JP2005345649A - 導電性パターン材料及び導電性パターンの形成方法 - Google Patents

導電性パターン材料及び導電性パターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高感度、高解像度で、鮮鋭度の高い導電性パターンが得られ、且つ、可視域レーザ等を操作することによりデジタルデータに基づき直接パターン形成が可能な、導電性パターン材料、及びその形成方法を提供する。
【解決手段】 支持体上に、露光により直接に、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物が結合してなるパターン形成層を備えたパターン形成材料に対し、光照射手段からの光を変調させた後、出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光でパターン露光を行い、前記パターン形成層に親/疎水性パターンを形成し、該親/疎水性パターンを構成する親水性領域又は疎水性領域に導電性素材層を形成してなる導電性パターン材料、及びその形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は導電性パターン材料及び導電性パターンの形成方法に関し、特に、微細な導電性パターンを容易に形成することができ、微細配線基板の形成に有用な導電性パターン材料及びその形成方法に関する。
従来、種々の導電性パターン形成材料が配線基板の形成などに使用されている。これらの代表的なものは、絶縁体上に真空蒸着などの公知の方法により形成された薄膜の導電性材料を設け、それをレジスト処理し、パターン露光により予め作成したレジストの一部を除去し、その後、エッチング処理を行なって所望のパターンを形成するものであり、少なくとも4つの工程を必要とし、ウエットエッチング処理を行う場合には、その廃液の処理工程も必要となるため、複雑な工程をとらざるをえなかった。
また、他のパターン形成方法としては、フォトレジストを用いた導電性パターン形成材料なども知られている。この方法は、フォトレジストポリマーを塗布したり、ドライフィルム上のフォトレジストを貼付した基材を、任意のフォトマスクを介してUV露光し、格子状などのパターンを形成する方法であり、高い導電性を必要とする電磁波シールドの形成に有用である。
近年、マイクロマシンの開発の進行や超LSIの一層の小型化に伴い、これらの配線構造もナノ単位の微細なものを要求されるようになってきており、従来の金属エッチングでは微細化に限界があり、また、細線部の加工中の断線なども懸念される。このため、配向が制御された緻密なパターンを形成する方法として、機能性有機分子薄膜を使用する方法が提案されているが、この方法においても像様の書込みは従来の如きリスフィルムのようなマスクを介してUV露光を行うものであり、回路形成の自由度はあまり高いとはいえない。
一方、近年、導電性パターン形成材料として、ディジタル化されたデーターからマスクなどを介さずに直接、パターン形成する方法が注目され、種々提案されてきている。
このようなデジタル化されたパターン形成方法を利用すれば、微細なパターンが任意に形成されることが期待される。このような方法の一つとして、例えば、本発明者らは、赤外線レーザ等を操作することによりデジタルデータに基づき直接画像形成が可能な導電性パターン材料、及びその形成方法について開示している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、更に高解像度で、鮮鋭度の高い導電性パターンが求められているのが実状であった。また、高解像度を達成するためのレーザー露光において、露光時間の短く、かつ、走査速度の速い露光方法が求められていた。
特開2003−114525
本発明の前記従来における問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、露光に対し高感度であり、導電性パターン材料の面積に係わらず、高解像度で、鮮鋭度の高い導電性パターンが得られ、且つ、可視域レーザ等を操作することによりデジタルデータに基づき直接パターン形成が可能な、応用範囲の広い導電性パターン材料、及びその形成方法を提供することにある。
前記課題を解決するための手段として、本発明者らは、露光により表面の特性が変化する高分子化合物と、特定の露光装置と、を組み合わせることにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下の通りである。
即ち、本発明の導電性パターン材料は、支持体上に、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物がその末端で化学的に結合してなるパターン形成層を備えたパターン形成材料に対し、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光でパターン露光を行い、前記パターン形成層に親/疎水性パターンを形成し、該親/疎水性パターンを構成する親水性領域又は疎水性領域に導電性素材層を形成してなることを特徴とする。
また、本発明の導電性パターンの形成方法は、支持体上に、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物がその末端で化学的に結合してなるパターン形成層を備えたパターン形成材料に対し、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光でパターン露光を行い、前記パターン形成に層親/疎水性パターンを形成する工程と、
該親/疎水性パターンを構成する親水性領域又は疎水性領域に導電性素材層を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明において、パターン露光は、以下に列記するような態様により行われることが好ましい。なお、列記した態様は、それぞれを組み合せてもよい。
(1)前記光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有し、前記光照射手段からの光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に基づいて変調すること
(2)前記パターン信号生成手段により生成した制御信号により、前記n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部が制御可能であること
(3)前記描素部がマイクロミラーであること
(4)前記光変調手段が空間光変調素子であること
(5)前記空間光変調素子がデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)であること
(6)前記光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能であること
(7)前記光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光を集光して、前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系と、を有すること
(8)前記非球面がトーリック面であること
(9)前記パターン露光がアパーチャアレイを通して行われること
(10)前記パターン露光がパターン形成材料と露光光とを相対的に移動させながら行われること
本発明の作用について以下に示す。
本発明においては、パターン形成材料に対するパターン露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる。光変調手段により変調した光が、マイクロレンズアレイにおける非球面を通ることにより、描素部における出射面の歪みによる収差が補正される。この結果、パターン形成材料上に結像させる像の歪みが抑制され、パターン露光が極めて高精細に行われる。また、このようなパターン露光は、光照射手段として可視域レーザ等を用い、その可視域レーザ等を走査することにより、パターンを形成する面積に係わらず、かつ、デジタルデータに基づき行うことができる。
更に、本発明においては、このパターン露光が行われるパターン形成材料が、支持体上に、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物がその末端で化学的に結合してなるパターン形成層を備えるものであるため、該パターン形成層には、高感度で、かつ、極めて高精細な親/疎水性パターンが形成される。
このようにして形成された高精細な親/疎水性パターンを構成する親水性領域又は疎水性領域に選択的に導電性素材層を形成することで、高解像度で高精細な導電性パターンが形成される。また、パターン形成層を構成する高分子化合物が支持体と直接化学結合されているため、耐久性に優れるという利点を有する。
本発明において、導電性素材層を形成するための導電性材料の一つとしては導電性粒子があり、この導電性材料を先に形成した親水性領域及び疎水性領域のいずれかの部分に吸着の形で付着させて導電性を付与することができる。
パターン形成層を構成する、上記特定官能基を有する高分子化合物は、例えば、その末端で直接または幹高分子化合物を介して支持体に結合している。また、導電性素材層が導電性粒子からなる場合には、その導電性粒子の極性に応じて、パターン形成層の親水性領域又は疎水性領域表面にイオン的に強固に吸着するため、導電性の領域が形成された部分が高い強度と耐磨耗性を示すことになる。その結果、高強度な導電性パターンの形成が可能であり、かつ、断線のない微細な配線パターンを形成しうるものと考えられる。
更に、本発明におけるパターン形成層が表面グラフト重合法を用いて形成されることが好ましい。この表面グラフト重合法により形成されたパターン形成層は、運動性の高いグラフト鎖により構成されることになるため、一般的な架橋高分子膜に導電性粒子を吸着させる場合に比較して、吸着速度が極めて早く、単位面積当たりに吸着しうる導電性粒子の量が多くなるという特徴を有する。このため、微粒子間に存在する空隙により導電性が妨げられることがなく、高い導電性が得られるものと推測される。
本発明の好ましい態様によれば、光変調手段がパターン信号生成手段を有し、光照射手段からの光をパターン信号生成手段が生成した制御信号に基づいて変調すること、具体的には、パターン信号生成手段により生成した制御信号により、n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部が制御可能であることにより、光変調手段による光の変調が高速になる。
また、前記非球面がトーリック面であることにより、前記描素部における放射面の歪みによる収差が効率よく補正され、パターン形成材料上に結像させる像の歪みが効率よく抑制される。この結果、パターン露光が極めて高精細に行われる。
更に、本発明の好ましい態様によれば、パターン露光が、アパーチャアレイを通して行われることにより、消光比が向上する。この結果、露光が極めて高精細に行われ、極めて高精細な親/疎水性パターンが形成される。
加えて、本発明の好ましい態様によれば、パターン露光がパターン形成材料と露光光とを相対的に移動させながら行われることにより、露光が高速に行われる。
本発明によれば、露光に対し高感度であり、導電性パターン材料の面積に係わらず、高解像度で、鮮鋭度の高い導電性パターンが得られ、且つ、可視域レーザ等を操作することによりデジタルデータに基づき直接パターン形成が可能な、応用範囲の広い導電性パターン材料、及びその形成方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
即ち、本発明の導電性パターン材料は、支持体上に、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物がその末端で化学的に結合してなるパターン形成層を備えたパターン形成材料に対し、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光でパターン露光を行い、前記パターン形成層に親/疎水性パターンを形成し、該親/疎水性パターンを構成する親水性領域又は疎水性領域に導電性素材層を形成してなることを特徴とする。
また、本発明の導電性パターンの形成方法は、支持体上に、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物がその末端で化学的に結合してなるパターン形成層を備えたパターン形成材料に対し、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光でパターン露光を行い、前記パターン形成層に親/疎水性パターンを形成する工程(以下、「パターン露光、及び親/疎水性パターン形成工程」と称する。)と、
該親/疎水性パターンを構成する親水性領域又は疎水性領域に導電性素材層を形成する工程(以下、「導電性素材層形成工程」と称する。)と、
を有することを特徴とする。
〔パターン形成材料〕
まず、本発明の導電性パターン材料及び導電性パターンの形成方法において用いられるパターン形成材料について説明する。
本発明において用いられるパターン形成材料は、支持体上に、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物がその末端で化学的に結合してなるパターン形成層を備えることを特徴とする。
以下、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を、「極性変換基」と称して説明する。
[表面グラフト重合]
極性変換基を有する高分子化合物がその末端で支持体に結合している状態、つまり、パターン形成層を作製する手段としては、一般に、表面グラフト重合と呼ばれる方法が用いられる。
グラフト重合とは高分子化合物鎖上に活性種を与え、これによって重合を開始する別の単量体を更に重合させ、グラフト(接ぎ木)重合体を合成する方法で、特に、活性種を与える高分子化合物が固体表面を形成する時には表面グラフト重合と呼ばれる。
本発明を実現するための表面グラフト重合法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用することができる。例えば、新高分子実験学10、高分子学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135には表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、が記載されている。また、吸着技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発行、p203,p695には、γ線、電子線などの放射線照射グラフト重合法が記載されている。
光グラフト重合法の具体的方法としては、特開平10−296895号公報及び特開平11−119413号公報に記載の方法を使用することができる。
支持体上に高分子化合物の末端が直接に化学的に結合されたパターン形成層を作製するための手段としては、これらの他、高分子化合物鎖の末端にトリアルコキシシリル基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などの反応性官能基を付与し、これと支持体表面に存在する官能基とのカップリング反応により形成することもできる。
なお、本発明における支持体表面とは、その表面に、極性変換基を有する高分子化合物の末端が直接又は幹高分子化合物を介して化学的に結合する機能を有する表面を示すものであり、支持体自体がこのような表面特性を有するものであってもよく、また、該支持体上に別途中間層を設け、該中間層がこのような特性を有するものであってもよい。
また、極性変換基を有する高分子化合物鎖の末端が幹高分子化合物を介して化学的に結合された表面を作成するための手段としては、支持体表面官能基とカップリング反応しうる官能基を幹高分子高分子の側鎖に付与し、グラフト鎖として親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物鎖を組み込んだグラフト高分子化合物を合成し、この高分子と下層表面官能基とのカップリング反応により形成することもできる。
〔親疎水性が変化する官能基〕
次に、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基(極性変換基)について説明する。
極性変換基としては、疎水性から親水性に変化する官能基と、親水性から疎水性に変化する官能基の2種類がある。
(疎水性から親水性に変化する官能基)
疎水性から親水性に変化する官能基としては、文献記載の公知の官能基を挙げることができる。
これらの官能基及び該官能基を有する化合物の有用な例は、特開平10−282672号公報に記載のアルキルスルホン酸エステル、ジスルホン、スルホンイミド、EP0652483、WO92/9934記載のアルコキシアルキルエステル、H.Itoら著、Macrornolecules,vol.21,pp.1477記載のt−ブチルエステル、その他、シリルエステル、ビニルエステルなどの文献記載の酸分解性基で保護されたカルボン酸エステルなどを挙げることができる。
また、角岡正弘著、「表面」vol.133(1995),pp.374記載のイミノスルホネート基、角岡正弘著、Polymer preprints,Japan vol.46(1997),pp.2045記載のβケトンスルホン酸エステル類、山岡亜夫著、特開昭63−257750号のニトロベンジルスルホネート化合物も挙げることができるが、これらの官能基に限定される訳ではない。
