JP2005345385A - 特性測定用器具および特性測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡便且つ迅速な特性測定を可能とする特性測定用器具、ないし特性測定方法を提供する。
【解決手段】 エネルギー印加手段を有する第1の部材と、これに対向して配置された第2の部材とを有する特性測定用器具およびゲートアレイを使った高速な波形積算回路とディジタルデータ(数表)の読み出しによる正確な波形の創出及び出入力の正確なマッチング機構。これら第1および第2の部材の間に試料が保持可能であり、これら部材の少なくとも一方に特性測定手段が配置される。所望の特性の測定時には、特性測定手段と前記エネルギー印加手段とが近接して配置される。
【選択図】 図8
【解決手段】 エネルギー印加手段を有する第1の部材と、これに対向して配置された第2の部材とを有する特性測定用器具およびゲートアレイを使った高速な波形積算回路とディジタルデータ(数表)の読み出しによる正確な波形の創出及び出入力の正確なマッチング機構。これら第1および第2の部材の間に試料が保持可能であり、これら部材の少なくとも一方に特性測定手段が配置される。所望の特性の測定時には、特性測定手段と前記エネルギー印加手段とが近接して配置される。
【選択図】 図8
Description
本発明は、物質・材料・システムを始めとする種々の試料の諸特性を簡便に測定することが可能な特性測定器具、該特性測定器具とを組み合わせて特に好適に使用することができるシグナル発生および/又はシグナル処理器、および物質・材料・システムを始めとする種々の試料の諸特性(例えば、伝熱性・断熱性等の熱的特性)を簡便に測定可能な特性測定方法に関する。
所望の物性を発現することができる材料・物質の開発等の観点から、種々の物質・材料・システム関連分野(例えば、高分子、バイオテクノロジー、半導体材料、セラミック材料、断熱材,更には金属ないし複合材料関連分野)を始めとする幅広い技術分野において、種々の特性(例えば、熱的特性たる熱伝導率または熱拡散率)を簡便に測定したいという要請は、ますます強まっている。このような測定の対象となる材料の例としては、例えば、断熱紙,発泡高分子材料,高度に分子配向した高分子フィルム、多層フィルム、スピンコートした薄膜、キャスト膜、蒸着膜、布地、更には真空断熱材、建材、壁材料、冷蔵庫断熱材、自動車屋根材等を挙げることができる。
所望の物性を発現する材料の開発には、当然ながら、これらの物性を精密に制御すること、および品質管理を充分にする必要がある。更には、このような所望の物性を発現すべき構造(特に微細構造)を有する材料の開発には、該材料の特性を精密かつ簡便に評価する分析技術が不可欠である。
本発明の特性測定用器具、特性測定方法およびシグナル発生器は、物理的特性を始めとする種々の特性測定に好適に使用可能であるが、ここでは、説明の便宜上、熱的特性(例えば、伝熱物性)を評価する先行技術について先ず述べる。
材料の伝熱物性を評価する方法としては、従来より、レーザーフラッシュ法、熱線法、プローブ法等が広く用いられて来た。これらは、測定すべき試料を測定にあわせて成形しているが、現実の材料はサンプリングが不可能であることが多い。
温度波を利用して試料の熱拡散率を測定する方法として、特開平3−189547号公報がある。この方法によれば、膜厚が1μm以上のフィルムの薄い電気絶縁物熱拡散率を測定することができるが、その測定の簡便性(例えば、手軽さ、迅速性)は必ずしも充分では無かった。例えば、このような測定を、携帯可能な(すなわち製造現場にも容易に持ち込に可能な)装置で行うことはできなかった。
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消可能な特性測定用器具、ないし特性測定方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡便且つ迅速な特性測定を可能とする特性測定用器具、ないし特性測定方法を提供することにある。
本発明者は鋭意研究の結果、第1および第2の部材の少なくとも一方の部材を可動とし、且つ、少なくとも特性測定時にはエネルギー印加手段および特性測定手段が互いに近接して配置されるように特性測定用器具を構成することが、上記目的の達成に極めて効果的であることを見出した。
本発明の特性測定用器具は上記知見に基づくものであり、より詳しくは、少なくともその一部にエネルギー印加手段を有する第1の部材と、該第1の部材に対向して配置された第2の部材とを少なくとも有する特性測定用器具であって;前記第1および第2の部材の間に、試料を保持可能なように、これら第1および第2の部材の少なくとも一方が可動であり、前記第1および第2の部材の少なくとも一方に特性測定手段が配置され、少なくとも特性の測定時には、該特性測定手段と前記エネルギー印加手段とが近接して配置されるように構成され、且つ、該第1および第2の部材の間に配置された試料に対して、前記エネルギー印加手段からのエネルギー印加に対応して、該試料における特性変化を前記特性測定手段で測定可能としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、更に、エネルギー印加手段から試料にエネルギーを印加し、
該試料に近接または接触して配置され、且つ前記エネルギー印加手段に近接して配置された特性測定手段により、該エネルギー印加に基づく特性変化を測定することを特徴とする特性測定方法が提供される。
該試料に近接または接触して配置され、且つ前記エネルギー印加手段に近接して配置された特性測定手段により、該エネルギー印加に基づく特性変化を測定することを特徴とする特性測定方法が提供される。
本発明によれば、更に、CPUと、該CPUに接続されたメモリーと、
前記CPUに接続されたD/A変換器と、前記CPUに接続されたA/D変換器とを少なくとも含むシグナル発生/解析器であって;予め前記メモリー中に書き込まれたデジタルデータを、所定の周波数の交流電圧へD/A変換して、前記D/A変換器に接続された外部エネルギー印加手段に供給可能としたことを特徴とするシグナル発生/解析器が提供される。
前記構成を有する本発明の特性測定器ないし特性測定方法を用いた場合には、種々の物質・材料・システムを始めとする種々の試料の諸特性を簡便に測定することができる。
また、このような特性測定に際して、本発明のシグナル発生/解析器をも組み合わせて用いた場合には、より迅速な特性の測定が可能となる。
本発明において、例えば、熱的特性を測定する態様においては、例えば、断熱材の品質管理、建築材料、人体を含む生体材料、伝熱または断熱を目的に使われる材料の性能評価を製造現場でも簡便に測定することができる。
本発明における主な好ましい態様を例示すれば、以下の通りである。
(1)測定すべき試料(ないし検体)の、できるだけ平な部分を選択し、センサーとヒータ−の間に挟み込む。この際接触を良くするためにグリースなどを塗布しても良い。原則的にはヒータ−側に絶縁塗膜を施し、試料に圧着できる。取り付けたセンサー位置に到達した温度波の、位相変化と振幅減少を測定する。
(2)また、予めいくつかの熱物性が既知の物質を測定試料として、プローブを通過した温度波の振幅との間で較正曲線を求めておけば、未知試料の測定の迅速化が可能となり、しかも、試料のいくつかの場所でのいわゆる分布測定が極めて容易となる。
(3)温度センサー(プローブ)として、熱容量の小さい金属薄膜、半導体薄膜、サーミスターなどを抵抗温度センサーとして用いる態様。
