JP2005336479A - 高分子酸化防止剤およびそれを適用した被記録媒体 - Google Patents

高分子酸化防止剤およびそれを適用した被記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 大気中の酸性ガスや光による画像の変退色、および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止する酸化防止剤、およびそれを適用した画像の長期保存に好適な被記録媒体を提供すること。
【解決手段】 2つ以上の活性水素基を有する含硫黄有機化合物、2つ以上の活性水素基を有するノニオン性ポリオール化合物およびイソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物の少なくとも3種の化合物を反応させて得られたことを特徴とする高分子酸化防止剤、及びそれを適用した被記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターで記録した際に、大気中の酸性ガスや光による画像の変退色、および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止する酸化防止剤、およびそれを適用した画像の長期保存に好適な被記録媒体に関する。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により紙などの被記録媒体に付着させると同時に、インクの溶媒成分が被記録媒体にしみ込むかまたは蒸発することで、色材成分が被記録媒体上に沈着し、画像や文字など(以下、単に「画像」という)の記録を行う記録方式である。また、インクジェット記録方式は、高速印字性、低騒音性および記録パターンの融通性に優れ、さらに多色化を容易に行うことができ、現像および画像定着が不要であるといった特徴がある。
特に、多色インクジェット方式で形成された画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による画像と比較しても遜色のない記録を得ることが可能で、作成部数が少ない場合には通常の印刷技術や写真技術より印刷コストが安価に済むという利点もあることから、近年、各種情報機器の画像記録装置として急速に普及している。例えば、デザイン業界におけるイメージデザインのアウトプット、写真画質が要求される印刷分野におけるカラー版下の作製、頻繁に取り替えられる看板や商品の見本など、フルカラー画像記録が必要な分野へと幅広く応用されつつある。また、最近ではパーソナルコンピューターやデジタルスチルカメラが広く普及したことから、一般家庭においてもインクジェットプリンターを用いて写真画像を出力する機会が多くなっている。
しかしながら、インクジェットプリンターで記録された画像は製版方式による多色印刷やカラー写真の画像と比較して、大気中の酸性ガスおよび光による退色や変色が著しく、長期保存には適していないのが現状である。従って画像の退色や変色を防止することへの要求は大変強く、今までにその性能を改善するための提案が多くなされてきた。
例えば、耐ガス性向上を目的として、特許文献1ではチオエーテル系化合物、特許文献2ではヒドラジド系化合物、特許文献3および特許文献4には、チオ尿素誘導体、チオセミカルバジド誘導体、チオカルボヒドラジド誘導体などを含有させた被記録媒体が開示されている。また、特許文献5では、チオ尿素誘導体、チオセミカルバジド誘導体およびチオカルボヒドラジド誘導体からの1種類と、ヨウ素、ヨウ化物、ジチオカルバミン酸、チオシアン酸塩およびチオシアン酸エステルからの1種類とをそれぞれ含有させた被記録媒体が開示されている。
一方、耐光性を向上させる方法としては、特許文献6、特許文献7および特許文献8では、フェノール系酸化防止剤、ベンゾフェノン系あるいはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を含有させた被記録媒体が開示されている。
また、特許文献9にはヒンダードアミン系化合物を含有したものが、特許文献10ではヒドラジド系化合物を含有した被記録媒体がそれぞれ提案されている。
さらに特許文献11、および特許文献12ではインク受容層にアスコルビン酸、エリソルビン酸、またはエリソルビン酸ナトリウムを、また、特許文献13、特許文献14、特許文献15ではフラボノイドをインク受容層に含有させることで耐ガス性や耐光性を向上させた被記録媒体が開示されている。
しかしながら、これらの従来公知の被記録媒体に耐ガス性や耐光性を付与する手法は必ずしもその効果をあげてはおらず、その特性向上に関しては未だ十分とはいえない。また、上述の化合物は非水溶性のものが多く、水系の塗布液に添加できなかったり、水溶性のものであっても耐水性や高温高湿下での画像滲みを悪化させるという弊害があるため、実際に被記録媒体に適用することが困難であった。
特開平1−115677号公報 特開昭61−154989号公報 特公平4−34953号公報 特開平7−314883号公報 特開平8−25796号公報 特開昭57−74192号公報 特開昭57−87989号公報 特開昭60−72785号公報 特開昭61−146591号公報 特開昭61−154989号公報 特開平7−195824号公報 特開平8−15077号公報 特開2001−71627公報 特開2001−139850公報 特開2001−301315公報
本発明は、上記の実態に鑑みてなされたものであり、大気中の酸性ガスや光による画像の変退色、および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止する高分子酸化防止剤、およびそれを適用した画像の長期保存に好適な被記録媒体を提供することを目的としている。
本発明者らは、大気中の酸性ガスと光による画像の変退色および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止し得る酸化防止剤、および長期保存に好適な被記録媒体を得るために種々検討を重ねた結果、特定の構造の高分子化合物を酸化防止剤として、支持体の少なくとも一方の面に、1層以上のインク受容層を設けた被記録媒体の該インク受容層中に含有させることで前述した課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、2つ以上の活性水素基を有する含硫黄有機化合物(A)(以下「化合物A」という)、2つ以上の活性水素基を有するノニオン性ポリオール化合物(B)(以下「化合物B」という)およびイソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物(C)(以下「化合物C」という)の少なくとも3種の化合物を反応させて得られたことを特徴とする高分子酸化防止剤(以下「酸化防止剤」という)を提供する。
