JP2005343921A - 塗布用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的低い焼成温度でもバインダー樹脂を良好に熱分解除去することにより、気泡やピンホールの発生を抑制し、高い透明性と密度を有する無機成形体を形成可能な塗布用組成物を提供する。
また、本発明の塗布用組成物を用いることで、良好な画像表示性能を呈するガス放電表示デバイスを提供することも目的とする。
【解決手段】 塗布用組成物として、上記無機成形体の原料となる無機物質、メタクリル樹脂、溶剤に対し、ビス(ジメチルフェニルメタン)もしくは、ビス(トリフェニルメタン)を混合してなるものを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス放電パネルにおける誘電体層や封着部等の材料に用いられる塗布用組成物に関する。
従来から、例えば電気部材の製造において、半導体素子を被覆するセラミックパッケージのガラス封着、陰極線管(CRT)のガラス封着、ガス放電パネル(PDPなど)のガラス封着、或いは誘電体層や蛍光体層等を形成する目的で、無機物質をバインダー樹脂および溶剤と混練してなる塗布用組成物が用いられている。
バインダー樹脂としては、ニトロセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体(特許文献1、2参照)、ポリ−α−メチルスチレン(特許文献3参照)、アクリル系樹脂(特許文献4、5参照)、メタクリル樹脂などが挙げられる。
無機物質としては、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミック粉末の混合物を用いることができる。
塗布用組成物は、基板などに所定のパターンで塗布し、焼成工程で処理することで当該組成物中の有機成分を熱分解除去し、前記無機物質からなる成形体を形成するようになっている。
このような塗布用組成物は、焼成に係る高温によって前記電気部材が熱劣化するのを防止する等の目的で、前記無機物質を低温(400℃以下、好ましくは350℃以下)で軟化させることが望まれる。同様の理由で、成分中のバインダー樹脂の熱分解除去(「仮焼成」という)も、低温で行えることが望まれる。
なお、上記塗布用組成物は、高粘度を有する場合にはペースト組成物と呼ばれることもある。この「ペースト」とは、液体に所定成分が高濃度で分散され、全体として高粘度を呈するものを指す。
特開昭52−115815号公報 特開平6−321619号公報 特開平2−124744号公報 特開平10−324541号公報 特開平10−324869号公報
しかしながら従来の塗布用組成物では、必ずしも良好な無機成形体を得られない場合がある。
例えば、ある塗布用組成物においては、バインダー樹脂の熱分解温度が前記無機物質の軟化点以上となる場合がある。この場合、焼成工程において、バインダー樹脂の熱分解除去が不完全な段階から無機物質の溶融が始まり、バインダー樹脂が無機物質に内包された状態で焼失し、無機成形体の内部に気泡やピンホールを形成する原因となる。また、軟化した無機物質の内部にバインダー樹脂が完全に分解されずに残り、炭化物残渣となることもある。
このような気泡またはピンホール、炭化物残渣は、無機成形体の欠陥要因であって、以下の問題を生じるものである。
例えば、気泡またはピンホールに起因する空洞を有する無機成形体を、封着材(例えばガラスフリット封着部の材料)として用いると、空洞内を外気が流通するので十分な気密性が保持できない。当該無機形成体をガス放電パネルの誘電体層として用いれば、誘電体層中の気泡により透過光が散乱され、透明性が低下するので良好な画像表示性能が得られない。さらには誘電体層の密度が疎になるため、絶縁破壊の問題も生じ、正常な放電が行えないという危険性もある。
このような塗布用組成物の問題に対し、例えば特開2003−54991号公報には、ペースト中に過酸化物、アゾ化合物、重金属、重金属酸化物等をバインダー樹脂の分解促進物質として添加し、見かけ上のバインダー樹脂の熱分解温度を低下させる方法が提案されている。
しかし、過酸化物またはアゾ化合物は危険性が比較的高く、電気部材の製造に好適とは言い難い。また重金属や重金属酸化物を用いると、焼成後にこれらの重金属の残渣によって無機成形体が発色したり、透明性が低下するという別の問題も生じる場合がある。
