JP2005334846A - 溜池の堆積物処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 農業用水が貯えられている溜池において、農業用水を供給するたび、又は、排水するたびごとに溜池の底部に沈降している堆積物の処理を行うことができ、且つ、堆積物の処理にかかるコストを抑えることができる溜池の堆積物処理方法を提供する。
【解決手段】 溜池1に貯えられている農業用水4を堰き止める堤防5上部に設置されたハンドル6を回転して堤防5下部に設けられている排水溝11の排水口12を密閉している排水溝開閉扉8を開方向へ移動させて、これによって発生する溜池1の底部の農業用水4の排水口12から排水溝11への水流及び撹拌装置10によって撹拌された堆積物9と農業用水4とを混合して排水溝11へ流出する放流工程と、排水溝11へ流出した堆積物9及び農業用水4から農業用水4及び腐葉土と、砂利及び栗石等28とを分離する分離工程と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、農業用水を貯える溜池の底部に沈降している堆積物を有効に排出する溜池の堆積物処理方法に関する。
ダム、湖沼等の閉塞水域には、落ち葉や動物の死骸等の多くの有機物や、土砂等が流入する。そして、それらが底部に堆積することによって、底部がかさ上げされ貯水量が減少したり、また、ヘドロが発生することがある。一般に有機物を多く含むヘドロが堆積している水の中では、溶存酸素がほとんどなくなり、嫌気性微生物の働きで有機物が分解されて、メタンやアンモニア、硫化水素等の悪臭ガスが発生する。
農業用水を貯える溜池にも、落ち葉や枯れ草等が流入し、それらが溜池の底部に堆積して腐葉土となり、他の有機物や土砂等の堆積物とともに底部をかさ上げし、貯水量が減少することが問題になっている。また、この場合においてもヘドロによる悪臭ガスの発生が懸念される。かかる問題を解決するために、定期的に堆積物の処理を行う必要がある。このような溜池の堆積物処理方法として、溜池の農業用水を抜いて底部に残存している堆積物を浚渫する堆積物処理方法がある。この方法は、図9に示すように、溜池101の農業用水102を堰き止める堤防103の溜池101側の法面に階段状部104が設けられ、その階段状部104の各段上面にそれぞれ設けられている排水口105を上から順に開くことにより放水して水位を下げ、階段状部104の最も底側の排水口106の位置まで水位を下げてから、底部にある排水口107を閉じている止水板108を外して放水し、水分を出来るだけ取り除いてから堆積物109の浚渫作業を行うものである。前記止水板108の溜池101側の周囲には粘土110が積まれており、堆積物109が前記排水口107から排水溝111に流入することを防止している。浚渫作業は、堆積物109をポンプで吸引したり、バケットで掬うことにより行われる。
また、別の方法として、電動の撹拌装置を用いた堆積物処理方法がある(特許文献1参照)。この方法は、揺動回転運動を行う回転体からなる前記撹拌装置を底部に設置し、これを駆動させることによって広範囲に渡って堆積物を撹拌して浮上あるいは移動させたのち、これをポンプで吸引し、スクリーン状の布の上に前記ポンプで吸引した堆積物を含んだ農業用水を流し込み、水分をろ過したのちケーキ状となった堆積物を別途処分するものである。
特開2002−66292号公報
しかしながら、これらのような従来の堆積物処理方法では以下のような問題があった。先の例では、堆積物109を処理するには溜池101の農業用水102を一端放水して浚渫作業を行わなければならず、大変コストがかかり、そのため頻繁に行うことができない。頻度としては、何十年かに一度行う程度であり、堆積物109により底部がかさ上げされて溜池101の貯水量が減少し、必要な貯水量を満たさなくなったり、また、堆積物109が徐々にヘドロとなり悪臭ガスを放ちだしてもすぐに対応できない。また、溜池101の農業用水102を放水する際、農業用水102の需要量を超えた無駄な放水をすることになったり、また放水後の用水不足をまねくといったことが懸念される。さらに、浚渫作業時に用いるポンプやバケットでは、それらの近傍の堆積物109しか浚渫できず、作業効率が悪いという問題点がある。