上記酸化防止剤においては、化合物Aが、分子内にスルフィド基を少なくとも一つ含有すること;および化合物Bが、ポリエチレングリコールであることが好ましい。
また、本発明は、支持体の少なくとも一方の面に、1層以上のインク受容層を設けた被記録媒体において、前記インク受容層が、前記本発明の酸化防止剤を含有することを特徴とする被記録媒体を提供する。
少なくともインク受容層に、化合物A、化合物Bおよび化合物Cの少なくとも3種の化合物を反応させて得られる本発明の酸化防止剤を適用した被記録媒体は、大気中の酸性ガスや光による画像の変退色および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止した長期保存に好適な被記録媒体である。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明で用いられる化合物Aとしては、分子内にスルフィド基を少なくとも1つ以上有する化合物が好ましく、具体的には下記一般式(1)〜(6)により表される化合物を挙げることができる。また、以下の含硫黄有機化合物は単独、若しくは2種以上同時に使用して本発明の酸化防止剤を合成することが可能である。
Figure 2005336479
(式中nは1または2を表す。また、R1はメチレン基、エチレン基、またはプロピレン基を表す。)
Figure 2005336479
(式中nは1または2を表す。また、R2およびR3はそれぞれ独立に水酸基またはアルキル基を表し、R2およびR3は同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2005336479
(式中nは0または1を表す。)
Figure 2005336479
(式中nは1または2を表す。また、R4は硫黄原子または酸素原子を表し、R5は硫黄原子または−SO2−を表し、R4およびR5は同一ではなく、それぞれ異なる基で構成される。)
Figure 2005336479
(式中R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、R6およびR7は同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2005336479
(式中R8は水酸基またはアルキル基を表す。)
本発明で用いられる化合物Bとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオールなどが挙げられる。また、これらポリオール成分は単独、若しくは2種以上同時に使用して、本発明の酸化防止剤を合成することが可能である。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量が300〜1,000であるポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン、アルキレンオキシド付加体などのグリコール成分と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物ないしエステル形成性誘導体などの酸成分とから、脱水縮合反応によって得られたポリエステル類をはじめとして、さらにはε−カプロラクトンなどの環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル類、またはそれらの共重合ポリエステル類などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、しょ糖、ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、アコニット酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオールなどの活性水素を少なくとも2個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンなどのモノマーの1種または2種以上を用いて、常法により付加重合したものが挙げられる。また、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの1級アミノ基を少なくとも2個有する化合物を開始剤として用いて、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンなどのモノマーの1種または2種以上を常法により付加重合したものを用いることもできる。特に好ましいものはポリエチレングリコールである。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどのグリコールとジフェニルカーボネートおよびホスゲンとの反応によって得られる化合物などが挙げられる。
本発明で用いられる化合物Cとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられ、これらポリイソシアネート化合物を単独、若しくは2種以上同時に使用して、本発明の酸化防止剤を合成することが可能である。
本発明の前記酸化防止剤の合成には、イソシアネート重付加反応において、錫系触媒および/またはアミン系触媒を用いることが望ましい。かかる錫系触媒としては、ジブチルスズジラウレート、スタナスオクトエートなどが挙げられ、アミン系触媒としてはトリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N−メチルモルホリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記のイソシアネート重付加反応は、組成によって無溶剤下で行うことも可能であるが、反応系の反応抑制やベース粘度コントロールなどの目的でイソシアネート重付加反応系に直接関与しない親水性有機溶剤を反応溶媒として用いることが一般的である。このような親水性有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンの如きケトン類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチルの如き有機酸エステル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンの如きアミン類などが挙げられる。また、使用した親水性有機溶剤は最終的に取り除かれるのが好ましい。さらに、化合物A、化合物Bおよび化合物Cの重付加反応物を水中に分散または溶解させることにより、本発明の酸化防止剤の溶液または分散液が得られる。
