装置が主流になりつつある。
しかし、各種デジタル画像露光装置の普及で多種多様な画像装置が各社から発売されているが、搭載しているレーザーやLEDの種類は統一されているわけではなく、露光装置毎に露光波長、露光時間もまちまちであり、そのためデジタル露光の時間は今までのネガスルー方式のアナログ露光と大きく異なり、10-7秒から10-2秒の露光秒数まで1万〜10万倍の露光時間に差があることから、露光時間に対する許容性が大きく要求されるようになってきた。更に、デジタル露光機は機器の性質上、熱に対する影響を受けやすく、そのため露光時の温度や湿度に対する耐久性も、従来のアナログ露光装置による画像形成よりも強く要求されるようになってきている。また、ミニラボの普及に伴い、お客様からのオーダーを受けてからプリントを仕上げるまでの時間は短い場合で35分以内ということをサービスとして提供している写真店もあり、処理時間を短くすることに対する要求と、処理時間を短くしても美しい画像が特にデジタルで提供するということが市場から強く要望されている。更に、デジタル露光適性を実現する技術の中には、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を製造する際の安定性に課題を有していたり、あるいは迅速処理条件下での処理安定性が低下するという問題や、露光前あるいは露光後の取り扱いによりプレッシャー故障が発生し易いという問題を抱えている。
上記課題に対し、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の構成や特性値等を規定した様々な提案がなされており、例えば、露光時間や露光時の環境に対する適用性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の方法に従えば、露光時間の変化や、露光時の温度、湿度等の環境変化に対し常に安定して高画像が得られるが、その後検討を行った結果、処理変動に対する安定性、圧力耐性あるいは製造時の塗布液安定性に課題を抱えていることが判明した。
一方、高塩化銀含有率のハロゲン化銀乳剤にセレン増感法を適用する方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照。)。確かに、ハロゲン化銀乳剤にセレン増感法を適用することにより、高感度化、白地特性の改良や迅速処理適性の付与に関しての効果は知られているが、処理変動に対する安定性、圧力耐性あるいは製造時の塗布液安定性に対する効果に関しての記載や示唆は一切ない。また、チオスルホン酸化合物を用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料(例えば、特許文献4、5参照。)、水配位子を有する8族金属錯体及び有機配位子を有する8族金属錯体を用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料(例えば、特許文献5、6参照。)、あるいは沃化銀を含有する高塩化銀含有率のハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀カラー写真感光材料(例えば、特許文献7、8参照。)等が提案されており、高感度化、低カブリ化、潜像安定性、相反則不軌特性、迅速処理適性等の向上効果が報告されているが、デジタル露光適性を考慮した露光時特性や、処理変動に対する安定性、圧力耐性あるいは製造時の塗布液安定性の改良に関する提案や技術的な示唆は一切見られない。
特開2003−207874号公報 特開平5−66513号公報 特開平9−5922号公報 特開平8−234354号公報 特開平11−202440号公報 特開2002−162708号公報 特開平8−234345号公報 特開2002−107860号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、デジタル露光適性を有し、処理安定性、圧力耐性及び製造時の塗布液安定性が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に、感光性ハロゲン化銀を含有するイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、色画像形成層の少なくとも1層が、塩化銀含有率が90モル%以上で、かつセレン増感が施されたハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(請求項2)
支持体上に、感光性ハロゲン化銀を含有するイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、色画像形成層の少なくとも1層が、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類を用いて調製された塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
一般式(1)
R−SO2S−M
一般式(2)
1−SO2S−R2
一般式(3)
3−SO2S−Lm−SSO2−R4
〔式中、R、R1、R2、R3、R4は各々脂肪族基、芳香族基、またはヘテロ環基を表す。R、R1、R2、R3、R4は同じであっても異なっていてもよい。Mは陽イオンを表す。Lは2価の連結基を表し、mは0または1を表す。〕
(請求項3)
支持体上に、感光性ハロゲン化銀を含有するイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、色画像形成層の少なくとも1層が、水配位子を有する8族金属錯体及び有機配位子を有する8族金属錯体から選ばれる少なくとも1種をハロゲン化銀粒子内部に含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(請求項4)
支持体上に、感光性ハロゲン化銀を含有するイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、色画像形成層の少なくとも1層が、下記一般式(4)で表される化合物を含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
Figure 2005345691
〔式中、R1及びR2は各々、アルキル基又はアルケニル基を表し、R3及びR4は各々、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。Z1及びZ2は各々、ベンゾイミダゾール核を完成するのに必要な原子群を表す。X1は分子の総電荷を相殺するのに必要なイオンを表し、n1は分子内の電荷を中和するのに必要な数を表す。〕
(請求項5)
前記色画像形成層の少なくとも1層が、塩化銀含有率が90モル%以上で、かつセレン増感が施されたハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
(請求項6)
前記色画像形成層の少なくとも1層が、水配位子を有する8族金属錯体及び有機配位子を有する8族金属錯体から選ばれる少なくとも1種をハロゲン化銀粒子内部に含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とする請求項1、2または4に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
本発明によれば、デジタル露光適性を有し、処理安定性、圧力耐性及び製造時の塗布液安定性が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、支持体上に、感光性ハロゲン化銀を含有するイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であって、かつ色画像形成層の少なくとも1層が、1)塩化銀含有率が90モル%以上で、かつセレン増感が施されたハロゲン化銀乳剤、2)前記一般式(1)〜(3)で表されるチオスルホン酸化合物から選ばれる少なくとも1種類を用いて調製された塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤、3)水配位子を有する8族金属錯体及び有機配位子を有する8族金属錯体から選ばれる少なくとも1種をハロゲン化銀粒子内部に含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤、及び4)前記一般式(4)で表される特定の構造を有する増感色素を含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料により、優れたデジタル露光適性を備えると共に、処理安定性、圧力耐性及び製造時の塗布液安定性が改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明においては、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であることを1つの特徴とする。
はじめに、各色画像形成層の最大ポイントγを与える露光量の差ΔLogEについて説明する。
本発明でいうΔLogEとは、各色素形成層を10-6秒と0.5秒にて露光しした後、現像処理を行い、濃度0.8の点での各々の特性曲線を重ね合わせたとき、両者の最大ポイントγの露光量の位置の差(ΔLogE)が0.15以下であることを示す。
本発明でいう「ポイントγ」とは、T.H.James編「The Theory of the Photographic Process」第4版、502頁に記載のように、
ポイントγ=dD/dLogE(Dは濃度、Eは露光量を表す)
で定義され、縦軸−濃度D、横軸−露光量からなる特性曲線(D−LogE curve)上の任意の点の微分値を表し、最大ポイントγとはポイントγが極大となる点を示す。
本発明者らは、濃度点0.8で特性曲線を重ね合わせた場合のΔLogEが特異的に文字画像とシーン画像とを美しく形成する上で重要であることを見出し、このΔLogEが0.15以下であるときに露光時間が10-6秒でも、0.5秒でも文字品質とシーン画像の各々の再現性が良好な画像が得られ、更に0.10以下のときに文字にじみのない画像が得られることを見いだしたものであり、特に好ましくは0.07以下である。
本発明においては、本発明で規定する要件を満たすことにより、本発明の効果が得られるが、本発明の効果をより明確とするためには、以下のような評価方法を好ましく用いることができる。
すなわち、光ビームのラスター間重なりが5〜30%の範囲内となるように調整したレーザー走査露光装置を用いて、露光量を変化させながら1cm四方のパッチを感光材料上に露光していき、下記発色現像液(CDC−1)を用いて、37±0.5℃で45秒間の発色現像(なお、発色現像後には、通常の漂白定着及び水洗または安定化処理を施す)を行って得られた試料のグレーのパッチ部の反射濃度を測定し、横軸:露光量(LogE)、縦軸:反射濃度(D)から構成される特性曲線を作成し、ステップ毎に露光量に対する濃度の微分値を計算してポイントガンマを求めることができる。なお、本発明においては、露光終了から現像開始までの時間は1時間とする。
〔発色現像液(CDC−1)〕
純水 800ml
トリエチレンジアミン 2g
ジエチレングリコール 10g
臭化カリウム 0.02g
塩化カリウム 4.5g
亜硫酸カリウム 0.25g
N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−
アミノアニリン硫酸塩 4.0g
N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5.6g
トリエタノールアミン 10.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g
炭酸カリウム 30g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸または水酸化カリウムによりpHを10.1に調整する。
本発明において、光ビームの直径(ビーム径)をラスターの幅とする。ここでいう光ビーム径とは、光ビーム強度がe-2となるときの光ビームの直径であり、例えば、スリットとパワーメーターとを組み合わせたビームモニター等によって求めることができる。
本発明において、露光光源、露光方式等が異なる様々なデジタル露光装置で露光した場合においても、文字画像の再現性とシーン画像の走査ムラが軽減されたプリントを安定して再現でき、更には、露光から現像までの処理時間が変化した場合においても、濃度変化の少ない安定したプリントが得られるメカニズムは明確ではないが、以下のような現象が要因として推定される。すなわち、ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、露光により感光性ハロゲン化銀の感光核を中心にして潜像が形成され、現像処理によりプリント画像が得られるが、主に化学増感により形成される感光核、および露光により形成される潜像はそれぞれ均一なものではなく、様々な状態の感光核及び潜像がある分布を持って存在している。この分布の状態は、基本的には特性曲線に反映されると考えられ、特性曲線の形状が異なる感光材料の多くは、感光核あるいは潜像の分布状態が異なっていると考えられる。高照度短時間露光において、潜像形成中心となる感光核の中には、露光強度や露光時間間隔の影響を受けやすい感光核が存在し、各パラメータが本発明の範囲に収まるように設計した場合、影響を受けやすい感光核の比率が小さくなることが、異なる露光光源、露光方式に対するプリント再現安定性が向上する要因の一つと推定される。また、高照度短時間露光において形成される潜像の中には、露光後の経時で状態が変動しやすい潜像が存在し、各パラメータが本発明の範囲に収まるように設計した場合、変動しやすい潜像の比率が小さくなることが、露光から現像までの処理時間変化に対するプリント再現安定性が向上する要因の一つと推定される。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料では、デジタル情報に基づき、1画素当たり10-6秒等の露光時間で露光を施され画像形成を行うが、画像情報をデジタル化して扱う場合、オリジナル画像を細かいマス目状に区切り、各マス目毎に濃度情報をデジタル化して扱う方式が一般的である。このオリジナル画像をマス目状に区切って取り扱い、デジタル化された露光情報の最小単位が1画素である。また、1画素当たりの露光時間とは、この1画素分のデジタルデータに基づいて、光ビームの強度或いは照射時間を制御している時間と考えることができる。本発明の1画素当たりの露光時間としては10-3秒以下、10-10秒以上であることが好ましいが、これは、前記露光時間の範囲内のいずれかの露光条件とし、本発明の要件を満たすことにより本発明の効果が得られる。
本発明においては、1つの色画像の形成が、独立した単一の露光によりなされることが好ましい。本発明でいう独立した単一の露光による画像形成とは、言い換えれば、1つの色画像を形成する際の露光が、同時に複数行われない露光方式であり、1画素のデータをハロゲン化銀カラー写真感光材料上に露光する光束が同時に複数箇所で存在しない露光方式である。画像全体の画素に対する露光は、光束とハロゲン化銀カラー写真感光材料の位置が相対的に変化して行われる。この場合、光束が移動してもかまわないし、ハロゲン化銀カラー写真感光材料が移動してもかまわないし、あるいは、各々が同時に移動してもよい。この方式の代表的な例として、レーザービーム光による走査露光が挙げられる。このレーザービーム光による走査露光方式は、光ビーム径、隣接する走査露光間での光ビームの重なり比率(ビーム多重度)及び光ビームの走査方向(主走査方向)と垂直な方向(副走査方向)の搬送ピッチ、露光光源波長分布により更に細分化される。特に、光ビーム径及び隣接する走査露光間での光ビームの重なり比率(ビーム多重度)は、各露光装置の特色が最もよく現れる部分であり、この2つの特性値が異なる装置は異なる特性をもつ。これらの特性値は各々任意にとることができ、これらの組み合わせからなる露光装置の種類は無数にわたる。
本発明の要件を満たすための手段としては、特に制限はないが、例えば、感光材料中に含まれる感光性ハロゲン化銀の特性を最適にコントロールしたり、塗設される感光性ハロゲン化銀やカプラー、あるいは抑制剤等の各種写真用添加剤の種類や添加量を適宜コントロールしたりする方法等を、単独、あるいは組み合わせて用いることにより達成することができる。
本発明においては、色画像形成層の少なくとも1層が、塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とする。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤を構成するハロゲン化銀粒子は、塩化銀含有率が90モル%以上であることを特徴とするが、塩化銀含有率が93モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることが更に好ましい。また、沃化銀含有率は0.05〜2モル%であることが好ましく、0.05〜1モル%であることが更に好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子には、高照度短時間露光における高濃度域での特性曲線の軟調化を軽減する観点から、粒子内部に少なくとも1つの沃化銀局在相を有することが好ましい。本発明において粒子内部とは、ハロゲン化銀粒子において粒子表面を除いたハロゲン化銀相をいう。本発明において沃化銀局在相とは、本発明に係るハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率の2倍以上の沃化銀含有率の沃化銀を含むハロゲン化銀相であり、ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率の3倍以上の沃化銀含有率の沃化銀を含むことが好ましく、5倍以上の沃化銀含有率の沃化銀を含むことが好ましい。
本発明において上記沃化銀局在相の位置は粒子中心からハロゲン化銀体積で60%以上外側に存在することが好ましく、70%以上外側であることが更に好ましく、80%以上外側であることが最も好ましい。
上記沃化銀局在相に好ましい形態の一つはハロゲン化銀粒子内部において該沃化銀局在相が層状に存在する(以下、沃化銀局在層ともいう)ことであり、該沃化銀局在層を2層以上導入することも好ましく、その場合は、主層を上記の条件で導入し最大ヨウ化物濃度未満である層(以下副層)の少なくとも一つを主層よりも更に粒子表面近くに導入することが好ましい。主層および副層のI濃度は目的に応じて任意に選択することが出来る。潜像安定性の観点からは、主層は可能な限り高濃度が好ましく、副層は主層よりも低濃度であることが好ましい。
本発明において、沃化銀局在相の他の好ましい形態はハロゲン化銀粒子の頂点近傍や稜線近傍に該沃化銀局在相が存在することであり、上記沃化銀局在層と併用することも好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子は臭化銀含有率が0.1〜10モル%であることが好ましく、0.5〜8モル%であることがより好ましく、2〜8モル%であることが更に好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤においては臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤も好ましく用いられ、この場合、高濃度に臭化銀を含有する部分は、ハロゲン化銀乳剤粒子にエピタキシー接合していても、いわゆるコア・シェル乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけであってもよい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよいが、ハロゲン化銀粒子が最外シェルの少なくとも一部に臭化銀局在相を有することが好ましく、頂点近傍に臭化銀局在相を有することが更に好ましい。
本発明において臭化銀局在相とは、本発明に係るハロゲン化銀粒子の平均臭化銀含有率の2倍以上の臭化銀含有率の臭化銀を含むハロゲン化銀相であり、ハロゲン化銀粒子の平均臭化銀含有率の3倍以上の臭化銀含有率の臭化銀を含むことが好ましく、5倍以上の臭化銀含有率臭化銀を含むことが好ましい。
該臭化銀局在相中には、後記の8族金属化合物を含有することが好ましい。この場合用いられる8族金属化合物はイリジウム錯体であることが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤が沃化銀を含有する場合においては、ハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率の粒子間変動係数が40%未満であることが好ましく、30%未満であることが好ましく、20%未満であることが更に好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤が臭化銀を含有する場合においては、ハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率の粒子間変動係数が30%未満であることが好ましく、20%未満であることがより好ましい。
ハロゲン化銀粒子の上記臭化銀含有率及び沃化銀含有率は、EPMA法(Electron Probe Micro Analyzer法)により求める。具体的には、ハロゲン化銀粒子を互いに接触しないようによく分散させた試料を作製し、液体窒素で−100℃以下に冷却しながら電子ビームを照射し、個々のハロゲン化銀粒子から放射される銀、臭素、及び沃素の特性X線強度を求めることにより、該個々のハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率及び沃化銀含有率が決定できる。
上記方法により、個々のハロゲン化銀粒子について求めたハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率を300個以上のハロゲン化銀粒子について求め、平均したものを平均臭化銀含有率とし、本発明に係るハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率の粒子間変動係数は、下記計算式により求めるものとする。
