JP2005340559A - 熱電交換モジュール用セラミック基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体素子等の発熱体の熱を外部に効率よく伝達させ得る熱電交換モジュール用セラミック基板を提供すること。
【解決手段】 本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板は、セラミック基板1の主面に熱電素子3が電気的に接続される電極2が形成されており、電極2は、メタライズ層2aおよびこのメタライズ層2a上に溶着された金属ロウ材層2bから成る。金属ロウ材層2bが変形しやすいので、熱電素子3とセラミック基板1との間に生じる熱応力を金属ロウ材層2bが緩和し、メタライズ層2aがセラミック基板1から剥離しにくいものとすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体素子等の発熱体を作動時に冷却するための熱電交換モジュール用セラミック基板に関する。
従来の光通信分野等に使用されるLD,PD等の光半導体素子やICなどの半導体素子を作動時に冷却するための熱電交換モジュールは、半導体素子が作動時に発する熱を外部へ伝えることにより、半導体素子を常に一定の温度に保持する熱電冷却装置として機能していた。この熱電交換モジュール、すなわち熱電冷却装置は、セラミック基板の主面においてp型とn型の熱電素子を電気的に直列または並列に接続して一体構造とした状態で、ペルチェ効果を利用して熱電素子の高温側の端部の電極および低温側の端部の電極に印加した電圧に依存して熱電素子に温度差を生じさせることにより低温側に搭載された半導体素子等の発熱体を冷却するものである。
そして、従来の熱電交換モジュール用セラミック基板は、図2に電極周辺部の断面図を示すように、アルミナ(Al)セラミックスや窒化アルミニウム(AlN)セラミックス等のセラミック基板101の一方の主面に、モリブデン(Mo),マンガン(Mn),タングステン(W)等の粉末に有機溶剤,溶媒を添加混合して得た金属ペーストをスクリーン印刷法により熱電素子103が直列または並列に接続される複数の電極となるように所定の形状に印刷塗布し焼結することによりメタライズ層102aを形成し、このメタライズ層102aに銅(Cu)層102cを被着させ、メタライズ層102aとCu層102cとで複数の電極102を形成している。この構成により、メタライズ層102aをセラミック基板101とCu層102cとの強固な接合媒体として機能させることができる。
さらに、Cu層102cの上面の平坦部にニッケル(Ni)メッキ層と金(Au)メッキ層を順に被着させ、錫(Sn)−銀(Ag)系,Sn−アンチモン(Sb)系,Sn−ビスマス(Bi)系,Sn−鉛(Pb)系等の半田を介して、p型,n型の熱電素子103を固着することにより、製品としての熱電交換モジュールが作製される。
上記の熱電交換モジュールにより、半導体素子等の発熱体が作動時に発する熱は、熱電素子103からCu層102c、メタライズ層102a、セラミック基板101を介して外部へ効率よく伝えられる。
しかしながら、電極102には、半導体素子等の発熱体が作動時に発する熱に、熱電素子103に供給される電流による電極102部での抵抗発熱による熱が加わり、これらの熱によりセラミック基板101と熱電素子103との間に熱膨張差が生じて、電極102に熱応力が生じ、メタライズ層102aの外周端がセラミック基板101から剥離するという問題があった。
この問題に対し、例えば、電極102はメタライズ層102aの外周端に全周にわたって窪んだ曲面から成る裾野部が形成されており、セラミック基板101は主面の電極102の周囲が裾野部に連続する窪んだ曲面を有する裾野延長部とすることにより、メタライズ層102に生じる熱応力を分散し、セラミック基板101から剥離しにくくする構造等が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−163384号公報
しかしながら、この従来の熱電交換モジュール用セラミック基板においては、電極102を構成するメタライズ層102aの厚さを十分に厚くすることができないため、熱電素子103から伝達してくる熱によってセラミック基板101と熱電素子103との間に熱膨張差が発生すると、厚みの薄いメタライズ層102aに大きな熱応力が作用し易かった。そして、メタライズ層102aに大きな熱応力が作用すると、メタライズ層102aがセラミック基板101から剥がれてしまうという問題点が発生していた。
また、メタライズ層102aの熱伝導率が低いため、熱電素子103からセラミック基板101に伝達しようとする熱が、メタライズ層102aで遮られ、効率よく外部に放散できないという問題点があった。
