JP2005336403A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
低モジュラス及び低復元性を有し、気泡発生及び外観悪化等の問題がなく、接着剤やシーリング材等として好適に用いられる硬化性組成物を提供する。
【解決手段】
1分子中に平均して1.5個以上の架橋性シリル基を有し、数平均分子量12,000以上である有機重合体(A)、及び硬化触媒(B)を含有する硬化性組成物であって、硬化物の50%引張り応力が0.05〜3.0(kgf/cm)であり、硬化物の復元率が20%以下であるようにした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性組成物に関し、更に詳しくは、シーリング材や接着剤等に好適な物性を有し、且つ気泡による種々の問題を解決した硬化性組成物に関する。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系有機重合体をベースにした室温硬化性組成物は、例えば建築物のシーラント(変成シリコーン系シーリング材と呼ばれている)に利用でき、安価で優れた性能を有している。これらは種々の特性が要求されるが、モジュラス、破断伸び、破断強度などの機械物性に加え、長期にわたる耐候性は重要な特性であり、これまでにも多くの検討が行われてきている。その結果、モジュラス、破断伸び、破断強度などの機械物性は硬化性組成物中にフタル酸エステルやポリエステルやポリエーテル系可塑剤等を添加することによりシーリング材に好適な物性を得ることができることが知られている。また耐候性は反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系有機重合体と反応性ケイ素基を有するビニル系重合体を主成分として配合した湿気硬化型組成物により、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系有機重合体のみで用いた場合に比較して改良できることが特許文献1〜3等に開示されている。
さらに建物の外壁等にサイディングボードが用いられている場合、サイディングボード間の目地にはシーリング材が充填され、防水及び外気との遮断がなされる。この目地に充填されているシーリング材の硬化時に空気を巻き込んで硬化していると、その気泡部分が膨張後、シーリング材の応力が緩和され膨張したままの形状が保持され、冷えると膨張した部分に空気が流れ込み、次に暖められるとこの部分がさらに膨張し、というように、経時の寒暖の繰り返しにより、気泡部分が広がっていって、ついには巣穴上になる、またはふくれが生じ外観を損なうという問題がある。
特開昭59−122541号公報 特開昭60−31556号公報 特開2001−354846号公報 特公平1−58219号公報 特許第3062625号公報 特開平8−337713号公報 特開2003−138151号公報 特開平11−12480号公報 特開昭52−73998号公報 特開昭55−9669号公報 特開昭60−6747号公報 特開昭61−233043号公報 特開昭63−112642号公報 特開平3−79627号公報 特開平4−283259号公報 特開平5−70531号公報 特開平5−287186号公報 特開平11−80571号公報 特開平11−116763号公報 特開平11−130931号公報 特許第3313360号公報 特開2003−155469号公報 特公平3−14068号公報 特公平5−72427号公報 特公平4−55444号公報 特開平6−211922号公報 特開2000−345136号公報 特開2003−48921号公報 特開2001−40037号公報 特開平11−80250号公報 特開昭59−78223号公報 特開昭59−168014号公報 特開昭60−228516号公報 特公平7−42376号公報 特公平10−195151号公報 特公平2−44845号公報 特公平7−238143号公報 特開2000−17249号公報 特開2004−51830号公報 特開2004−59782号公報 特開2001−329065号公報 特開2001−271055号公報 WO96/30421号公報 WO97/18247号公報 WO98/01480号公報 WO98/40415号公報 特開平9−208616号公報 特開平8−41117号公報 特開平4−132706号公報 特開昭61−271306号公報 特許第2594402号公報 特開昭54−47782号公報 J. Am. Chem. Soc.、1994年、116巻、7943頁 Macromolecules、1994年、27巻、7228頁 J. Am. Chem. Soc.、1995年、117巻、5614頁 Macromolecules、1995年、28巻、7901頁 Science、1996年、272巻、866頁 Macromolecules、1995年、28巻、1721頁 Macromolecules、1999年、32巻、2872頁
本発明は、低モジュラス及び低復元性を有し、気泡発生及び外観悪化の問題のない硬化性組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の硬化性組成物は、1分子中に平均して1.5個以上の架橋性シリル基を有し、数平均分子量12,000以上である有機重合体(A)、及び硬化触媒(B)を含有する硬化性組成物であって、硬化物の50%引張り応力が0.05〜3.0(kgf/cm)、好ましくは0.05〜1.5(kgf/cm)であり、硬化物の復元率が20%以下であることを特徴とする。
なお、本明細書において、50%引張り応力は、JIS A 1439 4.21 引張り接着性試験の方法に準拠した標準養生後の硬化物の50%引張り応力を測定したものとする。また、本明細書において、復元率とは、硬化性組成物をサイディングボードに深さD、幅Wに施工して、23℃50%RH条件下にて14日間、30℃で14日間養生後、50%引張り伸長を7日間行い、引張り伸長を解除して1時間放置後のシーリング材W(幅)を測定し、下記式(1)により算出したものである。
復元率(%)={(W×1.5−W)/(D×0.5)}×100・・・(1)
前記硬化触媒(B)が4価の有機錫化合物であることが好ましい。
前記重合体(A)が、ポリ(メタ)アクリル系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、及びポリイソブチレン系重合体からなる群から選択される1種以上の重合体であることが好ましい。なお、本発明において、アクリルとメタクリルをあわせて(メタ)アクリルと称する。
前記(メタ)アクリル系重合体が、分子鎖末端に架橋性シリル基を含有することが好ましい。該架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系重合体の製造法は、特に限定されないが、制御ラジカル重合法が好ましく、リビングラジカル重合法がより好ましく、原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。
