JP2005337040A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 粒状物質の堆積量に依存して変化する粒状物質フィルタの有効開口面積を正確に推定し、再生処理を適切なタイミングで実行することができる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】 機関の吸入空気流量GAINに基づいて、排気流量GAEXが算出される。粒状物質フィルタ4の上流側圧力P0と下流側圧力Pの差圧ΔP及び大気圧PAに基づいて圧力変化パラメータ(P/P0)が算出され、この圧力変化パラメータ、排気温TEX、及び上流側圧力P0に応じて、圧力変化関数値xが算出される。圧力変化関数値x及び排気流量GAEXに、逐次型最小2乗法アルゴリズムが適用され、粒状物質フィルタ4の有効開口面積に対応する開度関数値αが算出される。
【選択図】 図5
【解決手段】 機関の吸入空気流量GAINに基づいて、排気流量GAEXが算出される。粒状物質フィルタ4の上流側圧力P0と下流側圧力Pの差圧ΔP及び大気圧PAに基づいて圧力変化パラメータ(P/P0)が算出され、この圧力変化パラメータ、排気温TEX、及び上流側圧力P0に応じて、圧力変化関数値xが算出される。圧力変化関数値x及び排気流量GAEXに、逐次型最小2乗法アルゴリズムが適用され、粒状物質フィルタ4の有効開口面積に対応する開度関数値αが算出される。
【選択図】 図5
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関し、特に排気系に粒状物質を捕集する粒状物質フィルタを備えるディーゼル機関の排気浄化装置に関する。
ディーゼル機関の排気系に、粒状物質の排出量を低減するために粒状物質フィルタを設けることは、従来より知られている。
粒状物質フィルタでは、捕集された粒状物質の量が限界に達すると、排気の圧力が上昇し、ディーゼル機関の出力低下、燃費の悪化及び排気特性の悪化を引き起こす。したがって、堆積した粒状物質は、その堆積量が堆積限界に達したときには、燃焼させて除去する必要がある。
粒状物質フィルタでは、捕集された粒状物質の量が限界に達すると、排気の圧力が上昇し、ディーゼル機関の出力低下、燃費の悪化及び排気特性の悪化を引き起こす。したがって、堆積した粒状物質は、その堆積量が堆積限界に達したときには、燃焼させて除去する必要がある。
堆積した粒状物質の除去処理(再生処理)を適切なタイミングで実行するには、粒状物質の堆積量あるいは堆積量により変化する有効開口面積を正確に推定する必要がある。特許文献1には、粒状物質フィルタの物理モデル式を用いて粒状物質の堆積量を算出し、算出される堆積量が堆積限界に達したときに、再生処理が実行される排気浄化装置が示されている。
特許文献1に示された装置では、粒状物質フィルタの上流側と下流側の圧力差ΔP及び吸入空気量センサにより検出される吸入空気量から算出される排気流速vを物理モデル式に適用して演算を実行し、その結果得られる堆積量をそのまま用いて、堆積限界値との比較を行っている。しかしながら、機関運転状態の変化によって算出結果にばらつきが生じるため、再生処理が不適切なタイミングで実行されるおそれがあった。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、粒状物質の堆積量に依存して変化する粒状物質フィルタの有効開口面積を正確に推定し、再生処理を適切なタイミングで実行することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、排気に含まれる粒状物質を捕集する粒状物質フィルタ(4)を備えた内燃機関(1)の排気浄化装置において、前記粒状物質フィルタ(4)の上流側の圧力(P0)と下流側圧力(P)の差圧(ΔP)または圧力比(P/P0)を圧力変化パラメータとして検出する圧力変化パラメータ検出手段と、前記圧力変化パラメータに応じて圧力変化関数値(x)を算出する圧力変化関数値算出手段と、前記機関の運転パラメータ(GAIN)を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段により検出される運転パラメータ(GAIN)に応じて前記機関の排気流量(GAEX)を算出する排気流量算出手段と、前記圧力変化関数値(x)及び排気流量(GAEX)の算出データに、逐次型統計アルゴリズムを適用することにより、前記粒状物質フィルタ(4)の有効開口面積(S)を算出する有効開口面積算出手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、粒状物質フィルタの上流側の圧力と下流側圧力の差圧または圧力比が圧力変化パラメータとして検出され、圧力変化パラメータに応じて圧力関数値が算出される。