JP2005335205A - 型内被覆成形方法 - Google Patents

型内被覆成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005335205A
JP2005335205A JP2004157069A JP2004157069A JP2005335205A JP 2005335205 A JP2005335205 A JP 2005335205A JP 2004157069 A JP2004157069 A JP 2004157069A JP 2004157069 A JP2004157069 A JP 2004157069A JP 2005335205 A JP2005335205 A JP 2005335205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
coating
sheet
paint
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004157069A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4269283B2 (ja
Inventor
Toshio Arai
俊夫 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Machinery Corp Ltd
Original Assignee
Ube Machinery Corp Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Machinery Corp Ltd filed Critical Ube Machinery Corp Ltd
Priority to JP2004157069A priority Critical patent/JP4269283B2/ja
Publication of JP2005335205A publication Critical patent/JP2005335205A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4269283B2 publication Critical patent/JP4269283B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】 硬化前の塗料が金型キャビティから漏れ出して金型を傷つけるという問題を解決するとともに、部分被覆にも対応できる型内被覆成形方法を提供する。
【解決手段】 金型キャビティ内で成形した樹脂成形品と金型キャビティ面との間であって、塗料で被覆する部分と被覆しない部分の境界部分にシートSを挟み込むことによって、塗料注入に必要な空隙を形成するとともに、被覆部分以外に塗料が漏れ出すことを防止する。前記構成による本発明は、シートSの厚みを変えることにより被覆膜の厚みを調整でき、また、シートSの材質を金型キャビティ面より塗料が付着しやすい材質に選定することによって漏れ出した塗料TをシートSに付着させて金型100から除去して、漏れ出した塗料Tにより金型が傷つくという問題を防止する。さらに、本発明でシートSの形状を部分被覆の形状に合わせて変更すれば、所望する部分だけ部分被覆することが可能である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、金型内で樹脂成形品を成形した後、金型から樹脂成形品を取り出すことなく、樹脂成形品の表面の一部を塗料によって被覆(塗装と称することもある)する型内被覆成形方法に関する。
樹脂成形品の装飾性を高める方法として、従来から塗装による加飾が多く用いられている。従来から行われている塗装法は、金型内で射出成形した樹脂成形品を金型から取り出した後、その表面にスプレー法や浸漬法等によって塗料の塗布を行う方法が一般的である。塗布された塗料は、硬化することによって、強固な被覆膜(塗膜と称することもある)となり樹脂成形品の表面を加飾するとともに保護する。
しかし、近年、前記塗装法の工程省略化を目的とし、熱可塑製樹脂の成形と塗膜による被覆を同一の金型内で行う型内被覆成形方法(インモールドコーティング方法と称されることもある)が提案されている。
