JP2005342003A - 超音波診断装置 - Google Patents

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和宏 砂川
Makoto Kato
真 加藤
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Abstract

【課題】 被検体の動きに同期する信号を得るための心電波形検出部を備えることにより、ドプラ効果の影響を受けない超音波エコーの周波数スペクトルを検出することができ、被検体の運動速度を精度良く検出することができる超音波診断装置を提供する。
【解決手段】 超音波を送受信する超音波プローブから超音波を送信する超音波送信手段2と、被検体内から得られた超音波エコーを受信する超音波受信手段2と、超音波エコーから得られた超音波エコー信号の周波数スペクトルを解析する周波数解析手段3と、周波数解析手段の出力に基づいて被検体の運動速度を検出する運動速度検出手段4とを備える。被検体の心電波形を検出する心電波形検出手段6を有し、周波数解析手段は心電波形検出手段で得られた被検体の心電波形に同期した超音波エコーの周波数スペクトルを検出する。
【選択図】 図1


Description

本発明は、被検体から得られた超音波エコー信号から、被検体の運動速度を検出する機能を有する超音波診断装置に関する。
生体組織内での超音波の減衰は周波数依存性があり、超音波プローブからの被検深度が深くなるほど高周波側の周波数成分の減衰が大きくなることが知られている。
生体組織内に超音波送信パルスを送信した場合、超音波送信パルスの周波数スペクトルは広帯域となる。被検体からの超音波エコー信号は、被検深度に応じて高周波成分が大きく減衰するため、周波数スペクトルの中心周波数が、超音波送信パルスの中心周波数より低くなる。
従来の超音波診断装置において、被検体の運動速度を検出するために、被検体からの超音波エコー信号を直交検波することが行われてきた。生体組織内に超音波送信パルスを送信すると高周波成分の減衰が大きくなるため、直交検波を行う際、直交検波用の参照信号の周波数を被検体の深度により可変することが行われている(特許文献1参照)。
特開2000−237187
従来の構成では、直交検波のための参照信号として、異なる深度ごとに超音波エコー信号の周波数スペクトルの中心周波数を検出する。しかし、被検体が運動している場合、超音波エコー信号はドプラ効果により周波数シフトを生じる。そのため、最適な直交検波用の参照信号を決定できないという課題がある。
本発明の目的は、ドプラ効果の影響を受けない超音波エコー信号の周波数スペクトルを検出し、ドプラ効果の影響を受けない直交検波用の参照信号を決定でき、被検体の運動速度を精度良く検出することができる超音波診断装置を提供することである。
本発明の超音波診断装置において、超音波を送受信する超音波プローブから超音波を送信する超音波送信手段と、被検体内から得られた超音波エコーを受信する超音波受信手段と、前記超音波エコーから得られた超音波エコー信号の周波数スペクトルを解析する周波数解析手段と、前記周波数解析手段の出力に基づいて前記被検体の運動速度を検出する運動速度検出手段とを備えた超音波診断装置において、前記被検体の心電波形を検出する心電波形検出手段を有し、前記周波数解析手段は前記心電波形検出手段で得られた前記被検体の心電波形に同期した前記超音波エコーの周波数スペクトルを検出することを特徴とする。
この構成により、被検体の運動速度を精度良く検出することができる。
また、前記周波数解析手段は、前記超音波プローブからの被検深度ごとに前記超音波エコー信号の周波数スペクトルを検出する機能を備えた構成にしても良い。
また、前記運動速度検出手段は、前記周波数解析手段で得られた前記超音波エコー信号の周波数スペクトルから前記被検体の運動速度を検出する機能を備えた構成にしても良い。
また、前記運動速度検出手段は、前記心電波形検出手段で得られた前記被検体の心電波形に同期して、前記周波数解析手段で得られた前記超音波エコー信号の周波数スペクトルから前記被検体の運動速度を検出する機能を備えた構成にしても良い。
また、前記心電波形検出手段が、前記被検体の心電波形のR波を検出した時刻における前記エコー信号の各深度の周波数スペクトルに基づき、各深度の前記エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数を検出する機能を備えた構成にしても良い。
この構成により、被検体の静止状態のエコー信号を検出することが可能である。
本発明の超音波診断装置は、心電波形を検出する心電波形検出部を有し、その出力に同期させることにより、ドプラ効果の影響を受けない超音波エコーの周波数スペクトルを検出し、被検体の運動速度を精度良く検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における超音波診断装置の構成を示すブロック図である。超音波プローブ1は、被検体に超音波を送信し、その超音波エコーを受信する。超音波送受信部2(超音波送信手段、超音波受信手段)は、超音波プローブ1へ駆動用信号を送信し、超音波プローブ1からの超音波エコー信号を受信する。周波数解析部3(周波数解析手段)は、被検体の心電信号を検出する心電波形検出部6からの心電波形の信号に同期した超音波エコー信号の周波数解析を行う。さらに、周波数解析部3は、超音波エコー信号の周波数スペクトルの中心周波数を検出する。
運動検出部4(運動速度検出手段)は、直交検波器(図示せず)と参照信号発生器(図示せず)によって構成されている。参照信号発生器は、超音波エコー信号の周波数スペクトルの中心周波数から直交検波用参照信号を生成する。運動速度検出部4は、周波数解析部3で得られた超音波エコー信号の周波数特性に基づき、直交検波器の参照信号周波数補正データあるいは直交検波後の実部信号と虚部信号間の位相補正データを決定する。
心電波形検出部6(心電波形検出手段)は、被検体の心電信号を検出する。運動速度検出部4は、検出された心電波形の信号に同期して、参照信号周波数補正データ及び実部信号と虚部信号間の位相補正データを被検深度に合わせて選択する。運動速度検出部4は、参照信号周波数補正データ及び実部信号と虚部信号間の位相補正データと超音波エコー信号により被検体の運動速度を検出する。