また、メタライズ層102aの外周端からセラミック基板101の主面にかけて窪んだ曲面から成る裾野部を形成するものは、電極102の周囲に裾野部を設ける面積が必要となるため、熱電素子103を密に固着することができず、熱電交換モジュールを小型化できないという問題点があった。
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、セラミック基板と熱電素子との熱膨張差により発生する熱応力を、電極とセラミック基板との接合部に集中させないことにより、また、電極における発熱を防止し、半導体素子等の発熱体の熱を外部に効率よく伝達させ得る熱電交換モジュール用セラミック基板を提供することにある。
本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板は、セラミック基板の主面に熱電素子が電気的に接続される電極が形成されており、この電極は、メタライズ層およびこのメタライズ層上に溶着された金属ロウ材層から成ることを特徴とする。
また、本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板は、好ましくは、前記電極は、前記金属ロウ材層上に銅層が形成されていることを特徴とする。
本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板は、セラミック基板の主面に熱電素子が電気的に接続される電極が形成されており、この電極は、メタライズ層およびこのメタライズ層上に溶着された金属ロウ材層から成ることから、セラミック基板と熱電素子との間で熱膨張差が発生したとしても、セラミック基板と熱電素子との間のメタライズ層の上面に溶着された金属ロウ材層が優先的に変形して熱膨張差を吸収し、セラミック基板と熱電素子との熱膨張差による熱応力がセラミック基板とメタライズ層との間に作用するのを緩和できる。そして、メタライズ層がセラミック基板から剥がれるのを有効に防止することができる。
また、電極の周囲に、熱応力緩和のための窪んだ曲面からなる裾野部等を形成する必要がないので、熱電素子を密に固着することができ、熱電交換モジュールを小型化することができる。
さらに、メタライズ層の上面に金属ロウ材層が溶着されているので、金属ロウ材層で熱電素子から伝達してくる熱を放散させることができ、半導体素子等の発熱体の熱を外部に効率よく伝達させることができる。
従って、熱電素子の動作を長期にわたって安定なものとさせることができ、半導体素子等の発熱体の熱を外部に効率よく伝達させ得る熱電交換モジュール用セラミック基板となる。
また、本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板は、好ましくは、電極は、金属ロウ材層上に銅層が形成されていることから、銅層においても熱電素子から伝達してくる熱を放散させることができ、半導体素子等の発熱体の熱を外部に極めて効率よく伝達させることができる。
本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板を以下に詳細に説明する。図1は、本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板における電極周辺部の実施の形態の一例を示す断面図である。
図1において、1はセラミック基板、2はメタライズ層2aと金属ロウ材2bと銅層2cとから成る電極、3は熱電素子であり、これらセラミック基板1,電極2,熱電素子3とで、半導体素子等の発熱体が作動時に発する熱を外部に効率よく伝える熱電交換モジュールが構成される。また、本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板は、セラミック基板1と電極2とにより構成される。
図1に示すように、本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板は、セラミック基板1の主面に、円柱状または角柱状等の柱状の熱電素子3が電気的に接続される平面視で円形状または多角形状の電極2が形成されており、電極2は、メタライズ層2aおよびメタライズ層2a上に溶着された金属ロウ材層2bから成る。
セラミック基板1は、アルミナ(Al)質セラミックスや窒化アルミニウム(AlN)質セラミックス等のセラミックスから成り、その作製方法は、例えば、原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法によってセラミックグリーンシートと成し、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これを約1600℃の高温で焼結すればよい。なお、セラミック基板1は、AlN質セラミックスから成るのがその熱伝導率(約150W/m・K)の点からより好ましく、冷却効果の高い熱電交換モジュールとすることができる。