前記型内被覆成形方法の1例を図7(1)のフローチャートを用いて以下簡略に説明する。図7(1)に示した従来の型内被覆成形方法は、熱可塑性樹脂を基材として金型内で射出成形した後、金型内で樹脂を冷却収縮させることにより、金型内で成形した樹脂成形品と金型キャビティ面との間に隙間(空隙と称することもある)を生じさせ、該隙間に塗料注入機を使用して塗料を注入する。
塗料注入後は、金型内で塗料を硬化させて、塗料が乾燥及び硬化した後に、金型を開いて塗料で被覆した樹脂成形品を金型より取り出す。
また、前記型内被覆成形方法の他の例を図7(2)フローチャートを用いて以下簡略に説明する。図7(2)に示した従来の型内被覆成形方法は、熱可塑性樹脂を基材として金型内で射出成形した後、金型をわずかに開いた状態とする。
そして、金型をわずかに開くことにより、型内で成形した樹脂成形品と金型キャビティ面との間に生じた隙間(空隙と称することもある)に、塗料注入機を使用して塗料を注入する。
塗料注入後は、金型を再度型締することにより樹脂成形品の表面に塗料を均一に流動させた後、塗料を硬化させて、塗料が硬化した後に、金型を開いて塗料で被覆した樹脂成形品を型内被覆成形品として金型より取り出す。
前記型内被覆成形方法は、熱可塑性樹脂の成形と塗料による被覆を同一の金型内で行うため、工程の省略化によるコストダウンが可能であると同時に、浮遊している塵が硬化する以前の塗膜に付着して不良となる等といったことがほとんどなく、高い品質の製品を得ることができる。
そのため、外観に対して高い品質が要求される自動車用の部品、例えば、バンパー、ドア、ドアミラーカバー、フェンダー等多くの部品には、前述の型内被覆成形方法の利用が検討されている。
そのような理由から、前述の型内被覆成形方法について、既に数多くの提案がなされており、例えば特許文献1及び2に開示されるようなものが公知である。
特開2002−172657公報 特開平9−52257号公報
ここで、前述した型内被覆成形方法に用いられる塗料は、一般的に硬化前の粘度が非常に小さく、わずかな隙間に入り込んで流れるという特性を有している。
そのため、従来の型内被覆成形方法を実施する際において、硬化前の塗料が金型パーティング面等から金型キャビティの外に漏れ出して、金型に付着してしまうという問題があった。
漏れた塗料をそのままにしておくと、漏れだした部分で硬化するため、その後の成形で金型を傷つける可能性があるとともに、成形品を汚損する恐れがあって、成形の安定性を崩す要因となる。そのため、金型キャビティから塗料が漏れ出した場合は、成形を一旦中止して金型の清掃を行なう必要があって、この清掃が連続成形を行なう上での大きな妨げとなっていた。
この問題を解決するため従来の型内被覆成形用金型は、塗料が漏れ出し易い部分にシール機構等を設けて塗料の漏れ止めを行なっている。
シール機構の例として、例えば、特許文献2に記載されるような塗料の漏れ止め機構を(シール部材)を設ける、パーティング面を食い切り構造にする、又、塗料硬化用ヒータにより金型キャビティ末端の塗料を強制的に硬化させて塗料の漏れ出しを防止する等といった手法が既に公知である。
しかし、ここで、前述した従来のシール機構を採用するためには、金型を大きく改造する必要があり、金型の構造が複雑で高価になることは避けられないという問題があった。
特に、パーティング面を食い切り構造としてシール機構を構成する従来技術のような場合に、製品形状により構造的に使用できない場合もあり、金型加工上の制約によって樹脂成形品の形状に制限を受ける場合が多かった。
また、金型の構造に大きく依存する従来のシール機構は、型内被覆成形品の仕様変更等によって、塗料による被覆の厚みを変化させる場合等において、金型を改造せざるを得ない場合も多い。
また、型内被覆成形方法では、塗料注入機を配した側の金型キャビティ面全体に塗料を注入する関係上、樹脂成形品の片側半分の表面を一度に被覆するケースが多い。
しかし、型内被覆成形品に要求される外観によっては、樹脂成形品の一部分のみを被覆しなければならない場合もあり、例えば、樹脂成形品の塗料注入機を配した側の表面に、星型やハート型の形状の被覆を施さなければならない場合もある。
一般的にこのような被覆を部分被覆と言うが、このような場合には、予め、部分被覆の形状を想定して、金型にシール機構を配さなければならない。