本発明の硬化性組成物に、(C1)アミン化合物をさらに配合することが好ましい。
本発明の硬化性組成物に、(C1)アミン化合物及び(C2)カルボニル化合物をさらに配合することが好ましい。
本発明の硬化性組成物に、(C3)水と反応してアミン化合物を生成する化合物をさらに含有することが好適である。
本発明によれば、低モジュラス及び低復元性を有し、気泡による外観不良等の問題がなく、接着剤やシーリング材等として好適に用いられる硬化性組成物を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これらの実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明の硬化性組成物は、下記成分(A)及び(B)を必須成分として含有し、硬化物の50%引張り応力が0.05〜3.0(kgf/cm)、好ましくは0.05〜1.5(kgf/cm)、且つ硬化物の復元率が20%以下であるものである。
(A)1分子中に少なくとも1.5個の架橋性シリル基を有し、数平均分子量が12,000以上である有機重合体、
(B)硬化触媒。
前記重合体(A)としては、珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基、すなわち架橋性シリル基を分子中に少なくとも1.5個含有する反応性有機重合体が使用される。このような架橋性シリル基含有有機重合体(A)としては、例えば、特許文献1〜42中に開示されているものを挙げることができる。
前記重合体(A)において、架橋性シリル基は1分子中に1.5個以上含まれ、1.5個〜6個が好ましい。1分子中に1.5個〜6個の架橋性シリル基が含有される重合体を用いることにより、気泡発生及び外観の悪化の問題を防ぐことができる。更に、架橋性シリル基は、架橋しやすく製造しやすい下記一般式(1)で示されるものが好ましい。
Figure 2005336403
〔式(1)中、Rは炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価の有機基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Rが複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。Xは水酸基又は加水分解性基であり、ハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基及びアミノオキシ基から選択される基が好ましく、アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が最も好ましい。Xが複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。aは1、2又は3であり、2が最も好ましい。〕
前記重合体(A)において、架橋性シリル基が複数存在する場合、これらは同じであっても異なっていても良く、さらに、前記式(1)中のaの数も同じであっても異なっていても良い。また、含有される架橋性シリル基の異なる有機重合体を2種以上用いても良い。また、架橋性シリル基の位置も特に限定はないが、分子鎖末端が好適である。
前記架橋性シリル基含有有機重合体(A)としては具体的には、架橋性シリル基を含有する、主鎖がそれぞれオルガノシロキサンを含有していてもよい、ポリオキシアルキレン系重合体、ビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体、ビニル系重合体、ポリエステル重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体、ポリイソブチレン系重合体、これらの共重合体や混合物等を挙げることができ、特に、架橋性シリル基を分子鎖末端に有する、ポリ(メタ)アクリル系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、ポリイソブチレン系重合体、及びこれらの混合物がより好ましい。
前記重合体(A)の製造法は、特に限定されず、公知の合成法を利用することができる。前記重合体(A)として、架橋性シリル基を分子末端に含有する(メタ)アクリル系重合体を用いる場合、ラジカル重合法で合成された重合体を用いることが好ましい。
ラジカル重合法は、重合開始剤として、アゾ系化合物、過酸化物等を用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる一般的なラジカル重合法と、末端などの制御された位置に特定の官能基を導入することができる制御ラジカル重合法に分けられる。本発明においては、制御ラジカル重合法で合成された(メタ)アクリル系重合体がより効果的である。
制御ラジカル重合法は、更に、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行うことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる連鎖移動剤法と、重合生長末端が停止反応等を起こさずに生長するリビングラジカル重合法に分けられる。
リビングラジカル重合法は、任意の分子量を有し、分子量分布が狭く、粘度の低い重合体を得ることができ、且つ特定の官能基を有するモノマーを任意の位置に導入することが可能であるため、特に好ましい。なお、本発明において、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合に加え、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合もリビング重合に含まれるものである。
リビングラジカル重合法としては、例えば、非特許文献1に開示されているようなコバルトポリフィリン錯体を用いる方法、非特許文献2に開示されているようなニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いる方法、非特許文献3〜6、特許文献43〜48に開示されているような有機ハロゲン化合物やハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)法等が挙げられる。リビングラジカル重合法は特に限定はされないが、原子移動ラジカル重合法が好ましい。なお、本発明において、リバース原子移動ラジカル重合法、即ち、通常の原子移動ラジカル重合触媒がラジカルを発生させた時の高酸化状態、例えば、Cu(I)を触媒として用いた時のCu(II’)に対し、過酸化物等の一般的なラジカル開始剤を作用させ、その結果として原子移動ラジカル重合と同様の平衡を生み出す方法(例えば、非特許文献7参照。)も原子移動ラジカル重合法に含まれるものである。