このように現在では、塗布用組成物について未だ改良の余地が見られる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、比較的低い焼成温度でもバインダー樹脂を良好に熱分解除去することにより、気泡やピンホールの発生を抑制し、高い透明性と密度を有する無機成形体を形成可能な塗布用組成物を提供することにある。
また、前記塗布用組成物を用いることで、良好な画像表示性能を呈するガス放電表示デバイスを提供することも目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基体に塗布された後、これを焼成して無機成形体を形成するためのペースト組成物であって、上記無機成形体の原料となる無機物質、メタクリル樹脂、溶剤に対し、化1で表される化合物の群から選択される1種以上が混合されてなるものとした。
Figure 2005343921
但し、化1中において、R1〜R4は、フェニル基またはC1〜C4のアルキル基を指す。
また、R5およびR6はC1〜C4のアルキル基を指す。
さらに、nは0から5のいずれかの整数を指す。
ここで、前記化1で示される化合物の含有率が、ペースト組成物全体の0.0025重量パーセント以上0.25重量パーセント以下の範囲に設定することもできる。
また前記メタクリル樹脂の含有率は、ペースト組成物全体の0.05重量パーセント以上0.5重量パーセント以下の範囲とすることもできる。
さらに、前記無機物質が、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミック粉末の混合物としてもよい。
また本発明は、誘電体層を備えた密閉容器構造体を封着してなるガス放電デバイスの製造方法であって、前記本発明の塗布用組成物を用いて、誘電体層の形成工程または密閉容器構造体の封着工程を行うものとした。
以上の組成からなる本発明の塗布用組成物によれば、基体に塗布した後の焼成工程において、添加物である化1で示される化合物によって、バインダー樹脂として含まれるメタクリル樹脂の熱分解が促進される。
このため、本来のメタクリル樹脂の熱分解に係る温度より低い焼成段階、すなわち無機物質の軟化点より低い温度状態(例えば350℃以下の仮焼成条件下などの比較的低温の焼成条件下)にあっても、前記メタクリル樹脂を良好に熱分解除去することが可能である。
これにより、無機物質中でメタクリル樹脂が焼成することによる気泡・ピンホールの発生が抑制され、高い透明性と優れた密度を有する無機成形体が得られることとなる。
また、このような本発明の塗布用組成物をプラズマディスプレイパネルなどのガス放電表示デバイスの製造方法に適用すれば、優れた誘電体層やガラス封着部を製造することが可能であり、良好な画像表示性能を持つプラズマディスプレイパネルを実現できる。
1.実施の形態1(ペースト組成物について)
1-1.ペースト組成物の構成
以下、実施の形態1の塗布用組成物であるペースト組成物について詳細に説明する。
本実施の形態1のペースト組成物は、無機物質、バインダー樹脂としてのメタクリル樹脂、溶剤と、これに加えて前記化1の構造式で示される化合物を必須成分として含有させることで構成される。
前記化1で表される具体的な化合物としては、次の化2で示されるビス(ジメチルフェニルメタン)((CH32PhC-CPh(CH32、「BDM」と称される)や、化3で示されるビス(トリフェニルメタン)((Ph)3C−C(Ph)3)等が挙げられる。
Figure 2005343921
Figure 2005343921
これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して使用することもできる。化1で表される具体的な化合物をペースト組成物に入れる場合の含有率としては、ペースト組成物全体の0.0025重量パーセントから0.25重量パーセント(メタクリル樹脂に対して5重量パーセントから50重量パーセント)の範囲にあることが好ましい。
前記無機物質としては、電気部材(半導体素子のセラミックパッケージ)やガス放電デバイスの誘電体層、ガラス封着部に適用する場合、高温焼成工程下での熱劣化を防止するため、その軟化点が400℃以下、好ましくは350℃以下のガラス粉末またはガラス粉末とセラミック粉末との混合物を用いることが好ましい。