そのため、前記部分被覆の形状を変更しなければならないような事態が生じた場合においては、金型を大きく改造する必要があって、被覆部分の形状に関する変更に係る対応がが非常に困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、硬化前の塗料が金型キャビティから漏れ出して金型を傷つけるという従来技術の問題を解決して、連続成形を安定して行なうことができ、かつ部分被覆に対して柔軟に対応できる型内被覆成形方法を提供するものである。
上記の課題を解決するため、本発明による型内被覆成形方法は
(1) 固定型と可動型により形成される金型キャビティを有して、該金型キャビティで成形される樹脂成形品の表面に被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用の金型を用いて、該金型を型締めして形成した金型キャビティに樹脂を充填して樹脂成形品を成形する第1の工程、該金型キャビティで成形した樹脂成形品が型開しても形状を保持できるまで冷却してから該金型を開く第2の工程、該金型を開いた際に、該樹脂成形品と型開方向に離間する金型キャビティ面で、被覆する部分と被覆しない部分の境界部分にシートを配する第3の工程、該境界部分にシートを配した状態で該金型を再型締めすることにより該金型キャビティで成形した樹脂成形品と該金型キャビティ面との間に空隙を生じさせる第4の工程、及び、該空隙に塗料を注入して樹脂成形品を被覆する第5の工程を備え、該第1の工程から第5の工程までを順次行なう構成とした。
(2) (1)に記載の型内被覆成形方法において、前記シートが、金型キャビティの外周部分を囲む枠状に形成される構成とした。
(3) (1)又は(2)のいずれか一つに記載の型内被覆成形方法において、前記シートが、金型キャビティを形成する金属より、塗料が付着しやすい材質で形成される構成とした。
本願発明よる型内被覆成形方法は、塗料注入時において、金型キャビティ内で成形した樹脂成形品と金型キャビティ面との間で、塗料で被覆する部分と被覆しない部分の境界部分に、シートを挟み込むことにより、塗料注入のための空隙を形成するとともに、被覆する部分から被覆しない部分へ塗料が漏れ出すことを防止するためのシール機構を形成する。従って、本願発明によれば、シートの厚みを変えることによって、塗料による被覆の厚みを調整することが可能であって、厚みの再現性も高い。
そして、塗料注入のための空隙をシートの厚みにより調整する本願発明の方法は、所謂食い切り構造の金型を使用する必要がなく、金型の構造を簡素化できる。
なお、前記シートを樹脂成形品の被覆する部分を囲むよう枠状に形成して配することによって、塗料の漏れ止めと、塗膜厚みの確保をより確実に行うことが可能である。
また、型内被覆成形方法により、樹脂成形品を部分被覆する場合において、本願発明であれば、シートの形状を変えることにより、容易に対応することが可能であって、被覆範囲を所望する形状に変更することができる。
さらに、シートの材質を、金型キャビティ面を形成する金属より、塗料が付着し易い材質に選定すれば、塗料が漏れ出した部分で硬化し、その後の成形で金型を傷つけるという従来技術の問題を防止して、成形後における金型の清掃が容易になり、連続成形を安定して行なうことが出来るという優れた効果を得ることが可能である。
以下、図面に基づいて本発明による型内被覆成形方法の好ましい例について説明する。
図1〜図6は本発明の実施形態に係わり、図1及び図2は本実施形態に用いた型内被覆成型用金型について概略の構造を説明するための図であって、図1は金型全体の要部断面図であり、図2(1)は固定型側から見た可動型の平面図とその要部断面図であり、図2(2)は可動型側から見た固定型の平面図とその要部断面図である。
また、図3は本実施形態に用いたシートの配置を説明するための図である。
図4は型内被覆成形方法の工程を説明するため樹脂、シート、及び塗料の挙動を示した概念図であり、図5は型内被覆成形方法の工程を記載したフローチャートである。
図6は、本実施形態に用いたシートの形状を説明するための図である。
本実施形態に用いた型内被覆成形用金型100(金型100と称することもある)の好ましい1例について、以下、その構造を図1及び図2を用いて詳細に説明する。
図1に示した金型100は、可動型10、固定型20、及び塗料注入機50等を備えており、可動型10に形成した金型キャビティ15Aと、固定型20に形成した金型キャビティ15Bを、それぞれ対向するように組合わせて型締めすることにより、金型100内に所望する形状の金型キャビティ15を形成する構造となっている。
