JP2005344610A - 真空排気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 真空ポンプから真空装置へ伝播する振動の遮断率を向上させること。
【解決手段】 ターボ分子ポンプ1を真空シール構造4を介して主真空室2に接続する。さらに、副真空室3を主真空室2、真空シール構造4、ターボ分子ポンプ1の吸気口110を内包するように配設する。副真空室3の粗引き真空排気処理を粗引真空ポンプ6により行い、副真空室3を中真空状態とする。真空シール構造4は、中真空状態となっている副真空室3内に配設されるため、主真空室2と副真空室3との間の圧力差を極めて小さくすることができる。これにより、主真空室2へのガスのリーク量を小さい値に抑えることができる。また、真空シール構造4は、ターボ分子ポンプ1を支持する機能を担うものではないため、例えば、非接触シール構造や柔軟性の高いシール部材を用いることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体製造装置や電子顕微鏡装置などに用いられる真空チャンバ(真空装置)の排気処理を真空ポンプを用いて行う真空排気装置に関し、特に、例えば真空ポンプで発生した振動の伝達を抑制する機構を有するものに関する。
例えば、真空ポンプを用いて排気処理を行い、内部が真空に保たれるような真空装置を用いる装置には、半導体製造装置、電子顕微鏡、表面分析装置、微細加工装置などがある。
また、各種ある真空ポンプのうち、高真空の環境を実現するために多用されるものに、ターボ分子ポンプがある。
ターボ分子ポンプは、吸気口および排気口を有するケーシングの内部でロータが高速回転するように構成されている。ケーシングの内周面には、ステータ翼が多段に配設されており、一方、ロータにはロータ翼が放射状にかつ多段に配設されている。ロータが高速回転すると、ロータ翼とステータ翼との作用により気体が吸気口から吸引され、排気口から排出されるようになっている。
ターボ分子ポンプは、ロータが高速回転すると、モータのコギングトルクにより振動が発生する。また、ロータは、完全にバランスがとれてない場合には、軸の振れによる振動が発生するおそれもある。
また、ターボ分子ポンプは、タービンを高速回転させて排気処理行っているため、気体分子の衝突熱や、モータから発生する熱などより加熱されて高温状態となる場合がある。
このような、真空ポンプで生じる振動や熱が真空装置側に伝播してしまうと支障を来してしまうおそれがある。
そこで、従来、下記の特許文献をはじめ、真空ポンプからの振動あるいは熱の伝播を抑制するための技術が提案されている。
特開2002−295581公報 特開2002−227765公報
特許文献1には、真空ポンプと真空装置とをダンパを介して接続し、真空ポンプで発生した振動をダンパで吸収することによって、真空装置への振動の伝播を抑制する技術が開示されている。
振動の吸収のために用いられるダンパは、ベローズにラバー等を巻き付けた構造となっている。
このベローズは、外周にちょうちん状の深いひだをもった円筒状の形状をしており、側面のひだが伸び縮みすることによって弾力性を発揮し、振動を吸収(減衰)させるようになっている。
また、特許文献2には、真空ポンプと真空装置とを、熱伝導率の高い部材(配管)を介して接合し、この部材を水冷や空冷などの冷却方法を用いて冷却することによって、真空装置への熱の伝播を抑制する技術が開示されている。
ところで、振動を吸収するために従来用いられているダンパは、真空ポンプを支持する機能を担っているだけでなく、大気中に配置されるため、真空排気流路と大気との圧力差に耐えうる構造が必要となる。そのため、ダンパには、ある程度の高い剛性が要求されている。
しかしながら、このような剛性の高いダンパは、真空装置へ伝播する振動を遮断(減衰)させる能力が低いものであった。
そこで、本発明は、真空ポンプから真空装置へ伝播する振動の遮断率を向上させることができる真空排気装置を提供することを第1の目的とする。
さらに、本発明は、真空ポンプから真空装置へ伝播する熱の遮断率を向上させることができる真空排気装置を提供することを第2の目的とする。
請求項1記載の発明では、主真空室と、前記主真空室の真空排気処理を行う真空ポンプと、前記主真空室および前記真空ポンプの吸気口を内包し、粗真空排気処理される副真空室と、を備え、前記主真空室と前記真空ポンプとは、前記主真空室と前記副真空室との間における気体の漏洩を防止あるいは低減するシール構造を介して接合されていることにより前記第1の目的を達成する。
請求項1記載の発明において、主真空室および副真空室は、例えば、制振装置や除振装置を介して設置することが好ましい。この制振装置や除振装置は、例えば、外部振動の伝播を好適に抑制することが可能な、アクティブ制御方式を用いた装置が好ましい。
請求項1記載の発明において、シール構造は、例えば、密封(シール)強度の低いシール構造、密封(シール)性の緩いシール構造、脆弱なシール構造等で構成することが好ましい。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記主真空室と前記真空ポンプとは、所定の間隙、非接触シール、シール部材、又は、前記主真空室と前記副真空室間の圧力差に応じて変形する弾性部材を介して接合されていることにより前記第1または前記第2の目的を達成する。
請求項2記載の発明において、所定の隙間は、例えば、副真空室からの気体のリーク量と、このリーク量が主真空室内の到達圧力に与える影響に基づいて算出される値であることが好ましい。