また、後の例では、撹拌装置で堆積物を撹拌し、浮上あるいは移動させたのちポンプで搬送するため、堆積物の処理が容易に行われるが、ポンプを使用するには相応のコストがかかるという問題点がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、農業用水が貯えられている溜池において、農業用水を供給するたび、又は、排水するたびごとに溜池の底部に沈降している堆積物の処理を行うことができ、且つ、堆積物の処理にかかるコストを抑えることができる溜池の堆積物処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明の請求項1の溜池の堆積物処理方法は、溜池の底部に沈降している堆積物を排出処理する溜池の堆積物処理方法であって、前記溜池に貯えられている農業用水を堰き止める堤防上部に設置されたハンドルを回転して堤防下部に設けられている排水溝の排水口を密閉している排水溝開閉扉を開方向へ移動させて、これによって発生する溜池の底部の農業用水の前記排水口から前記排水溝への水流及び撹拌手段によって撹拌された堆積物と前記農業用水とを混合して前記排水溝へ流出する放流工程と、前記排水溝へ流出した堆積物及び農業用水から農業用水及び腐葉土と、砂利及び栗石等とを分離する分離工程と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2の溜池の堆積物処理方法は、請求項1記載の溜池の堆積物処理方法において、溜池の前記排水口近辺の底部に設けられたコンクリート底部上に前記排水口に向って溝部が形成されていることを特徴とするものである。
請求項3の溜池の堆積物処理方法は、請求項1又は2記載の溜池の堆積物処理方法において、前記撹拌手段が、水流で作動するプロペラを有する撹拌装置であることを特徴とするものである。
請求項4の溜池の堆積物処理方法は、請求項3記載の溜池の堆積物処理方法において、前記撹拌装置が、前記溝部に沿って設けられたことを特徴とするものである。
請求項5の溜池の堆積物処理方法は、請求項1又は2記載の溜池の堆積物処理方法において、前記撹拌手段が、船上からの撹拌具であることを特徴とするものである。
請求項6の溜池の堆積物処理方法は、請求項1乃至5いずれかに記載の溜池の堆積物処理方法において、前記放流工程に先だって、又は、前記放流工程と平行して、溜池の現状水位の水際沿いを船で周回しながら該船上からの撹拌具で現状水位の水際沿い傾斜面に沈降している堆積物を撹拌する撹拌工程を備えたことことを特徴とするものである。
本発明の請求項1の溜池の堆積物処理方法によれば、農業用水を田畑等へ供給するたび、又は、排水するたびごとに堆積物を同時に排出できるので、底部に堆積物が溜まって溜池の底部が上がり貯水量が減少したり、ヘドロが発生することを防止できる。また、農業用水及び腐葉土と、砂利及び栗石等とに分離する処理を行うので、田畑等へ砂利及び栗石等が入り込むことがない。更に、溜池の水を抜いて堆積物の浚渫作業を行ったり、ポンプを使用するよりも堆積物の処理にかかるコストを大幅に軽減できる。また、堆積物を撹拌することで堆積物が流動しやすくなるので、排水口に堆積物が詰まることなく効率的に堆積物の処理を行うことができる。
請求項2の溜池の堆積物処理方法によれば、請求項1記載の溜池の堆積物処理方法の効果に加えて、溜池の排水口近辺の底部に設けられたコンクリート底部上に溝部が排水口に向って形成されているので、水流によって溜池の底部がえぐられることを防止でき、また、堆積物が排水口へ流動しやすくなるという利点がある。