本発明の酸化防止剤は、上記の通り化合物Aと化合物Bと化合物Cとを反応させ、化合物Aのユニットと化合物Bのユニットと化合物Cのユニットを分子中に含む高分子化合物として得られる。該高分子化合物が酸化防止剤として有効であるためには、該高分子化合物中に組み込まれた化合物Aのユニットの質量は、該高分子化合物中において10〜70質量%を占めることが好ましい。より好ましくは20〜60質量%を占める割合である。化合物Aのユニットの占める割合が10質量%未満では酸化防止剤としての効果が不十分となる場合がある。一方、化合物Aのユニットの占める割合が70質量%を超えると、相対的に親水性基の含有率が低下してしまい、酸化防止剤の水分散液の調製に際して不都合となる場合がある。
また、化合物Bとしては、少なくともポリエチレングリコールから誘導されるユニットが、得られる高分子化合物中において3〜80質量%を占めることが好ましい。より好ましくは10〜50質量%を占める割合である。ポリエチレングリコールのユニットの占める割合が3質量%未満では、得られる酸化防止剤の親水性が不十分であり、該酸化防止剤を用いてインク受容層を形成する際の水性塗布液中への配合が難しくなる場合がある。一方、ポリエチレングリコールのユニットの占める割合が80質量%を超えると、相対的に化合物Aのユニットの割合が低下して酸化防止機能が不十分となり、耐ガス性などの点で不都合となる場合がある。なお、ポリエチレングリコールのユニットが上記範囲内にある限り他の化合物Bのユニットを含んでいてもよい。
また、化合物Cは、化合物Aと化合物Bとを連結させる機能を有し、その使用量は特に限定されないが、化合物Cのユニットが、得られる高分子化合物中において10〜80質量%を占めることが好ましい。より好ましくは30〜60質量%を占める割合である。化合物Cのユニットの占める割合がこの範囲であれば、化合物Aのユニットと化合物Bのユニットの機能を充分発揮させるに足る量を結合させることができる。
また、本発明の酸化防止剤の製造方法は、上記化合物A〜Cを一度に反応させてランダム重合体とする、所謂ワンショット方法でもよいし、化合物A(または化合物B)と化合物Cとをイソシアネート基リッチの割合で反応させて、末端イソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、該プレポリマーと化合物B(または化合物A)とを反応させる、所謂プレポリマー法を用いてもよい。また、何れの方法においても低分子量ポリオールや低分子量ジアミンなどの鎖伸長剤を併用してもよい。また、得られる酸化防止剤の分子量は、化合物Cの使用量の変更や、水、モノアルコールやモノアミンなどの反応停止剤を適当なタイミングで反応系に添加することによって調整することができる。このようにして得られた酸化防止剤の重量平均分子量は反応条件にもよるが、2,000〜150,000であるのが好ましい。
本発明の酸化防止剤は、水中に分散または溶解させることができる。なお、本発明の酸化防止剤を水性媒体に分散した場合、保存安定性の観点から該分散体の平均粒子径は5nm〜500nmの範囲であることが好ましい。また、本発明でいう平均粒子径は動的光散乱法によって測定され、「高分子の構造(2)散乱実験と形態観察 第1章 光散乱」(共立出版 高分子学会編)、あるいはJ.Chem.Phys.,70(B),15 Apl.,3965(1979)に記載のキュムラント法を用いた解析から求めることができる。動的光散乱法は異なる粒径を持つ微粒子が混在している場合、散乱光からの時間相関関数の減衰に分布を有する。この時間相関関数をキュムラント法を用いて解析することで、減衰速度の平均(<Γ>)と分散(μ)が求まる。減衰速度(Γ)は粒子の拡散係数と散乱ベクトルの関数で表されるため、ストークス―アインシュタイン式を用いて、流体力学的平均粒径を求めることができる。本発明で定義される平均粒子径は、例えば、レーザー粒径解析装置PARIII(大塚電子株式会社製)等を用いて容易に測定することができる。
本発明の被記録媒体は、そのインク受容層が上記本発明の酸化防止剤を含むことを特徴としている。インク受容層の形成は、適当な支持体の表面に、適当なバインダーと適当な無機顔料とを水系溶媒中に分散溶解させた塗布液を塗布および乾燥させることによって行なわれる。本発明では、上記塗布液中に前記本発明の酸化防止剤を溶解または分散させてインク受容層を形成する方法、あるいは酸化防止剤を含まない塗布液でインク受容層を形成し、その後に適当な方法、例えば、オーバーコートなどの方法で前記本発明の酸化防止剤をインク受容層中に含浸させることによって得られる。
本発明の酸化防止剤のインク受容層における含有量は、インク受容層に対して固形分換算で0.05質量%から20質量%であることが好ましい。含有量がこの範囲であれば大気中のガスと光による画像の退色や変色および高温高湿下での画像滲みを効果的に防止することができる。インク受容層に対する含有量が0.05質量%未満では本発明の目的であるガスや光による画像の退色や変色を充分防止することができず、また、含有量が20質量%を超えるとインク吸収性の悪化、高温高湿下での画像滲みの防止効果や印字濃度を低下させる恐れがある。
本発明の被記録媒体に使用される支持体としては、特に限定されるものではないが、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙などの紙類、合成紙、白色プラスチックフィルム、透明プラスチックフィルム、または半透明プラスチックフィルム、樹脂被覆紙などが使用できる。
また、光沢を効果的に発現させる場合には、インク受容層形成用塗布液に対するバリヤー性の高い基材が好ましく、酸化チタンや硫酸バリウムなどの顔料を配合したり、多孔性化することにより不透明化したポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの白色プラスチックフィルムなど、さらに原紙にポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたいわゆる樹脂被覆紙が好適である。
さらに被記録媒体に銀塩写真と同等の画質と風合いを付与する場合において、支持体としてもっとも好ましく用いられる原紙としては、少なくともインク受容層の設けられる一方の面をポリオレフィン樹脂で被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙が挙げられ、より好ましくは両面を被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙を挙げることができる。前記ポリオレフィン樹脂被覆紙の好ましい形態としては、JIS−B0601による10点平均粗さが0.5μm以下で、かつJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が25〜75%である。
