JP2005343751A - 調湿建材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内装材等に用いられる吸放湿能が強く調湿性能に優れた建材とその効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】無機質硬化粉体10〜90重量部と石膏90〜10重量部とに水を混合し、硬化させてなる調湿建材であって、上記無機質硬化粉体が、メタカオリンに0.1〜30kW・h/kgの機械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉体100重量部と、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部と、水10〜1000重量部とを含む硬化性無機質組成物を、硬化させた後、粉砕して得られる粉体であることを特徴とする調湿建材などによって提供。
【選択図】図1

Description

本発明は、調湿建材とその製造方法に関し、さらに詳しくは、内装材等に用いられる吸放湿能が強く調湿性能に優れた建材とその効率的な製造方法に関する。
従来、市販されている石膏ボード、ケイ酸カルシウム板等の内装材には調湿機能がほとんどないため、結露が発生し易いという問題があった。この解決策として、石膏90〜10重量部とアルミン酸カルシウム10〜90重量部とに水を混合し、硬化させてなる調湿建材が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この提案は、石膏とアルミン酸カルシウム水和物との反応により比表面積の大きな針状のエトリンガイトが生成させ、これによって吸放湿能を強くして調湿機能を発揮させようとするものである。しかしながら、比表面積が大きい材料は得られるが、エトリンガイトそのものの調湿性能は小さいので、得られた調湿建材の性能は十分なものではなかった。
以上の状況から、吸放湿能が強く調湿性能に優れた調湿建材の効率的な製造方法が求められている。
特開平10−18446号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、内装材等に用いられる吸放湿能が強く調湿性能に優れた建材とその効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、調湿建材について、鋭意研究を重ねた結果、メタカオリンを原料として用いて特定の工程を組合せて得たゼオライト構造の無機質硬化粉体(一種の人工ゼオライトと考えられる)を、石膏と調合して硬化させたところ、吸放湿能が強く調湿性能に優れた建材が得られることを見出し、本発明を完成した。なお、ゼオライト(沸石)は、一般式:M2/n−O・Al・xSiO・yHO(M:Na、K、Ca、Ba、nは価数、x=2〜10、y=2〜7)で表され、水分子は連続的に脱水/復水し、また陽イオン交換能を有するものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、無機質硬化粉体10〜90重量部と石膏90〜10重量部とに水を混合し、硬化させてなる調湿建材であって、
上記無機質硬化粉体が、メタカオリンに0.1〜30kW・h/kgの機械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉体100重量部と、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部と、水10〜1000重量部とを含む硬化性無機質組成物を、硬化させた後、粉砕して得られる粉体であることを特徴とする調湿建材が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記メタカオリンは、カオリン鉱物を500〜900℃で加熱脱水することにより得られることを特徴とする調湿建材が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、メタカオリンに0.1〜30kW・h/kgの機械的エネルギーを作用させて無機質粉体を得る工程、該無機質粉体100重量部と、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部と、水10〜1000重量部とを含む硬化性無機質組成物を得る工程、該無機質組成物を60℃以上で加熱硬化させた後、粉砕して無機質硬化粉体を得る工程、及び該無機質硬化粉体10〜90重量部と石膏90〜10重量部とに水を混合し硬化させて調湿建材を得る工程を含むことを特徴とする調湿建材の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第3の発明において、さらに、前記無機質粉体を得る工程に先だって、カオリン鉱物を500〜900℃で加熱脱水してメタカオリンを得る工程を含むことを特徴とする調湿建材の製造方法が提供される。
