JP2005345347A - 微小試料作製装置、微小試料設置具及び微小試料加工方法 - Google Patents

微小試料作製装置、微小試料設置具及び微小試料加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 FIBを利用して母試料から微細試料を摘出して微小領域の分析や観察を可能にする試料作製装置において、微小試料を作製する時間を短縮でき、EDX分析時に高い信頼性を有し、高倍率の観察に耐えられる清浄な加工面を有する試料作製を可能とする。
【解決手段】 試料作製装置における微小試料を固定する微小試料設置具1a,1bを、金属製で、大部分の厚さを30〜100μmにして機械的強度を持たすと共に、微小試料固定部2a,2bを厚さ5μm以下、高さ10μm以上の薄壁状の構造とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透過電子顕微鏡などで用いる微小試料設置具、高分解能観察や高感度組成分析のための微小試料を作製するのに好適な微小試料作製装置及び微小試料加工方法に関するものである。
近年の半導体デバイス、磁気デバイス等の超微細化や新材料の適用を背景に、透過電子顕微鏡(以下、TEMと略記)や走査電子顕微鏡(以下、SEMと略記)による形状観察やこれらと併用したエネルギ分散型X線分散分析計(以下、EDXと略記)による組成分析が不可欠な解析技術となっている。TEMやSEMによる観察、EDXによる組成分析のための試料を適切に作製する方法のうち、最近、mmオーダから10cmオーダの大きさの母試料から、切断や研磨をすることなく、注目した特定箇所のμmオーダから10μmオーダの微小試料を、集束イオンビーム(以下、FIBと略記)とプローブを用いて摘出し、TEMやSEMの試料に仕上げる試料作製方法(非特許文献1)が一般化してきた。微小試料設置具(公知例によっては種々の呼び方がされているが、母試料から摘出した微小試料を固定するための手段であれば趣旨は同じである)は、摘出した微小試料を搭載し、TEMやSEM等の観察・分析装置に持ち込むための手段として実用に供されている。
特表99−5506号公報(特許文献1)には、微小試料設置具の例として、シリコンウェーハをへき開した平滑面を利用したシリコン製の半円板や矩形板の例が示されている。また、特開平11−108813号公報(特許文献2)や特開2002−319363号公報(特許文献3)には、微小試料設置具の別形態として試料固定部が傾斜した形状のものも開示されている。また、特開2001−124676号公報(特許文献4)には、固定した微小試料片が、試料支持部材の取り扱い等の時に微小試料片が破損しないように、支持部材の厚さを微小試料片厚さより厚くするとともに、微小試料片以上の突起部分を設けた構造が開示されている。
微小試料固定部が薄くなければならないのは、摘出した試料が10μmオーダであるため、TEMやSEMで観察しようと微小試料の観察面に電子線を照射する際、微小試料設置具の僅かな傾きによって電子線が遮られ、本来の目的である観察や分析が出来なくなるためである。実用的には機械的強度やハンドリングのし易さを考慮して、厚さは50〜100μm程度である。
特表99−5506号公報 特開平11−108813号公報 特開2002−319363号公報 特開2001−124676号公報 精密工学会誌、第68巻、第6号(平成14年6月5日発行)、第756頁〜760頁。 梅村ら著『電子顕微鏡用マイクロサンプリング技術の開発』
しかし、従来の試料作製装置には以下のような問題があった。
(1)観察領域に比較して摘出するサンプル形状が大きく、加工体積(摘出試料周囲の除去する体積)が大きいため、余分な加工による試料作製時間が長い。
(2)EDX分析時に微小試料設置具からの信号がノイズ信号として混入し、所望の領域の高精度な組成分析ができない。
(3)微小試料設置具に設置した微細試料へのFIBによる加工において、微小試料設置具からのスパッタ粒子が加工試料面に付着するため、高分解能の観察が阻害される。
これらの問題点を、図11、図12を用いて詳細に説明する。図11は、従来の試料取付け具と固定された微小試料の関係と、入射電子線の関係を説明する断面図である。図11(a)は理想的な場合の微小試料と微小試料設置具、電子線の関係を示しており、一方、図11(b)、(c)は通常良く発生する事故例を示したもので、微小試料と微小試料設置具の取付け面に見られる凹凸状況で電子線が遮られる例を説明する図である。
図11(a)は、微小試料設置具30に固定された微小試料31に電子線32が入射し、透過電子よって形成された像を観察する様子を示している。具体的数値として、微小試料設置具30の厚さは約50μmであり、観察すべき領域の箇所は微小試料設置具30の上端から5μm程度の高さである。また、微小試料31の設置位置は、EDX分析時に透過散乱電子によるノイズ発生を避けるために、微小試料設置具30の(入射電子に対して)最下流側に設置している。このような位置関係で微小領域の形状観察や組成分析ができる。