請求項2記載の発明において、非接触シールとして、例えば、隙間の部分を複雑な流路によって構成するラビリンスシールを用いることが好ましく、この流路のクリアランス(空隙幅)は、例えば、主真空室からの気体のリーク量と、このリーク量が主真空室内の到達圧力に与える影響に基づいて算出される値であることが好ましい。
請求項2記載の発明において、シール部材として、例えば、剛性の低い、即ち柔軟性の高い部材、詳しくは、ラバーやポリマー材を用いることが好ましい。さらに、シール部材として、例えば、熱伝導率又は温度伝導率の低い部材、即ち断熱性の高い部材を用いることが好ましい。
請求項2記載の発明において、弾性部材として、例えば、弾性率の低い部材を用いることが好ましく、金属板等を用いるようにしてもよい。さらに、前記弾性部材は、例えば、熱伝導率又は温度伝導率の低い部材、即ち断熱性の高い部材を用いることが好ましい。
また、前記弾性部材として、例えば、本体部とコーティング部の複合(張り合わせ)構造を有する薄板弁形状の部材を用い、前記コーティング部が主真空室から真空ポンプに至る気体移送路(排気経路)に臨むように構成してもよい。この場合、本体部は、例えば、柔軟性の高いラバー、ポリマー材等を用い、一方、コーティング部は、例えば、本体部の有する弾性特性に影響を与えない程度の、柔軟性のある金属であるステンレス鋼やアルミニウムを用いることが好ましい。
弾性部材がこのように構成される場合には、弾性部材は、例えば、主真空室から真空ポンプに至る気体移送路(排気経路)側の圧力が副真空室の圧力よりも低い場合には、副真空室と気体移送路(排気経路)とをシール(密封)し、主真空室から真空ポンプに至る気体移送路(排気経路)の圧力が副真空室の圧力よりも高くなった場合には、シール(密封)を解消するように変形することが好ましい。このような場合、例えば、前記弾性部材と接触する相手側(主真空室側)における接触面(摺動接合面)に硬い材質のコーティング処理を施すようにしてもよい。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記副真空室の粗真空排気処理を行う粗真空ポンプを備え、前記真空ポンプの排気口は、前記副真空室と連通している。
本発明によれば、真空ポンプから真空装置へ伝播する振動あるいは熱の遮断率を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図1〜図7を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る真空排気装置の概略構成を示した図である。
本実施の形態に係る真空排気装置では、真空室を主真空室2と、この主真空室2を内包する副真空室3とで構成した二重真空室構造(二重ケーシング構造)をとっている。
本実施の形態に係る真空排気装置は、大別すると、ターボ分子ポンプ1、主真空室2、および副真空室3の3つの装置から構成されている。そして、本実施の形態の特徴部分の1つである真空シール構造4が、ターボ分子ポンプ1と主真空室2との接合(結合)部に設けられている。
次に、これら各構成について説明する。
ターボ分子ポンプ1は、主真空室2の排気処理を行うための真空ポンプである。このターボ分子ポンプ1は、ターボ分子ポンプ部とねじ溝式ポンプ部を備えた、いわゆる複合翼タイプの分子ポンプである。
ターボ分子ポンプ1の外装体を形成する上部ケーシング101は、略円筒状の形状をしており、上部ケーシング101の下部(排気口111側)に設けられた下部ケーシング102と共にターボ分子ポンプ1の筐体を構成している。そして、この筐体の内部には、ターボ分子ポンプ1に排気機能を発揮させる構造物が収納されている。
これら排気機能を発揮する構造物は、大きく分けて回転自在に軸支された回転部と筐体に対して固定された固定部から構成されている。
ターボ分子ポンプ1の筐体を構成する上部ケーシング101および下部ケーシング102は、各々の結合部分に設けられた取り付け部をボルト等の締結部材を用いて固定することによって結合されている。
上部ケーシング101および下部ケーシング102の双方の取り付け部は、ターボ分子ポンプ1の外周側に張り出したフランジ形状をしている。
さらに上部ケーシング101における取り付け部には、下部ケーシング102の取り付け部に対してさらに外周側へ張り出したフランジ部118が形成されている。
なお、上部ケーシング101のもう一方の端部には、当該ターボ分子ポンプ1に気体を導入するための吸気口110が形成されている。
また、下部ケーシング102には、当該ターボ分子ポンプ1から気体を排気するための排気口111が形成されている。
回転部は、回転軸であるシャフト104、このシャフト104に配設されたロータ105、ロータ105に設けられたロータ翼106、排気口111側(ねじ溝式ポンプ部)に設けられたステータコラム107などから構成されている。
ロータ翼106は、シャフト104の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜してシャフト104から放射状に伸びたブレードからなる。
また、ステータコラムは、ロータ105の回転軸線と同心の円筒形状をした円筒部材からなる。
シャフト104の軸線方向中程には、シャフト104を高速回転させるためのモータ部109が設けられている。
さらに、シャフト104のモータ部109に対して吸気口110側、および排気口111側には、シャフト104をラジアル方向(径方向)に軸支するための径方向磁気軸受装置112、113、シャフト104の下端には、シャフト104を軸線方向(アキシャル方向)に軸支するための軸方向磁気軸受装置114が設けられている。
