JP2005336673A - 紙の製造方法 - Google Patents

紙の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005336673A
JP2005336673A JP2004160458A JP2004160458A JP2005336673A JP 2005336673 A JP2005336673 A JP 2005336673A JP 2004160458 A JP2004160458 A JP 2004160458A JP 2004160458 A JP2004160458 A JP 2004160458A JP 2005336673 A JP2005336673 A JP 2005336673A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
polyvinyl alcohol
paper
freeness
wet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004160458A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4594653B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Ando
嘉浩 安藤
Naomichi Matsuda
尚道 松田
Masashige Taniguchi
昌繁 谷口
Yuka Miyoshi
有香 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiyu Solution Inc
Original Assignee
Nichiyu Solution Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichiyu Solution Inc filed Critical Nichiyu Solution Inc
Priority to JP2004160458A priority Critical patent/JP4594653B2/ja
Publication of JP2005336673A publication Critical patent/JP2005336673A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4594653B2 publication Critical patent/JP4594653B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】紙の製造工程において、パルプスラリー、これから得られるウェットパルプ、湿紙などの製紙原料を脱水処理するに際し、該製紙原料の物性に与える影響を抑制して、ろ水性を向上させることのできる紙の製造方法を提供する。
【解決手段】平均重合度が100〜1800、ケン化度が60〜95モル%のポリビニルアルコールを含む水溶液に接触させた脱水装置を用いてパルプスラリー、ウェットパルプ又は湿紙を脱水処理する工程を有する紙の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、パルプスラリー、これから得られるウェットパルプ、湿紙などの製紙原料を脱水処理するに際し、該製紙原料の物性に与える影響を抑制してろ水性を向上させる紙の製造方法に関するものである。
パルプは、植物原料を機械的又は化学的に処理し、そのセルロース繊維をバラバラにして取り出したものの集合体で、紙の製造に用いる中間製品である。
パルプの製造においては、通常(1)準備工程(調木工程)、すなわちパルプ原料をパルプ化に都合のよい形態に加工する工程、(2)パルプ化の工程、すなわち原料から繊維を取り出す工程、及び(3)パルプの精製工程が施される。
前記(2)のパルプ化の工程においては、パルプ化の方法によって、パルプは、メカニカルパルプ(原料を機械的に処理して得られたパルプ)、ケミカルパルプ(原料を薬品で処理して得られたパルプ)及びセミケミカルパルプ(薬品処理と機械処理を併用して得られたパルプ)に分類される。
また、前記(3)のパルプの精製工程においては、洗浄、除塵、漂白、脱水などの処理が施される。上記脱水処理は、パルプスラリーやウェットパルプから過剰の水分を除去する処理であって、デッカー、エキストラクター、真空ろ過機、ウェットマシーン、カミールマシーンなどのパルプ脱水装置が用いられる。
