JP2005344267A - ピッチ抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製紙工程におけるピッチによる凝集物問題において、従来の技術による凝集物対策よりも更に良好な対策を講じることが可能なピッチ抑制剤を提供する。
【解決手段】 (a)アルキルアミン類とエピハロヒドリンとを反応させた(A)反応物を主鎖として、(b)アニオン性モノマー、(c)非イオン性モノマー、(d)カチオン性モノマーから選ばれるモノマーを側鎖(B)としてグラフト重合させてなるグラフト重合体を成分とするピッチ抑制剤は、従来のピッチ抑制剤に比べさらに良好なピッチ抑制効果がある。



Description

本発明は、パルプ及び紙の製造工程における複雑化したピッチ等の凝集物による障害を抑制、防止するためのピッチコントロール剤の製造方法に関する。
紙及びパルプの製造工程においては種々の原因により断紙や製品欠点などのトラブルが発生しており、その対策は製紙工場における重要な課題となっている。一般に断紙や製品欠点の原因は様々であり、代表的な例としてピッチによるものが挙げられる。ピッチとは例えば木材から遊離される天然樹脂類や脂肪酸類、あるいは古紙から持ち込まれるガム物質、更には製紙工程で使用されるサイズ剤などの添加薬剤に由来する有機物質を主体とする非水溶性の粘着物質が凝集した物質である。このような凝集物はファンポンプ、配管、チェスト、フェルト、ロール等の製造設備や用具類に付着して生産性を阻害するだけでなく、パルプや紙へ付着して断紙や製品の品質低下の原因となる。現在の製紙工程ではパルプ原料や添加薬剤の多様化により凝集物の発生原因についても複雑化する傾向にある。更には、近年の古紙利用率増加や環境への配慮に伴う工程での水のクローズド化により、これらの原因となる物質の混入量が増加、蓄積する傾向にあり、前記問題は増大する傾向にある。
従来、前記問題を抑制、防止するために様々な方策が講じられている。例えば、非イオン界面活性剤やアニオン性ポリマーによってピッチを分散させる方法、タルクやクレイにピッチを吸着させ、ピッチの粘着性を低下させると共に紙に抄き込ませてしまう方法や、あるいはカチオン性ポリマーでピッチをパルプに定着させるなどの対策が提案されている。現在は特許文献1、特許文献2の如く、工程のクローズド化に伴う分散不良、タルクなどによる工程用具の摩耗、損傷などの問題からカチオン性ポリマーによる対策が主流である。
しかし、現在の凝集成分の多様化に対し、従来の方策では必ずしも満足できる対策を講じることが困難になってきている。
特許公開2002−201594 特表2000−511596
本発明の課題は、製紙工程における上記ピッチの原因による凝集物問題において、従来の技術による凝集物対策よりも、更に良好な対策を講じることが可能なピッチ抑制剤を提供することにある。
本発明者らは課題を解決するため鋭意研究を行った結果、(a)アルキルアミン類とエピハロヒドリンとを反応させた(A)反応物を主鎖として、(b)アニオン性モノマー、(c)非イオン性モノマー、(d)カチオン性モノマーから選ばれる1種または2種以上を側鎖(B)としてグラフト重合させてなる重合体を成分としてなるピッチ抑制剤は、ピッチ抑制剤が特に効果が高いことを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、アルキルアミン類(a)の少なくとも一種以上とエピハロヒドリンまたは/およびその誘導体を反応させて得られる反応物(A)を主鎖とし、これに、(b)アニオン性モノマー、(c)非イオン性モノマー、(d)カチオン性モノマーから選ばれる1種または2種以上を側鎖(B)としてグラフト重合させて得られるグラフト重合体を構成成分とするピッチ抑制剤である。
本発明の好ましい態様として、反応物(A)が、アルキルアミン類のアミノ基1当量に対しエピハロヒドリン又は/及びその誘導体を0.2〜1当量反応させることにより得られたものである上記のピッチ抑制剤がある。
本発明の別の好ましい態様として、反応物(A)のヒドロキシル基1当量に対し、(b)、(c)、(d)から選ばれる1種または2種以上のモノマーを合計で0.01〜50当量グラフト重合させてなる上記のピッチ抑制剤がある。以下、本発明の詳細を記述する。
本発明品によるピッチ抑制剤は従来のピッチコントロール剤を使用するに比べより効果の高いピッチコントロール剤であり、これを使用することにより製紙工程の配管などの製造設備への凝集物付着を著しく抑制し、紙の断紙や品質低下を防ぎ生産性、作業性の向上が得られる。
