JP2005334446A - 骨手術用案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の案内スリーブを案内装置本体に容易かつ正確に装着することができる骨手術用案内装置を提供する。
【解決手段】 本発明の骨手術用案内装置は、骨1に適用される骨手術器具141,143をガイドするための骨手術用案内装置であって、骨に対して直接若しくは間接的に位置決め固定されるように構成された案内装置本体110と、案内装置本体により骨に向けて案内されるとともに骨手術器具を案内可能に構成された複数の案内スリーブ121,122と、複数の案内スリーブを相互に案内装置本体に装着したときの所定の位置関係になるように一体に保持可能に構成されたスリーブ保持体131とが設けられていることを特徴とする。
【選択図】図10

Description

本発明は骨手術用案内装置に係り、特に、髄内釘に交差するように配置される骨接合具、骨接合具を駆動する工具、骨接合具を案内するためのガイドピン、骨接合具のための穿孔を行うドリルやリーマ等の穿孔具などの各種の骨手術用器具を案内する場合に好適な骨手術用案内装置の構造に関する。
一般に、骨折などの治療を行う際には、骨板、骨ネジ、骨釘などの各種のインプラントが用いられるが、通常、骨手術では骨に対して上記インプラントを正確に導入することが難しいため、インプラントを導入する際には各種の骨手術用案内装置が用いられる。また、骨手術の困難性により、上記の骨手術用案内装置だけでなく、X線撮影装置などの透視装置をも用い、この透視装置によってインプラントの位置や姿勢を確認しながら手術を行う場合が多い。
上記インプラントの一例としては、骨の髄内に配置される髄内釘がある。この髄内釘には、その軸線と交差する複数の横断孔が形成されており、髄内釘が骨の端部から髄内に挿入された後に、この髄内釘と交差するように骨ねじなどの骨接合具を、上記横断孔を通して骨に導入することにより、骨と髄内釘とが完全に固定される。この髄内釘を用いる場合には、髄内釘の横断孔に整合させて骨接合具を導入するために、髄内釘に接続固定されるターゲットデバイスと呼ばれる案内装置が用いられる。
この案内装置は、髄内釘の基部に接続固定された案内装置本体と、この案内装置本体に接続固定される案内スリーブとを有する。案内装置本体は、髄内釘に接続固定される接続部と、当該接続部に固定され、髄内釘との間に所定の間隔を介在させて髄内釘とほぼ平行に伸びる案内部とを有する。また、案内スリーブは案内装置本体の上記案内部に接続固定され、案内装置本体を介して髄内釘の横断孔に向けられた姿勢に保持され、その内部に各種の工具や骨接合具などの骨手術器具を挿通させてこれらを案内するように構成されている。この種の案内装置の典型例としては、大腿骨の髄内に導入される髄内釘と、この髄内釘と交差し、大腿骨の骨頭部に挿入される骨接合具とを備えた骨接合装置を取り付けるための案内装置がある(例えば、以下の特許文献1及び特許文献2参照)。
また、上記の大腿骨に適用される案内装置においては、大腿骨の骨頭部に挿入された骨接合具を中心として骨頭部が旋回してしまうといった事故の生ずる恐れが従来から指摘されており、このような事故を防止するために、骨頭部に2本の骨接合具をほぼ平行に挿入する場合がある(例えば、以下の特許文献3参照)。この場合には、案内装置本体に2本の案内スリーブを同時に挿通させた状態とし、それぞれの案内スリーブによってそれぞれ骨接合具を案内し、骨頭部内に導入するようにしている(例えば、以下の特許文献4参照)。
特開平2−21859号公報 特開平4−309343号公報 米国特許第4827917号公報 特開2004−65977号公報
しかしながら、上記従来の案内装置において、平行な2本の骨接合具を同時に挿入する場合には、2本の案内スリーブをそれぞれ案内装置本体に装着する必要があるので、手術時において案内装置本体に対する2本の案内スリーブの挿入作業が煩雑であるとともに正確に挿入することが困難であり、特に、2本の案内スリーブの装着位置が近接している場合には、案内スリーブ同士が干渉したり、一方の案内スリーブを装着する際に既に装着済みの他方の案内スリーブに手術者の手が抵触したりするなどの理由により、挿入作業に時間がかかるとともにそれぞれの案内スリーブを案内部に対して正確に装着することが難しいという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、複数の案内スリーブを案内装置本体に容易かつ正確に装着することができる骨手術用案内装置を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の骨手術用案内装置は、骨に適用される骨手術器具をガイドするための骨手術用案内装置であって、骨に対して直接若しくは間接的に位置決め固定されるように構成された案内装置本体と、該案内装置本体により骨に向けて案内されるとともに前記骨手術器具を案内可能に構成された複数の案内スリーブと、前記複数の案内スリーブを相互に前記案内装置本体に装着したときの所定の位置関係になるように一体に保持可能に構成されたスリーブ保持体とが設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、案内装置本体とは別にスリーブ保持体が設けられ、このスリーブ保持体は、複数の案内スリーブを相互に案内装置本体に装着したときの所定の位置関係になるように一体に保持するように構成されているので、複数の案内スリーブをスリーブ保持体により予め所定の位置関係になるように一体に保持した状態とし、このように一体に保持された状態で複数の案内スリーブを案内装置本体に装着することにより、スリーブ保持体によって複数の案内スリーブが既に所定の位置関係に設定されているので、複数の案内スリーブを容易かつ正確に案内装置本体に装着することができる。