連鎖移動剤法としては、例えば、特許文献49に開示されているようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法や、特許文献50〜52に開示されているような水酸基含有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法等が挙げられる。
以下、原子移動ラジカル重合法について説明する。原子移動ラジカル重合法の開始剤としては、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物やベンジル位にハロゲンを有する化合物等)、またはハロゲン化スルホニル化合物等が用いられる。
また、原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基以外の官能基、例えば、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。この場合、一方の主鎖末端に官能基を、他方の主鎖末端に原子移動ラジカル重合の生長末端構造を有するビニル系重合体が合成される。本発明においては、架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることが好ましい。この場合、一方の末端に架橋性シリル基を有し、他方の末端にハロゲン末端である重合体が得られ、該ハロゲン末端を置換することにより両末端に架橋性シリル基を有する重合体を得ることができる。
重合において用いられるビニル系単量体としては、本発明においては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等のアクリル系単量体の1種以上を主成分とし、(メタ)アクリル酸アルキル及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル等の(メタ)アクリル酸エステルを主成分とすることがより好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシルおよび(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルおよび(メタ)アクリル酸トリシクロデシニル等の(メタ)アクリル酸脂環式アルキル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸クロロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチルおよび(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のヘテロ原子含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル及びアクリル酸シクロヘキシルが可塑性のバランスをとる面で特に好ましい。これら(メタ)アクリル酸エステル以外にも、物性を損なわない範囲でその他の共重合可能な単量体を用いても良い。かかる単量体としては、エチレン、プロピレンおよびイソブチレンなどのα−オレフィン類;塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなどのクロロエチレン類;エチルビニルエーテルおよびブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類が例示される。
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定はないが、周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体錯体が好ましく、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体がより好ましく、銅の錯体が特に好ましい。
1価の銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等が挙げられる。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が添加される。
また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体〔RuCl(PPh〕、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体〔FeCl(PPh〕、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体〔NiCl(PPh〕、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体〔NiBr(PBu〕も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。
重合は無溶剤又は各種溶剤中で行うことができる。重合の温度は0〜200℃の範囲で行うことが好ましく、室温〜150℃の範囲で行うことがより好ましい。
有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒として、アクリル系単量体を主成分とするビニル系単量体をラジカル重合することにより、ハロゲンを末端に有するアクリル系重合体が製造される。本発明で用いられる架橋性シリル基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル系重合体は、該ハロゲンを末端に有するアクリル系重合体のハロゲンを架橋性シリル基に変換することにより得ることができる。変換方法は特に限定されず、公知の方法(例えば、特許文献17〜19及び39〜42等参照。)を用いることができる。
本発明において、前記架橋性シリル基を有する有機重合体(A)の数平均分子量は12,000以上であり、12,000〜50,000が好ましく、15,000〜30,000がより好ましい。また、分子量分布は狭いものが好適である。前記架橋性シリル基を有する有機重合体(A)は1種のみで用いても良く、2種以上併用してもよい。