請求項3の溜池の堆積物処理方法によれば、請求項1又は2記載の溜池の堆積物処理方法の効果に加えて、撹拌装置は、水流により作動するプロペラを有するので、排水口へ流れる水流の撹拌作用を強くすることができ、また、電力により作動するプロペラを有する撹拌装置に比べて、電力消費によるコストがかからないという利点がある。
請求項4の溜池の堆積物処理方法によれば、請求項3記載の溜池の堆積物処理方法の効果に加えて、撹拌装置は、前記溝部に沿って設けられるので、溝部周辺の水流を強く受けることができ、高い撹拌効果を得ることができる。
請求項5の溜池の堆積物処理方法によれば、請求項1又は2記載の溜池の堆積物処理方法の効果に加えて、船上からの撹拌具で堆積物を撹拌するので、船を移動させることで広範囲にわたって堆積物を撹拌できる。
請求項6の溜池の堆積物処理方法によれば、請求項1乃至5いずれかに記載の溜池の堆積物処理方法の効果に加えて、溜池の現状水位の水際沿いを船で周回しながら船上からの撹拌具で現状水位の水際沿い傾斜面に沈降している堆積物を撹拌するので、傾斜面の勾配が緩く堆積物が流下しにくい場合でも、傾斜面に沈降している堆積物を流下しやすい状態にでき、堆積物を傾斜面に残留させることなく処理できる。また、前記放流工程と平行して撹拌工程を行う場合、溜池の貯水量が減少し水位が下方へ移動するのに合わせて船で水際沿いを周回するので、現状水位に応じて水際沿い傾斜面の堆積物を流下しやすい状態にでき、傾斜面に堆積物を残留させることなく処理できる。
以下、本発明の実施の形態に係る溜池の堆積物処理方法について図1乃至図8に基づいて説明する。
図1乃至図3は、本発明の実施の形態における溜池1の一実施例を示すものであるが、図示するように、溜池1は、該溜池1の底部に設けられたコンクリート底部2と、該コンクリート底部2上に形成された溝部3と、溜池1に貯えられている農業用水4を堰き止める堤防5と、該堤防5上部に設けられたハンドル6と、該ハンドル6に接続されたシャフト7と、該シャフト7の下端部に接続された排水溝開閉扉8と、溜池1に堆積した堆積物9を撹拌する撹拌装置10と、堤防5下部に設けられている排水溝11と、該排水溝11と溜池1を接続する排水口12とを主体に構成されている。図4は、前記排水溝11下流に設けられた沈殿槽13の一実施例を示すものである。図5は、船14及び撹拌具15の一実施例を示すものである。
溜池1には、図1に示すように、農業用水4が貯えられているが、底部に落ち葉や枯れ草等が堆積して腐葉土となり、他の有機物や土砂等とともに堆積物9となっている。また、溜池1の底部は、図1及び図7に示すように、堆積物9が排水口12へ流れやすくなるよう勾配を有した傾斜面を形成している。更に、溜池1の底部には、図1乃至図3に示すように、排水口12近辺にコンクリート底部2が設けられており、コンクリート底部2上に少なくとも一つは前記排水口12に向っている溝部3が形成されている。このコンクリート底部2は、排水口12が開放されて排水口12に向って水流が起こった場合に、水流により溜池1の底部がえぐられないように設けられる。溝部3は、堆積物9が排水口12に向って流れやすくなるよう形成され、この溝部3の幅及び深さは、堆積物9が流れやすいように適宜設定される。
堤防5は、溜池1に貯えられている農業用水4を堰き止めており、図2及び図3に示すように、溜池1の水位が満水を越えないようにオーバーフロー用の水路16が設けられている。また、堤防5には、図1乃至図3に示すように、堤防5の溜池1側の法面に階段状部17が設けられており、その階段状部17の各段上面に排水口18がそれぞれ設けられている。それら排水口18を上から順に開くことにより放水して溜池1の水位を下げることができる。
ハンドル6は、図1及び図3に示すように、堤防5の上部に、排水口開放作業時に作業者が溜池1に入ることがないよう水面より上に設置される。このハンドル6の直径は、回転させやすい範囲で適宜決定される。また、このハンドル6は、長い年月風雨にさらされるので十分な耐候性を有する材質のものとし、また、握りやすいように把手状の部位が設けられてもよい。
