JP2005335482A - 窓ガラス開閉機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャビン6の窓枠24に窓ガラス25が外方に向けて開閉自在に枢支され、窓ガラス25の内面に配備された補助ハンドル33は、先端の把持部38aが窓ガラス25を全開姿勢とした場合にも運転席8aに着座したオペレータの手が届く位置に配備されると共に、前記把持部38aを窓ガラス25に沿わせた姿勢と把持部38aを運転席8aに向けて突出させた姿勢との間でその基部37aが枢支されており、窓枠24には、窓ガラス25を半開き姿勢に設定したときに把持部38aと係合する係合体32が設けられている。
【選択図】図1
Description
この種のキャビンにおいては、一般的に、該キャビン内部の換気効率の向上を図るために、窓ガラスが窓枠に開閉自在に枢支されており、かかる窓ガラスの開閉装置として、キャビン本体側に設けられた支持体と、窓ガラスの内面に水平方向に伸びて配備されたドア開閉用のドアハンドルと、該ドアハンドルに沿って配備されたレバーとから構成され、該レバーは、一方の端部がドアハンドルに水平方向に回動自在に枢支され、前記支持体は、レバー底部に設けられた摺動溝内を相対移動可能に該レバーと係合しており、窓ガラスの開閉に伴って前記摺動溝内に形成された複数の係合孔に支持体の先端部を係合させることにより、該窓ガラスを複数の半開き姿勢に設定することが可能であるキャビンの窓ガラス開閉装置が提案されている(特許文献2参照)。
また、上記キャビンの窓ガラス開閉装置は、レバーに形成された摺動溝に沿って支持体を相対移動させ、摺動溝内の係合孔に支持体の先端部を係合させることによって窓ガラスの半開き姿勢が設定されるものであり、該窓ガラスの半開き姿勢を設定するための構造が複雑である問題があった。
第1に、運転席8aを覆って配備されるキャビン6の窓枠24に窓ガラス25が該キャビン6の外方に向けて開閉自在に枢支され、窓ガラス25の内面には、開き姿勢の窓ガラス25を閉じるための補助ハンドル33が設けられており、該補助ハンドル33は、先端の把持部38aが窓ガラス25を全開姿勢とした場合にも運転席8aに着座したオペレータの手が届く位置に配備されると共に、前記把持部38aを窓ガラス25に沿わせた姿勢と前記把持部38aを運転席8aに向けて突出させた姿勢との間でその基部37aが枢支されており、前記窓枠24には窓ガラス25を半開き姿勢に設定したときに前記把持部38aと係合する係合体32が設けられていることである。
また、補助ハンドル33の把持部38aを前記係合体32に係合させる容易な操作によって、窓ガラス25は半開き姿勢に設定されることとなり、これによって、補助ハンドル33は、窓ガラス25を半開き姿勢に設定するための支持部材としても機能することとなるのである。
この構成によれば、支持体35を窓ガラス25内面に取り付けることにより、補助ハンドル33及びロックレバー41が窓ガラス25内面に配備されるので、キャビン6の組み立て工程が簡略化されてキャビン6の製作効率の向上が図られるのである。
第3に、前記窓枠24の係合体32には、前記補助ハンドル33の把持部38aと係合する係合部52と、前記ロックレバー41に形成されたロック片43に係合する被ロック部53とが形成されていることである。
以下に、本発明をトラクタに実施した第1の実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図7は、トラクタ1の後部を示しており、該トラクタ1は、エンジン2と、該エンジン2の動力を左右一対の後輪3に伝達するための動力伝達機構を内部に備えたミッションケース4等を直結してなる走行車体5とを備えている。該走行車体5には、後上部にキャビン6が搭載されると共に、前上部がボンネット7によって覆われている。
該キャビン6は、断面中空の角パイプ材を箱状に枠組みして構成されるキャビン枠体9によって骨組み構成されている。
該キャビン枠体9は、左右一対の前支柱10及び後支柱11と、これらの中間に位置する左右一対の中間支柱12とを有し、これら各支柱10、11、12は、その上端が方形の上枠13に連結されると共に、その下端がフェンダ4bに沿って屈曲された下枠14に連結されており、前記上枠13の上部にはルーフ15が配備されている。