また検出される運転パラメータに応じて機関の排気流量が算出され、圧力関数値及び排気流量の算出データに、逐次型統計アルゴリズムを適用することにより、粒状物質フィルタの有効開口面積が算出される。すなわち、算出される圧力関数値及び排気流量に統計処理が施されて、粒状物質の堆積量に対応する有効開口面積が算出されるので、機関運転状態の変化に拘わらず正確な有効開口面積を得ることができる。したがって、このようにして得られてた有効開口面積が、判定閾値以下となったときに、粒状物質フィルタの再生処理を実行することにより、適切なタイミングで再生処理を実行することができる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及びその排気浄化装置の構成を示す図である。エンジン1は、燃焼室内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、各気筒に燃料噴射弁6が設けられている。燃料噴射弁6は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)7に電気的に接続されており、燃料噴射弁6の開弁時期及び開弁時間は、ECU7により制御される。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及びその排気浄化装置の構成を示す図である。エンジン1は、燃焼室内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンであり、各気筒に燃料噴射弁6が設けられている。燃料噴射弁6は、電子制御ユニット(以下「ECU」という)7に電気的に接続されており、燃料噴射弁6の開弁時期及び開弁時間は、ECU7により制御される。
エンジン1は、吸気管2及び排気管3を備えている。吸気管2には、吸入空気流量GAIN(質量流量)を検出する吸入空気流量センサ8が設けられており、その検出信号はECU7に供給される。排気管3には、排気中の粒状物質を捕集する粒状物質フィルタ(以下「DPF」(Diesel Particulate Filter)という)4が設けられている。DPF4の上流側には排気温TEXを検出する排気温センサ10が設けられており、さらにDPF4の上流側の圧力と下流側の圧力との差圧ΔPを検出する差圧センサ11が設けられている。これらのセンサの検出信号は、ECU7に供給される。
ECU7には、エンジン1の回転数(回転速度)NEを検出するエンジン回転数センサ9、及び大気圧PAを検出する大気圧センサ12が接続されており、これらのセンサの検出信号が、ECU7に供給される。
DPF4は、フィルタ壁を有し、排気がフィルタ壁の微細な孔を通過する際、排気中の炭素(C)を主成分とする粒状物質であるスート(soot)を、フィルタ壁の表面及びフィルタ壁中の孔に堆積させることによって捕集する。フィルタ壁の構成材料としては、例えば、炭化珪素(SiC)等のセラミックスや金属多孔体が使用される。炭化珪素からなるフィルタ壁の場合、フィルタ壁中の孔径は10μm程度である。
DPF4は、フィルタ壁を有し、排気がフィルタ壁の微細な孔を通過する際、排気中の炭素(C)を主成分とする粒状物質であるスート(soot)を、フィルタ壁の表面及びフィルタ壁中の孔に堆積させることによって捕集する。フィルタ壁の構成材料としては、例えば、炭化珪素(SiC)等のセラミックスや金属多孔体が使用される。炭化珪素からなるフィルタ壁の場合、フィルタ壁中の孔径は10μm程度である。
DPF4のスート捕集能力の限界、すなわち堆積限界までスートを捕集すると、排気圧力の上昇を引き起こすので、適時スートを燃焼させる再生処理を行う必要がある。この再生処理では、排気の温度をスートの燃焼温度まで上昇させるために、ポスト噴射制御が実行される。ポスト噴射制御においては、燃料噴射弁6により、圧縮行程における通常噴射だけでなく、その後の爆発行程や排気行程における後噴射(ポスト噴射)が行われる。
ECU4は、上記センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)、該CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、及び燃料噴射弁6に駆動信号を供給する出力回路を備えている。
次に本実施形態における、DPF4のスート堆積量に対応した有効開口面積Sを求める手法を説明する。本実施形態では、DPF4を、図2に示すように、最も単純化した流量制限のある質量流量モデル(ノズル)にモデル化して、その有効開口面積Sを求める。
図2に示すようなノズルでは、通過する流体の質量流量mdotは、上流側の圧力をP0とし、下流側の圧力をPとすると、下記式(1)で与えられる。