ここで、図2に示した金型100は、金型キャビティ15Bの中心付近にゲート部8が形成されたセンターゲートの金型であるとともに、金型キャビティ15で成形される樹脂成形品の形状は、矩形の平板を中心として、その外周部を囲むようにして側壁が形成された形状である。
なお、本発明において、樹脂成形品と金型キャビティ面との間にシートSを挟み込むためには、後述する樹脂成形品成形後の型開き工程の際において、金型キャビティ面と樹脂成形品との間で塗料が漏れ出しやすい部分を、一旦離間させる必要があり、該離間した状態で、その間にシートSを配することができる金型キャビティ15の形状である必要がある。
ここで、塗料が漏れ出しやすい部分とは、一般的に樹脂成形品の被覆する部分と被覆しない部分の境界部分にあって、例えば、塗料注入機を配した側の金型キャビティ面全体に塗料を注入して樹脂成形品の片側半分の表面を被覆するような場合には、金型分割面近傍が、この境界部分となる。
このような場合に、塗料が被覆する部分から被覆しない部分へ漏れ出すと、金型分割面に塗料が流れ込んでそこで硬化するため、前述した金型損傷と言う問題を引き起こす。
また、前述した部分被覆を行う場合に、塗料が被覆しない部分に流れ出すと、被覆部分の境界が明確にならないという問題を引き起こす。
ここで、図1で説明する金型100の金型キャビティ15の形状は、平板の外周部を囲むようにして側壁を形成する構成となっており、塗料注入機を配した側の金型キャビティ面全体に塗料を注入して樹脂成形品の片側半分の表面を被覆する金型構造となっている。
従って、金型100の型内被覆成形品の被覆する部分と被覆しない部分の境界部分は、金型分割面に形成した側壁部分となるため、該側壁を形成するために形成した金型キャビティ15Bの溝部の形状を、型開閉方向と略直交する方向に、外周側に若干大きめに形成することによって、金型キャビティ面との間にシートSを挟み込むための樹脂部分(シール部分と称することもある)を形成する。
なお、詳細を後述するが、図1に示した実施形態において、金型キャビティ面との間にシートSを挟み込むための成形したシール部分は、型内被覆成形品成形後に切り落として取り除く(トリミング加工)する。
勿論、所望する型内被覆成形品の形状によっては、シートによるシール部分を一段下げずに、被覆する表面部分の延長上に設けても良い。
次に、塗料注入機50の構成について簡単に説明する。
本実施の形態における塗料注入機50は、可動型10に取り付けられて、可動型10の金型キャビティ面に配設された塗料注入口51より金型キャビティ15内に塗料を注入することができるよう構成されている。
また、塗料注入機50の塗料注入口51には図示しないバルブが取りつけられており、基材である樹脂Jの射出成形時においては、該バルブが閉じられていることによって、金型100の金型キャビティ15内に射出された樹脂Jが塗料注入口51より塗料注入機50内に進入することを防止している。
そして、本実施の形態における塗料注入機50は、図示しない駆動装置によって駆動されて、樹脂成形品を被覆するための塗料Tを所望する量だけ正確に金型キャビティ15内に注入することができるよう構成されている。
なお、本実施の形態における塗料注入機50は、可動型10側の金型キャビティ面より塗料Tを注入するよう構成したが、これに限るものではなく、金型キャビティ15内で成形した樹脂成形品の被覆したい部分と金型キャビティ面との間に生じた空隙部分に塗料を注入できるよう構成すれば良く、その条件を満たせば塗料注入機50は固定型20に取りつけられる等しても良い。
次に、本実施形態に用いるシートSの配置及び構成について説明する。
本発明の特徴的な点は、前述したように、樹脂成形品と金型キャビティ面との間に挟み込んだシートSによって、金型キャビティ15から漏れ出す塗料Tをシールするとともに、該シートSの厚みにより塗膜の厚みを調整することにある。
前述したように、樹脂成形品と金型キャビティ面との間にシートSを挟み込むためには、樹脂成形品成形後の型開き工程の際において、シートSを挟み込む部分で、金型キャビティ面と樹脂成形品との間を離間させる必要がある。
ここで、図1に示した金型100で成形される樹脂成形品は、型開後、固定型20に残るため、可動型10に形成した金型キャビティ面と樹脂成形品の間が、離間する形状となっており、また、塗料注入機50より注入された塗料Tは、平板の上を流れて、側壁部分に達する形状となっている。