一般にTEM観察では、試料の構造が観察しやすいように試料を微妙に傾斜調整させることがある。図11(b)は、微小試料31を観察する場合に、観察面を微妙に傾斜調整しようとした時(つまり、微小試料設置具30を傾斜させた時)の状況を示した断面図である。微小試料設置具30をある傾斜角度34以上に傾斜させると、取付け具の端部35で電子線の入射を遮蔽し、試料面31に電子線32が到達せず所望の観察や分析が出来なくなる。本例の場合、微小試料設置具30の厚さに対して試料観察高さが1/10程度であるため、微小試料設置具30を約6°以上傾斜させると所望の観察や分析ができなくなる。
また、図11(c)の場合のように、微小試料設置具30の試料取付け面に僅かな凹凸があっても入射電子ビーム32は遮断される。例えば、高さ5μmの領域を観察する場合は、5μmの凸部36あれば観察できないことになる。この図では、取付け面の凸部37で入射電子ビーム32が遮蔽されている例を示しているが、逆に、取付け面に出来ている凹部37に微小試料31を設置した場合も同じである。図11(b)や(c)のように極端な凹凸であれば、微小試料の設置位置に注意すれば良いが、実際には、緩やかな凹凸がある場合には数μmの高低を見極めることは困難であり、上記の問題が頻発する。
このように、微小試料設置具30には、1μm以下の平滑度を持つ試料取付け面を有することが求められる。しかも、元来、微小試料設置具は対象試料毎に取り替えるため、本来消耗品であり安価でなければならないが、上述のような高精度の試料固定部を1μm以下に平滑にする加工が伴うと、安価な消耗品とはならない。そこで、微小試料設置具の多少の傾斜や、試料取付け部の僅かな凹凸が存在しても入射電子や透過電子を遮蔽することが無いように、観察領域の高さが5μm程度に対して、実際の試料高さを十分高くすれば上記の問題を回避することができる。しかし、このように摘出する試料高さを高くすることは、元試料からの摘出時のFIBによるスパッタ除去体積を大きくすることになり、加工時間が大幅に増大するという問題が新たに発生する。
また、別の問題点を、図12を用いて説明する。一般に微小領域の組成分析は、TEMに搭載されたEDX分析によって行なわれる。図12(a)は、EDX分析時に見られる微小試料設置具から発生するノイズ信号の問題を説明するための図である。符号42は反射電子、符号43はノイズ特性X線である。
上記方法によって作製された微小試料31をEDX分析すると、観察領域(電子線の照射領域)が微小試料設置具30に近いため、入射電子ビーム32の一部は試料面で反射する。この反射電子42が微小試料設置具30に当たり、その当たった部分から微小試料設置具30の組成のX線が放出する。本来、対象とする試料の組成信号を求めているにも関わらず、微小試料設置具の組成信号がノイズ特性X線43の信号として混入する。もし、対象試料の組成と微小試料設置具の組成が同じであるならば対象試料組成の計測結果の定量性が欠けたり、違う場合は対象試料に本来存在しない新たな成分が含まれているかのような誤解釈をもたらしたりする。このように計測結果の信頼性が乏しいという大きな問題を生じる。
さらに、別の問題として、微小試料の加工時に見られるスパッタ粒子の付着の問題がある。これを図12(b)、(c)を用いて説明する。観察試料を高分解能、高倍率でTEM観察したり、高感度で分析したりするためには、最終的な観察・分析試料面には本来あってはならない形状や異物が付かないように清浄に仕上げなければならない。ここで新たに顕現化した問題は、図12(b)のように微小試料設置具30に固定した微小試料31に対して薄片加工のために照射したFIB46が微小試料設置具30を照射し、その照射部から発生するスパッタ粒子47が観察試料部45に付着する。例えば、シリコンの微小試料を加速電圧300kVのTEMで300万倍の高倍率で観察すると、シリコンの格子像は確認できるものの所々に斑点状の薄い陰が見られる。これは、試料作製時に微小試料設置具をFIB照射したことで発生した試料取付け具のスパッタ粒子で、本来対象とする試料には無い物質であり、材料を解析するうえで誤解を生む。このように、高分解能の形状観察や高感度の組成分析を損なうことが明らかになってきた。また、図12(c)に示すように、特許文献2に示した傾斜面を有する微小試料設置具30′を用いると反射電子によるノイズ性の特性X線の発生が抑制され、組成分析の信頼性は向上するが、FIB照射によって発生する微小試料設置具30′からのスパッタ粒子47は大きく削減させることが出来ず、高倍率観察には満足できない。
このように、上述の試料作製装置で作製した試料では形状観察や組成分析が出来ないという致命的な問題が顕在化してきた。このような観点から、従来の微小試料設置具のうち特許文献1に記載の例を見ると、本発明に至った課題のうち、取り扱いに十分な強度を有し、微小試料の設置部を数μm厚の薄壁状態に加工することができない。また、シリコン系の半導体デバイスをEDXで組成分析する場合、試料に当たった反射電子による微小試料設置具からの特性X線がシリコンの信号であるため、本来対象とする微小試料の組成率を誤って過剰に評価してしまう、という問題が顕在化した。また、特許文献1には、上記、スパッタ粒子の付着や微小試料設置具からのシステムノイズの問題を想像させる記載がなく、シリコン以外の材料で微小試料設置具を形成する意義については類推することが出来ない。また、特許文献4には、微細試料の保護のため微小試料設置具の厚さを微細試料の厚さより厚くすることは記載されているが、逆に同等かさらに薄いことが好適である記載はない。
以上より、本発明で解決しようとする課題を纏めると、