これらのうち、特に優れているのは、下記に示される2級のアルキルスルホン酸エステル基、3級のカルボン酸エステル基、及び下記に示されるアルコキシアルキルエステル基である。
本発明において、疎水性から親水性に変化する官能基として特に優れている2級のアルキルスルホン酸エステル基としては、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 2005345649
(一般式(1)中、Lはポリマー骨格に連結するのに必要な多価の非金属原子から成る有機基を表し、R1、R2は置換若しくは非置換アルキル基を表す。また、R1、R2はそれが結合している2級炭素原子(CH)と共に環を形成してもよい。)
前記一般式(1)のR1、R2は置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換アリール基を表し、また、R1、R2はそれが結合している2級炭素原子(CH)と共に環を形成してもよい。R1、R2が置換若しくは非置換アルキル基を表すとき、アルキル基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などの直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基が挙げられ、炭素数1から25までのものが好適に用いられる。R1、R2が置換若しくは非置換アリール基を表すとき、アリール基には炭素環式アリール基と複素環式アリール基が含まれる。炭素環式アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基など炭素数6から19のものが用いられる。また、複素環式アリール基としてはピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン基、カルバゾール基などの炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含むものが用いられる。
1、R2が置換アルキル基、置換アリール基であるとき、置換基としてはメトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜10までのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基のようなハロゲン置換されたアルキル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、p−クロロフェニルオキシカルボニルなどの炭素数2から15までのアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基;水酸基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−ジフェニルアミノベンゾイルオキシなどのアシルオキシ基;t−ブチルオキシカルボニルオキシ基などのカルボネート基;t−ブチルオキシカルボニルメチルオキシ基、2−ピラニルオキシ基などのエーテル基;アミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モルフォリノ基、アセチルアミノ基などの置換、非置換のアミノ基;メチルチオ基、フェニルチオ基などのチオエーテル基;ビニル基、ステリル基などのアルケニル基;ニトロ基;シアノ基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;フェニル基、ナフチル基のようなアリール基;ピリジル基のようなヘテロアリール基等を挙げることができる。また、R1、R2が置換アリール基であるとき、置換基としては、前述したものの他にもメチル基、エチル基などのアルキル基を用いることができる。
上記のR1、R2としては、感材の保存安定性に優れる点で、置換、非置換のアルキル基が好ましく、経時安定性の点で、アルコキシ基,カルボニル基,アルコキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン基などの電子吸引性基で置換されたアルキル基、若しくはシクロヘキシル基、ノルボルニル基などのアルキル基が特に好ましい。物性値としては、重クロロホルム中、プロトンNMRにおける2級メチン水素のケミカルシフトが4.4ppmよりも低磁場に現れる化合物が好ましく、4.6ppmよりも低磁場に現れる化合物がより好ましい。このように、電子吸引性基で置換されたアルキル基が特に好ましいのは、熱分解反応時に中間体として生成していると思われるカルボカチオンが電子吸引性基により不安定化し、分解が抑制されるためであると考えられる。具体的には、−CHR12の構造としては、下記式で表される構造が特に好ましい。
Figure 2005345649
また、前記一般式(1)のLで表される非金属原子からなる多価の連結基とは、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つものである。より具体的な連結基としては下記の構造単位が組み合わさって構成されるものを挙げることができる。
Figure 2005345649
多価の連結基が置換基を有する場合、置換基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基のような炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基のような炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基のような炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネートのような炭酸エステル基等を用いることができる。
本発明において、疎水性から親水性に変化する官能基として特に優れているアルコキシアルキルエステル基としては、下記一般式(2)で表されるものである。
Figure 2005345649
(一般式(2)中、R3は水素原子を表し、R4は水素原子又は炭素数18個以下のアルキル基を表し、R5は炭素数18個以下のアルキル基を表す。また、R3、R4及びR5の内の2つが結合して間を形成してもよい。特に、R4及びR5が結合して5又は6員環を形成することが好ましい。)
以上、本発明における疎水性から親水性に変化する官能基としては、一般式(1)で表される2級のアルキルスルホン酸エステル基が特に好ましい。
前記一般式(1)〜(2)で表される官能基、及び3級のカルボン酸エステル基の具体例〔官能基(1)〜(13)〕を以下に示す。
Figure 2005345649
Figure 2005345649
(親水性から疎水性に変化する官能基)
本発明において、親水性から疎水性に変化する官能基としては、公知の官能基、例えば、特開平10−296895号及び米国特許第6,190,830号に記載のオニウム塩基、特に、アンモニウム塩基を挙げることができる。この官能基を有する化合物の具体的なものとしては、(メタ)アクリロルオキシアルキルトリメチルアンモニウムなどを挙げることができる。また、親水性から疎水性に変化する官能基として、下記一般式(3)で表わされるカルボン酸基及びカルボン酸塩基が好適なものとして挙げられるが、これらの例示に特に限定されるものではない。
Figure 2005345649
(一般式(3)中、Xは−O−、−S−、−Se−、−NR8−、−CO−、−SO−、−SO2−、−PO−、−SiR89−、−CS−を表し、R6、R7、R8、R9は各々独立して1価の基を表し、Mは陽電荷を有するイオンを表す。)
前記R6、R7、R8、R9の具体例としては、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R10、−OR10、−OCOR10、−OCOOR10、−OCONR1011、−OSO210、−COR10、−COOR10、−CONR1014、−NR1011、−NR10−COR11、−NR10−COOR11、−NR10−CONR1112、−SR10、−SOR10、−SO210、−SO310等が挙げられる。
また、R10、R11、R12は、それぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。
これらのうち、R6、R7、R8、R9として好ましいのは、具体的には、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基、アルケニル基である。
前記M+は、陽電荷を有するイオンであり、具体的には、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、リチウムイオン等が挙げられ、水素イオンも含まれる。
前記一般式(3)で表わされるカルボン酸基及びカルボン酸塩基の具体例〔官能基(14)〜(31)〕を以下に示す。
Figure 2005345649
Figure 2005345649
本発明における極性変換基を有する高分子化合物は、上記のような官能基を有するモノマー1種の単独重合体であっても、2種以上の共重合体であってもよい。また、本発明の効果を損なわない限り、他のモノマーとの共重合体であってもよい。
上記のような官能基を有するモノマーの具体例を以下に示す。
(前記一般式(1)〜(2)で表される官能基又は及び3級のカルボン酸エステル基を有するモノマーの具体例〔例示モノマー(M−1)〜(M−15)〕)
Figure 2005345649
Figure 2005345649
(前記で表わされるカルボン酸基及びカルボン酸塩基を有するモノマーの具体例〔例示モノマー(M−16)〜(M−33)〕)
Figure 2005345649
Figure 2005345649
上述した極性変換基は、(A)露光により直接に親疎水性が変化する官能基と、(B)露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基と、に分類される。
(B)露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物を用いてパターン形成層を形成した場合、そのパターン形成層中には、光により分解し、酸を発生する物質、いわゆる光酸発生剤を含有させておくことが好ましい。
(光酸発生剤)
前記パターン形成層に含有される光酸発生剤は、光により酸を発生する化合物であり、一般的には、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物及びそれらの混合物等を挙げることができ、これらを適宜選択して使用することができる。例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal.,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3−140,140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al.,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al.,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478,Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al.,Macromolecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2−150,848号、特開平2−296,514号等に記載のヨードニウム塩、
J.V.Crivello et al.,PolymerJ.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.,J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al.,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivelloet al.,Macromolecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、米国特許第3,902,114号、欧州特許第233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同4,491,628号、同5,041,358号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al.,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、
C.S.Wen et al.,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478,Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al.,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill et al.,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S.Hayase et al.,J.PolymerSci.,25,753(1987)、E.Reichman et al.,J.Polymer Sci.,Poliymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu et al.,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit et al.,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton et al.,J.Chem.Soc.,3571(1965)、P.M.Collins et al.,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein et al.,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker et al.,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman et al.,J.Imaging Technol.,11(4),(1985)、H.M.Houlihan et al.,Macromolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase et al.,Macromolecules,18,1799(1985),E.Reichmanis etal.,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan et al.,Macromolecules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載の0−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、
TUNOOKA et al.,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner et al.,J.Rad.Curing,13(4) 、W.J.Mijs et al.,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachi et al.,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第4,618,554号、同4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルホネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号等に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
また、光酸発生剤をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al.,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappas et al.,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo et al.,Makromol.Chem.RapidCommun.,9,625(1988)、Y.Yamada et al.,Makromol,Chem.152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−14603号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