なお、前述したように金型100において、型内被覆成形品の被覆する部分は、可動型10側の表面である。従って、金型100においては、該被覆する部分から金型パーティング面に塗料Tが流れ込まないよう、平板の外周部に沿って形成された側壁部に隣接してシートSを配する必要があって、これは、前述した樹脂成形品のシール部分の形状に対応する形状となる。
また、シートSの材質について説明すれば、シートSは、金型キャビティ面と樹脂成形品の間で挟み込んだ際に、金型キャビティ15を傷つけないような材質が良く、その厚みは、樹脂成形品の上に被覆する塗膜の厚みを勘案して、選定することが好ましい。
従って、シートSは、表面が平滑なフィルム状の樹脂シートが良く、塗料注入時の圧力や熱によって損傷しないことが好ましい。また、シートSの取り扱いが楽なように発泡シートをシートSとして使用することも可能である。
なお、一般的な型内被覆成形方法により被覆する塗膜の厚みから考えると、シートSの厚みは10μm(マイクロメータ)〜2mm程度の範囲が適当である。
また、型内被覆成形中に、塗料Tが金型キャビティ面とシートSとの間にわずかな量入り込むことがあるが、塗料Tが金型キャビティ面よりシートSに対して付着しやすい材質で形成されていれば、型内被覆成形品を金型100から取り出した時点で、金型キャビティ面から塗料Tが自然に除去されるため、手間をかけて取り除く必要がない
従って、シートSの材質は、塗料Tに対して大きな固着性を有する材質であることが好ましい。
また、シートSが樹脂製であれば、一般的にカッターナイフ等により容易に切り取る(トリミング加工)こともでき、工業的に前記切り取り作業を自動化することも可能である。
なお、図1に示した金型100においては、シートSが固化後の樹脂成形品に対して付着させたまま、トリミング加工により樹脂成形品のシール部分と一緒に除去する構成とした。しかし、シートSは、通常、固化後の樹脂成形品に固着せず、容易に剥離するので、トリミング加工することなく、シートSのみを樹脂成形品から除去することが可能である。成形する樹脂成形品の形状によっては、樹脂成形品に対してシール部分等といった余分な部位をわざわざ形成しなくても、金型キャビティ面と樹脂成形品との間にシートSを挟み込んでシール機構を構成できる場合もあり、そのような場合は勿論、シートSのみを樹脂成形品から除去すれば、トリミング加工する必要はない。
なお、シートSは、基本的には単層構造であっても多層構造であっても良く、多層構造の場合は、樹脂Jと塗料Tに接する側の表面を形成する層の材質が、付着性と剥離性の点で前記シートSの材質としての条件を満足すれば良い。
Figure 2005335205
なお、ABSはアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体樹脂の略称、PCはポリカーボネイトの略称、PPはポリプロピレン樹脂の略称、PEはポリエチレン樹脂の略称、PETはポリエチレンテレフタレートの略称、PAはナイロン等を含むポリアミド系樹脂の略称である。また、プラグラスは、大日本塗料株式会社製の型内被覆成形用塗料である。
以下、本発明による型内被覆成形方法の好ましい1例を図4及び図5を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は樹脂の射出充填時に金型を開かない所謂通常の射出成形方法を利用したものであるが、本発明に適応できる樹脂Jの射出充填時における成形方法はこれに限らず、射出プレス成形方法、又射出圧縮成形方法であっても良く、特に限定されることはない。
図4に挙動を示した型内被覆成形方法は、第1の工程として、図示しない型締装置で、可動型10と固定型20を型締めすることにより、可動型10と固定型20の間に金型キャビティ15を形成した後、図4(2)に示したように基材である熱可塑性の樹脂Jを金型内に射出(本実施の形態においては、基材としてABS樹脂:UMGABS社製 UT20B)する。
次に、第2の工程として、金型キャビティ15で成形した樹脂成形品が型開きしても形状を保持できる程度にまで冷却してから、図4(3)に示すように、可動型10を反固定型20に移動させて、金型100を大きく型開きする。
そして、可動型10と固定型20を大きく離間させて金型100を完全に開いた後、第3の工程に進み、図4(4)に示すようにして、可動型10と固定型20の間に、図示しないシート供給機により、シートSを所定の位置に配設する。