(1)同じ観察領域を有する微小試料を作製する時間を短縮すること、
(2)EDX分析時に微小試料設置具からのノイズ信号を削減すること、
(3)微小試料設置具からのスパッタ粒子の加工試料面への付着を削減させること、である。
そこで本発明の目的は、上記の課題に鑑み、TEM等微小試料の作製時間が短縮でき、EDX分析時に微小試料設置具からの信号が削減し、試料加工試料面への付着物が軽減できる構造の微小試料設置具を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明による微小試料設置具は、強度上、作製上の観点から金属製とし、全体の大部分の厚さを機械的強度を有するように30μmから100μm程度にすると共に、微小試料固定部の厚さを5μm以下、高さ10μm以上の薄壁状とした。一般的には、板状金属からなる本体の厚さをW、本体に設けられた薄壁状の微小試料固定部の厚さをw、高さをhとするとき、比h/Wが1/3以上、比h/wが2以上であるのが好ましい。微小試料設置具の組成は、銅、ニッケル、白金、鉄のいずれか、もしくは、これらのうちのいずれかを含む合金とした。微小試料固定部には、微小試料の固定位置の目印となる識別マークを設けるのが好ましい。
また、集束イオンビームを用いた加工によって母試料から抽出した微小試料を微小試料設置具の微小試料固定部に固定する際には、薄壁状の微小試料固定部から厚さ方向にはみ出すようにして固定するのが好ましい。
本発明によると、微小試料設置具の傾斜によって観察・分析を行なう電子線が遮蔽されることがないため、摘出する微小試料の高さを低くすることが出来、試料加工時間の短縮を図ることができる。また、加工時に試料取付け部からのスパッタ粒子の戻りが少なく、観察・分析面に付着する量が大幅に減少させることができる。さらに、EDX分析時に、試料からの反射電子によって、試料取付け具成分で分析上ノイズとなるX線が発生するのを低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による試料作製装置における微小試料設置具の一実施例を示す斜視図である。微小試料設置具1a、1bの全体形状はTEMホールダ形状やFIB装置における取付け部の構造に依存するため、図1(a)に示すような半円形でも、図1(b)に示すような矩形でも良く、自由度は大きい。摘出した微小試料3の微小試料固定部2a、2bは薄板の側面部である点は従来と同じであるが、本発明の主な特徴とするところは、微小試料固定部2a、2bの厚みが極端に薄くなっていて、かつ、その高さは10μm以上ある薄壁の形状となっていることである。具体的寸法例として、図1(a)の微小試料設置具の場合を例にとると、全体形状は直径が2.98mmの銅製、大半の厚さが40μmの半円板であり、微小試料固定部2aの厚さは3μmで、薄壁4aの高さは20μmとした。
微小試料設置具1a、1b全体の厚さを一様に数μm以下にすることは理想的であるが、強度的に非常に弱く、取り扱いが困難となるため、全体の厚さを30〜100μm程度とし、微小試料を固定する部分のみを薄くすることが得策である。微小試料固定部の厚さは、微小試料の厚さは3〜10μm程度であるため、理想的には、微小試料厚さより薄いことが望ましい。ただし、微小試料固定部の厚さが1μmを下回る薄さであると、微小試料の設置時に画像から判別しにくい場合もあるので、微小試料固定部の厚さは1〜5μmが好適である。薄壁4の高さは、後述のように、微小試料へのFIB加工時のスパッタ粒子の付着を回避する観点、EDX分析時のノイズ信号の低減の観点から10μm以上が好ましい。
素材は、試料の形状観察を行なう場合には特に大きな制限を受けないが、対象試料の組成分析を行なう場合は、対象試料に含まれない素材や、各種組成分析装置で、組成信号と重ならない、若しくは非常に接近して区別が付きにくい素材で形成されていることが望まれる。また、TEMやSEMを用いる場合が多いので、導電性であり、荷電粒子を逃がす構造であればよい。また、TEM観察時では、照射電子のエネルギが高いため、電子ビーム照射領域で発生する熱を拡散させる材料であれば尚良い。さらには、上述の如く、微小試料を固定する部分のみを薄壁状に加工するため、加工に適する金属であることが望ましい。具体的組成は後述のように銅、ニッケル、白金、鉄のうちのいずれか、もしくは、これらのうちいずれかを含む合金で形成すればよい。
[1]微小試料設置具の作製方法
微小試料設置具は非常に小さく、特に微小試料固定部の数μmの薄さと数μm以下の平坦性が求められるため、通常のフライス盤や研磨機などの機械加工機では加工できず、本発明の微小試料設置具は電鋳と呼ばれる方法を用いる。特許文献1ではシリコンのへき開面を利用した凸断面形状の試料固定具が開示されているが、シリコン片を部分的に数μmまで薄く機械加工できないこと、シリコン半導体デバイスをEDX分析する際、微小試料設置具からのシリコンの信号が混在して正確な定量分析ができないなどの問題を有している。このため、強度面、組成面、作製面の観点から金属で作製することが得策であるとの結論に至った。