更に、V.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al.,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al.,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明において、光酸発生剤の含有量は、パターン形成層の全固形分に対し、通常0.001〜40質量%程度であり、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい。
また、前記光酸発生剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有することが好ましい。この範囲に吸収を持たない酸発生剤は増感剤を併用することで、この範囲の光で分解させ、酸を発生させることができる。つまり、上記範囲に吸収を持たない酸発生剤と増感剤とを併用することで、光酸発生剤として機能することになる。ここで用いる増感剤は、後述する光照射手段として用いられる、可視光線や紫外光・可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、酸発生剤と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、酸を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができるが、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等が挙げられ、他に、特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号等の各公報に記載のクマリン化合物などが挙げられる。
前記酸発生剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
増感剤の含有量としては、感度や生産性、及び保存時に析出してしまう問題発生の観点から、パターン形成層の全固形分に対し、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。
また、(B)露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物を用いてパターン形成層を形成した場合、そのパターン形成層中には、光を熱に変換する物質、いわゆる光熱変換剤を含有させておくことも好ましい。
(光熱変換剤)
前記パターン形成層に含有される光熱変換物質としては、可視光線の光を吸収して熱に変換し得る物質ならば全て使用でき、例えば、カーボンブラック、カーボングラファイト、顔料、フタロシアニン系顔料、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化クロム等が挙げられる。本発明において特に好ましいのは、後述する光照射手段として用いられる、可視光線や紫外光・可視光レーザなどの露光波長である300nmから500nm、より好ましくは、330nmから500nmに極大吸収波長を有する染料、顔料又は金属微粒子である。
染料としては、市販の染料及び文献(例えば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これらの染料又は顔料は、感度及び膜強度の観点から、パターン形成層の全固形分に対し、0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10質量%の割合で使用することができる。
〔支持体表面〕
本発明におけるパターン形成材料は、高分子化合物の末端が直接又は幹高分子化合物を介して化学的に結合できるような表面特性を有する支持体上に、前述の極性変換基を有する高分子化合物の末端が直接又は幹高分子化合物を介して化学的に結合してなるパターン形成層を備えたものである。先に述べたように、支持体の表面自体がこのような特性を有していてもよく、このような特性を有する中間層を支持体表面に設けてもよい。
(支持体表面或いは中間層)
このような支持体表面は、前記パターン形成層をグラフト重合して設けるのに適した特性を有していれば、無機層、有機層のいずれでもよい。また、本発明においては、薄層の高分子化合物からなる層により親疎水性の変化を発現するため、支持体の表面の極性は問題ではなく、親水性であってもまた疎水性であってもよい。
このような中間層においては、特に、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法により本発明の薄層ポリマーを合成する場合には、有機表面を有する層であることが好ましく、特に、有機ポリマーの層であることが好ましい。また有機ポリマーとしては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン樹脂などの合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロース、デンプンなどの天然樹脂のいずれも使用することができるが、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法などではグラフト重合の開始が有機ポリマーの水素の引き抜きから進行するため、水素が引き抜かれやすいポリマー、特に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などを使用することが、特に製造適性の点で好ましい。
このような中間層は、下記の支持体を兼ねていてもよい。
(支持体)
本発明において、支持体としては、寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィルム等が含まれる。本発明に使用される支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも、前記中間層を兼ねることができるポリエステルフィルムが特に好ましい。
支持体として使用するアルミニウム板には、必要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理などの公知の表面処理を行なってもよい。
また、本発明においては、パターン形成層の形成性、パターン形成層との密着性の観点から、前記高分子化合物が直接化学結合している支持体として、その表面が粗面化されているものを用いることが好ましい。
粗面化した支持体を用いる場合には、その表面性状は以下の条件を満たすものであることが好ましい。
粗面化された支持体の好ましい状態としては、2次元粗さパラメータの中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜1μm、最大高さ(Ry)が1〜10μm、十点平均粗さ(Rz)が1〜10μm、凹凸の平均間隔(Sm)が5〜80μm、局部山頂の平均間隔(S)が5〜80μm、最大高さ(Rt)が1〜10μm、中心線山高さ(Rp)が1〜10μm、中心線谷深さ(Rv)が1〜10μmの範囲が挙げられ、これらのひとつ以上の条件を満たすものが好ましく、全てを満たすことがより好ましい。
〔パターン露光、及び親/疎水性パターンの形成〕
次に、本発明の導電性パターン材料における、パターン露光により親/疎水性パターンを形成するまでのプロセスについて説明するが、このプロセスは、本発明の導電性パターンの形成方法におけるパターン露光、親/疎水性パターン形成工程と同様であるため、以下にまとめて説明する。
本発明においては、上述のようなパターン形成材料に対し、以下の構成のパターン露光装置、及びパターン露光方法を用いることで、パターン形成層に親/疎水性パターンを形成することを特徴とする。かかるパターン露光装置については、パターン露光方法の説明を通じて明らかにする。
[パターン露光]
本発明におけるパターン露光では、上述のパターン形成材料のパターン形成層に対し、所望のパターンに基づいて光を照射する。
本発明におけるパターン露光は、照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光で行うことを特徴とする。
(光変調手段)
光変調手段としては、n個の描素部を有し、光を変調することができる限り、特に制限はなく、的に応じて適宜選択することができるが、例えば、空間光変調素子が好ましい。
この空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、光変調手段は、パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。この制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD50は図1に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、各々描素(ピクセル)を構成する多数(例えば、1024個×768個)の微小ミラー(マイクロミラー)62が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各ピクセルにおいて、最上部には支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向とも一例として13.7μmである。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジ及びヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシックに構成されている。
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±12度)の範囲で傾けられる。図2(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図2(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。したがって、パターン情報に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図1に示すように制御することによって、DMD50に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
なお、図1には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続されたコントローラ302(図12参照)によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー62で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
また、DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図3(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図3(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、1024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、756組)配列されているが、図3(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチP2が、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチP1より狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅W2と、DMD50を傾斜させない場合の走査幅W1とは略同一である。
次に、光変調手段における変調速度を速くさせる方法(以下「高速変調」と称する)について説明する。
光変調手段は、n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部をパターン情報に応じて制御可能であることが好ましい。光変調手段のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、連続的に配列された任意のn個未満の描素部だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。
以下、高速変調について図面を参照しながら更に説明する。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光Bが照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58によりパターン形成材料150上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、パターン形成材料150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、パターン形成材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、パターン形成材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
なお、本例では、図4(A)及び(B)に示すように、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が副走査方向に768組配列されているが、コントローラ302(図12参照)により一部のマイクロミラー列(例えば、1024個×256列)だけが駆動するように制御がなされる。
この場合、図4(A)に示すようにDMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図4(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の描素を全部使用する必要はない。
スキャナ162によるパターン形成材料150の副走査が終了し、センサ164でパターン形成材料150の後端が検出されると、ステージ152は、ステージ駆動装置304により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
例えば、768組のマイクロミラー列の内、384組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り2倍速く変調することができる。また、768組のマイクロミラー列の内、256組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り3倍速く変調することができる。
以上、説明した通り、このようなパターン露光方法を用いれば、主走査方向にマイクロミラーが1,024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列されたDMDを備えているが、コントローラにより一部のマイクロミラー列だけが駆動されるように制御することにより、全部のマイクロミラー列を駆動する場合に比べて、1ライン当りの変調速度が速くなる。
また、DMDのマイクロミラーを部分的に駆動する例について説明したが、所定方向に対応する方向の長さが、その所定方向と交差する方向の長さより長い基板上に、各々制御信号に応じて反射面の角度が変更可能な多数のマイクロミラーが2次元状に配列された細長いDMDを用いても、反射面の角度を制御するマイクロミラーの個数が少なくなるので、同様に変調速度を速くすることができる。
また、パターン露光の方法としては、露光光とパターン形成材料とを相対的に移動しながら行うことが好ましく、この場合、前記高速変調と併用することが好ましい。これにより、短時間で高速の露光を行うことができる。
その他、図5に示すように、スキャナ162によるX方向への1回の走査でパターン形成材料150の全面を露光してもよく、図6(A)及び(B)に示すように、スキャナ162によりパターン形成材料150をX方向へ走査した後、スキャナ162をY方向に1ステップ移動し、X方向へ走査を行うというように、走査と移動を繰り返して、複数回の走査でパターン形成材料150の全面を露光するようにしてもよい。なお、この例では、スキャナ162は18個の露光ヘッド166を備えている。なお、露光ヘッドは、前記光照射手段と前記光変調手段とを少なくとも有する。
次に、前記光変調手段を含むパターン露光装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記光変調手段を含むパターン露光装置は、図7に示すように、シート状のパターン形成材料150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。
4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、前記パターン露光装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置を有している。
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側にはパターン形成材料150の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164は、ゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
