JP2005333809A - JCウイルスのアグノタンパク質に対するsiRNA、及びそれを含有してなる医薬組成物 - Google Patents

JCウイルスのアグノタンパク質に対するsiRNA、及びそれを含有してなる医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、アグノタンパク質の発現を抑制し、JCウイルスの増殖を抑制することによりJCウイルス感染症、例えば進行性多巣性白質脳症(PML)を治療するための医薬組成物、そのためのポリヌクレオチド、及びその使用を提供する。
【解決手段】
本発明は、JCウイルスのアグノタンパク質をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)を用いるRNAi法によるJCウイルス感染細胞に対する治療のための医薬組成物、そのための有効成分であるポリヌクレオチドを提供するものである。本発明は、JCウイルスのアグノタンパク質をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子、及び製薬学的に許容される担体を含有してなるJCウイルス感染症の治療のための医薬組成物、そのためのポリヌクレオチド、それらの製造のための使用に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)を用いるRNAi法によるJCウイルス感染細胞に対する治療のための医薬組成物、そのための有効成分であるポリヌクレオチドを提供するものである。本発明は、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子、及び製薬学的に許容される担体を含有してなるJCウイルス感染症の治療のための医薬組成物、そのためのポリヌクレオチド、それらの製造のための使用に関する。
JCウイルスはヒト大脳に脱髄病変を生じる進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)の原因ウイルスである。JCウイルスはポリオーマウイルス属に属する2本鎖環状DNAウイルスであり、幼・小児期に過半数の人が感染し一生の持続感染を起こす。通常は70%以上の健常人の尿路系に不顕性感染しているが、健常人で発症に至ることは極めてまれなことであった。しかし、宿主が後天性免疫不全症候群(AIDS: Acquired Immunodeficiency Syndrome)などにより免疫不全状態に陥ると脳に移行し、オリゴデンドログリアに感染し増殖することで致死的な脱髄を起こす。また、ミエリン生成細胞である希突起膠細胞 (oligodendrocytes)が損傷を受けることも報告されている。さらに、最近では痴呆症の原因の一部としてJCVとの関係も指摘されてきている。
1984年にフリスク (Frisque)らはPML患者の脳組織よりJCウイルス(Mad-1株)を分離し(非特許文献1参照)、その後、JCウイルスの感染について抗JCウイルス抗体を用いる抗原の検出や、免疫組織染色法などの各種の診断法が開発されてきている(非特許文献2参照)。例えば、JCウイルス粒子の製造方法及びJCウイルス外郭蛋白の製造方法に関するもの(特許文献1参照)、JCウイルスのVP−1タンパク質を抗原とする抗JCウイルス抗体による診断法(特許文献2〜4参照)などについての特許出願がなされている。
また、PMLの治療法については、現在の段階では未だ有効な臨床的な治療法は確立されていない。PMLの治療法については、AMPA受容体又はカイニン酸受容体が関与する疾患の治療剤としてのピリダジノンおよびトリアジノン化合物類を使用する方法(特許文献5参照)、及び、1,2−ジヒドロピリジン化合物類を使用する方法(特許文献6参照)などが提案されているが、有効な治療薬は未だ開発されていないのが現状である。また、シトシンアラビノサイド(cytosine arabinoside)やシドフォビル(cidofovir)による治療は、PMLに罹った個体での有効性を証明することに失敗している。DNAトポイソメラーゼを阻害してインビトロでJCウイルスの複製を遮断するトポテカン(topotecan)による治験が現在進行中である。
さらに、本発明者らは、JCウイルスの増殖を阻止する目的としてJCウイルスが有する遺伝子のうちで最も小さな遺伝子であるアグノ(agno)タンパク質のアミノ酸配列を変異させてこの遺伝子の発現を停止させると、JCウイルスの増殖が阻止されることを見出してきている(特許文献7参照)。