本発明の調湿建材によれば、第1の発明においては、得られる無機質硬化粉体は水分子が連続的に脱水/復水する高性能の粉体であり、これを使用した石膏硬化体は、吸放湿能が強く調湿性能に優れているので、内装材等に好適である。第2の発明においては、メタカオリンは、カオリン鉱物を特定条件で加熱脱水することにより得られるので、その原料の汎用性が大きい。
また、上記調湿建材の製造方法である第3の発明においては、上記調湿建材を効率的に製造することができるので、その工業的価値は極めて大きい。第4の発明においては、カオリン鉱物を特定条件で加熱脱水してメタカオリンを得る工程を含むので、その原料の汎用性が大きい製造方法である。
以下、本発明の調湿建材とその製造方法を詳細に説明する。
本発明の調湿建材は、無機質硬化粉体10〜90重量部と石膏90〜10重量部とに水を混合し、硬化させてなるものであって、その際に用いられる無機質硬化粉体が、メタカオリンに0.1〜30kW・h/kgの機械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉体100重量部と、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部と、水10〜1000重量部とを含む硬化性無機質組成物を硬化させた後、粉砕して得られる粉体であることを特徴とする。また、その製造方法は、メタカオリンに0.1〜30kW・h/kgの機械的エネルギーを作用させて無機質粉体を得る工程、該無機質粉体100重量部と、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部と、水10〜1000重量部とを含む硬化性無機質組成物を得る工程、該無機質組成物を60℃以上で加熱硬化させた後、粉砕して無機質硬化粉体を得る工程、及び該無機質硬化粉体10〜90重量部と石膏90〜10重量部とに水を混合し、硬化させて調湿建材を得る工程を含むことを特徴とする。
本発明において、ゼオライト構造の無機質硬化粉体を得ることが重要である。ゼオライトはその水分子を連続的に脱水/復水する機能を有するので、吸放湿能が強い。したがって、無機質硬化粉体を、水分子が連続的に脱水/復水する高性能のゼオライト構造に調製することができると、石膏と調合されて形成された石膏硬化体は、調湿性能が優れたものとなる。
以下に、まず、本発明の製造方法を説明する。
最初に、図面を用いて、その概要を説明する。図1は、本発明の無機質粒状物の製造方法の一例を表す工程図である。図1において、まず、カオリン鉱物1を加熱脱水工程2で所定の温度で加熱して、メタカオリン3を得る。次に、メタカオリン3に機械的エネルギー作用工程4で所定の機械的エネルギーを作用させて、アルカリとの反応活性の高い無機質粉体5を得る。次いで、調製工程8で無機質粉体5に所定割合の水6とアルカリ金属珪酸塩7を加えて、無機質組成物9を得る。その後、硬化/粉砕工程10で無機質組成物9を所定温度で加熱硬化して硬化体を得た後、これを粉砕して無機質硬化粉体11を得る。最後に、無機質硬化粉体11に所定量の石膏12を調合し、水6と混合した後、成形硬化工程13で調湿建材14を得る。
以下に、本発明の製造方法を各工程に沿って詳細に説明する。
(1)加熱脱水工程
本発明において、必要に応じて、無機質粉体を得る工程に先だって、加熱脱水工程を行うことができる。上記加熱脱水工程は、カオリン鉱物を500〜900℃で加熱脱水してメタカオリンを得る工程である。
上記工程で用いるカオリン鉱物としては、特に限定されるものではなく、化学式:AlSiO(OH)で表される1:1層状珪酸塩鉱物が用いられる。具体的には、カオリナイト、デッカナイト、ナクライト、ハロイサイト等が挙げられる。