また、複数の案内スリーブがスリーブ保持体によって案内装置本体とは別に一体に保持されるので、案内スリーブの保持剛性を高めることができ、案内スリーブの案内精度を高めることも可能である。
ここで、スリーブ保持体は、案内スリーブをその軸線方向に移動可能に保持するように構成されていることが好ましい。これによれば、案内スリーブに対するスリーブ保持体の装着位置を適宜に変更することができるので、複数の案内スリーブの案内方向に影響を及ぼすことなく、案内スリーブとスリーブ保持体との間の装着位置の自由度を確保することができ、使用時における案内装置本体との位置関係を適宜に調整することが可能になる。
本発明において、前記スリーブ保持体は、前記複数の案内スリーブが相互に平行に保持されるように構成されていることが好ましい。この場合には、複数の案内スリーブが案内装置本体に対してそれぞれ挿入することによって装着されるように構成されている場合でも、複数の案内スリーブが平行に保持されるため、複数の案内スリーブを案内装置本体に対して同一方向に挿入すれば一時に装着を行うことができる。
本発明において、前記複数の案内スリーブのうち少なくとも一の前記案内スリーブには拡大された基部が設けられ、前記スリーブ保持体により保持された状態において、前記一の案内スリーブの前記基部と他の前記案内スリーブとが当接することが好ましい。これにより、前記複数の案内スリーブが相互に当接するので、案内スリーブ同士が直接位置決めされることから、複数の案内スリーブ間の保持精度や保持剛性をさらに高めることができる。また、複数の案内スリーブが相互に当接して回転方向にも相互に位置決めされるように構成することにより、案内スリーブと骨手術器具の軸線周りの回転姿勢の位置決めなども可能になる。
本発明において、前記スリーブ保持体には、前記案内スリーブのうち少なくとも一の前記案内スリーブの案内方向と平行な案内方向を有する、照準器具のための副案内構造が設けられていることが好ましい。これによれば、副案内構造を用いて照準器具を案内することによって、上記の一の案内スリーブの案内方向を、透視装置を用いて、或いは、直接に、視覚的に確認することが可能になる。ここで、照準器具は、ガイドピンなどの兼用部材であってもよく、或いはまた、照準のためだけに用いられる専用器具であってもよい。いずれにしても、副案内構造の案内方向に延長された形状を有するものであることが望ましい。
前記副案内構造の案内方向は、前記案内装置本体を通過しないように構成されていることが好ましい。これによれば、案内装置本体に妨げられずに案内装置本体よりも骨に近い位置まで伸びる照準器具を取り付けることが可能になるので、案内スリーブの案内方向の確認がさらに容易になる。ここで、照準器具の案内精度を高めるために、案内装置本体にも照準器具を案内するための副案内構造を設けることが望ましい。
本発明において、前記副案内構造は案内孔若しくは案内溝であることが好ましい。これによれば、きわめて簡単な構造で確実に照準器具を案内することができるので、照準器具の取付精度を高めることができるとともにスリーブ保持体の大型化や複雑化を招くことがない。
本発明において、前記スリーブ保持体に対する前記複数の案内スリーブのうちの少なくとも一の前記案内スリーブの軸線周りの回転姿勢を位置決めする第1の回転位置決め手段と、前記一の案内スリーブに対する前記骨手術器具の軸線周りの回転姿勢を位置決めする第2の回転位置決め手段とを有することが好ましい。これによれば、スリーブ保持体に対する骨手術器具の軸線周りの回転姿勢を、第1及び第2の回転位置決め手段により案内スリーブを介して位置決めすることができるので、骨手術器具の回転姿勢を適宜に位置決めすることが可能になる。ここで、上記第1及び第2の回転位置決め手段は、位置決め手段に対する操作により、或いは、位置決め手段により位置決めされる案内スリーブや骨手術器具に対する操作により、その位置決め作用を解除可能に構成されていることが望ましい。
本発明によれば、骨手術用案内装置において複数の案内スリーブを案内装置本体に容易かつ正確に装着することが可能になるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は、大腿骨1の髄内に髄内釘10を挿入した様子を示す。髄内釘10は、大腿骨の管状骨部の端部側に配置される基端部11と、この基端部11に連続し基端部11よりも細く形成された末端部12とを有する軸状に構成されている。基端部11の内部には、端部に開口し、その軸線に沿って伸びる軸孔11aが形成されている。また、基端部11には、上記軸孔11aと交差する複数(図示例では2つ)の横断孔11b,11cが設けられている。これらの横断孔11b,11cは基端部11の軸線に対して斜めに交差する貫通方向を有するように構成され、図示例では大腿骨1の骨頭部1aに向かうように形成されている。また、末端部12には、その軸線に対してほぼ直交する方向に貫通する横断孔12a,12bが形成されている。この髄内釘10は、大腿骨1の近位部をドリルやリーマなどで穿孔した後に、当該穿孔部分から末端部12を挿入することにより、図示のように大腿骨1の管状骨部の髄内に配置される。