スキャナ162は、図8及び図9(B)に示すように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、パターン形成材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、パターン形成材料150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
また、図9(A)及び(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本例では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図10及び図11に示すように、入射された光ビームをパターン情報に応じて前記光変調手段(各描素毎に変調する空間光変調素子)として、米国テキサス・インスツルメンツ社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。DMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えたコントローラ302(図12参照)に接続されている。このコントローラ302のデータ処理部では、入力されたパターン情報に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、パターン情報処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御に付いては後述する。
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69がこの順に配置されている。なお、図10においては、レンズ系67を概略的に示してある。
レンズ系67については、図11に詳しく示すように、ファイバアレイ光源66から出射した照明光としてのレーザ光Bを集光する集光レンズ71、集光レンズ71を通過した光の光路に挿入されたロッド状オプティカルインテグレータ(以下、ロッドインテグレータという)72、及びロッドインテグレータ72の前方つまりミラー69側に配置された結像レンズ74から構成されている。集光レンズ71、ロッドインテグレータ72及び結像レンズ74は、ファイバアレイ光源66から出射したレーザ光を、平行光に近くかつビーム断面内強度が均一化された光束としてDMD50に入射させる。このロッドインテグレータ72の形状や作用については、後に詳しく説明する。
レンズ系67から出射したレーザ光Bはミラー69で反射し、TIR(全反射)プリズム70を介してDMD50に照射される。なお、図10では、このTIRプリズム70は省略してある。
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザ光Bを、パターン形成材料150上に結像する結像光学系51が配置されている。この結像光学系51は、図10では概略的に示してあるが、図11に詳細を示すように、レンズ系52,54からなる第1結像光学系と、レンズ系57,58からなる第2結像光学系と、これらの結像光学系の間に挿入されたマイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とから構成されている。
マイクロレンズアレイ55は、DMD50の各描素に対応する多数のマイクロレンズ55aが2次元状に配列されてなるものである。本例では、後述するようにDMD50の1024個×768列のマイクロミラーのうち1024個×256列だけが駆動されるので、それに対応させてマイクロレンズ55aは1024個×256列配置されている。また、マイクロレンズ55aの配置ピッチは縦方向、横方向とも41μmである。このマイクロレンズ55aは、一例として焦点距離が0.19mm、NA(開口数)が0.11で、光学ガラスBK7から形成されている。なおマイクロレンズ55aの形状については、後に詳しく説明する。そして、各マイクロレンズ55aの位置におけるレーザ光Bのビーム径は、41μmである。
また、アパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aに対応する多数のアパーチャ(開口)59aが形成されてなるものである。アパーチャ5
9aの径は、例えば、10μmである。
前記第1結像光学系は、DMD50による像を3倍に拡大してマイクロレンズアレイ55上に結像する。そして、前記第2結像光学系は、マイクロレンズアレイ55を経た像を1.6倍に拡大してパターン形成材料150上に結像、投影する。したがって全体では、DMD50による像が4.8倍に拡大してパターン形成材料150上に結像、投影されることになる。
なお、前記第2結像光学系とパターン形成材料150との間にプリズムペア73が配設され、このプリズムペア73を図11中で上下方向に移動させることにより、パターン形成材料150上における像のピントを調節可能となっている。なお同図中において、パターン形成材料150は矢印F方向に副走査送りされる。
描素部としては、前記光照射手段からの光を受光し出射することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、本発明により形成されるパターンが画像パターンである場合には、画素であり、前記光変調手段がDMDを含む場合にはマイクロミラーである。
また、前記光変調素子が有する描素部の数(前記n)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
更に、前記光変調素子における描素部の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2次元状に配列していることが好ましく、格子状に配列していることがより好ましい。
(光照射手段)
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源や、2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。特に、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)を用いることが好ましい。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、400nm〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源66は図27aに示すように、複数(例えば、14個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合されている。図27bに詳しく示すように、マルチモード光ファイバ31の光ファイバ30と反対側の端部は副走査方向と直交する主走査方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。
マルチモード光ファイバ31の端部で構成されるレーザ出射部68は、図27bに示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、マルチモード光ファイバ31の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。マルチモード光ファイバ31の光出射端面は、光密度が高いため集塵し易く劣化し易いが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
この例では、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように配列されている。
このような光ファイバは、例えば、図28に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=25μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=25μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール64は、図29に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図30及び図31に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
なお、図31においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
図32は、前記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図32の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザ光B1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザ光B1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザ光B1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f2=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えたパターン露光装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン露光装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン露光装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図33に示すように、ヒートブロック100上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図34(A)に示す、複数(例えば、5個)の発光点110aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ110は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザ光を合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ110に撓みが発生し易くなるため、発光点110aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ110や、図34(B)に示すように、ヒートブロック100上に、複数のマルチキヤビティレーザ110が各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図21に示すように、複数(例えば、3個)の発光点110aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ110を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ110と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ110は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aを、上記マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ120として、マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ110からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザ光Bのマルチモード光ファイバ130への結合効率を上げることができる。
また、図35に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ110を用い、ヒートブロック111上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ110が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキヤビティレーザ110は、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキヤピティレーザ110に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキヤピティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキヤビティレーザ110の複数の発光点10aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザ光Lは、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光フアイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図36(A)及び(B)に示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ110のレーザ光出射側には、各チップの発光点110aに対
応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザ光の拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ130と、このマルチモード光ファイバ130の入射端にレーザ光を集光して結合する集光レンズ120と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキヤビティレーザ110の複数の発光点10aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ120によって集光されて、マルチモード光フアイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光フアイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明におけるパターン露光装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ130の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
ここで、本発明におけるパターン露光について更に説明する。
スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザ光B1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザ光B1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
本例では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザ光B1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザ光Bに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
各レーザモジュールにおいて、レーザ光B1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザ光Bを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザ出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
ファイバアレイ光源66のレーザ出射部68には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、前記合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
例えば、半導体レーザと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm2(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は1.6×106(W/m2)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×106(W/m2)である。
これに対し、前記光照射手段が合波レーザを照射可能な手段である場合には、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザ出射部68での発光領域の面積は0.0081mm2(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は123×106(W/m2)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×106(W/m2)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
ここで、図37(A)及び(B)を参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図37(A)に示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)1の発光領域が大きいので、DMD3へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面5へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
