JP2005339654A - 光ヘッド装置 - Google Patents

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広義 船戸
Hiroyuki Sugimoto
浩之 杉本
Kazuya Miyagaki
一也 宮垣
Masanori Kobayashi
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Abstract

【課題】回折効率、特に片側の1次回折光の回折率を高めて光源短波長化を行ったときにも大型化することなく記録及び再生速度の高速化が可能となる光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】光ヘッドに用いるホログラム素子として、少なくとも、誘電異方性を有する非重合性液晶102と、重合性モノマー103あるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物を一対の透明基板101間に保持し、前記組成物を二光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の偏光選択性ホログラム素子100を用いて、光源から該ホログラム素子100に入射する光の偏光方向(電界の振動方向)を記録媒体トラック方向と略平行に設定したことを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光ヘッド装置に関し、さらに詳しくは、CD、DVD、DVD+Blue等の、使用する波長の異なる複数規格の光ディスクを対象として記録再生する際に用いられる光ディスクドライブ装置における光ピックアップおよびホログラム素子に関する。
周知のように、光源としてレーザー光を用いる光学素子の一つに光ディスクドライブ装置に用いられる光ヘッドがあり、光ヘッドに用いられる構成の一つとして偏光分離素子を用いた構成がある(例えば、特許文献1)。
上記特許文献1には、透明基板上に矩形凹凸形状をもつ複屈折(光学異方性)を示す媒体が配置され、その上に光学的に等方性を示す媒体が充填され、その上を透明基板で覆われている偏光性回折格子を用いた構成が示されている。
この構成においては、等方性媒体の屈折率を複屈折媒体の常光屈折率、または異常光屈折率のいずれかと等しくすることにより、偏光性(光学異方性)を示す回折格子が得られる。この偏光分離素子を光路中に配置して往路透過、復路回折の機能を持たせるようになっている。
特開平10−302291号公報(段落「0042」欄)
図15は、従来の光ヘッド装置の模式図であり、同図において光源となる半導体レーザ8からの照射光は図2に構成が示されている偏光性回折格子7を透過すると、コリメータレンズ10および1/4波長板11および対物レンズ12を介して光記媒体13の記録面で反射し、反射光が1/4波長板により振動方向を出射時と直交する方向に変換された上で偏光性回折格子7において回折光とされて光検出器9により検出される。
図16は、偏光性回折格子7の構成を示す図であり、同図において、偏光性回折格子7は、透明基板1上に矩形凹凸形状をもつ複屈折(光学異方性)を示す媒体2が配置され、その上に光学的に等方性を示す媒体3が充填され、その上を透明基板1‘で覆われて構成されている。
等方性媒体3の屈折率を複屈折媒体2の常光屈折率、または異常光屈折率のいずれかと等しくすることにより、偏光性(光学異方性)を示す回折格子として機能する。すなわち、ある方向の偏光に対してはほぼ全透過し、これと直交する偏光に対しては全回折するような特性を持たせることができる。
このような偏光性回折格子を光ヘッドの分岐素子として用いれば、光源から光記録媒体13へ向かう往路を全透過する偏光方向に設定して効率良く光記録媒体に集光させ、光路中に1/4波長板を配置しておくことにより、図15に示すように、光記録媒体13からの反射光を往路の偏光方向とは直交して戻るようにさせて再び偏光性回折格子7に入射させると、復路光は全回折され光検出器9に効率良く受光されるようにでき往路、復路とも高効率の光ヘッドが実現できる。
図17は、図16に示す偏光性回折格子の入射角に対する+1次回折光(片側の回折光)の回折効率特性を示す図であり、矩形格子の特性として、垂直入射を中心に約40%程度の回折効率をもつ。
従来の光ヘッドは、図17に示すような回折効率を持つ偏光性回折格子で十分であったが、図15に示した光ヘッドが搭載される光ディスク装置の記録再生速度(特に再生速度)を高速化させようとした場合に次のような問題があった。
つまり、記録再生速度を高速化させる際にはディスクからの反射信号を光検出器で受光する場合のSN比を向上させるため、偏光性回折格子には40%以上の回折効率が必要となってくる。特に青色領域の半導体レーザを光源とした高密度光ディスクに適用する場合、記録情報の高密度化により再生信号帯域が広帯域となり、同時に光検出器の感度が青色領域では赤色あるいは赤外領域より感度低下することの2面から、光検出信号のSN比低下が生じる。