シャフト7は、ハンドル6の回転にともなってシャフト7の軸方向にシャフト7を移動させる機構19を介してハンドル6に接続されている。この機構19は、ハンドル6の回転を歯車等を用いてシャフト7の軸方向への移動に変換するものであり、その機能を有していれば手段は特に問われるものではない。また、シャフト7は、堤防5の階段状部17の段鼻上方に金具20でシャフト7の軸方向に移動可能に設置される。シャフト7及び金具20は、十分な耐候性を有する材質のものとする。
排水溝開閉扉8は、シャフト7の下端部に接続されており、ハンドル6を回転させることによってシャフト7が勾配上方へ移動し、シャフト7の下端部に接続された排水溝開閉扉8も開方向へ移動して排水口12が開放される。この排水溝開閉扉8は、排水口12より十分に大きく、閉時においては止水が完璧に行われるよう排水口12を密閉するものとする。
撹拌装置10は、図3に示すように、水流で作動するプロペラ部21を有するものであり、コンクリート底部2上に形成されている溝部3に沿って設けられている。
排水溝11は、排水口12を介して溜池1と接続されており、既製の鋼管やコンクリート管等を用いて形成され、流量に応じて管径は適宜決定される。
沈殿槽13は、図4に示すように、蓋部22と槽部23からなり、排水溝11の下流に設置される。蓋部22は、グレーチングやコンクリート等で形成され、開口部24が設けられている。排水溝11から排出される農業用水4及び堆積物9は、この開口部24から槽部23に流入する。槽部23は、コンクリートで桝状に形成されており、この槽部23の大きさや深さは、流量等に応じて適宜決定される。この槽部23は、側面の上部と下部にそれぞれ排水溝25及び26が接続されている。排水溝26には止水板27が設けられており、通常は閉じられている。槽部23に流入した農業用水4及び堆積物9の量が所定量を超えると、排水溝25から比重の小さい腐葉土及び農業用水4が流れ出し、比重の大きい砂利及び栗石等28は沈殿し下部に堆積する。下部に堆積した砂利及び栗石等28を処理する場合、蓋部22を取り外して堆積した砂利及び栗石等28を浚渫するか、又は、止水板27を取り外して排水溝26から砂利及び栗石等28を放流し別途処理する。
船14は、図5に示すように、一般的な小型船であり、安価に入手可能なものである。撹拌具15は、船14上からロープ29に繋がれて溜池1の底部や傾斜面に下ろされ堆積物9を撹拌するために用いられ、船14が動く際に引かれて堆積物9を撹拌する。この撹拌具15は、堆積物9を撹拌するのに適した形状・材質とし、船14で引く際に底部から大きく浮かない程度で、且つ、船14で引くのに適した重量とする。
以下、上記構成による溜池1の堆積物処理方法の第1実施例について説明する。この方法は、溜池1から農業用水4及び堆積物9を排水溝11へ放流する放流工程と、前記放流した農業用水4及び堆積物9から農業用水4及び腐葉土と、砂利及び栗石等28とを分離する分離工程とからなる。以下、各工程について説明する。
〔放流工程〕
堤防5の上部に設置されたハンドル6を回転してシャフト7を勾配上方へ移動し、排水口12を密閉している排水溝開閉扉8を開方向へ移動する。排水溝開閉扉8が開方向へ移動すると排水口12が開放され、排水口12を通って排水溝11へ農業用水4及び堆積物9が流入する。その際発生する排水口12への水流とともに、その水流によってコンクリート底部2上の溝部3に沿って設けられた撹拌装置10のプロペラ部21が回転し、堆積物9を撹拌する。水流及び撹拌装置10によって撹拌された堆積物9は流動しやすく、農業用水4とともに混合され排水口12から排水溝11へ流出する。そして、必要とされる農業用水4の供給量に達したり、排水すべき量に達した場合、ハンドル6を逆方向に回転してシャフト7を勾配下方へ移動し、排水溝開閉扉8を閉方向へ移動して排水口12を閉じる。
