JP2005338033A - 半導体集積回路装置と周波数スペクトラム測定方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ジッタ特性の周波数スペクトラムを高精度で測定できる測定回路を有する半導体集積回路装置及び周波数スペクトラム測定方法を提供する。
【解決手段】 PLL回路で形成されたクロック信号を受ける内部回路を備えた半導体集積回路装置において、上記クロック信号を第1遅延回路で遅延させ、上記第1遅延回路を通したクロック信号を複数の遅延段により順次遅延させる遅延信号発生回路により複数の遅延信号を出力し、上記クロック信号を第2遅延回路で遅延させて上記複数の遅延信号のそれぞれエッジに対応して複数のフリップフロップ回路で取り込み、その出力信号からデジタル化された信号遷移時刻信号をエンコーダ回路で形成するジッタ特性測定回路を設け、上記遅延信号発生回路に上記第1遅延回路を通したクロック信号を順次遅延させる第1モードと、上記複数の遅延段をリング状に接続して発振動作を行わせて発振信号を出力させる第2モードとを設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 PLL回路で形成されたクロック信号を受ける内部回路を備えた半導体集積回路装置において、上記クロック信号を第1遅延回路で遅延させ、上記第1遅延回路を通したクロック信号を複数の遅延段により順次遅延させる遅延信号発生回路により複数の遅延信号を出力し、上記クロック信号を第2遅延回路で遅延させて上記複数の遅延信号のそれぞれエッジに対応して複数のフリップフロップ回路で取り込み、その出力信号からデジタル化された信号遷移時刻信号をエンコーダ回路で形成するジッタ特性測定回路を設け、上記遅延信号発生回路に上記第1遅延回路を通したクロック信号を順次遅延させる第1モードと、上記複数の遅延段をリング状に接続して発振動作を行わせて発振信号を出力させる第2モードとを設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体集積回路装置と周波数スペクトラム測定方法に関し、例えばPLL(フェーズ・ロックド・ループ)回路で構成されたクロック信号の周波数スペクトラム測定技術に利用して有効な技術に関するものである。
周波数スペクトラム測定器に関するものとして、特開2000−314767公報がある。同公報では、位相の異なる複数のパルスをタイミング発生器で生成し、それと比較器を使用して、信号遷移時刻を順次デジタル化してメモリに格納する。全ての信号遷移時刻の測定が完了した後に、メモリに格納されたジッタ特性に対して一括して離散的フーリエ変換を実施するというものである。ジッタ特性テスト用BIST回路に関するものとして、特開2003−121505公報がある。同公報では、可変遅延回路とフリップフロップ回路を使用してデジタル化した信号遷移時刻を繰り返し求め、計数器により所望の基準値を超えた回数を測定するというものである。
特開2000−314767公報
特開2003−121505公報
特許文献1の技術においては、(1)測定器自体が高価であること、(2)被測定デバイスから被測定クロック信号を取り出して測定するものであるために高周波数の測定が困難であること、(3)補間等の演算や間引き測定のために測定時間が長大になること、(4)ジッタ測定回数及びビット幅に比例してメモリ容量が増大するために、測定精度がメモリ容量で制限されてしまうという問題を有する。特許文献2の技術においては、上記(1)、(2)(3)の問題は解決するものの、半導体集積回路装置に大容量のメモリを搭載することが不可能であるために、測定精度が要求される周波数スペクトラム測定が実質的に不可能であるという問題を有する。