このSN比低下を改善させるため、偏光性回折格子の復路効率(+1次回折効率)は40%を越えた高回折効率が必要となる。また、青色領域で光源、光検出器一体化して小型化、つまり、図15における偏光性回折格子7や半導体レーザー7あるいは光検出器9の一体ユニット化するためには、偏光性回折格子7に必要な格子ピッチは短波長化にともない、1μmオーダーの狭ピッチが必要となる。
以上のような要求に対して、今後の光源短波長化に伴い必要となる、狭ピッチで高回折効率の偏光性回折格子としての構造的な条件を考察すると、図16に示した矩形格子では+1次回折効率が40%以上にならないという点で実現できず、また従来より片側+1次回折効率を高効率化する方法であるブレーズ格子は80〜90%の高回折効率化はできるが、1μmオーダーの狭ピッチ化は加工の難易度が高く実現が困難である。
本発明の目的は、上記従来の光ヘッドにおける問題に鑑み、回折効率、特に片側の1次回折光の回折率を高めて光源短波長化を行ったときにも大型化することなく記録及び再生速度の高速化が可能となる光ヘッド装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、光源からの光を記録媒体に集光し、記録媒体からの反射光を検出して情報を記録または再生、あるいは記録再生する光ヘッドを備えた光ヘッド装置において、上記光ヘッドに用いるホログラム素子として、少なくとも、誘電異方性を有する非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物を一対の透明基板間に保持し、前記組成物を二光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の偏光選択性ホログラム素子を用いて、光源から該ホログラム素子に入射する光の偏光方向(電界の振動方向)を記録媒体トラック方向と略平行に設定したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ヘッド装置において、記録媒体で反射して前記ホログラム素子に入射する戻り光の偏光方向(電界の振動方向)として、ホログラムで回折されたフォーカス検出のための回折光の光軸をホログラム面に射影した方向と略平行に設定したことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の光ヘッド装置において、前記ホログラム素子は、ホログラムを構成する前記組成物中に更に重合性液晶モノマーを含み、二光束干渉露光後の主にポリマーから成る層の中に液晶骨格部を含有した偏光選択性ホログラム素子を用いていることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載の光ヘッド装置において、前記ホログラム素子としてポリマー分散液晶型の偏光選択性ホログラム素子を用いるとともに、光源として半導体レーザを用い、該半導体レーザの接合方向(活性層の接合方向)を記録媒体のトラック方向と垂直方向に設定し、光源とホログラム素子の間に1/2波長板を設置したことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の光ヘッドにおいて、前記1/2波長板はホログラム素子と一体化していることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のうちの一つに記載の光ヘッド装置において、前記光源と光検出器とホログラム素子とが一体化していることを特徴としている。
請求項1記載の発明によれば、二光束干渉露光により主にポリマーからなる層と非重合性液晶からなる層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の偏光選択性ホログラムを用いて光源から該ホログラム素子に入射する光の偏光方向(電界の振動方向)を記録媒体トラック方向と略平行に設定しているので、1μm以下の格子ピッチで光源から光記録媒体への往路がホログラム素子では回折せず、光記録媒体に高効率で入射させられるので、記録速度の高速化ができる。
請求項2記載の発明によれば、記録媒体で反射して該ホログラム素子に入射する戻り光の偏光方向(電界の振動方向)を、ホログラムで回折されたフォーカス検出のための回折光の光軸をホログラム面に射影した方向と略平行に設定しているので、片側の+1次回折効率を80%以上の高効率にでき、光検出器における受光量を多くできる。
これにより、検出信号のS/N比を高くできて再生速度の高速化がはかれる。また1μm以下のピッチが可能なので、ホログラム素子と光検出器の距離を小さくでき、光ヘッドの小型化が可能となる。