前記硬化触媒(B)は、重合体(A)に対し硬化触媒の作用を示すものであれば特に限定されないが、シラノール縮合触媒を用いることが好ましく、4価の有機錫化合物が特に好ましい。シラノール縮合触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトタプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の錫カルボン酸塩類;ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチル錫ジアセチルアセトナート;オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛等の有機酸鉛;オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ロジン酸ビスマス等の有機酸ビスマス;ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン化合物、あるいはこれらアミン系化合物のカルボン酸などとの塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;などのシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒などの公知のシラノール縮合触媒等が挙げられる。
前記4価の有機錫化合物としては、例えば、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫アセテート、ジオクチル錫ステアレート、ジオクチル錫ラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ビスイソノニル・3−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(o−フェニルフェノキサイド)、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド等が挙げられる。また、4価の有機錫化合物と他の硬化触媒(例えば、2価の有機錫化合物等)の併用しても良い。
硬化触媒(B)の配合割合は、架橋速度、硬化物の物性などの点から、重合体(A)100重量部に対して、0.1〜30重量部、特に0.5〜20重量部用いることが好ましい。これら硬化触媒は、単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
また、本発明の硬化性組成物には、非汚染性を向上させるために、(C1)アミン化合物、もしくは(C1)アミン化合物及び(C2)カルボニル化合物をさらに添加することが好適である。
上記アミン化合物(C1)としては、特に限定されないが、例えば、第1級及び/又は第2級アミン、並びに1分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物等が挙げられる。
第1級アミンとしては、例えば、モノアミンとして、ブチルアミン、ヘキシルアミン、へプチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、トリメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリン等を挙げることができ、ジアミンとして、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノへプタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、1,21−ジアミノヘンティコサン、1,22−ジアミノドコサン、1,23−ジアミノトリコサン、1,24−ジアミノテトラコサン、イソホロンジアミン、ジアミノジシクロへキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、キシレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミンなどを挙げることができ、ポリアミンとして、トリ(メチルアミノ)へキサンなどを挙げることができる。第2級アミンとしては、例えば、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、メチルラウリルアミンなどのモノアミン、N,N′−ジラウリルプロピルアミン、N,N′−ジステアリルブチルアミン、N−ブチル−N′−ラウリルエチルアミン、N−ブチル−N′−ラウリルプロピルアミン、N−ラウリル−N′−ステアリルブチルアミン等のジアミンを挙げることができる。第1級、第2級混合アミンとしては、N−ラウリルプロピレンジアミン、N−ステアリルプロピレンジアミンなどを挙げることができる。第1級、第2級混合ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メチルアミノプロピルアミンなどを挙げることができる。
上記一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物としては、例えば、下記一般式(2)で示されるものを挙げることができる。
Figure 2005336403
〔式(2)中、n=0,1,2、R及びRは同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜4個の炭化水素基、Rは炭素数1〜10個の炭化水素基、Yは水素原子又は炭素数1〜4個のアミノアルキル基を意味する。〕
ここで、R及びRとしては、メチル、エチル、プルピル、ブチルといったアルキル基、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニルといったアルケニル基などが挙げられ、特にアルキル基が好ましい。Rとしてはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのアルキレン基、フェニレンなどのアリーレン基やアルキレンアリーレン基等が挙げられるが、特にアルキレン基が好ましい。nは好ましくは0又は1である。
具体例としては、下記式(3)〜(10)で示される化合物や、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等に代表されるアミノシラン類等を挙げることができる。これらの中では、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が、接着性がより良好になり特に好ましい。
Figure 2005336403
上記カルボニル化合物(C2)としては公知のものが含まれ、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−アミルアルデヒド、イソヘキシルアルデヒド、ジエチルアセトアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等のアルデヒド類;シクロペンタノン、トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、トリメチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類;アセトフェノン、ベンゾフェノン、プロピオフェノン等の芳香族ケトン;及びアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸メチルエチル、ジベンゾイルメタン等の下記一般式(11)で示されるβ−ジカルボニル化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このうち、メチルイソブチルケトン、ジプロピルケトン、フェニルアセトアルデヒド、及び活性メチレン基を有するβ−ジカルボニル化合物〔下記一般式(11)で示される化合物〕がより好ましい。