図2は、本発明の微小試料設置具の作製方法を示す説明図である。まず、(a)のように基板70にフォトレジスト71を塗布し、形成したい形状のフォトマスク72を密着させる。この時のフォトレジスト71の厚さは、出来上がりの微小試料設置具の厚さよりも厚くする。次に、(b)のように、紫外線73を全面照射することで、フォトマスク72で覆われていない領域のフォトレジスト71は化学変化を起す。紫外線照射後、フォトマスク72を外し、現像することで、(c)のようにフォトマスク72は紫外線の照射部分のみ残存し、マスクされていた部分のフォトレジスト71は除去され、フォトマスク72形状に対応する開口部74が形成される。
次に、(d)のように、求める微小試料設置具の成分(例えば銅イオン)を含む電解液75が入った液槽76に、上記のフォトレジストを付けたまま、基板70を浸漬させる。この作業により、基板70上の開口部74に電解液75の金属元素が堆積し始め、予め求めておいた浸漬時間で基板70を取り出すことで所望の厚さになる。取り出した基板をアッシングや薬剤によってフォトレジスト71を除去すること、基板上に所望の微小試料設置具77が露出される。最後に、(e)のように基板70から作成した微小試料設置具77を剥離させることで、(f)のような所望形状の微小試料設置具77を得ることができる。
本実施例では、上記の原理を応用して、2種のフォトマスクと2層のフォトレジストを利用して、薄壁部を有する微小試料設置具を作成した。
図13は、作成手順を断面図で示した工程図である。まず、(a)に示すように、基板170上に所定の厚さのフォトレジスト171を塗布し、微小試料設置具の最終形状で見られる薄壁部を含まない形状のフォトマスク172を設置する。次に、(b)のように紫外線173を照射し、現像して紫外線173照射を受けていないフォトマスク172直下のフォトレジストを除去すると、(c)に示すようにフォトマスク172形状に対応する開口174が形成される。次に、(d)に示すように、さらにフォトレジスト175を塗布し、微細試料設置具の薄壁を含む形状に対応するフォトマスク176を設置する。
次に、(e)のように紫外線177を照射して、現像することで、(f)に示すように、フォトレジスト171に対して先に設けた開口174形状が保持したまま、フォトレジスト175に対してフォトマスク176に対応する開口178が形成される。このフォトレジスト171、175が付いた基板170を電解液槽(図示せず)に浸漬し、メッキを行なうと、(g)のように開口174、178部に金属179が成長する。メッキ条件を制御することで、所望の厚さの金属179部品が形成される。レジスト171および175を除去して、金属179を基板170から分離させることで得られる金属部品が、(h)に示すような微小試料設置具180となる。ここで、薄壁部は符号181で示された部分で、形状はフォトマスク176で決まり、厚さはメッキ時間で制御して作製できる。
このように、フォトレジスト71を使った作成法は、完成した部品の端面(側面)の垂直性が良く、平滑に加工することができることが第一の特長である。また、フォトマスクの形状が決定すれば、大量に作成できるため、1個当たりの単価が安価であることが第二の特長である。ただし、本手法で作製できる素材は、白金、銅、ニッケル、鉄及びその合金などに限定される。
このような半導体プロセスのパターン露光工程と、メッキによる金属埋め込み工程によって、薄壁状で平滑な試料固定部を有する微小試料設置具を作製することができる。
[2]微小試料設置具の別形態例
本発明による微小試料設置具は図1に示した形状に限ることはなく、図3(a)から(c)に記した形状であってもよい。図3(a)から(c)において、微小試料設置具80a〜80cにおける微小試料固定部(薄壁部)81a〜81cは長手方向の一部であってもよく、このような形状によって微小試料固定部81a〜81cの倒れに対する機械的強度は高まる。微小試料設置具の取り扱い時に微小試料固定部81に固定した微小試料(図示せず)が他の部材へ接触することを防ぐために図3(b)のように微小試料の固定面を周囲より低めた構造としてもよい。微小試料設置具をハンドリングし易いようにピンセット等による掴み部82cを設けてもよい。要点は、微小試料設置具80のうち、試料固定部81が厚さ1〜5μm、高さが10〜50μmの薄い壁状になっていることであり、全体形状はTEMホールダ形状に適合できるように種々改変すればよい。一般化すると、微小試料設置具は、厚さWの板状金属からなる本体と前記本体に設けられた厚さwで高さhからなる微小試料固定部とを有し、この時、比h/Wが1/3以上、比h/wが2以上を満足していればよい。
図4は、本発明による微小試料設置具の更に別の例を説明する図である。本例の微小試料設置具は、微小試料の設置位置を、試料作製装置内やまたはSEMやTEM、さらにはSTEMなどの観察解析装置内でも即座に位置出し、識別できるようにした構造を有する。
従来の微小試料設置具には以下のような問題点があった。母試料から摘出した微小試料を微小試料設置具に設置する際、試料作製装置のFIBもしくはSEMで観察しながら操作するが、FIBもしくはSEMの倍率を最低倍にしても、設置位置が微小試料設置具全体のどの部分に設置しているかが判別しにくく探索に時間を要することがある。また、微小試料が固定された微小試料設置具をTEMやSTEMなどに持ち込んだ時、即座に対象試料が視野に入らず、微小試料設置の位置を微調整して対象試料を捜索しなければならず、観察までに無駄に時間を消費していた。更には、1個の微小試料設置具に複数個の微小試料が固定されている場合には、STEMやTEMに移設した時、複数個の試料間の識別が付かず、結局、微小試料設置具の端部を確認し、端から注意深く一個一個の微小試料を探索、確認しつつ識別していく作業をせざるを得ず、観察、解析までに多大の時間を要していた。