(4)本発明に使用すべき装置が、測定すべき材料の表面に加熱によって温度変化を与え、挟み込んだ試料を経由して裏面に到達した温度波のシグナルを増幅し、ロックイン増幅またはフーリエ変換する装置を少なくとも含む態様。この態様によれば、例えば、測定対象を熱伝導率既知の材料として、振幅変化を求めておき、これと比較することで見かけの熱伝導率へ換算することができる。
(5)測定すべき試料の温度変化を直流的に測定するのではなく、ノイズ除去効果の高いロックイン法を適用する態様。このような態様においては、プローブの厚さや物質種類を選択することで、幅広く周波数を選択でき、対象試料の厚さ深さを規定することができる。すなわち、低周波では、より内部の熱伝導性が反映され、高周波では表面のみの熱伝導性が反映される。同時に高性能な厚み計を組み込んで迅速に熱拡散率へ換算できる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
(特性測定用器具)
本発明の特性測定用器具は、少なくともその一部にエネルギー印加手段を有する第1の部材と、試料を保持するための第2の部材とを少なくとも有する。該第1および第2の部材の少なくとも一方は可動であり、これら第1の部材と第2の部材との間に、測定対象たる試料を保持することができる。第1および第2の部材の少なくとも一方には特性測定手段が配置されており、且つ、少なくとも特性の測定時には、該特性測定手段と前記エネルギー印加手段とが近接して配置されるように構成されている。第1および第2の部材の間に配置された試料に対して、前記エネルギー印加手段からのエネルギーが印加され、このエネルギー印加に対応して、該試料における特性変化を前記特性測定手段で測定することができる。
本発明の特性測定用器具は、少なくともその一部にエネルギー印加手段を有する第1の部材と、試料を保持するための第2の部材とを少なくとも有する。該第1および第2の部材の少なくとも一方は可動であり、これら第1の部材と第2の部材との間に、測定対象たる試料を保持することができる。第1および第2の部材の少なくとも一方には特性測定手段が配置されており、且つ、少なくとも特性の測定時には、該特性測定手段と前記エネルギー印加手段とが近接して配置されるように構成されている。第1および第2の部材の間に配置された試料に対して、前記エネルギー印加手段からのエネルギーが印加され、このエネルギー印加に対応して、該試料における特性変化を前記特性測定手段で測定することができる。
(特性測定用器具の一態様)
本発明の特性測定用器具の一態様を図8の模式断面図に示す。この図8の態様においては、試料測定時には、エネルギー印加手段(熱エネルギー印加手段たるヒータ−)と、特性測定手段(熱物性測定手段)とは、試料を挟んで「近接」するように配置されている。
本発明の特性測定用器具の一態様を図8の模式断面図に示す。この図8の態様においては、試料測定時には、エネルギー印加手段(熱エネルギー印加手段たるヒータ−)と、特性測定手段(熱物性測定手段)とは、試料を挟んで「近接」するように配置されている。
図8を参照して、この態様の特性測定用器具10は、ベース11(第1の部材)と、該ベース11の一端と回転可能に支持されているアーム12(第2の部材)とを含み、これらのベース11およびアーム12の間に、測定対象たる試料13を挟持することが可能とされている。アーム12の先端部にはヒータ−14が配置され、ベース11の該ヒータ−14と対向する位置には、センサー15(特性測定手段)が配置されている。このような特性測定用器具10により、試料13の熱的特性が測定可能とされている。
図8においては、アーム12に、更に鉄心16が配置され、この鉄心16と、これに対向するベース11側の差動トランス17とにより、鉄心16の差動トランス17への進入の程度(試料13の厚さに対応する)が測定可能とされている。
(データ処理の一態様)
センサー15および差動トランス17からの出力は、ベース11内に配置された2チャンネルプリアンプ18によって増幅され、該プリアンプ18からの出力は、A/Dコンバータ19を介して、CPU20に入力される。他方、ヒータ−14への入力は、CPU20からD/Aコンバータ21を介して、該ヒーター14に入力される。CPU20からの出力は液晶パネル22で表示され、また外部パーソナルコンピューター23でデータ解析される。
センサー15および差動トランス17からの出力は、ベース11内に配置された2チャンネルプリアンプ18によって増幅され、該プリアンプ18からの出力は、A/Dコンバータ19を介して、CPU20に入力される。他方、ヒータ−14への入力は、CPU20からD/Aコンバータ21を介して、該ヒーター14に入力される。CPU20からの出力は液晶パネル22で表示され、また外部パーソナルコンピューター23でデータ解析される。
図8(b)は、ヒータ−14およびセンサー15の詳細を示す模式断面図である。これらの素子は、いずれも、基板上に薄膜抵抗またはサーミスターを配置してなる。この図8の態様においては、必要に応じて、ヒーター14を、極小のボール(図示せず)上に載せ、被測定試料を、センサー15の測定面と平行に挟めるようにしてもよい。このような態様においては、測定精度を更に高めることができる。
図8の態様においては、トランスコイル17内の変位を検出することにより、試料13の熱特性と同時に、該試料の厚さをも測定することができる。この場合には、試料13のゼロ厚み(試料無しの状態)を、予めキャリブレーションすることが好ましい。
図9は、図8に対応する特性測定器の模式斜視図である。この図9の態様においては、レバー30により、ベース11とアーム12との間に挟まれた試料への加圧が可能とされている。この加圧は、別に設けたモーター(図示せず)によって行うことも可能である。
上記した図8の態様においては、後述するようなシグナル発生/解析器を組み合わせることにより、演算スピードを更に向上させることができる。
(測定方法の一態様)
図8の態様においては、1つの試料に対して、熱印加条件をある範囲内で試行錯誤して、最適な熱印加条件を決めることができる。この場合には、例えば、測定データは、(キャリブレーション・カーブとともに)リアルタイムで、液晶パネル22または(例えば、必要に応じてCPU20に接続する)ノート型のパーソナル・コンピューター(図示せず)上に表示させ、最適な熱印加条件(グラフが線形になる条件)例えば、印加温度波の周波数の平方根とセンサー15によって測定される位相の関係が直線になる条件をチェックすることができる。該パーソナル・コンピューターにおける演算により、自動的に、熱拡散率α(および熱伝導率λ)を計算することができる。
図8の態様においては、1つの試料に対して、熱印加条件をある範囲内で試行錯誤して、最適な熱印加条件を決めることができる。この場合には、例えば、測定データは、(キャリブレーション・カーブとともに)リアルタイムで、液晶パネル22または(例えば、必要に応じてCPU20に接続する)ノート型のパーソナル・コンピューター(図示せず)上に表示させ、最適な熱印加条件(グラフが線形になる条件)例えば、印加温度波の周波数の平方根とセンサー15によって測定される位相の関係が直線になる条件をチェックすることができる。該パーソナル・コンピューターにおける演算により、自動的に、熱拡散率α(および熱伝導率λ)を計算することができる。