臭化銀含有率の粒子間変動係数=(ハロゲン化銀粒子の臭化銀含有率の標準偏差)/(平均臭化銀含有率)×100(%)
上記方法により、個々のハロゲン化銀粒子について求めたハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率を300個以上のハロゲン化銀粒子について求め、平均したものを平均沃化銀含有率とし、本発明に係るハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率の粒子間変動係数は、下記計算式により求めるものとする。
沃化銀含有率の粒子間変動係数=(ハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率の標準偏差)/(平均沃化銀含有率)×100(%)
本発明において、ハロゲン化銀粒子に沃化銀を含有させるには、種々の沃度化合物を使用することが出来る。例えば、ヨウ化カリウム水溶液のようなヨウ化物塩水溶液を用いる方法、“無機化合物・錯体辞典”中原勝儼著,講談社944頁等記載のポリヨウ化物を用いる方法、特開平2−68538号等に開示されているヨウ化銀を含むハロゲン化銀微粒子あるいはヨウ化物イオン放出剤を用いる方法等であるが、ヨウ化物塩水溶液、ヨウ化銀を含むハロゲン化銀微粒子、ヨウ化物イオン放出剤を用いる方法を用いることが好ましい。本発明におけるハロゲン化銀粒子中の沃化銀含有率及び沃化銀局在相を形成する場合の該沃化銀局在相の沃化銀含有率はこれら沃化物を含む添加液の濃度及び量で任意に調整することができる。
本発明において、ハロゲン化銀粒子に臭化銀を含有させるには、種々の臭化物を使用することが出来る。例えば、臭化カリウム水溶液のような臭化物塩水溶液を用いる方法、特開平2−68538号等に開示されている臭化銀を含むハロゲン化銀微粒子あるいは臭化物イオン放出剤を用いる方法等であるが、臭化物塩水溶液、臭化銀を含むハロゲン化銀微粒子、臭化物イオン放出剤を用いることが好ましい。本発明におけるハロゲン化銀粒子中の臭化銀含有率及び臭化銀局在相を形成する場合の該臭化銀局在相の臭化銀含有率、更にはハロゲン化銀粒子表面の平均臭化銀含有率はこれら臭化物を含む添加液の濃度及び量で任意に調整することができる。
本発明においてハロゲン化銀微粒子を供給することによりハロゲン化銀相に沃化銀及び/または臭化銀を含有させる場合には、ハロゲン化銀微粒子は平均粒径が0.05μm以下であることが好ましく、0.001〜0.03μmであることがより好ましく、0.001〜0.02μmであることが更に好ましい。該ハロゲン化銀微粒子の製造においては、平均分子量が40000以下の低分子量ゼラチンを用いることが好ましい。該低分子量ゼラチンの平均分子量は5000〜25000であることがより好ましく、5000〜15000であることが更に好ましい。該ハロゲン化銀微粒子の形成温度は40℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましく、5〜20℃であることが更に好ましい。該ハロゲン化銀微粒子の製造には公知の方法及び製造装置を用いることができるが、特開2000−112049号記載の連続法核生成装置を用いることが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤においては、粒子内部に下記一般式(S)で表される化合物を含有することが、本発明の効果を更に効果的に発揮する観点から好ましい。
Figure 2005345691
上記一般式(S)において、Qは、5員もしくは6員の含窒素複素環を表し、M1は水素原子、アルカリ金属原子もしくは1価のカチオンを形成するに必要な原子群を表す。
また、上記一般式(S)で表される化合物は、下記一般式(S−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2005345691
上記一般式(S−2)において、Arは
Figure 2005345691
で表される基を表す。式中、R2はアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基もしくはその塩、スルホ基もしくはその塩、ヒドロキシル基、アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基又はスルホンアミド基を表す。nは0〜2の整数を表す。M1は一般式(S)におけるM1と同義である。
本発明においてハロゲン化銀粒子内部とは、ハロゲン化銀粒子表面を除いたハロゲン化銀相をいう。
一般式(S)において、Qで表される5員複素環としては、例えば、イミダゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、セレナゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、ベンゾオキサゾール環などが挙げられ、Qで表される6員複素環としては、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環等が挙げられ、これらの5員もしくは6員の複素環は置換基を有するものも含む。
一般式(S)において、M1で表されるアルカリ金属原子としては、ナトリウム原子、カリウム原子等が挙げられる。
一般式(S)又は(S−2)で示されるメルカプト化合物は、更に下記一般式(S−1)、(S−3)及び(S−4)でそれぞれ示されるメルカプト化合物が好ましい。
特に、前記一般式(S)で表される化合物は下記一般式(S−1)又は前記一般式(S−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2005345691
式中、R1は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子、カルボキシル基もしくはその塩、スルホ基もしくはその塩、又はアミノ基を表し、Zは−NH−、−O−、又は−S−を表し、M1は一般式(S)におけるM1と同義である。
一般式(S−1)及び(S−2)において、R1及びR2が表すアルキル基としては例えばメチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、カルボキシル基もしくはスルホ基の塩としては例えばナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
一般式(S−1)において、R1が表すアリール基としては例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、ハロゲン原子としては例えば塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
一般式(S−2)において、R2が表すアシルアミノ基としては例えばメチルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられ、カルバモイル基としては例えばエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基等が挙げられ、スルホンアミド基としては例えばメチルスルホアミド基、フェニルスルホアミド基等が挙げられる。
上記アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルホンアミド基等は更に置換基を有するものも含む。
Figure 2005345691
式中、Zは−NR3−、酸素原子又は硫黄原子を表す。R3は水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、−SR31、−NR32(R33)−、−NHCOR34、−NHSO235又はヘテロ環基を表し、R31は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、−COR34、又は−SO235を表し、R32及びR33は水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R34及びR35はアルキル基又はアリール基を表す。M1は一般式(S)のM1と同義である。
一般式(S−3)におけるR3、R31、R32、R33、R34及びR35が表すアルキル基としては例えば、メチル基、ベンジル基、エチル基、プロピル基等が、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
又、R3及びR31が表すアルケニル基としては例えばプロペニル基等が、シクロアルキル基としては例えばシクロヘキシル基等が挙げられる。又、R3が表すヘテロ環基としては例えばフリル基、ピリジニル基等が挙げられる。
上記R3、R31、R32、R33、R34及びR35で表されるアルキル基及びアリール基、R3及びR31で表されるアルケニル基及びシクロアルキル基、並びにR3で表されるヘテロ環基は更に置換基を有するものも含む。
Figure 2005345691
式中、R3及びM1はそれぞれ一般式(S−3)におけるR3及びM1と同義の基を表す。またR31及びR32は、それぞれ一般式(S−3)におけるR31及びR32と同義の基を表す。
以下に一般式(S)によって表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005345691
Figure 2005345691
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Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
前記一般式(S)で示される化合物は、例えば、特公昭40−28496号、特開昭50−89034号、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイティ(J.Chem.Soc.)49、1748(1927)、同4237(1952)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)39、2469(1965)、米国特許2,824,001号、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイティ、1723(1951)、特開昭56−111846号、米国特許1,275,701号、米国特許3,266,897号、同2,403,927号等に記載の化合物を包含し、合成法もこれらの文献に記載の方法に準じて合成することができる。
本発明においてハロゲン化銀粒子内部における前記一般式(S)で表される化合物の含有量は1×10-8〜1×10-1モル/モルAgXが好ましく、1×10-7〜1×10-2モル/モルAgXがより好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子内部において、前記一般式(S)化合物の含有濃度が異なる領域は何相であっても良く、また所望の粒子が形成される限りにおいて、含有濃度に制限はないが、ハロゲン化銀粒子内部において前記一般式(S)化合物の含有濃度が異なる2相以上のハロゲン化銀相を有することが好ましく、ハロゲン化銀粒子内部において前記一般式(S)化合物の含有濃度が最大であるハロゲン化銀相の外側に前記一般式(S)化合物の含有濃度が最大であるハロゲン化銀相よりも前記一般式(S)化合物の含有濃度が小さいハロゲン化銀相を有することが更に好ましい。例えば、ハロゲン化銀粒子内部において、その最も表面側領域(シェル部)の前記一般式(S)化合物の含有濃度が、それより内側領域(コア部)における前記一般式(S)化合物の含有濃度未満である形態も好ましく用いられる。ここでシェル部とは、粒子成長による粒子形成における最終的な領域で、粒子の表面を含む最も粒子の外側の領域を示す。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤のシェル部に含有される前記一般式(S)化合物の平均濃度は、ハロゲン化銀1モルあたり1.5×10-4モル未満であることが好ましい。シェル部における前記一般式(S)化合物の含有濃度は、0でも良く、好ましくはハロゲン化銀1モルあたり0.1〜1×10-4モルであり、より好ましくはハロゲン化銀1モルあたり0.1〜0.5×10-4モルである。
コア部に含有される前記一般式(S)化合物の濃度は、シェル部に含有される濃度よりも大きいことが好ましく、ハロゲン化銀1モルあたり0.5〜3×10-4モルであることが好ましい。
また、前記一般式(S)化合物は複数の化合物を組み合わせて添加しても良いし、複数のハロゲン化銀相、コア部とシェル部でその化合物の種類や、組合せの構成が異なっても良い。これらの化合物は、如何なる方法を用いて粒子の形成される系に存在させても良いが、予めハライド溶液に含有させて添加されるのが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子において、シェル部の体積は、ハロゲン化銀粒子の全体積の50%以内であることが好ましく、より好ましいシェル部の体積はハロゲン化銀粒子の全体積の30%以内である。また、シェル部の体積がハロゲン化銀粒子の全体積の10%以内であるような、表面近傍の極狭い亜表面領域をシェル領域とした形態においても、本発明を好ましく実施することができる。
本発明においては、ハロゲン化銀粒子が外周部に転位線を有する正常晶粒子であることが好ましい。本発明において、ハロゲン化銀粒子が外周部に転位線を有するとは、外周部に転位線を有するハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子中の50%(個数)以上を占めることをいい、70%(個数)以上を占めることが好ましく、80%(個数)以上を占めることが更に好ましい。
本発明においてハロゲン化銀の外周部とは、本発明に係る立方体ハロゲン化銀粒子の(100)面垂直方向からの投影像における辺を含み、辺から内側へ垂直方向にハロゲン化銀粒子の直径の20%に相当する距離までにある領域をいう。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤においては、ハロゲン化銀粒子の外周部に5本以上の転位線を有するハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子中の50%(個数)以上を占めることが好ましく、10本以上の転位線を有するハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子中の50%(個数)以上を占めることがより好ましく、20本以上の転位線を有するハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子中の50%(個数)以上を占めることが更に好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子においては、上記外周部以外の領域に転位線が存在していてもよい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の転位線は、例えばJ.F.Hamilton著:Photo.Sci.Eng.11(1967),57頁やT.Shiozawa著:J.Soc.Phot.Sci.Japan 35(1972),213頁に記載の方法、即ち低温での透過型電子顕微鏡を用いた方法により観察することができる。即ち、乳剤から粒子に転位が発生するほどの圧力を掛けないように注意して取り出したハロゲン化銀粒子を、電子顕微鏡用のメッシュに載せ、電子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法により観察を行う。この時、粒子の厚みが厚いほど電子線が透過し難くなるので、高圧型(0.25μmの厚さに対して200kV)の電子顕微鏡を用いた方が、より鮮明に観察することができる。粒子厚さが更に厚い場合は更に高加速電圧の電子顕微鏡を用いることが好ましい。
粒子厚の関係で電子線の透過観察が困難な場合には、ハロゲン化銀粒子を転位が発生する程の圧力を掛けないよう細心の注意を払いつつ、(100)面に平行に0.25μm以下の薄片に切り出し、その薄片を観察することにより、転位線の有無を確認することができる。
本発明に係るハロゲン化銀粒子においては、ハロゲン化銀粒子間における転位線本数の変動係数が30%以下が好ましく、20%以下が好ましい。
該転位線本数の変動係数は、ハロゲン化銀粒子の転位線を300個以上の粒子について上記の方法により観察し、転位線本数の標準偏差をσ本、平均値をα本とすると、粒子間変動係数K(%)は次式で求めることができる。
K(%)=(σ/α)×100
本発明において、前記の種々の沃度化合物及びまたは臭化物を使用して局所的なに沃化銀含有相及び/または臭化銀含有相を形成する操作を利用してハロゲン化銀粒子に転位線を導入することができる。例えば、ヨウ化カリウム水溶液のようなヨウ化物塩水溶液、臭化カリウム水溶液のような臭化物塩水溶液を用いる方法、“無機化合物・錯体辞典”中原勝儼著,講談社944頁等記載のポリヨウ化物を用いる方法、特開平2−68538号等に開示されているヨウ化銀及び/または臭化銀を含むハロゲン化銀微粒子あるいはヨウ化物イオン放出剤、臭化物イオン放出剤を用いる方法等であるが、ヨウ化物イオン放出剤及び/または臭化物イオン放出剤を用いることが好ましく、特開平11−271912号及び特開2000−250164号記載の沃素イオン放出化合物及び/または臭化物イオン放出化合物を用いることが特に好ましい。
本発明におけるハロゲン化銀粒子中の転位線の本数、転位線を形成する領域は上記沃素イオン放出化合物及び/または臭化物イオン放出化合物の添加量、沃素イオン及び/または臭化物イオンを放出させるpHやその際のハロゲン化銀粒子の粒子間距離、ハロゲン化銀粒子の成長温度、あるいは、沃素イオン及び/または臭化物イオンを放出させる速度の異なる化合物種の適宜選択によって任意に制御することが出来る。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の形成時におけるヨウ化物イオン放出剤及び/または臭化物イオン放出剤の添加位置は最終的なハロゲン化銀粒子体積に対して50〜98%であることが好ましく、70〜95%であることがより好ましい。ヨウ化物イオン放出剤及び/または臭化物イオン放出剤の添加量はハロゲン化銀に対して0.02〜8モル%であることが好ましく、0.04〜5モル%であることがより好ましい。
ヨウ化物イオン放出剤及び/または臭化物イオン放出剤からヨウ化物イオン及び/または臭化物イオンを放出させるpHは5.0〜12.0が好ましく、6.0〜11.0がより好ましい。ヨウ化物イオン放出剤及び/または臭化物イオン放出剤からヨウ化物イオン及び/または臭化物イオンを放出させる温度は10℃〜80℃が好ましく、20℃〜70℃がより好ましい。ヨウ化物イオン放出剤及び/または臭化物イオン放出剤からヨウ化物イオン及び/または臭化物イオンを放出させる際の粒子間距離を任意に制御する為には限外濾過を用いた濃縮を行うことが好ましい。ヨウ化物イオン放出剤及び/または臭化物イオン放出剤は、必要に応じて任意に2種類以上を併用することもできる。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用いることができるが、好ましい一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21巻,39頁(1973年)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、二十四面体、十二面体等の形状を有する粒子を造り、これを用いることもできる。更に、正常晶以外の双晶面を有する粒子や平板状粒子を用いてもよい。
本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一層に添加する事もできる。
本発明に係るハロゲン化銀粒子の粒径は特に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他の写真性能などを考慮すると好ましくは0.1〜5.0μm、更に好ましくは0.2〜3.0μmの範囲である。特に立方体粒子を用いる場合は、好ましくは、0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.15〜1.0μmの範囲である。
本発明のハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは 0.15以下、より好ましくは0.10以下の単分散ハロゲン化銀粒子である。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
変動係数=S/R
(ここに、S は粒径分布の標準偏差、R は平均粒径を表す。)
ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合はその直径、また、立方体や球状以外の形状の粒子の場合は、その投影像を同面積の円像に換算したときの直径を表す。
請求項1に係る発明では、上記説明した塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤が、セレン増感処理が施されていることを特徴とする。
本発明で用いることのできるセレン増感剤としては、特に水溶液中で硝酸銀と反応して銀セレニドの沈殿を形成しうる不安定セレン化合物が好ましく用いられる。例えば、米国特許第1,574,944号、同第1,602,592号、同第1,623,499号、特開昭60−150046号、特開平4−25832号、同4−109240号、同4−147250号等に記載されている。