一方、前記のようにして得られたパルプを用いた紙の製造においては、調成工程及び抄造工程が施される。前記調成工程は、抄紙に用いられる原料や薬品を最終的に調整・配合して抄紙機に送り出す工程であって、(イ)原料パルプの叩解、(ロ)配合、(ハ)填料、染料、薬品などの添加、(ニ)除塵・脱気などの各処理を含む。
前記抄造工程においては、通常前記調成工程で得られた抄紙原料のパルプスラリーを、抄紙機、例えば長網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、トップワイヤー式抄紙機、円網式抄紙機などに供給し、ワイヤーパートで脱水処理して湿紙を形成し、プレスパートで湿紙の脱水処理を行い、さらにドライヤーパートで乾燥処理を行うことにより、平滑で一様な厚さの紙が得られる。
このようなパルプ製造を含む紙の製造においては、前述のようにパルプスラリー、ウェットパルプや湿紙を脱水処理する工程があり、この脱水処理に際し、ろ水性向上による脱水速度の増加や、ドライヤー蒸気使用量低減などの目的で、一般にろ水性向上剤をパルプスラリーに添加することが行われている。
前記ろ水性向上剤としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアクリルアミドポリアミドアミン、カチオンデンプンなどが知られており、カチオン性重合体が多用されている。また、一級アミノ基含有アクリル系単量体を必須成分する重合体を抄紙前の製紙原料中に添加するろ水性向上方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
これらのろ水性向上剤をパルプスラリーに添加することで、パルプの凝集が促進され、水を通過しやすい構造を持ったウェットパルプシートや湿紙が形成されると考えられている。
近年、抄造工程においては、抄速増加に伴い高いろ水性が要求される一方で、古紙の高配合などにより、抄紙原料中の夾雑物量が増加し、ろ水性向上剤の性能が阻害される傾向にある。しかしながら、ろ水性を向上させるために、ろ水性向上剤の添加量を増やした場合、通常はアニオン性である抄紙原料がカチオン性に反転するなど、抄紙原料の物性が変化しやすく、歩留まり向上剤、凝結剤、サイズ剤などの薬剤のパルプ定着量が減少して、紙製品の機能が低下したり、過剰なろ水性向上剤が紙製品の地合いを乱したり、ワィヤーやフェルトなどの目詰まりを引き起こすなどの問題が生じる。
このように、パルプスラリーやウェットパルプ、湿紙などの製紙原料の物性に影響を与えずに、ろ水性を向上させる方法は、これまで開発されていないのが実状である。
特開2002―54086号公報
本発明は、このような状況下で、パルプ製造を含む紙の製造工程において、パルプスラリー、これから得られるウェットパルプ、湿紙などの製紙原料を脱水処理するに際し、該製紙原料の物性に与える影響を抑制して、ろ水性を向上させることのできる紙の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、パルプ製造を含む紙の製造工程において、パルプスラリー、これから得られるウェットパルプ、湿紙などの製紙原料(以下、本発明の製紙原料ということがある)を脱水処理するに際し、平均重合度及びケン化度がある範囲にあるポリビニルアルコールを含む水溶液を脱水装置に接触させることにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)平均重合度が100〜1800、ケン化度が60〜95モル%のポリビニルアルコールを含む水溶液に接触させた脱水装置を用いてパルプスラリー、ウェットパルプ又は湿紙を脱水処理する工程を有する紙の製造方法、
(2)ポリビニルアルコールを含む水溶液を、ポリビニルアルコールとして、脱水装置におけるろ過面積1m2当たり、0.001g以上となるように接触させる上記(1)記載の紙の製造方法、
(3)ポリビニルアルコールを含む水溶液のポリビニルアルコール濃度が0.1〜8,000重量ppmである上記(1)又は(2)に記載の紙の製造方法、
(4)ポリビニルアルコールを含む水溶液を、シャワー水として脱水装置に散布する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の紙の製造方法、及び