一方、近年になって、特定の遺伝子の発現を抑制する手法のひとつとしてRNAi(RNA interference)法が開発されてきた。RNAiは、もともと2本鎖RNAの導入により、それと相同なRNAの発現が強力に抑制されるという生命現象として1998年に発見されたものであり、この現象を利用して2本鎖RNA(dsRNA)の導入により標的とする特定の遺伝子の発現を抑制する方法である。細胞に導入された長い(数百塩基対)dsRNAは、Dicerという2本鎖RNA(dsRNA)を特異的に切断するRNaseIII様の酵素により分解されて、21〜25塩基対程度の短いdsRNA(これを、small interfering RNA(siRNA)と呼ぶ。)を生成する。このsiRNAが1本鎖の解離し、解離した1本鎖のsiRNAが複合体RISC(RNA-induced silencing complex)として標的のmRNAを特異的に認識して切断することにとり、当該mRNAの発現が抑制されることになる。RNAi法としては、dsRNAの導入に代えて、siRNAを導入することも行われている。
siRNA(small interfering RNA)によるRNAi法が、細胞やウイルスの遺伝子発現を抑制するアプローチとして現在広く使用されるようになってきている(非特許文献3参照)。siRNAsをウイルスと同時にあるいは事前に投与することによってウイルスの感染を防げることが数々の研究によって示されている(非特許文献4参照)が、細胞や組織でいったん確立した感染をRNAiによって除去することは実証されていない。
特開平09−224658号 特開平09−067397号 特表2000−500973号 特開2003−061693号 再公表公報WO02/022587号 再公表公報WO01/096308号 特開2003−160510号 Frisque,R.J. et al., J. Virol., 51, 458-469, 1984 E.O.Major, et al., Clin. Microbiol. Rev., 5, 49-73, 1992 Gitlin L., et al., Nature, vol.418, pp.430-434, 2002 Andino R., Nature Biotechnol., vol.21, pp.629-630, 2003
本発明は、アグノタンパク質(Agnoprotein)の発現を抑制し、JCウイルスの増殖を抑制することによりJCウイルス感染症、例えば進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)を治療するための医薬組成物、そのためのポリヌクレオチド、及びその使用を提供する。
本発明者らは、JCウイルスの増殖を抑制するために、アグノタンパク質(Agnoprotein)の発現を抑制すればよいことを報告してきた(特許文献7参照)が、そのためにはアグノタンパク質をコードする遺伝子(agno遺伝子)の塩基配列を改変するなど、煩雑な操作を必要としていた。そこで、簡便な手法で当該アグノタンパク質(Agnoprotein)の発現を抑制できる手法を検討してきたところ、RNA干渉(RNAi)法により感染後の細胞においても短い干渉RNA(small interfering RNA:siRNA)を感染細胞に導入することにより、当該細胞における感染を治療することができることを実証することに成功し、JCウイルスの感染細胞における治療剤として短い干渉RNA(siRNA)が有効であることを見出した。
即ち、本発明は、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子、及び製薬学的に許容される担体を含有してなるJCウイルス感染症の治療のための医薬組成物に関する。
また、本発明は、前記本発明の医薬組成物の有効成分となる短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子であるポリヌクレオチド、より詳細には、DNAの配列として表記したときに少なくとも5’‐ggtgaagacagtgtagacg‐3’の塩基配列若しくはその相補配列又は対応するRNAの配列を有する、40塩基以下の長さからなるポリヌクレオチド、又は、DNAの配列として表記したときに少なくとも5’‐aaagacagagacacagtgg−3’の塩基配列若しくはその相補配列又は対応するRNAの配列を有する、40塩基以下の長さからなるポリヌクレオチドに関する。
さらに、本発明は、前記した本発明のポリヌクレオチドの使用に関する。より詳細には、本発明の使用は、JCウイルス感染症を治療するための、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子の使用、及び、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子、及び製薬学的に許容される担体を含有してなるJCウイルス感染症の治療のための医薬組成物の製造のための、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子の使用に関する。
さらに、本発明は、JCウイルス感染症の患者に、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子、及び製薬学的に許容される担体を含有してなるJCウイルス感染症の治療のための医薬組成物の有効量を投与することからなるJCウイルス感染症、例えば進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)を治療する方法に関する。