軟化点が400℃以下の無機物質としては、例えばP25−SnO系、P25−SnO−ZnO系、Bi25系、ZnO−B23−SiO2系、PbO−B23−SiO2系、PbO−B23−SiO2−Al23系、PbO−ZnO−B23−SiO2系などのガラス粉末、またはこれらのガラス粉末に対し、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、シリカ粉末、チタン酸鉛、コーディエライト(2MgO−2Al23−5SiO3系)、ムライト(Al23−SiO2系)等のセラミック粉末を加えてなる混合物を例示することができる。
前記溶剤としては、無機物質との親和性およびバインダー樹脂の溶解性が良好で、ペーストに適度な粘性を付与することができ、かつ乾燥させることで容易に除去できるものが好ましい。具体的には酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、ブチルカルビトールアセテート、ターピネオール等を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して使用することもできる。ペースト組成物における溶剤の含有率は、ペースト組成物の流動性(粘度)が、成形工程または塗布工程に適したものとなる範囲で適宜調製することができる。
前記バインダー樹脂としてのメタクリル樹脂は、無機物質の分散性、ペースト組成物の優れた塗布特性を持つものである。係るメタクリル樹脂の分子量としては、ガラス基板との密着性を考慮すると、重量平均分子量で5千から50万の範囲にあることが好ましい。ペースト組成物におけるメタクリル樹脂の含有率は、ペースト組成物全体の0.05重量パーセントから0.5重量パーセントの範囲にあることが好ましい。
なおペースト組成物には、上記の他に任意成分として各種の添加剤を配合させてもよい。係る添加剤としては、例えば界面活性剤、保存安定剤等を挙げることができる。
実施の形態1のペースト組成物は、前記の必須構成成分、すなわち無機物質、メタクリル樹脂および溶剤と、更に上記化1で示される化合物を、ボールミル、ミキサー、ホモジナイザー等の混練機を用いて混練することによって得ることができる。
1-2.ペースト組成物の効果
以上の構成を有する実施の形態1のペースト組成物によれば、一般的な公知の形成方法、すなわちディスペンサー法やスクリーン印刷法などによって、ガラスなどの基板表面に直接塗布される。その後塗布した当該ペーストを乾燥工程および焼成工程で順次処理することによって、最終的に層状あるいは膜状の無機成形体が形成される。
ここで、本実施の形態1のペースト組成物を用いれば、従来に比べて気泡やピンホールなどの数や空洞の発生が抑制され、密度が高く良好な透明性、気密性を有する無機形成体を実現できるという優れた特徴が発揮される。
具体的には、当該ペースト組成物中にバインダー樹脂であるメタクリル樹脂の分解に対して促進作用のある前記化1の化合物が含まれていることにより、焼成工程において比較的低い温度の段階で、メタクリル樹脂が熱分解され、上記効果が発揮される。
前記化1で表される化合物は、焼成工程の加熱下において炭素ラジカル発生剤となる。そして当該炭素ラジカル発生剤は、炭素化合物であるメタクリル樹脂の分子鎖(C-C結合)を切断するように働くので、これによってメタクリル樹脂の熱分解を良好に促進する効果が奏される。ここで図1は、炭素ラジカルとして作用する化1で表される化合物(ここではBDM)によるメタクリル樹脂の熱分解率を表す図である。当図に示すデータは、メタクリル樹脂に対してBDMを5重量パーセント、10重量パーセント、20重量パーセントでそれぞれ添加した場合における、メタクリル樹脂の熱分解率を示す。当図では、メタクリル樹脂に対してBDMを20重量パーセント含めた場合が、最も高い熱分解率を呈することが明らかにされている。
前記化1で表される化合物はこのようなラジカル作用をなしながら焼成工程で焼失するため、最終的に得られる無機形成体中で炭素残渣として残ることはない。
なお、化1で表される化合物は、特開2003−54991号公報などの従来技術で用いられる過酸化物やアゾ化合物等に比べて安全性が高い(具体的には、電気器具製造時に生じる恐れのあるスパーク・アーク放電等に対する引火性、爆発性の危険性が低い)ため、電気部材の製造に好適である。また、さらには光などによって簡単にラジカル分解することがないので、ペースト組成物に含めておいても長期にわたり高い安定性の保存が可能なメリットもある。
さらに化1で示される化合物は、発色を促すような性質を持たず、また無機成形体の特性を損なわないことが確認されている。このため、焼成工程後には無着色で良好な無機成形体が得られる。