有用なセレン増感剤としては、コロイドセレン金属、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエチルセレノ尿素、N,N,N′,N′−テトラメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N′−ジメチル−N,N′−ビス(カルボキシメチル)セレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセレノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド(例えば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズアミド、N,N−ジエチル−4−オクチルアミノスルホニルセレノベンズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ−p−トリルセレノフォスフェート、ペンタフルオロフェニル−ジフェニルセレノフォスフェート等)、セレニド類(例えば、ジメチルセレニド、トリブチルフォスフィンセレニド、トリフェニルフォスフィンセレニド、ペンタフルオロフェニル−ジフェニルフォスフィンセレニド、トリフリルフォスフィンセレニド、トリピリジルフォスフィンセレニド等)が挙げられる。特に好ましいセレン増感剤はセレノ尿素、セレノアミド類、セレニド類である。
これらのセレン増感剤の使用技術の具体例は、下記特許に開示されている。米国特許第1,574,944号、同第1,602,592号、同第1,623,499号、同第3,297,466号、同第3,297,447号、同第3,320,069号、同第3,408,196号、同第3,408,197号、同第3,442,653号、同第3,420,670号、同第3,591,385号、フランス特許第2,693,038号、同第2,093,209号、特公昭52−34491号、同52−34492号、同53−295号、同57−22090号、特開昭59−180536号、同59−185330号、同59−181337号、同59−187338号、同59−192241号、同60−150046号、同60−151637号、同61−246738号、特開平3−4221号、同3−24537号、同3−111838号、同3−116132号、同3−148648号、同3−237450号、同4−16838号、同4−25832号、同4−32831号、同4−33043号、同4−96059号、同4−109240号、同4−140738号、同4−140739号、同4−147250号、同4−184331号、同4−190225号、同4−191729号、同4−195035号、同5−11385号、同5−40324号、同5−24332号、同5−24333号、同5−303157号、同5−306268号、同6−306269号、同6−27573号、同6−75328号、同6−175259号、同6−208184号、同6−208186号、同6−317867号、同7−92599号、同7−98483号、同7−104415号、同7−140579号、同7−301879号、同7−301880号、同8−114882号、同9−19760号、同9−138475号、同9−166841号、同9−138475号、同9−189979号、同10−10666号、特開2001−343721号、英国特許第255,846号、同第861,984号等に記載されており、また、H.E.Spencer等著Journal of Photographic Science誌、31巻、158〜169(1983)等の研究論文にも開示されている。
本発明に関わるセレン増感剤の好ましい添加量は、通常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-5モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-8モル〜1×10-5モルである。
本発明に関わる前記セレン増感剤をハロゲン化銀乳剤に添加するには、当業界で写真乳剤に添加剤を加える場合に通常用いられる方法を適用できる。例えば、水溶性の化合物である場合は、適当な濃度の水溶液とし、水に不溶または難溶性の化合物の場合は、水と混合しうる任意の有機溶媒、例えば、アルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等の写真特性に悪影響を与えない溶媒に溶解し、溶液として添加することができる。
請求項2に係る発明では、上記説明した塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤が、前記一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類を用いて調製されたことを特徴とする。
以下、本発明に係る前記一般式(1)〜(3)で表される化合物について説明する。
前記一般式(1)〜(3)において、R、R1〜R4で表される脂肪族基は、飽和または不飽和の直鎖、分岐または環状の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは、炭素数が1〜22のアルキル基、炭素基が2〜22のアルケニル基、アルキニル基である。
また、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基、t−ブチル基が挙げられ、アルケニル基としては、例えば、アリル基、ブテニル基などが挙げられ、アルキニル基としては、例えば、プロパギル基が挙げられる。
R、R1〜R4で表される芳香族基には、単環または縮合環の芳香族基が含まれる。好ましい芳香族基は、炭素数が6〜20のもので、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
R、R1〜R4で表されるヘテロ環基には、単環または縮合環のヘテロ環基が含まれ、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子から選ばれる原子を少なくとも1つ有し、且つ、炭素原子を少なくとも1つ有する3員ないし10員のヘテロ環から導かれる基が挙げられる。好ましいヘテロ環基は、3〜6員環のヘテロ環基であり、例えば、ピロリジン環基、ピペリジン環基、ピリジン環基、テトラヒドロフラン環基、チオフェン環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、イミダゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンズイミダゾール環基、セレナゾール環基、ベンゾセレナゾール環基、テトラゾール環基、トリアゾール環基、ベンゾトリアゾール環基、オキサジアゾール環基、チアジアゾール環基などが挙げられる。
R、R1〜R4で表される脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基は更に置換基を有していてもよく、これら置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、オクチルオキシ基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アリーロキシ基(例えば、フェノキシ基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、ブチルチオ基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基)、アシロキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾキシ基)、カルボキシ基、シアノ基、スルホ基、アミノ基、−SO2SM及び上述のR、R1〜R4で表される脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基が挙げられる。
Lで表される2価の連結基としては、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた原子を少なくとも1種を含む原子または原子団である。具体的には、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−SO2−等の単独またはこれらの組合せからなるものである。
Lで表される2価の連結基としては、2価の脂肪族基または2価の芳香族基が好ましく、例えば、−(CH2n−〈n=1〜12〉、−CH2−CH=CH−CH2−、−CH2−C≡C−CH2−、キシリレン基、フェニレン基、ナフチレン基、
Figure 2005345691
等が挙げられる。
Lで表される2価の連結基は、更に上述の置換基で置換されていてもよい。
Mは好ましくは、金属イオン、アンモニウムイオンまたは有機カチオンである。金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。有機カチオンとしては、例えば、アルキルアンモニウムイオン(例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム)、ホスホニウムイオン(例えば、テトラフェニルホスホニウム)、グアニジル基が挙げられる。
また、一般式(1)〜(3)で表される化合物は、ポリマーの構成要素としてポリマーに含まれていてもよい。一般式(1)〜(3)で表される化合物がポリマーに含まれる場合、その繰り返し単位として、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2005345691
これらの繰り返し単位を含むポリマーは、ホモポリマーでもよいし、他の共重合モノマーとのコポリマーでもよい。
以下に、本発明に係る一般式(1)〜(3)で表される化合物の具体例及び一般式(1)〜(3)で表される化合物を構成要素として含むポリマーの具体例を列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
請求項3に係る発明では、水配位子を有する8族金属錯体及び有機配位子を有する8族金属錯体から選ばれる少なくとも1種をハロゲン化銀粒子内部に含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とする。
以下、本発明に係る水配位子を有する8族金属錯体、有機配位子を有する8族金属錯体について説明する。
本発明において用いられる8族金属錯体は鉄、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト、白金の金属錯体であることが好ましい。該金属錯体は、6配位錯体、5配位錯体、4配位錯体、2配位錯体等を用いることができるが、6配位錯体、4配位錯体が好ましい。上記水配位子及び/または有機配位子を1つ以上有する8族金属錯体から選ばれる少なくとも1種は、イリジウム錯体であることが好ましい。
本発明において、8族金属錯体を構成する配位子は、カルボニル配位子、フルミネート配位子、チオシアネート配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子、シアノ配位子、水配位子、ハロゲン配位子、あるいはアンモニア、水酸化物、亜硝酸、亜硫酸、過酸化物の配位子及び有機配位子等、任意のものを用いることができるが、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子、シアノ配位子、水配位子、ハロゲン配位子及び有機配位子から選ばれる1つ以上の配位子を含有することが好ましい。
本発明において有機配位子とは、1つ以上のH−C、C−CあるいはC−N−H結合を含み、金属イオンに配位可能な化合物をいう。本発明に用いられる有機配位子は、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピラン、ピリダジン、イミダゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ピラゾール、フラン、フラザン、オキサゾール、イソオキサゾール、チオフェン、フェナントロリン、ビピリジン、エチレンジアミンから選ばれる化合物、イオン、あるいはこれらの化合物に置換基を導入した化合物であることが好ましい。
本発明においてより好ましく用いられる水配位子及び/または有機配位子を1つ以上有するイリジウム錯体及び錯イオンの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。また、カウンターカチオンはカリウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン等、任意のものを用いることができる。また、金属錯体が陽イオンである場合に、対陰イオンとして、硝酸イオン、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン等、当業界で公知のものを用いることができる。
(A−1)K[IrBr5(H2O)]
(A−2)K2[IrBr5(H2O)]
(A−3)K3[IrBr5(H2O)]
(A−4)K4[IrBr5(H2O)]
(A−5)K[IrBr4(H2O)2
(A−6)[IrBr4(H2O)2
(A−7)[IrBr3(H2O)3
(A−8)[IrBr3(H2O)3]Br
(A−9)K[IrCl5(H2O)]
(A−10)K2[IrCl5(H2O)]
(A−11)K3[IrCl5(H2O)]
(A−12)K4[IrCl5(H2O)]
(A−13)K[IrCl4(H2O)2
(A−14)[IrCl4(H2O)2
(A−15)[IrCl3(H2O)3
(A−16)[IrBr3(H2O)3]Cl
(A−17)[Ir(bipy)Cl4-
(A−18)[Ir(bipy)Br4-
(A−19)[Ir(bipy)32+
(A−20)[Ir(py)62+
(A−21)[Ir(phen)32+
(A−22)[IrCl2(bipy)20
(A−23)[Ir(thia)62+
(A−24)[IrCl5(thia)]2-
(A−25)[IrCl4(thia)21-
(A−26)[IrCl5(5−methylthia)]2-
(A−27)[IrCl4(5−methylthia)21-
(A−28)[IrBr5(thia)]2-
(A−29)[IrBr4(thia)21-
(A−30)[IrBr5(5−methylthia)]2-
(A−31)[IrBr4(5−methylthia)2]1-
(A−32)[Ir(phen)(bipy)32+
(A−33)[Ir(im)62+
(A−34)[IrCl5(im)]2-
(A−35)[IrCl4(im)21-
(A−36)[IrBr5(im)]2-
(A−37)[IrBr4(im)21-
(A−38)[Ir(NCS)2(bipy)20
(A−39)[Ir(CN)2(bipy)20
(A−40)[IrCl2(bipy)30
(A−41)[IrCl2(bipy)20
(A−42)[Ir(phen)(bipy)22+
(A−43)[Ir(NCS)2(bipy)20
(A−44)[Ir(NCS)2(bipy)20
(A−45)[Ir(bipy)2(H2O)(bipy′)]2+
(A−46)[Ir(bipy)2(OH)(bipy′)]+
(A−47)[Ir(bipy)Cl42-
(A−48)[Ir(bipy)33+
(A−49)[Ir(py)63+
(A−50)[Ir(phen)33+
(A−51)[IrCl2(bipy)2+
(A−52)[Ir(thia)63+
(A−53)[Ir(phen)(bipy)33+
(A−54)[Ir(im)63+
(A−55)[Ir(NCS)2(bipy)2+
(A−56)[Ir(CN)2(bipy)2+
(A−57)[IrCl2(bipy)3+
(A−58)[IrCl2(bipy)2+
(A−59)[Ir(phen)(bipy)23+
(A−60)[Ir(NCS)2(bipy)2+
(A−61)[Ir(NCS)2(bipy)2+
(A−62)[Ir(bipy)2(H2O)(bipy′)]3+
(A−63)[Ir(bipy)2(OH)(bipy′)]2+
なお、上記8族金属化合物例または8族金属錯体例において、略号は下記を表す。
bipy=ビピリジン二座配位子
bipy′=ビピリジン単座配位子
im=イミダゾール
py=ピリジン
phen=フェナントロリン
thia=チアゾール
5−methylthia=5−メチルチアゾール
本発明に係るハロゲン化銀乳剤の形成においては、上記水配位子または有機配位子を1つ以上有する8族金属錯体の1種類以上を添加する以外に、更に下記一般式(A)で表される8族金属錯体の少なくとも1種類以上を添加することが好ましい。
一般式(A)
Rn[MXm6-m
式中、Mは周期表8族元素から選択される金属を表し、鉄、コバルト、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、白金であり、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オスミウムであることがより好ましい。Rはアルカリ金属を表し好ましくはセシウム、ナトリウムまたはカリウムである。mは0〜6、nは0〜4の整数を表す。X及びYは配位子を表し、カルボニル配位子、フルミネート配位子、チオシアネート配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子、シアノ配位子、ハロゲン配位子、あるいはアンモニア、水酸化物、亜硝酸、亜硫酸、過酸化物の配位子を表す。
以下に本発明において用いられる8族金属化合物、8族金属錯体の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。また、カウンターカチオンはカリウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン等、任意のものを用いることができる。また、金属錯体が陽イオンである場合に、対陰イオンとして、硝酸イオン、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン等、当業界で公知のものを用いることができる。
(E−1)K2[IrCl6
(E−2)K3[IrCl6
(E−3)K2[Ir(CN)6
(E−4)K3[Ir(CN)6
(E−5)K2[Ir(NO)(CN)5
(E−6)K2[IrBr6
(E−7)K3[IrBr6
(E−8)K2[IrBr4Cl2
(E−9)K3[IrBr4Cl2
(E−10)K2[IrBr3Cl3
(E−11)K3[IrBr3Cl3
(E−12)K2[IrBr5Cl]
(E−13)K3[IrBr5Cl]
(E−14)K2[IrBr5I]
(E−15)K3[IrBr5I]
(E−16)K3[IrBr(CN)5
(E−17)K3[IrBr2(CN)4
(E−18)K2[Ir(CN)5(H2O)]
(E−19)K3[Ir(CN)5(H2O)]
(E−20)K[Ir(NO)Cl5
(E−21)K[Ir(NS)Cl5
(F−1)K2[RuCl6
(F−2)K2[FeCl6
(F−3)K2[PtCl6
(F−4)K3[RhCl6
(F−5)K2[OsCl6
(F−6)K2[RuBr6
(F−7)K2[FeBr6
(F−8)K2[PtBr6
(F−9)K3[RhBr6
(F−10)K2[OsBr6
(F−11)K2[Pt(SCN)4
(F−12)K4[Ru(CNO)6
(F−13)K4[Fe(CNO)6
(F−14)K2[Pt(CNO)4
(F−15)K3[Co(NH36
(F−16)K3[Co(CNO)6
(F−17)K4[Os(CNO)6
(F−18)Cs2[Os(NO)Cl5
(F−19)K2[Ru(NO)Cl5
(F−20)K2[Ru(CO)Cl5
(F−21)Cs2[Os(CO)Cl5
(F−22)K2[Fe(NO)Cl5
(F−23)K2[Ru(NO)Br5
(F−24)K2[Ru(NO)I5
(F−25)K2[Ru(NS)Cl5
(F−26)K2[Os(NS)Cl5
(F−27)K2[Ru(NS)Br5
(F−28)K2[Ru(NS)(SCN)5
(F−29)K2[RuBr6
(F−30)K2[FeBr6
(F−31)K4[Fe(CN)6
(F−32)K3[Fe(CN)6
(F−33)K4[Ru(CN)6
(F−34)K4[Os(CN)6
(F−35)K3[Rh(CN)6
(F−36)K4[RuCl(CN)5
(F−37)K4[OsBr(CN)5
(F−38)K4[OsCl(CN)5
(F−39)K3[RhF(CN)5
(F−40)K3[Fe(CO)(CN)5
(F−41)K4[RuF2(CN)4
(F−42)K4[OsCl2(CN)4
(F−43)K4[RhI2(CN)4
(F−44)K4[Ru(CN)5(OCN)]
(F−45)K4[Ru(CN)5(N34
(F−46)K4[Os(CN)5(SCN)]
(F−47)K4[Rh(CN)5(SeCN)]
(F−48)K4[RuF2(CN)4
(F−49)K3[Fe(CN)3Cl3
(F−50)K4[Os(CN)Cl5
(F−51)K3[Co(CN)6
(F−52)K2[RuBr(CN)5
(F−53)K2[Os(NS)(CN)5
(F−54)K[Ru(NO)2Cl4
(F−55)K4[Ru(CN)5(N34
(F−56)K2[Os(NS)Cl(SCN)4
(F−57)K2[Ru(NS)I5
(F−58)K2[Os(NS)Cl4(TeCN)4
(F−59)K2[Rh(NS)Cl5
(F−60)K2[Ru(NO)(CN)5
(F−61)K[Rh(NO)2Cl4
(F−62)K2[Rh(NO)Cl5
本発明において、8族金属化合物を含有させるには、ハロゲン化銀粒子の物理熟成中にドーピングを行ってもよいし、ハロゲン化銀粒子の形成過程(一般に、水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化アルカリの添加中)にドーピングを行ってもよいし、またハロゲン化銀粒子形成を一時止めた状態でドーピングを施しその後更に粒子形成を継続してもよく、8族金属化合物の存在下で核形成や物理熟成、粒子形成を行うことにより実施できる。
本発明で用いられる8族金属化合物の濃度としては、一般的にハロゲン化銀1モルあたり1×10-9モル以上1×10-2モル以下の範囲が適当であり、より好ましくは1×10-9モル以上1×10-3モル以下の範囲であり、2×10-9〜1×10-4モルの範囲が特に好ましい。
本発明において、ハロゲン化銀粒子に8族金属化合物を含有させるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、或いは水、メタノール、エタノール等の単独もしくは混合溶媒に溶解したものを添加してもよく、当業界で一般に添加剤をハロゲン化銀乳剤に加える方法を適用することができる。また、8族金属化合物をハロゲン化銀微粒子とともにハロゲン化銀乳剤に加えることができ、ハロゲン化銀粒子形成中に8族金属化合物を含有するハロゲン化銀微粒子を添加することができる。