また、本発明は、JCウイルスに感染した細胞又は生体に、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子を導入することからなるJCウイルスの増殖を抑制する方法に関する。
JCウイルスは、5,130bpの2本鎖環状DNAを有するウイルスで、複製開始起点の塩基を1番(nt.1)とした場合、agno遺伝子はnt.277−492にコードされ、アグノタンパク質(Agnoprotein)は71個のアミノ酸からなるタンパク質である。アグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子(agno遺伝子)の塩基配列を配列表の配列番号1に示し、アグノタンパク質(Agnoprotein)のアミノ酸配列を配列番号2に示す。また、JCウイルスの後期mRNAのひとつであるアグノタンパク質及びVP−1をコードするmRNAの塩基配列を配列番号3に示す。
本発明におけるJCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)としては、agno遺伝子から転写されて生成されるmRNAの塩基配列(センス配列)と相同な連続した少なくとも10塩基以上、好ましくは15塩基以上、より好ましくは19塩基以上の塩基配列を有する15〜40塩基、好ましくは15〜30塩基、15〜25塩基、又は19〜25塩基の長さを有し、全長において少なくとも90%以上、好ましくは100%の相同性を有する2本鎖RNAである。このようなsiRNAの塩基配列は、agno遺伝子のmRNAの翻訳領域又は非翻訳領域のどの部分から選択してもよいが、好ましくは翻訳領域から選択され、またsiRNAの全体のGC含量が70%以下、好ましくは30〜70%、30〜60%程度となるように選択されるのが好ましい。好ましい塩基配列としては、センス側の配列として、
5’‐ggugaagacaguguagacg‐3’、及び、
5’‐aaagacagagacacagugg−3’、
からなる群から選ばれた1又は2種からなるRNAが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明における短い干渉RNA(siRNA)は、3’末端に5塩基以下、好ましくは2塩基からなる塩基対を形成しない塩基が存在していることが好ましい。このような塩基対を形成しない塩基の配列としては、例えばug−3’、uu−3’、tg−3’、tt−3’などの配列が挙げられるが、これに限定されるものではない。このような塩基対を形成しない塩基が存在している好ましい例としては、センス側の配列として、
5’‐ggugaagacaguguagacg−dt−dg‐3’、及び、
5’‐aaagacagagacacagugg−dt−dt−3’、
(式中、dt及びdgは塩基対を形成しない塩基を示す。)
からなる群から選ばれた1又は2種からなるRNAが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明における短い干渉RNA(siRNA)としては、前記してきた塩基配列を有するRNAと、その相補鎖からなる2本鎖RNAが挙げられるが、ヘアピンループ型の構造をとることにより、前記した15〜40塩基、好ましくは15〜30塩基、15〜25塩基、又は19〜25塩基の長さの部分が2本鎖となるような構造であってもよい。この場合におけるヘアピンループのループ部分の塩基配列としては、ループを形成することができる配列であれば特に制限はない。
また、本発明は、DNAの配列として表記したときに少なくとも5’‐ggtgaagacagtgtagacg‐3’の塩基配列若しくはその相補配列又は対応するRNAの配列を有する、40塩基以下の長さからなるポリヌクレオチドを提供するものであり、当該ポリヌクレオチドは、DNAであってもよいし、RNAであってもよく、さらに2本鎖のRNAであってもよい。これらのポリヌクレオチドは、3’末端に5塩基以下、好ましくは2塩基からなる塩基対を形成しない塩基が存在していることが好ましい。
さらに、本発明は、DNAの配列として表記したときに少なくとも5’‐aaagacagagacacagtgg−3’の塩基配列若しくはその相補配列又は対応するRNAの配列を有する、40塩基以下の長さからなるポリヌクレオチドを提供するものであり、当該ポリヌクレオチドは、DNAであってもよいし、RNAであってもよく、さらに2本鎖のRNAであってもよい。これらのポリヌクレオチドは、3’末端に5塩基以下、好ましくは2塩基からなる塩基対を形成しない塩基が存在していることが好ましい。
これらの本発明のポリヌクレオチドは、人工的に合成したものであってもよいし、生体内や細胞内で発現させたものであってもよい。