請求項3記載の発明によれば、ホログラムを構成する前記組成物中に更に重合性液晶モノマーを含み、二光束干渉露光後の主にポリマーから成る層の中に液晶骨格部を含有した偏光選択性ホログラム素子を用いているので、二光束干渉露光が実行されると非重合性液晶部全体の配向性が高まるのを利用して非重合性液晶部の複屈折性が増加し、回折の偏光選択性を大きくすることが可能となる。
また、ポリマー壁と非重合性液晶分子との相互作用が強いので、非重合性液晶部は比較的高温領域まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、光源として半導体レーザを用い、該半導体レーザの接合方向(活性層の接合方向)を記録媒体のトラック方向と垂直方向に設定し、光源とホログラム素子の間に1/2波長板を設置しているので、高密度の光ディスクに対して、記録マークの読取り分解能の向上による再生ジッタの低減と、光源から光記録媒体への往路の光利用効率の向上を両立でき、低ジッタで高速記録が可能な光ヘッドを提供することが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、光源とホログラム素子の間に配置する1/2波長板をホログラム素子と一体化することにより、部品点数の削減、1/2波長板ホルダー部材の省略による簡易化、低コスト化が可能となる。
請求項6記載の発明によれば、光源と光検出器およびホログラム素子を一体化することにより、光ヘッドの小型化、光ヘッド組付け調整の簡易化、また一体化により温度変化、経時による特性の変化を抑えることができ、安定な光ヘッドを提供することが可能となる。
以下、図面に示す実施例により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、請求項1記載の発明に係る実施例である光ヘッド装置に用いられる液晶材料を使用した偏光選択性ホログラム素子を示しており、以下に、該素子の作成方法について説明する。
図1において偏光選択性ホログラム100は、非重合性液晶分子102と重合性モノマー103あるいはプレポリマーとを図示しない光重合開始剤とを均一に混合した組成物で構成され、この組成物が二枚の透明基板101,101’間に挟み込まれている。
組成物の厚みは基板間隔を制御する図示しないスペーサー部材によって制御できる。この組成物は感光性を有するため、素子作製工程において感度を有する波長域の光を遮断した環境下で取り扱うことが好ましい。
非重合性液晶102としては、屈折率異方性を有する液晶ならば一般的なものを使用できる。
液晶材料を選択する時は、あるオーダーパラメーターの配向状態において、重合性モノマー103あるいはプレポリマーの硬化層の屈折率と等しい屈折率となる液晶材料を選択してもよく、また、液晶材料を選択してから、その液晶のあるオーダーパラメーターの配向状態での屈折率と同じ屈折率になるように重合性モノマーあるいはプレポリマーを選択してもよい。
また重合性モノマー103またはそのプレポリマーとしては、重合による硬化収縮が大きいものを用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、公知の材料を用いることができ、光重合開始剤の添加量が少なすぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が起こり難くなり、必要な露光時間が長くなってしまう。逆に、光重合開始剤が多すぎる場合にはポリマーと液晶の相分離が不十分な状態で硬化してしまうため、ポリマー中に多くの液晶分子が取り込まれ、偏光選択性が小さくなるという問題がある。
スペーサー部材としては、液晶表示装置に用いられるような球形スペーサー、ファイバースペーサー、フィルムなどを用いることが可能である。また、フォトリソグラフィーとエッチングあるいは成型技術などによって基板表面に突起形状を加工しても良い。スペーサー部材はホログラムの有効領域外に形成することが好ましい。スペーサー部材の高さは数μmから数十μm範囲が好ましく、回折光の波長とポリマー部と液晶部の屈折率差に応じて所望のホログラム層厚みとなるように適宜設定される。
透明基板101,101’としては、液晶表示装置に用いられるようなガラス、プラスチックなどを用いることができる。
次に相分離によるホログラム形成過程について図2,3を用いて説明する。
図2において図示しない所望の波長のレーザー光源による二光束干渉露光系を用いて、組成物中に露光を行うと、図3に示すように干渉縞の明部において重合性モノマー(便宜上、黒塗り三角形で示す)あるいはプレポリマーの光重合反応が始まる。この時、硬化収縮が起こって密度差が生じ、隣接する重合性モノマーあるいはプレポリマーが明部に移動し更に重合が進行する。それと同時に明部に存在していた非重合性液晶(便宜上、楕円で示す)が暗部に向かって追い出されることで相分離が起こる。このとき液晶分子が移動して行く際にモノマーやポリマー鎖との相互作用で液晶分子長軸を移動方向に配向させようとする力が働くと考えられる。すなわち、相分離過程において干渉縞の間隔方向に液晶分子を配向させようとする力が働くと考えられる。