また、樹脂被覆紙の厚さには特に制限はないが、25μm〜500μmであることが好ましい。25μmより薄いとインクジェット記録用シートの剛性が低く、手にした時の感触や、質感、あるいは不透明性が低下するなどの不都合が生じる。また、500μmより厚いと剛直になり扱いにくく、プリンターでの給紙走行でのトラブル発生の原因となることがある。より好ましい範囲は50μm〜300μmである。また、原紙の重さにも特に制限はないが、25g/m2〜500g/m2の範囲であることが好ましい。
さらに、上質紙などの紙を支持体として用いる場合には、良好な発色性と解像度を得るためにステキヒトサイズ度が15秒以上、さらには25秒以上の物を用いることが好ましい。
また、その他にも、ガラスまたは金属などからなるシートなどを使用してもよい。また、これら支持体とインク受容層との接着強度を向上させるため、支持体表面にコロナ放電処理や各種アンダーコート処理を施すことも可能である。
本発明においてインク受容層の形成に使用できる無機顔料としては、インク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像が形成可能な微粒子であることが好ましい。このような無機顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ケイソウ土、アルミナ、アルミナ水和物、コロイダルアルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイト構造のアルミナ水和物および擬ベーマイト構造のアルミナ水和物、リトポン、ゼオライトなどが挙げられ、これらを単独あるいは複数種併用することができる。
上記無機顔料の形態としては、高光沢かつ高透明性のインク受容層を得るために、平均粒径が100nm〜500nmの範囲が好ましく、より好ましくは100nm〜300nmの範囲である。無機顔料の平均粒径が100nmより小さい場合、インク受容層のインク吸収性が著しく低下し、吐出量の多いプリンターで印字した際にインクの滲みやビーディング(インクを吸収できずに粒状の濃度ムラとなる現象)が発生する。一方、平均粒径が500nmより大きい場合は、インク受容層の透明性が低下するとともに、画像の印字濃度や光沢が低下する場合がある。なお、本発明でいう平均粒径は動的光散乱法によって測定され、「高分子の構造(2)散乱実験と形態観察 第1章 光散乱」(共立出版 高分子学会編)、あるいはJ.Chem.Phys.,70(B),15 Apl.,3965(1979)に記載のキュムラント法を用いた解析から求めることができる。
上記無機顔料の中で特に好ましく用いられるのは、ベーマイト構造または擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物であり、これらの無機顔料は特にインク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像が形成可能である。
特に、BET比表面積が50m2/g以上の、アルミナ、ベーマイト構造または擬ベーマイト構造のアルミナ水和物が好ましく、より好ましくは50〜500m2/gの範囲であり、さらに好ましくは50〜250m2/gの範囲である。アルミナ水和物のBET比表面積が50〜250m2/gの範囲である場合、インク受容層のインク吸収性、ビーディングおよび平滑性などに優れる。一方、BET比表面積が50m2/g未満の場合、インク受容層の透明性や、画像濃度が低下して、印字物が白くモヤのかかったような画像になりやすく、また、BET比表面積が500m2/gを超える場合、インク吸収性が低下したり、アルミナ水和物を安定に分散するために解膠剤として多量の酸が必要となるため好ましくない。
本発明で好ましく用いられるベーマイト構造、または擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物は下記一般式(7)により表される。
Al23-n(OH)2n・mH2O・・・・・一般式(7)
式中、nは0、1、2または3の整数の内、何れかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。mH2Oは多くの場合結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でない値をとることができる。また、この種のアルミナ水和物をか焼するとmは0の値に達することがあり得る。
一般にベーマイト構造を示すアルミナ水和物の結晶は、その(020)面が巨大平面を形成する層状化合物であり、X線回折図形に特有の回折ピークを示す。ベーマイト構造としては、完全ベーマイトの他に擬ベーマイトと称する、過剰な水を(020)面の層間に含んだ構造を取ることもできる。この擬ベーマイトのX線回折図形は完全なベーマイトよりも幅広な回折ピークを示す。完全ベーマイトと擬ベーマイトは明確に区別できるものではないので、以下特に断らない限り、両者を含めてベーマイト構造を示すアルミナ水和物という。
上記アルミナ水和物の製造方法としては特に限定はされないが、例えば、バイヤー法、明バン熱分解法などのいずれの方法も採用することができる。特に好ましい方法は、長鎖のアルミニウムアルコキシドに対して酸を添加して加水分解する方法である。また、得られたアルミナ水和物は、水熱合成の工程を経て粒子を成長させる熟成工程の条件を調整することにより、アルミナ水和物の粒子形状を特定範囲に制御することができ、熟成時間を適当に設定すると、粒子径が比較的均一なアルミナ水和物の一次粒子が成長する。ここで得られたゾルは、解膠剤として酸を添加することで、そのまま分散液として用いることもできるが、アルミナ水和物の水への分散性をより向上させるため、ゾルをスプレードライなどの方法により粉末化した後、酸を添加して分散液とすることもできる。また、アルミナ水和物を解膠する酸としては従来公知のものが使用でき、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸などの有機酸、および塩酸、硝酸などの無機酸が挙げられ、それらの中から1種または2種以上を自由に選択して用いることができる。