Figure 2005336403
〔式(11)中、R及びRは同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜16個のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘプチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ヘキサデシル等)、炭素数6〜12個のアリール基(例えば、フェニル、トリル、ヘキシル、ナフチル等)、又は炭素数1〜4個のアルコキシル基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロオキシ、プトキシ等)を意味する。〕
上記成分(C1)及び成分(C2)は、配合物中で脱水反応を生じる。該脱水反応は、必要に応じて加熱処理等の反応処理を行っても良いが、特別な工程を行わずに、時間経過により進行させることが可能である。
成分(C1)及び(C2)の配合割合は、特に限定されないが、成分(C1)及び(C2)が、成分(A)100重量部に対してそれぞれ0.05〜50重量部、特に0.1〜20重量部となるように配合するのが好ましい。さらに、[成分(C1)のモル量]/[成分(C2)のモル量]が0.1〜5.0の範囲であることが好ましく、0.5〜2.0の範囲であることがさらに好ましい。アミン化合物及びカルボニル化合物は、それぞれ単独で使用しても良く、2種以上併用しても良い。
本発明の硬化性組成物に、(C3)水と反応してアミン化合物を生成する化合物をさらに添加することが、非汚染性を著しく向上させることができる為好適である。上記成分(C3)としては、具体的には、原料入手の容易性、貯蔵安定性、水との反応性などの点から、アミン化合物のケチミン化合物、エナミン化合物、及び/又はアルジミン化合物が好適例として挙げられる。
上記ケチミン化合物、エナミン化合物及びアルジミン化合物はそれぞれ、アミン化合物とカルボニル化合物との脱水反応により得ることができる。アミン化合物及びカルボニル化合物は、それぞれ成分(C1)及び(C2)の説明において挙げたアミン化合物及びカルボニル化合物を同様に用いることができる。上記成分(C3)の製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
上記成分(C3)の配合割合は、特に限定されないが、成分(A)100重量部に対して0.05〜50重量部、特に0.1〜20重量部となるように配合するのが好ましい。上記水と反応してアミン化合物を生成する化合物は、単独で使用しても良く、2種以上併用しても良い。
本発明の硬化性組成物に、1分子中に1個未満の架橋性シリル基を含有する有機重合体を更に配合することが好ましい。前記有機重合体としては、分子中に含有される架橋性シリル基の数が0個以上1個未満である有機重合体が使用される。架橋性シリル基は、前記一般式(1)で示されるものが好ましい。具体的には、1分子中に平均して0個以上1個未満の架橋性シリル基を含有する、主鎖がそれぞれオルガノシロキサンを含有していてもよい、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体、ビニル系重合体、ポリエステル重合体、ポリイソブチレン系重合体、これらの共重合体や混合物等が好適な例として挙げられる。特に、硬化後の引張接着性、モジュラス等の物性の点から、1分子中に平均して1個未満、好ましくは0.7個未満の架橋性シリル基を含有する、主鎖がそれぞれオルガノシロキサンを含有していてもよい、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル変性ポリオキシプロピレン重合体、これらの共重合体や混合物が好ましい。
本発明において、上記有機重合体の重量平均分子量は2,000以上50,000以下、より好ましくは2,000以上30,000以下で分子量分布の狭いものが、硬化前の粘度が低いので取り扱い易く、硬化後の強度、伸び、モジュラス等の物性が好適である。上記有機重合体は1種のみで用いても良く、2種以上併用してもよい。
上記有機重合体の配合割合は、特に限定されるものではないが、重合体(A)100重量部に対して、有機重合体を1〜400重量部用いることが好ましく、5〜200重量部用いることがより好ましい。
本発明の硬化性組成物には、意匠性を高めるために、さらに鱗片状又は粒状物質を添加することが好ましい。特に、所定の色に着色された鱗片状物質は、意匠性が高く好適である。前記鱗片状又は粒状物質としては、ケイ砂、マイカ等の天然物、合成ゴム、合成樹脂、アルミナ等の無機物等が使用され、必要に応じて適当な色に着色しても良い。粒径は0.01〜5mm程度のものが好ましく、鱗片状物質の場合は、厚さが直径の1/10〜1/5程度の薄さのものが好適である。
本発明の硬化性組成物は、上記した成分に加えて、必要に応じて、接着付与剤、物性調整剤、充填剤、可塑剤、揺変剤、脱水剤(保存安定性改良剤)、粘着付与剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、ラジカル重合開始剤などの物質やトルエンやアルコール等の各種溶剤を配合してもよく、また相溶する他の重合体をブレンドしてもよい。
上記接着付与剤としては、各種シランカップリング剤、例えば、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルメトキシシランなどのアミノシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン類、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネートシラン類などが挙げられる。特に、貯蔵安定性の向上の為に、下記式(12)で示されるエトキシシラン化合物やその部分加水分解縮合物を用いることが好ましい。
−Si(OCHCH4−b ・・・(12)
(式(12)中、Rは水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。Rが複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。bは0〜3の整数である。)