また、髄内釘10の上記軸孔11aの内部には、横断孔11bを回避して横断孔11c内に突出可能に構成された係合部材13が配置されている。例えば、係合部材13は横断孔11bに対応する開口部を備えている。通常、この係合部材13は軸孔11a内において上下方向に移動可能に構成され、かつ、上方に向けてばねなどの弾性部材によって付勢されている。この係合部材13の下端部は、後述するラグスクリュウ143の外周面に係合するように構成されている。
なお、本実施形態においては、図1に示すように、大腿骨1の骨頭部1aと管状骨部との間に骨折線1xが存在する場合について説明する。ただし、実際には、大腿骨1の管状骨部に骨折線が存在する場合や上記骨折線1xと管状骨部の骨折線の双方が存在する場合にも、本実施形態と同様の骨手術器具を用いることができる。
本実施形態の骨手術用案内装置100は、上記髄内釘10の基端部11に接続固定される接続部111と、この接続部111に固定され、髄内釘10とほぼ平行に伸びる案内部112とを有する案内装置本体110を備えている。本実施形態の場合、接続部111には接続ネジ113が挿通され、この接続ネジ113が髄内釘10の軸孔11aの内部に形成された雌ネジに螺合することにより、接続部111と髄内釘10とが接続固定されるようになっている。また、案内部112には案内ユニット114が着脱可能に取付固定されている。
図2は、本実施形態の骨手術用案内装置100の全体構成を示す概略斜視図である。案内ユニット114には、図1に示す髄内釘10の横断孔11b,11c,12a,12bにそれぞれ向いた案内孔114a,114b,114c,114dが設けられている。これらの案内孔114a〜114dには、案内スリーブ121,122が挿入され、これにより案内スリーブ121,122の案内方向が既定の方向に設定される。これらの案内スリーブ121,122は、案内装置本体110の案内孔114a〜114dに挿通可能に構成された円筒部121A,122Aを有する。また、その基端部には拡大された外径を有する拡大部121B,122Bが設けられている。
さらに、これらの案内スリーブ121,122を一体に保持するスリーブ保持体131が設けられている。このスリーブ保持体131は、案内スリーブ121と122とを、上記案内孔114a,114bに挿通された状態と同じ相対的な位置関係になるように保持可能に構成されている。本実施形態の場合、案内スリーブ121と122は相互に平行になるようにスリーブ保持体131によって保持される。また、スリーブ保持体131は、案内スリーブ121,122の円筒部121A,122Aをそれらの軸線方向に移動可能に保持できるように構成されている。具体的には、案内スリーブ121,122の円筒部121A,122Aは、スリーブ保持体131の貫通孔131aに対して軸線方向に移動可能に挿通し、しかも、適宜の締付力により任意の移動位置において保持されるように構成されている。
図示のようにスリーブ保持体131によって一体に保持された状態では、案内スリーブ121の拡大部121Bと案内スリーブ122の拡大部122Bとは相互に当接している。なお、図2においては、案内スリーブ121,122の内部にガイドピンを案内するための補助スリーブ123,124が挿入固定された状態を示してある。補助スリーブ123,124は、案内スリーブ121,122の内部に挿通された状態で固定され、その内部にはガイドピンを挿通するための案内用の軸孔が形成されている。
図3(a)は案内スリーブ121と122をスリーブ保持体131により一体に結合した状態を示す概略斜視図、図3(b)は当該状態を案内スリーブ121,122の基端部側からその軸線方向に見た様子を示す図、図3(c)はスリーブ保持体131の縦断面図、図3(d)は案内スリーブ121,122の拡大部の断面を示す縦断面図、図3(e)は後述するラグスクリュー(骨接合具)の断面形状を示す断面図である。
スリーブ保持体131は、図3(c)に示すように、案内スリーブ121,122を挿通させた状態で保持する貫通孔131aを備えている。貫通孔131aはスリット131bに連通し、貫通孔131aの内径が或る程度変化できるように構成されている。案内スリーブ121,122は貫通孔131aに挿通されたとき、スリーブ保持体131の弾性力によって締め付け保持される。貫通孔131aには、案内スリーブ121が挿通される第1開口部131a1と、案内スリーブ122が挿通される第2開口部131a2とが設けられている。図示例の場合、第1開口部131a1と第2開口部131a2とが相互に連通し、一体に構成されている。ただし、本発明の貫通孔は上記構成に限定されるものではなく、第1開口部と第2開口部とが別々に構成されていてもよい。