ドアウインド17の前部には、中央部に該ドアウインド17を側面前部枠16に対してにロックするドアロック20が設けられており、該ドアロック20によってドアウインド17を側面前部枠16にロックすることにより、該ドアウインド17は閉じ姿勢に保持される。
また、キャビン枠9の中間支柱12と後支柱11と上下枠13、14によって区画される側面後部枠19には、サイドウインド21が嵌め込まれ、左右の前支柱10と上下枠13、14によって区画される前部枠22には、フロントガラス23が嵌め込まれている。
また、図2に示す如く、キャビン6の後面には、左右一対の後支柱11、11と上下枠13、14とによって背面視四角形の後部枠(窓枠)24が区画されている。該後部枠24には、背面視四角形のリアガラス(窓ガラス)25が配備され、該リアガラス25は、その外面上端部に配備された左右一対のヒンジ26、26を介して上枠13に上下揺動自在に枢支されており、図1に示す如く、キャビン6の外方に向けて開閉自在とされている。
また、図2に示す如く、キャビン6の後部には、運転席8aに着座したオペレータがリアガラス25の開閉操作を行うためのリアガラス開閉機構(窓ガラス開閉機構)30が該リアガラス25と後部枠24に亘って設けられている。
該リアガラス開閉機構30は、リアガラス25側に配備されたガラス開閉操作部31と、後部枠24に配備されて前記ガラス開閉操作部31と係合すべき係合体32とから構成されており、ガラス開閉操作部31は、リアガラス25の下端(自由端)側の幅方向中央部に配備され、係合体32は、後部枠24を区画する下枠14の幅方向中央部に配備されている。
支持体35は、金属板にプレス加工を施すことにより形成されており、補助ハンドル33を支持する左右一対の平板部35a、35aと、該左右一対の平板部35a、35aの間に位置してロック手段34を支持するコ字状のブラケット部35bとを備えており、該支持体35がリアガラス25の内面にボルト締結等の固定手段を介して固定されている。
また、図1及び図3に示す如く、連結部38には、該連結部38の中央部を両脚部37、37よりも運転席8aに向けて突出させてなる把持部38aが形成されている。
また、図4及び図5に示す如く、各基部37aにはそれぞれ、捩りコイルバネ39が巻装されている。該捩りコイルバネ39は、一方の端部が補助ハンドル33の脚部37に掛止されると共に、他方の端部が支持体35に掛止されており、該捩りコイルバネ39の付勢力によって、補助ハンドル33は、前記把持部38aがリアガラス25に対して突出した姿勢から前記把持部38aがリアガラス25に沿う姿勢に向けて常時付勢されている。
従って、補助ハンドル33は、前記リアウインド25に対して突出した姿勢を越えて大きく下方へ回転することはなく、これによって、補助ハンドル33の開き操作によって捩りコイルバネ39に付勢力に反する大きな外力が作用し、該外力によって捩りコイルバネ39が伸びきって破損してしまうことが回避されるのである。
前記ロック手段34は、図4に示す如く、補助ハンドル33の左右一対の脚部37、37の間に配備されたロックレバー41を有し、該ロックレバー41は、図5に示す如く、支持体35のブラケット部35bからリアガラス25の内面に向けて垂直に伸びる軸心を有する軸体42と、該軸体42のリアガラス23側の端部に形成されたロック片43と、該軸体42の運転席8a側の端部に配備されたレバー44とから構成されており、軸体42が支持体35のブラケット部35bに前記軸心廻りに回転自在に枢支されている。
また、被ロック部53は、前記係合部52に向けて付勢力が作用している板バネによって形成されており、係合部52の凹部52aと被ロック部53との対向面間の長さが、補助ハンドル33の把持部38の直径よりも小さなものとなるように、係合部52の凹部52aとの対向位置に配備されている。
本発明の実施の形態は以上の構成からなるもので、次に、リアガラス25の開閉操作について説明する。