上記ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子形成中に8族金属化合物を含有するハロゲン化銀微粒子を添加する製造方法に関しては、特開平11−212201号及び特開2000−89403号記載の方法を参照することができる。
請求項4に係る発明においては、前記記一般式(4)で表される分光増感色素を含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とする。
前記一般式(4)において、R1及びR2は各々、アルキル基又はアルケニル基を表し、R3及びR4は各々、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。Z1及びZ2は各々、ベンゾイミダゾール核を完成するのに必要な原子群を表す。X1は分子の総電荷を相殺するのに必要なイオンを表し、n1は分子内の電荷を中和するのに必要な数を表す。
本発明に用いられる一般式(4)で表される増感色素において、R1及びR2は各々、炭素原子数1〜10の分岐域は直鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、i−ペンチル、2−エチル−ヘキシル、オクチル、デシル等の各基)又は炭素原子数3〜10のアルケニル基(例えば、2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル、4−ヘキセニル等の各基)である。これらの基は、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等)、シアノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−テトラメチレンカルバモイル等の各基)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、N,N−3−オキサペンタメチレンアミノスルホニル等の各基)、メタンスルホニル基、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基等)等の置換基で置換されていてもよく、好ましくは水可溶性基(例えば、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基、スルファト基、ヒドロキシル基、スルフィノ基等)で置換される。
1及びR2で示される水可溶性基で置換したアルキル基としては、例えば、カルボキシメチル、スルホエチル、スルホプロピル、スルホブチル、スルホペンチル、3−スルホブチル、ヒドロキシエチル、カルボキシエチル、3−スルフィノブチル、3−ホスホノプロピル、p−スルホベンジル、o−カルボキシベンジル等の各基が挙げられ、水可溶性基を置換したアルケニル基としては、例えば4−スルホ−3−ブテニル基、2−カルボキシ−2−プロペニル基等が挙げられる。
一般式(4)において、それぞれR1とR2のいづれか一方の基が水溶性の基を有していることが好ましい。
1が表す分子内の電荷を相殺するイオンとしては、アニオン或はカチオンから選択される。アニオンは無機及び有機のものを含み、具体的にはハロゲンイオン(例えば、クロル、臭素、沃素等)有機酸アニオン(例えば、p−トルエンスルホナート、p−クロロベンゼンスルホナート、メタンスルホナート等)、テトラフルオロ硼素イオン、過塩素酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン等が挙げられる。
カチオンは無機及び有機のものを含み、具体的には水素イオン、アルカリ金属イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等の各イオン)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等の各イオン)、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリエタノールアンモニウムの各イオン)、ピリジニウムイオン等が挙げられる。
前記一般式(4)において、R3及びR4が各々表すアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンチル、カルバモイルエチル、メトキシカルボニルプロピル、ヒドロキシエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、ペルフルオロエチル、ヒドロキシエトキシエチル、メトキシエチル、2−フェニル等の各基があり、R3及びR4が各々アルケニル基としては2−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ブテニル、4−ヘキセニル等の基が挙げられる。
3及びR4で各々表されるアリール基としては、フェニル基が好ましく、置換基を有してもよい。
1、Z2で表されるベンゾイミダゾール核は置換基を有するものも含まれる。置換基としては具体的には、次のようなものが挙げられる。
アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオンオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等の各基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、トリルオキシカルボニル、β−ナフトキシカルボニル等の各基)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、沃素、弗素等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等の各基)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル等の各基)、アリールスルホニル(例えば、フェニルスルホニル基、p−トリルスルホニル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、N−メチルスルファモイル、モルホリノスルホニル、ピペリジノスルホニル等の各基)、ペルフルオロ炭化水素基(例えば、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロフェニル基等)が挙げられる。
以下、一般式(4)で表される増感色素の具体例を示すが、本発明に用いられる増感色素はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
本発明に係る前記一般式(4)で示される増感色素は、例えば(J.Am.Chem.Soc.67,1875−1899(1945))、エフ・エム・ハーマー著、ザ・ケミストリー・オブ・ヘテロサイクリック・コンパウンズ(The Chemistry of Heterocyclic Compounds)第18巻、ザ・シアニン・ダイズ・アンド・リレーテッド・コンパウンズ(The Cyanine Dyes and Related Compounds)(A.Weissherger ed.Interscience社刊、New York 1964年)、米国特許3,483,196号、同3,541,089号、同3,541,089号、同3,598,595号、同3,598,596号、同3,632,808号、同3,757,663号、特開昭60−78445号等に記載の方法を参照することにより当該業者は容易に合成することができる。
前記一般式(4)の増感色素の最適濃度は、当業者に公知の方法によって決定することができる。例えば、ある同一乳剤を分割し、各乳剤に異る濃度の増感色素を含有せしめて、それぞれの性能を測定することにより決定する方法等が挙げられる。
本発明における増感色素の添加量は、特に制限はないが、ハロゲン化銀1モル当り、2×10-6モル〜1×10-2モルを用いるのが好ましく、更には5×10-6モル〜5×10-3モルを用いるのが好ましい。
増感色素のハロゲン化銀乳剤への添加には、当業界でよく知られた方法を用いることができる。例えば、これらの増感色素は直接乳剤に分散することもできるし、あるいはピリジン、メチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロソルブ、アセトン、フッ素化アルコール、ジメチルホルムアミド又はこれらの混合物などの水可溶性溶媒に溶解し、あるいは水で希釈し、ないしは水の中で溶解し、これらの溶液の形で乳剤へ添加することができる。溶解の過程で超音波振動を用いることもできる。
又、色素は米国特許3,469,987号などに記載されている如く、色素を揮発性有機溶媒に溶解し、この溶液を親水性コロイド中に分散しこの分散物を乳剤に添加する方法、特公昭46−24185号公報などに記載されている如く、水不溶性色素を溶解することなしに水溶性溶媒中に分散させ、この分散液を乳剤に添加する方法も用いられる。
又、色素は酸溶解分散法による分散物の形で乳剤へ添加することができる。その他乳剤への添加には、米国特許2,912,345号、同3,342,605号、同2,996,287号及び同3,425,835号等に記載の方法を用いることもできる。
増感色素を乳剤へ添加する時期は、ハロゲン化銀粒子の形成時から、支持体に塗布する直前までの製造工程中の任意の時期に添加することができる。
具体的には、ハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子形成中、ハロゲン化銀粒子形成終了後から化学増感開始までの間、化学増感開始時、化学増感中、化学増感終了時及び化学増感終了後から塗布時までの間から選ばれた任意の時期でよい。又複数回に分けて添加してもよい。
次いで、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料のその他の構成要素について説明する。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤においては、ハロゲン化銀乳剤が実質的にカルシウムイオンを含まないゼラチンを含有することが好ましい。本発明において、実質的にカルシウムイオンを含まないゼラチンとは、カルシウム含有量が100ppm以下であるゼラチンであり、好ましくは50ppm以下、より好ましくは30ppm以下である。本発明に係る実質的にカルシウムイオンを含まないゼラチンはイオン交換樹脂等を用いたカチオン交換処理により得ることができる。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤においては、実質的にカルシウムイオンを含まないゼラチンがハロゲン化銀粒子形成から脱塩、分散、化学増感及び/または色増感の終了までのいずれか1つ以上のハロゲン化銀乳剤調製工程で使用されることが好ましいが、化学増感及び/または色増感の前であることが好ましい。調製したハロゲン化銀乳剤中の全分散媒の10質量パーセント以上が、該実質的にカルシウムイオンを含まないゼラチンであることが好ましく、30質量パーセント以上である事がより好ましく、50質量パーセント以上であることが更に好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤においては、ハロゲン化銀粒子がアミノ基置換された化学修飾ゼラチンを用いてハロゲン化銀粒子の粒子形成及び/または脱塩が行われていることが好ましい。該化学修飾ゼラチンには特開平5−72658号公報、特開平9−197595号公報、特開平9−251193号公報などに記載の、ゼラチンのアミノ基を置換した化学修飾ゼラチンを好ましく使用することができる。粒子形成及び/または脱塩において該化学修飾ゼラチンを用いる場合、粒子形成に用いる全分散媒の10質量パーセント以上が、該化学修飾ゼラチンであることが好ましく、30質量パーセント以上である事がより好ましく、50質量パーセント以上であることが更に好ましい。アミノ基の置換比率は30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀写真乳剤の製造においては、粒子形成後において、脱塩を行うことが好ましい。脱塩は、例えば、RD17643号II項の方法により行うことができる。
更に詳しくは、沈殿生成物あるいは物理熟成後の乳剤から不要な可溶性塩類を除去する為には、ゼラチンをゲル化させて行うヌーデル水洗法を用いてもよく、また無機塩類、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えば、ポリスチレンスルホン酸)を用いることができ、ゼラチン誘導体及び化学修飾ゼラチン(例えば、アシル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチン)を利用した沈殿法も好ましく用いることができる。また、膜分離を利用した限外濾過も脱塩に好ましく用いることができる。
膜分離を利用した限外濾過に関しては、化学工学便覧、改訂五版(化学工学協会編、丸善)924〜954頁、RDの102巻10208及び第131巻13122、あるいは特公昭59−43727号、同62−27008号、特開昭62−113137号、同57−209823号、同59−43727号、同61−219948号、同62−23035号、同63−40137号、同63−40039号、特開平3−140946号、同2−172816号、同2−172817号、同4−22942号等に記載の方法も参考にすることができる。本発明において、限外濾過を用いる場合には特開平11−339923号あるいは特開平11−231448号記載の装置または方法を用いることが好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤の製造において用いられる分散媒は、ハロゲン化銀粒子に対する保護コロイド性を有する化合物である。該分散媒は、ハロゲン化銀粒子形成時の核生成工程から粒子成長工程に渡って存在させることが好ましい。本発明で好ましく用いることができる分散媒には、ゼラチンと親水性コロイドがある。ゼラチンとしては、通常分子量10万程度のアルカリ処理ゼラチンや酸処理ゼラチン、或いは酸化処理したゼラチンや、Bull.Soc.Sci.Photo.Japan No.16,P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチンを好ましく用いることができる。ハロゲン化銀粒子の核生成時には平均分子量が1万〜7万のゼラチンを用いることが好ましく、平均分子量が1万〜5万のゼラチンを用いることが更に好ましい。ゼラチンの平均分子量を小さくするために、ゼラチン分解酵素や過酸化水素等を用いてゼラチンを分解処理することができる。また、同様に核生成時にメチオニン含有量が少ないゼラチンを用いることも特に平板状ハロゲン化銀粒子を形成する際には好ましい。分散媒単位質量(グラム)当たりのメチオニン含有量としては50μモル以下が好ましく、20μモル以下がより好ましい。ゼラチン中のメチオニン含有量は、過酸化水素等を用いてゼラチンを酸化処理することによって低減せしめることができる。
親水性コロイドとしては、例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼインのような蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体のような糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾールのような単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Photo.Japan.No.16.P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を造った後で成長させてもよい。種粒子を造る方法と成長させる方法は、同じであっても異なってもよい。
又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど何れでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式として、特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
又、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物水溶液を供給する装置、独国公開特許2,921,164号等に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物水溶液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行う装置などを用いてもよい。
更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。又、メルカプト基を有する化合物、含窒素複素環化合物又は増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時又は粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、前述の本発明に係るセレン増感法の他に、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤に適用するカルコゲン増感剤としては、セレン増感法の他に、硫黄増感剤、テルル増感剤などを用いることができるが、硫黄増感剤が好ましい。
硫黄増感剤としては、1,3−ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、1−エチル−3−(2−チアゾリル)チオ尿素などのチオ尿素誘導体、ローダニン誘導体、ジチカルバミン酸類、ポリスルフィド有機化合物、チオ硫酸塩、硫黄単体などが好ましい。尚、硫黄単体としては、斜方晶系に属するα−硫黄が好ましい。その他、米国特許第1,574,944号、同第2,410,689号、同第2,278,947号、同第2,728,668号、同第3,501,313号、同第3,656,955号等の各明細書、西独出願公開(OLS)1,422,869号、特開昭56−24937号、同55−45016号等に記載されている硫黄増感剤を用いることができる。
本発明において、更にリサーチディスクロージャー誌307巻307105号などに記載されている金、白金、パラジウム、イリジウムなどの貴金属塩を用いることが好ましく、中でも、特に金増感剤を併用することが好ましい。有用な金増感剤としては、塩化金酸、チオ硫酸金、チオシアン酸金等の他に、米国特許第2,597,856号、同第5,049,485号、特公昭44−15748号、特開平1−147537号、同4−70650号等に開示されている有機金化合物、あるいは硫化金、硫化金銀などが挙げられる。また金錯塩を用いた増感法を行う場合には、補助剤として、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテルなどの金のリガンドを併用することが好ましく、特に、チオシアン酸塩を用いるのが好ましい。
本発明に係る上記各種の化学増感剤や抑制剤、酸化剤等においては、特開2001−318443号、特願2003−29472号、特開2004−37554号、同2004−4144号、同2004−4446号、同2004−4452号、同2004−4456号、同2004−4458号、同2004−4656号、同2004−4672号、同2003−307803号、同2003−287841号、同2003−287842号、同2003−233146号、同2003−172990号、同2003−172991号、同2003−113193号、同2003−113194号、同2003−114489号、同2002−372765号、同2002−296721号、同2002−278011号、同2002−268169号、同2002−244241号、同2002−250982号、同2002−258427号、同2002−268168号、同2002−268170号、同2000−193942号、同2001−75214号、同2001−75215号、同2001−75216号、同2001−75217号、同2001−75218号、同2001−100352号、同2004−70363号、同2004−67695号、同2002−131858号、同2001−166412号等の公報、欧州特許第1094360号明細書、同1388752号明細書、米国特許第6686143号明細書、同6322961号明細書等に記載の化合物及びその使用技術も好ましく用いることができる。
上記カルコゲン増感剤及び金増感剤の添加量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件によって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-5モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。前記の各種増感剤の添加方法は、用いる増感剤の性質に応じて、水またはメタノール等の有機溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添加する方法でも、あるいはゼラチン溶液と予め混合して添加する方法でも、特開平4−140739号に開示されている方法、すなわち有機溶媒可溶性の重合体との混合溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でもよい。