スリーブ保持体131には、上記貫通孔131aの案内方向と平行な案内方向を有する副案内構造131c1,131c2,131c3,131c4が設けられている。図示例の場合、副案内構造131c1〜131c4は案内孔(貫通孔)で構成されている。ただし、この副案内構造131c1〜131c4はスリーブ保持体131の側面上に形成された、上記案内方向に伸びる案内溝(凹溝)で構成されていてもよい。この副案内構造131c1〜131c4は、照準器具(後述するガイドピン125)を挿通させたときに、当該照準器具が貫通孔131aに案内された案内スリーブ121,122と平行に伸びるように構成されている。
副案内構造131c1及び131c3の軸線は、髄内釘10の軸線及び案内装置本体110の軸線を含む平面と直交する方向(側面方向)から見たときに、第2開口部131a2の軸線(すなわち案内スリーブ122の軸線)と一致する(重なる)位置に設けられている。また、副案内構造131c2及び131c4の軸線は、髄内釘10の軸線及び案内装置本体110の軸線を含む平面と直交する方向(側面方向)から見たときに、第1開口部131c1の軸線(すなわち案内スリーブ121の軸線)と一致する(重なる)位置に設けられている。
スリーブ保持体131によって一体に保持された案内スリーブ121と122においては、図3(b)及び(d)に示すように、拡大部121Bと122Bとが案内スリーブ121及び122の軸線周りの相対的回転を妨げる態様で当接している。より具体的には、拡大部121Bと拡大部122Bとにはそれぞれ平坦な当接面が形成され、これらの当接面同士が相互に当接することによって、案内スリーブ121と122とが相対的に回転しないことはもちろんのこと、それぞれがスリーブ保持体131に対して軸線周りに回転しないように規制されている。
スリーブ保持体131には、その外側面から上記貫通孔131aに達する側部貫通孔131d(図示点線)が形成され、この側部貫通孔131d内には、上記貫通孔131a内に突出する回転位置決め部材131eが取り付けられている。この回転位置決め部材131eは、側部貫通孔131d内に形成された雌ネジに螺合している。そして、回転操作を行うことにより回転位置決め部材131eが貫通孔131a内に突出するか否かを選択でき、しかも、その貫通孔131a内への突出量を調整できるように構成されている。回転位置決め部材131eは、案内スリーブ121の円筒部121Aの外面に形成された凹溝121eに嵌合し、案内スリーブ121の軸線周りの回転姿勢を位置決めする。案内スリーブ121をスリーブ保持体131に挿通するとき、及び、案内スリーブ121の軸線周りの回転姿勢を位置決めする必要がない場合には、上記回転位置決め部材131eをスリーブ保持体131から取り外しておくか、或いは、回転位置決め部材131eが貫通孔131a内に突出しないように側部貫通孔131d内に没するように配置させておけばよい。上記の回転位置決め部材131e及びこれに係合する凹溝121eは第1の回転位置決め手段を構成する。ここで、凹溝121eがなくても回転位置決め部材131eを案内スリーブ121の外面に当接させることで案内スリーブ121の回転方向の位置決めを行うことができる。なお、図3以外の図面では凹溝121eの図示を省略する。
案内スリーブ121の拡大部121B内には、スリーブ内部に突出する回転位置決め部材121fが設けられている。この回転位置決め部材121fは、プランジャ121gによってスリーブ内部に対して出没自在に保持され、しかも、プランジャ121g内に配置されたコイルバネ等の弾性力により突出方向に付勢されている。回転位置決め部材121fは球体であることが好ましい。回転位置決め部材121fは、図3(e)に示すように、後述するレンチ145の軸部に形成された凹溝145fに係合し、当該レンチ145の回転方向の位置決めを可能にしている。なお、この回転位置決め部材121fは出没自在に構成されているので、レンチ145の回転操作を妨げることがなく、また、凹溝145fの形成されていない骨手術器具を案内スリーブ121内に挿入することも可能になっている。なお、上記の回転位置決め部材121f及び凹溝145fは第2の回転位置決め手段を構成する。
ここで、上記スリーブ保持体131に設けられた回転位置決め部材131eを、回転位置決め部材121fと同様に、出没自在に保持され、かつ、突出方向に付勢された状態に構成してもよい。また、上記案内スリーブ121に設けられた回転位置決め部材121fを、回転位置決め部材131eと同様に操作によってスリーブ内に出没可能となるように構成してもよい。
上記のスリーブ保持体131は、挿通された案内スリーブ121,122を一体に保持し、それらの相対的位置関係を、案内スリーブ121,122が案内装置本体110に装着された状態に固定することができるようになっている。そして、図2に示すように、スリーブ保持体131に一体に保持された状態で、案内スリーブ121,122は、案内ユニット114に設けられた案内孔114a及び114bに挿通される。案内装置本体110には、案内ユニット114に対して案内スリーブ121,122を固定するための締め付け手段115(図1参照)が設けられ、この締め付け手段115によって案内スリーブ121,122が案内ユニット114に締め付け固定される。図示例の場合、締め付け手段115は、縦スリットの設けられた案内ユニット114を締め付けて上記案内孔114a〜114dの内径を縮小することのできる締め付けボルトで構成される。なお、この締め付け手段115は他の図面では図示を省略する。