制御部7は、超音波送受信部2と、周波数解析部3と、運動速度検出部4と、表示部5との制御を行う。また、記憶部8は、超音波送受信部2と、運動速度検出部3と、周波数解析部4と、表示部5とで得られた情報及び制御情報を記憶する。
図2は、超音波送信パルスがガウス関数で近似できると仮定した場合の、被検深度に対する超音波エコー信号の振幅の減衰特性を示したものである。超音波の減衰率の単位は、db/mm/Hzである。超音波は、被検体内において被検深度及び超音波送信パルスの周波数に依存して減衰率が変化することが知られており、図2に示すように、被検深度が深くなるほど、高周波であるほど、減衰が大きくなる。そのため、超音波エコー信号の周波数スペクトルの中心周波数は、超音波送信パルスの周波数スペクトルの中心周波数より低くなる。
また、被検体が超音波プローブ1に対して運動している場合は、ドプラ効果が生じる。図3に示すように、超音波エコー信号の周波数スペクトルの中心周波数は、超音波送信パルスの周波数スペクトルの中心周波数f0から、ドプラ偏移周波数fdの分だけ偏移することが知られている。
したがって、被検体が運動している場合、被検体からの超音波エコー信号は、ドプラ偏移周波数を含んでいる。そのため、被検体が運動している時に、被検深度ごとの超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数にもドプラ偏移周波数を含んでいる。従って、その中心周波数に基づいて、運動速度検出手段4で被検体の運動速度を検出すると、ドプラ偏移周波数分の誤差が含まれることとなる。
そこで、周波数解析部3は、心電波形検出部6において検出された被検体の心電信号に同期した、被検深度ごとの超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数を検出する。運動速度検出手段4は、検出した中心周波数から直交検波器の参照信号周波数補正データあるいは直交検波後の実部信号と虚部信号間の位相補正データを決定する。
つぎに、本発明の実施の形態における超音波診断装置を用いた被検体の運動速度の計測例について説明する。
まず、周波数解析部3により超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数が検出される。超音波プローブ1及び超音波送受信部2で受信された超音波エコー信号により、周波数解析部3において被検深度ごとの超音波エコー信号の周波数スペクトルが検出される。周波数解析部3で検出された被検深度ごとの超音波エコー信号の周波数スペクトルは、図2のようになる。周波数解析部3は、心電波形検出部6で検出された被検体の心電波形に同期して、被検深度ごとの超音波エコー信号の周波数スペクトルを記憶する機能を有する。さらに、周波数解析部3は、被検深度ごとの超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数を検出する機能を有する。
心電波形と同期することにより、常に被検体の静止状態における、被検深度ごとの超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数を検出することが可能となる。
次に、超音波エコー信号と超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数により、運動速度検出部4で被検体の運動速度が検出される。周波数解析部3で得られた被検深度ごとの超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数から、直交検波器の参照信号周波数補正データあるいは直交検波後の実部信号と虚部信号間の位相補正データを決定する。決定した直交検波器の参照信号周波数補正データあるいは直交検波後の実部信号と虚部信号間の位相補正データによって被検体の運動速度を検出できる。
以上により、被検深度に伴って、超音波エコー信号の周波数スペクトルの中心周波数が変化しても、被検体の運動速度を最適に検出することが可能となる。
心電信号を動脈壁運動の計測により求める一例を図4に示す。動脈は心臓の駆出によって、動脈内の血圧が上昇し、動脈の径方向への拡張が発生する。
図4に示した心電波形のR波が、心臓の駆出のトリガになることは、よく知られており、したがって、心臓は心電波形のR波に同期して駆出を行い、動脈の拡張も心電波形のR波に同期する。
また、心臓が駆出してから、動脈内の血圧が上昇するまでに、時間遅れが生じることはよく知られている。従って、心電図のR波が発生した時刻においては、動脈壁はほぼ静止状態となっており、血液もほとんど流れていない。
このため、心電波形のR波に同期した被検深度ごとの超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数は、ドプラ効果の影響を受けない。心電波形のR波に同期した、被検深度ごとの超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数に基づき、被検深度ごとの直交検波器の参照信号周波数補正データあるいは直交検波後の実部信号と虚部信号間の位相補正データを決定する。このことにより、被検体の運動速度検出を被検体の静止状態を基準に行うことができ、常に精度の高い被検体の運動速度の検出が可能となる。
特に速度の小さい生体組織の運動速度検出においては、非常に効果的である。
なお、本実施の形態においては、心電波形のR波に同期した一例を示したが、本発明の超音波診断装置では、他の心電波形に同期させることも可能である。
また、超音波エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数は、スペクトル強度の最も高い周波数を中心周波数とする例を示したが、周波数スペクトルの重心となる周波数としても良い。
本発明の超音波診断装置は、心電波形検出部を有する構成のため、被検体が動いていても、直交検波参照信号がドプラ効果の影響を受けない。そのため、精度良く被検体の運動速度を検出することができる超音波診断装置として有用である。
本実施の形態における超音波診断装置のブロック図 生体組織内からの超音波エコーの周波数スペクトルを示した模式図 ドプラ偏移を含んだ超音波エコー信号の周波数スペクトルを示した模式図 心電同期した動脈運動を示した模式図
符号の説明
1 超音波プローブ
2 超音波送受信部
3 周波数解析部
4 運動速度検出部
5 表示部
6 心電波形検出部
7 制御部
8 記憶部

