JP2005340048A - 密閉型電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池を小型化しても、正極集電リードが位置ずれして注液孔にラップしたり、正極集電リードが負極端子に接触したりすることがない密閉型電池の製造方法を得る。
【解決手段】電池缶1の開口上面を塞ぐ導電性の蓋3に、出力端子部17を配するとともに注液孔12を予め設けておく。電池缶1内に電極体2を収容し、電極体2に配した正負の集電リード6・7を電池缶1の開口上面から導出する。蓋3の裏面において出力端子部17に負極集電リード7を溶接する一方、正極集電リード6を蓋3の裏面に接続する。この後、電池缶1の開口上面を蓋3で閉じる。電池缶1内に電解液を注液孔12を介して注入したのち、注液孔12を封口する。正極集電リード6を蓋3に溶接するのに先立って、出力端子部17および注液孔12に重なる正極集電リード6の側縁部分を切断除去する。
【選択図】図1
【解決手段】電池缶1の開口上面を塞ぐ導電性の蓋3に、出力端子部17を配するとともに注液孔12を予め設けておく。電池缶1内に電極体2を収容し、電極体2に配した正負の集電リード6・7を電池缶1の開口上面から導出する。蓋3の裏面において出力端子部17に負極集電リード7を溶接する一方、正極集電リード6を蓋3の裏面に接続する。この後、電池缶1の開口上面を蓋3で閉じる。電池缶1内に電解液を注液孔12を介して注入したのち、注液孔12を封口する。正極集電リード6を蓋3に溶接するのに先立って、出力端子部17および注液孔12に重なる正極集電リード6の側縁部分を切断除去する。
【選択図】図1
Description
本発明は、携帯電話やPDA(携帯情報端末)などの小型電子機器の電源などに用いる小型の密閉型電池の製造方法に関する。
小型電子機器に内蔵の電源としては、二酸化マンガンリチウム電池やニッケル水素電池やリチウムイオン二次電池などがあり、これらの電池では、小型電子機器のコンパクト化に伴なって、より小型かつ軽量で大容量化が求められている。
特許文献1・2の密閉型電池は、有底角筒形状の電池缶と、電池缶の開口上面を塞ぐ金属製の導電性蓋と、この蓋に貫通状に設けた電解液注入用の注液孔と、正極および負極を有して電池缶内に収容される電極体と、前記正極および前記負極にそれぞれ接続した正負の集電リードと、絶縁パッキングを介して蓋の中央に貫通状に取り付けた負極端子とを有する。そこでの負極端子には、負極集電リードが溶接され、正極集電リードは、蓋の裏面において負極端子と注液孔との間に溶接される。
問題は、電池の小型化に伴い、正極集電リードを接続できる蓋のスペースが狭くなっている点にある。このため、製造誤差などで蓋に対して正極集電リードが僅かでも位置ずれすると、これが注液孔の内面一部を覆ったり、あるいは負極端子に接触したりする。
正極集電リードが注液孔の一部を覆うと、注液孔から電池缶内に電解液を注入する際の障害になる。正極集電リードが負極端子に接触すると、電池内での短絡による電池の破損を招く。これらが原因して電池製造の歩留まりが低下していた。この場合、正極集電リードの幅寸法を小さくすることはできるが、強度などの点から正極集電リードはできるだけ広幅にしておく必要があり、これがネックになっていた。
そこで本発明の目的は、集電リードが注液孔の内面一部を覆ったり、負極端子に接触したりすることを防ぎながら、集電リードをできるだけ広幅に確保できる密閉型電池の製造方法を提供することにある。