〔分離工程〕
排水溝11へ流出した堆積物9及び農業用水4は、排水溝11の下流に設置された沈殿層13の蓋部22に設けられた開口部24から槽部23へ流入する。流入した堆積物9及び農業用水4のうち比重の大きい砂利及び栗石等28は、槽部23下部に沈殿し、比重の小さい腐葉土及び農業用水4は、槽部23の側面の上部に接続された排水溝25から放流され、田畑等へと供給される。
以上の工程で、溜池1に沈降している堆積物9を処理することによって、溜池1の底部に堆積物9が溜まって底部が上がり貯水量が減少したり、ヘドロが発生することを防止でき、砂利及び栗石等28が田畑等へ入り込むことがなくなる。また、溜池1の水を抜いて堆積物9の浚渫作業を行ったり、ポンプ等を使用するよりも堆積物9の処理にかかるコストを大幅に軽減できる。また、排水口12に堆積物9が詰まることなく効率的に堆積物9の処理を行うことができる。更に、撹拌装置10は、溝部3周辺の水流の作用を強く受けて排水口12へ流れる水流の撹拌作用を強くすることができ、高い撹拌効果を得ることができる。
次に、溜池1の堆積物処理方法の第2実施例について説明する。この方法は、図6に示すように、前記放流工程において撹拌装置10を用いる代わりに、船14上からの撹拌具15によって堆積物9を撹拌し、この放流工程及び前記分離工程により溜池1に沈降している堆積物9を処理するものである。以下、この放流工程について説明する。
〔放流工程〕
堤防5の上部に設置されたハンドル6を回転してシャフト7を勾配上方へ移動し、排水口12を密閉している排水溝開閉扉8を開方向へ移動する。排水溝開閉扉8が開方向へ移動すると排水口12が開放され、排水口12を通って排水溝11へ農業用水4及び堆積物9が流入する。それと平行して排水口12上近辺を船14で巡回し、船14上からの撹拌具15を船14で引くことにより底部に沈降している堆積物9を撹拌する。水流及び撹拌具15によって撹拌された堆積物9は流動しやすく、農業用水4とともに混合され排水溝11へ流出する。そして、必要とされる農業用水4の供給量に達したり、排水すべき量に達した場合、ハンドル6を逆方向に回転してシャフト7を勾配下方へ移動し、排水溝開閉扉8を閉方向へ移動して排水口12を閉じる。
以上の放流工程及び前記分離工程により溜池1に沈降している堆積物9を処理することによって、溜池1の底部に堆積物9が溜まって底部が上がり貯水量が減少したり、ヘドロが発生することを防止でき、砂利及び栗石等28が田畑等へ入り込むことがなくなる。また、溜池1の水を抜いて堆積物9の浚渫作業を行ったり、ポンプ等を使用するよりも堆積物9の処理にかかるコストを大幅に軽減できる。また、排水口12に堆積物9が詰まることなく効率的に堆積物9の処理を行うことができる。更に、船14を移動させることで広範囲にわたって堆積物9を撹拌できる。
次に、溜池1の堆積物処理方法の第3実施例について説明する。この方法は、図5及び図7に示すように、前記放流工程に先だって、又は、前記放流工程と平行して、溜池1の現状水位30の水際沿いを船14で周回しながら船14上からの撹拌具15で現状水位30の水際沿い傾斜面に沈降している堆積物9を撹拌する撹拌工程を行い、該撹拌工程、前記放流工程及び前記分離工程により溜池1に沈降している堆積物9を処理するものである。以下、この撹拌工程について説明する。
〔撹拌工程〕
船14上からロープ29の先に繋がれた撹拌具15を傾斜面に下ろした状態で、船14を溜池1の現状水位30の水際沿いを周回させる。船14が移動することにより、撹拌具15が水際沿い傾斜面上を引かれて該傾斜面に沈降している堆積物9を撹拌する。前記放流工程と平行してこの撹拌工程を行う場合、放流工程により次第に溜池1の貯水量が減少し、水位が下方へ移動するのに合わせて船14を周回させる。撹拌具15は、船14に引かれても大きく浮かない程度の重量であるため、溜池1の傾斜面に多少の凹凸がある場合でもその凹凸に対応でき、現状水位30の水際沿い傾斜面に沈降している堆積物9を有効に撹拌できる。