筐体の内周側には、固定部が形成されている。この固定部は、吸気口110側(ターボ分子ポンプ部)に設けられたステータ翼115と、下部ケーシング102の内周面に形成されたねじ溝部116などから構成されている。
ステータ翼115は、シャフト104の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して筐体の内周面からシャフト104に向かって伸びたブレードから構成されている。
各段のステータ翼115は、円筒形状をしたスペーサ117により互いに隔てられている。
ターボ分子ポンプ部では、ステータ翼115が軸線方向に、ロータ翼106と互い違いに複数段形成されている。
ねじ溝部116には、ステータコラム107との対向面にらせん溝が形成されている。ねじ溝部116は、所定のクリアランス(間隙)を隔ててステータコラム107の外周面に対面するようになっている。ねじ溝部116に形成されたらせん溝の方向は、らせん溝内をロータ105の回転方向にガスが輸送された場合、排気口111に向かう方向である。
また、らせん溝の深さは、排気口111に近づくにつれ浅くなるようになっており、らせん溝を輸送されるガスは排気口111に近づくにつれて圧縮されるようになっている。
このように構成されたターボ分子ポンプ1により、主真空室2内の真空排気処理を行うようになっている。
ターボ分子ポンプ1は、回転部を高速回転させて排気処理行っているため、気体(ガス)分子の衝突熱や、モータ部109から発生する熱などより加熱されて高温状態となる場合がある。
しかし、上部ケーシング101の端部に形成されている吸気口110部の圧力は、主真空室2内の圧力とほぼ等しくなるようになっているため、対流による熱伝達(対流熱伝達)は起こりにくい構造となっている。
また、ターボ分子ポンプ1では、回転部が高速回転すると、モータ部109で生じるコギングトルクにより振動が発生する場合がある。また、ロータ105のバランスが完全にとれていない場合には、シャフト104の振れによる振動も発生してしまう。
このような、ターボ分子ポンプ1の内部で生じる振動は、筐体を構成する上部ケーシング101や下部ケーシング102に伝達してしまう。
次に、主真空室2について説明する。
主真空室2は、例えば、半導体製造装置用のチャンバや、電子顕微鏡の測定室として用いられる真空装置を形成している。
主真空室2は、主真空室壁21によって構成された、排気ポート22を有する真空容器である。主真空室壁21は、強度のある金属、例えば、アルミニウム合金厚板等により形成されている。
排気ポート22は、主真空室2を真空排気する際に内部ガスの排気口として機能する。ターボ分子ポンプ1と主真空室2とは、この排気ポート22を介して接続(結合)されるようになっている。
また、本実施の形態における排気ポート22は、主真空室2に対して内側に張り出したフランジ状に形成されているが、主真空室2に対して外側に張り出したフランジ状に形成するようにしてもよい。
排気ポート22の開口部分の面積(大きさ)は、接続されるターボ分子ポンプ1の吸気口110あるいは、真空シール構造4の形状に応じた適切な値となっている。
図示されていないが、主真空室壁21には、例えば、主真空室2内で扱う試料の取り出し口や、各種装置の配線の引き込み口が設けられている場合もある。なお、このような開口部を設けた場合には、ガスのリークを避けるために、開口部には、シール(密封)処理を施す。
次に、副真空室3について説明する。
副真空室3は、主真空室2、真空シール構造4およびターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101の領域を内包するように設けられた真空装置である。
副真空室3は、副真空室壁31によって構成され、粗排気ポート32およびターボ分子ポンプ1を貫通させるためのポンプ貫通ポート33を有する真空容器である。副真空室壁31は、主真空室壁21同様、強度のある金属、例えば、アルミニウム合金厚板等により形成されている。
副真空室3は、粗引真空ポンプ6によって、粗引き真空排気(粗真空排気処理)が行われるようになっている。
粗排気ポート32は、副真空室3を粗引き真空排気する際に内部ガスの排気口として機能する。
粗引真空ポンプ6は、粗排気ポート32に接続された粗引切替弁7を介して副真空室3と接続されている。
粗引切替弁7は、一方が粗排気ポート32に接続されており、もう一方が、ターボ分子ポンプ1の排気口111に接続されている。この粗引切替弁7を切り替えることによって、粗引真空ポンプ6によって排気処理される気体の流路が選択できるようになっている。即ち、粗引切替弁7を切り替えることによって、粗引真空ポンプ6へ導入される気体の供給元を、例えば、粗排気ポート32のみ、ターボ分子ポンプ1の排気口111のみ、粗排気ポート32およびターボ分子ポンプ1の排気口111の双方のように切り替えることができるようになっている。
なお、本実施の形態では、粗引切替弁7を介して、粗引真空ポンプ6を接続するようになっているが、粗引真空ポンプ6はこれに限定されるものではない。例えば、粗排気ポート32に粗引真空ポンプ6の吸気口を直接接続するようにしてもよい。
ポンプ貫通ポート33にターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101を嵌め込み、その嵌め込んだ状態で、副真空室3は、ターボ分子ポンプ1と結合されている。副真空室3とターボ分子ポンプ1は、ポンプ貫通ポート33の外周部に設けられているフランジ状の取り付け部と、ターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101に設けられたフランジ部118とをボルト等の締結部材を用いて固定することによって結合されている。