上記工程で用いる加熱温度は、500〜900℃であり、600〜800℃が好ましい。すなわち、加熱温度が500℃未満では、カオリン鉱物の水酸基が脱離しないのでメタカオリンへの変成が起こらない。一方、加熱温度が900℃を超えると、結晶化がおこりアルカリとの反応性が著しく低下するので、加熱硬化でのゼオライト構造物の生成率が下がる。
上記工程で用いる加熱時間は、特に限定されるものではなく、加熱温度が高いほど短くてよいが、5分〜10時間が好ましい。すなわち、5分未満では、メタカオリンへの変成が起こらず、一方、10時間を超えると、それ以上の効果が得られない。
上記工程で得られるメタカオリンの粒径としては、特に限定されるものではないが、次工程での機械的エネルギーの有効使用の面からは、平均粒径が0.1〜500μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましい。
(2)機械的エネルギー作用工程
上記機械的エネルギー作用工程は、上記加熱脱水工程で得られるメタカオリンに0.1〜30kW・h/kgの機械的エネルギーを作用させてアルカリとの反応活性の高い無機質粉体を得る工程である。
本発明に用いるメタカオリンとしては、特に限定されるものではなく、上記加熱脱水工程で得られるもののほか、市販品であるSATINTONE SP 33(エンゲルハード社製)、METAMAX(エンゲルハード社製)等が用いられる。
上記の「機械的エネルギーを作用させる」こととは、圧縮力、せん断力、衝撃力等をメタカオリンに加えることを意味する。
上記工程の具体的手段としては、特に限定されるものではなく、一般に粉砕を目的に使用されている粉砕機が用いられる。例えば、衝撃、摩擦、圧縮、せん断等が複合した粉砕機構を有するボール媒体ミル(ボールミル、振動ミル、遊星ミル等)、媒体攪拌形ミル、ローラミル、乳鉢等、又は衝撃と摩砕が主流であるジェット粉砕機が挙げられる。
上記工程の方式としては、乾式又は湿式いずれの状態で行われてもよい。また、必要に応じて、粉砕助剤として、セメントクリンカー、珪砂、石灰石等の粉砕時に使用されるメチルアルコール等のアルコール類及びトリエタノールアミン等のエタノール・アミン類を中心とした液体系、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の固体系、アセトン蒸気等の気体系のものを用いることができる。
上記工程において、粉体に作用させる機械的エネルギーは、0.1〜30kW・h/kgであることが重要である。これによって、アルカリとの反応活性の高い粉体が得られる。すなわち、機械的エネルギーが0.1kW・h/kg未満では、メタカオリンの活性が上がらず、アルカリとの反応性が低い。一方、30kW・h/kgを超えると、粉砕装置への負荷が大きくなり、媒体としてのボールや容器の摩耗も激しくなるとともに、メタカオリン中への汚染(コンタミ)のほか、コスト等の生産性面で問題が生じる。なお、上記の機械的エネルギーの単位は、メタカオリンを入れて運転するときに粉砕装置に投入した電力を処理粉体の単位重量当たりで表した電力量である。
また、粉体に作用させる単位時間当たりの機械的エネルギーは、特に限定されるものではなく、0.01〜40kW・h/kg・hが好ましい。単位時間当たりの機械的エネルギーが0.01kW・h/kg・h未満では、メタカオリンの活性が上がらず、一方、40kW・h/kg・hを超えると、粉砕装置への負荷が大きくなり、媒体としてのボールや容器の摩耗も激しくなるとともに、メタカオリン中への汚染(コンタミ)のほか、コスト等の生産性面で問題が生じる。
(3)調製工程
上記調製工程は、上記機械的エネルギー作用工程で得られる無機質粉体100重量部と、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部と、水10〜1000重量部とを含む硬化性無機質組成物を得る工程である。
上記アルカリ金属珪酸塩の添加量は、無機質粉体100重量部に対して、1〜300重量部であり、好ましくは1〜250重量部であり、より好ましくは10〜150重量部である。すなわち、アルカリ金属珪酸塩の添加量が1重量部未満では、無機質粉体との反応性が低くなる。一方、添加量が300重量部を超えると、次工程で得られる無機質硬化粉体の機械的強度が低下する。
上記水の添加量は、無機質粉体100重量部に対して、10〜1000重量部であり、好ましくは10〜750重量部であり、より好ましくは10〜400重量部である。すなわち、水の添加量が10重量部未満では、無機質粉体と混合することが不可能となる。一方、1000重量部を超えると、次工程で得られる無機質硬化粉体の機械的強度が低下する。