そこで、微小試料設置具を図4に示した構造とした。図4に示す微小試料設置具は、図3(c)に示した微小試料設置具80cを改変したもので、その一部拡大図である。図4(a)は鳥瞰図の一部、図4(b)は上面図の一部、図4(c)は微細試料を固定した時の正面図であり、TEMやSTEM観察する際の概観に対応する図である。いずれも、構造が理解しやすいように前後左右の縮尺は適宜変形させている。
図4(a)では、微小試料設置具80の微小試料固定面81に微小試料の識別マーク160を設けていることを示している。識別マークの設置方法は、少なくとも微小試料設置具80の中心軸161上に1個配置した。複数個設置する場合は、中心軸上の識別マーク160を基準に等間隔で識別マーク162を複数個配置した。具体的には、この識別マーク160、162は1辺1μm程度の直角逆三角形断面で微小試料固定面を横切るように設けた凹部である。言うまでも無く、直角逆三角形断面に限ることはなく、半円断面でも矩形断面でも良く、要はTEMやSTEM観察時に識別できればよい。
また、この識別マークを複数個設置する場合は、図4(c)のように、識別マーク162を構成する凹部の数を違えるか、形状を違えるようにした。微小試料設置具をこのような構造とすることで、STEMやTEMで観察や分析する際、微小試料設置具80の中心に対象とする微小試料が設置されていると、対象試料をSTEMやTEMに導入した時、対象試料が観察視野内に即座に現れ、観察や分析に移ることができる。図5に示したTEMステージを中立な位置で設置したとき、微小試料設置具の中心に設置した第1の微小試料163aが視野に入り、その中立位置からある定距離の位置に第2の微小試料163bが設置されていれば第2の微小試料163bはTEMステージを定量、移動調整することにより即座に視野に入る。以下、複数個の微小試料163c、163dを次々に位置出しでき、試料探索に余分な時間を要することなく観察や解析ができ、時間効率が各段に高まる。
また、識別マーク160、162の大きさは設置する微小試料163に比べて小さく(図4ではわかりやすように識別マークが誇張して大きく記されている)、微小試料設置の際に悪影響を及ぼすことは無く、また、試料設置時にFIBやSEMの観察倍率を大きく変更することなく識別でき、さらに、STEMやTEMに導入した際も識別できるため、即座に対象試料を位置出しできる大きさである。この識別マークを例えば70μm間隔で配置することで、試料作製時のFIBやSEMにおける100μm視野で必ず少なくとも1個の識別マークと対応する対象試料が視野内に出現する。これにより、設置場所と識別マークが一対一に対応し、観察時に識別マークを一見するだけで、試料を判別することができる。
このような識別マーク付きの微小試料設置具は図2で示したフォトマスクによるパターンとメッキ法により正確に作製することができる。
[3]試料作製装置
次に、本発明で用いた試料作製装置の構成について図6で説明する。図6において、試料作製装置101は、試料移動ステージ102に載置した母試料103に対してFIB104を照射するFIB照射光学系105、FIB104の照射部から発生する二次電子や二次イオン等二次粒子を検出する二次粒子検出器106、FIB照射領域にFIBアシストデポジション膜を形成するために必要なガスを供給するガス供給手段107、このガス供給手段107は先端のガス照射部が口径100μm程度のノズル108を有しており、FIB照射領域に限定してガスを供給することができる。
母試料103は例えばウェーハであり、このウェーハは直接固定できるウェーハホールダ111に設置されていて、必要に応じてFIB視野に移動させ微細領域に加工できる。プローブ112はプローブ微動機構113によって試料室114内で少なくとも3軸(FIB光学系の軸に対して平行および、垂直2方向)に移動できる。母試料103から摘出した微小試料を固定する微小試料設置具116は、微小試料設置具ホールダ115に搭載されており、必要に応じて微小試料設置具116を傾斜させることができる。また、母試料103の表面や、FIB104によって加工した断面を走査イオン顕微鏡像として表示手段120に表示できる。符号110はSEMであり、母試料103の表面や断面、プローブ112の先端を高倍率で観察できる。
ここで用いた母試料103は直径300mmのシリコンウェーハであり、試料室114内で移動可能な試料移動ステージ102に着脱できるウェーハホールダ111に載置されている。ウェーハホールダ112には、母試料103以外に微小試料設置具ホールダ115も搭載されている。微小試料設置具ホールダ115には本実施例では5個の微小試料設置具116が搭載されている。微小試料設置具ホールダ115は連結された小型モータないし傾斜機構(図示せず)によって傾斜でき、実質的には微小試料設置具116を傾斜させることがきる。この構造により、摘出した微細試料をFIBで加工したり、もしくはSEMで加工面を観察したりすることができる。