セラミック基板1の主面に形成されたメタライズ層2aは、セラミック基板1にペルチェ効果を利用した熱電素子3を固着し、熱電素子3に電圧を印加するための複数の電極2の一部となり、電極2をセラミック基板1に接合する機能を有する。これらの電極2は、それぞれの熱電素子3が直列または並列に接続されるように、例えば、図1に示されているように、交互に隣接する電極2のメタライズ層2a同士が電気的に接続されている。
そして、メタライズ層2a上にAg,Au,Ag−Cu,Au−Cu,Au−ゲルマニウム(Ge)等から成る金属ロウ材層2bが溶着されて電極2が形成される。これら金属ロウ材層2cを成す金属は、それらの縦弾性係数がCu(縦弾性係数:120GPa)やNi(縦弾性係数:200Gpa)より小さく変形しやすいという特性を有しており、例えばAgの縦弾性係数は82.7Gpa、Auの縦弾性係数は78Gpa、Ag−Cuの縦弾性係数は87.2Gpa、Au−Cuの縦弾性係数は98Gpa、Au−Geの縦弾性係数は69.5Gpaである。
電極2は、メタライズ層2aの上面に金属ロウ材層2bが溶着されて成ることから、セラミック基板1と熱電素子3との間で熱膨張差が発生したとしても、セラミック基板1と熱電素子3との間のメタライズ層2aの上面に溶着された変形しやすい金属ロウ材層2bが優先的に変形して熱膨張差を吸収し、セラミック基板1と熱電素子3との熱膨張差による熱応力がセラミック基板1とメタライズ層2aとの間に作用するのを緩和できる。そして、メタライズ層2aがセラミック基板1から剥がれるのを有効に防止することができる。
さらに、金属ロウ材層2bが溶着されていることにより、金属ロウ材2bで熱電素子3から伝達してくる熱を放散させることができるので、熱電素子3の動作を長期にわたって安定なものとさせることができ、半導体素子等の発熱体の熱を外部に効率よく伝達させ得る。
または、金属ロウ材層2bの上面にさらに銅層2cが形成されて電極2とされてもよい。金属ロウ材層2b上に銅層2cを形成することにより、銅層2cにおいても熱電素子3から伝達してくる熱を放散させることができ、半導体素子等の発熱体の熱を外部に極めて効率よく伝達させることができる。また、熱応力が直接金属ロウ材層2bに加わらないように緩和する効果も有する。
電極2がメタライズ層2aと金属ロウ材層2bとから成る場合、メタライズ層2aは厚さ10〜30μm、金属ロウ材層2bは厚さ40〜200μmであるのがよい。メタライズ層2aの厚さが10μm未満の場合は、メタライズ層2aの厚さが薄くなりすぎて、熱電素子3とセラミック基板1との熱膨張差による応力がメタライズ層2aに集中してしまい、大きな応力が作用してしまう傾向にあり、30μmを超える場合は、メタライズ層2aの厚さが厚くなりすぎて、メタライズ層2aの上層部をセラミック基板1に強固に密着させることができない傾向にある。
また、金属ロウ材層2bの厚さが40μm未満の場合は、金属ロウ材層2bの厚さが薄くなりすぎて、セラミック基板1と熱電素子3との間に発生する熱膨張差を金属ロウ材層2bで有効に吸収できなくなるとともに、金属ロウ材層2bで熱電素子3から伝達してくる熱を効率よく放散させることができなくなる傾向にあり、200μmを超える場合は、金属ロウ材層2bの厚さが厚くなりすぎてしまい、セラミック基板1に金属ロウ材層2bとの熱膨張差による応力が大きく作用してしまうとともに、熱電交換モジュールの高さが高くなって近時の熱電交換モジュールの小型化に適さない傾向にある。
電極2がメタライズ層2aと金属ロウ材層2bと銅層2cとから成る場合、メタライズ層2aは厚さ10〜30μm、金属ロウ材層2bは厚さ40〜200μmであり、銅層2cは厚さ40〜200μmであるのがよい。メタライズ層2aの厚さが10μm未満の場合は、メタライズ層2aの厚さが薄くなりすぎて、熱電素子3とセラミック基板1との熱膨張差による応力がメタライズ層2aに集中してしまい、大きな応力が作用してしまう傾向にあり、30μmを超える場合は、メタライズ層2aの厚さが厚くなりすぎて、メタライズ層2aの上層部をセラミック基板1に強固に密着させることができない傾向にある。
また、金属ロウ材層2bの厚さが40μm未満の場合は、金属ロウ材層2bの厚さが薄くなりすぎて、セラミック基板1と熱電素子3との間に発生する熱膨張差を金属ロウ材層2bで有効に吸収できなくなるとともに、金属ロウ材層2bで熱電素子3から伝達してくる熱を効率よく放散させることができなくなる傾向にあり、200μmを超える場合は、金属ロウ材層2bの厚さが厚くなりすぎてしまい、セラミック基板1に金属ロウ材層2bとの熱膨張差による応力が大きく作用してしまうとともに、熱電交換モジュールの高さが高くなって近時の熱電交換モジュールの小型化に適さない傾向にある。