このとき、図5に示す如く、ロック片43の前記下端部は、係合体32の係合部52と被ロック部53との間に位置した状態で被ロック部53と係合しており、これによって、リアガラス25の開閉動作が拘束されている。
そして、ロックレバー41のレバー44を把持した状態で該レバー44をキャビン6の外方に押し出すことにより、リアガラス25はキャビン6に対して外方に向けて開かれる。
全開姿勢のリアガラス25を閉じる場合、先ず、リアガラス25を運転席8aに向けて引き寄せる。
このとき、補助ハンドル33は、左右一対の脚部37、37の基部37a、37aが支持体35に揺動自在に枢支されているため、補助ハンドル33の把持部38aを運転席8aに向けて引き寄せることにより、補助ハンドル33の姿勢は、前記把持部38aをリアガラス25内面に沿わせた姿勢から該把持部38aをリアガラス25から突出させた姿勢に変更されることとなる。
しかも、補助ハンドル33の把持部38aは、リアガラス25の揺動に伴って向きを変化させる前記作用線に左右一対の脚部37、37の軸心を一致させるように相対移動するので、リアガラス25を閉じるための補助ハンドル33の引き寄せ操作はスムーズに行われる。
また、リアガラス25を半開き姿勢に設定する場合、先ず、上述の如き開き操作を行ってリアガラス25を適当な開き姿勢に設定する。次に、補助ハンドル33の把持部38aを略90度の揺動角度で揺動させて運転席8aに向けて引き寄せ、補助ハンドル33の姿勢を把持部38aをリアガラス25に沿わせた姿勢からリアガラス25に最も離間した姿勢に変更する。
従って、補助ハンドル33は、リアガラス25に対して前記揺動角度を保った状態で係合体32に係止されることとなり、これによって、リアガラス25は、後部枠24に対して適度な開き角度を有する半開き姿勢に設定されることとなる。
また、該補助ハンドル33は、リアガラス25を閉じ姿勢にロックするロック手段のロックレバー41と共に支持体35に支持され、該支持体35がリアガラス25の内面に取り付けられているので、補助ハンドル33とロックレバー41をそれぞれ別々にリアガラス25に取り付ける構成よりも部品点数が削減されると共に、キャビン6の組み立て工程が簡略化されてキャビン6の製作効率の向上及び低コスト化が図られるのである。
また、前記補助ハンドル33及びロックレバー41を備えたガラス開閉操作部31と前記係合体32からなる本実施の形態にかかるリアガラス開閉機構30は、リアガラス25の幅方向中央部の下端部側と後部枠24の下枠の幅方向中央部に亘ってコンパクトに配備されているため、該リアガラス開閉機構30によって運転席8aに着座したオペレータの後方への視界が狭められることはなく、良好な後方視界を確保されるのである。
第2実施形態
以下に、本発明をトラクタに実施した第2の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。
図8及び図9に示す如く、第2の実施形態のリアガラス開閉機構60のウインド開閉操作部61の補助ハンドル63は、金属製または樹脂製の断面円形の棒材を屈曲させて背面視U字状に形成され、左右一対の脚部67、67と、リアガラス25の幅方向に伸びて該左右一対の脚部67、67の上端部を連結する連結部68とから構成されており、左右一対の脚部67、67は、各下端部を支持体35のブラケット部35bに向けて屈曲させて形成される基部67a、67bをそれぞれ有しており、背面視にて左側に位置する一方の基部67aは、その軸心が背面視にて右側に位置する他方の基部67bの軸心に対して上側及び運転席8a側に僅かにずれるように折り曲げられており、これによって、補助ハンドル63は、前記一方の基部67aから連結部68の軸心までの長さh1が前記他方の基部67bから連結部68の軸心までの長さh2よりも僅かに小さいものとなって、両基部67a、67bがそれぞれ支持体35の平板部35aに配備されたカラー36、36に揺動可能に枢支されている。
従って、リアガラス25を半開き姿勢に設定する場合、先ず、図9中に実線で示すリアガラス25に把持部68aを沿わせた姿勢の補助ハンドル63を運転席8aに向けて引き寄せる。このとき、補助ハンドル63の連結部68の軸心がY−Y軸を越える位置まで把持部68aを運転席8aに向けて引き寄せることにより、該補助ハンドル63は、連結部68の軸心をX−X軸上に移動させた前記安定姿勢に自動的にその姿勢を変更する。