本実施形態に用いたシートSの材質は、単層のPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂であって、その厚みが約0.15mm程度のシートである。
次に第4の工程として、図4(5)に示すように、図示しない型締装置により金型100を再度型締めして、金型キャビティ面と、樹脂成形品のシール部分との間でシートSを挟んだ状態で金型100を型締めする。
なお、その際に、挟んだシートSの厚みの影響により、金型キャビティ面と樹脂成形品との間にわずかな空隙が生じる。
該空隙が生じた後、第5の工程に移り、図4(6)に示すように、塗料注入機50によって該空隙に塗料Tを注入する。本実施形態においては、前記空隙を生じさせた後、塗料注入機50によって塗料注入口51から前記空隙に対して塗料Tを3ml(ミリリットル)注入した。なお、第1の実施形態で用いた金型100で成形する成形品の被覆表面積は300cmであり、塗料Tによる塗膜の厚みは0.1mm程度となる。また、塗料Tは、プラグラス#8000:赤(大日本塗料株式会社製)を使用した。
なお、塗料注入だけで塗料が被覆部分全体に広がらない場合には、塗料注入後に型締力を増加させても良い。
ここで、塗料Tによる塗膜の厚みは、シートSが挟まれて型締めされた際におけるシート厚みと、塗料注入時の型締力等によって生じる金型キャビティ15の変形量に影響される。そのため、例えば、厚みが1mm程度のポリエチレンの架橋発泡物をシートSとして使用した場合には、型締めされた際におけるシート厚み(約0.2〜0.3mm)と型締力による金型キャビティの変形量(若干量)によって、実際に被覆された塗膜の厚みは、概ね0.15mm程度となる。
なお、型締めされた際におけるシートSの厚みと、塗料注入時の金型キャビティ15の変形量は、使用するシートSの種類と、塗料注入時における成形条件等により決まるものであるので、それらを勘案して、所望する塗膜の厚みより、若干厚みが大きめのシートSを使用することにより、所望する厚みの塗膜を得ることができる。
塗料注入後は、金型キャビティ15内で塗料を硬化させた後、第6の工程に移り、金型100を開いて被覆した樹脂成形品を型内被覆成形品として金型100から取り出す。
その後、図4(8)に示すように余分なシール部分をトリミング加工して、型内被覆成形品より削除する。
なお、本実施形態においては、シートSの形状として前述した図6(1)に示すような形状のものを使用したが、これに限らないことは勿論であって、例えば図6(2)に示すような形状のものであって良く、被覆する部分と被覆しない部分の境界に、シートSを配することができるような形状であれば良い。
また、シートSをシール式シートとして、前述した第3の工程で所望する部分にシートSを貼付できるようにしておけば、成形が効率的となる。
本発明の実施形態に用いた型内被覆成形用金型の構成を説明する要部断面図である。 本発明の実施形態に用いた型内被覆成形用金型の固定型と可動型の構成を説明する要部断面図である。 本発明の実施形態に用いたシートの配置を説明するための概念図である。 本発明の実施形態に係わる型内被覆成形方法の各工程における樹脂、シート及び塗料の挙動を示した概念図である。 本発明の実施形態に係わる型内被覆成形方法の工程を記載したフローチャートである。 本実施形態に用いたシートの形状を説明するための図である。 従来法による型内被覆成形方法の工程を説明するフローチャートである。
符号の説明
8 ゲート
15 金型キャビティ
15A 金型キャビティ(可動型側)
15B 金型キャビティ(固定型側)
10 可動型
20 固定型
50 塗料注入機
51 塗料注入口
100 型内被覆成形用金型
J 樹脂
S シート
T 塗料

Claims (3)

  1. 固定型と可動型により形成される金型キャビティを有して、該金型キャビティで成形される樹脂成形品の表面に被覆を施すための塗料注入機を備えた型内被覆成形用の金型を用いて、該金型を型締めして形成した金型キャビティに樹脂を充填して樹脂成形品を成形する第1の工程、該金型キャビティで成形した樹脂成形品が型開しても形状を保持できるまで冷却してから該金型を開く第2の工程、該金型を開いた際に、該樹脂成形品と型開方向に離間する金型キャビティ面で、被覆する部分と被覆しない部分の境界部分にシートを配する第3の工程、該境界部分にシートを配した状態で該金型を再型締めすることにより該金型キャビティで成形した樹脂成形品と該金型キャビティ面との間に空隙を生じさせる第4の工程、及び、該空隙に塗料を注入して樹脂成形品を被覆する第5の工程を備え、該第1の工程から第5の工程までを順次行なう樹脂の型内被覆成形方法。