なお、ターボ分子ポンプ1と副真空室3との接合部からのガスのリークを避けるために、接続部には、シール(密封)処理が施されている。シール処理としては、例えば、Oリング等のシール部材を介在させるようにする。
このように、副真空室3は、ターボ分子ポンプ1の筐体(詳しくは、上部ケーシング101)に直接結合されている。そのため、ターボ分子ポンプ1の振動が直接フランジ部118を介して副真空室3に伝播してしまう。
この副真空室3に伝播した振動が主真空室2へさらに伝播することを抑制するために、図1に示す本実施の形態においては、主真空室2は、制振装置5を介在させて副真空室壁31に固定されている。制振装置5を介して主真空室2を固定(支持)することによって、主真空室2と副真空室3とを機械的な振動の面から絶縁することができるようになっている。
主真空室2への振動の伝播を適切に抑制(遮断)するために、制振装置5は、例えば、アクティブ制御方式を用いた装置であることが好ましい。また、制振装置5の代わりに、振動吸収効率の高い除振装置を用いるようにしてもよい。
このように、主真空室2を振動の面から外部(取付設置部)と絶縁(隔絶)することによって、主真空室2内で扱う試料や装置等に及ぼされる影響を低減させることができる。
次に、真空シール構造4について説明する。
真空シール構造4は、主真空室2の排気ポート22とターボ分子ポンプ1の吸気口110との接続(結合)部に設けられた、主真空室2と副真空室3とをシールするための構造である。
真空シール構造4を設けて主真空室2と副真空室3との間に生じる気体のリークを抑制あるいは低減させることにより、主真空室2の排気効率を向上させることができる。
この真空シール構造4は、既に真空(中真空)状態となっている副真空室3内に配設されるようになっている。そのため主真空室2と副真空室3との間の圧力差を極めて小さくすることができる。これにより、主真空室2へのガスのリーク量を小さい値に抑えることができるようになっている。
また、真空シール構造4は、既に真空(中真空)状態となっている副真空室3内に配設されることにより、主真空室2に求められる真空到達性能によっては、比較的単純な(簡単な)構造のシール構造を採用することができる。
さらに、本実施の形態に係る真空シール構造4は、大気中に配設されていないだけでなく、ターボ分子ポンプ1を支持する機能を担うものではないため、従来技術で説明したようなダンパほどの剛性の高い部材で構成する必要がない。従って、真空シール構造4には、高い剛性特性を求める必要がない。
続いて、真空シール構造4の具体的な構成について説明する。
図2(a)は、隙間dを用いた場合の真空シール構造4を示した図である。
図2(b)は、ラビリンスシールを用いた場合の真空シール構造4を示した図である。
図2(c)は、シール部材43を用いた場合の真空シール構造4を示した図である。
はじめに、隙間dを用いて真空シール構造4を構成した例について説明する。
この実施の形態では、図2(a)に示すように、主真空室2とターボ分子ポンプ1との間に所定の隙間dを設けることで真空シール構造4を構成している。
詳しくは、排気ポート22の外周を形成する主真空室壁21における副真空室3に対面する面(外側面)と、ターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101における吸気口110側の端面との間に、所定の間隔、即ち隙間dを設けることによって、真空シール構造4を構成している。
ここで、主真空室2とターボ分子ポンプ1との間に設けられる隙間dの導出(算出)方法について説明する。
隙間dは、この隙間dを通過するガスのリーク量が所望の値となるように設定されている。
はじめに、隙間dからのガスのリーク量Q[Pam/s]を算出する方法について説明する。
ここでは、排気ポート22の直径φDが隙間dよりも十分大きいと仮定し、平行となるように配置された長方形の2面の間を通過するガスの流量をリーク量とする。なお、2面の間(以下、平行2面間とする)とは、排気ポート22の外周を形成する主真空室壁21における副真空室3に対面する面(外側面)と、ターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101における吸気口110側の端面との間に相当する。
平行2面間の気体の流れやすさを表す排気抵抗の逆数、即ちコンダクタンスC[m/s]は、長方形の短辺2をL、長辺をA、平行2面間の補正係数をK[L/d]とした場合、次式で表される。
(式1) C=309・K・A・d/L ただし、K=3/8ln(L/d)
一方、主真空室2内圧力をP1[Pa]、副真空室3内圧力をP2[Pa]、ターボ分子ポンプ1の吸気口110圧力をPb[Pa]、ターボ分子ポンプ1の排気速度Sb[m/s]とすると、コンダクタンスCの定義(式1)より、次式が成立する。
(式2) Q=C(P2・P1)
(式3) Q=Pb×Sb
ここで、定常状態をPb=P1とする。
そして、排気ポート22の直径φDであるので、A=πDとなり、これらの条件に基づいて式を解くと、隙間dと主真空室2内圧力P1(到達圧力)の関係を求めることができる。なお、主真空室壁21面からの放出ガス量は、Qに対して十分小さいものとして省略する。
従って、隙間dの値は、隙間dと主真空室2内圧力P1(到達圧力)の関係に基づいて導き出すことができる。