この発明の目的は、ジッタ特性の周波数スペクトラムを高精度で測定できる測定回路を有する半導体集積回路装置及び周波数スペクトラム測定方法を提供することにある。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。クロック信号を形成するPLL回路と、上記クロック信号を受ける内部回路を備えた半導体集積回路装置において、上記クロック信号を第1遅延回路で遅延させ、上記第1遅延回路を通したクロック信号を複数の遅延段により順次遅延させる遅延信号発生回路により複数の遅延信号を出力し、上記クロック信号を第2遅延回路で遅延させて上記複数の遅延信号のそれぞれエッジに対応して複数のフリップフロップ回路で取り込み、その出力信号からデジタル化された信号遷移時刻信号をエンコーダ回路で形成するジッタ特性測定回路を設けるとともに、上記遅延信号発生回路に上記第1遅延回路を通したクロック信号を順次遅延させる第1モードと、上記複数の遅延段をリング状に接続して発振動作を行わせて発振信号を出力させる第2モードとを設ける。
クロック信号のジッタ特性測定回路と、第1レジスタ、加算回路、乗算回路及び第2レジスタを用い、上記加算回路により上記第1レジスタに格納された前回ジッタ測定時におけるスペクトラム値と上記ジッタ特性測定回路から出力された信号遷移時刻信号とを上記加算回路で加算する第1動作と、上記乗算器により上記加算出力と上記第2レジスタに格納された離散的フーリエ変換の複素数を乗算してスペクトラム値を求めて上記第1レジスタのスペクトラム値を更新するという第2動作を指定された複数回数行って周波数スペクトラムを算出する。
クロック信号のジッタ特性の周波数スペクトラムを高精度で測定することができる。
図1には、この発明に係る半導体集積回路装置に搭載されるジッタ特性テスト回路の一実施例のブロック図が示されている。上記半導体集積回路装置は、図示しないPLL回路及びそれにより形成されるクロック信号を受けて動作する内部回路を備えている。ジッタ特性テスト回路は、ジッタ特性測定回路、エンコーダ及び逐次離散的フーリエ変換回路及びそのインターフェイス回路IFから構成されて、上記PLL回路で形成されたクロック信号のジッタ特性テストのための動作を行う。上記ジッタ特性測定回路は、可変遅延回路DL1を通したクロック信号を、遅延信号発生回路を構成する縦列接続の遅延段D1、D2、D3により順次遅延させて複数のタイミング信号を形成してフリップフロップ回路FF1〜FF3のクロック端子に供給し、これに対して遅延回路DL2を通した1周期遅れのクロック信号を上記複数のフリップフロップ回路FF1〜FF3で取り込んで、クロック信号のエッジを検出してジッタ特性の測定を行う。
この実施例では、上記遅延信号発生回路を構成する遅延段D1、D2、D3の1段当たりの遅延時間を測定するためにマルチプレクサMX1が設けられる。上記マルチプレクサMX1は、遅延測定モード信号により制御されて、上記可変遅延回路DL1を通したクロック信号又は上記遅延信号発生回路を構成する最終段D3の遅延信号を選択する動作を行う。例えば、上記遅延測定モード信号がロウレベル(論理0)のときには、上記可変遅延回路DL1の遅延信号が選択されて、上記のようなジッタ測定動作が行われる。上記遅延測定モード信号がハイレベル(論理1)のときには、上記遅延信号発生回路の最終遅延段D3の遅延信号が選択されて、上記遅延段D1、D2、及びD3によってリングオシレータが構成される。このときの発振信号は、バッファ回路B1を通して後述のテスタ等の外部装置に伝えられる。例えば、外部装置においては、上記発振信号の周波数(周期)を検出し、上記遅延段数で除算することにより、1段当たりの遅延時間を算出することができる。
上記遅延回路DL1と遅延回路DL2の遅延時間との相対的な関係により、複数のフリップフロップ回路FF1〜FF3のうち、中間のフリップフロップ回路FF2のクロック端子に供給されるクロック信号と、それに対して1周期遅れのクロック信号とがほぼ一致するように、上記固定遅延回路DL2の遅延時間が設定され上記可変遅延回路DL1の遅延時間の調整が行われる。同図では、最も簡単に3つの遅延段で構成されているが、実際にはPLL回路のジッタ特定測定に必要な時間幅に対応した3以上の複数段の遅延段D1〜Dnから構成される。前記のように、最終段を入力側に帰還してリングオシレータを構成するために、上記nは5、7、9等のような奇数とされる。上記遅延段の1段当たりの遅延時間tと、上記ジッタ最大値Tとの関係(n/2≒T/t)で、上記遅延段数nが選ばれる。例えば、ナビゲーション、DVDシステムあるいは自動車向等の高性能化及び高機能化に向けたLSIでは、上記遅延段はおおよそ300程度に設定されるものである。