本発明でバインダーとして使用される水溶性樹脂または水分散性樹脂としては、例えば、ゼラチン、カゼインおよびそれらの変性物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはその変性物(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性など)、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸またはその共重合体、アクリルアミド系樹脂、無水マレイン酸系共重合体、ポリエステル系樹脂、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックスおよびこれらの各種重合体ラテックスにカチオン性基またはアニオン性基を付与した官能基変性重合体ラテックス類などが挙げられる。好ましいのは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールで、平均重合度が300〜5,000のものである。ケン化度は70〜100%未満のものが好ましく、特に80〜99.5%(とりわけ80〜90%)のものが好ましい。また、これらの水溶性または水分散性樹脂は単独あるいは複数種混合して用いることができる。
また、前記無機顔料(A)と水溶性樹脂および水分散性樹脂(B)の混合質量比は、好ましくはA:B=1:1〜30:1、より好ましくはA:B=1.5:1〜20:1の範囲である。水溶性樹脂および/または水分散性樹脂の量がこれらの範囲内であれば、形成されたインク受容層のひび割れや粉落ちが発生し難くなり、インク吸収性も良い。
また、本発明の被記録媒体において、無機顔料、および水溶性または水分散性樹脂によって形成される皮膜の造膜性、耐水性および皮膜強度を改善するために、インク受容層中に硬膜剤を添加してもよい。一般に、硬膜剤は使用するポリマーが持つ反応性基の種類によって様々なものが選択され、例えば、ポリビニルアルコール系の樹脂であれば、エポキシ系硬膜剤や、ホウ酸などのホウ素化合物あるいは水溶性アルミニウム塩などの無機系硬膜剤などが挙げられる。
ホウ素化合物の使用量は、バインダーとして用いる水溶性樹脂および/または水分散性樹脂の量によって変化するが、概ね水溶性樹脂および/または水分散性樹脂に対して0.1〜30質量%の割合で添加するとよい。ホウ素化合物の含有量が、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂に対し0.1質量%に満たないと、造膜性が低下し十分な耐水性が得られない。逆に、30質量%を超える場合では塗布液粘度の経時変化が大きくなり、塗布安定性が低下することがある。
本発明においては必要に応じてカチオン性樹脂を併用することができる。本発明で使用可能なカチオン性樹脂は、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のオリゴマー、ポリマーである。特に、カチオン性樹脂が、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジメチル・ジアリル・アンモニウムクロライドを主成分とする化合物であることが好ましい。
上記重縮合物、および共重合体の高分子鎖中のモノマー配列は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、マルチブロック共重合体などの何れの構造でもよい。また、特に分子量や分子量分布も限定されるものではないが、水溶液にした時の粘性を考慮すると、重量平均分子量は5,000〜200,000が好ましいといえる。
カチオン性樹脂は一般に、被記録媒体に形成された画像の耐水性や高温高湿下での染料の滲みを防止する目的で使用される。これらカチオン性樹脂はアニオン性の基を持つ染料分子と塩を形成し、水に対して不溶化することで画像の耐水性を向上させることができる。
また、カチオン性樹脂の使用量としては、前記無機顔料に対して0.1質量%〜10質量%の範囲が好ましい。使用量が0.1質量%より少ない場合には目的とする耐水性の効果を十分得ることができず、また、使用量が10質量%より多い場合には画像の色調が全体的に変わってしまったり、耐光性を低下させるおそれがある。
本発明の被記録媒体の構成としては、支持体上に少なくとも前記本発明の酸化防止剤を含有する1層以上のインク受容層を設けたもの、さらに前記酸化防止剤を含む塗布液をインク受容層上にオーバーコートしたもの、あるいは前記酸化防止剤を含む塗布液を支持体表面に微量塗布してインク受容層を形成させた構成などが選択できる。本発明では、これらの構成も「支持体の表面にインク受容層が形成されたもの」として包含する。
インク受容層を形成するための塗布液中の固形分濃度は、基材上にインク受容層を形成できる程度の粘度であれば特に制限はないが、塗布液全質量に対して5〜50質量%が好ましい。固形分濃度が5質量%未満の場合は、インク受容層の膜厚を厚くするのに塗布量を増やす必要があり、乾燥に多くの時間とエネルギーを必要とすることから非経済的となる場合がある。また、50質量%を超えると塗布液の粘度が高くなり、塗布性が低下する場合がある。
また、前記塗布液には、本発明の効果を妨げない範囲内で各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、顔料分散剤、増粘剤、硬膜剤、消泡剤、インク定着剤、ドット調整剤、着色剤、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、帯電防止剤、導電剤などを挙げることができる。
調製された塗布液を基材上に塗布する方法としては、公知の任意の塗布法が適用でき、例えば、ブレードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、スロットダイコーティング法、バーコーティング法、グラビアコーティング法、ロールコーティング法などの塗布方式による塗布が可能であり、その後、熱風乾燥機、熱ドラム、遠赤外線乾燥機などの乾燥装置を用いて乾燥することで、インク受容層を形成することができる。なお、インク受容層は、前記無機顔料と樹脂およびその他の添加剤の組成比を変更して形成してもよく、基材の片面若しくは両面に形成することも可能である。また、画像の解像度および搬送性などを向上させる目的で、カレンダーなどの装置を用いて平滑化処理してもよい。
塗布液の基材上への塗布量として好ましい範囲は、固形分換算で0.5〜60g/m2であり、より好ましい範囲は5〜55g/m2である。塗布量が0.5g/m2未満の場合は、形成されたインク受容層がインクの水分を十分に吸収できず、インクが流れたり、画像が滲んだりする場合があり、60g/m2を超えると、乾燥時にカールが発生したり、印字性能に期待されるほど顕著な効果が現れない場合がある。