上記エトキシシラン化合物としては、具体的には、テトラエトキシシラン;メチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン等のアルキルトリエトキシシラン;フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリエトキシシラン;アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルエチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルエチルジエトキシシラン等のアミノシラン類;グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル)ジエチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類;γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン等のメルカプトシラン類;ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリエトキシシラン等の塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルエチルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類;メチルジエトキシシラン等のハイドロシラン類などやこれらエトキシシラン化合物の部分加水分解縮合物が挙げられる。
前記エトキシシラン化合物の部分加水分解縮合物としては、例えば、前記テトラエトキシシラン、トリエトキシシラン等のエトキシシラン化合物に水を添加し、部分加水分解させて縮合させたもの、前記テトラエトキシシラン等のエトキシシラン化合物をアルコール系溶剤中、酸性物質と水の存在下、加水分解させたもの等が挙げられる。
接着付与剤の配合割合は、特に限定されないが、成分(A)100重量部に対して0.01〜20重量部、特に0.5〜20重量部となるように配合するのが好ましい。前記接着付与剤は、単独で使用しても良く、2種以上併用しても良い。
上記可塑剤は硬化後の伸び物性を高めたり、低モジュラス化を可能とする目的で添加される。本発明においては、前記1分子中に1個未満の架橋性シリル基を含有する有機重合体を可塑剤として用いることもできるが、必要に応じて、他の可塑剤を添加しても良い。他の可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類;グリセリンモノオレイン酸エステル等の脂肪酸一塩基酸エステル類;アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル等の脂肪酸二塩基酸エステル類;ポリプロピレングリコール等のグリコールエステル類;脂肪族エステル類;エポキシ可塑剤類;ポリエステル系可塑剤;ポリエーテル類;ポリスチレン類などが挙げられる。上記可塑剤は単独で用いても良く、または、2種類以上を併用しても良い。
本発明の硬化性組成物に顔料等の着色剤を配合する場合、予め組成物中に着色剤を配合しておいてもよく、又は硬化性組成物を製造後、使用する段階で着色剤を配合してもよく、配合時期は特に限定されないものである。
本発明の硬化性組成物の調製法及び配合方法は特に限定されず、必要に応じて適宜選択すればよい。具体的には、基剤と硬化剤を予め混合してなる1成分型、及び基剤と硬化剤を使用時に混合してなる2成分型が挙げられる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(合成例1)ポリマーAの合成
500mlフラスコに臭化銅1.80g(12.6mmol)、アセトニトリル21mlを仕込み、窒素気流下70℃で20分間加熱撹拌した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.05g(14.0mmol)、アクリル酸ブチル60ml(0.418mol)、アクリル酸エチル84ml(0.775mol)、アクリル酸2−メトキシエチル63ml(0.489mol)を加え、さらに80℃で20分間加熱撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.262ml(1.26mmol)を加えて反応を開始した。さらにトリアミンを0.087ml(0.42mmol)追加した。反応開始から240分後、アセトニトリル62ml、1,7−オクタジエン62ml(0.42mol)、トリアミン0.87ml(4.18mmol)添加し、引き続き80℃で加熱撹拌を続け、反応開始から620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去した後、トルエンで希釈して濾過し、ろ液を濃縮することで重合体を得た。得られた重合体とキョーワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)、キョーワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で撹拌した。3時間後、珪酸アルミを濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を180℃で12時間加熱脱揮(減圧度10torr以下)することにより共重合体中からBr基を脱離させた。重合体とキョーワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)、キョーワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で撹拌した。5時間後、珪酸アルミを濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケニル末端重合体[1]を得た。
得られた重合体[1]の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により19000、分子量分布は1.1であった。また、オリゴマー1分子あたりに導入されたアルケニル基は、H NMR分析より平均1.9個であった。
次に、200mlの耐圧ガラス反応容器に、上記重合体(23.3g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(2.55ml、20.7mmol)、オルト蟻酸ジメチル(0.38ml、3.45mmol)、および白金触媒を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体のアルケニル基に対して、モル比で2×10−4当量とした。反応混合物を100℃で3時間加熱した。混合物の揮発分を減圧留去することにより、末端にシリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸2−メトキシエチル)のポリマーAを得た。