第1の本発明に係る密閉型電池は、図1ないし図4に示すごとく、左右横長の電池缶1の開口上面を塞ぐ導電性の蓋3に、出力端子部17を配するとともに電解液注入用の注液孔12を予め設けておき、電池缶1内に電極体2を収容し、電極体2に配した正負の集電リード6・7を電池缶1の開口上面から導出する。次に、一方の集電リード7は蓋3の裏面において出力端子部17に接続する一方、他方の集電リード6を蓋3の裏面に接続する。そして、蓋3を電池缶1の上面開口に嵌め込んで電池缶1の開口周縁に蓋3の外周縁部をシーム溶接し、電池缶1内に電解液を注液孔12を介して注入したのち、注液孔12を封口する。ここでの他方の集電リード6は、出力端子部17と、蓋3の左右の外周縁3a・3bとの間、すなわち図1に示すごとく出力端子部17と注液孔12との間に接続される場合や、図9に示すごとく出力端子部17と、注液孔12の反対側となる蓋3の左右の外周縁3bとの間に接続される場合が含まれる。
第1の本発明は、かかる基本形態の密閉型電池の製造方法において、他方の集電リード6の導出端部が出力端子部17および注液孔12のいずれにも重ならないように、図1および図9に示すごとく、他方の集電リード6を蓋3に溶接するのに先立って、切断刃21で他方の集電リード6の出力端子部17または注液孔12に重なる部分を切り欠き状に切断除去することを特徴とする。
ここでの他方の集電リード6は、正極側に限られず負極側のそれであってもよい。本発明は、特に左右幅寸法が25mm以下の密閉型電池に適し、他方の集電リード6の左右幅を電池の左右幅寸法の15〜30%にしたものにより適する。溶接には、レーザー溶接、抵抗溶接および超音波溶接などが該当する。
先の切り欠き20は、図1や図5に示すごとく、他方の集電リード6において切り欠き20の下端側に尖った角が生じないように切断形成することが望まれる。
切断刃21は、電池缶1を基準にした位置で常に作動し、他方の集電リード6が正規位置にあるときは、切断作動しても該リード6に切り欠き20が形成されず空振り状態になるようにすることができる。尤も、集電リード6の導出端部は、これの左右端縁部が切断刃21で同時に切断される左右広幅寸法に予め設定されていてもよい。
第2の本発明は、左右横長の電池缶1の開口上面を塞ぐ導電性の蓋3に、出力端子部17を配するとともに電解液注入用の注液孔12を予め設けておき、電池缶1内に電極体2を収容し、電極体2に配した正負の集電リード6・7を電池缶1の開口上面から導出する。次に、一方の集電リード7は、蓋3の裏面において出力端子部17に接続する一方、他方の集電リード6は、蓋3の裏面に接続する。そして、蓋3を電池缶1の開口上面に嵌め込んで電池缶1の開口周縁に蓋3の外周縁をシーム溶接し、電池缶1内に電解液を注液孔12を介して注入したのち、注液孔12を封口する。
第2の本発明は、先の基本形態からなる密閉型電池の製造方法において、図7に示すごとく、左右横長の横板部22aと、上下縦長の縦板部22bとからなるタグ22を用意しておき、他方の集電リード6を蓋3に接続するに先立って、タグ22の横板部22aが蓋3からはみ出る状態で、蓋3の裏側において出力端子部17と蓋3の左右の外周縁との間、例えば出力端子部17と注液孔12との間に縦板部22bを予め溶接しておき、この後にタグ22の横板部22aに他方の集電リード6を溶接して、他方の集電リード6がタグ22を介して蓋3に接続されるようにしたことを特徴とする。ここでの縦板部22bは、組み付け状態において前後方向に延びることになる。
第3の本発明は、先の第2の本発明と同様の基本形態からなる密閉型電池の製造方法において、図8に示すごとく、左右幅寸法が他方の集電リード6の左右幅寸法以上であって出力端子部17と蓋3の左右の外周縁との間、例えば出力端子部17と注液孔12との間の寸法以下の四角形のタグ22を用意しておき、他方の集電リード6を蓋3に接続するに先立って、タグ22の一部22cが蓋3からはみ出る状態で、蓋3の裏側において出力端子部17と蓋3の左右の外周縁との間(図8では出力端子部17と注液孔12との間)にタグ22を予め溶接しておき、この後に蓋3のタグ22のはみ出し部分22cに他方の集電リード6の導出端を溶接して、他方の集電リード6が蓋3に接続されるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、電極体2の製作誤差などにより、蓋3に対して他方の集電リード6が位置ずれを生じても、他方の集電リード6が注液孔12の内面を覆ったり、あるいは出力端子部17に接触したりすることを確実に防止できる。したがって、他方の集電リード6が、注液孔12から電解液を注入する際の障害になったり、出力端子部17に接触して短絡による電池の破損を招いたりすることがなく、電池製造の歩留まりが向上する。