最終的には図4に示すように、干渉縞の明暗のピッチに対応してポリマー層と非重合性液晶層の周期構造が形成され、液晶層部の配向ベクトルが干渉縞の間隔方向を向いた状態が得られると考えられる。この干渉露光および相分離過程において、試料を適当な温度に加熱保持しておくことが好ましい。
温度によって相分離の速度が変化し、液晶分子の配向性に影響を及ぼすと考えられる。最適な加熱温度は使用する材料によって異なるが40℃から100℃程度が好ましい。
本実施例では、液晶部全体の常光屈折率noとポリマー部の屈折率npがほぼ一致するように液晶の種類とポリマーの種類の組合せを適宜設定することで、s偏光の入射光に対しては液晶部全体の常光屈折率noとポリマー部の屈折率npの差を感じないため回折せず、p偏光の入射光に対しては液晶部全体の異常光屈折率neとポリマー部の屈折差を感じて回折するような偏光選択性ホログラムが得られる。ここで、体積ホログラムの回折効率は屈折率変調量Δnと厚みdの積Δn・dに依存するので、屈折率差Δnを大きくできるとホログラムの厚みdを薄くできる。
体積ホログラムの厚みを薄くすると回折効率の角度依存性が小さくなり、入射角変動に対する光利用効率低下が改善する。
したがって、図4に示すように、偏光選択性が大きく入射角度依存性が比較的少ない高効率な偏光選択性ホログラムが得られる。
図2乃至図4において説明した液晶分子を含む記録材料に干渉記録したホログラム素子は、図5に示す構成の光ヘッドに用いられる。
図5は、光ヘッドの光源である半導体レーザ(便宜上、図15に示した符号8を用いる)LD,光検出器(便宜上、図15で示した符号9を用いる)PD,ホログラム素子100の部分を拡大したものである。よって図8ではコリメートレンズ、対物レンズ、光記録媒体等は図示省略してある。
半導体レーザ8からの出射発散光中に図2乃至図4において説明した液晶分子を含む記録材料13に干渉露光したホログラム素子100が配置されている。
ホログラム素子100は光記録媒体で反射した戻り光がホログラム素子100で回折され光検出器9で受光されるとき、回折光中でフォーカス信号を検出するための回折光の光軸が図5中のy−z面内に設定されている。
このとき情報を記録再生する光記録媒体の情報を記録するトラックの方向は図5において紙面と垂直な方向である。
請求項1記載の発明に係る実施例における特徴は、図2乃至図4において説明した液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子に対し光源側8から入射する光の偏光方向(電場の振動方向)はトラック方向と平行に設定することを特徴とする。
光源8側から入射する光の偏光方向を光記録媒体のトラック方向と平行に設定することにより、図2乃至4において説明した液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子100に対し光源8から光記録媒体へ向かう往路光に対して、ホログラム素子100は液晶部全体の常光屈折率noとポリマー部の屈折率npの差を感じないため回折せず、ほとんど透過するのでホログラム素子における光のロスが起こらないようにできる。
図6は、図2乃至図4において説明した液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子100を適用した光ヘッドの全体構成を示している。
同図においてホログラム素子100は、コリメートレンズ(便宜上、図15において示した符号10を用いる)と対物レンズ(便宜上、図15で示した符号12を用いる)との間の平行光中に配置されている。
この場合も光源8からのホログラム素子100への入射光の偏光方向を光記録媒体13のトラック方向と平行にすることにより、ホログラム素子100は液晶部全体の常光屈折率noとポリマー部の屈折率npの差を感じないため回折せず、ほとんど透過するのでホログラム素子における光のロスが起こらないようにできる。
次に請求項2記載の発明に係る実施例について説明する。
図7は、左側にホログラム領域の平面図を示し、右側にはホログラムからの回折光とそれを受光する光検出器の分割された検出領域パターンを示している。
図7においてはフォーカス信号検出法としてナイフエッジ法を用いる場合であり、光記録媒体で反射された戻り光は紙面手前方向からホログラム領域に入射し、ホログラム領域Aからはフォーカス信号検出用の回折光が光検出器の領域PD1−1とPD1−2の分割線上に集光する。
トラッキング信号検出用の回折光はホログラム領域Bからの回折光が検出領域PD2に集光するのとホログラム領域Cからの回折光が検出領域PD3に集光する。フォーカス信号Fは、