Claims (5)

  1. 超音波を送受信する超音波プローブから超音波を送信する超音波送信手段と、被検体内から得られた超音波エコーを受信する超音波受信手段と、前記超音波エコーから得られた超音波エコー信号の周波数スペクトルを解析する周波数解析手段と、前記周波数解析手段の出力に基づいて前記被検体の運動速度を検出する運動速度検出手段とを備えた超音波診断装置において、
    前記被検体の心電波形を検出する心電波形検出手段を有し、前記周波数解析手段は前記心電波形検出手段で得られた前記被検体の心電波形に同期して前記超音波エコーの周波数スペクトルを検出することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記周波数解析手段は、前記超音波プローブからの被検深度ごとに前記超音波エコー信号の周波数スペクトルを検出する機能を備えた請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記運動速度検出手段は、前記周波数解析手段で得られた前記超音波エコー信号の周波数スペクトルから前記被検体の運動速度を検出する機能を備えた請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記運動速度検出手段は、前記心電波形検出手段で得られた前記被検体の心電波形に同期して、前記周波数解析手段で得られた前記超音波エコー信号の周波数スペクトルから前記被検体の運動速度を検出する機能を備えた請求項1記載の超音波診断装置。
  5. 前記被検体の心電波形のR波に同期して前記エコー信号における周波数スペクトルの中心周波数を検出する請求項4記載の超音波診断装置。

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