このように、隙間dは、主真空室2からの気体のリーク量と、このリーク量が主真空室2内の到達圧力に与える影響に基づいて算出(決定)される値となっている。
続いて、主真空室2内圧力P1(到達圧力)の実際の算出例について示す。
ここでは、Sb=2.0[m/s]、φD=0.25[m]、L=50[mm]、隙間d=0.5[mm]との条件に基づいてP1を算出する。φD=0.25[m]であるので、A≒0.94[m]となる。
そして、K=1.73とすると、上記(式1)より、C=1.60×10[Pa]となる。
一方、定常状態をPb=P1とし、副真空室3内圧力P2を1×10[Pa]とすると、(式2)および(式3)より、P1=4×10[Pa]となる。
このような条件下であれば、隙間d=0.5[mm]において、主真空室2内の圧力は十分に低圧状態となっているため、隙間dを用いた非接触タイプの真空シール構造4は、真空シールとして機能していることがわかる。
このように、真空シール構造4は、既に真空(中真空)状態となっている副真空室3内に配設されているため、隙間dを介在させるようなシール構造であっても、十分に真空排気装置の仕様を満足することができる。
上述したように、隙間dによる真空シール構造4を用いた場合、真空シール構造4部分において、主真空室壁21とターボ分子ポンプ1とは物理的(機械的)に接触していない。そのため、ターボ分子ポンプ1で発生した振動が真空シール構造4を介して伝播することを適切に抑制(遮断)することができる。
また、振動だけでなくターボ分子ポンプ1で発生した熱も真空シール構造4を介して伝導することがなくなるため、主真空室2の加熱による温度上昇を抑制することができる。
次に、図2(b)に示す、ラビリンスシールを用いて真空シール構造4を構成した例について説明する。
ラビリンスシールとは、非接触シールの一種であり、隙間の部分を複雑な流路によって構成することによって、気体(流体)のリークを抑制(遮断)するものである。
このラビリンスシールによって真空シール構造4を構成することにより、前述した隙間dを用いた場合よりも、さらに真空シール特性を向上させることができる。即ち、よりリーク量を減少させることができる。これにより、主真空室2は、より低い圧力に達することができる。
本実施の形態に係る真空シール構造4におけるラビリンスシールは、ターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101における吸気口110側の端面から突起した環状の突起部41と、主真空室2の排気ポート22の外周を形成する主真空室壁21における副真空室3に対面する面(外側面)から突起した環状の突起部42と、から構成されている。
突起部41および突起部42は、それぞれ半径方向に隙間を介して複数形成されている。そして、これらの突起部41および突起部42は互いに、間に空隙(クリアランス)を設けた状態で、即ち、非接触状態で噛み合うように配置されている。
このように、噛み合わされた突起部41および突起部42によってジグザグに形成された空隙によって、複雑な気体の流路が形成されるようになっている。
さらに機密性を高める必要性がある場合には、突起部41および突起部42の対を追加して、ラビリンスシールに形成されるジグザグの流路を長く複雑にするようにする。
上述したように、ラビリンスシールによる真空シール構造4を用いた場合、真空シール構造4部分において、主真空室壁21とターボ分子ポンプ1とは物理的(機械的)に接触していない。そのため、ターボ分子ポンプ1で発生した振動が真空シール構造4を介して伝播することを適切に抑制(遮断)することができる。
さらに、振動だけでなくターボ分子ポンプ1で発生した熱も真空シール構造4を介して伝導することがなくなるため、主真空室2の温度上昇を抑制することができる。
次に、図2(c)に示す、シール部材43を用いて真空シール構造4を構成した例について説明する。
前述したラビリンスシールを用いた真空シール構造4よりも、さらに高い真空シール特性を要求するような場合には、シール部材43を用いた接触シールを用いる必要がある。
このような場合であっても、シール部材43は、既に真空(中真空)状態となっている副真空室3内に配設されるため、剛性の高い部材で構成する必要がない。
従って、シール部材43は、剛性の低い、即ち柔軟性の高い振動の吸収特性に優れた材質によって形成することができる。
本実施の形態に係るシール部材43を用いた真空シール構造4は、主真空室2の排気ポート22の外周を形成する主真空室壁21における副真空室3に対面する面(外側面)と、ターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101における吸気口110側の端面との間に配設されたシール部材43によって構成されている。
このシール部材43は、ターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101における吸気口110側の端面上に固定された環状の部材である。
このシール部材43は、柔軟性の高い部材、例えば、弾性率の低いラバーやポリマー材等によって形成されている。
そして、シール部材43の柔軟性の高い特性を利用することによって、主真空室2と副真空室3とに、圧力差が生じるような場合においても、この圧力差によって作用する力に対応して形状を柔軟に変形させることができる。
そのため、常時、シール部材43と、主真空室2の排気ポート22の外周を形成する主真空室壁21における副真空室3に対面する面(外側面)との接触(密封)状態を容易に保持することができる。