しかも、他方の集電リード6の左右幅寸法を小さくしなくても済むので、他方の集電リード6の強度を確保できて、電池の落下衝撃などで他方の集電リード6が破損したりすることなどを低減できる。他方の集電リード6と、蓋3との溶接面積も大きく取れるので、溶接点での抵抗値を小さくでき、その抵抗による損失も小さいものになる。
(実施例1) 図1ないし図4は、請求項1に対応する本発明に係る密閉型電池としてのリチウムイオン二次電池の実施例1を示しており、上面に左右横長の開口を有する有底筒形状の電池缶1と、電池缶1内に収容される電極体2および非水電解液と、電池缶1の開口上面を塞ぐ左右横長の蓋3と、蓋3の内側に配置されるプラスチック製の絶縁体5などを備えている。
電池缶1は、アルミニウムまたはその合金からなる板材を深絞り加工して上下縦長の薄型に形成してあり、左右幅寸法が18mm、上下高さ寸法が20mm、前後厚み寸法が5mmである。
電極体2は、シート状の正極と負極とを微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを間にして渦巻状に巻回してなる。正極の電極からは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる短冊状の正極集電リード6が上向きに導出されている。負極の電極からは、ニッケルや銅、あるいはこれらの複合体からなる短冊状の負極集電リード7が上向きに導出されている。各集電リード6・7の左右幅寸法は3mmとした。
蓋3は、アルミニウム合金などの板材をプレス成形してなり、電池缶1の開口周縁に蓋3の外周縁がレーザーでシーム溶接される。蓋3の中央には、上側の絶縁パッキング9および下側の絶縁板10を介して負極端子11が貫通状に取り付けられる。蓋3の左右方向の一端寄り(図1では右側)には、電解液を電池缶1内に注入するための注液孔12が上下貫通状に形成されている。この注液孔12は、電解液の注入後に栓13で塞いで封口する。蓋3には、別に防爆用の溝15を形成してある。なお、防爆用の溝を電池缶1に設けたり、電池缶1と蓋3との間のシーム溶接の強度を一部だけ弱くして防爆を図ったりする場合などには、防爆用の溝15を蓋3に形成しなくてもよい。
負極端子11の下端には、蓋3の内面において左右横長の薄板からなるリード体16が接続されている。このリード体16は、前記注液孔12の反対側に延びており、下側の絶縁板10で蓋3と絶縁されている。このリード体16の下面に負極集電リード7をレーザー溶接する。かくして、負極端子11とリード体16と絶縁パッキング9と絶縁板10とで、出力端子部17が構成されている。負極端子11およびリード体16の溶接部分に絶縁テープやコーティング剤などを用いて絶縁処理を施すことにより、外部からの過剰な振動や衝撃に対する短絡の防止に有効になる。さらに、耐熱性に優れたフッ素系、ポリイミド系、ポリフェニレンサルファイド系の絶縁テープやコーティング剤などを用いて絶縁処理を施した場合には、絶縁体5を省略することができ、電池内容積の増加による高容量化を行うことが可能になる。
正極集電リード6の導出端部は、蓋3の裏面において出力端子部17と蓋3の右側の外周縁3aとの間、すなわち出力端子部17と注液孔12との間のスペースにレーザー溶接する。これで正極集電リード6が蓋3および電池缶1に導通し、蓋3および電池缶1が正極電位に帯電するので、蓋3および電池缶1の任意の位置にアルミニウムとニッケルとからなるクラッド材を溶接することで、正極端子部を形成することができる(図示せず)。なお、正極集電リード6と蓋3、および負極集電リード7とリード体16は、図1に示すごとくそれぞれ2箇所をレーザー溶接して接続する。