本発明におけるJCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子(agno遺伝子)に対する短い干渉RNA(siRNA)を形成し得る遺伝子としては、生体内において前記した短い干渉RNA(siRNA)のセンス鎖からなるRNA及びアンチセンス鎖からなるRNAを生成させることができ、これらからなる2本鎖RNAを形成することができるものであれば特に制限はない。例えば、前記したRNAを細胞内で発現することができる遺伝子、好ましくはDNAである。このような遺伝子としては、センス鎖のRNAを発現できる遺伝子とアンチセンス鎖のRNAを発現できる遺伝子との組み合わせからなる遺伝子が挙げられる。各々の遺伝子のプロモーターは同じ条件で発現するものであってもよいし、異なる条件で発現でするプロモーターであってもよい。
また、前記したヘアピンループ型の構造をとるRNAを発現させる場合には、ヘアピンループ型の構造をとるRNAの全長を発現することができる遺伝子、例えば、プロモーターの下流側にセンス鎖のRNAをコードする配列、ループ部分をコードする配列、アンチセンス鎖のRNAをコードする配列、ポリTストレッチ配列、及びストップコドンからなる塩基配列を有する遺伝子を用いることができる。
本発明の短い干渉RNA(siRNA)を形成し得る遺伝子におけるプロモーターとしては、恒常的に発現するためのプロモーターであってもよいし、特定の条件下で発現するためのプロモーターであってもよい。例えば、RNAポリメラーゼIII(polIII)プロモーター(Brummerlkamp,T.R., et al., Science, 297, 1352-1354, 2002)、U6プロモーター(a) Lee NS. et al., Nature Biotech. 20, 500-505, 2002;b) Miyagishi M. & Taira K., Nature Biotech. 20, 497-500, 2002;c) Paul CP. et al., Nature Biotech. 20, 505-508, 2002)、H1プロモーター(Brummelkamp TR et al: Science 296, 550-553, 2002)、tRNAプロモーター(Oshima K., et al., Cancer Research 63, 6809-6814, 15, 2003)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記してきた本発明の短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子を、生体内や細胞内に導入する方法としては、公知の各種の手法を採用することができる。例えば、センス鎖及びアンチセンス鎖のそれぞれの1本鎖RNAを直接導入する方法や、環状RNAとして導入する方法、またDNAの場合には公知の遺伝子導入法、例えば、プラスミドやウイルスなどのベクター、例えばレンチウイルスベクター(Rubinson, D.A. et al., Nature Genet. 33, 401-406, 2003)などを使用する方法などを採用することができる。したがって、本発明の医薬組成物における短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子としては、単にこれらのポリヌクレオチドそのものだけでなく、これらのポリヌクレオチドを含有する遺伝子導入用の遺伝子、例えば、これらのポリヌクレオチが生体内に導入するためのベクターに組み込まれている遺伝子などのすべての態様の遺伝子を包含するものである。
本発明は、JCウイルス感染症の治療、即ちJCウイルスに既に感染した細胞においても、JCウイルスのJCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子(agno遺伝子)に対する短い干渉RNA(siRNA)を用いるRNAi法が有効であることという技術的思想に基づくものであり、既存のRNAi法の応用を本発明の具体的な適用に応用可能であることは当業者が容易には理解されるところである。例えば、
WO00/63364号(特表2002−542263号)には、各種のウイルスに対するアンチセンスの適用やRNAi法の適用が開示されており、この記載を参照して本明細書に取り込む。また、WO01/092513号(特表2003−535583号)には、RNAi法に随伴する因子類の操作によりRNAi媒介遺伝子サイレンシングを増強するための改良法が開示されており、この記載を参照して本明細書に取り込む。
本発明の医薬組成物は、前記してきた短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子を単独で使用する場合も包含しているが、医薬組成物を形成するための製薬学的に許容される担体をさらに含有しているものも包含している。本発明の製薬学的に許容される担体としては、本発明の短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子を生体に投与又は導入するための処方をなすものであり、生理学的に無害で不活性なものが挙げられる。このような担体としては、例えば、殺菌水、生理食塩水、リン酸緩衝液、エタノール、グリセリン、ショ糖、乳糖などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、本発明の医薬組成物は、薬学上許容可能なその他の任意の成分、例えば、溶解補助剤などの各種の補助剤、安定剤、pH調節剤、及び他の活性成分などが含まれていてもよい。