また、環状のシール部材43の代わりに、外周にちょうちん状の深いひだをもった円筒状のベローズを用いるようにしてもよい。
本実施の形態における真空シール構造4には、直接大気圧が作用しない。それだけでなく、真空シール構造4には、主真空室2を支持する、あるいはターボ分子ポンプ1を支持する機能は要求されていないため、このベローズは高い剛性を必要としない。
従って、ベローズも、柔軟性の高い材質によって形成することができる。
上述したように、シール部材43による真空シール構造4を用いた場合、主真空室壁21とターボ分子ポンプ1とは、柔軟性の高い部材で接続(結合)させることができる。そのため、ターボ分子ポンプ1で発生した振動をこのシール部材43で適切に吸収することができる。
また、柔軟性の高さだけでなく、断熱性の高さも考慮した材質によってシール部材43を形成することにより、振動だけでなくターボ分子ポンプ1で発生した熱が、真空シール構造4を介して伝導することを抑制することができる。
このように、本実施の形態によれば、主真空室2へ伝達する振動の減衰特性および熱伝達特性を著しく向上させることができる。
次に、真空シール構造4の別の実施の形態について説明する。
図3は、弾性体44を用いた場合の真空シール構造4を示した図である。
本実施の形態に係る弾性体44を用いた真空シール構造4は、主真空室2の排気ポート22の外周を形成する主真空室壁21における副真空室3に対面する面(外側面)と、ターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101における吸気口110側の端面との間に、配設された弾性体44、この弾性体44を固定するための溝45によって構成されている。
この弾性体44は、本体部を形成する環状の薄板の本体部46と、本体部46の一方の面上に張り合わせられた金属板47とで構成されている。
本体部46は、柔軟性の高い弾性部材、例えば、弾性率の低いラバーやポリマー材等によって形成されている。
金属板47は、本体部46の一方の面をコーティングするように張り合わせられた金属製の薄板であり、本体部46の有する弾性特性に影響を与えない程度の、柔軟性のある金属、例えば、ステンレス鋼やアルミニウムによって形成されている。
そして、本体部46と金属板47との複合(張り合わせ)構造によって構成された環状の弾性体44は、その外周端へ向かう領域において、金属板47の面が本体部46側に反るように、即ち、金属板47の面が湾出するように、湾曲に形成されている。
一方、本体部46は、その内周端へ向かう領域において、金属板47が外側面を形成するように、断面コの字型に形成されている。
なお、コの字型の部分は、ターボ分子ポンプ1の上部ケーシング101の端部に形成された環状の溝45と嵌合するようになっている。
この弾性体44のコの字型の部分を溝45に嵌合して固定することによって、真空シール構造4が構成される。
本実施の形態において弾性体44は、弾性体44を取り付けた状態、即ち、この弾性体44に何の力も作用しない状態において、金属板47の面の一部が主真空室壁21と軽く接触するように配設されている。
この真空シール構造4では、湾曲部分において、弾性体44の金属板47の面が、主真空室2から排気される気体の流路(気体移送路)と対向し、一方の本体部46の面が、副真空室3と対向するようになっている。
続いて、弾性体44によって構成される真空シール構造4の動作について説明する。
図4(a)は、主真空室2内圧力(P1)>副真空室3内圧力(P2)の場合における弾性体44の状態を示した図である。
図4(b)は、主真空室2内圧力(P1)≦副真空室3内圧力(P2)の場合における弾性体44の状態を示した図である。
図4(a)に示すように、主真空室2内圧力(P1)が副真空室3内圧力(P2)より高い(P1>P2)場合には、圧力差により生じる力が、主真空室2側から、即ち、気体の流路(気体移送路)側から弾性体44と主真空室壁21との接触部を押し開く方向に作用する。
従って、この圧力差により生じる力の作用によって、弾性体44がさらに本体部46側、即ち副真空室3側に反る(湾曲する)ように変形し、弾性体44と主真空室壁21との間に空隙が形成される。
そして、弾性体44と主真空室壁21と間に形成された隙間は、主真空室2から副真空室3へ気体をリークさせて、主真空室2の圧力を低下させるように機能するようになっている。
つまり、この隙間を形成することにより、主真空室2と副真空室3との圧力差がなくなる方向に状態を移行させることができる。
一方、図4(b)に示すように、主真空室2内圧力(P1)が副真空室3内圧力(P2)より低い(P1<P2)の場合には、圧力差により生じる力が、副真空室3側から、弾性体44の反りを戻す方向に作用する。
従って、この圧力差により生じる力の作用によって、弾性体44が金属板47側、即ち主真空室2側へ反り(湾曲部)が戻るように変形し、弾性体44と主真空室壁21とが接触する。
そして、弾性体44と主真空室壁21とが接触してシール(密封)構造を形成する。これにより、副真空室3から主真空室2への気体のリークが遮断される。
つまり、弾性体44によって、主真空室2と副真空室3とがシールされることにより、適切に主真空室2の低圧状態を保持することができるため、真空排気処理の効率を向上させることができる。
ところで、弾性体44を用いた真空シール構造4では、上述したように、接触状態と非接触状態の双方の状態が存在している。特に、接触状態においては、接触する際の衝撃により、接触部から摩耗片が発生するおそれがある。このような摩耗片は、主真空室2内に進入して装置等に障害をきたすおそれがある。