以上の如き本発明の酸化防止剤を適用した被記録媒体が、ガスおよび光による画像の退色や変色を防止した理由については明確ではないが、本発明の酸化防止剤がインク受容層中でラジカルや過酸化物の発生を抑制した結果であると推察される。また、高温高湿下での画像滲みが防止された理由については、化合物Aや化合物Bが有する水酸基が高分子化することにより大幅に減少し、元来有していた吸湿の性質が低減したためであると推察される。
なお、本発明の被記録媒体に記録する際に使用するインクは特に限定されないが、色材として染料または顔料を使用し、媒体として水と水溶性有機溶剤との混合物を使用し、該媒体に染料または顔料を溶解または分散させた一般的なインクジェット記録用の水性インクの使用が好ましい。
前記被記録媒体に上記インクを付与して画像形成を行う方法としては、インクジェット記録方法が特に好適であり、このインクジェット記録方法としてはインクをノズルより効果的に離脱させて、被記録媒体にインクを付与し得る方法であれば如何なる方法でもよい。特に特開昭54−59936号公報などに記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット方式は有効に使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例中、「部」および「%」は特に記載が無い限り質量基準である。
<アルミナ水和物の製造>
米国特許明細書第4,242,271号に記載された方法でアルミニウムドデキシドを製造した。次に米国特許明細書第4,202,870号に記載された方法で、前記アルミニウムドデキシドを加水分解してアルミナスラリーを製造した。このアルミナスラリーにベーマイト構造を有するアルミナ水和物固形分が7.7%になるまで水を加えた。アルミナスラリーのpHは9.4であった。3.9%の硝酸溶液を加えてpHを調整した。
次に、オートクレーブを用いて、熟成前のpH:6.0、熟成温度:150℃、熟成時間:6時間にて熟成を行いコロイダルゾルを得た。このコロイダルゾルを入口温度87℃でスプレードライしてアルミナ水和物粉末としたが、得られた粉末は粒子形状が平板状で、結晶構造がベーマイト構造であるアルミナ水和物であった。さらにイオン交換水中に、前記ベーマイト構造を有するアルミナ水和物を20%混合することにより、アルミナ水和物分散液を調製した。
前記方法で得られた分散液を超音波ホモジナイザー(UH−600S、株式会社エスエムテー製)を用いて再分散し20%のアルミナ水和物分散液を調製した。得られたアルミナ水和物分散液の平均粒径はレーザー粒径解析装置PARIII(大塚電子(株)製)を用いて測定した。その結果、平均粒径は165.5nmであった。
本発明の酸化防止剤の合成においては、以下の通り、所望する構造に従い2段階に分けた反応プロセスおよび1段階の反応プロセスのいずれも選択することが可能であり、さらに化合物A〜化合物Cの使用比率の変更により、分子量およびポリオール部分の繰返し数の選択が可能である。
<実施例1>
<酸化防止剤Aの製造方法>
以下の様に2段階に分けて合成を行い、酸化防止剤Aを製造した。
<第1段階:プレポリマーの合成>
攪拌装置、温度計および還流冷却管のついた反応容器に、反応溶媒としてアセトン140gを投入し、撹拌下3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを50.00g(274.2ミリモル)溶解後、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを71.48(321.5ミリモル)g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら4時間反応を行い、酸化防止剤Aのプレポリマーを得た。
<第2段階:酸化防止剤Aの合成>
続いてポリエチレングリコール(分子量1,000)68.63g(68.6ミリモル)を前述の反応容器に投入して、撹拌しながら55℃で4時間反応を行なった。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して水600gを加えた後、減圧濃縮をしてアセトンを除去した。その後、固形分を調整して固形分20%の本発明の酸化防止剤Aの水分散液を調製した。
酸化防止剤Aは2段階に分けて合成を行なったので、その構造は下記式1のようにチオエーテル残基が連続しているユニットとポリエチレングリコール(PEG)残基が連続しているユニットを有していると考えられる。なお、FT/IR(Fourier Transform Infrared Spectrophotometer FT/IR5300、日本分光株式会社製)によりウレタン結合の吸収が確認され、また、GPC(Gel Permeation Chromatography コントローラー:SC8010、検出器:RI8012、東ソー(株)製)により、重量平均分子量が11,500、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量の比率である分子量分布(Mw/Mn)が1.53であったことから重合反応が起きて添加した各々の成分が高分子化したことを確認した。
Figure 2005336479
<実施例2>
<酸化防止剤Bの製造方法>
以下の様に1段階で合成を行い、酸化防止剤Bを製造した。
攪拌装置、温度計および還流冷却管のついた反応容器に、反応溶媒としてアセトン140gを投入し、撹拌下3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを50.00g(274.2ミリモル)溶解後、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを71.48g(321.5ミリモル)とポリエチレングリコール(分子量1,000)を68.63g(68.6ミリモル)加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら8時間反応を行なった。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して水600gを加えた後、減圧濃縮をしてアセトンを除去した。その後、固形分を調整して固形分20%の本発明の酸化防止剤Bの水分散液を調製した。