上記のようにスリーブ保持体131により複数の案内スリーブ121,122を一体に保持した状態で案内装置本体110に装着することによって、予め案内スリーブ121と122の相対的位置関係が規定されているので、迅速かつ正確に案内装置本体110に対して装着することができる。特に、手術中においては、案内装置本体110の案内部112が患者の体躯の近傍に位置することから案内スリーブ121,122の案内ユニット114への装着作業が困難になる場合があるとともに、出血などの患者の負担を低減するためには手術をなるべく短時間に終了させる必要があるため、手術時の案内スリーブ121,122の案内装置本体110への装着作業を容易にし、かつ、迅速に行うことができるようにすることは非常に重要である。
次に、照準器具であるガイドピン125を、スリーブ保持体131の上記副案内構造131c1〜131c4に挿通し、図4に示すように、そのまま髄内釘10に向けて伸びるように配置する。ここで、図4(a)はX線撮影装置などの透視装置によって得られる正面像を示し、図4(b)は透視装置によって得られる側面像を示してある。このとき、ガイドピン125の先端を体内に刺入してもよい。そして、このガイドピン125の正面像や側面像を見ることで、ガイドピン125の延長方向と大腿骨との間の位置関係を確認することができ、これによって、案内スリーブ121,122によってガイドされる骨手術器具の導入方向を確認することができる。この場合に、副案内構造131c1及び131c3に挿通されたガイドピン125の軸線は上記構成により正面像において案内スリーブ122の軸線に一致し、また、副案内構造131c2及び131c4の軸線は上記構成により正面像において案内スリーブ121の軸線に一致するので、複数の案内スリーブ121,122それぞれの案内方向を各別に把握することが可能になる。
このとき、案内装置本体110(具体的には案内部112や案内ユニット114)にも上記副案内構造131c1〜131c4に対応する位置に副案内構造(案内孔や案内溝)を設け、照準器具であるガイドピン125をスリーブ保持体131と案内装置本体110の2箇所で案内するように構成してもよい。この場合には、照準器具の位置及び姿勢をさらに高精度に設定できる。
また、案内装置本体110の近位部にもガイドピン125を挿通可能な副案内構造110cを設けておくことにより、図4(b)に示すように、側面像において、案内スリーブ121,122によって導入される骨手術器具の導入方向を確認することができる。すなわち、案内スリーブ121,122の案内方向の髄内釘10の軸線周りに見た方位が骨頭部1aの中心近傍に向いているかどうかを確認できる。
次に、図5(a)及び(b)に示すように、案内スリーブ121,122をさらに奥に挿入し、案内スリーブ121,122の先端が皮膚下の大腿骨1の表面に到達するように刺入する。そして、案内スリーブ121,122の内部(実際にはその中に挿入された補助スリーブ123,124の内部)にピンオウル126,127を挿入し、回転操作することによりそれぞれ大腿骨1の表面に小穴を形成する。
その後、図6に示すように、ガイドピン125を大腿骨1に刺入する。このガイドピン125の刺入に際しては、ガイドピン用アダプタ128をガイドピン125の基端部に接続し、このアダプタ128をパワーツール(電動工具)に接続し、このパワーツールでガイドピン125を回転駆動して刺入する。ガイドピン125の刺入が完了すると、補助スリーブ123,124は取り外される。
次に、ガイドピン125に沿ってドリルを案内スリーブ122内に導入し、このドリルによって図7に示すキャンセラススクリュウ141のための穴を形成する。その後、案内スリーブ122内にキャンセラススクリュウ141を導入し、レンチ142を用いてキャンセラススクリュウ141を大腿骨1にねじ込んでいく。このとき、キャンセラススクリュウ141は髄内釘10の上記横断孔11b(図1参照)を通して大腿骨1の骨頭部1aの内部にねじ込まれていく。
なお、上記のようにキャンセラススクリュウ141を大腿骨1にねじ込まない場合でも、案内スリーブ122を通してガイドピン125を刺入しておくことにより、手術時における大腿骨1の骨頭部1aの回旋を防止することができる。
また、上記のドリルによる穿孔やキャンセラススクリュウ141のねじ込みに先立って、案内スリーブ122に深さゲージを挿入し、案内スリーブ122を通して骨面に当接させることにより、深さゲージによってガイドピン125の骨面下の挿入深さを知ることが可能になるので、ドリルによる穿孔深さやキャンセラススクリュウ141のねじ込み深さを調整することができる。
次に、後述するラグスクリュウをねじ込むための深さ測定やリーミングなどを行う。深さ測定は上記と同じ深さゲージを挿入し、案内スリーブ121を通して刺入されたガイドピン125が骨面からどの程度挿入されているかを測定する。また、リーマを案内スリーブ121に導入し、ガイドピン125に沿って穿孔を行う。
