JP2005342771A - 抵抗溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電気抵抗値が被接合部材1,2よりも高く、かつ、融点が被接合部材1,2の沸点よりも高い抵抗部材5,5を、被接合部材1,2と電極3,3との間に介在させることで、スパッタSの発生を少なくし、かつ、抵抗部材5,5の被接合部材1,2への付着を抑える。
【選択図】 図1
Description
(作用)
接合時に、一時的あるいは局部的に被接合部材の接合部表面温度が被接合部材の沸点以上に上昇しても、抵抗部材の融点が被接合部材の沸点よりも高いため、抵抗部材が溶融することがなく、被接合部材と抵抗部材との接触部における合金化(固体拡散)が抑制される。
溶接条件1
抵抗部材5の材質:引張強さが270N/mm2の圧延鋼板
抵抗部材5の融点:約1,550℃
微粒子の塗布:なし
溶接条件2
抵抗部材5の材質:引張強さが270N/mm2の圧延鋼板
抵抗部材5の融点:約1,550℃
微粒子の塗布:絶縁性の粉末状ボロンナイトライド(窒化ほう素)を塗布
溶接条件3
抵抗部材5の材質:引張強さが270N/mm2の圧延鋼板
抵抗部材5の融点:約1,550℃
微粒子の塗布:導電性の粉末状二硫化モリブデンを塗布
溶接条件4
抵抗部材5の材質:ニオブ(Nb)板
抵抗部材5の融点:約2,430℃
微粒子の塗布:なし
各溶接条件による溶接結果は、図3に示すように、溶接条件1では、スパッタSの飛散量は少ない(実用上問題にならない)ものの、抵抗部材5が被接合部材1,2に張り付いた(実用上問題になる)。
なお、スパッタSは、被接合部材1,2と抵抗部材5,5との間で発生し、図2に示すように、被接合部材1,2のナゲット表面(電極チップ3によるくぼみ)の周りに飛散するものである。
溶接条件2では、被接合部材1,2へのスパッタSの飛散量が多かった(実用上問題になる)。また、抵抗部材5が被接合部材1,2に付着したが、手で剥がれる程度であり、溶接条件1よりも付着が緩やかであった(実用上問題にならない程度であった)。
溶接条件3では、溶接条件2と同一結果となり、スパッタSの飛散量が多く、抵抗部材5が被接合部材1,2にやや付着した。このように、溶接条件2、3の結果が同じことから、スパッタSの飛散量や抵抗部材5の付着度は、粉末材(微粒子)の導電性に関わりがないことが確認された。
溶接条件4では、被接合部材1,2へのスパッタSの飛散量が、溶接条件1〜3に比べても少なかった(実用上問題にならない)。また、抵抗部材5が被接合部材1,2にやや付着したが、溶接条件1に比べて緩やかであり、実用上問題にならない程度であった。
一般に、溶接時において、被接合部材1,2の溶接部(ナゲット)の表面に、図5に示すような小さなくぼみ(ピットP)が生じ、表面が柚子肌になる場合がある。この現象は、溶接時に、一時的あるいは局部的に被接合部材1,2の溶接部の表面温度が被接合部材1,2の沸点以上に上昇したことが、要因のひとつであると考えられる。そして、そのように考えると、上記溶接条件1〜3のように、抵抗部材5の融点(約1,550℃)が被接合部材1、2の沸点(約2,060℃)よりも低い場合、被接合部材1,2の溶接部の表面温度が沸点以上に上昇することによって、抵抗部材5が局部的に融点し、被接合部材1,2と抵抗部材5,5との接触部における合金化(固体拡散)が促進される。この結果、抵抗部材5が被接合部材1,2に付着するものと考えられる。
これに対し、上記溶接条件4のように、抵抗部材5の融点(約2,430℃)が被接合部材1、2の沸点(約2,060℃)よりも高い場合には、被接合部材1,2の溶接部の表面温度が沸点以上に上昇したとしても、抵抗部材5が局部的に融点することはなく、被接合部材1,2と抵抗部材5,5との接触部における合金化が抑制される。この結果、抵抗部材5の被接合部材1,2への付着が抑えられると考えられる。
従って、本実施形態では、抵抗部材5としてニオブ板を用いているが、これに限らず、電気抵抗値が被接合部材1,2よりも高く、かつ、融点が被接合部材1,2の沸点よりも高ければよく、モリブテン(Mo)板やタングステン(W)板などを用いてもよい。
また、溶接条件4では、抵抗部材5であるニオブ板に微粒子を塗布しないため、スパッタSの発生が少なく、良好な溶接品質を得ることができる。さらに、単にニオブ板を抵抗部材5として介在させるだけなので、極めて簡易であり、製造設備や製造工程などの増加を伴わない。
溶接条件5
抵抗部材5の材質:モリブテン(Mo)板
抵抗部材5の融点:約2,680℃
微粒子の塗布:なし
被接合部材1の板厚:0.9mm
被接合部材2の板厚:1.4mm
溶接条件6
抵抗部材5の材質:タングステン(W)板
抵抗部材5の融点:約3,430℃
微粒子の塗布:なし
被接合部材1の板厚:0.9mm
被接合部材2の板厚:2.0mm
各溶接条件による溶接結果は、図4に示すように、溶接条件5では、スパッタSの飛散量は、上記の溶接条件1〜3に比べて少なかった。また、被接合部材1,2への抵抗部材5の付着はややあったが、手で剥がせる程度であり(実用上問題にならない)、上記の溶接条件1〜4の場合よりも付着が低かった。