本発明においては、還元増感法を用いてもよく、リサーチディスクロージャー誌307巻307105号や特開平7−78685号などに記載されている還元性化合物を用いる事も出来る。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀写真感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、酸化剤、抑制剤、安定剤等を用いることが出来る。こうした目的に用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2−146036号公報7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げることができ、さらに好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、1−(3−メトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール等の化合物、特開平8−6201記載の一般式(S)化合物、チオスルフォン酸化合物、ジスルフィド化合物、ポリスルフィド化合物等が好ましく、特願2003−29472号、同2003−10482号、同2002−312557号等に記載の化合物を好ましく用いることができる。
これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物の好ましい添加量は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8〜1×10-1モル、更に好ましくは1×10-7〜1×10-2モルである。これら化合物の添加には、当業界で写真乳剤あるいは塗布液、調製液等に添加剤を加える場合に通常用いられる方法を適用できる。例えば、水溶性の化合物である場合は、適当な濃度の水溶液とし、水に不溶または難溶性の化合物の場合は、水と混合しうる任意の有機溶媒、例えば、アルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等の写真特性に悪影響を与えない溶媒に溶解し、溶液として添加することができる。
感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物を何れも用いることができるが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−251840号30頁に記載のAI−1〜11の染料及び特開平6−3770号記載の染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料としては、特開平1−280750号2頁左下欄に記載の一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物が好ましい分光特性を有し、写真乳剤の写真特性への影響もなく、又、残色による汚染もなく好ましい。好ましい化合物の具体例として、同公報3頁左下欄〜5頁左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げることができる。これらの染料を添加する量として、鮮鋭性を改良する目的には、感光材料の未処理試料の680nmにおける分光反射濃度が0.7〜3.0にする量が好ましく、更には0.8〜3.0にすることがより好ましい。
感光材料中に蛍光増白剤を添加することが白地性を改良でき好ましい。好ましく用いられる化合物としては、特開平2−232652号記載の一般式〔II〕で示される化合物が挙げられる。
本発明の感光材料をカラー感光材料として用いる場合には、イエローカプラー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わせて400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は1種又は2種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
本発明に用いる分光増感色素としては、公知の化合物を何れも用いることができるが、青感光性増感色素としては、特開平3−251840号28頁に記載のBS−1〜BS−8を単独で又は組み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公報28頁に記載のGS−1〜GS−5が好ましく、更に赤感光性増感色素としては、同公報29頁に記載のRS−1〜RS−8が好ましく用いられる。又、半導体レーザーを用いるなどして赤外光により画像露光を行う場合には、赤外感光性増感色素を用いる必要があるが、赤外感光性増感色素としては、特開平4−285950号6〜8頁に記載のIRS−1〜IRS−11の色素が好ましく用いられる。又、これらの赤外、赤、緑、青感光性増感色素に特開平4−285950号8〜9頁に記載の強色増感剤SS−1〜SS−9や特開平5−66515号15〜17頁に記載の化合物S−1〜S−17を組み合わせて用いるのが好ましい。
増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了迄の任意の時期でよい。
増感色素の添加方法としては、メタノール、エタノール、弗素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して溶液として添加してもよいし、固体分散物として添加してもよい。
本発明の感光材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得る如何なる化合物をも用いることができるが、特に代表的なカプラーとしては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエロー色素形成カプラー、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知られているものが挙げられる。
好ましく用いることのできるシアンカプラーとしては、特開平4−114154号5頁左下欄に記載の一般式〔C−I〕、〔C−II〕で表されるカプラーを挙げることができ、具体的な化合物として、同公報5頁右下欄〜6頁左下欄にCC−1〜CC−9として記載されているものを挙げることができる。
好ましく用いることのできるマゼンタカプラーとしては、特開平4−114154号4頁右上欄に記載の一般式〔M−I〕、〔M−II〕で表されるカプラーを挙げることができ、具体的な化合物として、同公報4頁左下欄〜5頁右上欄にMC−1〜MC−11として記載されているものを挙げることができる。上記マゼンタカプラーの内、より好ましいものは一般式〔M−I〕で表されるカプラーであり、その内、該一般式〔M−I〕のRMが3級アルキル基であるカプラーが耐光性に優れ特に好ましい。同公報5頁上欄に記載されているMC−8〜MC−11は、青〜紫、赤に到る色の再現に優れ、更にディテールの描写力にも優れており好ましい。
好ましく用いることのできるイエローカプラーとしては、特開平4−114154号3頁右上欄に記載の一般式〔Y−I〕で表されるカプラーを挙げることができ、具体的化合物は同公報3頁左下欄以降にYC−1〜YC−9として記載されているものを挙げることができる。中でも、一般式〔Y−1〕のRY1がアルコキシ基であるカプラー、又は特開平6−67388号記載の一般式〔I〕で示されるカプラーは、好ましい色調の黄色を再現でき好ましい。この内、特に好ましい化合物例として特開平4−114154号4頁左上欄に記載されるYC−8、YC−9及び特開平6−67388号13〜14頁に記載のNo(1)〜(47)で示される化合物を挙げることができる。更に最も好ましい化合物は、特開平4−81847号1頁及び11〜17頁に記載の一般式[Y−1]で示される化合物である。
感光材料に用いられるカプラーやその他の有機化合物を添加するのに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/又は水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後又は分散と同時に、低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。
カプラーを溶解して分散するために用いることの出来る高沸点有機溶媒としては、ジオクチルフタレート、ジ−i−デシルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等の燐酸エステル類が好ましく用いられる。又、高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0であることが好ましい。又、2種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
又、高沸点有機溶媒を用いる方法に代えて、又は高沸点有機溶媒と併用して、水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応じて低沸点及び/又は水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて種々の分散手段により乳化分散する方法を採ることもできる。この時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性のポリマーとしては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)等を挙げることができる。
写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基又はその塩を含有するものが挙げられる。具体的には、特開昭64−26854号記載のA−1〜A−11が挙げられる。又、アルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は、通常、ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加される迄の時間、及び塗布液に添加後塗布迄の時間は短いほうが良く、各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
上記各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することが好ましい。特に好ましい化合物としては、特開平2−66541号3頁記載の一般式〔I〕及び〔II〕で示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−174150号記載の一般式〔IIIB〕で示されるフェノール系化合物、特開昭64−90445号記載の一般式〔A〕で示されるアミン系化合物、特開昭62−182741号記載の一般式〔XII〕、〔XIII〕、〔XIV〕、〔XV〕で示される金属錯体が特にマゼンタ色素用として好ましい。又、特開平1−196049号記載の一般式〔I〕で示される化合物及び特開平5−11417号記載の一般式[II]で示される化合物が特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
発色色素の吸収波長をシフトさせる目的で、特開平4−114154号9頁左下欄に記載の化合物d−11、同10頁左上欄に記載の化合物A′−1等の化合物を用いることができる。又、これ以外にも、米国特許4,774,187号に記載の蛍光色素放出化合物を用いることもできる。
感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防止したり、又、ハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等を改良することが好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、更に好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は、特開平4−133056号記載の一般式〔II〕で示される化合物であり、同号13〜14頁に記載の化合物II−1〜II−14及び17頁記載の化合物−1が挙げられる。
感光材料中には、紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり、色素画像の耐光性を改良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物として特開平1−250944号記載の一般式〔III−3〕で示される化合物、特開昭64−66646号記載の一般式[III]で示される化合物、特開昭63−187240号記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号記載の一般式[I]で示される化合物、特開平5−165144号記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
本発明の感光材料にはバインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じてゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一又は共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
本発明の感光材料においては、構成層中の総塗設ゼラチン量は3g/m2以上、6g/m2以下であることが好ましく、3g/m2以上、5g/m2以下であることが更に好ましい。また、超迅速処理した場合でも、現像進行性、及び定着漂白性、残色を満足するために、構成層全体の膜厚が3μm〜7.5μmであることが好ましく、更に3μm〜6.5μmであることが好ましい。乾燥膜厚の評価方法は、乾燥膜剥離前後の膜厚の変化、あるいは断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡での観察により測定することができる。本発明において、現像進行性と乾燥速度を上げることを両立するために、膨潤膜厚が8μm〜19μmであることが好ましく、更に9μm〜18μmであることが好ましい。膨潤膜厚の測定としては、35℃の水溶液中に乾燥した感光材料を浸し、膨潤して十分平衡に達した状態で打点方法にて測定することができる。本発明における塗布銀量は、0.3g/m2〜0.6g/m2であることが好ましく、0.3g/m2〜0.5g/m2であることが更に好ましい。
これらバインダーの硬膜剤としては、ビニルスルホン型硬膜剤、クロロトリアジン型硬膜剤、カルボキシル基活性型硬膜剤を単独又は併用して使用することが好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号記載の化合物を使用することが好ましい。又、写真性能や画像保存性に悪影響する黴や細菌の繁殖を防ぐため、コロイド層中に特開平3−157646号記載のような防腐剤及び抗黴剤を添加することが好ましい。又、感光材料又は処理後の試料の表面の物性を改良するため、保護層に特開平6−118543号や特開平2−73250号記載の滑り剤やマット剤を添加することが好ましい。
感光材料に用いる支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることができる。中でも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。
耐水性樹脂としては、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレート又はそれらのコポリマーが好ましい。
支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/又は有機の白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉珪酸、合成珪酸塩等のシリカ類、珪酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良する上で13質量%以上が好ましく、更には15質量%以上がより好ましい。
紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号に記載の方法で測定することができる。この方法で測定した時に、白色顔料の分散度が同公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
又、支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、更には0.12μm以下である方が光沢性が良いという効果が得られより好ましい。又、反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂中や塗布された親水性コロイド層中に、処理後の白地部の分光反射濃度バランスを調整し白色性を改良するため、群青、油溶性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加することが好ましい。
感光材料は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接又は下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/又はその他の特性を向上するための1又は2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
ハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布することの出来るエクストルージョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有用である。
本発明の感光材料を用いて写真画像を形成するには、ネガ上に記録された画像を、プリントしようとする感光材料上に光学的に結像させて焼き付けてもよいし、画像を一旦デジタル情報に変換した後、その画像をCRT(陰極線管)上に結像させ、この像をプリントしようとする感光材料上に結像させて焼き付けてもよいし、デジタル情報に基づいてレーザー光の強度を変化させて走査することによって焼き付けてもよい。
本発明は、現像主薬を感光材料中に内蔵していない感光材料に適用することが好ましく、特に直接鑑賞用の画像を形成する感光材料に適用することが好ましい。例えば、カラーペーパー、カラー反転ペーパー、ポジ画像を形成する感光材料、ディスプレイ用感光材料、カラープルーフ用感光材料を挙げることができる。特に、反射支持体を有する感光材料に適用することが好ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法は、露光を施したハロゲン化銀カラー写真感光材料を、発色処理工程(発色現像液)に続いて、漂白工程(漂白液)、定着工程(定着液)あるいは漂白定着工程(漂白定着液)、安定化工程(安定化液)を経て、乾燥する。また、それぞれ補充用発色現像液、補充用漂白液、補充用定着液、あるいは補充用漂白定着液、補充用安定化液等を補充しながら連続的に現像処理することができる。以下に本発明で用いられる発色現像液、漂白液、漂白定着液、定着液、安定液、リンス液について説明する。
本発明に係る発色現像液に用いられる発色現像主薬として好ましい例は、公知の芳香族第1級アミン発色現像主薬、特にp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。
1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
2)4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン
3)4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)−N−メチルアニリン
4)4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
5)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
6)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アニリン
7)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(4−ヒドロキシブチル)アニリン
8)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)アニリン
9)4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロキシエチル)アニリン
10)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メトキシエチル)アニリン
11)4−アミノ−3−メチル−N−(β−エトキシエチル)−N−エチルアニリン
12)4−アミノ−3−メチル−N−(3−カルバモイルプロピル)−N−n−プロピル−アニリン
13)4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル)−N−n−プロピル−3−メチルアニリン
14)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシピロリジン
15)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−(ヒドロキンメチル)ピロリジン
16)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−ピロリジンカルボキサミド
上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち、特に好ましくは例示化合物5)、6)、7)、8)及び12)であり、その中でも例示化合物5)と8)が好ましい。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は、硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩の形、或いは遊離塩基型(フリー体ともいう)である。上記芳香族第1級アミン現像主薬の使用液中の濃度は、現像液1L当たり2mmol〜200mmolが好ましく、より好ましくは6mmol〜100mmolであり、特に10mmol〜40mmolが好ましい。
本発明に用いられる発色現像液においては、発色現像主薬の酸化による消失を減じるため、保恒剤を含有することが好ましい。代表的な保恒剤としては、ヒドロキシルアミン誘導体が挙げられる。本発明で用いることのできるヒドロキシルアミン誘導体としては、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン等のヒドロキシルアミン塩の他、例えば、特開平1−97953号、同1−186939号、同1−186940号、同1−187557号公報などに記載されているヒドロキシルアミン誘導体を用いることができるが、特に、下記一般式〔A〕で表されるヒドロキシルアミン誘導体が好ましい。