(1)(5)ポリビニルアルコールを含む水溶液を、0.5〜20L・m-1・min-1の量で散布する上記(4)記載の紙の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、パルプ製造を含む紙の製造工程において、パルプスラリー、これから得られるウェットパルプ、湿紙などの製紙原料を脱水処理するに際し、該製紙原料の物性に与える影響を抑制してろ水性を向上させることができる。
本発明の製造方法は、パルプの製造を含む紙の製造工程における本発明の製紙原料の脱水処理に適用される。この脱水処理の段階については特に制限はなく、パルプ製造において、パルプ精製工程におけるパルプスラリーの脱水処理、ウェットパルプの脱水処理などに適用してもよく、また紙の製造においては、抄造工程におけるパルプスラリーの脱水処理、湿紙の脱水処理などに適用してもよいが、本発明においては、抄造工程におけるパルプスラリーや湿紙の脱水処理に適用するのが、効果の点から好ましい。
本発明の方法においては、ポリビニルアルコールを含む水溶液を、脱水装置、特にそのろ材に接触させることにより、上記本発明の製紙原料の脱水処理におけるろ水性を向上させる。
本発明の方法において用いられるポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化させて得られる化合物であって、その平均重合度は100〜1800の範囲で選定される。該平均重合度が100以上であれば、十分なろ水性が得られ、1800以下であれば適切な粘度を有することから、取り扱いが容易であり、十分なろ水性が得られる。好ましい平均重合度は150〜1100であり、特に200〜600が好ましい。
また、ケン化度は60〜95モル%である。ケン化度が上記範囲にあれば、十分なろ水性が得られる。好ましいケン化度は70〜92モル%であり、特に80〜90モル%が好ましい。
本発明の方法においては、当該ポリビニルアルコールを含む水溶液を、本発明の製紙原料の脱水処理に使用される脱水装置、特にそのろ材に接触させることにより、ろ水性を向上させる。脱水装置としては、パルプ精製工程では、例えばデッカー、エキストラクター、真空ろ過機、ウェットマシーン、カミールマシーンなどが用いられる。また、紙の抄造工程では、例えば長網式抄紙機(1枚の回転するワイヤーを有する型式の抄紙機)、ツインワイヤー式抄紙機(原料は2枚のワイヤーに挟まれて走行し、両側にほぼ均等に脱水する型式の抄紙機)、トップワイヤー式抄紙機(長網式ワイヤーの途中又は最後部の上にもう1つのワイヤーを載せて、その部分だけ上下両方に脱水するようにした型式の抄紙機)、円網式抄紙機(抄槽の中に円網を回転させ、それによって円網上に生じた紙層をクーチロールでフェルト上に圧着させていく抄紙機)などが用いられる。
これらの脱水装置におけるろ材としては、例えばワイヤー、フェルト、サクションロール、カンバスなどが挙げられるが、特にワイヤー及びフェルトが有効である。
本発明の製紙原料の一つであるパルプスラリーとしては、パルプ製造におけるパルプ精製工程で用いられるパルプスラリー、あるいは紙の製造における抄造工程で用いられるパルプスラリー(抄紙原料)などが挙げられるが、本発明の方法は、前述したように抄造工程に用いられるパルプスラリー(抄紙原料)の脱水処理に適用するのが好ましい。
抄造工程で用いられるパルプスラリー(抄紙原料)としては、叩解された各種パルプ、填料、染料、薬品などを含む調成工程で得られた水系スラリーが挙げられる。各種パルプとしては、例えば未漂白又は漂白された、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、古紙パルプ、あるいはこれらの混合パルプなどが用いられる。
また、本発明の製紙原料であるウェットパルプとしては、パルプの製造工程において、上記パルプスラリーを脱水処理して得られたものを使用することができ、湿紙としては紙の製造における上記抄造工程において、上記パルプスラリーを脱水処理して得られたものを用いることができる。
本発明の製紙原料の固形分濃度は特に制限はないが、脱水性などの面から、通常0.05〜80重量%程度、好ましくは0.2〜60重量%である。