図8の態様においては、必要に応じて、異なる測定について、液晶パネル22における表示色を変化させることができる。なお、本発明の特性測定器具は、後述するように、熱物性以外(例えば、粘度)、弾性率、誘電率、導電率、湿度にも、広く使用可能である。
(測定可能な特性)
本発明の測定用器具を用いた場合には、以下の特性が測定可能である。
(1)物理的特性
(i)力学的特性、例えば粘度、動的弾性率
(ii)熱的特性、例えば、熱拡散率、熱伝導率、熱抵抗率
(iii)電気的特性、例えば誘電率、導電率
(2)その他の特性
例えば、湿度
本発明の測定用器具を用いた場合には、以下の特性が測定可能である。
(1)物理的特性
(i)力学的特性、例えば粘度、動的弾性率
(ii)熱的特性、例えば、熱拡散率、熱伝導率、熱抵抗率
(iii)電気的特性、例えば誘電率、導電率
(2)その他の特性
例えば、湿度
(エネルギー印加手段)
本発明においては、該手段からのエネルギー印加に基づき、試料の有用な特性が測定可能である限り、エネルギー印加手段の種類、メカニズム、形状、サイズ等は特に制限されず、公知のエネルギー印加手段から適宜選択して使用することができる。このようなエネルギー印加手段としては、例えば、以下に列挙するものが使用可能である。
本発明においては、該手段からのエネルギー印加に基づき、試料の有用な特性が測定可能である限り、エネルギー印加手段の種類、メカニズム、形状、サイズ等は特に制限されず、公知のエネルギー印加手段から適宜選択して使用することができる。このようなエネルギー印加手段としては、例えば、以下に列挙するものが使用可能である。
薄膜抵抗へのa.cジュール加熱、フラッシュ照射、変調レーザー照射、チップ抵抗のジュール発熱等がある。
(特性測定手段)
本発明においては、前記エネルギー印加手段からのエネルギー印加に対応した、試料の有用な特性が測定可能である限り、特性測定手段の種類、メカニズム、形状、サイズ等は特に制限されず、公知の特性測定手段から適宜選択して使用することができる。このような特性測定手段としては、例えば、以下に列挙するものが使用可能である。
本発明においては、前記エネルギー印加手段からのエネルギー印加に対応した、試料の有用な特性が測定可能である限り、特性測定手段の種類、メカニズム、形状、サイズ等は特に制限されず、公知の特性測定手段から適宜選択して使用することができる。このような特性測定手段としては、例えば、以下に列挙するものが使用可能である。
薄膜抵抗、チップ抵抗、サーミスタ、熱電対、測温抵抗体、歪ゲージ、ペルチェ素子、赤外検知素子等がある。
(好適なエネルギー印加手段−測定手段の組合せ)
本発明においては、以下に示すような各種の特性測定に関連して、下記のエネルギー印加手段−特性測定手段の組合せが好適に使用可能である。
本発明においては、以下に示すような各種の特性測定に関連して、下記のエネルギー印加手段−特性測定手段の組合せが好適に使用可能である。
<測定すべき特性> <エネルギー印加手段> <特性測定手段>
熱的物性 ヒータ− 温度センサー
粘度 ソレノイド振動板 加速度計、歪ゲージ等
誘電率、導電率 金属電極 金属電極
動的弾性率 ソレノイド振動板 歪ゲージ
熱的物性 ヒータ− 温度センサー
粘度 ソレノイド振動板 加速度計、歪ゲージ等
誘電率、導電率 金属電極 金属電極
動的弾性率 ソレノイド振動板 歪ゲージ
(第1および第2の部材)
本発明において、特性測定用器具を構成する第1および第2の部材は、これらの間に、測定対象たる試料を(少なくとも、特性の測定に必要な時間の間)保持することが可能である限り、該第1および第2の部材の形状、材質、サイズ等は特に制限されない。
本発明において、特性測定用器具を構成する第1および第2の部材は、これらの間に、測定対象たる試料を(少なくとも、特性の測定に必要な時間の間)保持することが可能である限り、該第1および第2の部材の形状、材質、サイズ等は特に制限されない。
第1および第2の部材の少なくとも一方は可動とされる。このような可動の態様(例えば、回転移動、平行移動)、メカニズム(例えば、手動、モーター利用)等も、上記試料保持が可能である限り、特に制限されない。ただし、本発明においては、少なくとも特性の測定時には、該特性測定手段と前記エネルギー印加手段とが近接して配置され、且つ、該第1および第2の部材の間に配置された試料に対して、前記エネルギー印加手段からのエネルギー印加に対応して、該試料における特性変化を前記特性測定手段で測定可能であることが必要である。
簡便且つ携帯容易とする点からは、本発明の特性測定器具は、図8および図9に示すようなステープラー(いわゆるホッチキス)型とすることが好ましい。
(試料との位置関係)
本発明においては、少なくとも特性の測定時には、前記特性測定手段が、該試料に対して、接触ないし近接して配置される。「接触」に際しては、試料が適宜加圧されるようにしても良い。また、特性測定手段の試料に対する「近接」の程度は、所望の特性が測定可能である限り、特に制限されない。
本発明においては、少なくとも特性の測定時には、前記特性測定手段が、該試料に対して、接触ないし近接して配置される。「接触」に際しては、試料が適宜加圧されるようにしても良い。また、特性測定手段の試料に対する「近接」の程度は、所望の特性が測定可能である限り、特に制限されない。
(エネルギー印加手段−特性測定手段の位置関係)
本発明においては、エネルギー印加手段が第1の部材に配置されるが、特性測定手段は、該第1の部材に配置されていてもよく、また第2の部材に配置されていてもよい。更には、複数の特性測定手段を用いる場合、それらの一部が第1の部材に配置され、且つ、残りの特性測定手段が第2の部材に配置されていてもよい。
本発明においては、エネルギー印加手段が第1の部材に配置されるが、特性測定手段は、該第1の部材に配置されていてもよく、また第2の部材に配置されていてもよい。更には、複数の特性測定手段を用いる場合、それらの一部が第1の部材に配置され、且つ、残りの特性測定手段が第2の部材に配置されていてもよい。
本発明においては、少なくとも特性の測定時には、エネルギー印加手段と特性測定手段とが、互いに近接して配置される。この「近接」の程度は、所望の特性が測定可能である限り、特に制限されない。ただし、試料の微細領域を測定可能とする態様、ないしは特性測定器具を小型化する態様においては、この「近接」の程度は、以下のようなものが好ましい。
(1)特性測定手段が第2の部材に配置される態様
この態様においては、所望の特性測定時には、試料が、エネルギー印加手段と特性測定手段とにより挟持されることとなる。すなわち、この態様においては、エネルギー印加手段と特性測定手段の「近接」の程度は、該試料の厚み(ないしは所望の加圧時の厚み)に対応する。
この態様においては、所望の特性測定時には、試料が、エネルギー印加手段と特性測定手段とにより挟持されることとなる。すなわち、この態様においては、エネルギー印加手段と特性測定手段の「近接」の程度は、該試料の厚み(ないしは所望の加圧時の厚み)に対応する。
(2)特性測定手段が第1の部材に配置される態様
この態様においては、所望の特性測定時には、エネルギー印加手段および特性測定手段が、試料に対して、同一の側に配置されることとなる。すなわち、この態様においては、エネルギー印加手段と特性測定手段の「近接」の程度は、これらの手段の「中心」間の距離として、1cm以下、更には0.1〜10mm(特に、0.01〜0.5mm)であることが好ましい。