Figure 2005345691
上記一般式〔A〕において、Lは置換してもよいアルキレン基を表し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン基、ヒドロキシル基、アルキル置換してもよいアミノ基、アルキル置換してもよいアンモニオ基、アルキル置換してもよいカルバモイル基、アルキル置換してもよいスルファモイル基、アルキルスルホニル基、水素原子、アルコキシル基、または−O−(B−O)n−R′を表し、R、R′は各々水素原子、置換してもよいアルキル基を表す。Bは置換してもよいアルキレン基を表し、nは1〜4の整数を表す。
上記一般式〔A〕において、Lは炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の置換してもよいアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5が更に好ましい。具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン等の基が好ましい例として挙げられる。置換基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン基、ヒドロキシル基、アルキル置換してもよいアンモニオ基を表し、カルボキシル基、スルホ基、ホスフィン基、ヒドロキシル基が好ましい例として挙げられる。Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン基、ヒドロキシル基、または、それぞれアルキル置換してもよいアミノ基、アンモニオ基、カルバモイル基またはスルファモイル基を表し、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基、ホスホノ基、アルキル置換してもよいカルバモイル基が好ましい例として挙げられる。−L−Aの例として、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基、ヒドロキシエチル基を好ましい例として挙げることができ、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基が特に好ましい例として挙げることができる。Rは水素原子、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の置換してもよいアルキル基が好ましく、特に、炭素数1〜5が好ましい。置換基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン酸基、ヒドロキシル基、または、それぞれアルキル置換してもよいアミノ基、アンモニオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシル基、−O−(B−O)n−R′等が挙げられる。なお、B及びR′は前記Aの説明に記載のそれらと同義である。置換基は二つ以上あってもよい。Rとして水素原子、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基、ヒドロキシエチル基が好ましい例として挙げることができ、水素原子、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、スルホエチル基、スルホプロピル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基が特に好ましい例として挙げることができる。LとRが連結して環を形成してもよい。
以下に、一般式〔A〕で表される化合物のうち、その代表的な化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
また、保恒剤として亜硫酸塩を使用することも好ましく、その濃度は、カラーネガフィルム用発色現像液においては、0.005〜1.0mol/Lが好ましく、カラーペーパー用は色現像液においては、0〜0.1mol/Lが好ましい。本発明で用いることのできる亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウムなどを挙げることができる。
発色現像液には、上記説明した本発明に係る保恒剤の他に、下記に示す保恒剤の使用を制限するものではない。ヒドロキサム酸類、ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、糖類、モノアミン類、ジアミン類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合物類、縮環式アミン類などを挙げることができる。これらは、特開昭63−4235号、同63−30845号、同63−21647号、同63−44655号、同63−53551号、同63−43140号、同63−56654号、同63−58346号、同63−43138号、同63−146041号、同63−44657号、同63−44656号、米国特許第3,615,503号、同2,494,903号、特開昭52−143020号、特公昭4830496号などの各公報または明細書に開示されている。
その他、特開昭57−44148号及び同57−53749号公報に記載の各種金属類、特開昭59−180588号公報に記載のサリチル酸類、トリエタノールアミンやトリイソパノールアミンの如き特開昭54−3532号公報に記載のアルカノールアミン類、米国特許第3,746,544号明細書等に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応じて含有しても良い。
本発明に用いられる発色現像液は9.0以上、13.5以下であることが好ましく、更に好ましく9.5以上、12.0以下であり、そのpH値を維持できるようにアルカリ剤、緩衝剤及び必要によっては酸を含ませることができる。
発色現像処理液を調整したときに、上記pHを保持する観点からは、下記に示す緩衝剤を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1、3−プロバンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキンアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、pH10.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、発色現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カプリなど)がなく、安価であるといった観点から好ましい緩衝剤である。
上記緩衝剤の例示化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)などを挙げることができる。しかしながら本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
これら緩衝剤は、発色現像液1リットルあたり0.01〜2モルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5モルである。
本発明に用いられる発色現像液には、その他の成分として、例えばカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤や、安定性向上剤でもある各種キレート剤を添加することもできる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、トランスシロヘキサシジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロバン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。また、これらのキレート剤の量は、発色現像液処理中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良い。例えば、1リットル当り0.lg〜10g程度になるように添加する。
本発明に用いられる発色現像液には、必要により任意の現像促進剤を添加することもできる。現像促進剤としては、特公昭37−16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,247号等の各公報または明細書に表されるネオエーテル系化合物、特開昭52−49829号及び同50−15554号公報に表わされるp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号及び同52−43429号公報等に表される4級アンモニウム塩類、米国特許第2,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許第2,482,546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等の各公報または明細書に記載のアミン系化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、米国特許第3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23883号及び米国特許第3,532,501号等の各公報または明細書に表されるポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ビラゾリトン類またはイミダゾール類を必要に応じて添加することができる。それらの濃度は、発色現像液1リットルあたり0.001〜0.2モルが好ましく、より好ましくは0.01〜0.05モルである。
発色現像液には、必要に応じて、ハロゲンイオンのほかに、任意のカブリ防止剤を添加できる。有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例として挙げられる。
また、本発明に用いられる発色現像液には、必要に応じて、蛍光増白剤を使用することができる。蛍光増白剤としては、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物が好ましい。ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては、公知もしくは市販のジアミノスチルベン系増自剤を用いることができる。公知のビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては、例えば、特開平6−329936号、同7−140625号、同10−140849号などの公報に記載の化合物が好ましい。市販の化合物としては、例えば、「染色ノート」第9版(色染社),165〜168頁に記載されており、その中に記載されている化合物の中でも、Blankophor BSU liq.及びHakkol BRKが好ましい。
また、その他のビス(トリアジニルアミノ)スチルベンスルホン酸化合物としては特開2001−281823号公報の段落番号〔0038〕〜同〔0049〕に記載の化合物I−1〜I−48及び特開2001−281823号公報の段落番号〔0050〕〜同〔0052〕に記載の化合物II−1〜II−16を挙げることもできる。上記した蛍光増白剤の添加量としては、発色現像液1リットルあたり0.1ミリモル〜0.1モルが好ましい。
カラーペーパー用の発色現像処理液中に臭素イオンが含まれる場合は、1.0×10-3モル/リットル以下であることが好ましい。カラ−ペーパー用の発色現像処理液では、塩素イオンを3.5×10-2〜1.5×10-1モル/リットル含有することが好ましいが、塩素イオンは、通常現像の副生成物として現像液に放出されるので補充液には添加不要のこともある。
また、本発明において、処理方法で適用されうる発色現像の処理温度は、現像処理されるハロゲン化銀カラー写真感光材料がカラーペーパーである場合は、30〜55℃が好ましく、より好ましくは35〜55℃であり、より好ましくは38〜45℃である。発色現像処理時間は、5〜90秒が好ましく、より好ましくは、15〜60秒である。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2当たり15〜600mlが適当であり、好ましくは15〜120ml、特に好ましくは30〜60mlである。なお、本発明でいう発色現像時間とは、感光材料が発色現像液中に入ってから次の処理工程(例えば漂白定着液)に入るまでの時間をいう。自動現像機などで処理される場合には、感光材料が発色現像液中に浸漬されている時間(いわゆる液中時間)と、感光材料が発色現像液を離れ、次の処理工程に向けて液外を搬送される時間(いわゆるクロスオーバータイム)との両者の合計を発色現像時間という。また、クロスオーバータイムは10秒以下が好ましく、より好ましくは5秒以下である。
本発明において、漂白液あるいは漂白定着液において用いられる漂白剤としては、いかなる漂白剤も用いることができるが、特に鉄(III)の有機錯塩(例えば、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、エチレンジアミンジコハク酸などのアミノポリカルボン酸類、アミノポリホスホン酸、ホスホノカルボン酸および有機ホスホン酸などの錯塩)もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸、過硫酸塩、過酸化水素などが好ましい。
これらのうち、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、エチレンジアミンジコハク酸、メチルイミノ二酢酸の鉄(III)錯塩が漂白力が高いことから好ましい。これらの第二鉄イオン錯塩は錯塩の形で使用してもよいし、第二鉄塩、例えば硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、燐酸第二鉄などとアミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、ホスホノカルボン酸などのキレート剤とを用いて溶液中で第二鉄イオン錯塩を形成させてもよい。また、キレート剤を第二鉄イオン錯塩を形成する以上に過剰に用いてもよい。鉄錯体のなかでもアミノポリカルボン酸鉄錯体が好ましく、その添加量は0.01〜1.0モル/リットルが好ましく、より好ましくは0.05〜0.50モル/リットルである。
漂白液あるいは漂白定着液には、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができる。例えば、リサーチディスクロージヤー17129号(1978年7月号)に記載のメルカプト基またはジスルフイド結合を有する化合物や、チオ尿素系化合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲン化物が漂白力に優れる点で好ましい。
その他、漂白液あるいは漂白定着液には、臭化物(例えば、臭化カリウム)または塩化物(例えば、塩化カリウム)または沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メタ硼酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、グリコール酸などのpH緩衝能を有する一種類以上の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属またはアンモニウム塩または、硝酸アンモニウム、グアニジンなどの腐蝕防止剤などを添加することができる。
定着液あるいは漂白定着液に使用される定着剤は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどのチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを一種あるいは二種以上混合して使用することができる。本発明においては、チオ硫酸特にチオ硫酸アンモニウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着剤の量は、0.1〜5.0モルが好ましく、更に好ましくは0.3〜2.0モルの範囲である。漂白定着液または定着液のpH領域は、3〜10が好ましく、更には5〜9が特に好ましい。
また、漂白液、定着液、漂白定着液には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることができる。
漂白液、定着液、漂白定着液は、保恒剤として亜硫酸塩、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム等などの添加が一般的であるが、その他、アスコルビン酸や、カルボニル重亜硫酸付加物、あるいは、カルボニル化合物等を添加してもよい。
更には緩衝剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に応じて添加してもよい。また、漂白液、定着液、漂白定着液のアンモニウムカチオン濃度は作業性の点からは全カチオンに対して50mol%以下であること好ましいが、処理性の点からはアンモニウムカチオン濃度が50mol%以上であること好ましい。
また、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法に適用されうる漂白定着工程に要する時間は90秒以下であることが好ましく、より好ましくは45秒以下である。ここでいう漂白定着工程に要する時間とは、該工程が複数槽を有する場合は、第1槽に感光材料が浸漬してから最終槽を出るまでの時間を指し、1槽の場合は、例えば後続するリンスまたは安定化液へ感光材料が浸漬するまでの時間を指し、その間のクロスオーバータイムを含むものとする。クロスオーバータイムは10秒以下が好ましく、より好ましくは5秒以下である。また。漂白定着液の温度は20〜70℃が好ましく、望ましくは25〜50℃である。また、漂白定着液の補充量は200ml/m2以下が好ましく、より好ましくは20ml/m2〜100ml/m2である。
漂白処理液の補充量は、200ml/m2以下が好ましく、より好ましくは50ml/m2〜200ml/m2である。また、漂白工程の処理時間の合計は、15秒〜90秒であることが好ましい。ここでいう漂白工程に要する時間とは、該工程が複数槽を有する場合は、第1槽に感光材料が浸漬してから最終槽を出るまでの時間を指し、1槽の場合は、例えば後続するリンスまたは安定化液へ感光材料が浸漬するまでの時間を指し、その間のクロスオーバータイムを含むものとする。クロスオーバータイムは10秒以下が好ましく、より好ましくは5秒以下である。また、処理温度は25℃〜50℃であることが好ましい。定着処理液の補充量は、600ml/m2以下が好ましく、より好ましくは20ml/m2〜500ml/m2である。また、定着工程の処理時間の合計は、15秒〜90秒であることが好ましい。ここでいう定着工程に要する時間とは、該工程が複数槽を有する場合は、第1槽に感光材料が浸漬してから最終槽を出るまでの時間を指し、1槽の場合は、例えば後続するリンスまたは安定化液へ感光材料が浸漬するまでの時間を指し、その間のクロスオーバータイムを含むものとする。クロスオーバータイムは10秒以下が好ましく、より好ましくは5秒以下である。また、処理温度は25℃〜50℃であることが好ましい。
次に、リンスまたは安定化工程及びそこで用いる処理液について説明する。
安定化工程で用いるリンスまたは安定化液には、キレート剤(エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等)、緩衝剤(炭酸カリウム、硼酸塩、酢酸塩、リン酸塩等)、防黴剤(ディアサイド702(米国ディアボーン社製)、p−クロロ−m−クレゾール、ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、蛍光増白剤(トリアジニルスチルベン系化合物等)、酸化防止剤(アスコルビン酸塩等)、水溶性金属塩(亜鉛塩、マグネシウム塩等)等、通常安定液に含有せしめる成分を適宜用いることができる。
更にリンスまたは安定化液には、液保存性の点からp−トルエンスルフィン酸、m−カルボキシベンゼンスルフィン酸などのアリ−ルスルフィン酸などを含有させてもよく、亜硫酸塩、重亜硫酸塩またはメタ重亜硫酸塩も含有させることが好ましい。亜硫酸イオンを放出するものであれば、有機物、無機物いかなるものでもよいが、好ましくは無機塩である。好ましい具体的化合物としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム等が挙げられる。これらの塩は安定液中に少なくとも1×10-3モル/L以上になるような量が添加されることが好ましく、更に好ましくは5×10-3モル/L〜5×10-2モル/Lになるようなに添加されることである。
安定化工程の好ましいpHは4〜10が好ましく、更に好ましくは5〜8である。
安定化工程の温度は、処理するハロゲン化銀カラー写真感光材料の用途・特性等で種々設定し得るが、一般には15〜45℃が好ましく、より好ましくは20〜40℃である。時間は任意に設定できるが短い方が処理時間の低減の見地から望ましい。好ましくは5秒〜1分45秒、更に好ましくは10秒〜1分であるが、ハロゲン化銀カラー写真感光材料がカラーペーパーである場合には、安定化処理工程に要する時間が8〜26秒であることが好ましく、またハロゲン化銀カラー写真感光材料がカラーネガフィルムである場合には、安定化処理工程に要する時間が10〜40秒であることが好ましい。
補充量は、少ない方がランニングコスト、排出量減、取扱い性等の観点で好ましい。
具体的な好ましい補充量は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料、単位面積あたり前浴からの持込み量の0.5〜50倍が好ましく、より好ましくは3倍〜40倍である。またはハロゲン化銀カラー写真感光材料1m2当たり1リットル以下が好ましく、より好ましくは500ml以下である。また補充は連続的に行っても間欠的に行ってもよい。
