JP2005342580A - 触媒担体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数種の金属酸化物が複合化した複合酸化物からなる触媒担体において、各金属酸化物の混合状態をさらに均一化する。
【解決手段】アルミニウムイオンを含み複数種の金属イオンが溶解した原料溶液を、原料溶液中の酸イオンを中和する当量以上のアルカリ物質が溶解した中和溶液中に原料溶液を添加し、共沈した酸化物前駆体を焼成して複合酸化物とする。
原料溶液に対して中和溶液が常に過剰に存在するため、各金属の酸化物前駆体がほぼ同時に析出沈殿する。したがってアルミナが偏在する偏在部の生成が抑制され、生成した偏在部においてもAl原子が高濃度で存在するのが抑制されるため、偏在部におけるAl原子の含有率が90原子%以下となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の排ガス浄化用触媒に用いられる触媒担体とその製造方法に関する。本発明の触媒担体は、NOx 吸蔵還元型触媒の担体として特に有用である。
近年、希薄燃焼ガソリンエンジンからの排ガスを浄化する触媒として、NOx 吸蔵還元型触媒が実用化されている。このNOx 吸蔵還元型触媒は、アルカリ金属、アルカリ土類金属などのNOx 吸蔵材と貴金属をアルミナ( Al2O3)などの多孔質担体に担持したものである。このNOx 吸蔵還元型触媒では、空燃比を酸素過剰のリーン雰囲気からパルス状に燃料過剰のストイキ〜リッチ雰囲気となるように制御することにより、リーン雰囲気ではNOx がNOx 吸蔵材に吸蔵される。そして吸蔵されたNOx はストイキ〜リッチ雰囲気で放出され、貴金属の触媒作用によりHCやCOなどの還元性成分と反応して浄化される。したがって、リーン雰囲気においてもNOx の排出が抑制されるので、全体として高いNOx 浄化能が発現する。
ところが排ガス中には、燃料中に含まれる硫黄(S)が燃焼して生成したSO2 が含まれ、それが酸素過剰のリーン雰囲気中で貴金属により酸化されてSO3 となる。そしてこれが排ガス中に含まれる水蒸気により容易に硫酸となり、これらがNOx 吸蔵材と反応して亜硫塩や硫塩が生成し、これによりNOx 吸蔵材が被毒劣化することが明らかとなった。この現象は硫黄被毒と称されている。また、 Al2O3などの多孔質担体はSOx を吸着しやすいという性質があることから、上記硫黄被毒が促進されるという問題があった。そして、このようにNOx 吸蔵材が亜硫酸塩や硫酸塩となると、もはやNOx を吸蔵することができなくなり、その結果上記触媒では、耐久後のNOx 浄化能が低下するという不具合があった。
そこで特開平08−99034号公報には、TiO2-Al2O3,ZrO2-Al2O3及びSiO2-Al2O3から選ばれる少なくとも1種の複合担体を用いることが提案されている。また特開平09−000926号公報には、 TiO2-Al2O3-ZrO2複合酸化物を担体とする排ガス浄化用触媒が開示されている。TiO2などは Al2O3に比べて酸性度が大きいため、SOx との親和性が低くなる結果、NOx 吸蔵材の硫黄被毒を抑制することが可能となる。またTiO2及びZrO2を Al2O3と複合酸化物とすることにより、硫黄被毒が抑制されるとともに、耐熱性が向上する。
ところが近年の排ガス規制の強化、あるいは高速走行の増加などにより、排ガス温度はきわめて高くなっている。そのため上記した複合酸化物担体を用いても、比表面積の低下や貴金属の粒成長が生じて耐熱性が不充分となる場合があり、さらなる耐熱性の向上が求められている。また燃料中の硫黄成分が燃焼して生成したSOx が担体上に吸着し、貴金属を覆うことによる浄化能の低下現象(触媒金属の硫黄被毒)も問題となっている。そして上記公報に開示の担体を用いても、これらの問題を解決するまでには至らなかった。