その後、図8(a)及び(b)に示すラグスクリュウ143をインサータ144と接続する。ここで、ラグスクリュウ143は、骨に係合するネジ部143aと、インサータ144に係合するキー溝などで構成される被係合部143c(図9(a)及び(b)参照)を有する基端部143bとを有し、さらに、その外周面上には軸線方向に伸びる複数の凹溝143fが形成されている。基端部143bの内部には、図9(a)に示すように、角穴状などに構成された回転係合部143dと、ねじ孔などで構成される連結用係合部143eとが設けられている。
また、インサータ144は、ラグスクリュウ143の基端部143bに係合するキーなどで構成される係合部144d(図9(a)及び(b)参照)を備えた、上記回転係合部143dと嵌合して回転方向に結合するように角柱状などに構成された連結部144aを先端に有するとともに、レンチ145に係合する工具係合部144cを基端に有する外軸144xと、上記の連結部144aを基端部143bに固定するための操作軸144yとを具備する。操作軸144yは、ラグスクリュウ143の先端に形成された上記連結用係合部143eに螺合等により連結される連結用被係合部144gと、基端に形成された操作部144bとを備えている。操作部144bの端部には、ねじ孔などで構成される固定用係合部144eが設けられている。この固定用係合部144eの奥側には、固定用係合部144eに螺合する後述するレンチ145のカップリング軸145yの先端部145g(図14参照)を回転自在に収容する退避部144fが形成されている。
そして、ラグスクリュウ143の基端部143bの回転係合部143dに連結部144aを係合させて軸線周りに回転しないように連結し、操作部144bを回転させて連結用被係合部144gを連結用係合部143eに接続することにより、ラグスクリュウ143とインサータ144とが固定される。このとき、被係合部143cと係合部144dとが嵌合することにより、ラグスクリュウ143とインサータ144とが既定の軸線周りの相対的回転姿勢で連結固定されるように構成されており、これによって、インサータ144を介して、ラグスクリュウ143と後述するレンチ145とを接続したとき、ラグスクリュウ143の凹溝143fと、後述するレンチ145の凹溝145fとが同じ角度位置にくるようになっている。換言すれば、上記被係合部143cと係合部144dとの嵌合形状により、凹溝143fと145fとが同じ角度位置にくる態様でのみ、骨接合具(ラグスクリュウ143)と延長軸(インサータ144)とを連結できるようになっている。この場合、上記の凹溝145fは案内スリーブ121の回転位置決め部材121eに嵌合したことを操作者に伝える機能を有するので、凹溝143fの位置が所定の角度位置にあるか否かを正確に知ることができる。このようにすると、上記の回転係合部143dと上記の連結部144aの連結構造を、凹溝143fと145fの角度位置(図示例では90度間隔の位置に形成されている。)と整合しない角形状(図示例では6角の嵌合形状)とすることができるので、凹溝143fと145fの角度位置を整合させるための制約を受けることなしに、回転トルクの伝達特性が良好な連結構造とすることができる。
次に、上記ラグスクリュウ143及びインサータ144を案内スリーブ121内に導入し、レンチ145を用いてガイドピン125に沿ってねじ込んでいく。レンチ145には、図8(c)に示すように、インサータ144の工具係合部144cに嵌合する嵌合部145aと、外周面上に形成されたネジ部145bと、このネジ部145bに螺合可能に構成されたナット(図示例ではスリーブ付きナット)145cと、ハンドル145dと、軸内に挿通されたカップリング軸145yの回転操作部145eとが設けられている。回転操作部145eに接続されたカップリング軸145yは、図14に示すように、その先端部145gがインサータ144の基端に設けられた固定用係合部144eと螺合するように構成されている。これにより、上記嵌合部145aがインサータ144の工具係合部144cに嵌合した状態において、回転操作部145eを回転操作することにより操作部144bの端部に螺合し、これによってインサータ144とレンチ145とが軸線方向に固定され、また、レンチ145を介してラグスクリュウ143を牽引可能な状態とすることができるようになっている。
また、レンチ145の外周面には、その軸線方向に伸びる凹溝145fが設けられている。この凹溝145fは、インサータ144の工具係合部144cに嵌合部145aを嵌合させたとき、ラグスクリュウ143の外面上に設けられた凹溝143fと同じ角度位置に配置されるように構成されている。図示例では、凹溝143f、145fはいずれも90度間隔で4本形成されている。
なお、上記先端部145gが固定用係合部144eと螺合した状態でさらに回転操作部145eを回転させていくと、やがて先端部145gは退避部144f内に入り込み、それ以上回転操作部145eを回転させても空回りしインサータ144及びラグスクリュウ143が回転しないように構成されている。これは、カップリング軸145yとインサータ144との間に軸力が働いていると、レンチ145をインサータ144から取り外す際に、カップリング軸145yとともにインサータ144が連れ回ることにより、インサータ144がラグスクリュウ143から脱落してしまうといったことを防止するためである。