酸化防止剤Bは1段階で反応を行ない、その構造は下記式2のようにチオエーテルのユニットとポリエチレングリコールのユニットの配列は、ランダムになっていると考えられる。なお、FT/IR(Fourier Transform Infrared Spectrophotometer FT/IR5300、日本分光株式会社製)によりウレタン結合の吸収が確認され、また、GPC(Gel Permeation Chromatography コントローラー:SC8010、検出器:RI8012、東ソー(株)製)により、重量平均分子量が10,300、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量の比率である分子量分布(Mw/Mn)が1.72であったことから重合反応が起きて添加した各々の成分が高分子化したことを確認した。
Figure 2005336479
<実施例3>
<酸化防止剤Cの製造方法>
以下の様に1段階で合成を行い、酸化防止剤Cを製造した。
攪拌装置、温度計および還流冷却管のついた反応容器に、反応溶媒としてアセトン140gを投入し、撹拌下3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを50.00g(274.2ミリモル)溶解後、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを61.77g(277.8ミリモル)とポリエチレングリコール(分子量1,000)を15.82g(15.8ミリモル)加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら8時間反応を行なった。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して水600gを加えた後、減圧濃縮をしてアセトンを除去した。その後、固形分を調整して固形分20%の本発明の酸化防止剤Cの水分散液を調製した。
酸化防止剤Cは1段階反応で、その構造は酸化防止剤Bと同様にランダム構造になっていると考えられる。なお、FT/IR(Fourier Transform Infrared Spectrophotometer FT/IR5300、日本分光株式会社製)によりウレタン結合の吸収が確認され、また、GPC(Gel Permeation Chromatography コントローラー:SC8010、検出器:RI8012、東ソー(株)製)により、重量平均分子量が5,900、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量の比率である分子量分布(Mw/Mn)が1.64だったことから重合反応が起きて添加した各々の成分が高分子化したことを確認した。
<実施例4>
<酸化防止剤Dの製造方法>
以下の様に1段階で合成を行い、酸化防止剤Dを製造した。攪拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン226gを投入し、撹拌下3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを40.00g、t−ブチルジエタノールアミン9.46g、およびポリエチレングリコール(分子量1,000)を1.40g溶解後、40℃まで昇温してイソホロンジイソシアネートを61.51g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒を0.4g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら4時間反応を行なった。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して35%塩酸6.11gを加えて中和を行なった。さらに水460gを加えた後、減圧濃縮をしてアセトンを除去した。更に水を加えることで固形分20%の本発明のその後、固形分を調整して固形分20%の本発明の酸化防止剤Dの水分散液を調製した。
酸化防止剤Dは酸化防止剤Cと同様に、1段階反応であり、その構造は同様にランダム構造になっていると考えられる。なお、FT/IR(Fourier Transform Infrared Spectrophotometer FT/IR5300、日本分光株式会社製)によりウレタン結合の吸収が確認され、また、GPC(Gel Permeation Chromatography コントローラー:SC8010、検出器:RI8012、東ソー(株)製)により、重量平均分子量が15,400、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量の比率である分子量分布(Mw/Mn)が1.98だったことから重合反応が起きて添加した各々の成分が高分子化したことを確認した。
Figure 2005336479
<実施例5>
前述のアルミナ水和物分散液100部に対してホウ酸を0.4部(アルミナ水和物に対して2%)および酸化防止剤Aの20%水分散液を固形分換算で2.0部(アルミナ水和物に対して10%)添加し、さらにポリビニルアルコール(PVA245、クラレ(株)製)の5%水溶液を、固形分換算で2部(アルミナ水和物に対して10%)添加してスリーワンモータで均一になるまで撹拌した。その後、支持体としてポリエチレン被覆紙(王子製紙(株)製;厚さ:224μm、坪量234g/m2;JIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が64%;特注品)を用い、その上に先に調製した塗工液を乾燥塗工量が35g/m2となるようメイヤーバーで塗工した後、乾燥機で110℃、20分間乾燥して本発明の被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2、評価3および評価4を行なった。結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例5において、酸化防止剤Aを酸化防止剤Bとした以外は実施例5と同様にして本発明の被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2、評価3および評価4を行なった。結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例5において、酸化防止剤Aを酸化防止剤Cとした以外は実施例5と同様にして本発明の被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2、評価3および評価4を行なった。結果を表1に示す。
<実施例8>
実施例5において、酸化防止剤Aを酸化防止剤Dとした以外は実施例5と同様にして本発明の被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2、評価3および評価4を行なった。結果を表1に示す。
<実施例9>