式(1)のΠは、下記式(2)で与えられる環境関数であり、Φは、下記式(3)で与えらる圧力関数である。式(2)のρ0は、上流側の流体密度であり、式(3)のkは、流体の比熱比であり、空気の場合は「1.4」である。
また、式(1)のΘは、開度関数であり、例えば図3に示すように、有効開口面積Sが増加するほど、その値が増加する関数である。なお、図3に示す開度関数の特性は、ノズルの形状などに依存して変化するものである。
ここで、環境関数Πの値と圧力関数Φの値の積を、圧力変化関数値x(=Π×Φ)と定義すると、質量流量mdotは、圧力変化関数値xに比例し、その比例定数が、開度関数値α(=Θ(S))となる。
ここで、環境関数Πの値と圧力関数Φの値の積を、圧力変化関数値x(=Π×Φ)と定義すると、質量流量mdotは、圧力変化関数値xに比例し、その比例定数が、開度関数値α(=Θ(S))となる。
本実施形態では、質量流量mdotは、排気管3を流れる排気流量GAEXであり、圧力変化関数値xと、対応する排気流量GAEXの実測データをプロットすると、図4(a)あるいは図4(b)に示す相関特性が得られる。図4(a)は、DPF4のスートの堆積量が少ない状態に対応し、図4(b)は、スートの堆積量が多い状態に対応する。したがって、図4に示す実測データに最小2乗法を適用して回帰直線L1及びL2を求めると、その傾きが開度関数値α1及びα2となる。この開度関数値α1及びα2を、図3に示す関係を用いて変換することにより、有効開口面積S1及びS2が得られる。
次に本実施形態における回帰直線の傾きの算出手法を説明する。
図4に示す回帰直線L1,L2は、相関パラメータをa,bとすると、下記式(4)で表される。なお、図示例ではb=0となっている。
GAEX=a・x+b (4)
図4に示す回帰直線L1,L2は、相関パラメータをa,bとすると、下記式(4)で表される。なお、図示例ではb=0となっている。
GAEX=a・x+b (4)
一般に最小2乗法によって信頼性の高い相関パラメータa,bを算出するためには、排気流量GAEX及び圧力変化関数値xの多数のデータが必要である。そのため、相関パラメータ演算のために多数のデータをメモリに蓄積する必要がある。
さらに最小2乗法の実行には、逆行列演算が必要となり、エンジン制御用のCPUの演算能力では演算時間が長くなって、車両走行中(エンジン作動中)に演算を終えることができないといった問題や、他のエンジン制御のための演算が実行できなくなるといった問題が発生する。そのような問題を避けるためには、逆行列演算のための専用のCPUを設けることが考えられるが、コストが大幅に上昇することとなる。
そこで本実施形態では、適応制御やシステム同定に用いられる逐次型同定アルゴリズムを相関パラメータa,bの算出に適用することとした。以下、相関パラメータの演算に適用した逐次型同定アルゴリズムを、逐次型最小2乗法アルゴリズムという。具体的には、逐次型最小2乗法アルゴリズムは、時系列で得られる処理対象データの今回値(最新値)GAEX(n)及びx(n)と、相関パラメータの前回値a(n-1),b(n-1)とに基づいて、相関パラメータの今回値a(n)及びb(n)を算出する漸化式を用いたアルゴリズムである。
相関パラメータa,bを要素とする相関パラメータベクトルθ(n)を下記式(5)で定義すると、逐次型最小2乗法アルゴリズムによれば、相関パラメータベクトルθ(n)は下記式(6)により算出される。
θ(n)T=[a(n) b(n)] (5)
θ(n)=θ(n-1)+KP(n)×e(n) (6)
θ(n)T=[a(n) b(n)] (5)
θ(n)=θ(n-1)+KP(n)×e(n) (6)
式(6)のe(n)は、下記式(7)及び(8)で定義される同定誤差である。またKP(n)は、下記式(9)で定義されるゲイン係数ベクトルであり、式(9)のP(n)は、下記式(10)により算出される2次の正方行列である。
e(n)=GAEX(n)−θ(n-1)Tζ(n) (7)
ζT(n)=[x(n) 1] (8)
e(n)=GAEX(n)−θ(n-1)Tζ(n) (7)
ζT(n)=[x(n) 1] (8)
式(10)の係数λ1,λ2の設定により、式(6)〜(10)による最小2乗法アルゴリズムは、以下のような5つのアルゴリズムのいずれかになる。
λ1=1,λ2=0 固定ゲインアルゴリズム
λ1=1,λ2=1 最小2乗法アルゴリズム
λ1=1,λ2=λ 漸減ゲインアルゴリズム(λは「0」より大きく「2」より小さい所定値)
λ1=λ,λ2=1 重み付き最小2乗法アルゴリズム(λは「0」より大きく「1」以下の所定値)
λ1/λ2=σ(固定値) 固定トレースアルゴリズム
λ1=1,λ2=0 固定ゲインアルゴリズム