本発明に関わる(a)アルキルアミン類としては、メチルアミン、エチレンアミン、プロピルアミンなどの1級モノアミン類や、ジメチルアミン、ジエチルアミン等の2級モノアミン類、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルへキシレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリヒドロキシプロピルへキシレンジアミン、N,N−ジメチル−N’,N’−ジヒドロキシエチルプロピレンジアミン等のようなアルキレンジアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミンの様なポリアルキレンポリアミン類やこれらアルキルアミン類やアンモニアのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類の付加物が挙げられる。また、これらの(a)は、単独又は、2種以上組み合わせて用いることができる。これら(a)の中でも特に工業的に好ましいものは、ジメチルアミンやジエチル(メチル)アミノエチル(プロピル)アミン等が挙げられる。
次に使用するエピハロヒドリンとしてはエピクロロヒドリンあるいはエピブロモヒドリン等が挙げられるが、工業的にはエピクロロヒドリンが好ましい。更に使用するアルキレンジアミン類の何れのアミノ基も3級アミノ基の場合は、塩酸又は臭酸等の鉱酸とともに用いるか、あるいはエピハロヒドリンの誘導体、例えばエピハロヒドリンのハロゲン化開環物(例えば2−ヒドロキシ−1,3−ジクロル(又はジブロモ)プロパノール等を用いて反応させることもできる。
(a)とエピハロヒドリンとの反応は、使用する(a)のアミノ基の当量数に対し、エピハロヒドリンの反応当量比が1:0.2〜1で行うことが好ましく、特に好ましくは0.25〜0.6の範囲にて反応させる。反応mol比が0.2未満であると得られる生成物の重合数が不十分であり、性能が著しく劣り、1を超えると重合が著しく進み、ゲル化し易くなり製品安定状好ましくなく、さらには残存エピハロヒドリンが多くなり環境に悪影響を及ぼす可能性があるため好ましくない。
また、この反応は(a)のうち1種をエピハロヒドリンと反応させることも、(a)のうち2種以上を混合し同時にエピハロヒドリンと反応させることも、また段階的に反応させることも可能である。さらに本反応は、無溶媒で反応させることも水又は低級アルコール溶媒を用いて反応を行うことも可能である。反応温度は30〜100℃で反応させることが好ましい。
本反応による反応物(A)については、分子量が1000〜500000程度のものが好ましく、さらに3000〜300000程度のものが好ましい。1000未満のものを使用すると効果が劣り、500000を超えるものを使用すると凝集効果が強くなりピッチを凝集させてしまい効果が劣るため好ましくない。
また、本発明においては得られる反応物(A)に対してメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸などの4級化剤を反応させたものを反応物(A)として用いることも可能である。
次に得られた(A)のヒドロキシル基に対し、(b)アニオン性モノマー、(c)非イオン性モノマー、(d)カチオン性モノマーから選ばれる1種または2種以上を用いグラフト重合を行う。
ここで(b)アニオン性モノマーとはアニオン性の重合性を有する単量体であり、例えばアニオン性ビニルモノマー、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類やマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン酸等のジカルボン酸類、アクリル酸メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の有機スルホン酸類、又はこれらのナトリウム及びカリウム等の金属イオン塩等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、(c)非イオン性モノマーとしては、非イオン性の重合性を有する単量体であり、例えば非イオン性ビニルモノマー、具体的にはアクリルアミド、メタクリルアミドや前記(b)アニオン性モノマーのアルキルエステル(アルキル基1〜8)、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、(d)カチオン性モノマーとしては、カチオン性の重合性を有する単量体であり、例えばカチオン性ビニルモノマー、具体的にはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウム等のアリルアミン類、ジメチルジアリルアンモニウム等のジアリルアミン類、トリアリルアミン類等の第3級アミノ基を有するモノマー又はそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または該第3級アミノ基含有モノマーとメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロロヒドリンなどの4級化剤との反応によって得られる第4級アンモニウム塩を含有するモノマーなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