上記ジッタ特性測定回路は、PLL回路で形成されたクロック信号からみると、1周期前に入力されたクロック信号を可変遅延回路DL1及び遅延信号発生回路を構成する遅延段D1、D2、D3等で遅延した複数のうちの中間遅延信号がほぼ一致するようにされており、1つ前のクロック信号に対するジッタ量が上記フリップフロップ回路FF1〜FF3の論理0、論理1のパターンとして測定される。例えば、ジッタ0の無い場合にフリップフロップ回路FF2が論理1を取り込むよう遅延回路DL1、DL2が設定されていると、ジッタの無いクロック信号が入力されるとFF1〜FF3は、011を取り込むこととなる。これに対して、上記クロック信号において上記遅延段の1段分遅れる方向にジッタが生じると、FF1〜FF3は001を取り込むようになる。逆に、上記クロック信号において上記遅延段の1段分進む方向にジッタが生じると、FF1〜FF3は111を取り込むようになる。上記フリップフロップ回路FF1〜FF3の出力信号は、ジッタに対応した温度符号的なデジタル信号とされ、エンコーダによって2値化されたデジタル化信号遷移時刻(fN )に変換される。
図2には、図1のジッタ特性測定回路及びエンコーダで形成されたデジタル化ジッタ値の一例を説明するための特性図が示されている。クロック信号の周期Tに対応した時刻T、2T、3T、…に対応し、上記エンコーダによってデジタル化されたジッタ値が3ビットにより例示的に示されている。同図に示すように時刻T〜5Tまでは、111(f1 )、011(f2 )、110(f3 )、001(f4 )、101(f5 )のように刻々変化する。
上記デジタル化信号遷移時刻(fN )は、逐次離散的フーリエ変換回路によってリアルタイムで信号処理される。つまり、上記デジタル化信号遷移時刻(fN )は、加算回路ADDによってレジスタREG1に保持されている1つ前のスペクトラム値と加算される。この加算結果は、乗算器MUTにより複素数WK と乗算されて、マルチプレクサMX2を通して上記レジスタREG1に入力される。上記複素数WK は、インターフェイス回路IFを通して外部から上記レジスタREG2に保持されている。上記レジスタREG1に保持されるスペクトラム値は、上記演算(加算と乗算)毎にその結果が置き換えられて更新される。例えば、1回測定測定時のスペクトラム値を、f0 ×WK とすると1回目の加算結果はf0 ×WK +f1 となり、乗算結果は(f0 ×WK +f1 )×WK となって、マルチプレクサMX2を通してレジスタREG1に入力される。つまり、上記レジスタREG1は、1回目の演算動作によってスペクトラム値が上記f0 ×WK から(f0 ×WK +f1 )×WK に更新される。
上記ジッタ特性測定回路により2回目の測定値f2 が形成されると、加算器ADDでは上記スペクトラム値(f0 ×WK +f1 )×WK と測定値f2 を加算し、それに乗算器MUTにより複素数WK を乗算して2回目のスペクトラム値((f0 ×WK +f1 ×WK +f2 )×WK に更新される。このような演算(加算と乗算)を上記測定結果に対応してレジスタREG3に指定されたN回繰り返して行うことにより、N回目において上記レジスタREG1に離散的フーリエ変換によるスペクトラム値FK が生成される。
図3には、図1の逐次離散的フーリエ変換回路で形成された離散的スペクトラム値の一例を説明するための特性図が示されている。上記図2のデジタル化ジッタ値を用いた加算及び乗算結果により各時刻T〜5Tに対応した離散的スペクトラム値F1 、F2 、F3 、F4 、F5 が形成される。
この実施例の逐次離散的フーリエ変換回路においては、上記のような加算器ADD、乗算器MUT及びレジスタRTEG1〜REG3及びマルチプレクサMX2及び制御回路CONTのような比較的簡単な回路を用い、レジスタREG1に前回演算されたスペクトラム値と、ジッタ特性測定回路で形成されたデジタル化信号遷移時間(fN )を使用して、今回測定時におけるスペクトラム値を演算して、上記レジスタREG1に格納して更新させるという動作を上記測定毎に繰り返すことにより、前記特許文献1のような大容量のメモリを使用しないで、それと同等のスペクトラム値を求めることができる。マルチプレクサMX2は、上記逐次離散的フーリエ変換動作の他に1回目の加算のスペクトラム値0をレジスタREG1に入力したり、自身の保持データを再入力したりする動作を行うために用いられる。