このような無機成形体は、半導体素子のセラミックパッケージに適用した場合には透明性はそれほど問題はないが、低温で良好に焼成できるなどの利点が発揮される。
なお、前記バインダー樹脂であるメタクリル樹脂、前記化合物の各添加量範囲は前記した範囲以外でも良いが、なるべく上記の各範囲に基づき設定するのが好ましい。この根拠に付いては以下の通りである。
まず、樹脂の含有率がペースト組成物全体に対して0.05重量パーセントを下回る場合と、無機物質を十分に結着保持しにくい場合が見られる。一方、0.5重量パーセントを上回る場合にはガラスの焼結が不十分になり、かつ焼成時に残存樹脂に由来する炭化物残渣、気泡およびピンホールが多少発生しやすくなる。
また前記化1で示される化合物の含有率がメタクリル樹脂に対し5重量パーセントを下回る場合には、実質的にメタクリル樹脂の熱分解の促進が弱くなる。一方、化合部の無機物質に対する割合が50重量パーセントを上回る場合にはペースト組成物中の樹脂の結着力が弱くなる。
2.実施の形態2(ガス放電パネル)について
ここでは、実施の形態1のペースト組成物を用いたガス放電表示デバイスの構成例であるガス放電パネル(PDP)について説明する。
2-1.PDPの構成
図2は、実施の形態2に係る交流面放電型プラズマディスプレイパネル10(以下単に「PDP10」という)の主要構成を示す部分的な斜視図である。
PDP10は、一例として42インチクラスのVGA仕様に合わせたサイズ設定になっているが、本発明は勿論この他のサイズおよび仕様に適用させてもよい。
図2に示すように、PDP10の構成は互いに主面を対向させて配設されたフロントパネル20およびバックパネル26に大別される。
フロントパネル20の基板となるフロントパネルガラス21には、その片面に厚さ0.1μm、幅150μmの帯状の透明電極220(230)と、これに厚さ7μm、幅95μmのバスライン221(231)が重ねられてなる表示電極22(23)(X電極23、Y電極22)が、y方向を長手方向としてx方向に複数対並設されている(23、230は図面奥側に位置するため不図示)。各対の表示電極22、23は、それぞれフロントパネルガラス21の幅方向(Y方向)端部付近でパネル駆動回路(不図示)と電気的に接続される。このとき、Y電極22は一括してパネル駆動回路に接続され、X電極23はそれぞれ独立してパネル駆動回路に接続される。前記パネル駆動回路からY電極22と特定のX電極23に給電すると、当該表示電極22、23の間隙(約80μm)で面放電(維持放電)が行われる。
さらに、X電極23はスキャン電極としても作動し、アドレス電極28と書き込み放電(アドレス放電)をなすようになっている。
複数対の表示電極22、23を配設したフロントパネルガラス21の表面には、前記複数対の表示電極22、23を覆うように厚さ約30μmの誘電体層24がコートされている。さらに、この誘電体層24の上に厚さ約1.0μmの保護層25が積層されている。
バックパネル26の基板となるバックパネルガラス27には、その片面に厚さ5μm、幅60μmの複数のアドレス電極28が、x方向を長手方向としてy方向に複数並設されている。隣合う2つのアドレス電極28の並設ピッチは一定間隔(約150μm)である。複数のアドレス電極28は、それぞれ独立して前記パネル駆動回路に接続され、個別に給電されるようになっており、特定のアドレス電極28と、特定のX電極23との間でアドレス放電がなされるようになっている。
複数のアドレス電極28を並設したバックパネルガラス27の表面には、前記複数のアドレス電極28を覆うように厚さ30μmの誘電体膜29がコートされている。さらに誘電体膜29上には、隣接するアドレス電極28のピッチに合わせて高さ約150μm、幅約40μmの隔壁30が、x方向を長手方向として配設されている。
隣り合う2つの隔壁30の側面とその間の誘電体膜29の面上には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の何れかに対応する蛍光体層31〜33が形成されている。これらのRGB各蛍光体層31〜33はy方向に繰り返し配列される。