反応物(A)と(b)、(c)、(d)から選ばれるモノマーとの反応比は適宜変更できる。反応物(A)の有するヒドロキシル基1当量に対し、モノマー0.01〜50当量にて反応を行うことが好ましく、さらに好ましくは0.1〜30当量、特に好ましくは0.3〜20当量である。本発明においてはモノマーが多いほど、また重合開始剤の添加量を少なくする等反応条件の変更により高分子量の重合物が得られる。さらに、モノマーの使用量は主鎖である反応物(A)の分子量にもより、反応物(A)の重量平均分子量が10000以上である場合は反応物(A)のヒドロキシル基1当量に対しモノマーを20当量以下にて反応を行うことが更に好ましい。これは、反応比が20当量を超えると得られるグラフト重合体はゲルしやすく好ましくないためである。一方、反応物(A)の重量平均分子量が10000以下である場合は、反応比が20当量を超えて反応を行うことが可能である。しかし、反応比が50当量を超える場合、前者と同様にゲル化しやすく好ましくない。
グラフト重合反応は従来公知の方法により行うことが出来る。反応開始剤については過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類やこれら過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を組み合わせた形のレドックス開始剤等、またアゾ系開始剤等ラジカル重合開始剤を用いることによっても目的とするグラフト重合体が得られる。特に、硝酸セリウム(IV)アンモニウム塩や鉄(II)イオン/過酸化水素等の金属系触媒を用いることにより、よりグラフト率の高い重合体が得られる。グラフト重合体の分子量制御のため重合反応に際しイソプロパノール、チオ硫酸ナトリウムなどの連鎖移動剤を使用することも可能である。さらに非水溶性モノマーを使用する場合は乳化剤などを添加し乳化重合を行うことも可能である。また、複数種のモノマーを用いて反応を行う場合はそれぞれのモノマーをブロック重合しても、ランダム重合させることも可能である。反応温度は使用する開始剤により適宜設定することが好ましく、特に10℃〜100℃の範囲内で重合を行うことが好ましい。
得られるグラフト重合体の分子量については、重量平均分子量で1000〜900000程度が好ましく、さらに10000〜500000程度が好ましい。
重量平均分子量が1000未満であると効果が劣り、900000を超える場合、ピッチの凝集を発生させ効果が著しく低下するためである。
こうして得られたグラフト重合体は、従来のピッチ抑制剤よりも更に良好なピッチ抑制効果を示す。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また以下において重量平均分子量の測定はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用い下記条件により測定を行った。
測定器:島津製作所(株)製LC-10
カラム:(株)東ソーGPWXL
測定温度:40℃
検出器:示差屈折計
実施例1
温度計、冷却器、攪拌機、窒素導入管を備えた四つ口フラスコにN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン60.3g(0.5mol)と水を225g仕込む。次に1,3−ジクロロ−2−プロパノール43.3g(0.5mol)を2時間掛けて40℃以下で滴下し、その後70〜80℃にて6時間反応を行った。次に、メタクリル酸11.2g(0.1mol)およびジメチルアミノプロピルアクリルアミド20.3g(0.1mol)、水211.5gを添加する。攪拌しながら40℃で2時間窒素置換を行う。その後硝酸酸性の1M-硝酸セリウム(IV)アンモニウム溶液を3.0g添加し、同温度にて反応を2時間行った。その後35%塩酸を26.0g加え、固形分30%、重量平均分子量約45000の共重合体を得た。
実施例2
実施例1と同様の反応装置にジメチルアミン48.6g(1.1mol)と水206.6gを仕込む。次にエピクロロヒドリンを40.0g(0.4mol)を40℃以下で滴下し、その後70〜80℃にて4時間反応を行った。次に、メタクリル酸46.4g(0.5mol)と水93.3g添加し、40℃にて2時間窒素置換を行った。その後80℃に加熱した後1%過硫酸ナトリウム水溶液15.0gを加え、同温度にて2時間反応を行った。得られた反応物は固形分30%、重量平均分子量約90000であった。
実施例3
実施例1と同様の反応装置にジメチルアミノプロピルアミン40.6g(0.4mol)と水163.3gを仕込む。次にエピクロロヒドリンを29.4g(0.3mol)を40℃以下で滴下し、その後60℃で2時間反応を行った。さらにメタアクリルアミド33.8g(0.4mol)およびジメチルアミノエチルメタクリレート31.2g(0.2mol)、水145.7gを添加し、撹拌しながら2時間窒素置換を行う。その後40℃で硫酸酸性の0.1M-硫酸アンモニウム鉄(II)溶液を2gおよび35%過酸化水素4g加え、同温度にて4時間反応を行った。得られた反応物は固形分30%、重量平均分子量約28000であった。
実施例4