これら各部の制御には二次粒子検出制御装置121、プローブ制御装置122、FIB制御装置123、ガス供給手段制御装置124、SEM制御装置125、ステージ制御装置126を用い、これらと表示手段120は計算処理装置127と連結されており、表示手段120から各機構系の命令や、各部からのデータを集積し、演算や記憶の命令を下すこともできる。このような装置を用いて、対象試料から注目する特定領域の微小試料を摘出し、TEM試料に仕上げる。以下、この手順について説明する。
[4]試料作製手順
図6に示した試料作製装置を用いたTEM試料作製方法の一例について、図7を用いて小図番に沿って説明する。
(a)最初に観察領域(TEM観察用薄膜の形成領域)に対応する母試料131表面に、マーク132、132’を施す。このマークは例えば、TEM観察部となる観察用薄膜部の両端にFIB等で施す。マーク132、132’の形状は種々あるが、本例では断面位置を示すため最も単純な形状のマイナス形状とした。次に、観察領域に対応する試料131表面にFIBアシストデポジション膜による保護膜133を形成する。保護膜133は、FIB照射時の母試料表面損傷を低減するためと、試料加工断面の平坦性を向上するために形成する。大きさは例えば3×10μm程度、厚さは1μm程度である。
(b)観察領域を含み、上記2個のマーク132、132’と保護膜133の外周にFIB(図示せず)照射により垂直方向に堀134を形成する。この堀134の最外周寸法は、本例では、30μm×30μm,深さ15μmとした。この作業により摘出すべき微小試料135が長方形の柱状に残される。
(c)摘出すべき微小試料135の垂直加工面136が見えるように母試料131を傾斜させる。(本例では45°傾斜させた)
(d)次に、導電性で先端半径が0.5μm程度まで先鋭化されたプローブ137を摘出試料135の一端に接触させる。プローブ137先端を含むように摘出試料135に1.5μm×1.5μm程度のデポジション膜138を形成し、プローブ137を摘出試料135に接続させる。なお、プローブ137の接続位置は摘出試料135の母試料131における表面に限ることはなく、垂直加工面136であってもよい。
(e)摘出すべき試料135の垂直加工面136の下部138を横切るようにFIB照射する。これにより摘出試料135は母試料131と分離できる。
(f)次に、プローブ137をFIB光学軸に沿って上昇させると、摘出試料135は完全に母試料131から摘出された状態となる。なお、図fでは、摘出状態が判り易いように画面の上方向にずらせて記載されている。
(g)摘出試料135を母試料131から十分離間した状態(摘出試料135を母試料131上空に保持した状態)を維持させ、微小試料設置具139をFIB観察視野に移動させる。微小試料設置具139の微小試料固定部に向けて微小試料135を降下させて接触させる。摘出試料135の微小試料設置具139への接触確認は、FIB画像からでも可能であるし、両者の導通によって電気的に確認しても良い。摘出試料135と微小試料設置具139との接触部(摘出試料135の最下端)に両者に掛かるようにデポジション膜140を形成して両者を接続させる。
(h)プローブ137と微小試料片135とを固定接続しているデポジション膜138にFIBを照射して、このデポジション膜138をスパッタ除去することで、もしくは、プローブ137先端付近をFIB照射によって切断することで、プローブ137は摘出試料135から分離できる。これにより、微小試料片135は試料取付け具139上に固定保持され、完全に自立する。
最後に、FIB照射によって、試料片の観察所望領域が厚さ100nm以下程度の薄膜に加工する。図hは、微小試料135の上面を直視する方向から観た図である。観察用薄膜領域142は、その両側領域141、141’をFIB照射による削除加工を行ない、観察領域142を薄く残るように仕上げ加工して、一連のTEM試料作製プロセスが完了する。この結果、横幅約15μmで,深さが約10μmの観察領域142が形成でき、TEM観察用試料とすることができる。
図8は、試料取付け具139上に固定保持された微小試料片135をFIB加工している様子を示す断面模式図である。微小試料片135は、試料取付け具139の薄壁状の微小試料固定部143に微小試料固定部からはみ出すようにしてデポジション膜140で固定される。微小試料片135は、観察用薄膜領域142の両側領域をFIB61を照射して削除加工を行ない、観察領域142が薄く残るように仕上げ加工される。微小試料142を加工したFIB61は薄壁状の微小試料固定部143に当たることはなく、数10μm下にある試料取付け具139の段差部62に当たる。ここで発生するスパッタ粒子63は観察部142まで届くことはない。
[5]微小試料の大きさおよび加工時間
本発明で用いる微小試料設置具は、微小試料固定部が平滑で、幅が数μmと薄いため、摘出すべき試料を高さ方向に余分な嵩上げをする必要がなくなり、観察領域のみを含む試料を作成すればよくなるため試料作製時間が短縮できる。つまり、図7(b)において、外周の堀134を従来のように深く加工する必要がない。そのため、この工程の加工時間を短縮でき、全体の加工時間を短縮できる。
図9は、微小試料設置具に固定した微小試料を観察している様子を示す概略断面図である。図9(a)に示すように、摘出して微小試料設置具50に固定した微小試料52の高さは、その殆どを観察部53とすることができる。入射電子ビーム54は観察部53を透過して、透過電子ビーム55は微小試料設置具50に接触することなく検出器(図示せず)に至る。