  2. 前記シートが、金型キャビティの外周部分を囲む枠状に形成された請求項1記載の型内被覆成形方法。
  3. 前記シートが、金型キャビティを形成する金属より、塗料が付着しやすい材質で形成された請求項1又は請求項2記載の型内被覆成形方法。
JP2004157069A 2004-05-27 2004-05-27 型内被覆成形方法 Expired - Fee Related JP4269283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004157069A JP4269283B2 (ja) 2004-05-27 2004-05-27 型内被覆成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004157069A JP4269283B2 (ja) 2004-05-27 2004-05-27 型内被覆成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005335205A true JP2005335205A (ja) 2005-12-08
JP4269283B2 JP4269283B2 (ja) 2009-05-27

Family

ID=35489287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004157069A Expired - Fee Related JP4269283B2 (ja) 2004-05-27 2004-05-27 型内被覆成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4269283B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4269283B2 (ja) 2009-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7842207B2 (en) Panel-like laminate and a skin for manufacturing such laminate
JP3843833B2 (ja) 型内被覆成形用金型
WO2004048067A1 (ja) 型内被覆成形方法及び型内被覆成形品
JP4636370B2 (ja) 型内被覆成形用金型
JP4269283B2 (ja) 型内被覆成形方法
JP5158077B2 (ja) 型内被覆成形用金型
JP6071804B2 (ja) 射出成形金型
JP2001129849A (ja) 鍔状フランジを有する樹脂製品の射出溶着成形方法
JP2959084B2 (ja) インモールドコーティング用金型
JP5557106B2 (ja) 金型内塗装用金型及び金型内塗装方法
EP1203607B1 (en) Method of manufacturing filter member
JP5541579B2 (ja) 金型内塗装用金型及び金型内塗装方法
JP4296595B2 (ja) 型内被覆成形方法及び型内被覆成形用金型
JP4281588B2 (ja) 型内被覆成形方法
JP5038021B2 (ja) 型内被覆成形用金型
JP4228350B2 (ja) 型内被覆成形方法
JPH06328505A (ja) 射出成形金型
JP5169780B2 (ja) 型内被覆成形用金型
JP3925386B2 (ja) 型内被覆成形用金型
TWI652159B (zh) 射出成型方法
JP2002172654A (ja) 型内被覆成形用金型
JP5286656B2 (ja) 型内被覆成形用金型
JP2007253494A (ja) 型内被覆成形方法、型内被覆成形装置及び型内被覆成形品
JP2004136535A (ja) 型内被覆成形用金型
JP2005199641A (ja) 型内被覆成形方法及び型内被覆成形用金型

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20060914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090212

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees