JP2005334991A - ロボットの動作検出・規制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトで、周囲との干渉範囲の拡大を招き難く、低価格化が容易な動作領域検出・規制装置を提供すること。
【解決手段】ロボットの2つのリンクが相対回転する関節の中空部に、中心軸が相対回転の回転軸線とほぼ一致するように一方のリンクに取付けられたパイプ状の支持部材4を配置し、その外周部にアダプタ6を介してドグ21〜24を段分けして取り付ける。他方のリンクには各ドグと対向して接触するスイッチ11〜14を持つスイッチ部10を設置する。リンク間の相対回転に応じて、スイッチ11〜14と各対応するドグとの接触/非接触の状態が決まり、それがロボット制御装置へ信号で出力される。例えば、全スイッチ11〜14の非接触状態が危険領域を意味し、これに対応する信号をロボット制御装置が受けた時には、アラームとしてロボットを強制的に停止させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ロボットの二つのリンクが相対回転する中空構造を有する関節部において、該相対回転の現在位置が属する領域を検出する動作領域検出装置と、同装置を用いたロボット関節の動作範囲規制装置に関する。
産業用ロボット(以下、単に「ロボット」と云う)の周辺で人員が作業を行う際の安全確保策として、ロボットの位置(姿勢)を監視し、人員の作業スペース内にロボットが誤って侵入した場合、あるいは、侵入しようとした場合に、アラームによってロボットを停止させる機構は一般的に利用されている。また、人員が作業を行わない場合であっても、周辺機器および隣接したロボット同士の干渉を防ぐ目的で、同様の機能が使われている。
このような機能を実現する為の装置として、動作領域検出装置とそれを利用した動作範囲規制装置をロボットに装備することが知られている。これら装置(以下、合わせて「動作領域検出・規制装置」という)は、ロボットの制御系(各軸サーボモータを数値制御する系)とは独立した検出装置で構成される。これにより、例えばロボットの制御系に異常があってロボットが暴走したような場合でも、ロボットは非常停止し、安全が確保される。即ち、使用者が予め指定した条件に反するような検出結果が動作領域検出・規制装置で得られると、ロボットはアラーム状態となり強制的に停止させられる。動作領域検出・規制装置としては、一般的に相対運動する関節部に取付けられる接触スイッチ型のものが知られており、且つ、その取付けはオプション仕様としてロボット組立後に関節部の外周に設置する方式で実行されることが多い。
図1、図2は、そのような従来例に係る動作領域検出・規制装置を取付けたロボットの関節部を側面図(図1)及び同側面図中のA−A’に沿った断面図で示したものである。これらの図に描かれているように、リンクベース1とリンクベース2は減速機を介して結合され、モータ1の出力回転により相対回転運動する構造を有している。リンクベース1には、スイッチテーブルが取付けられ、該スイッチテーブル上にスイッチ1及びスイッチ2が取付けられている。また、リンクベース2にはドグテーブルが取付けられ、該ドグテーブル上にドグ1及びドグ2が取付けられている。ドグ1の取付け位置は、リンクベース1、2間の相対回転位置がドグ1について定めた所定位置に到達すると該ドグ1がスイッチ1のヘッド部と接触するように調整される一方、ドグ2の取付け位置は、リンクベース1、2間の相対回転位置がドグ2について定めた所定位置に到達すると該ドグ2がスイッチ2のヘッド部と接触するように調整されている。
ドグ1の接触状態が示現されると、その接触が解除されるまで、同接触を表わす信号が外部に出力される。同様に、ドグ2の接触状態が示現されると、その接触が解除されるまで、同接触を表わす信号が外部に出力される。
このようにリンクベース1、2の一方にスイッチ(1個以上)を設け、他方に各スイッチを接触により付勢するドグを設けることで、2つのリンクの相対回転位置が特定の角度(1個以上)になったことを表わす信号を出力させることで、該信号に基づきリンクベース2がリンクベース1に対してどのような領域(範囲)にあるのか検出可能となる。そして、検出結果が危険な領域内への侵入を意味するものであれば、アラームとしてロボットを直ちに停止させることで安全を確保することができる。
しかし、上述したような従来装置の場合、ロボットの旋回部の外側に装置を取付けるためにドグが大型化し、それに合せてスイッチを取付ける位置も外側にはみ出してしまう。これにより、ロボットの干渉範囲が広がるため、動作領域検出・規制装置の取付け後に周辺との干渉を確認する必要が生じ、ロボットの設置密度を上げることが出来ない等の問題も生じる。また、それに加えて、動作範囲の指定はシステムに応じて変更することが一般的であり、システムの概略が決まってからロボットに動作領域検出・規制装置を取付けることになるが、その際には、個々の部品が大きいことや、動作領域検出・規制装置の取付けのためにロボットの設置作業全体に要する作業工数が増加することが問題となっている。更に、部品が大きいことは価格の面でも不利であり、小型化が望まれていた。
本発明は、これら従来技術の問題点を解消することを目的とするもので、コンパクトで、周囲との干渉範囲の拡大を招き難く、且つ、低価格化が容易な動作領域検出・規制装置を提供しようとするものである。
本発明は、ロボットの中空構造を有する関節において、その中空部を利用して動作領域検出・規制装置の諸要素を配置する手法を採用することで、上記目的を達成するものである。先ず、請求項1、2に記載された発明は、いずれもロボットの2つのリンクが相対回転する中空構造の関節における前記相対回転の動作領域検出装置に適用されるもので、前者はドグとスイッチの組み合わせを1ペア用いて構成し得る発明を規定しており、後者はドグとスイッチの組み合わせを複数ペア用いた構成を定めている。
請求項1に記載された発明の特徴に従った動作領域検出装置は、ドグと、該ドグを支持する支持部材と、該ドグとの接触または非接触により信号を出力する検出スイッチとを備え、前記支持部材は、前記中空構造の中空部内において、該支持部材の中心軸が前記相対回転の回転軸線と一致、または近傍を通るように前記2つのリンクの内の一方に取付けられており、前記ドグは、前記支持部材の外周面上に取付けられ、該外周面の周方向に沿って、所望検出領域に応じた長さを有している。
そして、前記検出スイッチは、前記2つのリンクの内の他方のリンクの、前記ドグと対向する位置に設けられ、前記信号の出力状況により前記相対回転の現在位置が属する領域を検出する。
また、請求項2に記載された発明の特徴に従った動作領域検出装置は、複数のドグと、該複数のドグを支持する支持部材と、前記複数のドグの夫々と対応して設けられ、各対応するドグとの接触または非接触により信号を夫々出力する複数の検出スイッチとを備え、前記支持部材は、前記中空構造の中空部内において、該支持部材の中心軸が前記相対回転の回転軸線と一致、または近傍を通るように前記2つのリンクの内の一方に取付けられており、前記複数のドグは、前記支持部材の外周面の周方向に沿って、複数段並んだ各段位置にそれぞれ取付けられるとともに所望検出領域に応じた長さを有している。
そして、前記複数の検出スイッチは、前記2つのリンクの内の他方のリンクの、複数段並んだ各段位置に、前記複数のドグの夫々と対向するように設けられ、
前記信号の出力状況により前記相対回転の現在位置が属する領域を検出する。
次に、請求項3に記載された発明は、ロボットの2つのリンクが相対回転する中空構造の関節における前記相対回転の動作範囲を規制する手段を備えたロボット関節の動作範囲規制装置を規定したもので、その特徴は、該規制手段にによる規制が、請求項1または請求項2に記載の動作領域検出装置により検出した相対回転の現在位置が属する領域に基づいて行なわれることである。
なお、これら各発明において、ドグ(1個または複数)の支持部材への取付けは、ドグを支持部材に直接取り付ける態様、あるいは、アダプタを介して取り付ける態様のいずれによっても良い。
本発明によれば、下記の効果を備えた動作領域検出装置、動作範囲規制装置が提供される。
(1)動作領域検出装置、動作範囲規制装置を構成する諸部品のコンパクト化と、設置工数の削減が可能になる。また、それに伴いコスト削減が容易となり、メンテナンス性も向上する。
(2)動作領域検出装置、動作範囲規制装置をロボットに装備しても外側へのはみ出しが起らないため、周辺機器との干渉範囲の拡大を招かない。また、ロボットの設置密度を高める際に障害とならない。
以下、図3〜図6を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず図3は、本発明の一つの実施形態に係る動作領域検出・規制装置を取付けたロボットの関節部を断面図で示したものである。同図において、符号1はJ1ベースに対応する第1の部材で、減速機5の筐体に固定されている。また、符号2は減速機5の出力軸に固定された第2部材(テーブル状部材)で、J2ベースに対応する第3部材に連結固定されている。一方、減速機5の入力軸は図示を省略したモータ(J1軸駆動用)に結合されている。