この態様においては、所望の特性測定時には、エネルギー印加手段および特性測定手段が、試料に対して、同一の側に配置されることとなる。すなわち、この態様においては、エネルギー印加手段と特性測定手段の「近接」の程度は、これらの手段の「中心」間の距離として、1cm以下、更には0.1〜10mm(特に、0.01〜0.5mm)であることが好ましい。
(シグナル発生/解析器)
本発明のシグナル発生/解析器は、CPUと、該CPUに接続されたメモリーと、前記CPUに接続されたD/A変換器と、前記CPUに接続されたA/D変換器とを少なくとも含む。このようなシグナル発生/解析器においては、例えば、予め前記メモリー中に書き込まれたデジタルデータを、所定の周波数の交流電圧へD/A変換して、前記D/A変換器に接続された外部エネルギー印加手段に供給し、前記A/D変換器に接続された外部センサー(例えば、図8に示したようなもの)からの出力をA/D変換して得たシグナルと、前記交流電圧と同じまたは2倍の周波数を有する正弦波および余弦波もしくは矩形波等の周期関数とそれぞれ乗ずることにより、該出力と同相成分と、90°成分とを演算可能となる。
本発明のシグナル発生/解析器は、CPUと、該CPUに接続されたメモリーと、前記CPUに接続されたD/A変換器と、前記CPUに接続されたA/D変換器とを少なくとも含む。このようなシグナル発生/解析器においては、例えば、予め前記メモリー中に書き込まれたデジタルデータを、所定の周波数の交流電圧へD/A変換して、前記D/A変換器に接続された外部エネルギー印加手段に供給し、前記A/D変換器に接続された外部センサー(例えば、図8に示したようなもの)からの出力をA/D変換して得たシグナルと、前記交流電圧と同じまたは2倍の周波数を有する正弦波および余弦波もしくは矩形波等の周期関数とそれぞれ乗ずることにより、該出力と同相成分と、90°成分とを演算可能となる。
本発明のシグナル発生/解析器を、上記した本発明の特性測定器具と組み合わせることにより、演算スピードを更に向上させることができる。すなわち、この場合、該シグナル発生/解析器において、サインカーブに対応する数値データをメモリー内に予め保持して、該数値データに対応するシグナルをD/A変換して、ヒーター14(例えば図8)に印加することができる。この場合、センサー15からの検出シグナルはA/D変換して、デジタル・データに変換して、CPUで比較することができる。この場合、CPUに接続されたゲートアレイを用いることで演算スピードを著しく速くすることができる。更に、この態様においては、サインカーブを発生さえる際に、コサインシグナルをも発生させることにより、演算スピードを更に向上させることができる。
(熱的測定の一態様における測定原理)
以下、本発明において好適に利用可能な熱的測定の測定原理および測定のための装置について詳細に説明する(このような熱的測定の測定原理等に関しては、例えば特許第2059841号を参照することができる)。
以下、本発明において好適に利用可能な熱的測定の測定原理および測定のための装置について詳細に説明する(このような熱的測定の測定原理等に関しては、例えば特許第2059841号を参照することができる)。
(熱伝導率・熱拡散率の定義)
図1に示すような面積A、板厚dの板状の試料において、試料の片面が温度T1、反対面が温度T2(T1>T2)の定常状態にあるとき、板厚方向の試料内部で一次元の熱伝導によってのみ熱量Qが流れる場合、この熱量Qは次式により表される。
図1に示すような面積A、板厚dの板状の試料において、試料の片面が温度T1、反対面が温度T2(T1>T2)の定常状態にあるとき、板厚方向の試料内部で一次元の熱伝導によってのみ熱量Qが流れる場合、この熱量Qは次式により表される。
このときの比例定数λが熱伝導率と定義される。
試料内の濃度が非定常のときを考えた場合、試料内の温度分布と温度の時間的変化の間は、試料の密度をp、定圧比熱をCpとすると、以下の熱拡散方程式で表される。
このときの比例定数αが熱拡散率として定義される。
熱拡散率αと熱伝導率λとは、次式に示す関係を有する。
(交流状熱的変化の際の測定理論)
本発明において、交流状熱的変化を試料に与える際の測定理論について説明する。
本発明において、交流状熱的変化を試料に与える際の測定理論について説明する。
すなわち、試料の非定常熱伝導について、厚み方向(x軸方向)のみの一次元で考えると、前述の熱拡散方程式(2)は次式のようになる。
上記の(4)式を、図2に示すように以下の条件で解く。
(i)測定すべき試料片方の面で試料温度が交流状に変化する。
X=0、T=T0・cos(ωt)
(ii)温度波は無限に拡散する。
(iii)測定すべき試料が、下記式に示すように、熱的に厚い。
このとき、その解は次式により表される。
ここでωは変調周波数の角速度であり、変調周波数をfとすると、ω=2・π・fで表される。(5)式において、expの項が距離xにおける温度増幅で、cosの項がxにおける位相になる。したがって、試料の厚みdにおける温度の時間による変化は、次式により表される。
ここで温度の位相差にのみ着目すると、位相差Δθはx=0の面とx=dの面での位相の差分なので、
となり、ω=2・πfから、
と表される。図3(a)および(b)に、データの模式図を示す。
上記(8)式より、厚みdが既知の試料について、一方の面を変調周波数fを変化させて交流状に加熱し、そのときの裏面における温度変化の位相遅れΔθを測定することによって、熱拡散率αを求めることができる。このように、交流状の温度変化を試料に与える測定においては、試料の加熱面と裏面における温度変化の位相差により熱拡散率を求めるため、温度の絶対値による誤差がほとんど問題とならず、高精度な測定が可能である。
(熱拡散長)
前述した「熱的に厚い」という条件における
前述した「熱的に厚い」という条件における
は長さの次元をもつことより、熱拡散長とよばれ、本測定法において重要なパラメーターの一つである。試料の厚みdと熱拡散長μの関係は、図4(a)および(b)に示すように、
d>μ: 熱的に厚い
d<μ: 熱的に薄い
と定義される。熱拡散長は温度変化の波長であるため、それが試料の厚みより大きい、すなわち熱的に薄い場合、試料全体が同じ周期で温度変動を起こしてしまう。この場合、試料表面と裏面における温度変動の位相差は0に近づき、熱拡散率は(8)式からは求められなくなる。したがって、(8)式が成立するために必要な「熱的に厚い」という条件は、最低1波長分以上の温度波が、試料内に存在する必要があるということを意味する。
と定義される。熱拡散長は温度変化の波長であるため、それが試料の厚みより大きい、すなわち熱的に薄い場合、試料全体が同じ周期で温度変動を起こしてしまう。この場合、試料表面と裏面における温度変動の位相差は0に近づき、熱拡散率は(8)式からは求められなくなる。したがって、(8)式が成立するために必要な「熱的に厚い」という条件は、最低1波長分以上の温度波が、試料内に存在する必要があるということを意味する。
(試料表面の加熱方法)
本発明において、試料表面に熱源を設ける好ましい一態様について、説明する。
本発明において、試料表面に熱源を設ける好ましい一態様について、説明する。
このような態様においては、試料に金(Au)等の金属をスパッタリングして金属薄膜を作成し、それを交流ヒータ−として利用することが好ましい。このような交流ヒータ−には、例えば、ファンクション・シンセサイザーにより変調した交流電流が通電され、そのときのジュール熱によって試料に交流状の温度波を発生させる。ジュール熱は電流の正負を問わず、そのピーク値において最大となるため、このときの温度変化の周期は、(10)式に示すように交流電流の2倍となる。