フロントパネル20とバックパネル26は、アドレス電極28と表示電極22、23が直交するように互いに対向させられ、両パネル20、26の外周縁部を囲繞するフリットガラス封着部(不図示)で接着される。これにより、当該両パネル20、26の間が封止されている。この両パネル20、26間には、He、Xe、Neから選ばれた元素の希ガス成分からなる放電ガスが所定の圧力(通常6.7×104〜1.0×105Pa程度)で封入されている。隣接する2つの隔壁30の間に対応する空間が、放電空間34となる。また、一対の表示電極22、23と1本のアドレス電極28が放電空間34を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかるセルに対応する。なお一例として、x方向のセルピッチは約1080μm、y方向のセルピッチは約360μmに設定されている。
このような構成のPDP10の駆動時には、まず前記パネル駆動回路によって、特定のアドレス電極28と、特定のX電極23にパルス電圧を印加し、アドレス放電させる。そして当該アドレス放電後に、一対の表示電極22、23間にパルスを印加し、維持放電させることによって、短波長の紫外線(波長約147nmを中心波長とする共鳴線)を発生させる。この紫外線照射により蛍光体層31〜33に含まれる蛍光体が可視光発光し、画像表示がなされる。
ここにおいて本実施の形態2では、前記誘電体層24、誘電体膜29、フリットガラス封着部の材料として本発明のペースト組成物を利用している特徴を有する。これによって、前記誘電体層24、誘電体膜29、フリットガラス封着部は、従来構成に比べて気泡やピンホールに起因する空洞の発生を回避して高い密度および気密性を有するように構成されており、且つ、優れた透明性を備えている。
このため、例えば駆動時に可視光発光を透過するフロントパネルFP側に設けられた前記誘電体層24においては、優れた透明性を有することで、可視光散乱などの問題を回避し、良好な画像表示性能が発揮される。また、誘電体層24、誘電体膜29が高い密度で構成されていることから、駆動時の放電にかかる絶縁破壊の発生も抑制され、アドレスミスの発生を防いで正確な放電が行われることとなるので、この点からも画像表示性能が向上されることとなる。
さらに、フリットガラス封着部においては高い気密性が発揮されるので、パネルのガス圧を良好に保ち、正常な放電の維持に寄与することもできる。
なお、この他に隔壁30の材料として本発明のペースト組成物を利用してもよい。
2-2.PDPの製造方法
ここでは実施の形態2のPDP10の製造方法について、その一例を説明する。
2-2-1.フロントパネルFPの作製
厚さ約2.6mmのソーダライムガラスからなるフロントパネルガラスの面上に表示電極を作製する。ここでは印刷法によって表示電極を形成する例を示すが、これ以外にもダイコート法、ブレードコート法等で形成することができる。
まず、ITO(透明電極)材料を所定のパターンでフロントパネルガラス上に塗布する。これを乾燥させる。
一方、フォトマスク法を用いて、金属(Ag)粉末と有機ビヒクルに感光性樹脂(光分解性樹脂)を混合してなる感光性ペーストを作製する。これを前記透明電極材料の上に重ねて塗布し、形成する表示電極のパターンを有するマスクで覆う。そして、当該マスク上から露光し、現像・焼成(590〜600℃程度の焼成温度)する。これにより透明電極上にバスラインが形成される。このフォトマスク法によれば、従来は100μmの線幅が限界とされていたスクリーン印刷法に比べ、30μm程度の線幅までバスラインを細線化することが可能である。なお、このバスラインの金属材料としては、この他にPt、Au、Ag、Al、Ni、Cr、また酸化錫、酸化インジウム等を用いることができる。
また、前記電極は上記方法以外にも、真空蒸着法、スパッタリング法などで電極材料を成膜したのち、エッチング処理して形成することも可能である。
次に、形成した表示電極の上から、実施の形態1で説明したペースト組成物をスクリーン印刷法等により塗布する。そして一定期間乾燥処理したのち、所定温度で焼成工程を行うことで誘電体層を形成する。これにより高い透明度を有する良好な無機形成体としての誘電体層が形成される。
次に、当該誘電体層の表面に厚さ約1μmにわたり酸化マグネシウムからなる保護層を形成する。当該形成方法はスパッタリング法等を利用することが可能である。
これでフロントパネルが作製される。
2-2-2.バックパネルの作製
厚さ約2.6mmのソーダライムガラスからなるバックパネルガラスの表面上に、スクリーン印刷法によりAgを主成分とする導電体材料を一定間隔でストライプ状に塗布し、厚さ約5μmのアドレス電極を形成する。ここで、作製するPDP1を例えば40インチクラスのNTSC規格もしくはVGA規格とするためには、隣り合う2つのアドレス電極の間隔を0.4mm程度以下に設定する。