例えばZrO2−TiO2固溶体は、硫黄被毒に対する耐性が大きいため Al2O3と複合化させることで耐硫黄被毒性に優れ、かつ高比表面積を有する触媒担体とすることができる。しかしながら Al2O3には塩基点が存在しているため、高温リーン雰囲気ではSOx がその塩基点に吸着しやすく、高温リッチ雰囲気となってもSOx の脱離が困難となって触媒担体にSOx が残留する。そのためこのような触媒担体を用いたNOx 吸蔵還元型触媒においては、担持されているNOx 吸蔵材とSOx との反応が生じ、リーン/リッチ耐久試験後のNOx 吸蔵量が減少するという不具合があった。
そこで特開2002−282688号公報には、Al,Zr及びTiの塩の溶液をそれぞれ用意し、それぞれの塩の溶液とアルカリ溶液とを混合してそれぞれ沈殿を形成し、それぞれの沈殿を混合した沈殿物を 550℃以上で焼成する製造方法が提案されている。この製造方法によれば、メソ細孔領域の細孔を有するとともに、テトラゴナル型ジルコニアを含み、かつZrO2及びTiO2の少なくとも一部がZrO2−TiO2固溶体となっている触媒担体を製造することができる。この触媒担体を用いたNOx 吸蔵還元型触媒によれば、貴金属及びNOx 吸蔵材のシンタリングが抑制されるとともに、耐硫黄被毒性が向上する。しかもこの触媒担体は、高温耐久後でも 120m2/g以上の比表面積を有しているので、高い触媒活性が得られる。
また特開2003−305363号公報には、少なくともアルミニウム酸化物を含む複合酸化物よりなり、 100〜 300℃における単位比表面積当たりの CO2脱離量が0.05μmol /m2以下であり、実質上塩基点をもたない触媒担体が記載されている。この触媒担体によれば、実質上塩基点をもたないためSOx の化学的吸着が抑制される。また物理的に吸着するSOx も存在するが、 300℃以上では大部分が脱離する。したがってこの触媒担体を用いたNOx 吸蔵還元型触媒では、硫黄被毒が高度に抑制される。
特開2002−282688号 特開2003−305363号
しかしながら上記した従来の触媒担体では、各金属酸化物の混合状態が十分とはいえず、二次粒子中においてAl原子などが局部的に多く偏在する部分があった。そのためこの触媒担体を用いたNOx 吸蔵還元型触媒では、高温域でのNOx 吸蔵能及び硫黄被毒の抑制能に限界があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、複数種の金属酸化物が複合化した複合酸化物からなる触媒担体において、各金属酸化物の混合状態をさらに均一化することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の触媒担体の特徴は、複数種の金属酸化物がナノレベルで複合化された複合酸化物からなる触媒担体であって、少なくともアルミナを含み、二次粒子中においてアルミナが偏在する偏在部におけるアルミニウム原子の含有率が90原子%以下であることにある。少なくとも一部が固溶したジルコニア−チタニア複合酸化物を含むことが望ましく、偏在部の最大径は3μm以下であることが望ましい。
そして本発明の触媒担体の製造方法の特徴は、少なくともアルミニウムイオンを含み複数種の金属イオンが溶解した原料溶液を調製する工程と、原料溶液中の酸イオンを中和する当量以上のアルカリ物質が溶解した中和溶液を調製する工程と、中和溶液中に原料溶液を添加することで酸化物前駆体を共沈させる工程と、酸化物前駆体を焼成して複合酸化物とする工程と、を行うことにある。
本発明の触媒担体によれば、従来の触媒担体に比べて偏在部の大きさが小さく、かつ偏在部におけるアルミニウム原子の含有率が小さいので、各金属酸化物の混合状態がさらに均一化されている。したがって本発明の触媒担体を用いたNOx 吸蔵還元型触媒によれば、アルミナに起因する硫黄被毒を抑制でき、かつ付着した硫黄の脱離性に優れているので、硫黄被毒をきわめて高度に抑制することができる。これにより硫黄被毒後も高いNOx 吸蔵能が発現される。
そして本発明の製造方法によれば、本発明の触媒担体を容易にかつ安定して製造することができる。