F=[PD1−1]−[PD1−2]
から生成し、トラッキング信号Tは
T= PD2−PD3 から生成する。
請求項2記載の発明に係る実施例は、光記録媒体からの反射戻り光が図2乃至4において説明した液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子100に入射するとき、戻り光偏光方向をフォーカス検出のための回折光の光軸のホログラム面に射影した方向と略平行にすることを特徴としている。
これにより、液晶部全体の異常光屈折率neとポリマー部の屈折差を生じて強く回折する。このように、液晶分子を含む記録材料の膜厚を最適化することにより、片方の+1次回折効率を80%以上の高効率で回折させることができる。
本発明者は、この特徴に基づき、ホログラムの+1次回折効率に関して実験をしたところ、図14に示す結果を得た。
図14は、ホログラムの+1次回折効率の様子を示す図であり、横軸がホログラム内の位置、縦軸が+1次回折効率を示している。
図14からも明らかなように、従来の矩形形状回折格子による+1次回折効率は曲線S2に対し、本実施例での液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子の+1次回折効率は曲線S1で示すように、従来方法の2倍以上の回折効率をもつホログラム素子が実現している。
また、光記録媒体(便宜上、図15において示した符号13が用いられている図6参照)からの戻り光の偏光方向をフォーカス検出のための回折光の光軸のホログラム面に射影した方向と略平行にするにはホログラム素子と対物レンズの間に1/4波長板を配置することにより実現できる。
図8は別のフォーカス検出法に関する変形例を示しており、ダブルビームサイズ法によるフォーカス検出に適用する場合である。
図8において光記録媒体からの反射戻り光はホログラム素子で2つの回折光に分かれて回折される。図において戻り光の左半分は光検出器手前で集光するようなビームとして回折され、戻り光の右半分は光検出機の後方で集光するようなビームとして回折される。すなわち、左半分は前側収束、右半分は後側収束であり、光検出器からのに前側と後側の収束位置の距離は等しい。
図9は、ホログラム素子100および光検出器9の平面図であり、ホログラムは領域Dと領域Eに2分割され、領域Dからは前側に集光する回折光が発生して光検出器9の検出領域1に入射する。領域Eからは後側に集光する回折光が発生して光検出器9の検出領域2に入射する。図9では、領域DおよびEからの回折光の光軸が図の上下にずれて描かれているが、実際は図の上下方向で一致した回折光となっている。図の場合、フォーカス信号Fは、
F=(1+3+5)−(2+4+6)で検出され、
トラック信号Tは、
T=(1+2+3)−(4+5+6)で検出される。ここでパラメータと示す数字「1」は光検出器9での分割PD1からの出力を意味している。
請求項2記載の発明に係る実施例は、図9においても光記録媒体からの反射戻り光が図2乃至4において説明した液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子に入射するとき、戻り光偏光方向をフォーカス検出のための回折光の光軸のホログラム面に射影した方向と略平行にすることを特徴としている。
これにより、液晶部全体の異常光屈折率neとポリマー部の屈折差を生じて強く回折する。液晶分子を含む記録材料の膜厚を最適化することにより、片方の+1次回折効率を80%以上の高効率で回折させることができる。
次に請求項3記載の発明に係る実施例について説明する。
請求項1記載の発明に係る実施例と同様に、本実施例に用いられるホログラム素子は、図10に示すように、非重合性液晶分子を含む組成物中に重合性モノマーあるいはプレポリマーの一部として重合性液晶モノマーを混合し、図10において上側の断面図で示すように、二枚の透明基板間に封入されて構成されている。
重合性液晶モノマーとしては、単官能の液晶アクリレートモノマー、液晶メタアクリレートモノマー、二官能の液晶ジアクリレートモノマー、液晶ジメタアクリレートモノマーなどが用いられる。これらの材料は、官能基であるアクリロイルオキシ基と液晶骨格の間にメチレン鎖を有していても良い。このような組成物に二光束干渉露光を行うと、ポリマー中にはある程度の液晶性モノマー骨格も取り込まれながら重合されていく。この時、図3と同様に、干渉縞の明部から暗部に非重合性液晶分子が追い出されて行く過程で、重合性液晶モノマーにも相互作用して重合性液晶モノマーの分子長軸を移動方向に配向させようとする力が働くと考えられる。