さらに、本発明の医薬組成物には、細胞へのRNAや遺伝子の導入を促進する物質、例えば、局所麻酔剤、リポソームなどの脂質、ポリリジンなどのポリカチオン、カチオン性界面活性剤などをさらに含有することもできる。
本発明の医薬組成物の具体的な処方としては、投与するRNA分子やDNA分子の形態や、患者の状態にもよるが、注射剤、外用剤、坐剤などの各種の剤型とすることができ、溶液状、乳化状、ゲル状、ゾル状などの各種の製薬形態をとることができる。
本発明の医薬組成物の投与量、投与間隔などは、患者の性別、年齢、体重、及び病態などの各種条件等に応じて適宜設定される。好ましい投与量としては、agno遺伝子のmRNA1個当たり1〜10個、好ましくは3〜6個程度のsiRNAが導入される量が上げられる。
本発明の医薬組成物は、JCウイルスの増殖を抑制し、JCウイルス感染症を治療することができる。本発明のJCウイルス感染症としては、進行性多巣性白質脳症、特にヒト進行性多巣性白質脳症、痴呆症などのJCウイルスの感染に起因する各種の疾患が挙げられる。本発明の医薬組成物は、JCウイルスに感染している細胞、哺乳動物由来の細胞、ヒト細胞、又は哺乳動物などの動物やヒトに投与される。
また、本発明は、JCウイルス感染症を治療するための、前記してきた本発明のJCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子の使用、及び本発明の医薬組成物の製造のための、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子の使用を提供するものである。
次に、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの具体的な説明に限定されるものではない。
本発明者らは、JCウイルス感染細胞でのJCウイルスの増殖の阻害を試験するために、3つの異なるJCウイルスタンパク質を標的としたsiRNAを設計した。即ち、JCウイルスのアグノタンパク質をコードする遺伝子(agno遺伝子)を標的とするAg122及びAg147、VP−1タンパク質をコードする遺伝子(VP−1遺伝子)を標的とするVP274及びVP691、並びにラージT抗原(Large T antigen; T-Ag)をコードする遺伝子を標的とするLT78及びLT134を設計した。これらの2本鎖のRNAはそれぞれの3’−末端に2個の非対の塩基を有している。
これらのsiRNAを次に示す。
Ag122: センス鎖 5'-GGUGAAGACAGUGUAGACG-dTdG-3'
アンチセンス鎖 3'-dGdT-CCACUUCUGUCACAUCUGC-5'
Ag147: センス鎖 5'‐AAAGACAGAGACACAGUGG-dTdT-3'
アンチセンス鎖 3'-dTdT-UUUCUGUCUCUGUGUCACC-5'
VP274: センス鎖 5'‐UGAGGAUCUAACCUGUGGA-dTdT-3'
アンチセンス鎖 3'-dTdT-ACUCCUAGAUUGGACACCU-5'
VP691: センス鎖 5'−UACUGCCACAACAGUGCUG-dTdT-3'
アンチセンス鎖 3'-dTdT-AUGACGGUGUUGUCACGAC-5'
LT78 : センス鎖 5'−UUCCUGUCAUGAGAAAAGC-dTdG-3'
アンチセンス鎖 3'-dGdT-AAGGACAGUACUCUUUUCG-5'
LT134: センス鎖 5'−GGUGGGGACGAAGACAAGA-dTdT-3'
アンチセンス鎖 3'-dTdT-CCACCCCUGCUUCUGUUCU-5'
JCウイルスの早期mRNA類および後期mRNA類は、選択的スプライシングにより生成され、主な後期mRNAの二つの主要な型は、アグノタンパク質及びVP−1をコードするmRNAと、アグノタンパク質、VP−2及びVP−3をコードするmRNAである。主な早期mRNAとしてはスプライシングによる異型として翻訳されるスモールt抗原とラージT抗原(T−Ag)をコードするmRNAである。これらのmRNAと前記してきたsiRNAの関係を図1に示す。図1の上段はラージT抗原又はスモールt抗原(small t antigen)をコードする早期mRNA(Early mRNA)を示し、図1の下段はアグノタンパク質及びVP−1をコードするmRNAと、アグノタンパク質、VP−2及びVP−3をコードするmRNAの後期mRNA(Late mRNA)を示す。図1中の矢印は、前記した本発明で設計されたsiRNAの標的となるウイルスRNA類の領域を示す。