一方、図37(B)に示すように、本発明におけるパターン露光装置における露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源66の発光領域の副走査方向の径が小さいので、レンズ系67を通過してDMD50へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面56へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。従って、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1描素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間光変調素子であるが、図37(A)及び(B)は、光学的な関係を説明するために展開図とした。
露光パターンに応じたパターン情報が、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。このパターン情報は、画像を構成する各描素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
パターン形成材料150を表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164によりパターン形成材料150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶されたパターン情報が複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出されたパターン情報に基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58によりパターン形成材料150の被露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、パターン形成材料150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、パターン形成材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、パターン形成材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
(マイクロレンズアレイ)
本発明におけるパターン露光は、上述のように光照射手段からの光を描画部を用いて変調させた後、該描画部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行うことを特徴とする。また、更に、アパーチャアレイ、結像光学系等などを通して行ってもよい。
前記非球面としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トーリック面が好ましい。
以下、マイクロレンズアレイ、アパーチャアレイ、及び結像光学系等について図面を参照しながら説明する。
図13(A)は、DMD50、DMD50にレーザ光を照射する光照射手段144、DMD50で反射されたレーザ光を拡大して結像するレンズ系(結像光学系)454、458、DMD50の各描素部に対応して多数のマイクロレンズ474が配置されたマイクロレンズアレイ472、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに対応して多数のアパーチャ478が設けられたアパーチャアレイ476、アパーチャを通過したレーザ光を被露光面56に結像するレンズ系(結像光学系)480、482で構成される露光ヘッドを表す。
ここで図14に、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の平面度を測定した結果を示す。同図においては、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。なお同図に示すx方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として前述のように回転する。また、図15の(A)及び(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示す。
図14及び図15に示した通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっている。このため、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪むという問題が発生し得る。
本発明においては前記問題を防止するために、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、従来とは異なる特殊な形状とされている。以下、その点について詳しく説明する。
図16の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55全体の正面形状及び側面形状を詳しく示すものである。これらの図にはマイクロレンズアレイ55の各部の寸法も記入してあり、それらの単位はmmである。本発明のパターン形成方法では、先に図4を参照して説明したようにDMD50の1024個×256列のマイクロミラー62が駆動されるものであり、それに対応させてマイクロレンズアレイ55は、横方向に1024個並んだマイクロレンズ55aの列を縦方向に256列並設して構成されている。なお、同図(A)では、マイクロレンズアレイ55の並び順を横方向についてはjで、縦方向についてはkで示している。
また、図17の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55における1つのマイクロレンズ55aの正面形状及び側面形状を示すものである。なお、同図(A)には、マイクロレンズ55aの等高線を併せて示してある。各マイクロレンズ55aの光出射側の端面は、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされている。より具体的には、マイクロレンズ55aはトーリックレンズとされており、上記x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、上記y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
したがって、上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態は、概略、それぞれ図18の(A)及び(B)に示す通りとなる。つまり、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ55aの曲率半径がより小であって、焦点距離がより短くなっている。
マイクロレンズ55aを前記形状とした場合の、該マイクロレンズ55aの集光位置(焦点位置)近傍におけるビーム径を計算機によってシミュレーションした結果を図19(A)〜(D)に示す。また比較のために、マイクロレンズ55aが曲率半径Rx=Ry=−0.1mmの球面形状である場合について、同様のシミュレーションを行った結果を図20(A)〜(D)に示す。なお、各図におけるzの値は、マイクロレンズ55aのピント方向の評価位置を、マイクロレンズ55aのビーム出射面からの距離で示している。
また、前記シミュレーションに用いたマイクロレンズ55aの面形状は、下記計算式で計算される。
Figure 2005345649
但し、前記計算式において、Cxは、x方向の曲率(=1/Rx)を意味し、Cyは、y方向の曲率(=1/Ry)を意味し、Xは、x方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味し、Yは、y方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味する。
図19(A)〜(D)と図20(A)〜(D)とを比較すると明らかなように、本発明におけるパターン露光装置(パターン露光方法)のように、マイクロレンズ55aをy方向に平行な断面内の焦点距離がx方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズとしたことにより、その集光位置近傍におけるビーム形状の歪みが抑制される。そうであれば、歪みの無い、より高精細な画像をパターン形成材料150に露光可能となる。また、図21a〜dに示す本実施形態の方が、ビーム径の小さい領域がより広い、すなわち焦点深度がより大であることが分かる。
なお、マイクロミラー62のx方向及びy方向に関する中央部の歪の大小関係が、上記と逆になっている場合は、x方向に平行な断面内の焦点距離がy方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズからマイクロレンズを構成すれば、同様に、歪みの無い、より高精細な画像をパターン形成材料150に露光可能となる。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されたアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されたものである。すなわち、このアパーチャアレイ59が設けられていることにより、各アパーチャ59aに、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比が高められる。
本来、上記目的で設置されるアパーチャアレイ59のアパーチャ59aの径をある程度小さくすれば、マイクロレンズ55aの集光位置におけるビーム形状の歪みを抑制する効果も得られる。しかしそのようにした場合は、アパーチャアレイ59で遮断される光量がより多くなり、光利用効率が低下することになる。それに対してマイクロレンズ55aを非球面形状とする場合は、光を遮断することがないので、光利用効率も高く保たれる。
また、本発明におけるパターン露光装置(パターン露光方法)では、マイクロレンズ55aは、2次の非球面形状であってもよく、より高次(4次、6次・・・)の非球面形状であってもよい。前記高次の非球面形状を採用することにより、ビーム形状を更に高精細にすることができる。
また、以上説明した実施形態では、マイクロレンズ55aの光出射側の端面が非球面(トーリック面)とされているが、2つの光通過端面の一方を球面とし、他方をシリンドリカル面としたマイクロレンズからマイクロレンズアレイを構成して、上記実施形態と同様の効果を得ることもできる。
更に、以上説明した実施形態においては、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされているが、このような非球面形状を採用する代わりに、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズに、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する屈折率分布を持たせても、同様の効果を得ることができる。
そのようなマイクロレンズ155aの一例を図22に示す。同図の(A)及び(B)はそれぞれ、このマイクロレンズ155aの正面形状及び側面形状を示すものであり、図示の通りこのマイクロレンズ155aの外形形状は平行平板状である。なお、同図におけるx、y方向は、既述した通りである。
また、図23の(A)及び(B)は、このマイクロレンズ155aによる上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態を概略的に示している。このマイクロレンズ155aは、光軸Oから外方に向かって次第に増大する屈折率分布を有するものであり、同図においてマイクロレンズ155a内に示す破線は、その屈折率が光軸Oから所定の等ピッチで変化した位置を示している。図示の通り、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ155aの屈折率変化の割合がより大であって、焦点距離がより短くなっている。このような屈折率分布型レンズから構成されるマイクロレンズアレイを用いても、前記マイクロレンズアレイ55を用いる場合と同様の効果を得ることが可能である。
なお、先に図17及び図18に示したマイクロレンズ55aのように面形状を非球面としたマイクロレンズにおいて、併せて上述のような屈折率分布を与え、面形状と屈折率分布の双方によって、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正しているが、DMD以外の空間光変調素子を用いる本発明においても、その空間光変調素子の描素部の面に歪みが存在する場合は、上述の技術を適用してその歪みによる収差を補正し、ビーム形状に歪みが生じることを防止可能である。
次に、前記結像光学系について更に説明する。
露光ヘッドでは、光照射手段144からレーザ光が照射されると、DMD50によりオン方向に反射される光束線の断面積が、レンズ系454、458により数倍(例えば、2倍)に拡大される。拡大されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光され、アパーチャアレイ476の対応するアパーチャを通過する。アパーチャを通過したレーザ光は、レンズ系480、482により被露光面56上に結像される。
この結像光学系では、DMD50により反射されたレーザ光は、拡大レンズ454、458により数倍に拡大されて被露光面56に投影されるので、全体の画像領域が広くなる。このとき、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476が配置されていなければ、図13(B)に示すように、被露光面56に投影される各ビームスポットBSの1描素サイズ(スポットサイズ)が露光エリア468のサイズに応じて大きなものとなり、露光エリア468の鮮鋭度を表すMTF(Modulation Transfer Function)特性が低下する。
一方、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476を配置した場合には、DMD50により反射されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光される。これにより、図13(C)に示すように、露光エリアが拡大された場合でも、各ビームスポットBSのスポットサイズを所望の大きさ(例えば、10μm×10μm)に縮小することができ、MTF特性の低下を防止して高精細な露光を行うことができる。なお、露光エリア468が傾いているのは、描素間の隙間を無くす為にDMD50を傾けて配置しているからである。
また、マイクロレンズの収差によるビームの太りがあっても、アパーチャアレイによって被露光面56上でのスポットサイズが一定の大きさになるようにビームを整形することができると共に、各描素に対応して設けられたアパーチャアレイを通過させることにより、隣接する描素間でのクロストークを防止することができる。
更に、光照射手段144に後述する高輝度光源を使用することにより、レンズ458からマイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに入射する光束の角度が小さくなるので、隣接する描素の光束の一部が入射するのを防止することができる。即ち、高消光比を実現することができる。
(その他の光学系)
本発明におけるパターン露光方法及びパターン露光装置には、公知の光学系の中から適宜選択したその他の光学系と併用してもよく、例えば、1対の組合せレンズからなる光量分布補正光学系などが挙げられる。
前記光量分布補正光学系は、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように各出射位置における光束幅を変化させて、光照射手段からの平行光束をDMDに照射するときに、被照射面での光量分布が略均一になるように補正する。以下、光量分布補正光学系について図面を参照しながら説明する。
まず、図23(A)に示したように、入射光束と出射光束とで、その全体の光束幅(全光束幅)H0、H1が同じである場合について説明する。なお、図23(A)において、符号51、52で示した部分は、光量分布補正光学系における入射面及び出射面を仮想的に示したものである。
光量分布補正光学系において、光軸Z1に近い中心部に入射した光束と、周辺部に入射した光束とのそれぞれの光束幅h0、h1が、同一であるものとする(h0=hl)。前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光に対し、中心部の入射光束については、その光束幅h0を拡大し、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅h1を縮小するような作用を施す。すなわち、中心部の出射光束の幅h10と、周辺部の出射光束の幅h11とについて、h11<h10となるようにする。光束幅の比率で表すと、出射側における中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなっている((h11/h10)<1)。