このようにして図10における中段の断面図および下段に示す上面図のように重合性液晶モノマーの分子長軸が比較的配向した状態でポリマー中に固定化される。特に、ポリマー層と非重合性液晶の界面ではポリマー層表面に略垂直方向に液晶骨格長軸が配向した状態で固定化されていると考えられる。従って、非重合性液晶層全体としても液晶分子の配向性が向上して液晶層内の複屈折性が更に向上するため、回折現象の偏光選択性が大きくなる。また、ポリマー層表面に液晶骨格部が固定化されていて非重合性液晶分子との相互作用が強いので、比較的高温まで液晶相を保つことができ、偏光選択性ホログラム素子の使用温度範囲を広げることができる。
以上の重合性液晶を混合したホログラム記録材料に干渉露光して作成したホログラム素子を光ヘッドに適用する場合も、請求項1記載の発明に係る実施例と同様に、光源からホログラム素子に入射する光の偏光方向は光記録媒体のトラック方向と平行にすることにより、ホログラム素子は液晶部全体の常光屈折率noとポリマー部の屈折率npの差を感じないため回折せず、ほとんど透過するのでホログラム素子における光のロスが起こらない。
また請求項2記載の発明に係る実施例の場合と同様に、光記録媒体で反射した戻り光がホログラム素子に入射するときの偏光方向を、フォーカス検出のための回折光の光軸のホログラム面に射影した方向と略平行にすることにより、液晶部全体の異常光屈折率neとポリマー部の屈折差を生じて強く回折する。液晶分子を含む記録材料の膜厚を最適化することにより、片方の+1次回折効率を80%以上の高効率で回折させることができる。
次に請求項4記載の発明に係る実施例について説明する。
本実施例は、図5,6,8において説明したように、液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子100を光ヘッドに適用したときの構成を対象として、光源である半導体レーザ8(LD)の活性層接合方向は光記録媒体のトラック方向(トラック溝方向)と直交させることを特徴としている。
これは、LD出射光束の活性層接合方向の放射角が接合と垂直な方向の放射角より狭い放射特性を持っている。半導体レーザ8(LD)の活性層接合方向をトラック方向とは垂直に設定し、出射光束をコリメートレンズで平行光にして対物レンズ12で光記録媒体に集光すると、集光スポットはトラック方向に小さく、トラックと垂直方向に大きい楕円形状のスポットとなる。
近年の高密度光ディスクでは微細な記録マークの記録、再生分解能を上げて、再生信号のジッタを低減することが要求される。このために光記録媒体面ではトラック方向の集光スポット径が小さいことが必要であり、このことからLDの活性層接合方向はトラック方向とは垂直に設定することが望ましい。
以上のことから半導体レーザ8(LD)の活性層接合方向を光記録媒体13のトラック方向とは垂直な方向に設定すると、半導体レーザ8(LD)からの出射光の偏光方向は活性層接合方向と水平になるので、偏光方向はやはりトラック方向と垂直になる。このままの状態では請求項1記載の発明に係る実施例で説明した液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子に入射する光の偏光方向を図5において説明したように、トラック方向と平行にすることはできないという不具合がある。
そこで本実施例においては、前記不具合を解消するために、図11に示すように半導体レーザ8(LD)は、活性層の接合方向を光記録媒体のトラック方向とは垂直にして、半導体レーザ8(LD)とホログラム素子100との間に1/2波長板110を配置して半導体レーザ8(LD)出射光の偏光方向が図11の紙面方向のものを1/2波長板110により、偏光方向を変換して光記録媒体トラック方向と平行にしてから液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子に入射させるようにする。
この方法により高密度光ディスクの記録再生で望ましいスポット形状と液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子における往路の非回折、全透過特性の両立が可能となる。
次に請求項5記載の発明に係る実施例について説明する。
図12には、図11に示した構成の一部変形例が示されている。
ここでは光源である半導体レーザ8(LD)と液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子100の間に配置する1/2波長板110をホログラム素子100と一体化した構成としている。
一体化の方法としては、水晶などの無機波長板をホログラム素子の光源側透明基板に貼付ける方法、あるいはホログラム素子の光源側の透明基板自体を無機1/2波長板110で兼用させる方法、さらに別の方法としては有機延伸膜を用いた1/2波長板110をホログラム素子100の光源側透明基板に貼付ける方法、また、光源側透明基板上にTaのような無機物質を基板に対して斜め蒸着して成膜した1/2波長板110で実現できる。
次に請求項6記載の発明に係る実施例について説明する。