ここで、Vは電圧、Iは電流、Pは発熱量である。したがって、実際に加熱する周波数は、通電する変調周波数の2倍となる。この方法によると、交流ヒータ−の熱容量が、プローブならびに測定試料に比べて無視できるほど小さく応答がはやく交流に追随できる。
試料の裏面における温度変化の測定方法は、温度波による薄膜抵抗の抵抗変化、サーミスタの抵抗変化等による。
温度センサーの回路には、ブリッジ回路とプリアンプが組み込んであり、プローブ抵抗の交流成分のみを電圧の変化として取り出せる。このシグナルはAD変換されて、後段のコンピューター処理を可能とする。
温度波の振幅は、スパッタリングの条件、温度センサーの抵抗値の温度依存性、通電量などに依存するが、予めブランク測定ならびに標準物質で測定することで装置定数として、差し引くことができる。
(基本システム構成)
本発明の測定方法に好適に使用可能な基本的なシステム構成(本発明の測定装置)の一例を図10のブロック図に示す。図10のポートa〜gには、ぞれぞれ図11のブロック図に示すような回路が接続されている。
このシステムは、試料を交流で加熱するためのDA変換機能と増幅機能を持った熱源、試料の裏面の温度変化を検知するためのバイアス回路、抵抗変化を電圧に変換するためのブリッジ回路と、プリアンプ、ADコンバーター、試料裏面における温度変化の特定の周波数成分を抽出するためのフーリエ機能を持ったソフトウエア、計算するためのIC、関数を発生させるCPU、試料を圧着またはさむための試料ホルダー、試料厚さ計測システム、表示素子からなる。必要に応じてUSBなどを介してパーソナル・コンピューターに接続可能となっている。
(回路構成)
図12に、本発明において好適に使用可能な回路図の一例を示す。図13〜16の回路図は、図12の回路図の各部分を拡大して示したものである。図11〜16の回路に使用可能な回路・部品・素子の一例を、下記の表1〜6に示す。例えば、下記のa〜iは図11に対応する。
a 基本となる正弦波または矩形波波形の出力用波高データの表、および波形の正負に関するデータ、位相を90°ずらした出力用波高データ 約20万ポイント
b 表aからの波形データ読み込み間隔の指定、周波数制御
c 表aから読み込んだ波形データに乗ずる数値の指定、波形振幅制御
d A/Dコンバータを経由して取り込んだセンサー信号と、波形メモリの2倍の周波数のサイン成分波形データ(D/A出力の正負により、反転非反転の後)の積和を行う。100ms間隔で10000回毎の積算を0.1s行い、サインの基本積算値とする。
e A/Dコンバータを経由して取り込んだセンサー信号と、波形メモリの1倍あるいは2倍の周波数のコサイン成分波形データ(D/A出力の正負により、反転非反転の後)の積和を行う。100ms間隔で10000回毎の積算を0.1s行い、コサインの基本積算値とする。
f 厚み測定部より得られた試料厚さデータのA/D変換値
g 基本積算値を得るための積分時間(積分回数)を与える。通常は0.1秒もしくは1波ぶんの長い方とする。
h 測定部 ヒーター出力(アナログ値)
i 測定部 センサー信号(アナログ値)
図12に、本発明において好適に使用可能な回路図の一例を示す。図13〜16の回路図は、図12の回路図の各部分を拡大して示したものである。図11〜16の回路に使用可能な回路・部品・素子の一例を、下記の表1〜6に示す。例えば、下記のa〜iは図11に対応する。
a 基本となる正弦波または矩形波波形の出力用波高データの表、および波形の正負に関するデータ、位相を90°ずらした出力用波高データ 約20万ポイント
b 表aからの波形データ読み込み間隔の指定、周波数制御
c 表aから読み込んだ波形データに乗ずる数値の指定、波形振幅制御
d A/Dコンバータを経由して取り込んだセンサー信号と、波形メモリの2倍の周波数のサイン成分波形データ(D/A出力の正負により、反転非反転の後)の積和を行う。100ms間隔で10000回毎の積算を0.1s行い、サインの基本積算値とする。
e A/Dコンバータを経由して取り込んだセンサー信号と、波形メモリの1倍あるいは2倍の周波数のコサイン成分波形データ(D/A出力の正負により、反転非反転の後)の積和を行う。100ms間隔で10000回毎の積算を0.1s行い、コサインの基本積算値とする。
f 厚み測定部より得られた試料厚さデータのA/D変換値
g 基本積算値を得るための積分時間(積分回数)を与える。通常は0.1秒もしくは1波ぶんの長い方とする。
h 測定部 ヒーター出力(アナログ値)
i 測定部 センサー信号(アナログ値)
(測定条件の例)
本発明のシステム構成(例えば、図8に示すもの)において、好適に使用可能な条件の例は、以下の通りである。
本発明のシステム構成(例えば、図8に示すもの)において、好適に使用可能な条件の例は、以下の通りである。
(i)試料サイズ:1mm角以上で制限なし
(ii)試料厚み:1μm〜10mm
(ii)試料厚み:1μm〜10mm
本発明の熱的を測定する態様において、交流熱源に好適に使用可能な導電性物質は、電流を流すことでジュ−ル熱により発熱するものである限り、特に制限されない。このような導電性物質の例としては、例えば、金、銀、白金、銅、鉄、亜鉛、アンチモン、イリジウム、クロメル、コンスタンタン、ニクロム、アルミニウム、クローム、ニッケル、カ−ボン、サーミスター、熱電対等が挙げられる。
(試料)
その特性(例えば熱的特性)の測定が有用な試料である限り、特に制限されない。このような試料の例として、例えば、高分子化合物、ゴム、有機色素、鉱石、ガラス、セラミックス、金属板、水溶液、グリース、油、気体、植物細胞、動物細胞、更には、各種工業製品、断熱紙、発泡高分子材料、高度に分子配向した高分子フィルム、多層フィルム、スピンコートした薄膜、キャスト膜、蒸着膜、布地、複合材料更には紙幣、テレホンカード、植物の葉等を挙げることができる。
その特性(例えば熱的特性)の測定が有用な試料である限り、特に制限されない。このような試料の例として、例えば、高分子化合物、ゴム、有機色素、鉱石、ガラス、セラミックス、金属板、水溶液、グリース、油、気体、植物細胞、動物細胞、更には、各種工業製品、断熱紙、発泡高分子材料、高度に分子配向した高分子フィルム、多層フィルム、スピンコートした薄膜、キャスト膜、蒸着膜、布地、複合材料更には紙幣、テレホンカード、植物の葉等を挙げることができる。
本発明の熱的測定の態様において好適な被測定試料としては、その熱的特性の測定が有用な領域である限り大きさは問わないが、温度センサー(温度プローブ)と同程度の平坦部分を有することが望ましい。金属板など導電性の物質あるいは液体状の物質であってもプローブ先端に薄い絶縁膜を取り付けることで測定が可能である。
測定領域は使用する温度プローブのサイズ等に依存するが、測定される領域のサイズは、通常、5mm×5mm程度、更には1mm×1mm程度であることが好ましい。測定が可能ならば、温度プローブサイズに制限はない。
本発明において、測定すべき試料の少なくとも一部に与えるべき温度変化の大きさ、波形には、特に制限されない。すなわち、入力振幅は試料にダメージを与えない程度であれば良く、また波形も、正弦波のほかに、該試料に少なくとも経時的変化として与えることができればよい。
(データ処理手段の一例)
装置内にシグナル増幅、演算装置が内蔵され、プローブ上のセンサーで受けたシグナルをブリッジ回路で受け、AD変換した後、ディジタル的にフーリエ変換またはロックイン増幅が可能であることが望ましい。解析によって、シグナルの増幅、ノイズ除去、表面との位相遅れおよび振幅の減衰、並びに与えた温度波の周波数との関連を知る必要がある。