本発明においては、当該ポリビニルアルコールを含む水溶液を、ポリビニルアルコールとして、前記脱水装置、特にそのろ材に、そのろ過面積1m2当たり、0.001g以上となるように接触させることが好ましい。ポリビニルアルコールとして0.001g以上接触させることにより、ろ水性向上効果が良好に発揮される。接触させるポリビニルアルコールの量は、ろ材のろ過面積1m2当たり、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは10g以上である。また、その上限については特に制限はなく、所定量以上で接触量を増やしてもその効果はさほど増大しないことから経済性等も考慮すればその値は400,000g程度である。
当該ポリビニルアルコールを含む水溶液のポリビニルアルコール濃度に特に制限はないが、通常0.1〜8,000重量ppm程度である。このポリビニルアルコール濃度が0.1重量ppm以上であれば十分なろ水性が得られ、8,000重量ppm以下であれば、泡の発生が抑制されると共に、良好なろ水性が得られる。好ましいポリビニルアルコール濃度は5〜2,000重量ppmであり、特に40〜600重量ppmが好ましい。
本発明においては、前記ポリビニルアルコールを含む水溶液は、洗浄水などに用いられるシャワー水として、脱水装置に散布するのが有利である。この場合、当該ポリビニルアルコールを速やかに水に均一溶解させる点から、0.5〜20重量%程度の水溶液を一旦調製後、これをシャワー水に0.1〜20mL・m-1・min-1程度添加して、脱水装置のろ材に散布するのが好ましい。このシャワー水の散布量は、0.5〜10L・m-1・min-1の範囲が適当である。
本発明においては、当該ポリビニルアルコールを含む水溶液を、脱水装置に接触させる方法としては、前記のようにシャワー水として散布する方法が好ましいが、ガイドロール、ドクターなどの脱水装置以外の製造設備に、当該ポリビニルアルコールを含む水溶液を接触させることで、間接的に脱水装置、特にそのろ材に接触させてもよい。
本発明においては、必要に応じ、当該ポリビニルアルコールを含む水溶液を、本発明の目的を阻害しない範囲でパルプスラリー中に添加することも可能である。また、当該ポリビニルアルコールを含む水溶液を、脱水装置に接触させるタイミングとしては、例えば脱水装置の稼動前又は稼動中に、該装置のろ材に連続的又は間欠的に接触させればよいが、特に該装置の稼動中に連続的にろ材に接触させるのが好ましい。
本発明の方法においては、当該ポリビニルアルコールと共に、他のろ水性向上剤、歩留り向上剤、凝結剤、サイズ剤、ピッチコントロール剤、潤滑剤、剥離性向上剤、洗浄剤、酸、アルカリなどの添加剤を併用することもできる。また、当該ポリビニルアルコールを含む水溶液には、所望により、界面活性剤、重合体、キレート剤、ビルダー、有機酸、pH調整剤、溶剤、消泡剤、殺菌剤、防腐剤、着色料、香料などを適宜含有させてもよい。
本発明の方法においては、本発明の製紙原料を脱水処理するに際し、特定の重合度とケン化度を有するポリビニルアルコールを含む水溶液を、脱水装置、特にそのろ材に接触させることにより、該本発明の製紙原料の物性に与える影響を抑制して、ろ水性を効果的に向上させることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
なお、各例におけるろ水性向上率及びカチオン要求量は、以下に示す要領に従って求めた。
(1)ろ水性向上率
(a)ろ水性試験方法a
直径5cmの円形に切り取った洗浄済みワイヤーを底部に取り付けた1Lの筒状容器(ろ水性試験器)に、各ろ水性向上剤水溶液300mLを注入することでワイヤーにろ水性向上剤を接触させ、排出後1分間静置し、試験器に0.5重量%LBKP(広葉樹晒しクラフトパルプ)パルプスラリー[CSF値(フリーネス値):500mL]50gを注入した。パルプスラリー表面の水が切れるまでの時間(ろ水時間)を目視により判定して計測した(イ)。
一方、ろ水性向上剤水溶液の代わりにろ過水を用いて、同様にろ水時間を計測し(ロ)、ろ水性向上率を下式に従い算出すると共に、下記の基準で評価した。
ろ水性向上率(%)={[(ロ)−(イ)]/(ロ)}×100
◎:ろ水性向上率が10%以上である(ろ水性向上効果が極めて良好)。
○:ろ水性向上率が5%以上10%未満である(ろ水性向上効果が良好)。
△:ろ水性向上率が1%以上5%未満である(ろ水性向上効果が低い)。
×:ろ水性向上率が1%未満である(ろ水性向上効果がない)。
(b)ろ水性試験方法b