続いて、アドレス電極を形成したバックパネルガラスの面全体にわたって鉛系ガラスペーストを厚さ約20〜30μmで塗布して焼成し、誘電体膜を形成する。
次に、誘電体膜と同じ鉛系ガラス材料を用いて、誘電体膜の上に、隣り合うアドレス電極の間毎に高さ約60〜100μmの隔壁を形成する。この隔壁は、例えば上記ガラス材料を含むペーストを繰り返しスクリーン印刷し、その後焼成して形成できる。
隔壁が形成できたら、隔壁の壁面と、隔壁間で露出している誘電体膜の表面に、赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体のいずれかを含む蛍光インクを塗布し、これを乾燥・焼成してそれぞれ蛍光体層とする。
RGB各色蛍光の化学組成は、例えば以下の通りである。
赤色蛍光体;Y23;Eu3+
緑色蛍光体;Zn2SO4;Mn
青色蛍光体;BaMgAl1017;Eu2+
各蛍光体材料は、平均粒径2.0μmのものが使用できる。これをサーバー内に50質量%の割合で入れるとともに、エチルセルロース1.0質量%、溶剤(α-ターピネオール)49質量%を投入し、サンドミルで撹拌混合して、15×10-3Pa・sの蛍光体インクを作製する。そして、これをポンプにて径60μmのノズルから隣接隔壁間に噴射させて塗布する。このとき、パネルを隔壁20の長手方向に移動させ、ストライプ状に蛍光体インクを塗布する。その後は500℃付近で10分間焼成し、蛍光体層を形成する。
以上でバックパネルが完成される。
なおフロントパネルガラスおよびバックパネルガラスをソーダライムガラスからなるものとしたが、これは材料の一例として挙げたものであって、これ以外の材料でもよい。
2-2-3.PDPの完成
作製したフロントパネルとバックパネルを互いに対向させ、両パネルの周縁をそれぞれ囲繞するように封着用ガラスとして、本発明のペースト組成物を塗布する。そして両パネルを貼り合わせ、一定時間乾燥後、焼成工程を行う。
その後、放電空間の内部を高真空(1.0×10-4Pa)程度に排気し、これに所定の圧力(ここでは66.5kPa〜101kPa)でNe-Xe系やHe-Ne-Xe系、He-Ne-Xe-Ar系などの放電ガスを封入する。
以上でPDP1が完成する。
なお、本発明のペースト組成物をPDPに適用する場合、当然ながら上記誘電体膜、誘電体層、ガラスフリット封着部の全てに適用する必要はなく、適宜この中から選んだ部分に用いればよい。
3.実施例および性能比較実験
以下、本発明の実施例としてペースト組成物を作製し、これについて実施した性能比較実験について説明する。各実施例の組成については後述の表1に併せて記載した。
<実施例1>
(1)ペースト組成物の調製:無機物質として、P25を30重量部、SnOを60重量部、ZnOを10重量部でそれぞれ含む組成のガラス粉末89.8重量パーセント、溶剤として酢酸イソアミル10重量パーセント、メタクリル樹脂として「オリコックスKC−1700P」(共栄社化学株式会社製)0.2重量パーセント、化1で示される化合物としてビス(ジメチルフェニルメタン)0.01重量パーセント(メタクリル樹脂に対して5重量パーセント)を加えたものをボールミルにて30分間混合、粉砕することにより、本発明のペースト組成物(実施例1)を調製した。
(2)無機成形体の製造:上記(1)で調製したペースト組成物を、ガラス基板上にディスペンサーを用いて塗布することにより、基板上に均一な塗膜を形成した。
ついで、前記塗膜を25℃にて一昼夜放置することで溶剤を乾燥除去した後、350℃にて焼成することで、ガラス基板上に無機成形体を製造した。
<実施例2および3>
前記ビス(ジメチルフェニルメタン)の含有量を0.02重量パーセント(メタクリル樹脂に対して10重量パーセント)、0.04重量パーセント(メタクリル樹脂に対して20重量パーセント)にそれぞれ設定したこと以外は、実施例1と同様に設定してペースト組成物を調製し、これを実施例2および3とした。且つ、それぞれの無機成形体を製造した。
<比較例1>
ビス(ジメチルフェニルメタン)を含有させない以外の条件は、実施例1と同様として比較用のペースト組成物を調製した。
ついで、上記各実施例1〜3と同様にペーストの塗布および溶剤の乾燥除去、焼成を行なって無機成形体を作製した。