このように、被接合部材1,2の板厚が異なる場合であっても、良好な溶接結果が得られ、かつ、抵抗部材5の付着、スパッタSの飛散を低減できることが確認された。さらに、上記のように、溶接条件4,5,6の順に、抵抗部材5の付着が低くなっている(溶接条件6の場合が最も低い)ことから、抵抗部材5の融点が高いほど、付着が低いことがわかる。すなわち、被接合部材1、2の沸点と抵抗部材5の融点との差によって、付着抑制の効果の程度が異なり、その差が大きいほど、抵抗部材5の付着が低い(抑制効果が大きい)と言える。このことから、例えば、純モリブテン板や純タングステン板の代わりに、モリブテン合金板やタングステン合金板を抵抗部材5として用いた場合には、融点がやや低下するために付着抑制の効果がやや低下するものの、抵抗部材5の融点が被接合部材1,2の沸点よりも高ければ、付着抑制の効果は、実用上問題にならない程度に得られる。従って、扱い易さや価格などを考慮して、タングステン合金板などを用いることも有効である。
ところで、モリブテン板(溶接条件5)とタングステン板(溶接条件6)との電気抵抗値に大差がないも係わらず、タングステン板に比べてモリブテン板の付着がやや強かったことから、同じ印加電流の下では、電気抵抗値が同等の抵抗部材5を用いる場合、被接合部材1,2の板厚が薄い方が、抵抗部材5が付着し易いことがわかる。このことから、電気抵抗値が同等の抵抗部材5を用いて、薄板の被接合部材1,2を溶接する場合には、厚板の被接合部材1,2を溶接する場合に比べて、低い印加電流で抵抗溶接することが、抵抗部材5の付着低減に効果があると言える。このことは、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、被接合部材1,2を溶接するのに必要な抵抗熱は、主として抵抗値が高い抵抗部材5によって発生するが、抵抗部材5での抵抗熱は抵抗部材5の電気抵抗値に比例する。一方、被接合部材1,2を溶接するのに必要な熱量は、被接合部材1,2の板厚が増すに従って増加する。従って、同じ電気抵抗値の抵抗部材5を用いて、同じ印加電流を与えた場合、(薄板、厚板ともに、溶接が良好であるとすると、)厚板の被接合部材1,2に比べて薄板の被接合部材1,2には、過剰な抵抗熱が加わることとなる。この結果、この過剰な抵抗熱によって、被接合部材1,2のみならず、抵抗部材5,5までもが部分的に溶融(再結晶温度以上で軟化)し、抵抗部材5、5が被接合部材1,2に付着し易くなるものである。これに対し、厚板の被接合部材1,2の場合には、抵抗熱量が適正であり、過剰熱がないため、被接合部材1,2のみを溶融し、抵抗部材5,5を溶融、軟化させることはない。この結果、抵抗部材5、5の被接合部材1,2への付着が抑制されるものである。
ところで、この実施形態では、点溶接について説明しているが、シーム溶接においても適用することができる。この場合例えば、ローラ電極と被接合部材との間に、帯状のニオブ板などを介在させる。そして、この帯に沿ってローラ電極を回転させながら連続的に溶接するものである。
3 電極チップ
4 ホルダー
5 抵抗部材(ニオブ板)
S スパッタ
Claims (1)
- 電極を介して被接合部材に電流を流し、この電流によって発生する抵抗熱によって被接合部材を接合する抵抗溶接方法であって、
電気抵抗値が前記被接合部材よりも高く、かつ、融点が前記被接合部材の沸点よりも高い抵抗部材を、前記被接合部材と前記電極との間に介在させる、ことを特徴とする抵抗溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004167351A JP2005342771A (ja) | 2004-06-04 | 2004-06-04 | 抵抗溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004167351A Pending JP2005342771A (ja) | 2004-06-04 | 2004-06-04 | 抵抗溶接方法 |
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JP (1) | JP2005342771A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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TWI580502B (zh) * | 2012-11-02 | 2017-05-01 | 國立屏東科技大學 | 多層金屬板件點銲方法 |
CN111618410A (zh) * | 2020-06-11 | 2020-09-04 | 东风汽车有限公司 | 一种汽车用大厚度热成型钣金材料及点焊焊接方法 |
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2004
- 2004-06-04 JP JP2004167351A patent/JP2005342771A/ja active Pending
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TWI580502B (zh) * | 2012-11-02 | 2017-05-01 | 國立屏東科技大學 | 多層金屬板件點銲方法 |
CN111618410A (zh) * | 2020-06-11 | 2020-09-04 | 东风汽车有限公司 | 一种汽车用大厚度热成型钣金材料及点焊焊接方法 |
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