本発明に係る処理方法においては、安定化液を用いた安定化工程の構成としては、1槽で構成されていても、あるいは2層以上で構成されていても良いが、好ましくは2槽以上で構成された多段向流方式を用いることが好ましい。
多段向流方式とは、複数に分割された安定化槽において、感光材料の搬送方向の下流から上流にかけて安定化液が多段の各分割安定化槽にオーバーフローしながらハロゲン化銀写真感光材料の搬送路に沿って流れ、安定化処理がなされる方式である。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートトランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが通常だが、この際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16935に記載の方法が最も好ましい。
本発明の感光材料の処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料を挟んで搬送するローラートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給すると共に感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが、通常だがこの際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技法94−16935号に記載の方法が最も好ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、1画面当たりの面積が3〜7cm2であるネガフィルムを通して露光し画像形成する場合に、特に本発明の感光材料による画質の改良度が大きく好ましい。上記ネガフィルムは情報記録能を有するものであってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《ハロゲン化銀乳剤の調製》
〔ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製〕
40℃に保温した両イオン交換処理オセインゼラチン(カルシウム含有量10ppm)2%ゼラチン水溶液1.5リットルを、特開昭62−160128号公報記載の混合撹拌装置を用いて激しく撹拌しながら、ダブルジェット法を用いて、下記(A1液)及び(B1液)を、pAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ17分かけて同時添加した。続いて、下記(A2液)及び(B2液)を、pAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ90分かけて同時添加した。更に、下記(A3液)及び(B3液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ15分かけて同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、これらpHの制御及び調整は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
(A1液)
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.021g
水を加えて200mlに仕上げた。
(A2液)
塩化ナトリウム 72.0g
2IrCl6 1.8×10-8モル/モルAgX
2IrBr6 5.0×10-9モル/モルAgX
4Fe(CN)6 4.5×10-6モル/モルAgX
臭化カリウム 0.44g
水を加えて420mlに仕上げた。
(A3液)
塩化ナトリウム 30.7g
臭化カリウム 0.63g
水を加えて180mlに仕上げた。
(B1液)
硝酸銀 10g
水を加えて200mlに仕上げた。
(B2液)
硝酸銀 210g
水を加えて420mlに仕上げた。
(B3液)
硝酸銀 90g
水を加えて180mlに仕上げた。
添加終了後、特開平5−72658号に記載の方法を用いアミノ基をフェニルカルバモイル化した化学修飾ゼラチン(修飾率95%)30gを含む15%水溶液を添加して脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して、平均粒径0.68μmのハロゲン化銀乳剤(B−1)を調製した。
〔ハロゲン化銀乳剤(B−2)の調製〕
上記ハロゲン化銀乳剤(B−1)の調製において、(A2液)に代えて、下記の組成からなる(A2a液)を用いた以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤(B−2)を調製した。
(A2a液)
塩化ナトリウム 72.0g
2[IrCl6] 3.0×10-9モル/モルAgX
2[IrBr6] 2.0×10-9モル/モルAgX
2[IrCl5(H2O)] 1.8×10-7モル/モルAgX
2[IrCl5(チアゾール)] 1.0×10-8モル/モルAgX
4Fe(CN)6 5.0×10-6モル/モルAgX
臭化カリウム 0.44g
水を加えて420mlに仕上げた。
〔ハロゲン化銀乳剤(B−3)の調製〕
上記ハロゲン化銀乳剤(B−2)の調製において、(B3液)の30%を添加した時点で、下記(C1液)を添加した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤(B−3)を調製した。
(C1液)
臭化カリウム 2.17g
水を加えて182mlに仕上げた。
〔ハロゲン化銀乳剤(B−4)の調製〕
上記ハロゲン化銀乳剤(B−2)の調製において、(B3液)の30%を添加した時点で、下記(C2液)を添加した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤(B−4)を調製した。
(C2液)
臭化カリウム 4.34g
水を加えて364mlに仕上げた。
〔ハロゲン化銀乳剤(B−5)の調製〕
上記ハロゲン化銀乳剤(B−4)の調製において、(B3液)の70%を添加した時点で、下記(D1液)を添加した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤(B−5)を調製した。
(D1液)
沃化カリウム 0.30g
水を加えて36mlに仕上げた。
〔ハロゲン化銀乳剤(B−6)の調製〕
上記ハロゲン化銀乳剤(B−5)の調製において、予め(A2a)液及び(A3液)に、化合物(S−2−4)を最終的に得られたハロゲン化銀粒子に対して各々、1.3×10-5モル/モルAgX及び4.0×10-6モル/モルAgX含有させる量を添加した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤(B−6)を調製した。
〔ハロゲン化銀乳剤(BB−1)〜(BB−6)の調製〕
上記ハロゲン化銀乳剤(B−1)〜(B−6)の調製において、(A2液)及び(A2a液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々1.6倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A2a液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.60μmのハロゲン化銀乳剤(BB−1)〜(BB−6)を調製した。
〔ハロゲン化銀乳剤(G−1)〜(G−6)の調製〕
前記ハロゲン化銀乳剤(B−1)〜(B−6)の調製において、(A2液)及び(A2a液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々2.0倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A2a液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.55μmのハロゲン化銀乳剤(G−1)〜(G−6)を調製した。
〔ハロゲン化銀乳剤(GG−1)〜(GG−6)の調製〕
前記ハロゲン化銀乳剤(B−1)〜(B−6)の調製において、(A2液)及び(A2a液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々3.8倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A2a液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.45μmのハロゲン化銀乳剤(GG−1)〜(GG−6)を調製した。
〔ハロゲン化銀乳剤(R−1)〜(R−6)の調製〕
前記ハロゲン化銀乳剤(B−1)〜(B−6)の調製において、(A2液)及び(A2a液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々4.5倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A2a液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.42μmのハロゲン化銀乳剤(R−1)〜(R−6)を調製した。
〔ハロゲン化銀乳剤(RR−1)〜(RR−6)の調製〕
前記ハロゲン化銀乳剤(B−1)〜(B−6)の調製において、(A2液)及び(A2a液)中のK2[IrCl6]、K2[IrBr6]、K2[IrCl5(H2O)]、K2[IrCl5(チアゾール)]及びK4Fe(CN)6の量を、各々8.0倍に変更し、かつ(A1液)、(A2液)、(A2a液)、(A3液)、(B1液)、(B2液)、(B3液)の添加時間を適宜変更した以外は同様にして、平均粒径が0.35μmのハロゲン化銀乳剤(RR−1)〜(RR−6)を調製した。
以上のようにして調製したハロゲン化銀乳剤(B−1)〜(B−6)、(BB−1)〜(BB−6)、(G−1)〜(G−6)、(GG−1)〜(GG−6)、(R−1)〜(R−6)及び(RR−1)〜(RR−6)は、ハロゲン化銀粒子個数で99%以上を立方体ハロゲン化銀粒子が占めていた。その他の特徴を表1に示すが、表1に記載の各特性値は、前述に記載の方法に従って測定を行った。
なお、表1に記載の各略称の詳細は、以下の通りである。
*A:臭化銀含有率の粒子間変動係数
*B:沃化銀含有率の粒子間変動係数
*C:外周部に転位線を有するハロゲン化銀粒子比率(個数%)
特徴1:ハロゲン化銀粒子内部に層状のAgBr局在層を有する
特徴2:ハロゲン化銀粒子内部に層状のAgBr局在層と、層状の沃化銀含有層を有する
Figure 2005345691
《青感性ハロゲン化銀乳剤の調製》
〔青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1a)、(B−2a)の調製〕
前記調製したハロゲン化銀乳剤(B−1)及び(B−2)に対し、60℃、pH5.8、pAg7.5にて下記増感色素BS−1及びBS−2を添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム及び塩化金酸を順次添加し、分光増感及び化学増感を施した。化学増感剤の添加後、最適に熟成した後、例示化合物(S−2−5)、(S−2−2)、(S−2−3)を順次添加し、熟成を停止させ、青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1a)及び(B−2a)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 6.5×10-6モル/モルAgX
塩化金酸 1.9×10-5モル/モルAgX
例示化合物(S−2−5) 2.0×10-4モル/モルAgX
例示化合物(S−2−2) 2.0×10-4モル/モルAgX
例示化合物(S−2−3) 2.0×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−1 5.2×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−2 1.3×10-4モル/モルAgX
〔青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1b)及び(B−2b)の調製〕
前記青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1a)及び(B−2a)の調製において、チオ硫酸ナトリウムの添加量を3.9×10-6モル/モルAgXに変更し、かつチオ硫酸ナトリウムの添加後に、トリフリルフォスフィンセレニドを2.6×10-6モル/モルAgX添加した後、塩化金酸を添加して化学増感を行った以外は同様にして、青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1b)及び(B−2b)を得た。
〔青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1c)及び(B−2c)の調製〕
前記青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1a)及び(B−2a)の調製において、増感色素(BS−1)及び(BS−2)の添加後で、かつチオ硫酸ナトリウムの添加前に、例示化合物1−21を1.5×10-5モル/モルAgX添加した以外は同様にして、各々青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1c)及び(B−2c)を得た。
〔青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1d)、(B−2d)、(B−3a)、(B−4a)、(B−5a)及び(B−6a)の調製〕
前記青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1b)の調製において、増感色素(BS−1)及び(BS−2)の添加後で、かつチオ硫酸ナトリウムの添加前に、例示化合物1−21を1.5×10-5モル/モルAgX添加した以外は同様にして、青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1d)を得た。
次いで、上記青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1d)の調製において、ハロゲン化銀乳剤(B−1)に代えて、ハロゲン化銀乳剤(B−2)〜(B−6)をそれぞれ用いた以外は同様にして、青感性ハロゲン化銀乳剤(B−2d)、(B−3a)、(B−4a)、(B−5a)及び(B−6a)を調製した。
〔青感性ハロゲン化銀乳剤(BB−1a)、(BB−1b)、(BB−1c)、(BB−1d)、(BB−2a)、(BB−2b)、(BB−2c)、(BB−2d)、(BB−3a)、(BB−4a)、(BB−5a)及び(BB−6a)の調製〕
上記青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1a)、(B−1b)、(B−1c)、(B−1d)、(B−2a)、(B−2b)、(B−2c)、(B−2d)、(B−3a)、(B−4a)、(B−5a)及び(B−6a)の各々の調製において、ハロゲン化銀乳剤(B−1)〜(B−6)を、各々前記調製したハロゲン化銀乳剤(BB−1)〜(BB−6)にそれぞれ変更し、かつチオ硫酸ナトリウム、トリフリルフォスフィンセレニド、塩化金酸、増感色素(BS−1)及び増感色素(BS−2)の添加量を、ハロゲン化銀粒子の平均粒径が0.68μmから0.60μmに変更となることに伴うハロゲン化銀粒子表面積の増加を考慮し、単位表面積あたりの添加量が同じとなるよう、各々変更すること以外は同様にして、青感性ハロゲン化銀乳剤(BB−1a)、(BB−1b)、(BB−1c)、(BB−1d)、(BB−2a)、(BB−2b)、(BB−2c)、(BB−2d)、(BB−3a)、(BB−4a)、(BB−5a)及び(BB−6a)を調製した。
《緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製》
〔緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a)、(G−2a)の調製〕
前記ハロゲン化銀乳剤(G−1)及び(G−2)に対し、60℃、pH5.8、pAg7.5にて下記増感色素(GS−1)を添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム及び塩化金酸を順次添加し、分光増感及び化学増感を施した。化学増感剤の添加後、最適に熟成した後、例示化合物(S−2−5)を添加し、熟成を停止させ、緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a)及び(G−2a)を得た。
増感色素:GS−1 5.3×10-4モル/モルAgX
チオ硫酸ナトリウム 5.5×10-6モル/モルAgX
塩化金酸 1.5×10-5モル/モルAgX
例示化合物(S−2−5) 1.5×10-4モル/モルAgX
〔緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1b)、(G−2b)の調製〕
上記緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a)及び(G−2a)の調製において、チオ硫酸ナトリウムの添加量を3.3×10-6モル/モルAgXに変更し、かつチオ硫酸ナトリウムの添加後に、トリフリルフォスフィンセレニドを2.2×10-6モル/モルAgX添加した後、塩化金酸を添加して化学増感を施した以外は同様にして、各々緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1b)及び(G−2b)を調製した。
〔緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1c)、(G−2c)の調製〕
上記緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a)及び(B−2a)の調製において、増感色素(GS−1)の添加後で、かつチオ硫酸ナトリウムの添加前に、例示化合物1−21を2.0×10-5モル/モルAgX添加した以外は同様にして、各々緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1c)及び(G−2c)を調製した。
〔緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1d)、(G−2d)、(G−3a)、(G−4a)、(G−5a)及び(G−6a)の調製〕
上記緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1b)の調製において、増感色素(GS−1)の添加後で、かつチオ硫酸ナトリウムの添加前に、例示化合物1−21を2.0×10-5モル/モルAgX添加した以外は同様にして、緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1d)を調製した。
次いで、上記緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1d)の調製において、ハロゲン化銀乳剤(G−1)に代えて、ハロゲン化銀乳剤(G−2)〜(G−6)を用いた以外は同様にして、緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−2d)、(G−3a)、(G−4a)、(G−5a)及び(G−6a)を調製した。
〔緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−6b)の調製〕
上記ハロゲン化銀乳剤(G−6a)の調製において、増感色素(GS−1)の添加後で、かつチオ硫酸ナトリウムの添加前に、一般式(4)で表される例示化合物4−10を1.8×10-6モル/モルAgX添加した以外は同様にして、緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−6b)を調製した。
〔緑感性ハロゲン化銀乳剤(GG−1a)、(GG−1b)、(GG−1c)、(GG−1d)、(GG−2a)、(GG−2b)、(GG−2c)、(GG−2d)、(GG−3a)、(GG−4a)、(GG−5a)及び(GG−6a)の調製〕
上記緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a)、(G−1b)、(G−1c)、(G−1d)、(G−2a)、(G−2b)、(G−2c)、(G−2d)、(G−3a)、(G−4a)、(G−5a)、(G−6a)及び(G−6b)の各々の調製において、ハロゲン化銀乳剤(G−1)〜(G−6)に代えて、前記調製したハロゲン化銀乳剤(GG−1)〜(GG−6)にそれぞれ変更し、かつチオ硫酸ナトリウム、トリフリルフォスフィンセレニド、塩化金酸、増感色素(GS−1)及び一般式(4)で表される例示化合物4−10の添加量を、ハロゲン化銀粒子の平均粒径が0.55μmから0.45μmに変更となることに伴うハロゲン化銀粒子表面積の増加を考慮し、単位表面積あたりの添加量が同じとなるよう、各々変更すること以外は同様にして、緑感性ハロゲン化銀乳剤(GG−1a)、(GG−1b)、(GG−1c)、(GG−1d)、(GG−2a)、(GG−2b)、(GG−2c)、(GG−2d)、(GG−3a)、(GG−4a)、(GG−5a)、(GG−6a)及び(GG−6b)を調製した。
《赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製》
〔赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1a)、(R−2a)の調製〕
前記ハロゲン化銀乳剤(R−1)及び(R−2)に対し、60℃、pH5.0、pAg7.1にて下記増感色素(RS−1)及び(RS−2)を添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム及び塩化金酸を順次添加し、分光増感及び化学増感を施した。化学増感剤の添加後、最適に熟成した後、例示化合物(S−2−5)を添加し、熟成を停止させ、赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1a)及び(R−2a)を調製した。