得られたポリマーAの数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により20000、分子量分布は1.2であった。重合体1分子あたりに導入された平均のシリル基の数をH NMR分析により求めたところ、1.9個であった。
(合成例2)ポリマーBの合成
合成例1と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により20000、分子量分布は1.2、重合体1分子あたりに導入された平均のシリル基の数をH NMR分析により求めたところ、1.6個である、ポリマーBを得た。
(合成例3)ポリマーCの合成
合成例1と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により16000、分子量分布は1.2、重合体1分子あたりに導入された平均のシリル基の数をH NMR分析により求めたところ、1.9個である、ポリマーCを得た。
(合成例4)ポリマーDの合成
合成例1と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により16000、分子量分布は1.2、重合体1分子あたりに導入された平均のシリル基の数をH NMR分析により求めたところ、1.6個である、ポリマーDを得た。
(合成例5)ポリマーEの合成
プロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下プロピレンオキサイドを反応させて得られた水酸基価換算分子量20,000、かつMw/Mn=1.3のポリオキシプロピレンを得た。この反応物に対しヒドロシリル化合物であるメチルジメトキシシランを白金触媒の存在下反応させ、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.9個の架橋性シリル基を有する数平均分子量20,000のポリマーEを得た。
(合成例6)ポリマーFの合成
合成例5と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.6個の架橋性シリル基を有する数平均分子量20,000のポリマーFを得た。
(合成例7)ポリマーGの合成
合成例5と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.9個の架橋性シリル基を有する数平均分子量16,000のポリマーFを得た。
(合成例8)ポリマーHの合成
合成例5と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.6個の架橋性シリル基を有する数平均分子量16,000のポリマーHを得た。
(合成例9)ポリマーIの合成
合成例1と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.0個の架橋性シリル基を有する数平均分子量20,000のポリマーIを得た。
(合成例10)ポリマーJの合成
合成例1と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.0個の架橋性シリル基を有する数平均分子量16,000のポリマーJを得た。
(合成例11)ポリマーKの合成
合成例1と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.9個の架橋性シリル基を有する数平均分子量10,000のポリマーKを得た。
(合成例12)ポリマーLの合成
合成例1と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.6個の架橋性シリル基を有する数平均分子量10,000のポリマーLを得た。
(合成例13)ポリマーMの合成
合成例1と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.0個の架橋性シリル基を有する数平均分子量10,000のポリマーMを得た。
(合成例14)ポリマーNの合成
合成例5と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.0個の架橋性シリル基を有する数平均分子量20,000のポリマーNを得た。
(合成例15)ポリマーOの合成
合成例5と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.0個の架橋性シリル基を有する数平均分子量16,000のポリマーOを得た。
(合成例16)ポリマーPの合成
合成例5と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.9個の架橋性シリル基を有する数平均分子量10,000のポリマーPを得た。
(合成例17)ポリマーQの合成
合成例5と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.6個の架橋性シリル基を有する数平均分子量10,000のポリマーQを得た。
(合成例18)ポリマーRの合成
合成例5と同様の方法で、末端にメチルジメトキシシリル基を持ち、平均して1分子中に1.0個の架橋性シリル基を有する数平均分子量10,000のポリマーRを得た。
(合成例19)ケチミン化合物の合成
加熱装置及びエステル管付き攪拌容器に、加熱溶解したステアリルアミン(花王(株)製、ファーミン80、アミン価207)500gを入れた後、攪拌しながらメチルイソブチルケトン203gを加えた。この中に更にトルエン130gを加えたのち加温して110〜150℃で3時間攪拌を続けて、エステル管により水を脱水した。次いで減圧して、過剰のメチルイソブチルケトン及びトルエンを除去して、ケチミン化合物を得た。
[実施例1〜13及び比較例1〜11]
(実施例1)
表1に示すように、架橋性シリル基含有有機重合体(A)として合成例1で得られたポリマーA、可塑剤、充填材、及び脱水処理剤をそれぞれ所定量ずつ仕込み、加熱減圧混合撹拌を110℃にて2時間行い、配合物質の脱水を行った。さらに、硬化触媒(B)として4価の有機錫化合物、及び接着付与剤としてシランカップリング剤を所定量ずつ添加し、撹拌配合して硬化性組成物を調製した。
Figure 2005336403
表1における配合量は(g)で示され、(*1〜*19)は次の通りである。
*1:合成例1で得られたポリマーA(シリル基数1.9個、Mn20,000のアクリル系重合体)
*2:合成例2で得られたポリマーB(シリル基数1.6個、Mn20,000のアクリル系重合体)
*3:合成例3で得られたポリマーC(シリル基数1.9個、Mn16,000のアクリル系重合体)
*4:合成例4で得られたポリマーD(シリル基数1.6個、Mn16,000のアクリル系重合体)
*5:合成例5で得られたポリマーE(シリル基数1.9個、Mn20,000のオキシアルキレン系重合体)
