JP2005334774A - 送水システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 高耐圧の配管や弁体等を用いることなく、深い地点の地下水を送水することができるようにして、コストが安く且つ敷設が容易な送水システムを提供する。
【解決手段】 地下施設100の地下水1を電気分解する電解槽11と、電気分解により生じた水素ガスが動力を用いることなく送気管13内を上昇し、その水素ガスを用いて発電する燃料電池12と、この燃料電池12により発電された電力を電解槽11に供給する送電線14と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 地下施設100の地下水1を電気分解する電解槽11と、電気分解により生じた水素ガスが動力を用いることなく送気管13内を上昇し、その水素ガスを用いて発電する燃料電池12と、この燃料電池12により発電された電力を電解槽11に供給する送電線14と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、送水システムに係り、非常に深い地下施設内から地下水を経済的に汲み上げることのできる送水システムに関する。
従来より、地下施設内から地下水を地上に排水するには、その地下水内に揚水ポンプなどの取水口を位置させて、その揚水ポンプの送水力により地下水を配管を通して上に汲み上げる送水システムを設置することが行われている。
例えば、図3に示すように、地下施設100内の地下水1を地上に排水したい場合には、その地下水1内に、地上102までの送水管3を接続したポンプ4を設置する。この送水システムでは、地上102の電源8からそのポンプ4のモータ4aに電力供給して駆動させることにより、ポンプ4の取水口から地下水1を取り込んで送水管3を通して地上102に送水する。また、このような送水システムには、地下施設100で作業をする場合もあることから換気等の機能が必要な場合もある。
しかしながら、このような従来の送水システムにあっては、地下水を汲み上げる高さ(揚程)を大きく設定する必要があるほど、次式から判るように出力Pの大きなモータ4aおよびポンプ4を準備する必要があり、コスト高になる。
また、例えば、深い地底に設置された地下施設100から地下水1を汲み上げようとすると、送水管3には非常に高い水圧がかかるため、このような送水管3は高価となり、その送水管3を支持するサポートも大掛かりなものになる。同様に、送水管3に非常に高い水圧が掛かる場合には、止水弁5や逆流を防止するための逆流防止弁6にも高圧がかかるため、そのような高圧に耐え得る特殊な弁体を使用しなければならない。この結果、設備費用がコスト高になり、また、これらが破損した場合には、揚水不能となる可能性もある。
さらに、非常に深い地底においては、酸素濃度が極端に低くなるので、地下水を取水するための地下施設100で作業する場合には、酸素を強制的に供給して安全を確保する必要がある。
本発明は、上述した事情に鑑みて為されたもので、高耐圧の配管や弁体等を用いることなく、深い地点の地下水を排水することができるようにして、コストが低く且つ敷設が容易な送水システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の送水システムは、地下施設の地下水を電気分解する電気分解装置と、電気分解により生じた水素ガスが動力を用いることなく立坑の内部を上昇し、前記水素ガスを用いて発電する燃料電池と、前記燃料電池により発電された電力を前記電気分解装置に供給する送電線と、を備えたことを特徴とするものである。
この発明によれば、低い位置の地下施設内の地下水は、電気分解装置の電気分解により水素ガスと酸素ガスに分離される。この水素ガスは空気より軽いため、上昇して高い位置の地上の燃料電池に発電燃料として供給され、その燃料電池による発電電力は電気分解装置の電力として供給される。したがって、深い位置の地下水をそのまま地上などに送水する場合に必要な高い能力のポンプ、配管等をなくすことができる。また、電気分解装置の所要電力が電気分解により形成された水素ガスを燃料とした燃料電池によりまかなわれているので、送水の動力源のうち、かなりの部分を自己の発電電力でまかなうことができる。この結果、地下施設の地下水を低い運転コストおよび設備コストで経済的に送水することができる。
この発明では、前記地下水を電気分解する電気分解装置により発生する酸素を前記地下施設の換気に利用することにより、空気よりも比重の軽い水素ガスがポンプによらずに上昇するのに対して、空気よりも比重の重い酸素ガスは地下施設内に溜まって酸素を供給することができる。これにより、高価な換気のための設備を不要、もしくは低減することができる。また、前記電気分解装置への電力供給を補助する、水素供給源または商用電源等の補助手段を有することが好ましい。これにより、地下の電気分解装置に十分な電力を供給することができる。
本発明によれば、地下施設内の地下水を電気分解して、軽い水素ガスは動力によらずに上昇させて地上の燃料電池に発電燃料として供給することができる。したがって地下水をそのまま送水する場合に必要な高価なポンプや配管等を用いることなく、深い地下施設から地下水を安いコストおよび安い敷設費で送水することができる。ここで、地下水の電気分解により発生する酸素は、その地下施設内に排気して強制的に換気することができる。これにより、深い地下施設への送気設備を不要または軽減することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る送水システムの一実施形態を示す図である。
図1において、送水システム10は、立坑101を通って出入り可能に設計されている地下施設100に付設されており、水を水素ガスと酸素ガスとに電気分解する電解槽(電気分解装置)11と、水素ガスを燃料に発電する燃料電池12と、電解槽11の水素ガス排気口11aおよび燃料電池12の水素ガス導入口12aの間を水素ガスを流通可能に接続する送気管13と、燃料電池12の出力端子および電解槽11の入力端子の間を導通接続する送電線14とにより構成されている。
電解槽11は、取水槽2内に連通する連通管15を取り付けられて地下施設100内に設置されており、その取水槽2内の地下水1を電解槽11内に導いて、その地下水1を水素ガスと酸素ガスとに電気分解し、水素ガス排気口11aおよび酸素ガス排気口11bのそれぞれから排気する。すなわち、電解槽11は、地下施設100内の地下水1を電気分解して、水素ガスは水素ガス排気口11aから送気管13内に排気・送出して燃料電池12に供給する一方、酸素ガスは酸素ガス排気口11bから地下施設100内に排気・供給する。送気管13は、高圧がかからないため、低コストの樹脂またはダクトを用いることができる。