従来の触媒担体の製造方法では、複数種の金属イオンが溶解した原料溶液に原料溶液中の酸イオンを中和する当量以上のアルカリ物質が溶解した中和溶液を添加することで、酸化物前駆体を共沈させている。ところがこの方法では、多量の原料溶液に中和溶液を徐々に添加しているため、添加初期においては原料溶液に対して中和成分が不足状態となる。そして沈殿が生成するpHが各金属イオンによって異なるために、先ず沈殿生成pHが低い酸化物前駆体が沈殿し、その後沈殿生成pHが高い酸化物前駆体が沈殿する。したがって沈殿生成にムラが生じ、Al原子などが高濃度で偏在する偏在部が生じる。
しかし本発明の製造方法では、中和溶液中に原料溶液を添加することで酸化物前駆体を共沈させている。この場合には、原料溶液に対して中和溶液が常に過剰に存在するため、各金属の酸化物前駆体がほぼ同時に析出沈殿する。したがってアルミナが偏在する偏在部の生成が抑制され、生成した偏在部においてもAl原子が高濃度で存在するのが抑制されるため、偏在部におけるAl原子の含有率が90原子%以下となる。
本発明の触媒担体は、少なくともアルミナを含む複合酸化物よりなる。少なくともアルミナを含むこととしたのは、アルミナは耐熱性に優れ比表面積が大きく触媒担体として代表的なものであるからである。Alとともに複合酸化物を構成する他の金属としては、その酸化物の塩基点数が極力少ないものが望ましくZr及びTiの少なくとも一方であることが望ましい。
すなわち本発明の触媒担体は、Al2O3-ZrO2複合酸化物、Al2O3-TiO2複合酸化物、 Al2O3-ZrO2-TiO2複合酸化物から選ばれるものとすることが好ましい。例えばZrO2−TiO2固溶体は、硫黄被毒に対する耐性が大きいため Al2O3と複合化させることで耐硫黄被毒性に優れ、かつ高比表面積を有する触媒担体とすることができる。
本発明の触媒担体は、アルミナが偏在する偏在部を有しないことが望ましいが、偏在部を完全に有しないものとすることは困難であり、本発明の製造方法でもある程度の偏在部が生成する。しかしその偏在部は従来の触媒担体に比べて大きさが小さく、本発明の製造方法によれば偏在部の最大径を3μm以下とすることができる。
そして本発明の触媒担体では、二次粒子中においてアルミナが偏在する偏在部におけるAl原子の含有率が90原子%以下である。すなわちアルミナが偏在する偏在部においても、アルミナ以外の酸化物を従来より多く含有しているので、各金属酸化物の混合状態が従来に比べてさらに均一化されている。したがって本発明の触媒担体を用いたNOx 吸蔵還元型触媒によれば、アルミナに起因する硫黄被毒を抑制でき、かつ付着した硫黄の脱離性に優れているので、硫黄被毒をきわめて高度に抑制することができる。これにより硫黄被毒耐久試験後も高いNOx 吸蔵能が発現される。
本発明の触媒担体においては、二次粒子はさらに希土類元素酸化物及びアルカリ土類金属酸化物の少なくとも一種を含み、希土類元素酸化物及びアルカリ土類金属酸化物の少なくとも一種の70mol%以上がアルミナ中に固溶していてもよい。これにより耐熱性が向上するとともに、希土類元素酸化物及びアルカリ土類金属酸化物の少なくとも一種の固溶によるZrO2−TiO2固溶体の耐硫黄被毒性の低下が抑制される。希土類元素酸化物及びアルカリ土類金属酸化物の少なくとも一種の90mol%以上がアルミナ中に固溶していてもよい。また、この希土類元素酸化物及びアルカリ土類金属酸化物の少なくとも一種は、アルミナに対して70〜95mol%の範囲で固溶していることが望ましい。希土類元素酸化物としては、La,Sc,Nd,Sm,Prなどの酸化物が例示され、アルカリ土類金属酸化物としてはBe,Mg,Ca,Sr,Baなどの酸化物が例示される。中でも La2O3が最も好ましい。
本発明の触媒担体において、それぞれの酸化物の構成比は、モル比で Al2O3:ZrO2:TiO2=19〜82:8〜66:3〜49の範囲とすることが好ましい。Al2O3の比率がこの範囲より少ないと活性が低下し、この範囲より多くなると耐硫黄被毒性が低下するようになる。またZrO2の比率がこの範囲より少ないとNOx 吸蔵材と担体の固相反応が起こりやすくなり、この範囲より多いと担体の比表面積低下を引き起こす原因となる。さらにTiO2の比率がこの範囲より少ないと耐硫黄被毒性が低下し、この範囲より多くなると担体の比表面積が低下する。
