JP2005344889A - 遊星ローラネジ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持器と遊星ローラとの間で生じる磨耗を防止する手段を提供する。
【解決手段】外周面に軸ネジを形成したネジ軸と、内周面にナットネジを形成した円筒状のナットと、前記軸ネジと前記ナットネジとに噛合うローラネジを外周面に有し、前記ネジ軸とナットとの間を自転しながら公転する遊星ローラと、該遊星ローラの軸部が嵌合する嵌合孔を設けた保持器とを有する遊星ローラネジ装置において、前記保持器の前記遊星ローラと接触する面に固体潤滑皮膜を施したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】外周面に軸ネジを形成したネジ軸と、内周面にナットネジを形成した円筒状のナットと、前記軸ネジと前記ナットネジとに噛合うローラネジを外周面に有し、前記ネジ軸とナットとの間を自転しながら公転する遊星ローラと、該遊星ローラの軸部が嵌合する嵌合孔を設けた保持器とを有する遊星ローラネジ装置において、前記保持器の前記遊星ローラと接触する面に固体潤滑皮膜を施したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、射出成形機やプレス成形機等の機械装置の送り機構や自動車用アクチュエータ等に用いられる遊星ローラネジ装置に関する。
従来の遊星ローラネジ装置は、外周面に軸ネジを形成したネジ軸と内周面にナットネジを形成したナットとの間にこれらのネジと噛合うローラネジを有する複数の遊星ローラが、その軸部を保持器の嵌合孔に嵌合させることによって保持器に保持され、遊星ローラの両側に設けた平歯車を有する遊星ピニオンギヤをナットに設けたリングギヤに噛合わせて遊星ローラをネジ軸周りに円滑に自転させながら公転させている(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭59−147151号公報(第1頁右下欄―第2頁左下欄、第4図)
しかしながら、上述した従来の技術においては、保持器とこれに保持されている遊星ローラとが遊星ローラの自転に伴って滑り接触しているため、この滑り接触する箇所に外部等から潤滑剤を供給することが必要であり、潤滑剤が行き届かなかったり、高温環境等での使用で遊星ローラが発熱して潤滑剤が劣化したりすると保持器と遊星ローラとの間で磨耗が生じるという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、保持器と遊星ローラとの間で生じる磨耗を防止する手段を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、外周面に軸ネジを形成したネジ軸と、内周面にナットネジを形成した円筒状のナットと、前記軸ネジと前記ナットネジとに噛合うローラネジを外周面に有し、前記ネジ軸とナットとの間を自転しながら公転する遊星ローラと、該遊星ローラの軸部が嵌合する嵌合孔を設けた保持器とを有する遊星ローラネジ装置において、前記保持器の前記遊星ローラと接触する面に固体潤滑皮膜を施したことを特徴とする。
このように、本発明は、保持器の遊星ローラと接触する面に固体潤滑皮膜を施したことにより、遊星ローラの自転に伴う遊星ローラと保持器との間を確実に潤滑することができ、遊星ローラと保持器の磨耗を防止することができるという効果が得られる。
以下に、図面を参照して本発明による遊星ローラネジ装置の実施例について説明する。
図1は実施例1の遊星ローラネジ装置を示す側方断面図、図2は実施例1の保持器を示す正面図、図3は図2のA−A線断面図である。
図1において、1は遊星ローラネジ装置である。
2は遊星ローラネジ装置1のネジ軸であり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、その外周面には軸ネジ3が所定のピッチPおよびリードで螺旋状に形成されている。
図1において、1は遊星ローラネジ装置である。
2は遊星ローラネジ装置1のネジ軸であり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、その外周面には軸ネジ3が所定のピッチPおよびリードで螺旋状に形成されている。
4は遊星ローラネジ装置1のナットであり、合金鋼の鋼材で製作された円筒状部材であって、その内周面には多条のナットネジ5が軸ネジ3と同じピッチPで形成されている。
6は遊星ローラであり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、両端部に円柱状の軸部7が形成されており、両側の軸部7の内側に隣接して遊星ローラ6と同軸に平歯車を形成した遊星ピニオンギヤ8が設けられており、これらの遊星ピニオンギヤ8の間の外周面には軸ネジ3とナットネジ5とに嵌合するローラネジ9が軸ネジ3と同じピッチPで形成されている。