この微小試料固定部50は幅が3μmと非常に薄いため、試料取付け具を20°程度傾斜させても試料面上端から5μmまでを観察できる。従って、試料高さを5μmとすることができ、従来の15μmに比べ高さを1/3にすることができる。試料高さを1/3にするのみで、摘出すべき微小試料の厚さ、長さを同じとしても、摘出試料の周辺を除去する加工時間が削減され、微小試料の摘出から観察面の仕上げまでの総加工時間が従来約40分であったのに対し、本微小試料設置具を用いることにより約30分で出来、約25%時間短縮できた。
[6]EDXにおけるノイズ信号
次に、本発明による微小試料設置具を用いた場合と従来の微小試料設置具を用いた場合で、微小試料の組成分析を行なった結果を比較する。微小試料設置具の素材は両者とも銅製である。用いた試料はシリコン結晶である。ほぼ同じ形状に作製した微細試料をそれぞれの微小試料設置具に固定した。分析方法は、EDX付きTEMを用いて同じ条件で計測した。試料はシリコン結晶であるので、本来はシリコンのみの信号を得られるはずで、その他の元素が検出されれば、試料に付着した不純物と見なすことができる。
図10は、EDX分析結果で、横軸は元素を示すエネルギ値、縦軸が信号強度に相当する信号カウント数である。従来の微小試料設置具を用いた場合のスペクトルを符号150で示し、本発明による微小試料設置具を用いた場合のスペクトルを符号151で示した。図10は特に計測で得たスペクトルのうち、銅ピーク部の拡大図で、メインのピーク(図示せず)であるシリコンの信号の約1/100程度の微弱信号あるが、本発明による微小試料設置具を用いることでノイズ信号をさらに削減させることができる。ただし、符号151で示す銅ピークは、微小試料設置具から発生したものではなく、試料への照射電子によって発生した反射電子が、図5に示したような、微小試料設置具153を搭載するTEMホールダ154の銅製部品を励起したものである(符号155は固定された微小試料である)。
図10のスペクトルから、本発明による試料取付け具を用いることによって、ノイズ信号となる銅のピーク強度が従来取付け具に比べて約1/3に減少している。なお、銅ピークが完全に無くならないのは、TEMホールダの一部に銅製部品を含んでいるため、この部品を励起した信号である。このように、本発明による微小試料設置具を用いることで、組成分析において微小試料設置具からのノイズ信号を削減することができることが明らかとなる。
これは、図9(b)に示したように、微小試料設置具50の幅が狭いため、観察試料への入射電子54の反射電子57が微小試料設置具50に当たることがないので、微小試料設置具50の成分であるノイズ性の特性X線が発生することが無く、試料から発生した特性X線56、56’のみを検出することができるためである。また、微小試料設置具50の幅が狭いため、微小試料設置具50を多少傾斜させても微小試料設置具50からのノイズ性特性X線が発生することはない。
[7]高倍率観察における鮮明度
図12(b)、(c)に見られた、微小試料のFIB加工時に発生する微小試料設置具30のスパッタ粒子47が加工試料面45に付着するために、高倍率観察や高分解能組成分析が損なわれる問題は本発明の微小試料設置具では生じない。本発明の微小試料設置具では、図8に示すように、微小試料135を加工したFIB61は直下の微小試料設置具139に当たることは無く、数10μm下にある段差部62に当たる。ここで発生するスパッタ粒子63は観察部142まで届くことは無く、高倍率観察や高分解能組成分析が可能となる。なお、図8では微小試料135は、同図中、段差部62の上部に固定したが、微小試料設置具139の薄壁状の微小試料固定部143の右側に固定し、微小試料135の下には段差部62も無い状態にしても同じ効果が得られる。
また、摘出した微小試料は試料固定面の厚さ方向の端辺に、はみ出すように固定する。この固定方法によって、スパッタ粒子の戻りの低減はさらに確実になり、入射電子の後方散乱電子(入射方法とは逆方向に散乱する電子)による微小試料固定面からの二次的な特性X線の放出の削減もさらに確実となる。
今回用いた試料取付け具にシリコン結晶の微小試料を高倍率TEM観察した結果、従来見られた斑点状の薄い陰は観察領域全体に渡って確認されず、シリコン原子の格子を明瞭に観察できた。試料取付け具の構造の効果であることがわかる。なお、同じシリコン結晶の微細試料を、微小試料固定部が斜面構造の微小試料設置具を用いて同じ観察行なったが、斜面の取付け部からのスパッタ粒子が付着し、明瞭な観察像は得られなかった。このように、試料設置部を摘出微小試料の底部から大きく離間させた構造により、試料加工時に発生するスパッタ粒子は試料観察面に付着する量が軽減され、高倍率の観察にも耐え得ることが示された。
以上、本発明による効果を纏めると、
(1)微小試料の取付け部が数μmの薄膜状になった微小試料設置具を用いることで、微小試料傾斜による視野領域の制限が無くなり、従来よりも高さの低い微小試料の観察ができる。微小試料の高さを低くすることで、微小試料作製時の微小試料周辺の加工体積が削減できため、加工時間が短縮できる。従来の一定厚さの微小試料設置具を用いた場合の加工時間に比べ約25%短縮できる。