電極体2は、次のようにして作製される。負極集電リード7の下端基部は、図2に示すごとく負極において巻回方向の内周側となる位置に溶接し、正極集電リード6の下端基部は、正極において巻回方向の外周側となる位置に溶接する。次いで、正極と負極とは、両者間にセパレータを挟んで、電池缶1の形状に合致するよう断面長円形状に巻回したのち、テープ止めする。
前記密閉型電池の組み立てに際しては、まず蓋3に対して負極端子11、上側の絶縁パッキング9、下側の絶縁板10およびリード体16を予め取り付けておく。そして、図3に示すごとく、電池缶1内に電極体2および絶縁体5を収容し、正極集電リード6を絶縁体5の外周縁に設けた切り欠き5aを介して電池缶1の開口上面の外側上方に導出し、さらに負極集電リード7を絶縁体5に設けた透孔5bを介して電池缶1の開口上面の外側上方に導出する。
次に、カメラなどの撮像装置ないしは測定用冶具などを用いて、電池缶1に対する正極集電リード6の左右方向の位置を検出し、正極集電リード6の位置が許容範囲内に収まっているかどうかを判別する。いま、正極集電リード6が前記許容範囲内に収まらない程度にまで位置ずれした状態にあれば、不良品として処理する。
前記許容範囲としては、蓋3に正極集電リード6を溶接する際に正極集電リード6の左右幅の2mm以上が、出力端子部17と注液孔12との間に位置し得る範囲に設定されている。前記2mm以上としたのは、正極集電リード6をねじれなどに対しても十分な強度を持って蓋3に溶接するには正極集電リード6にレーザー溶接を2箇所以上行なうことが好ましく、2mm以上でなければ2箇所以上のスポット溶接が困難になるからである。また、超音波溶接であれば、溶接点は1点でもよいが、前述した理由により2mm角以上の面積を有することが好ましい。よって、正極集電リード6の左右幅寸法は2〜5mmに設定される。
前記実施例では、正極集電リード6は、少なくとも2点の溶接点19でレーザー溶接されることで、蓋3に正極集電リード6の導出端部が溶接されるが(図1参照)、十分な溶接強度が得られるのであればこの限りではない。
正極集電リード6が前記許容範囲内に収まっていても、正極集電リード6の導出端部の左右側縁が出力端子部17または注液孔12に一部重なることがある。その場合には、該当の重なり部分を切断刃21で切り欠き状に切断する。図3を例にすると、正極集電リード6の導出端部は、注液孔12側に位置ずれしているので、切断刃21によって想像線で示すように、該リード6の右側縁が切断除去される。これにより、正極集電リード6は、図1に示すごとく、切断された右側の切欠縁が注液孔12に重ならないものとなる。出力端子部17と注液孔12との間の寸法は、正極集電リード6の左右幅寸法よりも大きくなっており、正極集電リード6の全体が、出力端子部17と注液孔12との間に収まる場合、正極集電リード6は切断処理されない。
正極集電リード6の導出端部に形成される切り欠き20は、これの切欠縁の下端部が丸く角落とされた状態で正極集電リード6の側縁6aにつながるよう切断刃21で切断処理する。これにより、切り欠き20の下端から正極集電リード6の導出端部分が破断することを防止している。
切断刃21は、図3の想像線で示すように、前記切り欠き20を形成するための刃縁21a・21aが左右に形成されており、電池缶1を基準にして切断作用をする。すなわち、電池缶1内には電極体2がガタつくことなく挿入されているので、電極体2から導出した正極集電リード6も、電池缶1に対してグラつくことはない。したがって、蓋3の出力端子部17の右端と注液孔12の左端との間の中央を通る仮想縦中心線を基準線Pとして、切断刃21は図3において前面手前から後ろ側に移動する。正極集電リード6の導出端部が、正しく基準線P上にあれば、切断刃21は空振り状態となって正極集電リード6を切断することはなく、正極集電リード6が右側に位置ずれしておれば、これの導出端部の右側縁に位置ずれ分に相当する切り欠き20を形成するよう切断作用し、正極集電リード6が左側に位置ずれしておれば、これの導出端部の左側縁に位置ずれ分に相当する切り欠き20を形成するよう切断作用する。