*6:合成例6で得られたポリマーF(シリル基数1.6個、Mn20,000のオキシアルキレン系重合体)
*7:合成例7で得られたポリマーG(シリル基数1.9個;Mn16,000のオキシアルキレン系重合体)
*8:合成例8で得られたポリマーH(シリル基数1.6個;Mn16,000のオキシアルキレン系重合体)
*9:ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成(株)製、商品名:U−220)
*10:オクチル酸錫(日東化成(株)製、商品名:U−28)
*11:アクリル系重合体(東亞合成(株)製、商品名:UP−1000)
*12:ビニルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBE1003)
*13:重質炭酸カルシウム(白石カルシウム工業(株)製、商品名:ホワイトンSB)
*14:表面処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、商品名:カルファイン200)
*15:シランカップリング剤(アミノシラン化合物、信越化学工業(株)製、商品名:KBM603)
*16:ステアリルアミン(花王(株)製、商品名:ファーミン80)
*17:ラウリルアミン(花王(株)製、商品名:ファーミン20D)
*18:合成例19で得られたケチミン化合物
*19:メチルイソブチルケトン
(実施例2〜13)
表1に示すように、配合物質及び配合割合を変更した以外は実施例1と同様の方法により硬化性組成物を調製した。
(比較例1〜11)
表2に示すように、配合物質及び配合割合を変更した以外は実施例1と同様の方法により硬化性組成物を調製した。
Figure 2005336403
表2における配合量は(g)で示され、(*1及び*9〜*15)は表1と同じであり、(*20〜*29)は次の通りである。
*20:合成例9で得られたポリマーI(シリル基数1.0個、Mn20,000のアクリル系重合体)
*21:合成例10で得られたポリマーJ(シリル基数1.0個、Mn16,000のアクリル系重合体)
*22:合成例11で得られたポリマーK(シリル基数1.9個、Mn10,000のアクリル系重合体)
*23:合成例12で得られたポリマーL(シリル基数1.6個、Mn10,000のアクリル系重合体)
*24:合成例13で得られたポリマーM(シリル基数1.0個、Mn10,000のアクリル系重合体)
*25:合成例14で得られたポリマーN(シリル基数1.0個、Mn20,000のオキシアルキレン系重合体)
*26:合成例15で得られたポリマーO(シリル基数1.0個、Mn16,000のオキシアルキレン系重合体)
*27:合成例16で得られたポリマーP(シリル基数1.9個、Mn10,000のオキシアルキレン系重合体)
*28:合成例17で得られたポリマーQ(シリル基数1.6個、Mn10,000のオキシアルキレン系重合体)
*29:合成例18で得られたポリマーR(シリル基数1.0個、Mn10,000のオキシアルキレン系重合体)
上記得られた硬化性組成物について、下記の性能試験を行った。結果を表1及び表2に示す。
1)ふくれ試験
上記硬化性組成物を厚さ10mmのシートに成形し、成形の際0.2ccの気泡を混入させ、施工表面を均一に均しておく。23℃50%RH条件下で7日間養生した後、南面45度で屋外暴露を6ヶ月行い、ふくれの有無を目視にて調べた。ふくれの観察される場合を×、ふくれのない場合を○として評価した。
2)物性試験
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.21引張接着性試験」に準拠して試験した(試験温度23℃)。なお、試験体は、上記得られた硬化性組成物を被着体としてアルマイトアルミに打設した試験体を23℃50%相対湿度で14日間、30℃で14日間養生して作製した。判定基準は、50%モジュラスが2.0以下の場合を◎、2.0を超えて3.0以下の場合を○、3.0を超える場合を×として評価した。
3)復元率試験
上記硬化性組成物を市販サイディングボードにD(深さ)/W(幅)が12mm/12mmとなるように施工して、23℃50%RH条件下にて14日間、30℃で14日間養生後、50%引張り伸長を7日間行い、引張り伸長を解除して1時間放置後のシーリング材W1(幅)を測定し、下記式(2)により復元率を算出した。20%以下の場合を○、20%を超える場合を×として評価した。
復元率(%)={(12×1.5−W1)/(12×0.5)}×100・・・(2)
4)表面汚染性試験
上記硬化性組成物を厚さ10mmのシートに成形し、南面45度で屋外暴露を6ヶ月行い、表面汚染の有無を目視にて調べた。汚染がひどい場合を×、汚染がほとんどない場合を○として評価した。
表1及び表2に示した如く、実施例1〜実施例13の硬化性組成物は、低モジュラス及び低復元性を有し、内部気泡によるふくれの問題を解決することができる。

Claims (7)

  1. 1分子中に平均して1.5個以上の架橋性シリル基を有し、数平均分子量12,000以上である有機重合体(A)、及び硬化触媒(B)を含有する硬化性組成物であって、硬化物の50%引張り応力が0.05〜3.0(kgf/cm)であり、硬化物の復元率が20%以下であることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 硬化物の50%引張り応力が0.05〜1.5(kgf/cm)であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 前記硬化触媒(B)が4価の有機錫化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  4. 前記重合体(A)が、ポリ(メタ)アクリル系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、及びポリイソブチレン系重合体からなる群から選択される1種以上の重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化性組成物。
  5. (C1)アミン化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の硬化性組成物。
  6. (C1)アミン化合物及び(C2)カルボニル化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の硬化性組成物。
  7. (C3)水と反応してアミン化合物を生成する化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の硬化性組成物。
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