JCウイルス(Mad−1/SVEΔ株、赤血球凝集活性が細胞3×10個あたり1024単位)をSVG−A(SV40形質転換ヒト胎児グリア)細胞に接種し、接種4日後に、JCウイルスに特異的なそれぞれのsiRNAをリポフェクション法により導入した。siRNA導入後におけるJCウイルスのVP−1及びアグノタンパク質に対するイムノブロッティングを行った。結果を図2に図面に代わる写真で示す。図2の横方向は、siRNA導入後からの経過日数(dpi:days postinfection)を示し、図2の上段はVP−1を示し、下段はアグノタンパク質を示す。この結果、VP−1やアグノタンパク質などのJCウイルスの後期に発現するタンパク質は、siRNAを導入した2日後(2dpi)からイムノブロッティングによって検出され、導入4日後(4dpi)では大量に検出された(図2参照)。
そこで、ウイルスの接種から4日後及び6日後のそれぞれの時点で、リポフェクタミン2000(インビトロジェン社)を用いてSVG−A細胞へ各siRNA(120pmol/細胞6×10個)を導入した。約80%のSVG−A細胞において、フルオレセイン色素結合Ag122siRNAを導入することに成功した(ここでは、データは示していない。)。
2回目のsiRNAの導入(ウイルス接種から6日後)から48時間後での、それぞれのsiRNA導入細胞におけるJCウイルスのアグノタンパク質、VP−1、及びSV40ラージT抗原の発現量を、アグノタンパク質、VP−1に関しては本発明者らが作製した特異抗体を、ラージT抗原に関してはAb−2(オンコジーンリサーチプロダクト社)を用いて、イムノブロッティングを行った。対照として、哺乳動物細胞には存在しないスクランブル配列を持つsiRNA(ダーマコン社)を導入した細胞を用いた。結果を図3に図面に代わる写真で示す。図3の横方向は導入したsiRNAを示し、縦方向はタンパク質の種類を示す。下段のアクチンは、陽性コントロールである。
また、ラミンA/C(LaminA/C)特異的siRNA、または、60pmol/ウェルもしくは120pmol/ウェルのAg122siRNAを導入したJCウイルス感染細胞での、ラミンA/C(LaminA/C)、LT、VP−1、アグノタンパク質、及びアクチンのそれぞれのタンパク質に対するイムノブロッティングを行った。コントロール(Cont)として、細胞に疑似物質を導入したものを用いた。結果を図4に図面に代わる写真で示す。図4の横方向は、導入したsiRNAを示し(Ag122の左側は60pmol/ウェルの場合を示し、右側は120pmol/ウェルの場合を示す。)、縦方向は各タンパク質の種類を示す。下段のアクチンは陽性コントロールである。
この結果、Ag122、Ag147又はVP274を導入した細胞では、ウイルスの蛋白質の顕著な減少が示された(図3参照)。また、Ag122は、アグノタンパク質の発現だけでなくVP−1の発現をも用量依存的に阻害したが、ラージT抗原、ラミンA/C(LaminA/C)又はアクチンの発現量には影響しなかった(図3及び図4参照)。さらに、VP274は、VP−1だけでなくアグノタンパク質の発現も抑制することが示された(図3参照)。
SV40ラージT抗原の抗体は、SV40形質転換細胞において、JCウイルスのラージT抗原とSV40のラージT抗原(これらの2つのタンパク質はアミノ酸配列で70%以上の相同性を有する)を区別することができない。そこで本発明者らは、LT78とLT134のJCウイルスのラージT抗原発現に対する効果を、逆転写反応(RT)−PCRで評価した。その結果、どちらのsiRNAを細胞に導入しても、JCウイルスのラージT抗原のmRNAの発現量は影響を受けなかった(ここではデータは示していない。)。
次に、JCウイルス感染細胞におけるAg122及びVP274の効果を、間接蛍光抗体免疫染色を用いて試験した。siRNA導入の48時間後、メタノールで固定した細胞をVP−1又はアグノタンパク質の抗体で処理し、次にアレクサフルオル488(Alexa Fluor 488)の結合した抗ウサギ二次抗体(モレキュラープローブ社)で処理した。VP−1又はアグノタンパク質に陽性である細胞は共焦点レーザー顕微鏡(オリンパス社)で可視化され、6フィールドで計測された。アグノタンパク質又はVP−1陽性である細胞の割合を間接蛍光抗体免疫染色により測定した結果を図5にグラフで示す。図5の左側はアグノタンパク質の場合であり、右側はVP−1の場合を示す。各グラフの縦軸は、それぞれのタンパク質の陽性を示した細胞の、スクランブルsiRNAが導入された細胞に対する割合(% of sc)を示し、各グラフの左側の黒抜き部分はスクランブルsiRNAを導入した場合を示し、その右側の灰色部分はAg122が導入された場合を示し、その右側の灰色部分はVP274が導入された場合を示し、右側の白抜き部分はAg122及びVP274の両者が導入された場合を示す。各データは少なくとも3回の独立した試験での平均値±標準偏差である。図5のグラフ中の**印は、P<0.02(スチューデントのt検定)で有意差があることを示す。