本発明の触媒担体の製造方法では、先ず少なくともAlイオンを含み複数種の金属イオンが溶解した原料溶液と、原料溶液中の酸イオンを中和する当量以上のアルカリ物質が溶解した中和溶液とが調製される。原料溶液としては、硝酸塩、酢酸塩など金属塩の水溶液又はアルコール溶液を用いることができる。またアルカリ物質が溶解した中和溶液としては、アンモニア、炭酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどを溶解した水溶液、アルコール溶液が使用できる。焼成時に揮散するアンモニア、炭酸アンモニウムが特に好ましい。
本発明の製造方法の最大の特徴は、中和溶液中に原料溶液を添加することで酸化物前駆体を共沈させることにある。これにより、添加時には各金属イオンの周囲に中和当量以上のアルカリイオンが豊富に存在することになり、各金属の酸化物前駆体がほぼ同時に析出沈殿する。したがって沈殿物中のAl原子の偏在が抑制される。
沈殿の析出方法には様々な調節方法があり、原料溶液を瞬時に添加し強撹拌する方法や、中和させる際にかかる時間を十分に長くする方法などがある。沈殿が生成後は、水又は水を含む溶液を分散媒とした懸濁状態または系内に水が十分に存在する状態で沈殿を加温する熟成工程を行うことがさらに望ましい。これにより、メカニズムは不明であるが、細孔が制御された触媒担体が得られる。
系内に水分が充分に存在している状態で沈殿を熟成するには、沈殿を含む溶液ごと加熱して溶媒を蒸発させ、そのまま焼成することで行うことができる。あるいは濾別された沈殿物を水蒸気の存在下で焼成してもよい。この場合は、飽和水蒸気雰囲気で焼成することが好ましい。
上記した熟成工程を行った場合には、加温の熱によって溶解・再析出が促進されるとともに粒子の成長が生じ、細孔が効果的に形成されるとともに、ZrO2−TiO2固溶体の固溶がさらに促進される。
この熟成工程は、室温以上、好ましくは100〜200℃で、さらに好ましくは100〜150℃で行うことが望ましい。100℃未満の加温では熟成の促進効果が小さく、熟成に要する時間が長大となる。また200℃より高い温度では、10気圧以上に耐えうる合成装置が必要となり、設備コストが高くなるため触媒担体には適さない。
得られた沈殿物を焼成することで、酸化物前駆体は酸化物となり、アルミナが偏在する偏在部におけるAl原子の含有率が90原子%以下の複合酸化物が得られる。この焼成温度は、550℃以上であることが必要であるが、650℃以上がさらに望ましく、650〜900℃であることが特に望ましい。焼成温度が550℃未満であると、触媒として耐久試験を行った場合に貴金属などのシンタリングが生じやすく、耐硫黄被毒性も低下する。また焼成温度が900℃を超えると、Al2O3の結晶化並びに相転移による比表面積の低下などが生じるため好ましくない。
本発明の触媒担体は、三元触媒などの担体として用いることもできるが、NOx 吸蔵還元型触媒の担体としてきわめて有用である。NOx 吸蔵還元型触媒は、担体にNOx 吸蔵材と貴金属とを担持してなるものであり、酸素過剰のリーン雰囲気でNOx を吸蔵し、間欠的に還元剤過剰のリッチ雰囲気でNOx 吸蔵材から放出されたNOx を還元浄化するものである。
貴金属としては、Pt,Rh,Pd,Ir,Ruなどが利用できるが、NOの酸化活性が高いPtが特に好ましい。この貴金属の担持量は、触媒1リットル当たり0.1〜20gとすることができる。貴金属の担持量がこの範囲より少ないとNOx 浄化活性が低く、この範囲より多く担持しても活性が飽和するとともにコストが上昇する。
NOx 吸蔵材は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種であり、塩基度が高いアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一方を用いることが望ましい。アルカリ金属は高温域におけるNOx 吸蔵能が高く、アルカリ土類金属は低温域におけるNOx 吸蔵能が高いので、両者を併用することが好ましく中でもK及びBaを併用するとよい。このNOx 吸蔵材は、炭酸塩などの塩あるいは酸化物、水酸化物などの状態で担持される。