ここで、減速機5は回転軸B−B’周りに空洞部を持つ周知の構造を有し、第2部材(テーブル状部材)にも同空洞部に対応する部分(回転軸B−B’周り)に開口を有している。従って、同モータが回転すると、第2部材2と第3部材(J2べ一ス)3が一体となって軸B−B’周りで第1部材(J1べ一ス)1に対して相対回転する。また、回転軸B−B’周りには回転軸B−B’に沿って延びる中空部が確保される。
このような関節に動作領域検出・規制装置を装備するために、この回転軸B−B’に沿って延びる中空部にパイプ状の第4部材4が通される。第4部材4は、後述するドグを支持する部材であり、その一端がボルト等の固定手段(図示省略)を用いて第1部材1に固定される。これにより、第4部材4の固定姿勢は、パイプ状の第4部材の軸(中空部の軸)が回転軸B−B’とほぼ一致することになる。
次に、スイッチと、第1部材1と第3部材3との相対回転位置に応じて同スイッチと接触/非接触の状態をとるドグについて説明する。図3において、スイッチ部全体は図3において符号10で示したように、第3部材3上に設置されている。図3中の符号Cは、スイッチ部10のスイッチ(付勢子)と第4部材4の外周部に設けられたドグが接触を起こす部分を表わしているが、この部分Cは第3部材3が第1部材1に対して相対回転すると、当然、回転軸B−B’周りで公転運動を起こす。そしてこの公転位置に応じて、ドグとスイッチ(付勢子)が接触状態あるいは非接触状態となる。
図4は、部分Cの周辺を拡大して表わした部分拡大図である。同図に示したように、本例では、計4個のドグ21〜24が第5部材(アダプタ)6を介して第4部材4の外周部に取付けられている。また、スイッチ部10には各ドグ21〜24に対応してスイッチ(付勢子)11〜14が設けられている。スイッチ11〜14は、例えば押圧力を印加することで弾性的に変位し、内部の回路を非接触状態を意味する「オフ」から接触状態を意味する「オン」に切り替える機能を有している。なお、このようなスイッチ及び内部回路については周知であるから説明は省略する。
スイッチ11〜14と各対応するドグ21〜24の位置関係(特に距離)を調整できるように、スイッチ部10の第3部材3上への設置は、適当な位置調節機構により、前後左右や高さ位置が調節可能な態様で設置されることが好ましい。
図5は、図4にドグ21〜24とスイッチ(付勢子)11〜14の周辺を斜視図で示したものである。同図の描示から容易に理解されるように、各段に分けて取り付けられたドグ21〜24は、夫々円弧形状を有し、第4部材4の外周面の周方向に沿って、夫々が担当する所望検出領域に応じた長さを有している。一方、スイッチ(付勢子)11〜14は、ドグの段分け配置と整合するような高さ位置にあり(高さの微調整は可能であることが好ましい)、減速機5の入力軸に結合されたモータが回転を開始すると、ドグ21〜24とスイッチ11〜14は相対回転を始める。
そして、例えばドグ21とスイッチ11が接触すると、スイッチ部10がそれを感知し、「ドグ21とスイッチ11が接触」を表わす外部へ信号を出力する。同様の接触感知と信号出力は、ドグ22とスイッチ12、ドグ23とスイッチ13及びドグ24とスイッチ14についても行なわれる。各ドグとそれに対応する各スイッチ(付勢子)とが接触する角度範囲は、ドグの長さ(第4部材4の外周に沿った長さ)を選ぶことで調整できる。また、接触/非接触の境界位置(臨界角度)は、第4部材4の外周に沿った取付け位置の選択を通して決めることができる。
図6は、このような動作領域検出結果に基づいて規制を行なうための構成をブロック図で示したものである。同図において、符号15はスイッチ11〜14が各対応するドグと接触しているか否かに応じて4桁のバイナリ信号を出力する信号処理回路である。バイナリ信号の各桁は、例えば“1”で「接触」を表わし、“0”で「非接触」を表わすものとする。信号処理回路15は、当該ロボットを制御するロボット制御装置30に接続されており、ロボット制御装置30は信号処理回路15から送られてくる4桁のバイナリ信号に基づいて、第1部材1と第3部材3の相対回転位置の角度範囲を認識することができる。
例えば、すべてスイッチ(付勢子)11〜14が対応するドグにより接触状態にあれば“1111”が出力され、逆にすべて非接触状態にあれば“0000”が出力される。また、スイッチ(付勢子)11のみが非接触で他は接触していれば、“0111”が出力され、スイッチ(付勢子)11、12が非接触で他は接触していれば、“0011”が出力される。以下、同様にスイッチ11〜14が取り得るすべての接触・非接触の組み合わせについて、1対1の対応関係で4桁のバイナリ信号をロボット制御装置30に送られる。