実施例5において支持体をJIS P8122によるステキヒトサイズ度が27秒の原紙を用いた以外は実施例5と同様にして本発明の被記録媒体を作成し下記評価1、評価2、評価3および評価4を行なった。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例5において、酸化防止剤Aを添加しなかった以外は実施例5と同様にして被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2、評価3および評価4を行なった。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例5において、酸化防止剤Aの替わりに、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを0.52部(アルミナ水和物に対して2.6%)添加した以外は実施例5と同様にして被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2、評価3および評価4を行なった。結果を表1に示す。
<比較例3>
実施例5において、酸化防止剤Aの替わりに、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを0.8部(アルミナ水和物に対して4%)添加した以外は実施例5と同様にして被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2、評価3および評価4を行なった。結果を表1に示す。
<比較例4>
実施例9において、酸化防止剤Aを添加しなかった以外は実施例9と同様にして比較例の被記録媒体を作製し、下記評価1、評価2、評価3および評価4を行なった。結果を表1に示す。
<評価1:ガスによる退色・変色抑制効果についての評価方法(残OD率)>
オゾン暴露による退色・変色を、インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いてブラック(Bk)インクを単色で、かつインク量100%でベタ印字した被記録媒体をオゾン暴露試験機(スガ試験機社製、特注品)に入れて、40℃・55%RHの条件下で濃度1ppmのオゾンに4時間暴露し、Bkの光学濃度を光学反射濃度計(グレタマクベス社製、RD−918)を用いて測定し、下記式(1)より残OD率を算出して評価した。
残OD率=(試験後のOD/試験前のOD)×100%・・・式(1)
<評価2:ガスによる退色・変色抑制効果についての評価方法(ΔE*)>
オゾン暴露による退色・変色を、インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いてブラック(Bk)インクを単色で、かつインク量100%でベタ印字した被記録媒体をオゾン暴露試験機(スガ試験機社製、特注品)に入れて、40℃・55%RHの条件下で濃度1ppmのオゾンに4時間暴露した。試験前後のBkのL***(CIEにより規定されている色差表示法のL***表色系の座標)を、測色色差計ZE2000(日本電色工業(株)製)を用いて測定し、下記式(2)で定義されるΔE*を用いて試験後の変色を評価した。
ΔE*=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2・・・式(2)
(式中、ΔL*、Δa*、およびΔb*は、試験前と試験後のBkのL***表色系のL*、a*、およびb*の座標のそれぞれの差を意味する。)
<評価3:光による退色・変色抑制効果についての評価方法(残OD率)>
インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いて、マゼンタ(M)インクを単色で、かつインク量100%でベタ印字した被記録媒体をアトラスフェードオメーター(条件;波長340nmにおける照射強度0.39W/m2、温度45℃、湿度50%)に投入し、100時間後にMの光学濃度を光学反射濃度計(グレタマクベス社製、RD−918)を用いて測定し、式(1)より残OD率を算出して評価を行った。
<評価4:高湿下における画像滲みについての評価方法>
インクジェット記録装置(BJ F870、キヤノン(株)製)を用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(Bk)の単色インクによるベタ印字(インク量100%)を行った被記録媒体を、30℃、80%RHの環境下に1週間暴露し、画像が滲む度合いを目視にて評価した。各色とも滲みが起きていないものを「〇」、いずれかの色で僅かに滲みが起きているものを「△」、いずれかの色で大きく滲みが起きているものを「×」とした。
Figure 2005336479
上記の結果から、本発明の実施例1〜4の酸化防止剤をインク受容層に適用した本発明の実施例5〜8の被記録媒体では、酸化防止剤を添加しなかった比較例1や3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを添加した比較例2および比較例3の被記録媒体と比較して明らかに耐ガス性、耐光性および高温高湿下での画像の滲みに対する特性が向上した。また、支持体が紙である実施例9の場合にも同様に、酸化防止剤を添加しなかった比較例4に比べ保存性の向上が確認された。以上のことより大気中の酸性ガスや光による画像の変退色および高温高湿下での画像の滲みを効果的に防止した酸化防止剤とすることができた。また、これを適用することで長期保存に適した被記録媒体とすることができた。
少なくともインク受容層に、本発明の酸化防止剤を含有する本発明の被記録媒体は、大気中の酸性ガスや光による画像の変退色および高温高湿下での画像滲みを効果的に防止した、長期保存に好適な被記録媒体である。

Claims (4)

  1. 2つ以上の活性水素基を有する含硫黄有機化合物(A)、2つ以上の活性水素基を有するノニオン性ポリオール化合物(B)およびイソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物(C)の少なくとも3種の化合物を反応させて得られたことを特徴とする高分子酸化防止剤。
  2. 前記含硫黄有機化合物(A)が、分子内にスルフィド基を少なくとも一つ含有する請求項1に記載の酸化防止剤。
  3. 前記ノニオン性ポリオール化合物(B)が、ポリエチレングリコールである請求項1または2に記載の酸化防止剤。
  4. 支持体の少なくとも一方の面に、1層以上のインク受容層を設けた被記録媒体において、前記インク受容層が、請求項1〜3の何れか1項に記載の酸化防止剤を含有することを特徴とする被記録媒体。
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