また、銅層2cの厚さが40μm未満の場合は、銅層2cの厚さが薄くなりすぎて、セラミック基板1と熱電素子3との間に発生する熱膨張差を銅層2cで有効に吸収できなくなるとともに、銅層2cで熱電素子3から伝達してくる熱を効率よく放散させることができなくなる傾向にあり、200μmを超えると銅層2cの厚さが厚くなりすぎてしまい、セラミック基板1に銅層2cとの熱膨張差による応力が大きく作用してしまうとともに、熱電交換モジュールの高さが高くなって近時の熱電交換モジュールの小型化に適さない傾向にある。
また、電極2は熱電素子3が載置固定される上面の中央部が窪んでいるのがよい。この構成により、電極2と熱電素子3とを接合するための半田を電極2上に溜めて、電極2と熱電素子3とをさらに強固に接合させることができるとともに、熱電素子3とセラミック基板1との間に生じるセラミック基板1の主面に対してせん断方向の熱応力を、電極2の上面の窪んだ面で受けることになり、半田が電極2から剥離しにくくなるようにすることができる。
このような電極2は、例えば以下のようにして作製される。まず、セラミック基板1となるセラミックグリーンシートの一方の主面にW,Mo,Mn等のメタライズ層2aとなる金属の粉末に有機溶剤,溶媒を添加混合してペースト状となしたものを従来周知のスクリーン印刷法を採用して印刷塗布し、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これをセラミックグリーンシートとともに約1600℃の高温で焼結させ、一方の主面にメタライズ層2aが形成されたセラミック基板1を得る。なお、メタライズ層2aは厚さ10〜30μmになるようにして設ける。
そして、メタライズ層2aの上面にAg−CuロウやAgロウ等の金属ロウ材層2bとなるロウ材の熱電素子3と同一の平面視形状に成形されたプリフォームを置き、金属ロウ材層2bの融点以上の温度に設定された高温炉内で、金属ロウ材層2bを溶融させる。そして、冷却させることでメタライズ層2aに金属ロウ材層2bが被着される。なお、溶融させる際に、金属ロウ材層2bがメタライズ層2aの側面にも濡れ広がるようにさせると、金属ロウ材層2bとメタライズ層2aとの溶着強度が向上するとともに、メタライズ層2aの側面に濡れ広がった金属ロウ材層2bを介してセラミック基板1に放熱させることができるので、冷却効果の点でも好適である。また、金属ロウ材層2bはメタライズ層2aが形成されていないセラミック基板1表面に濡れ広がることはなく、隣接するメタライズ層2a間が電気的に短絡することはない。
なお、メタライズ層2aの表面に酸化皮膜等を生じると、金属ロウ材層2bの溶着強度が落ちるが、メタライズ層2aを還元雰囲気で焼成後、短時間のうちにメタライズ層2aの表面にロウ材を溶着させて金属ロウ材層2bを形成すれば、メタライズ層2a上に直接溶着された金属ロウ材層2bとすることができ、充分な溶着強度を確保した金属ロウ材層2bとすることができる。また、金属ロウ材層2bを溶着させた後には金属ロウ材層2bが保護層として機能し、メタライズ層2aが酸化することがない。そして、このような直接溶着された金属ロウ材層2bとすることにより、Niメッキ等を形成する工程を省くことができ、生産効率の高いものとすることができる。なお、メタライズ層2a上にNiメッキ等の保護層を形成する方が適当であれば、Niメッキを施した上に金属ロウ材層2bを溶着させてもよい。
好ましくは、メタライズ層2aは上面の中央部が窪んでいるのがよい。これにより、この窪みに金属ロウ材層2bを溜めることができ、金属ロウ材層2bの体積を大きくして熱電素子3とセラミック基板1との間に生じる熱応力を金属ロウ材層2bで有効に緩和することができる。また、メタライズ層2aと金属ロウ材層2bとの溶着面積を大きくしてこれらの溶着強度を高めることができる。さらに、熱電素子3とセラミック基板1との間に生じるセラミック基板1の主面に対してせん断方向の熱応力を、メタライズ層2aの上面の窪んだ面で受けることになり、金属ロウ材層2bがメタライズ層2aから剥離しにくくなるようにすることができる。
メタライズ層2aの上面の中央部を窪ませるには、メタライズ層2aの上面の中央部をエッチング加工等すればよい。また、メタライズ層2aを形成するためのメタライズペーストを調合するときに溶剤量を調整することによってもよい。
また、金属ロウ材層2bの上面の中央部も窪んでいるのがよく、これにより銅層2cまたは熱電素子3を接合するための半田との密着強度を高めて、強固に接合させることができる。金属ロウ材層2bの上面の中央部を窪ませるには、メタライズ層2aの上面の中央部を予め窪ませておくか、金属ロウ材層2bの上面の中央部をエッチング加工等すればよい。
銅層2cは、セラミック基板1の銅層2cを形成しない部位にメッキレジストを約300μm程度の厚さで施した後、電解Cuメッキを施し、金属ロウ材層2bの上面にメッキレジストの高さ(厚さ)よりも低い位置まで被着させ、その後メッキレジストを剥離する。この工程により、メタライズ層2aから成る上面に銅層2cが40〜200μmの厚さで形成されることとなる。隣接する電極2同士の間隔が小さい場合、電極2の側面にもメッキを厚く施すと、電極2同士の絶縁距離が保てなくなる場合がある。このような場合は、メッキレジストを施すことにより、絶縁を必要とする電極2の側面に銅層2cが被着されるのを確実に防止しつつ、電極2の上面のみに銅層2cを施すことができる。