装置内にシグナル増幅、演算装置が内蔵され、プローブ上のセンサーで受けたシグナルをブリッジ回路で受け、AD変換した後、ディジタル的にフーリエ変換またはロックイン増幅が可能であることが望ましい。解析によって、シグナルの増幅、ノイズ除去、表面との位相遅れおよび振幅の減衰、並びに与えた温度波の周波数との関連を知る必要がある。
(測定方法の一態様)
本発明において使用可能な測定方法(アルゴリズム)の例を、図17のフローチャートに示す。図17において、a〜hで示した部分は、図10および11に示したa〜hの回路に対応する動作である。
本発明において使用可能な測定方法(アルゴリズム)の例を、図17のフローチャートに示す。図17において、a〜hで示した部分は、図10および11に示したa〜hの回路に対応する動作である。
図17における傾きおよび切片の計算の詳細な一例を、図18〜20に示す。図21〜24は、実際の測定の各段階における表示の一例である。
(装置構成の詳細)
図8の詳細は構成例を、以下に述べる。
(1)ヒータ−部14
アーム先端がセンサー部で、試料を挟んだ時のがたを防ぐため、一定加重が加えられたとき、センサー面と平行性を確保する方式をとっている。温度波の変化幅は約10℃以下、好ましくは1℃以下、さらには0.5℃以下であることが望ましい。
図8の詳細は構成例を、以下に述べる。
(1)ヒータ−部14
アーム先端がセンサー部で、試料を挟んだ時のがたを防ぐため、一定加重が加えられたとき、センサー面と平行性を確保する方式をとっている。温度波の変化幅は約10℃以下、好ましくは1℃以下、さらには0.5℃以下であることが望ましい。
(2)温度波センサー15
ヒータ−の対極にほぼ同じ1mm角の大きさでセンサーが装着されている。試料中を拡散してきた温度波は著しく減衰し、そのため高感度な温度センサーが必要となる。本装置では、ニッケルをスパッタリングした薄膜抵抗センサーまたはサーミスターを使用することが望ましい。表面は電極の絶縁を取るためと保護のため特殊な樹脂コートを施す。
ヒータ−の対極にほぼ同じ1mm角の大きさでセンサーが装着されている。試料中を拡散してきた温度波は著しく減衰し、そのため高感度な温度センサーが必要となる。本装置では、ニッケルをスパッタリングした薄膜抵抗センサーまたはサーミスターを使用することが望ましい。表面は電極の絶縁を取るためと保護のため特殊な樹脂コートを施す。
(3)試料の接触 圧力印加
熱拡散率・熱伝導率の測定においては、試料とセンサーの界面熱接触を考慮することが好ましい。この図8のシステムは、試料と電極の接触を確保するため、接触面積を小さくし、また適度な圧力をアームの荷重によってかける方法を採用している。表面に柔らかな特殊樹脂をコートし、固い試料の場合にも密着性の向上を図ることができる。絶縁膜分の寄与は、厳重なチェック(例えば、図18〜図20に基づく)で差し引くことができる。
熱拡散率・熱伝導率の測定においては、試料とセンサーの界面熱接触を考慮することが好ましい。この図8のシステムは、試料と電極の接触を確保するため、接触面積を小さくし、また適度な圧力をアームの荷重によってかける方法を採用している。表面に柔らかな特殊樹脂をコートし、固い試料の場合にも密着性の向上を図ることができる。絶縁膜分の寄与は、厳重なチェック(例えば、図18〜図20に基づく)で差し引くことができる。
(解析装置の一態様)
このような解析装置は、図10および図11に示すように、周波数アンプ部と解析ソフト部からなる。このような解析装置は、波形プロセッサーや計算させるCPUにField Programmable Gate Array(Xilinxなど)など中心に置き、主メモリ、外部への交流出力回路DAコンバータ、シグナル入力回路ADコンバータ、厚み計解析回路を有する。
このような解析装置は、図10および図11に示すように、周波数アンプ部と解析ソフト部からなる。このような解析装置は、波形プロセッサーや計算させるCPUにField Programmable Gate Array(Xilinxなど)など中心に置き、主メモリ、外部への交流出力回路DAコンバータ、シグナル入力回路ADコンバータ、厚み計解析回路を有する。
この解析装置は、外部のパーソナル・コンピューターとのUSBなどのインターフェースを介して接続可能であり、取り込んで制御ならびに取り込んだデータをセーブできる。
ブロックダイアグラムを図10および図11に示す。メモリーに基本となる正弦波形および90°遅れた余弦波を予め表データとして書き込んでおく。ついでこのシグナルを、出力の振幅制御レジスタからのシグナルを受け、一定の周波数と振幅を持った連続的なディジタルシグナル波形を発生させる。これはD/Aコンバーターとアナログアンプを通じて、交流発熱用の試料部へ向けた出力とする。
試料部から戻ってきた温度センサーからのデータをプリアンプで整えたのち、A/D変換した後、波形メモリーからの内部出力と比較する。温度変化はヒータ−の周波数の2倍になるので、ヒータ−への出力の2倍の周波数の正弦波、余弦波をそれぞれ一定時間掛け合わせて積算し、時間平均を取る操作で行う。
すなわち発生した温度波(入力側、ヒータ−面)を基準として裏面、センサー側でのシグナルは、強度 位相遅れΔθ=tan−1(sin/cos)、振幅Aはsin成分およびcos成分の二乗平均で決定される。
(周波数アンプ装置部分の一態様)
この周波数アンプ装置部分は、コントロール部と試料部からなり、例えば、CPU+波形プロセッサ(FPGAで構成)+メモリ+A/D、D/Aを含む。
この周波数アンプ装置部分は、コントロール部と試料部からなり、例えば、CPU+波形プロセッサ(FPGAで構成)+メモリ+A/D、D/Aを含む。
CPUは電源投入時の波形合成とスイッチ読み取り、液晶表示、RS232Cの通信を担当する。波形出力、積和演算は、波形プロセッサが担当する。
動作時には、CPUが任意波形を合成しフラッシュメモリ等に書き込む。その後、メモリはCPUから切り離され、波形プロセッサ(Field Programmable Gate Array FPGA:Xlilinx社のspartan2 XC2S100など)と接続される。
メモリには、例えば、波高値の他、波形の正負を示すビット(cos_bit)と、その位相を90度ずらしたビット(sin_bit)も書き込んでおく。波形プロセッサは100k回/秒の速度で、メモリから波高値データを読み取り、D/Aコンバータに送る。
一方、波形プロセッサは、例えば、100k回/秒でA/Dコンバータ経由でセンサーシグナルを取り込む。D/A出力のsin_bitが正ならばそのまま、負ならば取り込んだシグナルを反転してサイン成分積算値に加算する。同様にcos_bitを使ってコサイン成分積算値に加算する。
サイン、コサイン成分の積算回数10000回毎(100ms間隔)にCPUに対して割り込みをかける。CPUはこれを更に適当な回数積算し、サイン、コサインそれぞれの基本積算値とする。この基本積算値を更に測定周波数の1波分の時間だけ積算した値から位相差を求める。この場合、基本積算値を0.1秒間隔とするのは、50Hz、60Hzのいずれでも整数倍の波が入るようにすることで、電源ハムの影響を減らすためである。従って、この場合の測定に必要な最小時間は、測定周期の1波分または0.1秒の長い方である。
メモリには、例えば2秒分(20万ポイント)の出力用波高データを格納できる。通常は2秒で1周期となる正弦波のデータを入れておけばよい(波形は、プログラム次第である)。