また、該半開き姿勢を解除する場合には、補助ハンドル63の把持部68aと係合体32との係合を解除する。これによって、リアガラス25は、半開き姿勢が解除されて再び開閉可能となる。
そして、補助ハンドル33の連結部68の軸心が前記Y−Y軸よりもリアガラス25側に位置するまで該補助ハンドル68を揺動させることにより、補助ハンドル63には、連結部68の軸心を前記安定姿勢とは反対側に向けて伸びるX−X軸上に位置させるように付勢力が作用することとなり、該付勢力によって補助ハンドル63は連結部68がリアガラス25に当接する位置までその姿勢を変更させる。
上記該第2の実施形態において、リアガラス25を半開き姿勢に設定する場合、補助ハンドル63は、把持部68aを運転席8aに向けて僅かに引き寄せる容易な操作のみによって自動的に前記安定姿勢にその姿勢を変更させるため、補助ハンドル63の姿勢をオペレータが保持する必要はなく、上記第1の実施形態よりも更に容易な操作によってリアガラス25を半開き姿勢に設定することができるのである。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、第1の実施形態に示される補助ハンドル33の形状は、一本の脚部37の一方の端部に揺動軸となる軸心を有する基部37aを備え、他方の端部に把持部38aを備えた構成であってもよく、基部37aと把持部38aを連結する構成であれば、いかなる形状でも構わない。
また、本発明にかかる窓ガラス開閉機構をサイドウインド21及び側面後部枠19やドアパネル17に配備された窓ガラス及びその窓枠等に設けることも可能である。
さらには、バックホーやTLB作業機等の他の作業車両に配備されたキャビンのウインドに本発明かかる窓ガラス開閉機構を採用することが可能であるのはもちろんである。
6 キャビン
8a 運転席
9 キャビン枠体
10 前支柱
11 後支柱
12 中間支柱
13 上枠
14 下枠
24 後部枠
25 リアガラス
26 ヒンジ
27 ダンパー
28 ウェザーストリップ
30 リアガラス開閉機構
31 ウインド開閉操作部
32 係合体
33 補助ハンドル
34 ロック手段
35 支持体
37 脚部
37a基部
38 連結部
38a把持部
39 捩りコイルバネ
41 ロックレバー
43 ロック片
52 係合部
53 被ロック部
63 補助ハンドル
67 脚部
67a基部
68 連結部
68a把持部
Claims (3)
- 運転席(8a)を覆って配備されるキャビン(6)の窓枠(24)に窓ガラス(25)が該キャビン(6)の外方に向けて開閉自在に枢支され、窓ガラス(25)の内面には、開き姿勢の窓ガラス(25)を閉じるための補助ハンドル(33)が設けられており、
該補助ハンドル(33)は、先端の把持部(38a)が窓ガラス(25)を全開姿勢とした場合にも運転席(8a)に着座したオペレータの手が届く位置に配備されると共に、前記把持部(38a)を窓ガラス(25)に沿わせた姿勢と前記把持部(38a)を運転席(8a)に向けて突出させた姿勢との間でその基部(37a)が枢支されており、前記窓枠(24)には窓ガラス(25)を半開き姿勢に設定したときに前記把持部(38a)と係合する係合体(32)が設けられていることを特徴とする窓ガラス開閉機構。 - 前記窓ガラス(25)の内面には前記補助ハンドル(33)の基部(37a)を支持する支持体(35)が設けられており、該支持体(35)には窓ガラス(25)を閉じ姿勢にロックするロック手段(34)のロックレバー(41)が支持されていることを特徴とする請求項1に記載の窓ガラス開閉機構。
- 前記窓枠(24)の係合体(32)には、前記補助ハンドル(33)の把持部(38a)と係合する係合部(52)と、前記ロックレバー(41)に形成されたロック片(43)に係合する被ロック部(53)とが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の窓ガラス開閉機構。
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