これにより、電解槽11は、取水槽2内の地下水1を水素ガスおよび酸素ガスとして地下施設100内から取り出すことができる。この電解槽11から排気する水素ガスは、空気よりも比重が軽いためポンプなどの移送力に頼ることなく送気管13内を上昇させて燃料電池12に燃料として供給することができ、また、酸素ガスは空気よりも比重が重いため地下施設100内に溜まって(換気して)酸素濃度を上げ酸欠状態になることを回避する。なお、この電解槽11による酸素補給では足りない場合には、酸素濃度をセンサなどにより感知して他の手段により補充すればよいことは言うまでもない。
燃料電池12は、立坑101の開口部に隣接して地上102に設置されており、地下施設100内の電解槽11から送気管13を介して水素ガスを受け取って地上102の酸素ガスと結合させることにより発電して、発電出力を送電線14を介して送電する。すなわち、燃料電池12は、地下施設100内の電解槽11からの水素ガスを燃料に発電をし、その電力は送電線14を介して電解槽11に送電して電力供給する。
これにより、燃料電池12は、電解槽11からの水素ガスを発電燃料として、その発生源である電解槽11に循環して供給(還元)することができ、電解槽11を動作させるための電力を特別に商用電源から引き込むことを不要に、もしくは商用電源からの所要電力を低減することができる。
ここで、燃料電池12が電解槽11用の電力のすべてを発電するには、その電解槽11からの水素ガスの供給だけでは間に合わない場合(電力変換効率が100%でないため不足する場合)がある。この場合には、図2に示すように、補助用水素貯蔵タンク(補助手段)16を設置して調整弁17を介して燃料電池12に水素ガスを供給するようにすればよい。これにより、商用電源を引き込むための敷設工事を省いて、燃料電池12で電気分解に必要な電力を発電することができる。ただし、コストや設備環境などの理由によって、商用電源から電解槽11に電力供給を行うようにしても良いことはいうまでもない。なお、この燃料電池12が水素ガスと酸素ガスとを結合させることにより生成される水(H2O)は、地上102で純水として利用する。
以上により、地底に存在する地下水を、高圧ポンプおよび高圧送水配管を用いることなく送水することができる。
このように本実施形態の送水システム10は、ポンプにより送水する場合に必要な高価なポンプ、高耐圧配管およびそのサポートや特殊な弁体などが不要であるため、安価な敷設設備費で設置することができる。そして、地下水1を水素ガスと酸素ガスとに電気分解して利用するので、漏水等の心配がない。また、電気分解で発生した水素ガスを発電燃料として用いるので、その電気分解で消費する電力を循還供給することができる。したがって、地下施設100内の地下水1を低コストで揚水することができる。
さらに、電気分解で発生した酸素ガスは、地上102に排気することなく、地下施設100内に放出して換気するので、地下施設100に特有の酸欠による事故を未然に防止するための換気設備を小さくすることが可能である。
特に、従来技術で説明したように、非常に深い地底に地下施設100などを設置する必要がある場合には、これらの効果は絶大である。
ここで、本実施形態では、地下水1を水素ガスと酸素ガスとに電気分解して、その水素ガスを発電燃料とする場合について説明したが、これに限るものではないことは言うまでもない。例えば、他の液体を空気よりも比重の軽い気体にガス化可能である場合にも適用することができる。
なお、上記実施形態は本発明の実施例の一態様を述べたもので、本発明の趣旨を逸脱することなく種々の変形実施例が可能なことは勿論である。
1 地下水
2 取水槽
10 送水システム
11 電解槽
12 燃料電池
13 送気管
14 送電線
100 地下施設
2 取水槽
10 送水システム
11 電解槽
12 燃料電池
13 送気管
14 送電線
100 地下施設
Claims (3)
- 地下施設の地下水を電気分解する電気分解装置と、
電気分解により生じた水素ガスが動力を用いることなく立坑の内部を上昇し、前記水素ガスを用いて発電する燃料電池と、
前記燃料電池により発電された電力を前記電気分解装置に供給する送電線と、を備えたことを特徴とする送水システム。 - 前記地下水を電気分解する電気分解装置により発生する酸素を前記地下施設の換気に利用することを特徴とする請求項1記載の送水システム。
- 前記電気分解装置への電力供給を補助する補助手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の送水システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004157350A JP2005334774A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | 送水システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004157350A JP2005334774A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | 送水システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005334774A true JP2005334774A (ja) | 2005-12-08 |
Family
ID=35488910
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004157350A Pending JP2005334774A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | 送水システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005334774A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011093124A1 (ja) * | 2010-01-26 | 2011-08-04 | パナソニック電工株式会社 | 水処理装置 |
JP2018178231A (ja) * | 2017-04-20 | 2018-11-15 | 株式会社神鋼環境ソリューション | 水素・酸素発生装置 |
-
2004
- 2004-05-27 JP JP2004157350A patent/JP2005334774A/ja active Pending
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