このように光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、被照射面での光量分布が略均一化される。均一化の度合いは、例えば、有効領域内における光量ムラが30%以内、好ましくは20%以内となるようにする。
光量分布補正光学系による作用、効果は、入射側と出射側とで、全体の光束幅を変える場合(図24(B),(C))においても同様である。
図24(B)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H2に“縮小”して出射する場合(H0>H2)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の縮小率で考えると、中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「H11/H10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
図24(C)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅Η3に“拡大”して出射する場合(H0<H3)を示している。このような場合においても、光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の拡大率で考えると、中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
このように、光量分布補正光学系は、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された光束断面を形成することができる。
次に、光量分布補正光学系として使用する1対の組合せレンズの具体的なレンズデータの1例を示す。この例では、前記光照射手段がレーザアレイ光源である場合のように、出射光束の断面での光量分布がガウス分布である場合のレンズデータを示す。なお、シングルモード光ファイバの入射端に1個の半導体レーザを接続した場合には、光ファイバからの射出光束の光量分布がガウス分布になる。本発明におけるパターン露光装置及びパターン露光方法では、このような場合の適用も可能である。また、マルチモード光ファイバのコア径を小さくしてシングルモード光ファイバの構成に近付ける等により光軸に近い中心部の光量が周辺部の光量よりも大きい場合にも適用可能である。
下記表1に基本レンズデータを示す。
Figure 2005345649
表1から分かるように、1対の組合せレンズは、回転対称の2つの非球面レンズから構成されている。光入射側に配置された第1のレンズの光入射側の面を第1面、光出射側の面を第2面とすると、第1面は非球面形状である。また、光出射側に配置された第2のレンズの光入射側の面を第3面、光出射側の面を第4面とすると、第4面が非球面形状である。
表1において、面番号Siはi番目(i=1〜4)の面の番号を示し、曲率半径riはi番目の面の曲率半径を示し、面間隔diはi番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔を示す。面間隔di値の単位はミリメートル(mm)である。屈折率Niはi番目の面を備えた光学要素の波長405nmに対する屈折率の値を示す。
下記表2に、第1面及び第4面の非球面データを示す。
Figure 2005345649
上記の非球面データは、非球面形状を表す下記式(A)における係数で表される。
Figure 2005345649
上記式(A)において各係数を以下の通り定義する。
Z:光軸から高さρの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)
ρ:光軸からの距離(mm)
K:円錐係数
C:近軸曲率(1/r、r:近軸曲率半径)
ai:第i次(i=3〜10)の非球面係数
表2に示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
図26は、前記表1及び表2に示す1対の組合せレンズによって得られる照明光の光量分布を示している。横軸は光軸からの座標を示し、縦軸は光量比(%)を示す。なお、比較のために、図25に、補正を行わなかった場合の照明光の光量分布(ガウス分布)を示す。図25及び図26から分かるように、光量分布補正光学系で補正を行うことにより、補正を行わなかった場合と比べて、略均一化された光量分布が得られている。これにより、光の利用効率を落とさずに、均一なレーザ光でムラなく露光を行うことができる。
以上のようなパターン露光方法及びパターン露光装置を用いて、パターン露光されたパターン形成層には、露光部の親疎水性が変化し、親水性領域と疎水性領域とからなる親/疎水性パターンが形成される。
その後、かかる親水性領域又は疎水性領域に下記導電性素材層を形成し(導電性素材層形成工程を経て)、導電性パターンを形成する。
〔導電性素材層の形成〕
本発明においては、上記の方法によりパターン露光され、親/疎水性パターンが形成されたパターン形成層に対し、親水性領域又は疎水性領域に選択的に導電性素材層を形成して導電性パターンを形成する。
導電性素材層の形成の態様について、以下に述べる。
まず、本発明におけるパターン形成層の露光部は、極性変換し正又は負の電荷を有するようになる。この領域に、例えば、後述する導電性粒子を吸着させることで、該領域が導電性の領域となり、導電性素材層が形成されることになる。また、パターン形成層の未露光部は、極性変換基がそのままの表面状態で残存することになり、導電性粒子は吸着せず非導電性の領域(絶縁領域)となる。
また、パターン形成層において、極性変換して得られた親水性領域に対し、親水性表面を有する金属微粒子などの導電性粒子を吸着させたり、また、疎水性領域に対し、疎水性表面を有する導電性ポリマーなどの導電性粒子を吸着させて、導電性素材層を形成することもできる。
更に、パターン形成層において、極性変換して得られた親水性領域に、金属イオン又は金属塩を付与させた後、かかる金属イオン又は金属塩中の金属イオンを還元して、導電性素材層を形成することもできる。
加えて、パターン形成層が、極性変換することで、無電解メッキ触媒又はその前駆体と相互作用する構造と変化する、若しくは、該相互作用を失う機能を有する場合、その相互作用を有する領域に対し、無電解メッキ触媒又はその前駆体を付与し、その後、無電解メッキを行って、導電性素材層を形成することもできる。
(導電性粒子)
本発明に用いられる導電性粒子としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、公知の導電性材料からなる微粒子を任意に選択して用いることができる。例えば、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、Pd、Al、Crなどの金属微粒子、In23、SnO2、ZnO、Cdo、TiO2、CdIn24、Cd2SnO2、Zn2SnO4、In23−ZnOなどの酸化物半導体微粒子、及びこれらに適合する不純物をドーパントさせた材料を用いた微粒子、MgInO、CaGaOなどのスピネル形化合物微粒子、TiN、ZrN、HfNなどの導電性窒化物微粒子、LaBなどの導電性ホウ化物微粒子、また、有機材料としては導電性高分子微粒子などが好適なものとして挙げられる。
(極性変換基の極性と導電性粒子との関係)
先に具体的に例示した一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸エステル基などの如きアニオングラフト極性変換基を有するパターン形成層では、露光領域のみが選択的に負の電荷を有するようになり、ここに正の電荷を有する導電性粒子を吸着させることで導電性の領域(回路)が形成される。このような導電性パターン形成機構を用いる場合には、露光部のみが極性変換して導電性粒子吸着能を有するようになるため、単一の支持体上に複数の異なる導電性粒子による配線を順次形成することもできる。
即ち、パターン形成材料をパターン露光して、その露光領域に1種の導電性粒子を吸着させ、水洗により余分な導電性粒子を除去して第1の回路を形成する。このとき、未露光部の極性変換基は影響を受けていないため、同じパターン形成材料に対して、再度、パターン露光を行って極性変換を生じさせ、新たな、露光領域に他の導電性粒子を吸着させて第2の回路を形成することができる。このように、段階的なパターン露光により複数の異なる導電性を有する回路を同一基板上に形成することが可能となるものである。
このような導電性パターン形成機構に用い得るカチオン性の導電性粒子としては、正電荷を有する金属(酸化物)微粒子などが挙げられる。
表面に高密度で正荷電を有する微粒子は、例えば、米澤徹らの方法、すなわち、T.Yonezawa, Chemistry Letters.,1999 page1061,T.Yonezawa,Langumuir 2000,vol16,5218および米澤徹,Polymer preprints,Japan vol.49.2911(2000)に記載された方法にて作成することができる。米澤らは金属−硫黄結合を利用し、金属粒子表面を正荷電を有する官能基で高密度に化学修飾できることを示している。
他の導電性パターン形成機構として、例えば、特開平10−296895号公報に記載のアンモニウム基などの如きカチオングラフト極性変換基を有するパターン形成層では、もともとのパターン形成層表面が正の電荷を有しており、露光領域のみが電荷を消失するようになる。ここに負電荷を有する導電性粒子が吸着して導電性の領域が形成される。このような導電性パターン形成機構を用いる場合には、未露光部のみに導電性粒子が吸着するため、単一の回路形成、広い面積の導電性領域の形成などに適する導電性パターンが得られる。
いずれの導電性パターン形成機構をとるにしても、本発明においては、導電性粒子は規則正しくほぼ単層状態に配置される。
本発明において、導電性素材層を形成するに用いる導電性微粒子の粒径は0.1nmから1000nmの範囲であることが好ましく、1nmから100nmの範囲であることがさらに好ましい。粒径が0.1nmよりも小さくなると、微粒子同士の表面が連続的に接触してもたらされる導電性が低下する傾向がある。また、1000nmよりも大きくなると、極性変換された官能基と相互作用して結合する接触面積が小さくなるため、パターン形成層と導電性粒子との密着が低下し、導電性領域の強度が劣化する傾向がある。
ここで、本発明の導電性パターン材料を透明配線基板などに適用する場合には、光透過性を確保する観点から、導電性微粒子の粒径は、好ましくは0.2〜100nm、さらに好ましくは1〜10nmの範囲のものを用いる。
これらの導電性粒子を親水性領域又は疎水性領域に吸着させる方法としては、表面に所定の荷電を有する導電性粒子を溶解又は分散させた液を、パターン露光された後のパターン形成材料の表面(パターン形成層表面)に塗布する方法や、これらの溶液又は分散液中にパターン露光された後のパターン形成材料を浸漬する方法などが挙げられる。
これらの導電性粒子は、親水性領域又は疎水性領域に対し最大量結合(吸着)されることが耐久性の点で好ましい。そのため、塗布、浸漬のいずれの場合にも、過剰量の導電性粒子を供給し、親水性領域又は疎水性領域との間に十分なイオン結合による導入がなされるために、溶液又は分散液とパターン形成層表面との接触時間は、10秒から24時間程度であることが好ましく、1分から180分程度であることがさらに好ましい。また、導電性確保の観点からは、導電性粒子の分散液の分散濃度は、0.001〜20質量%程度が好ましい。
前記導電性粒子は1種のみならず、必要に応じて複数種を併用することができる。また、所望の導電性を得るため、予め複数の材料を混合して用いることもできる。
これら導電性粒子の使用量は、導電性パターン材料のパターン形成機構により適宜選択することができるが、イオン性の吸着により親水性領域又は疎水性領域に、殆ど単分子膜に近い状態で導入されるため、一般的な導電性パターン形成材料に用いる導電性材料の使用量に比較して、少量で、充分な導電性を有し、しかも、微細な回路にも適用し得る高鮮鋭度の導電性領域を形成することができる。
(金属イオンの還元による導電性素材層の形成)
本発明におけるパターン形成層がパターン露光され、親水性領域が形成されると、その親水性領域に、金属塩を含有する溶液、又は金属塩が溶解した溶液を、その溶液ごと含浸させて、その含浸した溶液に含まれる金属イオン又は金属塩中の金属イオンを還元することで、該領域に金属単体が析出し、導電性素材層が形成される。
また、本発明におけるパターン形成層がパターン露光されると、露光部が極性変換し、正又は負の電荷を有するようになる。この負の電荷を有する領域が形成された場合には、金属イオンがそのイオン吸着性により吸着し、そして、吸着した金属イオンを還元することで、該領域に金属単体が析出し、導電性素材層が形成される。また、正の電荷を有する領域が形成された場合には、金属塩を含有する溶液、又は金属塩が溶解した溶液を、その溶液ごと含浸させて、その含浸した溶液に含まれる金属イオン又は金属塩中の金属イオンを還元することで、該領域に金属単体が析出し、導電性素材層が形成される。また、パターン形成層の未露光部は、パターン形成層がそのままの表面状態で残存することになり、金属イオン又は金属塩は吸着、含浸せず非導電性の領域(絶縁領域)となる。
更に、析出した金属単体からなる導電性素材層上に更に電気メッキなどの方法で銅、ニッケル、金などの導電性金属を付着させることができる。この方法により、導電性素材層の厚みを更に増加させ、導電性を高めることができ、また、導電性素材層の化学的腐食を防いだり、機械的強度を高めることができる。
(金属イオン及び金属塩)
次に、上記の方法で用いる金属イオン及び金属塩について説明する。
金属塩としては、パターン形成層上に付与させるために適切な溶媒に溶解して、金属イオンと塩基(陰イオン)に解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3n、MCln、M2n(SO4)、M3/n(PO4)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Ag、Cu、Al、Ni、Co、Fe、Pdが挙げられ、本発明により得られた導電性パターンの用途により、導伝膜としてはAg、磁性膜としてはCo、水素透過性膜としてはPdが好ましく用いられる。
(極性変換タイプの極性と金属イオン又は金属塩との関係)
先に具体的に例示した一般式(1)で表されるアルキルスルホン酸エステル基などの如きアニオングラフト極性変換基を有するパターン形成層では、露光領域のみが選択的に親水性で、かつ、負の電荷を有するようになり、ここに正の電荷を有する金属イオンを吸着させ、その吸着した金属イオンを還元させることで導電性の領域(配線)が形成される。このような導電性パターン形成機構を用いる場合には、露光部のみが極性変換して金属イオン吸着能を有するようになるため、単一の基板上に複数の異なる導電粒子による配線を順次形成することもできる。
即ち、パターン形成材料をパターン露光して、その露光領域に1種の金属イオンを吸着させ、水洗により余分な導電粒子を除去して第1の回路前駆体を形成する。このとき、未露光部の極性変換基は影響を受けていないため、同じパターン形成材料に対して、再度、パターン露光を行って極性変換を生じさせ、新たな、露光領域に他の金属イオンを吸着させて第2の回路前駆体を形成することができる。このように、段階的なパターン露光により複数の異なる導電性を有する回路前駆体を同一基板上に形成することが可能となる。これらの回路前駆体を後述する還元剤により還元することにより、異なる導電性を有する回路(導電性パターン)が形成される。
(金属イオン又は金属塩の付与方法)
金属イオン又は金属塩をパターン形成層に付与させる方法としては、金属イオン又は金属塩を溶解又は分散させた液を、パターン露光された後のパターン形成材料の表面(パターン形成層表面)に塗布する方法や、これらの溶液又は分散液中にパターン露光された後のパターン形成材料を浸漬する方法などが挙げられる。
これらの金属イオン又は金属塩は、親水性表面の極性変換基或いは親水性基に付与(吸着)し得る最大量、結合されることが耐久性の点で好ましい。そのため、塗布、浸漬のいずれの場合にも、過剰量の金属イオンを供給し、極性変換基との間に十分なイオン結合による導入がなされるために、溶液又は分散液と支持体表面との接触時間は、10秒から24時間程度であることが好ましく、1分から180分程度であることが更に好ましい。また、導電性確保の観点からは、接触させる溶液の金属イオン濃度、或いは金属塩濃度(分散液の分散濃度)は1〜50質量%の範囲であることが好ましく、10〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、1〜24時間程度であるとが好ましい。
前記金属イオン又は金属塩は1種のみならず、必要に応じて複数種を併用することができる。また、所望の導電性を得るため、予め複数の材料を混合して用いることもできる。
また、これら金属イオン又は金属塩の使用量は、導電性パターン形成機構により適宜選択することができるが、イオン性の吸着によりパターン形成層表面に、殆ど単分子膜に近い状態で導入されるため、一般的な導電性パターン材料に用いる導電性材料の使用量に比較して、少量で、充分な導電性を有し、しかも、微細な回路にも適用し得る高鮮鋭度の導電性領域を形成することができる。
(還元剤)