NOx 吸蔵材の担持量は、触媒1リットル当たり0.1〜1.2モル担持されていることが望ましい。なおNOx 吸蔵材の担持量が多すぎると、貴金属がNOx 吸蔵材で覆われる現象が生じ、NOx 浄化活性が低下するようになる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例)
硝酸アルミニウム9水和物441.2g(1.18モル)と、オキシ硝酸ジルコニウム溶液233.3g(0.34モル)及び四塩化チタン溶液65.4g(0.23モル)を1000mlのイオン交換水中に撹拌混合し、原料溶液を調製した。
一方、456gのアンモニア水(NH3 濃度25%)を1000mlのイオン交換水に溶解し、中和溶液を調製した。
そして中和溶液中に原料溶液全量を約30秒かけて徐々に添加し、酸化物前駆体を共沈させた後、沈殿物を溶液と共に2気圧下120℃で2時間保持する熟成工程を行った。その後、沈殿物を400℃で5時間仮焼し、800℃で5時間焼成して複合酸化物を得た。これを150μm以下に粉砕し、本実施例の触媒担体粉末を調製した。
各酸化物の組成は、重量比で、Al2O3:ZrO2:TiO2=50:35:15である。またBET比表面積は129m2/gであった。
(比較例)
原料溶液中に中和溶液全量を徐々に添加したこと以外は実施例と同様にして、本比較例の触媒担体粉末を調製した。
<試験・評価>
実施例及び比較例の触媒担体粉末をSEMにて観察し、その写真を図1及び図2に示す。濃淡の濃い部分がアルミナの偏在部であり、濃淡の薄い部分がジルコニア−チタニア複合酸化物の偏在部であり、その中間の灰色の部分はアルミナとジルコニア−チタニア複合酸化物との混合部分である。
図1の実施例の触媒担体では、図2の比較例に比べてアルミナの偏在部が大幅に減少し、アルミナとジルコニア−チタニア複合酸化物との混合部分が増加していることがわかる。また実施例の触媒担体においては、最大径が3μmを超えるアルミナの偏在部は存在しないことを確認した。
図1,2に示す分析点1〜3の元素分析値を表1に示す。
Figure 2005342580
実施例の触媒担体粉末におけるアルミナの偏在部である分析点1では、Al原子含有率が83原子%であるのに対し、比較例の触媒担体粉末におけるアルミナの偏在部である分析点3では、Al原子含有率が96原子%と多い。そして分析点1のアルミナの偏在部は最大径が3μm以下であるのに対し、分析点3のアルミナの偏在部は最大径が5μm程度と大きい。さらに実施例の触媒担体粉末におけるアルミナとジルコニア−チタニア複合酸化物との混合部分である分析点2においては、原子%でAl:Zr:Ti=68:21:11の組成であり、仕込み値(Al:Zr:Ti=67.5:19.6:12.9)とほぼ同じ割合で各元素が含まれている。
すなわち実施例の製造方法によれば、比較例の製造方法に比べてアルミナの偏在が抑制され、各酸化物の混合状態を均一化できることが明らかである。
次に、実施例の触媒担体粉末 200gを秤量し、ZrO2粉末に予めRhが担持されたRh/ZrO2触媒粉末50g(Rhとして 0.5g)と、CeO2−ZrO2固溶体粉末20gと、アルミナバインダ 130gと、水 170gを混合してスラリーを調製した。比較例の触媒担体粉末についても同様にスラリー化した。
35ccのハニカム基材を2個用意し、上記スラリーを用いてそれぞれウォッシュコートした後、 500℃で1時間焼成してそれぞれコート層を形成した。コート量は、ハニカム基材1Lあたりそれぞれ 270gである。次いでジニトロジアンミン白金水溶液の所定量を含浸させ、大気中 300℃で3時間焼成してPtを担持した。Ptの担持量は、ハニカム基材1Lあたりそれぞれ2gである。さらに酢酸バリウム水溶液を用いてBaを担持し、酢酸カリウム水溶液を用いてKを担持し、酢酸リチウム水溶液を用いてLiを担持した。ハニカム基材1Lに対して、Baは 0.2モル、Kは0.15モル、Liは 0.1モルそれぞれ担持された。NOx 吸蔵材担持後の焼成条件は、大気中300℃で3時間とした。