測定周波数を変える際は、メモリからの読み出し間隔を適度変更することにより行うことができる。
(試料測定の一態様)
図8のシステムを用いた測定方法の一態様について、以下に説明する。
まず試料13を図8の所定の位置(ヒーター14とセンサー15との間)に挿入し、上記したものと同様な測定を行う。まず、試料13の厚みを、鉄心16とトランス17とで測定する。この測定のアルゴリズムにおいては、例えば、標準ポリマーの物性値と測定条件(別の物質へも特化できる)をメモリーに記憶しておき、測定された厚さをもとに、初期の印可周波数と電圧を決めることができる。
図8のシステムを用いた測定方法の一態様について、以下に説明する。
まず試料13を図8の所定の位置(ヒーター14とセンサー15との間)に挿入し、上記したものと同様な測定を行う。まず、試料13の厚みを、鉄心16とトランス17とで測定する。この測定のアルゴリズムにおいては、例えば、標準ポリマーの物性値と測定条件(別の物質へも特化できる)をメモリーに記憶しておき、測定された厚さをもとに、初期の印可周波数と電圧を決めることができる。
この前後を周波数スキャンし、もしシグナル強度が標準試料と較べて過不足すれば、交流温度波の振幅を標準との差に応じて増減させ、再度周波数スキャンをさせる。3点以上の測定で相関係数を計算し、直線から大幅にずれる場合は、再度測定する周波数帯を大きく変化させて再度測定する。
上記の周波数スキャンで得た直線から、ブランク分を差し引く。ついでこの値の二つの位相点(例えば、180°と270°)を決めておき、これらの値となる周波数を求め、ここから直線の傾きを計算し熱拡散率を算定し、振幅から熱伝導率を算定する。
(熱拡散率・熱伝導率換算プログラムの一態様)
振幅変化は熱伝導率・熱拡散率既知の標準物質での減衰と比較することで、熱伝導率へ換算することができる。この場合、例えば、標準試料のデータ、基盤の熱データ、装置の補正係数、および測定解析プログラムを主メモリーへ書き込むことができる。これらの値と、取り込まれた値で、熱拡散率、ついで熱伝導率が計算される。
振幅変化は熱伝導率・熱拡散率既知の標準物質での減衰と比較することで、熱伝導率へ換算することができる。この場合、例えば、標準試料のデータ、基盤の熱データ、装置の補正係数、および測定解析プログラムを主メモリーへ書き込むことができる。これらの値と、取り込まれた値で、熱拡散率、ついで熱伝導率が計算される。
(コンピューターとの接続)
上記した本発明の特性測定器具を、小型軽量で、現場測定型装置で、熱拡散率・熱伝導率を測定する目的で、解析ロックインシステムとして単独で使用することができる。すなわち、発熱用のファンクションジェネレーター機能、与えた周波数と同一周波数で増幅できるロックインアンプ機能、厚み計測機能、印加圧力制御機能等を有し、それらの値を求めつつ、試料の厚さや熱伝導性を考慮しながら、熱拡散率・熱伝導率へ換算するプログラムを内蔵し、結果を表示または外部パーソナルコンピューターへ搬送できる装置とすることができる。
上記した本発明の特性測定器具を、小型軽量で、現場測定型装置で、熱拡散率・熱伝導率を測定する目的で、解析ロックインシステムとして単独で使用することができる。すなわち、発熱用のファンクションジェネレーター機能、与えた周波数と同一周波数で増幅できるロックインアンプ機能、厚み計測機能、印加圧力制御機能等を有し、それらの値を求めつつ、試料の厚さや熱伝導性を考慮しながら、熱拡散率・熱伝導率へ換算するプログラムを内蔵し、結果を表示または外部パーソナルコンピューターへ搬送できる装置とすることができる。
(1)通常モード:測定の状態、測定周波数、計算された位相、振幅をテキスト形式として送出する。これは、表示部へ送られると同時に、ほかのパーソナルコンピューターへ転送できる。
(2)スレーブモード:232C経由で所定の命令を受けるとスレーブモードになる。リモート操作の他、周波数の指定、波形選択等が可能である(プログラム次第である)。接続先にWindows用プログラムを用意すれば、そのソフトでも駆動、解析が可能である。
(厚み測定の一態様)
上記とは別のCPUに接続の16bit A/Dを、厚み計からのシグナル入力用に用意し、逐次厚み測定を行うこともできる。厚みセンサーは差動トランス、歪みゲージ、誘電率測定素子などが使用可能であるが、厚みへの換算、補正値などは、フラッシュメモリーへ書き込んでおき、適宜呼び出して用いることができる。また厚さへの換算係数が変化した場合は、CPU経由で書き換えることができる。データ取込み速度は1000回試料/秒程度とすることができるが、例えば、電源ハム避けに1秒以上の時定数を入れてある場合には、高速シグナルを取ることは難しい。
上記とは別のCPUに接続の16bit A/Dを、厚み計からのシグナル入力用に用意し、逐次厚み測定を行うこともできる。厚みセンサーは差動トランス、歪みゲージ、誘電率測定素子などが使用可能であるが、厚みへの換算、補正値などは、フラッシュメモリーへ書き込んでおき、適宜呼び出して用いることができる。また厚さへの換算係数が変化した場合は、CPU経由で書き換えることができる。データ取込み速度は1000回試料/秒程度とすることができるが、例えば、電源ハム避けに1秒以上の時定数を入れてある場合には、高速シグナルを取ることは難しい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
図8〜9に示す装置を用いて、下記の条件でホウケイ酸ガラス(Matsunami Micro Cover Glass)の熱的特性を測定した。
図8〜9に示す装置を用いて、下記の条件でホウケイ酸ガラス(Matsunami Micro Cover Glass)の熱的特性を測定した。
周波数:22〜100Hz、ヒータ−入力:2V、1Hzステップ、ヒータ−抵抗:50Ω、センサー抵抗:2kΩ、積分時間1秒にて、位相および振幅を測定した(n=100)。
熱拡散率:3.22×10−7m2/s
標準偏差:0.0736×10−7
標準誤差:0.0074
厚さ:145.3μm
標準偏差:0.2637
標準誤差:0.0263
実測データを図25のグラフに示す。
標準偏差:0.0736×10−7
標準誤差:0.0074
厚さ:145.3μm
標準偏差:0.2637
標準誤差:0.0263
実測データを図25のグラフに示す。
実施例2
図8〜9に示す装置を用いて、下記の条件でPMMAフィルム(住友化学、テクノロイ#125)の熱的特性を測定した。
図8〜9に示す装置を用いて、下記の条件でPMMAフィルム(住友化学、テクノロイ#125)の熱的特性を測定した。
周波数:20〜48Hz、ヒータ−入力:2V、0.5Hzステップで周波数スキャン、ヒータ−抵抗:50Ω、センサー抵抗:2kΩ、積分時間1秒にて、位相および振幅を測定した(n=20)。
熱拡散率:0.911×10−7m2/s
標準偏差:0.0308
標準誤差:0.00672
厚さ:121.3μm
標準偏差:0.413
標準誤差:0.0902
実測データを図26のグラフに示す。
標準偏差:0.0308
標準誤差:0.00672
厚さ:121.3μm
標準偏差:0.413
標準誤差:0.0902
実測データを図26のグラフに示す。
実施例3
図8〜9に示す装置を用いて、下記の条件でポリイミドフィルム(東レ、kapton 100H)の熱的特性を測定した。
図8〜9に示す装置を用いて、下記の条件でポリイミドフィルム(東レ、kapton 100H)の熱的特性を測定した。