切断後の正極集電リード6は、図1に示すごとく、出力端子部17と注液孔12との間において2箇所の溶接点19にレーザー溶接する。負極集電リード7もリード体16にレーザー溶接する。次いで、電池缶1の開口上面に蓋3を嵌め込み、電池缶1の開口周縁に蓋3の外周縁をレーザーでシーム溶接する。続いて、注液孔12に電解液を注入したのち、最後に注液孔12を栓13で塞いで封口する(図4の状態)。
なお、切断刃21の形状に関し、前記切り欠き20は図5に示すごとく、正極集電リード6が先細り状になるよう斜め直線状に形成されていてもよい。この場合も、切り欠き20の下端は角落とし状態で正極集電リード6の側縁6aにつながっている。尤も、前記切り欠き20は、図6に示すごとく縦長の四角形状に形成されていてもよい。
(実施例2) 図7は、請求項2に対応する第2の本発明の実施例2を示しており、出力端部17と注液孔12との間に、正極集電リード6の導出端がタグ22を介して溶接される。すなわち、タグ22は左右横長の横板部22aと、横板部22aの左右中央から上方に延びる縦長の縦板部22bとからなるT字状に形成されている。これによれば、タグ22の横板部22aが蓋3の下方にはみ出る図7の状態で、縦板部22bを蓋3の裏側において出力端子部17と注液孔12との間に予めレーザー溶接しておく。
次に、実施例1と同様に、電池缶1内に電極体2および絶縁体5を収容して、電極体2の各集電リード6・7を電池缶1の開口上面の外側上方に導出し、このうち正極集電リード6の導出端をタグ22の横板部22aに溶接することになる。負極集電リード7は実施例1と同様にしてリード体16にレーザー溶接する。続いて、蓋3を電池缶1の開口上面に嵌め込み、電池缶1の開口周縁に蓋3の外周縁をシーム溶接する。かくして、電池缶1内に注液孔12を介して電解液を注入したのち、注液孔12を封口する。その他の点は、実施例1と同じであるので説明を省略する。この組付け状態において、縦板部22bは前後方向に延びる状態となる。
タグ22の横板部22aの左右幅寸法は、正極集電リード6の左右幅寸法にこれの予測される最大の位置ずれ量を加えた寸法以上に設定しておく。具体的には、横板部22aの左右幅寸法は5mmに設定した。縦板部22bの左右幅寸法は3mmとした。この場合、正極集電リード6の左右の一側縁6aがタグ22の横板部22aの横外側方へ僅かに飛び出す形態も予想の範囲内にある。
タグ22の横板部22aは蓋3の外周縁より外側下方に2mm程度離れている。これは、各集電リード6・7を溶接したのち、蓋3を電池缶1の開口上面に嵌合する際に、タグ22が容易に折れ曲がるようにするためである。
(実施例3) 図8は請求項3に対応する第3の本発明の実施例3を示しており、この場合のタグ22は、先のT字状に代えて上下縦長の四角形とした。ここでのタグ22は、その左右幅寸法が正極集電リード6の左右幅寸法以上に設定されており、出力端子部17と注液孔12との間の寸法よりも小さく設定されている。ここでも、各集電リード6・7を蓋3側に溶接する前に、タグ22の下端側の一部22cが蓋3の下方にはみ出る状態にし、タグ22の上端部を蓋3の裏側において出力端子部17と注液孔12との間に予めレーザー溶接しておくことになる。
この後、実施例2と同様に、電池缶1内に電極体2および絶縁体5を収容して、電極体2の各集電リード6・7を電池缶1の開口上面の外側上方に導出し、正極集電リード6の導出端部をタグ22の下端はみ出し部分22cにレーザー溶接するとともに、負極集電リード7をリード体16にレーザー溶接する。次いで、蓋3を電池缶1の開口に嵌め込んでシーム溶接する。この後、電池缶1内に電解液を注液孔12から注入したのち、最後に注液孔12が封口される。その他の点は、実施例2と同じであるので説明を省略する。