一方、各実施例および比較例に相当するメタクリル樹脂の熱分解性評価について測定実験を行った。その方法としては、ペースト中に含まれるメタクリル樹脂に対し、ビス(ジメチルフェニルメタン)を、実施例1から3に示す重量比で添加した。これを乳鉢にて混合、粉砕した後、得られた混合粉末について、各々熱重量分析を行うものとした。このとき測定したメタクリル樹脂の熱分解温度として、熱分解開始温度と熱分解終了温度の平均値を算出し、実施例1から3および比較例を併せて示した。

<実験結果と考察>
上記実験結果を表1に示す。
Figure 2005343921
この表1から明らかなように、ペースト中にビス(ジメチルフェニルメタン)を含有させることで、メタクリル樹脂の熱分解温度が低下するのが確認できる。
これは、以下に示す作用によるものと考えられる。
すなわち、実施例1から3ではビス(ジメチルフェニルメタン)のラジカル分解により生じた炭素ラジカルが、メタクリル樹脂の分子鎖を切断する作用がなされ、結果的にメタクリル樹脂の熱分解が比較例よりも促進されているものと推定される。
また、各実施例および比較例による無機成形体の評価については、実施例1から3で作製した無機成形体を目視により観察したところ、いずれも無色透明であった。また当該無機成形体を、顕微鏡を用いて観察したところ、バインダー樹脂であるメタクリル樹脂に由来する炭化物残渣および気泡、ピンホールは見られなかった。
一方、比較例1で製造した無機成形体について同様に目視観察を行なったところ、褐色であり透明性に劣るものであった。また当該無機成形体を、顕微鏡を用いて観察したところ、バインダー樹脂であるメタクリル樹脂に由来する炭化物残渣および微小な気泡、ピンホールが多数発生していた。
このことから、実施例1から3のペースト組成物を用いれば、透明性、気密性に優れる無機成形体が得られることが分かった。したがって、本発明のペースト組成物をPDPの誘電体層やガラスフリット封着部に用いれば、優れた画像表示性能を実現することが期待できる。
<その他の事項>
上記各実施の形態および各実施例では、本発明の塗布用組成物として高粘度を有するペースト組成物の構成例を示したが、当然ながらこれに限定されず、低粘度を有する塗布用組成物に適用してもよい。
本発明の塗布用組成物は低温で良好に焼成可能であるため、電気部材の製造、例えば半導体素子のセラミックパッケージのガラス封着、陰極線管(CRT)のガラス封着、プラズマディスプレイパネル(PDP)のガラス封着、PDPの誘電体層や蛍光体層の形成等に有用である。
ペースト組成物に炭素ラジカル発生剤(BDM)を入れた場合のアクリル樹脂の熱分解率を表す図である。 実施の形態2におけるPDPの構成を示す部分斜視図である。
符号の説明
10 交流面放電型プラズマディスプレイパネル
20 フロントパネル
21 フロントパネルガラス
22、23 表示電極
24 誘電体層
26 バックパネル
28 アドレス電極
31、32、33 蛍光体層
38 放電空間

Claims (5)

  1. 基体に塗布された後、これを焼成して無機成形体を形成するための塗布用組成物であって、
    上記無機成形体の原料となる無機物質、メタクリル樹脂、溶剤に対し、化1で表される化合物の群から選択される1種以上が混合されてなる塗布用組成物。
    Figure 2005343921
    但し、化1中において、R1〜R4は、フェニル基またはC1〜C4のアルキル基を指す。
    また、R5およびR6はC1〜C4のアルキル基を指す。
    さらに、nは0から5のいずれかの整数を指す。
  2. 前記化1で示される化合物の含有率が、塗布用組成物全体の0.0025重量パーセント以上0.25重量パーセント以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の塗布用組成物。
  3. 前記メタクリル樹脂の含有率が、塗布用組成物全体の0.05重量パーセント以上0.5重量パーセント以下の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布用組成物。
  4. 前記無機物質が、ガラス粉末またはガラス粉末とセラミック粉末の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布用組成物。
  5. 誘電体層を備えた密閉容器構造体を封着してなるガス放電デバイスの製造方法であって、
    請求項1〜4のいずれかに記載の塗布用組成物を用いて、誘電体層の形成工程または密閉容器構造体の封着工程を行うことを特徴とするガス放電表示デバイスの製造方法。
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