(式1)
以上の演算動作は上記式1で示すようになり、それを展開式から各回数の測定時のスペクトラム値を逐次に算出することにより、前記のような測定値を一括して保持するようなメモリ回路を不要にすることができる。
以上の演算動作は上記式1で示すようになり、それを展開式から各回数の測定時のスペクトラム値を逐次に算出することにより、前記のような測定値を一括して保持するようなメモリ回路を不要にすることができる。
図4には、この発明に係る半導体集積回路装置に搭載されるジッタ特性テスト回路の他の一実施例のブロック図が示されている。前記図1の構成では、ジッタ特性測定回路においてクロック信号の周期毎に形成されるデジタル化信号遷移時刻(fN )に対応してレジスタREG1には、前回測定時のスペクトラム値が保持されていることが必要である。したがって、クロック信号の周期よりも上記加算及び乗算に要する時間が短いことが必要であるという制約がある。
この実施例は、上記のような制約を改善するために、逐次離散的フーリエ変換回路においてバッファメモリFIFO(先入れ先出しメモリ)が設けられる。この実施例では、離散的フーリエ変換回路を前記図1のような回路ブロックの形態ではなく、回路動作の形態で表している。つまり、ステージ1、2〜ステージNのそれぞれにおいて演算(加算→乗算)動作1、演算動作2〜を行う。ステージ1からステージ2に移行するには演算動作1を完了していることが必要であるが、かかる時間がクロック信号の周期よりも長くてもよいようにバッファメモリFIFOが設けられる。
この実施例では、ジッタ特性測定回路は、クロック信号の周期に対応してデジタル化信号遷移時刻f1 、f2 、f3 …をバッファメモリFIFOに入力する。これに対して、逐次離散的フーリエ変換回路では、上記のような演算動作(加算→乗算)によるレジスタREG1へのスペクトラム値の更新を待って上記バッファメモリFIFOからのデジタル化信号遷移時刻f2 、f3 …を取り出す。これにより、クロック信号の周期が上記演算動作により短くても上記逐次離散的フーリエ変換動作を行うようにすることができる。
例えば、ジッタ測定回数がNのとき、クロック信号の周期がT1のときにはジッタ特性測定時間はN×T1となる。一方、上記加算と乗算によりレジスタREG1にスペクトラム値が更新されるに要する時間がT2(>T1)のときには、スペクトラム値FX を得るに要する演算時間はN×T2となる。したがって、バッファメモリは、M>N(T2−T1)/T1のようなM個のデジタル化信号遷移時刻を記憶するような小さな記憶容量で済むものである。
前記図1及び図4において、JTAGのようなインターフェイス回路IFを通してジッタ測定回数(N)をレジスタREG3に入力し、複素数(WK )をレジスタREG2に入力し、及び制御信号等を制御回路CONT等に入力する。そして、レジスタREG1に保持されたスペクトラム値FX 、あるいはジッタ値等を必要に応じて出力させる。例えば、レジスタREG1に1を入力すると、レジスタREG1にはデジタル化信号遷移時刻fN そのものが格納されるので、それをジッタ値として出力させることもできる。
図5には、この発明に係る半導体集積回路装置の選別方法を説明するための一実施例のフロチャート図が示されている。ステップ(1)においては、測定回数(N)と測定する周波数帯を決定する。これは人手によりテスタに対して行われる。上記周波数帯は、被測定信号(クロック信号)の周波数のk倍(k=0,1,…N−1)とされる。
ステップ(2)において、回転複素数(WK )と測定回数(N)とは前記インターフェイス回路IFを通してレジスタREG1とREG2に入力される。ここで、WN =1。このようなレジスタREG1、REG2への入力動作は、テスタにより行われる。
ステップ(3)において、逐次離散的フーリエ変換回路において離散的スペクトラム値が0とされる。以下、ジッタ特性測定回路においてステップ(4)により測定回数がNに達するまでステップ(5)の動作が繰り替えられる。ステップ(5)では、デジタル化信号遷移時刻の測定を行う。ステップ(6)では、上記デジタル化信号遷移時刻に対応した離散的スペクトラム値の算出(加算→乗算)による更新が行われて、つまり、ステップ(4)(5)(6)により、デジタル化信号遷移時刻の測定とそれに対応した離散的スペクトラム値の更新がN回繰り返して行われる。