6は遊星ローラであり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、両端部に円柱状の軸部7が形成されており、両側の軸部7の内側に隣接して遊星ローラ6と同軸に平歯車を形成した遊星ピニオンギヤ8が設けられており、これらの遊星ピニオンギヤ8の間の外周面には軸ネジ3とナットネジ5とに嵌合するローラネジ9が軸ネジ3と同じピッチPで形成されている。
図2、図3において、10は保持器であり、樹脂材料や金属材料で製作された円環状体であり、遊星ローラ6の軸部7が嵌合する嵌合孔11が所定の角度ピッチで複数設けられ、遊星ローラ6の軸部7を嵌合孔11で保持してネジ軸2とナット4の間に複数の遊星ローラ6を所定の角度ピッチで配置する。
また保持器10の遊星ローラと接触する面、つまり接触面10aにはポリテトラフルオロエチレン等をコーティングした固体潤滑皮膜コーティングが施されている。
また保持器10の遊星ローラと接触する面、つまり接触面10aにはポリテトラフルオロエチレン等をコーティングした固体潤滑皮膜コーティングが施されている。
12はリングギヤであり、保持器10に保持された小径の平歯車である遊星ピニオンギヤ8に噛合う内歯の平歯車であって、ナット4の内周面に圧入等により固定されており、遊星ピニオンギヤ8がリングギヤ12に噛合うことにより遊星ローラ6の公転を案内する。
上記のネジ軸2の軸ネジ3とナット4のナットネジ5とに、保持器9に保持されてリングギヤ12と遊星ピニオンギヤ8により公転を案内された遊星ローラ6のローラネジ9が嵌合し、ナット4を回転させることによって遊星ローラ6がネジ軸2の周りを自転しながら公転してネジ軸2を軸方向に移動させる。これによりナット4の回転運動がネジ軸2の直線運動に変換される。
上記のネジ軸2の軸ネジ3とナット4のナットネジ5とに、保持器9に保持されてリングギヤ12と遊星ピニオンギヤ8により公転を案内された遊星ローラ6のローラネジ9が嵌合し、ナット4を回転させることによって遊星ローラ6がネジ軸2の周りを自転しながら公転してネジ軸2を軸方向に移動させる。これによりナット4の回転運動がネジ軸2の直線運動に変換される。
上記のように構成したことにより、ナット4を回転させて遊星ローラ6がネジ軸2の周りで自転したときに、保持器10の接触面10aに施した固体潤滑皮膜コーティングにより遊星ローラ6と保持器10との間を潤滑してこれらの間で起きる磨耗を防止することができる。
以上説明したように、本実施例では、保持器に固体潤滑皮膜コーティングを施したことにより、遊星ローラの自転に伴う遊星ローラと保持器との間を確実に潤滑することができ、遊星ローラと保持器の磨耗を防止することができる。
以上説明したように、本実施例では、保持器に固体潤滑皮膜コーティングを施したことにより、遊星ローラの自転に伴う遊星ローラと保持器との間を確実に潤滑することができ、遊星ローラと保持器の磨耗を防止することができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の保持器10は、自己潤滑性のある材料として金属材料を焼結冶金により成形して潤滑油を含浸させた含油焼結金属により形成されている。
このような含油焼結金属によっても上記実施例1と同様の効果を得ることができ、それに加えて遊星ローラの自転に伴い遊星ローラと保持器とが滑り接触することで起こる摩擦熱により保持器の温度が上昇すると、含浸させた潤滑油が保持器からにじみ出てローラネジおよび遊星ピニオンギヤへ流れるため、ローラネジおよび遊星ピニオンギヤへも潤滑剤を供給することができる。
本実施例の保持器10は、自己潤滑性のある材料として金属材料を焼結冶金により成形して潤滑油を含浸させた含油焼結金属により形成されている。
このような含油焼結金属によっても上記実施例1と同様の効果を得ることができ、それに加えて遊星ローラの自転に伴い遊星ローラと保持器とが滑り接触することで起こる摩擦熱により保持器の温度が上昇すると、含浸させた潤滑油が保持器からにじみ出てローラネジおよび遊星ピニオンギヤへ流れるため、ローラネジおよび遊星ピニオンギヤへも潤滑剤を供給することができる。
なお、本実施例において保持器を含油焼結金属により形成すると説明したが、自己潤滑性のある材料として、例えば樹脂と潤滑油を混ぜ合わせて形成した樹脂材料や多孔質に形成した樹脂に潤滑油を含浸させた樹脂材料等の潤滑剤を含む樹脂材料を用いて形成するようにして前記と同様の効果を得ることができる。
1 遊星ローラネジ
2 ネジ軸
3 軸ネジ
4 ナット
5 ナットネジ
6 遊星ローラ
7 軸部
8 遊星ピニオンギヤ
9 ローラネジ
10 保持器
11 嵌合孔
12 リングギヤ
2 ネジ軸
3 軸ネジ
4 ナット
5 ナットネジ
6 遊星ローラ
7 軸部
8 遊星ピニオンギヤ
9 ローラネジ
10 保持器
11 嵌合孔
12 リングギヤ
Claims (4)