正極集電リード6の左右がタグ22から飛び出していても(図8の状態)、正極集電リード6はタグ22に確りと固定される。実施例3でも、正極集電リード6が注液孔12の内面を覆ったり、あるいは負極端子11などに接触したりすることを防いで、蓋3に正極集電リード6を確実に接続できる。
実施例2・3において、タグ22と、負極端子11およびリード体16との短絡を防ぐために、タグ22の表面に絶縁テープなどの貼り付け、コーティング剤の塗布による絶縁処理、あるいは負極端子11およびリード体16の溶接部分に絶縁テープなどの貼り付けやコーティング剤の塗布により絶縁処理を施すことによって、外部からの過剰な振動や衝撃に対する短絡の防止に有効になる。さらに、耐熱性に優れたフッ素系、ポリイミド系、ポリフェニレンサルファイド系の絶縁テープやコーティング剤などを用いて絶縁処理を施した場合には、絶縁体5を省略することができ、電池内容積の増加による高容量化を行うことが可能になる。実施例2においてタグ22は、左右横長の横板部と上下縦長の縦板部とからなるL字状であってもよい。
(実施例4) 図9は請求項1に対応する本発明の実施例4を示しており、この場合、出力端子部17は、リード体16と絶縁板10とが注液孔12側に延びるよう配されている。正極集電リード6は、出力端子部17と、蓋3の左右方向において注液孔12の反対側の外周縁3b(図9では左側)との間においてレーザー溶接する。
実施例4においても、正極集電リード6の導出端部の左右側縁のうち、出力端子部17との重なり部分が切断刃21で切断されて切り欠き20が形成される。その他の点は、実施例1と同じであるので説明を省略する。
実施例2・3において、出力端子部17のリード体16と絶縁板10とが注液孔12側に延びるよう配され、タグ22が、蓋3の左右方向において注液孔12の反対側の外周縁3bとの間においてレーザー溶接されるようにしてもよい。
1 電池缶
2 電極体
3 蓋
6 正極集電リード
7 負極集電リード
12 注液孔
17 出力端子部
20 切り欠き
21 切断刃
22 タグ
2 電極体
3 蓋
6 正極集電リード
7 負極集電リード
12 注液孔
17 出力端子部
20 切り欠き
21 切断刃
22 タグ
Claims (3)
- 左右横長の電池缶の開口上面を塞ぐ導電性の蓋に、出力端子部を配するとともに電解液注入用の注液孔を予め設けておき、
前記電池缶内に電極体を収容し、前記電極体に配した正負の集電リードを前記電池缶の開口上面から導出し、
一方の前記集電リードは、前記蓋の裏面において前記出力端子部に接続する一方、他方の前記集電リードは、前記蓋の裏面において前記出力端子部と前記蓋の左右の外周縁との間に溶接し、
前記電池缶の開口上面に前記蓋を嵌め込んで前記電池缶の開口周縁に前記蓋の外周縁をシーム溶接し、
前記電池缶内に前記電解液を前記注液孔を介して注入したのち、前記注液孔を封口する密閉型電池の製造方法において、
前記他方の集電リードを前記蓋に溶接するのに先立って、切断刃で前記他方の集電リードの前記出力端子部または前記注液孔に重なる部分を切り欠き状に切断除去することを特徴とする密閉型電池の製造方法。 - 左右横長の電池缶の開口上面を塞ぐ導電性の蓋に、出力端子部を配するとともに電解液注入用の注液孔を予め設けておき、
前記電池缶内に電極体を収容し、前記電極体に配した正負の集電リードを前記電池缶の開口上面から導出し、
一方の前記集電リードは、前記蓋の裏面において前記出力端子部に接続する一方、他方の前記集電リードは、前記蓋の裏面に接続したのち、前記蓋を前記電池缶の開口上面に嵌め込んで前記電池缶の開口周縁に前記蓋の外周縁をシーム溶接し、
前記電池缶内に前記電解液を前記注液孔を介して注入したのち、前記注液孔を封口する密閉型電池の製造方法において、
左右横長の横板部と、上下縦長の縦板部とからなるタグを用意しておき、
前記他方の集電リードを前記蓋に接続するに先立って、前記タグの前記横板部が前記蓋からはみ出る状態で、前記蓋の裏側において前記出力端子部と前記蓋の左右の外周縁との間に前記縦板部を予め溶接しておき、