上記アルカリ金属珪酸塩としては、特に限定されるものではなく、組成式:MO・nSiO(M:Li、K、Na又はそれらの混合物)で表され、n=0.05〜8のものが好ましく、n=0.1〜3のものがより好ましく、0.5〜2.5のものがさらに好ましい。すなわち、nが8を超えると、アルカリ金属珪酸塩の水溶液がゲル化をおこしやすく粘度が急激に上昇するため、無機質粉体との混合が困難になる恐れがある。
上記アルカリ金属珪酸塩の無機質組成物ヘの添加においては、事前に水溶液に調製してから添加されるのが好ましい。上記アルカリ金属珪酸塩の水溶液中での濃度は、特に限定されるものではないが、1%以上が好ましく、1〜70%がより好ましい。濃度が1%未満では、無機質粉体との反応性が低下し、一方、70%を超えると、粘度が高くなり成形が困難になる。
また、上記アルカリ珪酸塩水溶液の調製において、アルカリ金属珪酸塩を水に溶解してもよいが、アルカリ金属水酸化物の水溶液に、珪砂、珪石粉等のSiO成分を上記アルカリ金属珪酸塩の組成式中のnが所定値になるように溶解してもよい。
上記無機質組成物には、必要に応じて、無機質充填材を添加することができる。無機質充填材としては、特に限定されるものではなく、例えば、珪砂、珪石粉、結晶質アルミナ、フライアッシュ、アルミナ、タルク、マイカ、珪藻土、雲母、岩石粉末(シラス、抗火石等)、玄武岩、長石、珪灰石、粘土、ボーキサイト、セピオライト、繊維材料等、各種鉱物等を用いることができる。また、無機質充填材として、発泡体を用いることができる。例えば、前記発泡体としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、シリカバルーン、パーライト、ヒル石、粒状発泡シリカ等が挙げられる。なお、これらの充填材の選択は、本発明の無機質粒状物の使用形態に応じて適宜行われ、無機質充填材は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
上記無機質充填材の添加量は、特に限定されるものではなく、無機質粉体100重量部に対して、700重量部以下が好ましく、50〜500重量部がより好ましい。すなわち、700重量部を超えると機械的強度が低下するためである。
また、上記無機質組成物には、必要に応じて、発泡剤を添加することができる。これによって、所望の比重を有する無機質硬化粉体を得ることができる。無機質硬化粉体の比重を小さくする方法としては、組成物中の水の混合量を多くして、硬化体を作り、得られた粒状物を乾燥してもいいが、発泡剤を使うとより簡単である。
上記発泡剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、Mg、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Sn、Si、フェロシリコン等の金属粉末と過酸化水素、過酸化曹達、過酸化カリ、過ホウ酸曹達等の過酸化物が挙げられる。この中で、特にコスト、安全性、入手の容易さ等から、ケイ素粉末やAl粉末、過酸化水素などが好ましい。
上記発泡剤として金属粉末を用いる際には、金属粉末の平均粒径は、特に限定されるものではないが、1〜200μmのものが好ましい。すなわち、平均粒径が1μm未満では、無機質組成物中での分散が悪いとともに、反応性が高くなりすぎる。一方、平均粒径が200μmを超えると、反応性が低下する傾向がある。また、金属粉末の添加量は、特に限定されるものではないが、無機質粉体100重量部に対して、5重量部以下が好ましい。すなわち、添加量が5重量部を超えると、発生する発泡ガスが過剰となるために破泡する傾向がある。
上記発泡剤として過酸化物を用いる際には、水溶液濃度としては、特に限定されるものではないが、0.1〜35重量%のものが好ましい。すなわち、濃度が0.1重量%未満では、粘度が低下し発泡が安定しない。一方、濃度が35重量%を超えると、発泡が速くなりすぎて安定して発泡することができなくなる傾向がある。また、過酸化物の添加量としては、無機質粉体100重量部に対して、4重量部以下が好ましい。すなわち、添加量が4重量部を超えると、発泡ガスが過剰となるため破泡する傾向がある。