λ1=1,λ2=1 最小2乗法アルゴリズム
λ1=1,λ2=λ 漸減ゲインアルゴリズム(λは「0」より大きく「2」より小さい所定値)
λ1=λ,λ2=1 重み付き最小2乗法アルゴリズム(λは「0」より大きく「1」以下の所定値)
λ1/λ2=σ(固定値) 固定トレースアルゴリズム
本実施形態では、係数λ1を0と1の間の所定値λに設定し、係数λ2を1に設定する重み付き最小2乗法アルゴリズムを採用しているが、他のアルゴリズムを採用してもよい。統計処理に適しているのは、最小2乗法アルゴリズム及び重み付き最小2乗法アルゴリズムである。
式(6)〜(10)の逐次型最小2乗法アルゴリズムによれば、前述した一括演算型最小2乗法の演算で必要とされる逆行列演算は不要であり、メモリに記憶すべき値はa(n)、b(n)及びP(n)(2列2行の行列)のみである。したがって、逐次型重み付き最小2乗法を用いることにより、統計処理演算を簡略化することができ、特別なCPUを用いることなく、エンジン制御用CPUにより演算することが可能となる。
上述した手法により求められる相関パラメータaが、開度関数値αに相当する。
上述した手法により求められる相関パラメータaが、開度関数値αに相当する。
図5は、上述した手法により開度関数値αを求めるための開度関数値演算モジュールを機能ブロック図として示したものである。この図に示す各ブロックの機能は、ECU7のCPUによる演算処理により実現される。
図5に示す演算モジュールは、排気流量演算部21と、圧力推定部22と、加算部23と、環境関数演算部24と、圧力比演算部25と、圧力関数演算部26と、乗算部27と、逐次パラメータ同定部28とを備えている。
排気流量演算部21は、吸入空気流量センサ8により検出される吸入空気流量GAINに応じて、必要な燃料供給量(具体的には燃料噴射弁6の開弁時間)TINJを算出し、燃料供給量TINJを単位時間当たりの供給される燃料質量GFに変換し、これを吸入空気流量GAINに加算することにより、排気流量GAEXを算出する。
排気流量演算部21は、吸入空気流量センサ8により検出される吸入空気流量GAINに応じて、必要な燃料供給量(具体的には燃料噴射弁6の開弁時間)TINJを算出し、燃料供給量TINJを単位時間当たりの供給される燃料質量GFに変換し、これを吸入空気流量GAINに加算することにより、排気流量GAEXを算出する。
圧力推定部22は、大気圧PAに応じてDPF4の下流側の圧力Pを推定する。本実施形態では、大気圧PAをそのまま下流側圧力Pとして出力している。
加算部23は、下流側圧力Pに、差圧センサ11により検出される差圧ΔPを加算することにより、上流側圧力P0を算出する。環境関数演算部24は、排気温センサ10により検出される排気温TEXに応じて、上流側密度ρ0を算出し、上記式(2)に、上流側密度ρ0及び上流側圧力P0を適用して、環境関数Πの演算を行う。
加算部23は、下流側圧力Pに、差圧センサ11により検出される差圧ΔPを加算することにより、上流側圧力P0を算出する。環境関数演算部24は、排気温センサ10により検出される排気温TEXに応じて、上流側密度ρ0を算出し、上記式(2)に、上流側密度ρ0及び上流側圧力P0を適用して、環境関数Πの演算を行う。
圧力比演算部25は、下流側圧力Pと、上流側圧力P0の比(P/P0)を演算する。圧力関数演算部26は、圧力比P/P0を上記式(3)に適用して、圧力関数Φの演算を行う。乗算部27は、環境関数Πの値と圧力関数Φの値とを乗算することにより圧力変化関数値xを算出する。
逐次パラメータ同定部28は、圧力変化関数値x及び排気流量GAEXに、上述した逐次型最小2乗法アルゴリズムを適用し、開度関数値αを算出する。本実施形態では、開度関数値αが判定閾値αTH以下となったとき、DPF4の再生処理が実行される。
開度関数値αを図3に示す開度関数を用いて有効開口面積Sに変換し、有効開口面積Sが判定閾値STH以下となったとき、DPF4の再生処理を実行するようにしてもよい。
開度関数値αを図3に示す開度関数を用いて有効開口面積Sに変換し、有効開口面積Sが判定閾値STH以下となったとき、DPF4の再生処理を実行するようにしてもよい。
以上のように本実施形態では、圧力変化関数値x、及び排気流量GAEXの算出データに、逐次型最小2乗法アルゴリズムを適用することにより、有効開口面積Sに対応する開度関数値αを算出するようにしたので、エンジン運転状態の変化に拘わらず正確な開度関数値α、及び有効開口面積Sを得ることができる。したがって、このようにして得られてた有効開口面積Sが、判定閾値STH以下となったときに、DPF4の再生処理を実行することにより、適切なタイミングで再生処理を実行することができる。