0.5重量%LBKPパルプスラリー(CSF値:500mL)50gに、各ろ水性向上剤をパルプに対し、所定量添加し、直径5cmの円形に切り取った洗浄済みワイヤーを底部に取り付けた1Lの筒状容器(ろ水性試験器)に注入した。パルプスラリー表面の水が切れるまでの時間(ろ水時間)を目視により判定して計測した(ハ)。
一方、ろ水性向上剤水溶液の代わりにろ過水を用いて、同様にろ水時間を計測し(ロ)、ろ水性向上率を下式に従い算出すると共に、下記の基準で評価した。
ろ水性向上率(%)={[(ロ)−(ハ)]/(ロ)}×100
◎:ろ水性向上率が10%以上である(ろ水性向上効果が極めて良好)。
○:ろ水性向上率が5%以上10%未満である(ろ水性向上効果が良好)。
△:ろ水性向上率が1%以上5%未満である(ろ水性向上効果が低い)。
×:ろ水性向上率が1%未満である(ろ水性向上効果がない)。
(2)カチオン要求量
カチオン要求量とは、パルプスラリーのアニオン性を表す指標であり、数値にマイナスを付けて表す。カチオン要求量の絶対値が大きいほど、パルプスラリーのアニオン性が高く、ほぼゼロになると非イオン性であることを示す。
また、パルプスラリーがカチオン性である場合は、アニオン要求量として数値にプラスの符号を付けて表す。
このカチオン要求量は、ろ水性試験のろ液をコロイド滴定することで求めることができる。0.001N/Lポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド試薬、0.001N/Lポリエチレンスルホン酸ナトリウム試薬と、ミューテック社製「PCD03」装置を用いて測定すると共に、下記の基準で評価した。なお、用いたパルプスラリーろ液のカチオン要求量は−10μeq/Lであった。
○:用いたパルプスラリーとのカチオン要求量の差の絶対値が5以下(パルプスラリーのカチオン要求量の変動が小さいろ水性向上方法)。
△:用いたパルプスラリーとのカチオン要求量の差の絶対値が5を超える(パルプスラリーのカチオン要求量の変動がやや大きいろ水性向上方法)。
×:ろ液のアニオン要求量が0μeq/L以上(パルプスラリーの液性をカチオン性に反転させるろ水性向上方法)。
実施例1
第1表に示す平均重合度が500、ケン化度が87モル%のポリビニルアルコール(重合体1)9.0gをイオン交換水に溶解させ、9重量%の水溶液を調製後、さらにろ過水で希釈して、90重量ppmのろ水性向上剤水溶液Aを得た。
このろ水性向上剤水溶液Aを用い、ろ水性試験方法aに基づいて、ろ水性向上率を求めると共に、ろ水性試験のろ液についてカチオン要求量を求めた。その結果を第2表に示す。
実施例2〜7及び比較例1〜4
第1表に示す重合体2〜11を用い、それぞれ実施例1と同様にして、第2表及び第3表に示すろ水性向上剤水溶液B〜Kを得たのち、実施例1と同様にろ水性向上率を求めると共に、ろ水性試験のろ液についてカチオン要求量を求めた。その結果を第2表及び第3表に示す。
Figure 2005336673
Figure 2005336673
Figure 2005336673
比較例5及び6
第1表に示す重合体1及び11をそれぞれ用い、その9重量%水溶液をろ水性試験方法bに基づいて、LBKPパルプスラリーに第4表に示す濃度になるように添加し、ろ水性向上率を求めると共に、このろ水性試験のろ液についてカチオン要求量を求めた。その結果を第4表に示す。
Figure 2005336673
第2表〜第4表から分かるように、実施例1〜7においては、ろ水性が良好であると共に、パルプスラリーのカチオン要求量に対する影響を抑制することができる。
これに対し、比較例1は、ポリビニルアルコールの平均重合度が1800を超えるため、ろ水性が不良である。また、比較例2はポリビニルアルコールのケン化度が95モル%を超えるため、ろ水性が不良である。比較例3は、ポリビニルアルコールのケン化度が60モル%未満であるため、ろ水性が不良である。比較例4は、本発明の方法で用いられる重合体ではなく、ろ水性が不良である。
さらに、比較例5は、ポリビニルアルコール水溶液をパルプスラリーに添加しているため、ろ水性が不良である。また、比較例6は、本発明の方法で用いられる重合体ではなく、かつパルプスラリーに添加しているため、ろ水性が不良である上、カチオン要求量に影響を与えている。
本発明の紙の製造方法は、パルプ製造を含む紙の製造工程において、パルプスラリー、これから得られるウェットパルプ、湿紙などの製紙原料を脱水処理するに際し、該製紙原料の物性に与える影響を抑制してろ水性を向上させることができ、優れたろ水性向上方法として利用可能である。