- 外周面に軸ネジを形成したネジ軸と、内周面にナットネジを形成した円筒状のナットと、前記軸ネジと前記ナットネジとに噛合うローラネジを外周面に有し、前記ネジ軸とナットとの間を自転しながら公転する遊星ローラと、該遊星ローラの軸部が嵌合する嵌合孔を設けた保持器とを有する遊星ローラネジ装置において、
前記保持器の前記遊星ローラと接触する面に固体潤滑皮膜を施したことを特徴とする遊星ローラネジ装置。 - 外周面に軸ネジを形成したネジ軸と、内周面にナットネジを形成した円筒状のナットと、前記軸ネジと前記ナットネジとに噛合うローラネジを外周面に有し、前記ネジ軸とナットとの間を自転しながら公転する遊星ローラと、該遊星ローラを保持する保持器とを有する遊星ローラネジ装置において、
前記保持器を自己潤滑性のある材料により形成することを特徴とする遊星ローラネジ装置。 - 請求項2において、
前記自己潤滑性のある材料が含油焼結金属であることを特徴とする遊星ローラネジ装置。 - 請求項2において、
前記自己潤滑性のある材料が潤滑剤を含む樹脂材料であることを特徴とする遊星ローラネジ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004167653A JP2005344889A (ja) | 2004-06-04 | 2004-06-04 | 遊星ローラネジ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005344889A true JP2005344889A (ja) | 2005-12-15 |
Family
ID=35497448
Family Applications (1)
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JP2004167653A Pending JP2005344889A (ja) | 2004-06-04 | 2004-06-04 | 遊星ローラネジ装置 |
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JP (1) | JP2005344889A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008045564A (ja) * | 2006-08-10 | 2008-02-28 | Ntn Corp | 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置 |
WO2018113826A1 (de) * | 2016-12-23 | 2018-06-28 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Planetenwälzgewindetrieb, verfahren zur herstellung eines planetenwälzgewindetriebes, aktuator und ausrücksystem |
CN112163286A (zh) * | 2020-06-30 | 2021-01-01 | 北京精密机电控制设备研究所 | 一种行星滚柱丝杠副接触点求解方法 |
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2004
- 2004-06-04 JP JP2004167653A patent/JP2005344889A/ja active Pending
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JP4690268B2 (ja) * | 2006-08-10 | 2011-06-01 | Ntn株式会社 | 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置 |
WO2018113826A1 (de) * | 2016-12-23 | 2018-06-28 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Planetenwälzgewindetrieb, verfahren zur herstellung eines planetenwälzgewindetriebes, aktuator und ausrücksystem |
CN112163286A (zh) * | 2020-06-30 | 2021-01-01 | 北京精密机电控制设备研究所 | 一种行星滚柱丝杠副接触点求解方法 |
CN112163286B (zh) * | 2020-06-30 | 2024-05-14 | 北京精密机电控制设备研究所 | 一种行星滚柱丝杠副接触点求解方法 |
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