ステップ(7)から(11)は、テスタにより行われる信号処理であり、ステップ(7)においてジッタ特性測定回路から出力される発振信号から遅延信号発生回路の1段当たりの遅延時間の算出が行われる。ステップ(8)では、スペクトラム値の算出を行う。つまり、スペクトラム値=前記離散的スペクトラム値FX ×1段当たりの遅延時間の計算が行われる。ステップ(9)では、上記計算されたスペクトラム値が仕様の期待値を満たすかの判定が行われ、仕様を満たすと判定されたならステップ(10)において良品とされる。仕様を満たさないと判定されたなら不良品とされる。
図6には、この発明に係る半導体集積回路装置の一実施例のブロック図が示されている。この実施例は、中央処理ユニット(マイクロプロセッサCPU)、メモリ回路、アナログ回路、ロジック回路、PLL回路及びこの発明に係るジッタ特性測定回路及び逐次離散的フーリエ変換回路から構成される。上記メモリ回路には、CPUの動作を指示するプログラムや処理されるデータ等が格納される。上記アナログ回路は、外部から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換したり、あるいは内部動作で形成されたデジタル信号をアナログ信号として出力させたりする信号変換動作等を行う。ロジック回路は、特に制限されないが、ユーザー特有の信号処理動作を行うものである。そして、PLL回路は、これらの各回路の動作に必要なクロック信号やタイミング信号を生成する。ジッタ特性測定回路は、いわゆるBIST(Built in Self Test)であり、特に制限されないが、インターフェイス回路IFとしてはJTAGが用いられ、図示しないが、外部のテスタ等との間でクロック端子TCKに同期し、モード設定信号TMS及びテスト入力データTDI及びテスト出力データTDOをシリアルに入出力する。
図7には、この発明に係る半導体集積回路装置に設けられるPLL(位相・ロックド・ループ)回路の一実施例のブロック図が示されている。この実施例の各回路ブロックは、半導体集積回路装置を構成する他の回路とともに1つの半導体基板上において形成される。この実施例のPLL回路は、次の各回路ブロックから構成される。
外部端子には、基準クロックfINが供給される。この基準クロックfINは、入力回路による遅延回路を通して位相比較器の一方の入力に供給される。内部クロック信号を形成するクロック分配系からの帰還クロックfFBは、可変M分周回路を通して上記位相比較器の他方の入力に供給される。特に制限されないが、上記可変M分周器には、外部端子から供給される逓倍比Mによりその分周比(M)が設定される。分周比Mは、1、2、3、4等である。このような分周比Mの設定によりPLL回路にあっては、複数通りの内部クロック信号の周波数を設定することができる。
上記位相比較器で形成された位相比較結果に対応してチャージポンプ回路が動作し、位相差に対応してチャージアップ電流又はディスチャージ電流を形成する。このチャージアップ電流又はディスチャージ電流がキャパシタCF に伝えられ、制御電圧VF が生成される。この制御電圧VF は、電圧電流変換器を通して電流制御発振器に伝えられ、その発振周波数を制御する。特に制限されないが、上記位相比較器の出力信号は、パルス幅電流変換器を通して上記電流制御発振器に伝えられる。このパルス幅電流変換器により、位相差が急激に大きくなったときに上記パルス幅電流変換器が検知して電流制御発振器の周波数(位相)を制御するのでPLLループの高周波数応答性が改善させられる。
上記電流制御発振器の出力信号は、2分周回路を通して出力される。この分周回路は、レベル増幅回路を兼ねており、デューティ50%のパルス信号を形成する。この2分周器の出力信号は、クロック分配系を介して図示しない内部回路に伝えられる。このようなPLL回路では、基準クロックfINと、M分周された帰還クロックfFBとを位相比較(周波数比較)し、その位相差(周波数差)に対応した位相出力によりロウパスフィルタを構成するチャージホンプ回路とキャパシタCF 及び電圧電流変換器(パルス幅電流変換器)を介して電流制御発振器を制御するので、両クロックfINとfFBの位相(周波数)が一致するように電流制御発振器の発振動作が行われる。