なお、本実施形態では、インサータ144を介して骨接合具であるラグスクリュウ143をレンチ145により操作するようにしているが、インサータ144を介することなく、レンチ145にて直接ラグスクリュウ143を操作するようにしても構わない。ただし、上記のように延長軸(インサータ144)を骨接合具(ラグスクリュウ143)の基端に連結して骨内に導入し、その後、後述するように案内装置100を取り外した場合でも、延長軸(インサータ144)を骨接合具(ラグスクリュウ143)に連結したまま残しておくことで、延長軸(インサータ144)の基端が患者の皮膚近傍に位置し、若しくは皮膚外に突出した状態となっているので、接合具(ラグスクリュウ143)に対する更なる調整操作を行う場合(例えば、後述するエンドキャップ若しくはセットスクリュウを取り付ける際にラグスクリュウの回転姿勢を調整する場合など)において、容易に骨接合具(ラグスクリュウ143)の回転操作を行うことが可能になる。この場合、工具(レンチ145)を延長軸(インサータ144)に係合させることによって骨接合具(ラグスクリュウ143)を操作(ねじ込み操作)できるように構成されていることが好ましい。
図10は、上記レンチ145によってラグスクリュウ143を大腿骨1にねじ込んだ様子を示すものである。ここで、ラグスクリュウ143は、髄内釘10の上記横断孔11cを通して大腿骨1の骨頭部1aの内部までねじ込まれる。案内スリーブ121にはレンチ145が導入され、レンチ145の上記凹溝145fが案内スリーブ121の上記回転位置決め部材121f(図3参照)に係合して、レンチ145の操作をする者が、凹溝145fが回転位置決め部材121fに嵌合した回転角度位置をクリック感により知ることができるようになっている。そして、上記の回転角度位置でレンチ145の回転を停止させると、ラグスクリュウ143の上記凹溝143fの一つが必ず垂直上方に向く(すなわち、ラグスクリュウ143が軸孔11aに正対する姿勢になる)ようになっている。
ラグスクリュウ143が適宜の位置までねじ込まれると、上記回転操作部145eを用いてインサータ144とレンチ145とが上記のように(すなわち操作軸144yとカップリング軸145yとの接続により)連結固定された状態では、ナット145cをネジ部145bに螺合させ、ナット145cの先端を案内スリーブ121の基端(拡大部121B)に当接させながらさらにねじ込むことにより、ラグスクリュウ143を手前側(髄内釘10側)に引き込むことができる。これによって、大腿骨1の骨頭部1aと大腿骨の管状骨部との間に圧縮力を与えることができるので、大腿骨1の骨折線1x(図1参照)を確実に密着させ、整復状態にすることができる。
次に、図11に示すように、案内装置本体110から案内スリーブ121,122を取り外し、遠位スクリュウ用の案内スリーブ151,152を案内ユニット114に装着し、補助スリーブ153,154、ピンオウル155、或いは、図示しないドリル工具などを用いて、上記のキャンセラススクリュウ141及びラグスクリュウ143とほぼ同様の手順で、図12に示すように、上記髄内釘10の横断孔12a,12bを通して大腿骨1に遠位スクリュウ146,147をねじ込み、髄内釘10を大腿骨1に完全に固定する。このときにも、図11に点線で示すスリーブ保持体132を用いて予め案内スリーブ151と152を一体に保持した状態で案内ユニット114に装着してもよい。
その後、図12に示すように、工具などを用いて接続ネジ113を取り外し、案内装置本体110の接続部111を髄内釘10から取り外す。そして、図13に示すように、髄内釘10の軸孔11aにエンドキャップ(或いはセットスクリュウ)161又は162をねじ込む。ここで、エンドキャップ161を装着すると、エンドキャップ161が上記の係合部材13(図1参照)を下方に押し下げることにより、係合部材13の下端がラグスクリュウ143の凹溝143fに係合して、ラグスクリュウ143がその軸線周りには回転しないが、ラグスクリュウ143がその軸線方向にスライド可能な状態にすることができる。また、エンドキャップ162を装着すると、上記係合部材13をさらに下方に押し下げることにより、上記係合部材13の下端が凹溝143fの内面に当接し、ラグスクリュウ143が軸線方向にもスライドしない完全固定状態にすることができる。
エンドキャップ161,162を軸孔11a内にねじ込む場合には、レンチ165をインサータ144に係合させて、凹溝143fの回転角度位置が上記係合部材13の下端に整合するように調整する。ただし、本実施形態の場合には、先のレンチ145により、ラグスクリュウ143の回転角度が凹溝143fの一つが上方を向くように設定されているので、実際にはレンチ165を用いて僅かな微調整を行うだけで足りる。なお、レンチ165にも凹溝165fが形成されている。この凹溝165fは、レンチ165をインサータ144を介してラグスクリュウ143に連結したとき、ラグスクリュウ143の凹溝143fと同じ角度位置にくるように構成されている。これによって、ラグスクリュウ143の凹溝143fの角度位置を視覚的に推定しやすく構成してある。