ロボット制御装置30のメモリには、4桁のバイナリ信号と、第1部材1と第3部材3の相対回転位置の角度範囲との対応関係がテーブルデータの形式で記憶されている。ロボット制御装置30のCPUは、所定の短周期でスイッチ部10から送られてくる4桁のバイナリ信号を上記テーブルデータと照合し、第1部材1と第3部材3の相対回転の現在位置が属している角度範囲をチェックし、例えば付属のディスプレイに表示する。
また、これに基づいて第1部材1と第3部材3の相対回転位置に規制をかけることができる。例えば、すべてのスイッチ11〜14が非接触状態となる状態が危険領域を意味する場合であれば、4桁のバイナリ信号“0000”の確認時にアラームを内部で出力し、ロボットを強制的に停止させることができる。また、例えばバイナリ信号“0001”(スイッチ11にみ接触状態)が、ロボット停止の必要まではなくとも好ましくない角度範囲にあることを意味するのであれば、それをブザーや、ディスプレイ上の点滅表示等で知らせるといったことも可能である。
なお、以上説明した実施形態では、ドグ及びスイッチは4連構成(4ペア)としているが、これはあくまで例示である。即ち、指定条件に合せて単連、あるいは任意の複連数をとることが出来る。また、ドグは第5部材(アダプタ)6を介して第4部材(ドグ支持部材)4に取付けているが、第4部材4に直接取付けることも出来る。
従来例に係る動作領域検出・規制装置を取付けたロボットの関節部を側面図で示したものである。 従来例に係る動作領域検出・規制装置を取付けたロボットの関節部を図1中のA−A’に沿った断面図で示したものである。 本発明の実施形態に係る動作領域検出・規制装置を取付けたロボットの関節部を断面図で示したものである。 図3について一部を拡大して示した部分拡大図である。 本発明の実施形態に係る動作領域検出・規制装置について、ドグとスイッチの周辺を示した斜視図である。 動作領域検出結果に基づいて規制を行なうための構成をブロック図で示したものである。
符号の説明
1 第1部材(J1ベース;第1軸ベース)
2 第2部材(テーブル状部材)
3 第3部材(J2ベース;第2軸ベース)
4 第4部材(パイプ状の支持部材)
5 減速機
6 第5部材(アダプタ)
10 スイッチ部
11〜14 スイッチ(付勢子)
15 信号処理回路
21〜24 ドグ
30 ロボット制御装置

Claims (3)

  1. ロボットの2つのリンクが相対回転する中空構造の関節における前記相対回転の動作領域検出装置において、
    ドグと、該ドグを支持する支持部材と、該ドグとの接触または非接触により信号を出力する検出スイッチとを備え、
    前記支持部材は、前記中空構造の中空部内において、該支持部材の中心軸が前記相対回転の回転軸線と一致、または近傍を通るように前記2つのリンクの内の一方に取付けられており、
    前記ドグは、前記支持部材の外周面上に取付けられ、該外周面の周方向に沿って、所望検出領域に応じた長さを有し、
    前記検出スイッチは、前記2つのリンクの内の他方のリンクの、前記ドグと対向する位置に設けられ、前記信号の出力状況により前記相対回転の現在位置が属する領域を検出することを特徴とする、動作領域検出装置。
  2. ロボットの2つのリンクが相対回転する中空構造の関節における前記相対回転の動作領域検出装置において、
    複数のドグと、該複数のドグを支持する支持部材と、前記複数のドグの夫々と対応して設けられ、各対応するドグとの接触または非接触により信号を夫々出力する複数の検出スイッチとを備え、
    前記支持部材は、前記中空構造の中空部内において、該支持部材の中心軸が前記相対回転の回転軸線と一致、または近傍を通るように前記2つのリンクの内の一方に取付けられており、
    前記複数のドグは、前記支持部材の外周面の周方向に沿って、複数段並んだ各段位置にぞれ取付けられるとともに所望検出領域に応じた長さを有し、
    前記複数の検出スイッチは、前記2つのリンクの内の他方のリンクの、複数段並んだ各段位置に、前記複数のドグの夫々と対向するように設けられ、
    前記信号の出力状況により前記相対回転の現在位置が属する領域を検出することを特徴とする、動作領域検出装置。
  3. ロボットの2つのリンクが相対回転する中空構造の関節における前記相対回転の動作範囲を規制する手段を備えた、ロボット関節の動作範囲規制装置であって、
    該規制が、請求項1または請求項2に記載の動作領域検出装置により検出した相対回転の現在位置が属する領域に基づいて行なわれることを特徴とする、ロボット関節の動作範囲規制装置。
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