本発明において、パターン形成層に吸着又は含浸して存在する金属塩、或いは、金属イオンを還元し、導電性素材層を成膜するために用いられる還元剤としては、用いた金属塩化合物を還元し、金属を析出させる物性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、次亜リン酸塩、テトラヒドロホウ素酸塩、ヒドラジンなどが挙げられる。
これらの還元剤は、用いる金属塩、金属イオンとの関係で適宜選択することができるが、例えば、金属イオン、金属塩を供給する金属塩水溶液として、硝酸銀水溶液などを用いた場合にはテトラヒドロホウ素酸ナトリウムが、二塩化パラジウム水溶液を用いた場合には、ヒドラジンが、好適なものとして挙げられる。
上記還元剤の添加方法としては、例えば、パターン形成層に金属イオンや金属塩を付与させた後、水洗して余分な金属塩、金属イオンを除去した後、該パターン形成層を備えたパターン形成材料をイオン交換水などの水中に浸漬し、そこに還元剤を添加する方法や、該パターン形成層上に所定の濃度の還元剤水溶液を直接塗布或いは滴下する方法等が挙げられる。また、還元剤の添加量としては、金属イオンに対して、等量以上の過剰量用いるのが好ましく、10倍当量以上であることが更に好ましい。
還元剤の添加による均一で高強度の導電性素材層の存在は、表面の金属光沢により目視でも確認することができるが、透過型電子顕微鏡、或いは、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて表面を観察することで、その構造を確認することができる。また、導電性素材層の膜厚は、常法、例えば、切断面を電子顕微鏡で観察するなどの方法により、容易に行なうことができる。
(無電解メッキを用いた導電性素材層の形成)
本発明において、パターン形成層が、極性変換により、無電解メッキ触媒又はその前駆体と相互作用する構造と変化する、若しくは、該相互作用を失う機能を有する領域が形成された場合、その相互作用を有する領域に対し、無電解メッキ触媒又はその前駆体を付与し、その後、無電解メッキを行って、導電性素材層を形成することができる。
(無電解メッキ触媒)
本発明において用いられる無電解メッキ触媒とは、主に0価金属であり、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。本発明においては、特に、Pd、Agがその取り扱い性の良さ、触媒能の高さから好ましい。0価金属を相互作用性領域に固定する手法としては、例えば、相互作用性領域中の上の相互作用性基と相互作用するように荷電を調節した金属コロイドを、相互作用性領域に適用する手法が用いられる。一般に、金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。金属コロイドの荷電は、ここで使用される界面活性剤又は保護剤により調節することができ、このように荷電を調節した金属コロイドを、グラフトパターンが有する相互作用性基と相互作用させることで、グラフトパターン上に選択的に金属コロイド(無電解メッキ触媒)を吸着させることができる。
(無電解メッキ触媒前駆体)
また、本発明において用いられる無電解メッキ触媒前駆体とは、化学反応により無電解メッキ触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には上記無電解メッキ触媒で用いた0価金属の金属イオンが用いられる。無電解メッキ触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解メッキ触媒である0価金属になる。無電解メッキ触媒前駆体である金属イオンは、基材へ付与した後、無電解メッキ浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解メッキ触媒としてもよいし、無電解メッキ触媒前駆体のまま無電解メッキ浴に浸漬し、無電解メッキ浴中の還元剤により金属(無電解メッキ触媒)に変化させてもよい。
実際には、無電解メッキ前駆体である金属イオンは、金属塩の状態でグラフトパターン上に付与する。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3n、MCln、M2n(SO4)、M3n(PO4)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、Agイオン、Pdイオンが触媒能の点で好ましい。
無電解メッキ触媒である金属コロイド、或いは、無電解メッキ前駆体である金属塩をパターン形成層上に付与する方法としては、金属コロイドを適当な分散媒に分散、或いは、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液を調製し、その溶液をパターン形成層表面に塗布するか、或いは、その溶液中にパターン形成層を有するパターン形成材料を浸漬すればよい。金属イオンを含有する溶液を接触させることで、相互作用性領域上の相互作用性基に、イオン−イオン相互作用、又は、双極子−イオン相互作用を利用して金属イオンを吸着させること、或いは、相互作用性領域に金属イオンを含浸させることができる。このような吸着又は含浸を充分に行なわせるという観点からは、接触させる溶液中の金属イオン濃度、或いは金属塩濃度は0.01〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、1分〜24時間程度であることが好ましく、5分〜1時間程度であることがより好ましい。
(無電解メッキ)
本発明においては、相互作用性領域に、無電解メッキ触媒又はその前駆体を付与されたパターン形成材料上に、無電解メッキを行うことで、導電性素材層が形成される。形成された導電性素材層は、優れた導電性、密着性を有する。
無電解メッキとは、メッキとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
本工程における無電解メッキは、例えば、無電解メッキ触媒がパターン状に付与された基材を、水洗して余分な無電解メッキ触媒(金属)を除去した後、無電解メッキ浴に浸漬して行なう。使用される無電解メッキ浴としては一般的に知られている無電解メッキ浴を使用することができる。
また、無電解メッキ触媒前駆体がパターン状に付与された基材を、無電解メッキ触媒前駆体がパターン形成層に吸着又は含浸した状態で無電解メッキ浴に浸漬する場合には、パターン形成層を水洗して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解メッキ浴中へ浸漬される。この場合には、無電解メッキ浴中において、前駆体の還元とこれに引き続き無電解メッキが行われる。ここ使用される無電解メッキ浴としても、上記同様、一般的に知られている無電解メッキ浴を使用することができる。
一般的な無電解メッキ浴の組成としては、1.メッキ用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このメッキ浴には、これらに加えて、メッキ浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
無電解メッキ浴に用いられる金属の種類としては、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、金が特に好ましい。
また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物がある。例えば、銅の無電解メッキの浴は、銅塩としてCu(SO42、還元剤としてHCOH、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤が含まれている。また、CoNiPの無電解メッキに使用されるメッキ浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、りんご酸ナトリウム、こはく酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解メッキ浴は、金属イオンとして(Pd(NH34)Cl2、還元剤としてNH3、H2NNH2、安定化剤としてEDTAが含まれている。これらのメッキ浴には、上記成分以外の成分が入っていてもよい。
このようにして形成される導電性素材層の膜厚は、メッキ浴の金属塩又は金属イオン濃度、メッキ浴への浸漬時間、或いは、メッキ浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、メッキ浴への浸漬時間としては、1分〜12時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
以上のようにして得られる導電性素材層は、SEMによる断面観察により、表面グラフト膜中に無電解メッキ触媒やメッキ金属の微粒子がぎっしりと分散しており、更にその上に比較的大きな粒子が析出していることが確認された。界面はグラフトポリマーからなるパターン形成層と微粒子とのハイブリッド状態であるため、界面の凹凸差が100nm以下であっても密着性が良好であった。
(電気メッキ)
上記、無電解メッキを用いて得られた導電性素材層は、更に、電気メッキを行い、その層厚を増加させてもよい。
本発明における電気メッキは、前記無電解メッキによる導電性素材層を電極とし、さらに電気メッキを行うことができる。これにより支持体との密着性に優れた無電解メッキ膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ導電性素材層を容易に形成することができる。この電気メッキ工程を付加することにより、導電性素材層を目的に応じた厚みに形成することができ、配線パターンなど種々の応用に適用するのに好適である。
本発明における電気メッキの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、電気メッキに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。
電気メッキにより得られる導電性素材層の膜厚については、用途に応じて異なるものであり、メッキ浴中に含まれる金属濃度、浸漬時間、或いは、電流密度などを調整することでコントロールすることができる。なお、一般的な電気配線などに用いる場合の膜厚は、導電性の観点から、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
以上の方法で、導電性素材層が形成された導電性パターン材料(本発明の導電性パターン材料)は、種々の回路形成に使用でき、パターン形成手段を選択することでナノスケールの導電性領域を形成することができるため、マイクロマシンや超LSIなどの回路形成を含む広い用途が期待される。
更に、支持体にPETなどの透明フィルムを使用した場合には、パターン形成された透明導電性フィルムとして使用することができる。このような透明導電性フィルムの用途としては、ディスプレイ用透明電極、調光デバイス、太陽電池、タッチパネル、その他の透明導電膜が挙げられるが、CRTやプラズマディスプレイにつける電磁波シールドフィルターとして特に有用である。このような電磁波シールドフィルターは高い導電性と透明性とを必要とするため、導電性素材層を格子状に設けることが好ましい。このような格子線幅は、20〜100μm、開口部は50〜600μm程度が好ましい。この格子は必ずしも規則正しく、直線で構成されていなくてもよく、曲線状で構成されていてもよい。本発明においては、このような任意のパターン形状の金属配線を容易に形成し得るため、目的に応じた種々の設定が可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(画像形成材料:パターン形成材料の作製)
188μmのコロナ処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(A4100、東洋紡(株)製)を支持体として用い、グロー処理として平版マグネトロンスパッタリング装置(CFS−10−EP70、芝浦エレテック製)を使用し、下記条件でアルゴングロー処理を行った。
初期真空 :1.2×10-3Pa
アルゴン圧力:0.9Pa
RFグロー :1.5kw
処理時間 :60sec
次に、グロー処理したフィルムを、2−エトキシエチルアクリレートのメチルエチルケトン溶液(50質量%)を浸漬し、50℃で3時間加熱することによりグラフト重合を行い、PETフィルム支持体上に、2−エトキシエチルアクリレートがグラフト重合されてなるパターン形成層を形成した。さらに、そのパターン形成層に、下記に示した増感剤(S−1,2質量%)と酸発生剤(T−1,5質量%)とのテトラヒドロフラン溶液を、ロッドバー#7で塗布し、パターン形成層中に光酸発生剤を含有させてパターン形成材料Aを得た。
Figure 2005345649
[実施例2]
厚さ0.3mmのJIS A 1050アルミニウム板を支持体として用い、その表面に下記の光重合性組成物をロッドバー18番を用いて塗布し、80℃で2分乾燥し、膜厚6μmの中間層を形成した。次に、中間層が形成された支持体を、400Wの高圧水銀灯(型番:UVL−400P、理工科学産業社製)を使用して、10分間照射し、予備硬化させた。
(中間層塗布液)
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 2g
(共重合モル比率80/20、平均分子量10万)
・エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート 4g
(IR125 和光純薬剤)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 16g
予備硬化させた中間層上に、t−ブチルメタクリル酸エステル(50質量%)の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を10ml垂らし、その上に10cm角の石英板をかぶせ中間層と石英板との間にモノマー溶液を挟み込んだ。この状態で上記の400Wの高圧水銀灯を使用し、10分間光照射した。光照射後、得られたフィルムをアセトンでよく洗浄し、t−ブチルメタクリル酸エステルが支持体表面にグラフト重合されてなるパターン形成層を形成した。さらに、パターン形成層に、先の実施例で使用した増感剤(S−1,2質量%)と酸発生剤(T−1,5質量%)とのテトラヒドロフラン溶液をロッドバー#7で塗布し、パターン形成層中に光酸発生剤を含有させてパターン形成材料Bを得た。
(パターン露光、親/疎水性パターン形成工程)
得られたパターン形成材料A、及びBを下記の方法にてパターン露光し、パターン形成層の露光部を極性変換させ、親/疎水性パターンを形成した。
まず、パターン露光装置について説明する。
本実施例において用いたパターン露光装置は、光照射手段として図27〜32に示す合波レーザ光源と、前記光変調手段として図4に示す主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD50と、図13に示した一方の面がトーリック面であるマイクロレンズ474をアレイ状に配列したマイクロレンズアレイ472及び該マイクロレンズアレイを通した光を前記パターン形成材料に結像する光学系480、482と、上記パターン形成材料A又はBとを有するパターン露光装置を用いた。
DMD50は、図12に示したデータ処理部とミラー駆動制御部とを備えたコントローラ302に接続した。コントローラ302のデータ処理部では、入力されたパターン情報に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成することができ、また、前記ミラー駆動制御部では、パターン情報処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御することができる。
なお、このパターン露光は、露光光とパターン形成材料A又はBとを相対的に移動させながら行った。
また、前記マイクロレンズにおけるトーリック面は以下に説明するものを用いた。
まず、DMD50の前記描素部としてのマイクロレンズ474の出射面における歪みを補正するため、該出射面の歪みを測定した。結果を図14に示した。図14においては、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。なお同図に示すx方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として回転する。また、図15の(A)及び(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示した。
図14及び図15に示した通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっていることが判る。このため、このままではマイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪んでしまうことが判る。
図16の(A)及び(B)には、マイクロレンズアレイ55全体の正面形状及び側面形状をそれぞれ詳しく示した。これらの図には、マイクロレンズアレイ55の各部の寸法も記入してあり、それらの単位はmmである。先に図4を参照して説明したようにDMD50の1024個×256列のマイクロミラー62が駆動されるものであり、それに対応させてマイクロレンズアレイ55は、横方向に1024個並んだマイクロレンズ55aの列を縦方向に256列並設して構成されている。なお、同図(A)では、マイクロレンズアレイ55の並び順を横方向についてはjで、縦方向についてはkで示している。
また、図17の(A)及び(B)には、マイクロレンズアレイ55における1つのマイクロレンズ55aの正面形状及び側面形状をそれぞれ示した。なお、同図(A)には、マイクロレンズ55aの等高線を併せて示してある。各マイクロレンズ55aの光出射側の端面は、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされている。より具体的には、マイクロレンズ55aはトーリックレンズとされており、前記x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、前記y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
したがって、前記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態は、概略、それぞれ図18の(A)及び(B)に示す通りとなる。つまり、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ55aの曲率半径がより小であって、焦点距離がより短くなっていることが判る。
なお、マイクロレンズ55aを前記形状とした場合の、該マイクロレンズ55aの集光位置(焦点位置)近傍におけるビーム径を計算機によってシミュレーションした結果を図19(A)〜(D)に示す。また比較のために、マイクロレンズ55aが曲率半径Rx=Ry=−0.1mmの球面形状である場合について、同様のシミュレーションを行った結果を図20(A)〜(Dに示す。なお、各図におけるzの値は、マイクロレンズ55aのピント方向の評価位置を、マイクロレンズ55aのビーム出射面からの距離で示している。
また、前記シミュレーションに用いたマイクロレンズ55aの面形状は、下記計算式で計算される。
Figure 2005345649
但し、前記計算式において、Cxは、x方向の曲率(=1/Rx)を意味し、Cyは、y方向の曲率(=1/Ry)を意味し、Xは、x方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味し、Yは、y方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味する。
図19(A)〜(D)と図20(A)〜(D)とを比較すると明らかなように、マイクロレンズ55aを、y方向に平行な断面内の焦点距離がx方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズとしたことにより、その集光位置近傍におけるビーム形状の歪みが抑制される。この結果、歪みの無い、より高精細なパターンをパターン形成材料150に露光可能となる。また、図20(A)〜(D)に示す本実施形態の方が、ビーム径の小さい領域がより広い、すなわち焦点深度がより大であることが判る。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されたアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されたものである。すなわち、このアパーチャアレイ59が設けられていることにより、各アパーチャ59aに、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比が高められる。
(導電性素材層の形成)
パターン露光後、パターン形成材料A及びBのパターン形成層上に下記の方法で導電性素材層を形成した。
導電性素材層を形成する導電性粒子として、以下のようにして得られた正電荷を有するAg粒子を使用した。
過塩素酸銀のエタノール溶液(5mmol/l)50mlにビス(1,1−トリメチルアンモニウムデカノイルアミノエチル)ジスルフィド3gを加え、激しく攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウム溶液(0.4mol/l)30mlをゆっくり滴下してイオンを還元し、4級アンモニウムで被覆された銀粒子の分散液を得た。この銀粒子のサイズを電子顕微鏡で測定したところ、平均粒径は5nmであった。
前記のように得られた正電荷Ag分散液中に、パターン露光後のパターン形成材料A及びBをそれぞれ浸漬し、その後、流水で表面を十分洗浄して余分な微粒子分散液を除去した。これにより、導電性素材層が形成され、導電性パターン材料A及びBを得た。
導電性素材層が形成された導電性パターン材料A及びBの表面を、透過型電子顕微鏡(JEOL JEM−200CX)にて10万倍で観察したところ、いずれの表面においても、露光部領域のみに吸着したAg微粒子に起因する緻密な凹凸形状が形成されていることが確認された。
また、導電性パターン材料A及びBの表面には、15μmのラインとスペースの幅の導電性素材層が、きれいに、かつ、直線状に解像されていることが判明した。
〔透明導電性回路の評価〕
得られた導電性パターン材料A及びBの表面(導電性素材層形成面)の導電性をLORESTA−FP(三菱化学(株)製)を用いて四探針法により測定したところ、いずれも1Ω/□を示した。
また、導電性パターン材料A及びBの全面の透過率を測定したところ58%であった。
このことから、透明性が高く、導電性に優れた導電性パターンが形成されていることがわかる。
〔耐磨耗性の評価〕
得られた導電性パターン材料A及びBの表面(導電性素材層形成面)を水で湿らせた布(BEMCOT、旭化成工業社製)を用いて手で往復30回こすった。こすった後に、前記と同様にして透過型電子顕微鏡(JEOL JEM−200CX)にて、その表面を10万倍で観察したところ、導電性パターン材料A及びBのいずれも、こすり処理を行なう前と同様、露光部領域のみに微粒子に起因する緻密な凹凸形状が観察され、表面の緻密な凹凸形状がこすりにより損なわれなかったことが確認された。
[実施例3]
上記のパターン露光により、親/疎水性パターンが形成されたパターン形成材料Bを、硝酸銀(和光純薬製)15質量%の水溶液に12時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、100mlの蒸留水にパターン形成材料Bを浸漬し、その蒸留水中に、0.2mol/lのテトラヒドロホウ素酸ナトリウムを30ml滴下することにより、硝酸銀中の銀イオンを還元したところ、パターン形成材料Bの表面に均一なAgからなる導電性素材層が形成された。形成されたAg金属膜(導電性素材層)は厚さ0.1μmであった。
これにより、Ag金属膜(導電性素材層)が形成された導電性パターン材料Cを得た。
〔導電性の評価〕
得られた導電性パターン材料Cの表面の導電性を実施例1及び2と同様の方法で測定したところ、10Ω/□を示し、導電性に優れることがわかった。
さらにこのAg金属膜(導電性素材層)を触媒として、下記組成の無電解メッキ浴にて20分間無電解メッキし、銅により導電性素材層の膜厚を増加させた。この表面の導電性を実施例1と同様の方法で測定したところ、1.0Ω/□であり、高い導電性を示した。
加えて、導電性パターン材料Cの導電性素材層を確認したところ、15μmのラインとスペースの幅が、きれいに、かつ、直線状に解像されていることが判明した。
<無電解メッキ浴の組成>
・OPCカッパーH T1(奥野製薬(株)製) 6mL
・OPCカッパーH T2(奥野製薬(株)製) 1.2mL
・OPCカッパーH T3(奥野製薬(株)製) 10mL
・水 83mL
[実施例4]
(無電解メッキ・電気メッキによる導電パターン形成)
上記のパターン露光により、親/疎水性パターンが形成されたパターン形成材料Aを、硝酸パラジウム(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、上記組成の無電解メッキ浴にて20分間無電解メッキし、金属パターンを作製した。
<無電解メッキ浴の組成>
・OPCカッパーH T1(奥野製薬(株)製) 6mL
・OPCカッパーH T2(奥野製薬(株)製) 1.2mL
・OPCカッパーH T3(奥野製薬(株)製) 10mL
・水 83mL
この金属パターンに更に、下記の組成のメッキ浴を用い、15分間電気メッキし、銅による導電性素材層が形成された導電性パターン材料Dを得た。
<電気メッキ浴の組成>
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(メルテックス(株)製) 3mL
・水 500mL
〔導電性の評価〕
得られた導電性パターン材料Dの表面の導電性を実施例1と同様の方法で測定したところ、0.8Ω/□であり、高い導電性を示した。
また、導電性パターン材料Dの導電性素材層を確認したところ、15μmのラインとスペースの幅が、きれいに、かつ、直線状に解像されていることが判明した。
デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図の一例である。 DMDの動作を説明するための説明図の一例である。 DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。 DMDの使用領域の例を示す図の一例である。 スキャナによる1回の走査でパターン形成材料を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 スキャナによる複数回の走査でパターン形成材料を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 パターン露光装置の一例の外観を示す概略斜視図の一例である。 パターン露光装置のスキャナの構成を示す概略斜視図の一例である。 (A)はパターン形成材料に形成される露光済み領域を示す平面図の一例であり、(B)は、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図の一例である。 光変調手段を含む露光ヘッドの概略構成を示す斜視図の一例である。 (A)は、図10に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図の一例であり、(B)は、(A)の側面図の一例である。 パターン情報に基づいて、DMDの制御をするコントローラの一例である。 (A)は、結合光学系の異なる他の露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った断面図の一例であり、(B)は、マイクロレンズアレイ等を使用しない場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例であり、(C)は、マイクロレンズアレイ等を使用した場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例である。 DMDを構成するマイクロミラーの反射面の歪みを等高線で示す図の一例である。 マイクロミラーの反射面の歪みを、ミラーの2つの対角線方向について示すグラフの一例である。 パターン露光装置に用いられたマイクロレンズアレイの正面図(A)と側面図(B)との一例である。 マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)と側面図(B)との一例である。 マイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)とについて示す概略図の一例である。 (A)は、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例であり、(B)〜(D)は、(A)と同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 (A)は、従来のパターン形成方法におけるマイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例であり、(B)〜(D)は、(A)と同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)と側面図(B)との一例である。 図22のマイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)とについて示す概略図の一例である。 光量分布補正光学系による補正の概念についての説明図の一例である。 光照射手段がガウス分布で且つ光量分布の補正を行わない場合の光量分布を示すグラフの一例である。 光量分布補正光学系による補正後の光量分布を示すグラフの一例である。 (A)は、ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、(B)は、(A)の部分拡大図の一例であり、(C)及び(D)は、レーザ出射部における発光点の配列を示す平面図の一例である。 ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図の一例である。 マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図30に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図30に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 (A)は、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例であり、(B)は、(A)に示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 (A)は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例であり、(B)は、(A)の光軸に沿った断面図の一例である。 (A)及び(B)は、従来の露光装置における焦点深度と本発明の画像形成方法による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。
符号の説明
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 ヒートブロック
11〜17 コリメータレンズ
20 集光レンズ
30〜31 マルチモード光ファイバ
44 コリメータレンズホルダー
45 集光レンズホルダー
46 ファイバホルダー
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
52 レンズ系
53 反射光像(露光ビーム)
54 第2結像光学系のレンズ
55 マイクロレンズアレイ
56 被露光面(走査面)
55a マイクロレンズ
57 第2結像光学系のレンズ
58 第2結像光学系のレンズ
59 アパーチャアレイ
64 レーザモジュール
66 ファイバアレイ光源
67 レンズ系
68 レーザ出射部
69 ミラー
70 プリズム
71 集光レンズ
72 ロッドインテグレータ
73 組合せレンズ
74 結像レンズ
100 ヒートブロック
110 マルチキャピティレーザ
111 ヒートブロック
113 ロッドレンズ
120 集光レンズ
130 マルチモード光ファイバ
130a コア
140 レーザアレイ
144 光照射手段
150 パターン形成材料
152 ステージ
155a マイクロレンズ
156 設置台
158 ガイド
160 ゲート
162 スキャナ
164 センサ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域
180 ヒートブロック
184 コリメートレンズアレイ
302 コントローラ
304 ステージ駆動装置
454 レンズ系
468 露光エリア
472 マイクロレンズアレイ
474 マイクロレンズ
476 アパーチャアレイ
478 アパーチャ
480 レンズ系

Claims (2)

  1. 支持体上に、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物がその末端で化学的に結合してなるパターン形成層を備えたパターン形成材料に対し、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光でパターン露光を行い、前記パターン形成層に親/疎水性パターンを形成し、該親/疎水性パターンを構成する親水性領域又は疎水性領域に導電性素材層を形成してなることを特徴とする導電性パターン材料。
  2. 支持体上に、露光により直接に親疎水性が変化する官能基、又は、露光により発生した熱又は酸の作用により親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物がその末端で化学的に結合してなるパターン形成層を備えたパターン形成材料に対し、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光でパターン露光を行い、前記パターン形成層に親/疎水性パターンを形成する工程と、
    該親/疎水性パターンを構成する親水性領域又は疎水性領域に導電性素材層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする導電性パターンの形成方法。
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