尚、本発明の骨手術用案内装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記の骨手術用案内装置100は大腿骨に適用した例に過ぎず、本発明の骨手術用案内装置は、大腿骨以外の他の骨、例えば、上腕骨などにも適用することができる。また、上記実施形態では、案内装置本体に対して案内スリーブを挿通させ、これを締め付け固定することによって装着するように構成されているが、案内装置本体に対して案内スリーブを側方から嵌入させ、これを締め付け固定することによって装着するように構成してもよいなど、案内装置本体と案内スリーブとの装着態様は任意である。なお、骨接合具などを操作できるもの(特に回転操作できるもの)であれば、上記レンチの代わりに、レンチ以外の任意の工具を用いても構わない。
髄内釘に案内装置本体を接続した状態を示す側面図。 案内装置本体、案内スリーブ及びスリーブ保持体を示す概略斜視図。 案内スリーブ及びスリーブ保持体の一体構造を示す概略斜視図(a)、一体構造を軸線方向に見た図(b)、スリーブ保持体の縦断面図(c)、案内スリーブの端部断面図(d)、並びに、レンチの横断面図(e)。 ガイドピンを用いて案内スリーブの案内方向を確認する正面像を示す図(a)及び側面像を示す図(b)。 ピンオウルを適用した状態を示す側面図(a)及び(b)。 ガイドピンの挿入状態を示す側面図。 キャンセラススクリュウをねじ込んだ状態を示す側面図。 ラグスクリュウとインサータの結合状態を示す図(a)、ラグスクリュウとインサータの分離状態を示す図(b)、及び、レンチを示す図(c)。 ラグスクリュウ及びインサータの断面図(a)及びラグスクリュウとインサータの連結構造を拡大して示す部分拡大図(b)。 ラグスクリュウをねじ込んだ状態を示す側面図。 遠位スクリュウを取り付ける前の案内スリーブの適用状態を示す側面図。 案内装置本体を取り外す際の状態を示す側面図。 エンドキャップを取り付ける際の状態を示す側面図。 ラグスクリュウ、インサータ、案内スリーブ及びレンチの接続構造を示す部分断面図。
符号の説明
100…骨手術用案内装置、110…案内装置本体、111…接続部、112…案内部、113…接続ねじ、114…案内ユニット、121,122,151,152…案内スリーブ、131,132…スリーブ保持体、131a…貫通孔、131b…スリット、131c1〜131c4…副案内構造、141…キャンセラススクリュウ、142,145,165…レンチ、143…ラグスクリュウ、144…インサータ、146,147…遠位スクリュウ、10…髄内釘、11a…軸孔、11b,11c,12a,12b…横断孔、13…係合部材

Claims (8)

  1. 骨に適用される骨手術器具をガイドするための骨手術用案内装置であって、
    骨に対して直接若しくは間接的に位置決め固定されるように構成された案内装置本体と、該案内装置本体により骨に向けて案内されるとともに前記骨手術器具を案内可能に構成された複数の案内スリーブと、前記複数の案内スリーブを相互に前記案内装置本体に装着したときの所定の位置関係になるように一体に保持可能に構成されたスリーブ保持体とが設けられていることを特徴とする骨手術用案内装置。
  2. 前記スリーブ保持体は、前記複数の案内スリーブを軸線方向に移動可能に保持することを特徴とする請求項1に記載の骨手術用案内装置。
  3. 前記スリーブ保持体は、前記複数の案内スリーブが相互に平行に保持されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の骨手術用案内装置。
  4. 前記複数の案内スリーブのうち少なくとも一の前記案内スリーブには拡大された基部が設けられ、
    前記スリーブ保持体により保持された状態において、前記一の案内スリーブの前記基部と他の前記案内スリーブとが当接することにより、前記一の案内スリーブと前記他の案内スリーブとが相互に回転方向に位置決めされることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の骨手術用案内装置。
  5. 前記スリーブ保持体には、前記複数の案内スリーブのうち少なくとも一の前記案内スリーブの案内方向と平行な案内方向を有する、照準器具のための副案内構造が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の骨手術用案内装置。
  6. 前記副案内構造の案内方向は、前記案内装置本体を通過しないように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の骨手術用案内装置。
  7. 前記副案内構造は案内孔若しくは案内溝であることを特徴とする請求項5又は6に記載の骨手術用案内装置。
  8. 前記スリーブ保持体に対する前記複数の案内スリーブのうちの少なくとも一の前記案内スリーブの軸線周りの回転姿勢を位置決めする第1の回転位置決め手段と、前記一の案内スリーブに対する前記骨手術器具の軸線周りの回転姿勢を位置決めする第2の回転位置決め手段とを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の骨手術用案内装置。
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