上記の撹拌工程を前記放流工程に先だって行うことによって、溜池1の現状水位30の水際沿い傾斜面に沈降している堆積物9を撹拌して流下しやすい状態にでき、傾斜面に堆積物9を残留させることなく処理できる。また、この撹拌工程を前記放流工程と平行して行うことにより、放流工程により次第に溜池1の貯水量が減少するのに合わせて船14が水際沿いを周回するので、現状水位30に応じて水際沿い傾斜部の堆積物9を流下しやすい状態にでき、傾斜面に堆積物9を残留させることなく処理できる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能となる。例えば、撹拌具15は、図8で示すように、モータ等で回転するプロペラを有する撹拌具15aでもよい。また、説明した実施例では堤防5に階段状部17を設けているが、従来技術を改良して本発明を実施する場合を示したものであり、特に本発明を実施するにあたって必要なものではなく、堤防5の法面上にシャフト7が金具20を介して設置されてもよい。
本発明の実施の形態の第一実施例における溜池の概略構成を示す断面説明図である。 本発明の実施の形態の第一実施例における溜池の概略構成を示す平面説明図である。 本発明の実施の形態の第一実施例における溜池の概略構成を示す正面説明図である。 沈殿槽の一例を示す断面図である。 船上からの撹拌具の一例を示す断面図である。 本発明の実施の形態の第二実施例における溜池の概略構成を示す断面説明図である。 溜池の全体を示す平面図である。 船上からの撹拌具の一例を示す断面図である。 従来の溜池の概略構成を示す断面説明図である。
符号の説明
1 溜池
2 コンクリート底部
3 溝部
4 農業用水
5 堤防
6 ハンドル
8 排水溝開閉扉
9 堆積物
10 撹拌装置
11 排水溝
12 排水口
13 沈殿層
14 船
15 撹拌具
21 プロペラ部
28 砂利及び栗石等

Claims (6)

  1. 溜池の底部に沈降している堆積物を排出処理する溜池の堆積物処理方法であって、
    前記溜池に貯えられている農業用水を堰き止める堤防上部に設置されたハンドルを回転して堤防下部に設けられている排水溝の排水口を密閉している排水溝開閉扉を開方向へ移動させて、これによって発生する溜池の底部の農業用水の前記排水口から前記排水溝への水流及び撹拌手段によって撹拌された堆積物と前記農業用水とを混合して前記排水溝へ流出する放流工程と、
    前記排水溝へ流出した堆積物及び農業用水から農業用水及び腐葉土と、砂利及び栗石等とを分離する分離工程と、
    を備えたことを特徴とする溜池の堆積物処理方法。
  2. 溜池の前記排水口近辺の底部に設けられたコンクリート底部上に前記排水口に向って溝部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の溜池の堆積物処理方法。
  3. 前記撹拌手段が、水流で作動するプロペラを有する撹拌装置であることを特徴とする請求項1又は2記載の溜池の堆積物処理方法。
  4. 前記撹拌装置が、前記溝部に沿って設けられたことを特徴とする請求項3記載の溜池の堆積物処理方法。
  5. 前記撹拌手段が、船上からの撹拌具であることを特徴とする請求項1又は2記載の溜池の堆積物処理方法。
  6. 前記放流工程に先だって、又は、前記放流工程と平行して、溜池の現状水位の水際沿いを船で周回しながら該船上からの撹拌具で現状水位の水際沿い傾斜面に沈降している堆積物を撹拌する撹拌工程を備えたことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の溜池の堆積物処理方法。
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