この後に、前記タグの前記横板部に前記他方の集電リードの導出端を溶接して、前記他方の集電リードが前記タグを介して前記蓋に接続されるようにしたことを特徴とする密閉型電池の製造方法。 - 左右横長の電池缶の開口上面を塞ぐ導電性の蓋に、出力端子部を配するとともに電解液注入用の注液孔を予め設けておき、
前記電池缶内に電極体を収容し、前記電極体に配した正負の集電リードを前記電池缶の開口上面から導出し、
一方の前記集電リードは、前記蓋の裏面において前記出力端子部に接続する一方、他方の前記集電リードは、前記蓋の裏面に接続したのち、前記蓋を前記電池缶の開口上面に嵌め込んで前記電池缶の開口周縁に前記蓋の外周縁をシーム溶接し、
前記電池缶内に前記電解液を前記注液孔を介して注入したのち、前記注液孔を封口する密閉型電池の製造方法において、
左右幅寸法が前記他方の集電リードの左右幅寸法以上であって、前記出力端子部と前記注液孔との間の寸法以下の四角形のタグを用意しておき、
前記他方の集電リードを前記蓋に接続するに先立って、前記タグの一部が前記蓋からはみ出る状態で、前記蓋の裏側において前記出力端子部と前記蓋の左右の外周縁との間に前記タグを予め溶接しておき、
この後に、前記蓋からの前記タグの前記はみ出し部分に前記他方の集電リードの導出端を溶接して、前記他方の集電リードが前記タグを介して前記蓋に接続されるようにしたことを特徴とする密閉型電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004158712A JP2005340048A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 密閉型電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004158712A JP2005340048A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 密閉型電池の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005340048A true JP2005340048A (ja) | 2005-12-08 |
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ID=35493363
Family Applications (1)
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JP2004158712A Withdrawn JP2005340048A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 密閉型電池の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100928129B1 (ko) | 2006-01-11 | 2009-11-25 | 삼성에스디아이 주식회사 | 이차 전지 |
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WO2018080074A1 (ko) * | 2016-10-26 | 2018-05-03 | 삼성에스디아이 주식회사 | 이차 전지 |
US10601019B2 (en) | 2016-09-08 | 2020-03-24 | Gs Yuasa International Ltd. | Energy storage device |
-
2004
- 2004-05-28 JP JP2004158712A patent/JP2005340048A/ja not_active Withdrawn
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