Claims (5)

  1. 平均重合度が100〜1800、ケン化度が60〜95モル%のポリビニルアルコールを含む水溶液に接触させた脱水装置を用いてパルプスラリー、ウェットパルプ又は湿紙を脱水処理する工程を有する紙の製造方法。
  2. ポリビニルアルコールを含む水溶液を、ポリビニルアルコールとして、脱水装置におけるろ過面積1m2当たり、0.001g以上となるように接触させる請求項1に記載の紙の製造方法。
  3. ポリビニルアルコールを含む水溶液のポリビニルアルコール濃度が、0.1〜8,000重量ppmである請求項1又は2に記載の紙の製造方法。
  4. ポリビニルアルコールを含む水溶液を、シャワー水として脱水装置に散布する請求項1〜3のいずれかに記載の紙の製造方法。
  5. ポリビニルアルコールを含む水溶液を、0.5〜20L・m-1・min-1の量で散布する請求項4に記載の紙の製造方法。

JP2004160458A 2004-05-31 2004-05-31 紙の製造方法 Expired - Lifetime JP4594653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004160458A JP4594653B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004160458A JP4594653B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 紙の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005336673A true JP2005336673A (ja) 2005-12-08
JP4594653B2 JP4594653B2 (ja) 2010-12-08

Family

ID=35490545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004160458A Expired - Lifetime JP4594653B2 (ja) 2004-05-31 2004-05-31 紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4594653B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109706779B (zh) * 2018-12-25 2021-01-26 山东华泰纸业股份有限公司 一种在高速纸机上生产低定量高强度瓦楞纸的工艺

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0291298A (ja) * 1987-09-22 1990-03-30 Sanyo Kokusaku Pulp Co Ltd 中性抄紙方法
JPH09302595A (ja) * 1996-05-09 1997-11-25 Hymo Corp 製紙用薬剤およびその用途
JPH11236417A (ja) * 1998-02-23 1999-08-31 Kuraray Co Ltd 微粒状ポリビニルアルコール系樹脂
JP2002054086A (ja) * 2000-05-26 2002-02-19 Hymo Corp 濾水性向上方法
JP2002509585A (ja) * 1996-08-22 2002-03-26 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 抄紙に使用するための基質に樹脂を施す方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0291298A (ja) * 1987-09-22 1990-03-30 Sanyo Kokusaku Pulp Co Ltd 中性抄紙方法
JPH09302595A (ja) * 1996-05-09 1997-11-25 Hymo Corp 製紙用薬剤およびその用途
JP2002509585A (ja) * 1996-08-22 2002-03-26 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 抄紙に使用するための基質に樹脂を施す方法
JPH11236417A (ja) * 1998-02-23 1999-08-31 Kuraray Co Ltd 微粒状ポリビニルアルコール系樹脂
JP2002054086A (ja) * 2000-05-26 2002-02-19 Hymo Corp 濾水性向上方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4594653B2 (ja) 2010-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2874973B2 (ja) 重合体変性繊維状パルプを含有する吸収性紙とその湿式抄紙法
JP6612099B2 (ja) クレープ紙の製造方法、及びクレープ加工用外添コーティング剤
RU2007142342A (ru) Улучшенные крафт-целлюлозные волокна
CN104499342B (zh) 耐水性牛皮纸的制造工艺
CN102002892A (zh) 一种低定量吸管包装纸的生产工艺
NO315715B1 (no) Fremgangsmåte for å fjerne og hindre oppbygning av forurensninger i prosesser for papirfremstilling
EP0359590A2 (en) Controlling deposits on paper machine felts and the like
JP6131974B2 (ja) 微細繊維含有シートの製造方法
US6171445B1 (en) Process for controlling deposit of sticky material
JP5799753B2 (ja) 微細繊維含有シートの製造方法
SE1851612A1 (en) A method for separating cellulosic fibers from non-cellulosic fibers
JP4594653B2 (ja) 紙の製造方法
US10851330B2 (en) Method of improving paper machine fabric performance
JPH0523262A (ja) 柔軟化処理パルプおよび柔軟化処理パルプを抄紙して得られたテイシユペーパー
FI71779B (fi) Foerfarande foer framstaellning av mekanisk raffinoermassa
US4361463A (en) Method in the production of dissolving pulp
JP2006291379A (ja) パルプの洗浄方法
US4435248A (en) Process for producing photographic paper
US3006807A (en) Slimicide
JP7270695B2 (ja) フラッフパルプ用パルプシート及び吸収性物品
JP7329407B2 (ja) 通水性向上剤
KR100627996B1 (ko) 습윤강력지 해리용 조성물
JP4802015B2 (ja) 外添型ピッチコントロール剤
JPS6247999B2 (ja)
AU2004200713B2 (en) Process for Controlling Deposit of Sticky Material

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100831

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100917

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4594653

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term