上記PLL回路の分周器を通した出力信号は、同図に点線で示した前記のようなジッタ特性測定回路に入力され、ここで形成されたデジタル化ジッタ値が逐次離散的フーリエ変換回路に入力されてスペクトラム値が算出される。このスペクトラム値は、前記のようなPLL回路が仕様を満足するか否かの判定(選別テスト)に用いられる。この他に、この実施例では、特定の動作モードの指定によって、上記スペクトラム値が所定値を超えたときにチャージポンプ回路に帰還信号を入力し、意図的に微小ジッタを生じさせる。つまり、PLL回路のロック状態を維持したままチャージポンプ回路に微小信号を与えて発振位相を変化させる。これは、PLL回路の特性がよすぎてクロック信号にジッタが極端に少ないと望ましくないEMIを生じさせる電源ノイズの原因となるので、かかる状態を上記逐次離散的フーリエ変換回路により検出し、上記のようにチャージポンプ回路に帰還をかけてスペクトラム拡散を図るようにするものである。
以上本発明者によってなされた発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、ジッタ特性測定回路を構成する可変遅延回路は、インバータに代えて2入力NANDを用いることにより偶数段数でも構成可能とするもの等種々の実施形態をとることができる。また、例えば、PLL回路を構成する電流制御発振器は、インバータ回路に可変電流源に動作電流を供給して可変遅延回路を構成し、それによりリングオシレータを構成するもの、あるいは差動回路の動作電流源に上記可変電流源を用いて反転増幅回路を構成して、上記同様にリングオシレータを構成するものの等種々の実施形態をとることができる。この発明は、マイコンやシステムLSI等のようなPLL回路を備えた各種半導体集積回路装置と、半導体集積回路装置での周波数スペクトラム測定方法に広く利用することができる。
FF1〜FF3…フリップフロップ回路、DL1…可変遅延回路、DL2…固定遅延回路、D1〜D3…遅延段、MX1〜MX2…マルチプレクサ、B1…出力バッファ、ADD…加算回路、MUT…乗算回路、REG1〜REG3…レジスタ、CONT…制御回路、IF…インターフェイス回路、CPU…中央処理ユニット。
Claims (11)
- PLL回路と、
上記PLL回路で形成されたクロック信号を受ける内部回路と、
上記PLL回路で形成されたクロック信号のジッタ特性測定回路とを備え、
上記ジッタ特性測定回路は、
上記PLL回路で形成されたクロック信号を遅延させる第1遅延回路と、
上記第1遅延回路を通したクロック信号を順次遅延させる複数の遅延段を有し、上記各遅延段から複数の遅延信号を出力する遅延信号発生回路と、
上記PLL回路で形成されたクロック信号を遅延させる第2遅延回路と、
上記複数の遅延信号のそれぞれエッジに対応して上記第2遅延回路で遅延されたクロック信号を取り込む複数のフリップフロップ回路と、
上記複数のフリップフロップ回路の出力信号を受けて、デジタル化された信号遷移時刻信号を形成するエンコーダ回路とを有し、
上記遅延信号発生回路は、上記第1遅延回路を通したクロック信号を順次遅延させる第1モードと、上記複数の遅延段をリング状に接続して発振動作を行わせて発振信号を出力させる第2モードとを有することを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項1において、
上記第1遅延回路は、可変遅延回路であり、
上記第2遅延回路は、固定遅延回路であり、
上記第1遅延回路の遅延時間は、上記複数遅延段の中間段における遅延信号が、上記第2遅延回路から出力されるクロック信号のほぼ1周期遅れと一致するように調整されるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項2において、
逐次離散的フーリエ変換回路を更に備え、
上記逐次離散的フーリエ変換回路は、
第1レジスタと、加算回路、乗算回路及び第2レジスタとを含み、