さらに、発泡剤を用いる際には、必要に応じて、発泡の際の気泡形状を調整するため、発泡助剤を添加することができる。例えば、前記発泡助剤としては、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナゲル等の多孔質粉体、ステアリン酸金属塩、パルミチン酸金属塩等の金属石ケン等が挙げられる。上記発泡助剤の添加量は、特に限定されるものではないが、無機質粉体100重量部に対して、5重量部以下が好ましい。すなわち、添加量が5重量部を超えると、破泡が起る等、発泡に悪影響を及ぼす傾向がある。
以上のように、上記調製工程では、無機質組成物として、上記無機質粉体とアルカリ金属珪酸塩水溶液と、必要に応じて、発泡剤、発泡助剤、無機質充填材等を添加し混練した混合物が得られる。
(4)硬化/粉砕工程
上記硬化/粉砕工程は、上記調製工程で得られる無機質組成物を用いて、60℃以上で加熱硬化させた後、粉砕して無機質硬化粉体を得る工程である。これによって、高性能のゼオライト構造を有する粉体が得られる。
上記工程の処理方法として、まず、硬化工程において上記無機質組成物を注型法、プレス法、押出成形法等の公知の方法により板状等の所望の形状に成形した後、加熱硬化し、次いで、粉砕工程において粉砕機を用いて所望の粒度に粉砕し、必要に応じて分級する方法を採用することができる。無機質硬化粉体の粒度としては、特に限定されるものではないが、0.1〜10mmが好ましく、0.5〜5mmがより好ましい。すなわち、粒度が0.1mm未満では、取扱性が悪く、一方、粒度が10mmを超えると、表面積が小さくなり効果が小さい。
上記硬化工程での加熱硬化の条件としては、特に限定されるものではなく、無機質組成物を60℃以上に、好ましくは75〜100℃の範囲に加熱養生して硬化体を得るものが好ましい。すなわち、加熱温度が60℃未満では、ゼオライト構造物の生成率が低くなる。
上記硬化体の粉砕工程で用いる粉砕機としては、特に限定されるものではなく、例えば、ボールミル、ロールミルが用いられる。また、これらで粉砕する前に、予めジャイレトリクラッシャ、クラッシングロール、ハンマーミル、ローラーミル等の中砕機、又はジョークラッシャー等の粗砕機を用いて粒状物又は小片に粉砕する方法も用いることができる。また、粉砕に際しては、分級しながら循環して粉砕を行う方法を採用することが効率的である。
(5)成形硬化工程
上記成形硬化工程は、前述した各工程を経て得られる無機質硬化粉体10〜90重量部と、石膏90〜10重量部とに水を混合した後、成形硬化させて調湿建材を得る工程である。
この際、石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏のいずれをも用い得る。また、水の配合量は、無機質硬化粉体と石膏との合計量100重量部に対し40〜100重量部とりわけ50〜70重量部とするのが好ましい。
本発明の調湿建材は、顔料、染料等の着色材料を含んでいても良い。着色材料の配合量は建材の強度を損なわない範囲であれば任意である。
また、本発明では、ガラス繊維、パルプ、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、炭素繊維等の補強材を含んでいても良い。この補強材の配合は10重量部以下、とりわけ5重量部以下が好ましい。
さらに、本発明では、硬化速度を調節するために、塩化ナトリウム、硫酸カリウム、クエン酸、デンプンなどを10重量部以下、とりわけ5重量部以下配合しても良い。
また、本発明では、さらにセピオライト、ゼオライト、珪藻土などの吸放湿材料を20重量部以下とくに10重量部以下配合しても良い。
次に、本発明の調湿建材を説明する。
本発明の調湿建材は、高性能のゼオライト構造物である無機質硬化粉体を分散含有する石膏硬化体であり、上記製造方法を用いて効率的に得ることができるものである。すなわち、上記調湿建材は、水分子を連続的に脱水/復水する機能を有するゼオライト構造物が吸放湿能を担うので調湿性能が優れた材料である。
上記調湿建材は、機械的強度が高い無機質硬化粉体を分散含有する石膏硬化体であり、建材としての強度においても優れている。
本発明の調湿建材の形態は任意であり、押出成形や流し込み成形などの成形法によって形成された板状体であっても良く、基板の上に塗着されたものであっても良い。この基板としては合板や通常の石膏ボードなどが挙げられる。その際、本発明の調湿建材は、その表面に透湿性の紙やクロスなどが貼着されても良く、透湿性の塗料が塗着されても良い。