チオ硫酸ナトリウム 1.2×10-5モル/モルAgX
塩化金酸 1.5×10-5モル/モルAgX
例示化合物(S−2−5) 1.2×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 1.0×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 1.0×10-4モル/モルAgX
〔赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1b)及び(R−2b)の調製〕
上記赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1a)及び(R−2a)の調製において、チオ硫酸ナトリウムの添加量を7.2×10-6モル/モルAgXに変更し、かつチオ硫酸ナトリウムの添加後に、トリフリルフォスフィンセレニドを4.8×10-6モル/モルAgX添加した後、塩化金酸を添加して化学増感を施した以外は同様にして、各々赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1b)及び(R−2b)を調製した。
〔赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1c)及び(R−2c)の調製〕
上記赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1a)及び(R−2a)の調製において、増感色素(RS−1)及び(RS−2)の添加後で、かつチオ硫酸ナトリウムの添加前に、例示化合物1−21を2.5×10-5モル/モルAgX添加した以外は同様にして、各々赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1c)及び(R−2c)を調製した。
〔赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1d)、(R−2d)、(R−3a)、(R−4a)、(R−5a)及び(R−6a)の調製〕
上記赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1b)の調製において、増感色素(RS−1)及び(RS−2)の添加後で、かつチオ硫酸ナトリウムの添加前に、例示化合物1−21を2.5×10-5モル/モルAgX添加した以外は同様にして、赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1d)を調製した。
次いで、上記赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1d)の調製において、ハロゲン化銀乳剤(R−1)に代えて、ハロゲン化銀乳剤(R−2)〜(R−6)をそれぞれ用いた以外は同様にして、赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−2d)、(R−3a)、(R−4a)、(R−5a)及び(R−6a)を調製した。
〔赤感性ハロゲン化銀乳剤(RR−1a)、(RR−1b)、(RR−1c)、(RR−1d)、(RR−2a)、(RR−2b)、(RR−2c)、(RR−2d)、(RR−3a)、(RR−4a)、(RR−5a)及び(RR−6a)の調製〕
上記赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1a)、(R−1b)、(R−1c)、(R−1d)、(R−2a)、(R−2b)、(R−2c)、(R−2d)、(R−3a)、(R−4a)、(R−5a)及び(R−6a)の調製において、ハロゲン化銀乳剤(R−1)〜(R−6)に代えて、前記調製したハロゲン化銀乳剤(RR−1)〜(RR−6)を用い、かつチオ硫酸ナトリウム、トリフリルフォスフィンセレニド、塩化金酸、増感色素(RS−1)及び増感色素(RS−2)の添加量をハロゲン化銀粒子の平均粒径が0.42μmから0.35μmに変更となることに伴うハロゲン化銀粒子表面積の増加を考慮し、単位表面積あたりの添加量が同じとなるよう、各々の添加量を変更した以外は同様にして、赤感性ハロゲン化銀乳剤(RR−1a)、(RR−1b)、(RR−1c)、(RR−1d)、(RR−2a)、(RR−2b)、(RR−2c)、(RR−2d)、(RR−3a)、(RR−4a)、(RR−5a)及び(RR−6a)を調製した。
尚、各赤感光性ハロゲン化銀乳剤の調製では、調製終了時にSS−1を2.0×10-3モル/モルAgX添加した。
また、上記各感光性ハロゲン化銀乳剤の調製においては、増感色素、化学増感剤の添加間隔、及び化学増感時間を、ハロゲン化銀カラー写真感光材料で用いた時に、後述の表4に記載のΔLogE値となるよう適宜調整した。
Figure 2005345691
《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製》
〔試料101の作製〕
坪量180g/m2の紙パルプの感光層塗布面に、表面処理を施したアナターゼ型酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む高密度溶融ポリエチレンをラミネートし、裏面には高密度ポリエチレンをラミネートした反射支持体をコロナ放電処理した後、ゼラチン下塗層を設け、更に表2、表3に記載の構成からなる各写真構成層を塗設して、ハロゲン化銀カラー写真感光材料である試料101を作製した。
塗布液は下記のようにして調製した。
なお、各感光層に使用したハロゲン化銀乳剤の詳細は、以下の通りである。
第1層(青感層)の青感性ハロゲン化銀乳剤:青感性ハロゲン化銀乳剤(B−1a):青感性ハロゲン化銀乳剤(BB−1a)=90:10
第3層(緑感層)の緑感性ハロゲン化銀乳剤:緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a):緑感性ハロゲン化銀乳剤(GG−1a)=5:95
第5層(赤感層)の赤感性ハロゲン化銀乳剤:赤感性ハロゲン化銀乳剤(R−1a):赤感性ハロゲン化銀乳剤(RR−1a)=33:67
上記試料101の作製において、添加剤1、硬膜剤(H−1)、(H−2)を添加した。また、各層のカプラー分散液の調製には界面活性剤(SU−2)を、また表面張力調整用の塗布助剤として、界面活性剤(SU−1)、(SU−3)を添加した。また、各層に、防黴剤(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。尚、表中に記載のハロゲン化銀乳剤は、銀に換算した値で示した。
試料101の作製に用いた各添加剤の詳細は、以下の通りである。
Sol−1:トリクレジルホスフェート
マット剤1:SiO2(平均粒径3.0μm)
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
Figure 2005345691
〔試料102〜116の作製〕
上記試料101の作製において、第1層の青感性ハロゲン化銀乳剤、第3層の緑感性ハロゲン化銀乳剤及び第5層の赤感性ハロゲン化銀乳剤のそれぞれを、表4に記載のハロゲン化銀乳剤の組み合わせに変更した以外は同様にして、試料102〜116を作製した。
なお、各層の感光性ハロゲン化銀乳剤の混合比率は、試料101の混合比と同一とした。
《各特性の評価》
〔最大ポイントガンマ差ΔLogEの測定〕
(評価A)
上記作製した各試料を、5400°Kの光源を用いて、0.5秒でウェッジ露光を行い、下記現像処理1に従って現像処理を行った。このようにして得られたグレーステップ画像の各ステップを、濃度計PDA−65(コニカミノルタフォトイメージング社製)を用いて各反射濃度を測定し、横軸−露光量(LogE)、縦軸−反射濃度(D)からなる特性曲線を作成した。次いで、マゼンタ画像に対して、ステップ毎に露光量に対する濃度の微分値を計算して、最大ポイントγ(γma)を求めた。
(評価B)
露光装置を、キセノンフラッシュ高照度露光用感光計(山下電装(株)製SX−20型)に変更し、ラッテンフィルターを組み合わせて、グレーステップ画像が得られるように、露光量を適宜調整して、センシトメトリー用光学楔を介して露光秒数10-6秒で露光を行った後、上記評価Aと同様の現像処理1及び反射濃度測定を行い、マゼンタ画像について、ステップ毎に露光量に対する濃度の微分値を計算して最大ポイントγ(γmd)を求めた。
(ΔLogEの算出)
前記評価AおよびBにて得られた各特性曲線において、最大ポイントガンマを示す露光量(LogEd、LogEa)の位置の差、すなわち、特性曲線において、D=0.8の点が重なるように一方の特性曲線をスライドさせて、両者の特性曲線を重ね合わせた時、評価Aにおける特性曲線上の最大ポイントγを与える露光量点(LogEa)と、評価Bにおける特性曲線上の最大ポイントγを与える露光量点(LogEd)との差ΔLogE値(LogEd−LogEa)を求めた。
(現像処理1)
処理工程 処理温度 時間 補充量
発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80ml
漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120ml
安定化 30〜34℃ 60秒 150ml
乾燥 60〜80℃ 30秒
〈発色現像液タンク液及び補充液〉
タンク液 補充液
純水 800ml 800ml
トリエチレンジアミン 2g 3g
ジエチレングリコール 10g 10g
臭化カリウム 0.01g −
塩化カリウム 3.5g −
亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g
N−エチル−N−(βメタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 6.0g 10.0g
N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g
トリエタノールアミン 10.0g 10.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g
蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)
2.0g 2.5g
炭酸カリウム 30g 30g
それぞれ、水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpHを10.10に、補充液はpHを10.60に調整した。
〈漂白定着液タンク液及び補充液〉
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpHを5.0に調整した。
〈安定化液タンク液及び補充液〉
o−フェニルフェノール 1.0g
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g
塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g
硫酸マグネシウム−7水塩 0.2g
PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
ニトリロ三酢酸−三ナトリウム塩 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpHを7.5に調整した。
〔塗布液安定性の評価〕
上記試料101〜116の作製において、第1層、第3層及び第5層の塗布液を、調製後直ちに塗布した塗布試料A、及び各塗布液を調製した後、40℃で48時間攪拌しながら停滞させた後に塗布した塗布試料Bを作製した。
この塗布試料A及び塗布試料Bを、上記の評価Bに従って露光、現像処理及び特性曲線の作成を行った後、第3層(緑感層)のマゼンタ画像濃度について、最小濃度+1.0の濃度を得るに要する露光量を求め、この露光量の逆数を感度と定義し、塗布試料Aの感度を100とした時の塗布試料Bの相対感度を求め、これを塗布液安定性の尺度とした。塗布Bにおける相対感度が100に近いほど塗布液停滞安定性に優れていることを表す。
〔処理安定性の評価〕
上記試料101〜116について、上記の評価Bに従って露光及び現像処理1を行った。次いで、上記試料101〜116について、上記の評価Bに従って露光を施した後、下記の方法に従って、現像処理2を行った。
(現像処理2)
〈処理工程〉
処理工程 処理温度 時間 補充量
発色現像 42.0±0.3℃ 20秒 80ml
漂白定着 40.0±0.5℃ 20秒 120ml
安定化 30〜34℃ 20秒 150ml
乾燥 60〜80℃ 30秒
なお、上記現像処理2の各工程で用いた処理液は、前記現像処理1に記載の各処理液組成と同一とした。
次いで、現像処理1及び現像処理2で処理を行った試料について、前記と同様な方法で特性曲線を作成し、第3層(緑感層)のマゼンタ画像濃度について、最小濃度+1.0の濃度を得るに要する露光量を求め、この露光量の逆数を感度と定義し、現像処理1で得られた感度を100とした時の現像処理2で得られた相対感度を求め、これを処理安定性の尺度とした。現像処理2における相対感度が100に近いほど迅速処理を行った際の処理安定性に優れていることを表す。
〔圧力耐性の評価〕
各試料に対し、10-6秒露光のキセノンフラッシュ高照度露光用感光計(山下電装(株)製SX−20型)を用いて、グリーンフィルターを介して青色光によりウエッジ露光した。露光後の各試料を、38℃の純水に45秒間浸漬させた後、下記の加圧方法に従って試料に圧力を加え、その後、前記の現像処理1に従って現像処理を行った。
〈加圧方法〉
試料を水平な台に固定し、露光のウエッジの段と垂直方向に、荷重を加えた針を一定速度で移動されることにより試料に圧力を加えた。この時、針は試料への接触部が0.3mmのサファイヤ針を使用し、針の走査速度は1cm/秒、荷重は10g〜100gまで順次変化させた。
以上のようにして現像処理を行った各試料を目視で観察して、加圧による未露光部及び露光部での濃度変化と荷重の相関の観点から試料の圧力耐性を評価した。尚、試料の優劣の評価はA〜Eの5段階とし、加圧による濃度変化が観察されず最も優れた試料をA、加圧による濃度変化が低荷重から発生して最も耐圧性が劣る試料をEと表記し、AとEの間のレベルを等分にして、ランクB〜Dとした。
以上により得られた結果を、表4に示す。
Figure 2005345691
表4に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成及び特性値を有する試料は、比較例に対し、圧力耐性、処理安定性及び塗布液停滞安定性に優れていることが分かる。また、上記方法に従って、青感層(イエロー画像)及び赤感層(シアン画像)についても同様に評価を行った結果、緑感層の表4に記載の結果と同様の効果を確認することができた。
実施例2
《ハロゲン化銀乳剤の調製》
〔緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1e)、(G−1f)、(G−1g)、(G−2e)、(G−2f)、(G−3b)、(G−4b)及び(G−5b)の調製〕
実施例1に記載の緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1a)、(G−1b)、(G−1c)、(G−2a)、(G−2d)、(G−3a)、(G−4a)及び(G−5a)の調製において、増感色素(GS−1)の添加後で、かつチオ硫酸ナトリウムの添加前に、一般式(4)で表される例示化合物4−10を1.8×10-6モル/モルAgX添加した以外は同様にして、緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1e)、(G−1f)、(G−1g)、(G−2e)、(G−2f)、(G−3b)、(G−4b)及び(G−5b)を調製した。
〔緑感性ハロゲン化銀乳剤(GG−1e)、(GG−1f)、(GG−1g)、(GG−2e)、(GG−2f)、(GG−3b)、(GG−4b)及び(GG−5b)の調製〕
上記緑感性ハロゲン化銀乳剤(G−1e)、(G−1f)、(G−1g)、(G−2e)、(G−2f)、(G−3b)、(G−4b)及び(G−5b)の各々の調製において、ハロゲン化銀乳剤(G−1)〜(G−5)を、各々実施例1で調製したハロゲン化銀乳剤(GG−1)〜(GG−5)に変更し、かつチオ硫酸ナトリウム、トリフリルフォスフィンセレニド、塩化金酸、増感色素(GS−1)及び一般式(4)で表される例示化合物4−10の添加量を、ハロゲン化銀粒子の平均粒径が0.55μmから0.45μmに変更となることに伴うハロゲン化銀粒子表面積の増加を考慮し、単位表面積あたりの添加量が同じとなるよう、各々変更した以外は同様にして、緑感性ハロゲン化銀乳剤(GG−1e)、(GG−1f)、(GG−1g)、(GG−2e)、(GG−2f)、(GG−3b)、(GG−4b)及び(GG−5b)を調製した。
《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製》
〔試料201〜209の作製〕
実施例1に記載の試料101、102の作製において、第3層(緑感層)の緑感性ハロゲン化銀乳剤を、表5に記載のように変更した以外は同様にして、試料201〜209を作製した。
《各特性の評価》
実施例1に記載の方法と同様にして、最大ポイントガンマ差ΔLogEの測定、塗布液安定性、処理安定性及び圧力耐性の評価を行い、得られた結果を表5に示す。
Figure 2005345691
表5に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成及び特性値を有する試料は、比較例に対し、圧力耐性、処理安定性及び塗布液停滞安定性に優れていることが分かる。また、上記方法に従って、青感層(イエロー画像)及び赤感層(シアン画像)についても同様に評価を行った結果、緑感層の表5に記載の結果と同様の効果を確認することができた。

Claims (6)

  1. 支持体上に、感光性ハロゲン化銀を含有するイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、色画像形成層の少なくとも1層が、塩化銀含有率が90モル%以上で、かつセレン増感が施されたハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  2. 支持体上に、感光性ハロゲン化銀を含有するイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、色画像形成層の少なくとも1層が、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類を用いて調製された塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    一般式(1)
    R−SO2S−M
    一般式(2)
    1−SO2S−R2
    一般式(3)
    3−SO2S−Lm−SSO2−R4
    〔式中、R、R1、R2、R3、R4は各々脂肪族基、芳香族基、またはヘテロ環基を表す。R、R1、R2、R3、R4は同じであっても異なっていてもよい。Mは陽イオンを表す。Lは2価の連結基を表し、mは0または1を表す。〕
  3. 支持体上に、感光性ハロゲン化銀を含有するイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、色画像形成層の少なくとも1層が、水配位子を有する8族金属錯体及び有機配位子を有する8族金属錯体から選ばれる少なくとも1種をハロゲン化銀粒子内部に含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 支持体上に、感光性ハロゲン化銀を含有するイエロー色画像形成層、マゼンタ色画像形成層、シアン色画像形成層を各々少なくとも1層有するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、1画素当たり10-6秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γmd)を与える露光量(LogEd)と、1画素当たり0.5秒の露光時間で露光した後、現像処理し、得られた各々の色画像の最大ポイントγ(γma)を与える露光量(LogEa)との差ΔLogE(LogEd−LogEa)が0.15以下であるハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、色画像形成層の少なくとも1層が、下記一般式(4)で表される化合物を含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
    Figure 2005345691
    〔式中、R1及びR2は各々、アルキル基又はアルケニル基を表し、R3及びR4は各々、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。Z1及びZ2は各々、ベンゾイミダゾール核を完成するのに必要な原子群を表す。X1は分子の総電荷を相殺するのに必要なイオンを表し、n1は分子内の電荷を中和するのに必要な数を表す。〕
  5. 前記色画像形成層の少なくとも1層が、塩化銀含有率が90モル%以上で、かつセレン増感が施されたハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  6. 前記色画像形成層の少なくとも1層が、水配位子を有する8族金属錯体及び有機配位子を有する8族金属錯体から選ばれる少なくとも1種をハロゲン化銀粒子内部に含む塩化銀含有率が90モル%以上のハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とする請求項1、2または4に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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