そこで、このような接触部面の摩耗を抑制するために、図3に示すように、弾性体44と接触する、主真空室壁21における副真空室3に対面する面(外側面)に、コーティング部材48を設けるようにしてもよい。
なお、このコーティング部材48の材質としては、母体部である副真空室壁31および金属板47を形成する金属よりも硬度の高いある金属等を用いるようにする。例えば、母体部がステンレス鋼もしくはアルミニウムの場合には、コーティング部材48をTiO(酸化チタン)、TiN(窒化チタン)、DLC(Diamond Like Carbon)等が有効である。
このようなコーティング部材48を設けることにより、弾性体44の接触部(摺動部)における摩耗片の発生を低減させることができる。
また、ラバーやポリマー材等は、金属とは異なり、超高真空状態となる部位に設けた場合には、部材自体からガスが放出されることがある。そして、部材から放出されたガスが真空装置に何らかの影響を与えるおそれがある。
しかし、上述したような、弾性体44を用いた真空シール構造4では、弾性体44の主真空室2と対向する部分を金属板47を用いてコーティングすることによって、本体部46から放出されたガスが、主真空室2へ直接流出しないようにすることができる。
従って、本体部46を形成する部材として、ラバーやポリマー材等を用いることができる。
弾性体44は、ラバーやポリマー材等を用いた本体部46と金属板47との複合(張り合わせ)構造によって構成することにより、弾性体44を金属製の部材のみで構成した場合よりも、剛性を高く、かつ柔軟性を高く(ダンピング特性を良く)することができる。
ところで、従来、主真空室2と副真空室3との連通ポートが、ターボ分子ポンプ1起動する前の主真空室2の粗引き真空排気処理を行う際にのみ必要となっていた。
しかし、弾性体44を用いて真空シール構造4を構成することにより、主真空室2の粗引き真空排気処理時には、弾性体44が開放されるため、別途連通ポートを設ける必要がなくなる。
これにより、真空排気装置のコスト低減に繋がるだけでなく、装置の構造および制御シーケンスを簡単にすることができる。
次に、ターボ分子ポンプ1における排気口111(排気部)の接続方法の変形例について説明する。
図5は、本実施の形態に係る真空排気装置における、ターボ分子ポンプ1の排気口111の接続方法の第1変形例を示した図である。
なお、上述した図1に示す実施の形態と同一部分(重複する箇所)には、同一の符号を用い詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る接続方法の第1変形例では、副真空室3にさらにターボ分子ポンプ1の排気口111から排出される気体を吸入するための接続ポート34が設けられている。
この接続ポート34とターボ分子ポンプ1の排気口111とは、排気ダクト35によって接続されている。
そして、副真空室3の粗排気ポート32は、粗引真空ポンプ6に接続されるようになっている。
接続方法の第1変形例では、主真空室2内の気体(ガス)が、ターボ分子ポンプ1の吸気口110に導入され、そしてターボ分子ポンプ1の排気口111から排出される。
次にターボ分子ポンプ1から排気された気体は、排気ダクト35を経由して副真空室3へ導入され、副真空室3内の気体と混じる。
そして、副真空室3内の気体は、粗排気ポート32を通過して副真空室3から排気される。なお、副真空室3内の粗引き真空排気(粗真空排気処理)は、粗引真空ポンプ6によって行われる。
このように、ターボ分子ポンプ1から排出される気体を、副真空室3内の気体と合わせて粗引き真空排気処理をすることにより、図1に示される粗引切替弁7を用いることなく真空排気装置を構成することができる。即ち、真空排気処理装置における粗引き真空ポンプ6を、主真空室2および副真空室3ごとに複数設ける必要がなくなる。
図6は、本実施の形態に係る真空排気装置における、ターボ分子ポンプ1の排気口111の接続方法の第2変形例を示した図である。
なお、上述した図1に示す実施の形態および接続方法の第1変形例と同一部分(重複する箇所)には、同一の符号を用い詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る接続方法の第2変形例は、さらに接続方法の第1変形例で用いられている排気ダクト35を排除することを可能にした構成となっている。
接続方法の第2変形例では、ターボ分子ポンプ1の筐体を構成する上部ケーシング101’が、図1に示される上部ケーシング101の軸方向の長さよりもさらに延長されている。
この上部ケーシング101’は、その軸線排気方向側の端面が、当該ターボ分子ポンプ1の端部近傍に設けられる程度に延長されている。そのため、排気口111’が上部ケーシング101’の側面に形成されるように構成されている。
ターボ分子ポンプ1は、上部ケーシング101’を副真空室3に嵌め込んだ状態で副真空室3と結合されている。従って、ターボ分子ポンプ1の排気口111’は、副真空室3と連通するように配置される。
これにより、ターボ分子ポンプ1から排気される気体は、排気口111’から副真空室3へ導入することができる。即ち、図5に示される接続方法の第1変形例に設けられている、ターボ分子ポンプ1の排気口111と副真空室3とを接続するための排気ダクト35を排除することができる。
接続方法の第2変形例によれば、ターボ分子ポンプ1から排出される気体を、直接副真空室3へ導入し、副真空室3内の気体と合わせて粗引き真空排気処理をすることにより、図1に示される粗引切替弁7を用いることなく、さらに、排気ダクト35を設けることなく真空排気装置を構成することができる。