また、本発明の調湿建材の表面は、平坦であっても良く、凹凸が設けられても良い。この凹凸は細かなものであっても良く、明瞭に視覚される大きな凹凸であっても良い。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた調湿建材の吸放湿性の評価方法は、以下の通りである。
[調湿建材の吸放湿性の測定]
得られた調湿建材の試験体をJIS A−1470−1の方法に従って、吸放湿性を測定した。試験条件は、20℃、50%RHで重量が一定になるまで保持した後、20℃、90%RHで24時間保持したときの重量増(高湿時水吸着量)、さらに20℃、50%RHで24時間放置した時の重量増(低湿時水吸着量)を求めた。
また、実施例で用いた無機質粉体1及び2は、メタカオリンとして、エンゲルハード社製のSATINTONE SP 33(平均粒径3.3μm、比表面積13.9m/g)を用い、下記の方法で機械的エネルギーを作用させて得たものである。
[無機質粉体1]
ウルトラファインミル(三菱重工(株)製、AT―20)を用いて、以下の条件で、上記メタカオリンに所定の機械的エネルギーを作用させた。なお、このときの機械的エネルギー、単位時間当たりの機械的エネルギー及び無機質粉体の比表面積は、各々、0.8kW・h/kg、0.8kW・h/kg・h、及び16.2m/gであった。
使用ジルコニアボールの直径:10mm、ボール充填率:85%、メタカオリン投入量:1.7kg、粉砕助剤:トリエタノールアミン25重量%エタノール75重量%の混合物を10g添加。
[無機質粉体2]
ボールミル((株)マキノ製、BM150)を用いて、以下の条件で、上記メタカオリンに所定の機械的エネルギーを作用させた。なお、このときの機械的エネルギー、単位時間当たりの機械的エネルギー及び無機質粉体の比表面積は、各々、0.6kW・h/kg、0.05kW・h/kg・h、及び23.6m/gであった。
使用アルミナボールの直径:10mm、ボール充填率:60%、メタカオリン投入量:30kg。
また、実施例で無機質組成物の調整に用いたアルカリ金属珪酸塩は事前に所定量の水に添加して水溶液としたもので、KO:SiOがモル比で1:1.4であり、アルカリ金属珪酸塩の水溶液中での濃度が45重量%である。また、充填材としては、珪石粉(住友セメント製、ブレーン値5000cm/g)を、補強繊維としては、ビニロン繊維(クラレ(株)製、RM182、長さ3mm、径14μm)を、発泡剤としては、金属ケイ素粉末(キンセイマテック社製、平均粒径5μm)を用いた。
(実施例1)
まず、無機質粉体1の100重量部に上記アルカリ金属珪酸塩100重量部と上記発泡剤0.05重量部を添加し、オムニミキサーに供給し、5分間混合して無機質組成物を調整した。次に、前記無機質組成物を150×50×10mmの型枠内に注入し、型枠をオーブン内に入れ、85℃で1時間養生硬化させて、型枠形状の硬化体を得た。その後、この硬化体を粉砕機としてボールミルを用いて粉砕し、最大粒径1mmの粒度の無機質硬化粉体を得た。最後に、無機質硬化粉体80重量部に半水石膏20重量部を調合し、水80重量部を混合した後、混合物を250×250×12.5mmの型枠内に注入し、室温にて24時間養生後、さらに60℃で24時間乾燥して調湿建材の試験体を得た。
その後、得られた試験体の吸放湿性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
半水石膏の代わりに無水石膏20重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた試験体の吸放湿性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
水が90重量部であること以外は、実施例1と同様に行い、得られた試験体の吸放湿性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
無機質硬化粉体が50重量部であること、半水石膏が50重量部であること、及び水が
50重量部であること以外は、実施例1と同様に行い、得られた試験体の吸放湿性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