(2)本発明による微小試料設置具に固定した微小試料をEDX分析する場合、微小試料設置具を励起したノイズピークが従来の1/3に減少した。
本発明による試料作製装置における微小試料設置具の一実施例を示す斜視図。 本発明の微小試料設置具の作製方法を示す説明図。 本発明による微小試料設置具の別の形態を示した斜視図。 本発明による微小試料設置具の更に別の例を説明する図。 微小試料設置具を搭載するTEMホールダを示した全体構成図。 本発明による試料作製装置の全体構成を示した説明図。 TEM観察用の微小試料作製の実施手順例を示した説明図。 試料取付け具上に固定保持された微小試料片をFIB加工している様子を示す断面模式図。 微小試料設置具に固定した微小試料を観察している様子を示す概略断面図。 EDX分析結果例を示す図。 従来の微小試料設置具を用いた場合に発生する問題点を示した説明図。 従来の微小試料設置具を用いた場合に発生する別の問題点を示した説明図。 本発明による微細試料設置具の別の形状とその効果を説明する図。
符号の説明
1a,1b,80,139…微小試料設置具
2a,2b,50,81…微小試料固定部
3,52,135…微小試料
4a,4b…薄壁部
32,54…入射電子
33,55…透過電子
160,162…識別マーク

Claims (12)

  1. 集束イオンビーム照射手段と、母試料を載置して移動する試料ステージと、集束イオンビーム照射によってガス成分を堆積させる原料ガスを供給するガス供給手段と、集束イオンビームを用いた加工によって母試料から摘出した微小試料を固定して移動可能なプローブと、前記プローブを駆動するプローブ駆動手段と、母試料から摘出した微小試料を設置する微小試料設置具を搭載した微小試料設置具搭載手段とを備える微小試料作製装置において、
    前記微小試料設置具は、厚さWの板状金属からなる本体と前記本体に設けられた厚さwで高さhである薄壁状の微小試料固定部とを有し、比h/Wが1/3以上、比h/wが2以上を満足することを特徴とする微小試料作製装置。
  2. 請求項1記載の微小試料作製装置において、前記本体の厚さWは30〜100μm、前記微小試料固定部の厚さwは5μm以下、高さhは10μm以上であることを特徴とする微小試料作製装置。
  3. 請求項1又は2記載の微小試料作製装置において、前記微小試料設置具は銅、ニッケル、白金、鉄のいずれか、もしくは、これらのいずれかを含む合金からなることを特徴とする微小試料作製装置。
  4. 集束イオンビームを用いた加工によって母試料から摘出した微小試料を設置する微小試料設置具において、
    厚さがWの板状金属からなる本体と、前記本体に設けられた厚さがwで、高さがhである薄壁状の微小試料固定部とを備え、
    比h/Wが1/3以上、比h/wが2以上を満足し、
    前記微小試料固定部に微小試料の固定位置の目印となる識別マークを有することを特徴とする微小試料設置具。
  5. 請求項4記載の微小試料設置具において、前記本体の厚さWは30〜100μm、前記微小試料固定部の厚さwは5μm以下、高さhは10μm以上であることを特徴とする微小試料作製装置。
  6. 請求項4又は5記載の微小試料設置具において、前記識別マークは少なくとも当該微小試料設置具の中心軸上に設けられていることを特徴とする微小試料設置具。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項記載の微小試料設置具において、前記識別マークは、当該微小試料設置具の中心軸上及び前記中心軸から等間隔に複数個設けられていることを特徴とする微小試料設置具。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項記載の微小試料設置具において、前記識別マークは、微小試料の固定面に設けられた凹部であることを特徴とする微小試料設置具。
  9. 集束イオンビームを用いた加工によって母試料から微小試料を摘出する工程と、
    前記抽出した微小試料を微小試料設置具に移送して固定する工程と、
    前記微小試料設置具に固定した微小試料の観察領域を集束イオンビームを用いて薄膜に加工する工程とを含む微小試料加工方法において、
    前記微小試料設置具として厚さWの板状金属からなる本体と、前記本体に設けられた厚さwで高さhである薄壁状の微小試料固定部とを備え、比h/Wが1/3以上、比h/wが2以上を満足する微小試料設置具を用いることを特徴とする微小試料加工方法。
  10. 請求項9記載の微小試料加工方法において、前記本体の厚さWは30〜100μm、前記微小試料固定部の厚さwは5μm以下、高さhは10μm以上であることを特徴とする微小試料加工方法。
  11. 請求項9又は10記載の微小試料加工方法において、前記固定する工程では、前記微小試料固定部に設けられた識別マークに関連付けて前記微小試料を前記微小試料設置具に固定することを特徴とする微小試料加工方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項記載の微小試料加工方法において、前記固定する工程では、前記微小試料を前記薄壁状の微小試料固定部から厚さ方向にはみ出すようにして固定することを特徴とする微小試料加工方法。
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