得られた実施例及び比較例のそれぞれの触媒について、大気中にて750℃で5時間保持する耐久試験を行った。続いて表2に示すLeanモデルガスを120秒間、Richモデルガスを3秒間で交互に流す雰囲気変動を行いながら400℃で保持し、それぞれの触媒にSとして0.0525gの硫黄を付着させた。その後、表3に示すガス雰囲気下において、触媒から離脱するSOx 量をそれぞれ測定し、硫黄脱離波形を図3に、脱離開始から10分間の平均硫黄脱離速度を図4にそれぞれ示す。
Figure 2005342580
Figure 2005342580
実施例の触媒担体を用いた実施例の触媒では、比較例の触媒に比べて初期の硫黄脱離量が多く、脱離開始から1分間における硫黄脱離量は比較例の触媒の 1.4倍であり、脱離開始から10分間における硫黄脱離量は比較例の触媒の 1.2倍であった。
次に、硫黄脱離処理後の各触媒について、表4に示すLeanモデルガスとRichモデルガスを交互に流しながら、 300℃、 400℃、 500℃の各温度におけるNOx 吸蔵量を測定した。測定は、Leanモデルガスを流した後に3秒間Richモデルガスを流し、さらにLeanモデルガスに切り替えた際のNOx 吸蔵量(RSNOx 吸蔵量)を測定した。結果を2Lのハニカム基材の場合に換算し、図5及び表5にそれぞれ示す。
Figure 2005342580
Figure 2005342580
図5及び表5から、実施例の触媒は比較例の触媒に比べて高温域におけるNOx 吸蔵量が多いことがわかり、これは実施例の触媒の方が比較例の触媒より硫黄脱離量が多いことに起因し、実施例の触媒は硫黄被毒量が比較例の触媒に比べて少ないためと考えられる。すなわち実施例の触媒は耐硫黄被毒性に優れ、これは、実施例の触媒担体は二次粒子中においてアルミナが偏在する偏在部におけるAl原子の含有率が90原子%以下であることに起因していることが明らかである。
本発明の触媒担体は、酸化触媒、三元触媒、NOx 吸蔵還元型触媒などに利用でき、NOx 吸蔵還元型触媒の担体として特に有用である。
実施例の触媒担体の粒子構造を示す SEM写真である。 比較例の触媒担体の粒子構造を示す SEM写真である。 実施例及び比較例の触媒担体を用いた触媒における硫黄脱離波形を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒担体を用いた触媒における脱離開始から10分間の平均硫黄脱離速度を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒担体を用いた触媒における入りガス温度とRSNOx 吸蔵量との関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 複数種の金属酸化物がナノレベルで複合化された複合酸化物からなる触媒担体であって、少なくともアルミナを含み、二次粒子中においてアルミナが偏在する偏在部におけるアルミニウム原子の含有率が90原子%以下であることを特徴とする触媒担体。
  2. 少なくとも一部が固溶したジルコニア−チタニア複合酸化物を含む請求項1に記載の触媒担体。
  3. 前記偏在部の最大径は3μm以下である請求項1又は請求項2に記載の触媒担体。
  4. 少なくともアルミニウムイオンを含み複数種の金属イオンが溶解した原料溶液を調製する工程と、
    該原料溶液中の酸イオンを中和する当量以上のアルカリ物質が溶解した中和溶液を調製する工程と、
    該中和溶液中に該原料溶液を添加することで酸化物前駆体を共沈させる工程と、
    該酸化物前駆体を焼成して複合酸化物とする工程と、を行うことを特徴とする触媒担体の製造方法。
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