周波数:20〜48Hz、ヒータ−入力:2V、0.5Hzステップで周波数スキャン、ヒータ−抵抗:50Ω、センサー抵抗:2kΩ、積分時間1秒にて、位相および振幅を測定した(n=20)。
熱拡散率:1.02×10−7m2/s
標準偏差:0.0496
標準誤差:0.01109
厚さ:123.6μm
標準偏差:
標準誤差:
実測データを図27のグラフに示す。
標準偏差:0.0496
標準誤差:0.01109
厚さ:123.6μm
標準偏差:
標準誤差:
実測データを図27のグラフに示す。
実施例4
図8〜9に示す装置を用いて、下記の条件でPETフィルム(東レ、ルミラー S10)の熱的特性を測定した。
図8〜9に示す装置を用いて、下記の条件でPETフィルム(東レ、ルミラー S10)の熱的特性を測定した。
周波数:20〜48Hz、ヒータ−入力:2V、0.5Hzステップで周波数スキャン、ヒータ−抵抗:50Ω、センサー抵抗:2kΩ、積分時間1秒にて、位相および振幅を測定した(n=20)。
熱拡散率:0.919×10−7m2/s
標準偏差:0.0456
標準誤差:0.00995
厚さ:123.7μm
標準偏差:0.555
標準誤差:0.121
実測データを図28のグラフに示す。
標準偏差:0.0456
標準誤差:0.00995
厚さ:123.7μm
標準偏差:0.555
標準誤差:0.121
実測データを図28のグラフに示す。
実施例5
図29〜34のグラフおよび表7に、下記試料の測定例を示す。測定条件は、以下の通りである。
図29:東レ、kapton−1
図30:東レ、kapton−2
図31:カバーガラス
図32:PMMA
図33:東レ、Kapton−3
図34:東レ、Kapton−4
図29〜34のグラフおよび表7に、下記試料の測定例を示す。測定条件は、以下の通りである。
図29:東レ、kapton−1
図30:東レ、kapton−2
図31:カバーガラス
図32:PMMA
図33:東レ、Kapton−3
図34:東レ、Kapton−4
<測定条件>
表7:千円札、一万円札、1ドル札、カバーガラス1,2,3、JR定期券、パスネットカード、新星堂カード、名刺1,2,3,4、ビックカメラレシート感熱紙
図17等に示したアルゴリズム等によるオートモードによる測定
周波数範囲約10〜300Hz、交流印加電圧2−4Vpp
表7:千円札、一万円札、1ドル札、カバーガラス1,2,3、JR定期券、パスネットカード、新星堂カード、名刺1,2,3,4、ビックカメラレシート感熱紙
図17等に示したアルゴリズム等によるオートモードによる測定
周波数範囲約10〜300Hz、交流印加電圧2−4Vpp
10…特性測定用器具
11…ベース
12…アーム
13…試料
14…ヒーター
15…センサー
16…鉄心
17…差動トランス
11…ベース
12…アーム
13…試料
14…ヒーター
15…センサー
16…鉄心
17…差動トランス
Claims (21)
- 少なくともその一部にエネルギー印加手段を有する第1の部材と、
該第1の部材に対向して配置された第2の部材とを少なくとも有する特性測定用器具であって;
前記第1および第2の部材の間に、試料を保持可能なように、これら第1および第2の部材の少なくとも一方が可動であり、
前記第1および第2の部材の少なくとも一方に特性測定手段が配置され、少なくとも特性の測定時には、該特性測定手段と前記エネルギー印加手段とが近接して配置されるように構成され、且つ、
該第1および第2の部材の間に配置された試料に対して、前記エネルギー印加手段からのエネルギー印加に対応して、該試料における特性変化を前記特性測定手段で測定可能としたことを特徴とする特性測定用器具。 - 前記特性測定手段が、第2の部材の少なくとも一部に配置されている請求項1に記載の特性測定用器具。
- 前記特性測定手段が、第1の部材の少なくとも一部に配置されている請求項1または2に記載の特性測定用器具。
- 前記特性が物理的特性である請求項1〜3のいずれかに記載の特性測定用器具。
- 前記特性が熱的物性である請求項4に記載の特性測定用器具。
- 前記物理的特性が力学的物性である請求項4に記載の特性測定用器具。
- 前記エネルギー印加手段および特性測定手段の少なくとも一方が、前記試料に接触した状態で、前記特性が測定される請求項1〜6のいずれかに記載の特性測定用器具。
- 前記第1または第2の部材の少なくとも一方に、前記試料の厚さを測定するための厚さ測定手段が配置されている請求項1〜7のいずれかに記載の特性測定用器具。
- 前記エネルギー印加手段から試料に対して周期的なジュール発熱を与え、これにより該試料に発生した温度波を、前記特性測定手段により測定する請求項5に記載の特性測定器具。
- 前記第1および/又は第2の部材に変位計が配置され、試料の厚みを逐次にモニター可能とした請求項1〜9のいずれかに記載の特性測定器具。
- 前記第1および第2の部材間に配置された試料に印加すべき印可圧力を可変とした請求項1〜10のいずれかに記載の特性測定器具。
- 前記特性測定手段が、温度、湿度、圧力センサーから選ばれた2種類以上のセンサーを有し、前記エネルギー印加手段から試料に交流的にエネルギーを印加し、該交流的エネルギー印加に基づく複数の物性を測定可能とした請求項1〜11のいずれかに記載の特性測定器具。
- エネルギー印加手段から試料にエネルギーを印加し、
該試料に近接または接触して配置され、且つ前記エネルギー印加手段に近接して配置された特性測定手段により、該エネルギー印加に基づく特性変化を測定することを特徴とする特性測定方法。 - 前記エネルギーが熱エネルギーである請求項13に記載の特性測定方法。
- 前記特性の測定に際して、前記試料の厚さも測定する請求項13または14に記載の特性測定方法。
- 前記試料の厚さに対応する標準試料のデータに基づき、該試料測定時に、前記エネルギー印加時の周波数を決定する請求項15に記載の特性測定方法。
- 前記標準試料データとの比較に基づき、前記エネルギー印加時の周波数をスキャンする請求項16に記載の特性測定方法。
- 前記スキャンにより、前記エネルギー印加時の周波数の最適値を求める請求項17に記載の特性測定方法。
- CPUと、
該CPUに接続されたメモリーと、
前記CPUに接続されたD/A変換器と、
前記CPUに接続されたA/D変換器とを少なくとも含むシグナル発生/解析器であって;
予め前記メモリー中に、書き込まれた正弦波、余弦波、デューティ可変の矩形波、三角波等の周期的変化に対応した大容量のディジタルデータのテーブルを有し、このテーブルの読み出し間隔を変化させることで随意に周波数を可変とするアルゴリズムを有し、かつD/A出力の振幅を可変でき測定シグナルをフィードバックして出力強度を制御できるアルゴリズムを有する、シグナル発生/解析器。 - 前記A/D変換器に接続された外部センサーからの出力をA/D変換して得たシグナルと、前記印加交流電圧の周波数または2倍の周波数を有する正弦波とを乗ずることにより、該出力と同相成分を演算可能とした請求項19に記載のシグナル発生/解析器。
- 前記A/D変換器に接続された外部センサーからの出力をA/D変換して得たシグナルと、前記交流電圧のまたは2倍の周波数を有する正弦波および余弦波もしくは矩形波および90°位相をずらした矩形波とそれぞれ乗ずることにより、該出力と同相成分と、90°成分とを演算可能とした請求項20に記載のシグナル発生/解析器。
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