無機質粉体として、無機質粉体2を用いたこと、及び粉砕機としてロールミルを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた試験体の吸放湿性の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
アルカリ金属珪酸塩の添加量が150重量部であること、さらに、添加物として、上記充填剤を200重量部、上記補強繊維を1重量部及び上記発泡助剤0.5重量部を添加したこと、並びに粉砕機としてロールミルを用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた試験体の吸放湿性の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
半水石膏、アルミナセメント、及び水のそれぞれ50重量部を混練後、混合物をロールを用いて実施例1と同様のサイズに成形し、成形体を25℃、60%RHの雰囲気で2時間養生硬化させ硬化体を得た。その後、得られた硬化体の吸放湿性の評価を行った。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜6では、用いた無機質粉体、無機質組成物、無機質硬化粉体及び調湿建材の製造で、本発明の方法に従って行われたので、高湿時水吸着量と低湿時水吸着量が大きく調湿性能に優れた建材が得られることが分かる。これに対して、比較例1では、組成調合がこれらの条件に合わないので、吸放湿性によって満足すべき結果が得られないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明の調湿建材は、吸放湿能が強く調湿性能に優れているので内装材等に用いられる建材として好適である。
本発明の調湿建材の製造方法の一例を表す工程図である。
符号の説明
1 カオリン鉱物
2 加熱脱水工程
3 メタカオリン
4 機械的エネルギー作用工程
5 無機質粉体
6 水
7 アルカリ金属珪酸塩
8 調製工程
9 無機質組成物
10 硬化/粉砕工程
11 無機質硬化粉体
12 石膏
13 成形硬化工程
14 調湿建材

Claims (4)

  1. 無機質硬化粉体10〜90重量部と石膏90〜10重量部とに水を混合し、硬化させてなる調湿建材であって、
    上記無機質硬化粉体が、メタカオリンに0.1〜30kW・h/kgの機械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉体100重量部と、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部と、水10〜1000重量部とを含む硬化性無機質組成物を、硬化させた後、粉砕して得られる粉体であることを特徴とする調湿建材。
  2. 前記メタカオリンは、カオリン鉱物を500〜900℃で加熱脱水することにより得られることを特徴とする請求項1に記載の調湿建材。
  3. メタカオリンに0.1〜30kW・h/kgの機械的エネルギーを作用させて無機質粉体を得る工程、該無機質粉体100重量部と、アルカリ金属珪酸塩1〜300重量部と、水10〜1000重量部とを含む硬化性無機質組成物を得る工程、該無機質組成物を60℃以上で加熱硬化させた後、粉砕して無機質硬化粉体を得る工程、及び該無機質硬化粉体10〜90重量部と石膏90〜10重量部とに水を混合し硬化させて調湿建材を得る工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の調湿建材の製造方法。
  4. さらに、前記無機質粉体を得る工程に先だって、カオリン鉱物を500〜900℃で加熱脱水してメタカオリンを得る工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の調湿建材の製造方法。
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JP2019531251A (ja) * 2016-10-12 2019-10-31 ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー 内部発生発泡体を用いて軽量石膏組成物を作製するための方法およびそれから作製される製品

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