上記第1レジスタに格納された前回ジッタ測定時におけるスペクトラム値と、上記ジッタ特性テスト回路から出力された信号遷移時刻信号とを上記加算回路で加算し、その加算出力と上記第2レジスタに格納された離散的フーリエ変換の複素数を上記乗算器で乗算してスペクトラム値を求めて上記第1レジスタのスペクトラム値を更新するという動作を指定された複数回数行うことを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項3において、
バッファメモリを更に有し、
上記バッファメモリは、上記ジッタ特性測定回路からのデジタル化された信号遷移時刻信号を取り込み、
上記逐次離散的フーリエ変換回路の動作速度に対応して上記取り込んだ信号遷移時刻信号を順次に取り出して上記加算回路に伝えるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項3において、
第3レジスタを更に有し、
上記第3レジスタに信号遷移測定回数が格納され、かかる信号遷移測定回数に対応して上記第1レジスタのスペクトラム値の更新回数が設定されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項5において、
上記第1レジスタのスペクトラム値は、外部に出力可能とされ、
上記第2及び第3レジスタには、外部から上記複素数及び信号遷移測定回数が入力可能とされることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項6において、
上記半導体集積回路装置のテストモードにおいて、上記ジッタ特性測定回路及び逐次離散的フーリエ変換回路が動作状態にされ、
かかるテストモードにおいて、上記第2及び第3レジスタに上記複素数及び信号遷移測定回数が入力され、それに対応した上記1レジスタのスペクトラム値が出力されることを特徴とする半導体集積回路装置。 - 請求項6において、
上記内部回路の動作状態において、上記ジッタ特性測定回路及び逐次離散的フーリエ変換回路が動作状態にされ、
上記1レジスタのスペクトラム値が所定値を超えた時に、上記PLL回路に対してクロック信号にジッタが生じるよう制御信号を入力する帰還経路を設けてなることを特徴とする半導体集積回路装置。 - クロック信号のジッタ特性測定回路と、第1レジスタ、加算回路、乗算回路及び第2レジスタを用い、
上記第1レジスタに格納された前回ジッタ測定時におけるスペクトラム値と上記ジッタ特性測定回路から出力された信号遷移時刻信号とを上記加算回路で加算する第1動作と、その加算出力と上記第2レジスタに格納された離散的フーリエ変換の複素数を上記乗算器で乗算してスペクトラム値を求めて上記第1レジスタのスペクトラム値を更新するという第2動作を指定された複数回数行うことを特徴とする周波数スペクトラム測定方法。 - 請求項9において、
上記クロック信号は、PLL回路で形成され、
上記PLL回路及びジッタ特性測定回路と、第1レジスタ、加算回路、乗算回路及び第2レジスタは、1つの半導体集積回路装置内に設けられるものであることを特徴とする周波数スペクトラム測定方法。 - 請求項10において、
上記ジッタ特性測定回路は、
上記PLL回路で形成されたクロック信号を遅延させる第1遅延回路と、
上記第1遅延回路を通したクロック信号を順次遅延させる複数の遅延段を有し、上記各遅延段から複数の遅延信号を出力する遅延信号発生回路と、
上記PLL回路で形成されたクロック信号を遅延させる第2遅延回路と、
上記複数の遅延信号のそれぞれエッジに対応して上記第2遅延回路で遅延されたクロック信号を取り込む複数のフリップフロップ回路と、
上記複数のフリップフロップ回路の出力信号を受けて、デジタル化された信号遷移時刻信号を形成するエンコーダ回路とを有し、
上記遅延信号発生回路は、上記第1遅延回路を通したクロック信号を順次遅延させる第1モードと、上記複数の遅延段をリング状に接続して発振動作を行わせて発振信号を出力させる第2モードとを有することを特徴とする周波数スペクトラム測定方法。
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JP2004160861A JP2005338033A (ja) | 2004-05-31 | 2004-05-31 | 半導体集積回路装置と周波数スペクトラム測定方法。 |
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