本実施形態では、差圧センサ11、大気圧センサ12、及びECU7が圧力変化パラメータ検出手段を構成し、吸入空気流量センサ8及び排気温センサ10が運転状態検出手段を構成する。またECU7が、排気流量算出手段、圧力変化関数値算出手段、及び有効開口面積算出手段を構成する。より具体的には、圧力推定部22、加算部23、及び圧力比演算部25が、圧力変化パラメータ検出手段の一部に相当し、環境関数演算部24、圧力関数演算部26、及び乗算部27が、圧力変化関数値算出手段に相当する。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、図2に示されるノズルのモデルに代えて、図6に示されるオリフィスのモデルを用いるようにしてもよい。このオリフィスモデルを採用する場合には、質量流量mdotは、下記式(11)で与えられる。ここで、Kcdは流量係数、Sは有効開口面積、ΔPは差圧、ρ0は流体密度である。このモデルを採用する場合には、圧力変化関数値xは下記式(12)で与えられる。流量係数Kcdは、流速などにより若干変化するが、通路径D及びオリフィス径dが決まればほぼ一定とみなすことができる。
この例では、開度関数値αは、有効開口面積Sと流量係数Kcdの積となり、上述した実施形態と同様に、圧力変化関数値x及び排気流量GAEXに逐次型最小2乗法アルゴリズムを適用することにより、開度関数値αを求めることができ、さらに開度関数値αを流量係数Kcdで除算することにより、有効開口面積Sを算出することができる。なお、上述した実施形態と同様に、有効開口面積Sと開度関数値αとの関係を予め求めてテーブルとして、メモリ回路に格納しておくようにしてもよい。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの排気浄化装置にも適用が可能である。
1 内燃機関
2 吸気管
3 排気管
4 粒状物質フィルタ
7 電子制御ユニット(圧力変化パラメータ検出手段、排気流量算出手段、圧力変化関数値算出手段、有効開口面積算出手段)
8 吸入空気流量センサ(運転状態検出手段)
10 排気温センサ(運転状態検出手段)
11 差圧センサ(圧力変化パラメータ検出手段)
12 大気圧センサ(圧力変化パラメータ検出手段)
21 排気流量演算部(排気流量算出手段)
22 圧力推定部(圧力変化パラメータ検出手段)
23 加算部(圧力変化パラメータ検出手段)
24 環境関数演算部(圧力変化関数値算出手段)
25 圧力比演算部(圧力変化パラメータ検出手段)
26 圧力関数演算部(圧力変化関数値算出手段)
27 乗算部(圧力変化関数値算出手段)
28 逐次パラメータ同定部(有効開口面積算出手段)
2 吸気管
3 排気管
4 粒状物質フィルタ
7 電子制御ユニット(圧力変化パラメータ検出手段、排気流量算出手段、圧力変化関数値算出手段、有効開口面積算出手段)
8 吸入空気流量センサ(運転状態検出手段)
10 排気温センサ(運転状態検出手段)
11 差圧センサ(圧力変化パラメータ検出手段)
12 大気圧センサ(圧力変化パラメータ検出手段)
21 排気流量演算部(排気流量算出手段)
22 圧力推定部(圧力変化パラメータ検出手段)
23 加算部(圧力変化パラメータ検出手段)
24 環境関数演算部(圧力変化関数値算出手段)
25 圧力比演算部(圧力変化パラメータ検出手段)
26 圧力関数演算部(圧力変化関数値算出手段)
27 乗算部(圧力変化関数値算出手段)
28 逐次パラメータ同定部(有効開口面積算出手段)
Claims (1)
- 排気に含まれる粒状物質を捕集する粒状物質フィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置において、
前記粒状物質フィルタの上流側の圧力と下流側圧力の差圧または圧力比を圧力変化パラメータとして検出する圧力変化パラメータ検出手段と、
前記圧力変化パラメータに応じて圧力変化関数値を算出する圧力変化関数値算出手段と、
前記機関の運転パラメータを検出する運転状態検出手段と、
該運転状態検出手段により検出される運転パラメータに応じて前記機関の排気流量を算出する排気流量算出手段と、
前記圧力変化関数値及び排気流量の算出データに、逐次型統計アルゴリズムを適用することにより、前記粒状物質フィルタの有効開口面積を算出する有効開口面積算出手段とを備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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- 2004-05-25 JP JP2004154053A patent/JP2005337040A/ja active Pending
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