次に、本実施の形態に係る真空排気装置における主真空室2の固定方法の変形例について説明する。
図7(a)は、本実施の形態に係る真空排気装置における、主真空室2の固定方法の第1変形例を示した図である。
図7(b)は、本実施の形態に係る真空排気装置における、主真空室2の固定方法の第2変形例を示した図である。
なお、上述した図1に示す実施の形態と同一部分(重複する箇所)には、同一の符号を用い詳細な説明を省略する。
図7(a)に示す固定方法の第1変形例では、図1に示される本実施の形態の構成にさらに、副真空室3を制振装置51を介在させて接地面(固定面)に固定する構成をとっている。
制振装置51を介して、副真空室3を接地面に対して固定することによって、さらに、接地面と副真空室3とを機械的な振動の面から絶縁することができるようになっている。これにより、接地面(固定面)から副真空室3へ伝播する、例えば地震による振動等の外乱的振動を適切に抑制(低減)させることができる。
図7(b)に示す固定方法の第2変形例では、副真空室3を制振装置51を介在させて接地面(固定面)に固定し、主真空室2を制振装置52を介在させて接地面(固定面)に固定する構成をとっている。
なお、主真空室2を支持する制振装置52は、副真空室壁31を貫通させて配設しなければならないため、副真空室壁31の制振装置52が貫通する箇所からガスがリークするおそれがある。
そのため、副真空室壁31の制振装置52が貫通する箇所には、シール部材53によってシール(密封)処理が施されている。シール部材としては、例えば、Oリング等を用いるようにする。
制振装置52を介し主真空室2を接地面に対して固定することによって、副真空室3からもたらされる主真空室への振動の影響を低減させることができる。
なお、固定方法の変形例1および変形例2で用いられている制振装置51、52は、制振装置5と同様の、例えば、アクティブ制御方式を用いた装置であることが好ましい。また、制振装置の代わりに、例えば、振動吸収効率の高い除振装置を用いるようにしてもよい。
上述したような、真空室を主真空室2と副真空室3の二重構造とし、ターボ分子ポンプ1と主真空室2との間に設けられた真空シール構造4を副真空室3内に配設した本実施の形態によれば、ターボ分子ポンプ1で発生した熱、ターボ分子ポンプ1の不具合時等に発生する振動、またはターボ分子ポンプ1本体にかかるモーメントを主真空室2へ伝播(伝達)させない、あるいは減衰(低減)させることができる。
従って、ターボ分子ポンプ1で生じた振動や熱が主真空室2側に与える影響を抑制(低減)させることができる。
本実施の形態に係る真空排気装置の概略構成を示した図である。 (a)は、隙間を用いた場合の真空シール構造を示した図であり、(b)は、ラビリンスシールを用いた場合の真空シール構造を示した図であり、(c)は、シール部材を用いた場合の真空シール構造を示した図である。 弾性体を用いた場合の真空シール構造を示した図である。 (a)は、主真空室内圧力(P1)>副真空室内圧力(P2)の場合における弾性体の状態を示した図であり、(b)は、主真空室内圧力(P1)≦副真空室内圧力(P2)の場合における弾性体の状態を示した図である。 本実施の形態に係る真空排気装置における、ターボ分子ポンプの排気口の接続方法の第1変形例を示した図である。 本実施の形態に係る真空排気装置における、ターボ分子ポンプの排気口の接続方法の第2変形例を示した図である。 (a)は、本実施の形態に係る真空排気装置における、主真空室の固定方法の第1変形例を示した図であり、(b)は、本実施の形態に係る真空排気装置における、主真空室の固定方法の第2変形例を示した図である。
符号の説明
1 ターボ分子ポンプ
2 主真空室
3 副真空室
4 真空シール構造
5 制振装置
6 粗引真空ポンプ
7 粗引切替弁
21 主真空室壁
22 排気ポート
31 副真空室壁
32 粗排気ポート
33 ポンプ貫通ポート
34 接続ポート
35 排気ダクト
41 突起部
42 突起部
43 シール部材
44 弾性体
45 溝
46 本体部
47 金属板
48 コーティング部材
51 制振装置
52 制振装置
53 シール部材
101 上部ケーシング
102 下部ケーシング
104 シャフト
105 ロータ
106 ロータ翼
107 ステータコラム
109 モータ部
110 吸気口
111 排気口
112 径方向磁気軸受装置
113 径方向磁気軸受装置
114 軸方向磁気軸受装置
115 ステータ翼
116 溝部
117 スペーサ
118 フランジ部

Claims (3)

  1. 主真空室と、
    前記主真空室の真空排気処理を行う真空ポンプと、
    前記主真空室および前記真空ポンプの吸気口を内包し、粗真空排気処理される副真空室と、
    を備え、
    前記主真空室と前記真空ポンプとは、前記主真空室と前記副真空室との間における気体の漏洩を防止あるいは低減するシール構造を介して接合されていることを特徴とする真空排気装置。
  2. 前記主真空室と前記真空ポンプとは、所定の間隙、非接触シール、シール部材、又は、前記主真空と前記副真空室間の圧力差に応じて変形する弾性部材を介して接合されていることを特徴とする請求項1記載の真空排気装置。
  3. 前記副真空室の粗真空排気処理を行う粗真空ポンプを備え、
    前記真空ポンプの排気口は、前記副真空室と連通していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の真空排気装置。
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