この際、メタライズ層2aの側面またはメタライズ層2aの側面に溶着された金属ロウ材層2bの側面に銅層2cが形成されてもよく、これにより銅層2cの密着強度が向上するとともに、側面に形成された銅層2cを介してセラミック基板1に放熱させることができるので、冷却効果の点でも好適である。また、下層となる金属ロウ材層2bの上面の中央部に窪みがあると、銅層2cの上面の中央部にも窪みを形成することができる。
また、熱電素子3が接合される銅層2cまたは金属ロウ材層2bは、上面が熱電素子3の断面と同じ形状で、下面が上面より面積が広い台形状に形成されるのが、熱放散効率の点で好ましい。
また、隣接する複数の電極2の外周部同士の間隔は0.3〜2mmがよい。0.3mm未満では間隔が狭すぎるため、金属ロウ材層2b同士が溶着時に接触し電気的に接続されてしまう場合がある。一方、2mmを超えると、熱電交換モジュールが大型化しやすくなる。
このようなメタライズ層2a,金属ロウ材層2b,銅層2cから成る電極2の表面には、酸化防止および半田接合性を向上させるためにNiメッキ層,Auメッキ層が順次被着されているのがよい。そして、電極2の上面にSn−Ag系,Sn−Sb系,Sn−Bi系,Sn−Pb系等の半田を介して、p型およびn型の熱電素子3が固着される。
熱電素子3としては、ビスマステルル(BiTe)等の金属間化合物や、Si−Ge系合金等を用いる。また、熱電素子3と電極2との接合を強固なものとするために、熱電素子3の表面にNiメッキ層,Snメッキ層,半田メッキ層等を被着させておいても良い。
さらに、熱電素子3の上面側が半導体素子等の発熱体が搭載される低温端の場合、熱電素子3の上面側に上記本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板を上下反対にした、セラミック基板1の下主面にメタライズ層2aおよびこのメタライズ層2a下に直接溶着された金属ロウ材層2cから成る同様の電極2が形成された別の熱電交換モジュール用セラミック基板を接合することにより、発熱体の熱を低温端のセラミック基板1から熱電素子3を介して熱電素子3の下面側の高温端のセラミック基板1、そして外部へと効率よく伝えることのできる熱電交換モジュールが作製できる。
また、このような熱電交換モジュールを、例えば、セラミック基体を具備する半導体素子等の電子部品収納用パッケージ内に搭載する場合は、セラミック基板1を電子部品収納用パッケージのセラミック基体と共用して機能させればよく、これにより電子部品収納用パッケージのセラミック基体と熱電交換モジュール用のセラミック基板1とを一体化でき、電子部品収納用パッケージの基体に熱電交換モジュール用のセラミック基板1を搭載する必要がなくなる。その結果、電子部品収納用パッケージを低背化し近時の小型化に適するものとできるとともに、熱電交換モジュールから放散される熱を効率よく外部に放散させることができ、熱電交換モジュールの放熱性能をさらに向上させることが可能となる。
かくして、本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板を用いた小型軽量の熱電交換モジュールは、その上面に非常に発熱量の大きい発熱体を載置固定し作動させた場合でも、本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板により、発熱体の熱を外部に効率よく放散し得る信頼性の非常に高い熱電交換モジュールとなる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。例えば、セラミック基板1は窒化珪素(Si)等上記した以外のセラミックスから成っていても構わない。
本発明の熱電交換モジュール用セラミック基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 従来の熱電交換モジュール用セラミック基板の例を示す断面図である。
符号の説明
1:セラミック基板
2a:メタライズ層
2b:金属ロウ材層
2c:銅層
3:熱電素子

Claims (2)

  1. セラミック基板の主面に熱電素子が電気的に接続される電極が形成されており、該電極は、メタライズ層および該メタライズ層上に溶着された金属ロウ材層から成ることを特徴とする熱電交換モジュール用セラミック基板。
  2. 前記電極は、前記金属ロウ材層上に銅層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の熱電交換モジュール用セラミック基板。
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