図5,6,8,11,12に示した構成の光ヘッド装置において、図13に示すように、光源である8(LD)、光検出器9および液晶分子を含む記録材料に干渉露光で作成したホログラム素子100を1つのユニット内に一体化して構成することにより、光ヘッド装置の組立てをおこなう際に光源8、光検出器9、検出光学系が一体化されているので組立て時間が短縮され、調整も簡単になる。この一体化の構成には符号110で示すように、図11,図12に示した1/2波長板の一体化も含まれる。
請求項1記載の発明に係る実施例に用いられるホログラム素子の構成を示す断面模式図である。 図1に示したホログラム素子を対象とした二光束干渉露光実行時での相分離によるホログラム形成過程を示す図である。 図2に示した形成工程での干渉縞中の明部と暗部とでの状態を示す図である。 ホログラム形成工程の最終工程での液晶部内の配向状態を示す図である。 図2乃至図4に示した液晶部を含むホログラム素子を光ヘッドに設けた場合を示す図である。 図6に示した光ヘッドを備えた光ヘッド装置の全体構成を示す図である。 請求項2記載の発明に係る実施例として、図2乃至図4に示した液晶部を含むホログラム素子を用いた場合のフォーカス制御状態を示す図である。 図7に示したフォーカス制御に関する変形例を示す図である。 図8に示したフォーカス制御の変形例に用いられるホログラム素子と光検知器とのレイアウト図である。 請求項3記載の発明に係る実施例に用いられるホログラム素子の構成および二光束干渉露光時での相分離による液晶部での状態変化を示す図である。 請求項4記載の発明に係る実施例による光ヘッド装置の構成を説明するための図である。 請求項5記載の発明に係る実施例による光ヘッド装置の構成を説明するための図である。 請求項6記載の発明に係る実施例による光ヘッドの構成を説明するための図である。 図7に示した請求項2記載の発明に係る実施例による回折効率を説明するための線図である。 光ヘッド装置の従来構成を説明するための図である。 図15に示した光ヘッド装置に用いられ偏光回折素子の構成を示す図である。 偏光性回折格子の入射角に対する+1次回折光(片側の回折光)の回折効率特性を説明するための線図である。
符号の説明
8 半導体レーザ
9 光検出器
10 コリメートレンズ
12 対物レンズ
13 記録材料
100 偏光選択性ホログラム素子
101,101’ 透明基板
102 非重合性液晶
103 重合性モノマー
110 1/2波長板

Claims (6)

  1. 光源からの光を記録媒体に集光し、記録媒体からの反射光を検出して情報を記録または再生、あるいは記録再生する光ヘッドを備えた光ヘッド装置において、
    上記光ヘッドに用いるホログラム素子として、少なくとも、誘電異方性を有する非重合性液晶と、重合性モノマーあるいはプレポリマーと、光重合開始剤とからなる組成物を一対の透明基板間に保持し、
    前記組成物を二光束干渉露光することにより、主にポリマーから成る層と主に非重合性液晶から成る層との周期的な相分離構造を形成したポリマー分散液晶型の偏光選択性ホログラム素子を用いて、光源から該ホログラム素子に入射する光の偏光方向(電界の振動方向)を記録媒体トラック方向と略平行に設定したことを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 請求項1記載の光ヘッド装置において、
    記録媒体で反射して前記ホログラム素子に入射する戻り光の偏光方向(電界の振動方向)として、ホログラムで回折されたフォーカス検出のための回折光の光軸をホログラム面に射影した方向と略平行に設定したことを特徴とする光ヘッド装置。
  3. 請求項1または2記載の光ヘッド装置において、
    前記ホログラム素子は、ホログラムを構成する前記組成物中に更に重合性液晶モノマーを含み、二光束干渉露光後の主にポリマーから成る層の中に液晶骨格部を含有した偏光選択性ホログラム素子を用いていることを特徴とする光ヘッド装置。
  4. 請求項1乃至3のうちの一つに記載の光ヘッド装置において、
    前記ホログラム素子としてポリマー分散液晶型の偏光選択性ホログラム素子を用いるとともに、光源として半導体レーザを用い、該半導体レーザの接合方向(活性層の接合方向)を記録媒体のトラック方向と垂直方向に設定し、光源とホログラム素子の間に1/2波長板を設置したことを特徴とする光ヘッド装置。
  5. 請求項4記載の光ヘッドにおいて、
    前記1/2波長板はホログラム素子と一体化していることを特徴とする光ヘッド装置。
  6. 請求項1乃至5のうちの一つに記載の光ヘッド装置において、
    前記光源と光検出器とホログラム素子とが一体化していることを特徴とする光ヘッド装置。
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