実施例1と同様の反応装置を用い、N,N-ジメチル-N’N’-ジヒドロキシエチルプロピレンジアミン63.5g(0.3mol)と水91.4gを加え、40℃以下にてエピクロロヒドリン27.8g(0.3mol)を滴下した。滴下終了後35%塩酸31.4g加え、70〜80℃にて6時間反応を行った。次に水173.0gを添加し、窒素置換を行いつつ40℃に加熱する。つぎに滴下ロートにアクリル酸24.1g(0.3mol)およびアクリロニトリル8.9g(0.2mol)を仕込む。さらに硝酸酸性の1M-硝酸セリウム(IV)アンモニウム水溶液3gと水27gを別の滴下ロートに仕込む。窒素置換を十分実施した後に前記モノマー及び開始剤を同時に1時間連続的に滴下し、同温度で2時間反応を行い重合物を得た。得られた重合物は固形分30%、重量平均分子量は約65000であった。
実施例5
実施例1と同様の反応装置に、ジエチレントリアミン27.7g(0.3mol)と水65.8gを仕込む。つぎにエピクロロヒドリンを24.8g(0.3mol)添加し、70〜80℃で4時間反応を行った。次に同温度で塩化メチル13.3g(0.3mol)を封入し、封入後2時間熟成を行った。その後、水を249.2gおよびアクリル酸38.7g(0.5mol)を仕込み、40℃にて2時間窒素置換を行った。次に80℃に加熱を行い、5mM-硫酸アンモニウム鉄(II)溶液を2gおよび35%過酸化水素2gを添加し同温度で2時間反応を行った。さらに同温度でアクリルアミド9.5g(0.1mol)及びジメチルアミノプロピルアクリルアミド21g(0.1mol)を仕込み、ついで5mM-硫酸アンモニウム鉄(II)溶液を2gおよび35%過酸化水素2gを添加し同温度で4時間反応を行い重合物を得た。得られた重合物は固形分30%、重量平均分子量約45000であった。
比較例1
実施例1と同様の反応装置にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン60.3g(0.5mol)と水を225g仕込む。次に1,3−ジクロロ−2−プロパノール43.3g(0.5mol)を2時間掛けて40℃以下で滴下し、その後70〜80℃にて6時間反応を行った。固形分30%とし、カチオンポリマーを得た。重量平均分子量は約3000であった。
比較例2
実施例1と同様の反応装置にジメチルアミン48.6g(1.1mol)と水206.6gを仕込む。次にエピクロロヒドリンを40.0g(0.4mol)を40℃以下で滴下し、その後70〜80℃にて4時間反応を行った。得られた反応物は固形分30%、重量平均分子量は約4000であった。
比較例3
実施例1と同様の反応装置にジメチルアミノプロピルアミン40.6g(0.4mol)と水163.3gを仕込む。次にエピクロロヒドリンを29.4g(0.3mol)を40℃以下で滴下し、その後60℃で2時間反応を行った。得られた反応物は固形分30%、重量平均分子量は約8000であった。
尚、重量平均分子量はゲルパー浸透クロマトグラフィ(GPC)により分析を行い分子量を測定した。
以上の実施例1〜5、及び比較例1〜3及び市販のカチオン性ポリマーを主成分としたピッチコントロール剤AおよびBについて以下に記すピッチ抑制試験を実施した。
テスト例1
新聞抄造工程より採取したピッチ(ピッチ1)を溶剤で抽出し、2%濃度に調整した。このピッチ溶液にDIPを浸漬し、110℃で3時間乾燥して得られたピッチ付着パルプ(ピッチ付着量:対パルプ1.5%)を15%濃度で離解後、清水で3%濃度に希釈し、さらに硫酸バン土を対パルプ2%添加し、試験用パルプスラリーとした。試験用パルプスラリーは、J.TAPPI紙パルプ試験NO.11のパルプピッチの金網付着試験法(試験器:熊谷理機工業(株)製ピッチテスター)に従って付着試験を行い、ワイヤーへの凝集物の付着量より性能評価を行った。尚、助剤の添加量は対パルプ当たり0.05重量%(固形分)であり、この時の試験温度は40℃である。
テスト例2
段ボール古紙を原料として中芯を製造している工程から採取したピッチ(ピッチ2)を用い、テスト例1と同様の試験を行った。
試験結果は表1に示す。なお、付着量及び防止率(%)は下記の通り表される。
Figure 2005344267
Figure 2005344267
Figure 2005344267
表1に示したとおり、本発明のピッチ抑制剤は、比較例および市販品と比べ、優れたピッチ抑制効果が有る。

Claims (3)

  1. アルキルアミン類(a)の少なくとも一種以上とエピハロヒドリンまたは/およびその誘導体を反応させて得られる反応物(A)を主鎖とし、これに、(b)アニオン性モノマー、(c)非イオン性モノマー、(d)カチオン性モノマーから選ばれる1種または2種以上を側鎖(B)としてグラフト重合させて得られるグラフト重合体を構成成分とするピッチ抑制剤。
  2. 反応物(A)が、アルキルアミン類のアミノ基1当量に対しエピハロヒドリン又は/及びその誘導体を0.2〜1当量反応させることにより得られたものである請求項1に記載のピッチ抑制剤。
  3. 反応物(A)のヒドロキシル基1当量に対し、(b)、(c)、(d)から選ばれる1種または2種以上のモノマーを合計で0.01〜50当量グラフト重合させてなる請求項1または2に記載のピッチ抑制剤。
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