この結果、アグノタンパク質陽性細胞の割合は、スクランブルsiRNAを導入された細胞の値と比べ、Ag122が導入された細胞、Vp274が導入された細胞、及びその両方のsiRNAが導入された細胞において有意に減少していた(図5参照)。同様に、VP−1陽性細胞の割合は、Ag122が導入された細胞、VP274が導入された細胞、及びAg122とVP274の両方が導入された細胞において有意に減少した。
そこで、Ag122若しくはVP274、又はその両方のsiRNAが導入された細胞でのアグノタンパク質及びVP−1のそれぞれの発現の阻害を、イムノブロッティングにより確認することにした。それぞれのsiRNAが導入されたJCウイルス感染細胞での、VP−1、アグノタンパク質およびアクチンの発現に対するイムノブロッティングの結果を図6に図面に代わる写真で示す。また、アグノタンパク質とVP−1のシグナルをイメージアナライザーにより定量化し、スクランブルsiRNAが導入された細胞での値に対する割合(%)をグラフ化して図7に示す。図6の横方向は導入したsiRNAを示し、縦方向はタンパク質を示す。アクチンは陽性コントロールである。図7の左側はアグノタンパク質の場合であり、右側はVP−1の場合を示す。各グラフの縦軸は、それぞれのタンパク質の陽性を示した細胞の、スクランブルsiRNAが導入された細胞に対する割合(% of sc)を示し、各グラフの左側の黒抜き部分はスクランブルsiRNAを導入した場合を示し、その右側の斜線部分はAg122が導入された場合を示し、その右側の灰色部分はVP274が導入された場合を示し、右側の白抜き部分はAg122及びVP274の両者が導入された場合を示す。
この結果、ウイルスの蛋白質の発現を阻害する程度は、Ag122とVP274を組み合わせによるものと、それぞれのsiRNA単独によるものとで、有意な差はなかった。これは、Ag122もしくはVp274のいずれかによって引き起こされるアグノタンパク質及びVP1の発現の阻害は、これらの蛋白質の双方をコードするポリシストロン性後期mRNAが、それぞれのsiRNAにより減少したことによるものと考えられる。
siRNAはそれと相同な配列を持つmRNAを標的とし、その分解を引き起こすと考えられている。そこで、JCウイルスのmRNAの量に対するAg122及びVP274の効果を試験した。siRNAを導入して12もしくは24時間後の細胞から全RNAを抽出し、DNaseIで処理をした後、スーパースクリプトファーストストランド合成システム(Superscript first-strand synthesis system(インビトロジェン社))で逆転写してGeneAmp5700(アプライドバイオシステムズ社)を用いて、リアルタイムでの定量的PCRを行った。それぞれのウイルスにおけるmRNAの量は、同じサンプル中のβ−アクチンのmRNAの量により規格した。データは、スクランブルsiRNA(コントロール)が導入されたJCウイルス感染細胞での標準化された値に対する割合(%)として表わし、少なくとも3回の独立した試験での平均値±標準偏差である。この結果を図8にグラフ化して示す。図8の左側はアグノタンパク質の12時間及び24時間後の場合であり、右側はVP−1の12時間及び24時間後の場合を示す。各グラフの縦軸は、それぞれのタンパク質のmRNAの量の、スクランブルsiRNAが導入された細胞に対する割合(% of sc)を示し、各グラフの左側の黒抜き部分はスクランブルsiRNAを導入した場合を示し、その右側の斜線部分はAg122が導入された場合を示し、その右側の灰色部分はVP274が導入された場合を示し、右側の白抜き部分はAg122及びVP274の両者が導入された場合を示す。図8中の*印はP<0.05で、**印はP<0.02で有意差があることを示す。
この結果、アグノタンパク質とVP−1のmRNAの発現量は、Ag122若しくはVP274、又はその両方のsiRNAsが導入されたJCウイルス感染細胞で有意に減少していた(図8参照)。しかしながら、ウイルスのmRNA量の減少は、それがコードするタンパク質の発現量の減少ほど大きなものではなかった(図5及び図8参照)。
そこで、(1)RT−PCR反応前に逆転写酵素反応なしでDNaseI処理をし、また(2)逆転写酵素反応の前にRNaseA処理をすることによって、RT−PCRサンプル中にウイルスのDNAが混入してくる可能性を無くした実験を行った。この両方の処理によって、RT−PCRのシグナルが失われたが、これはRT−PCRサンプル中にウイルスのDNAの混入がないことが示されたことになる。siRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC;RNA-induced silencing complex)に結合し、RISCを介する配列特異的なmRNAの切断を誘起することが知られているが、このプロセスの詳細なメカニズムは未解明なままである。JCウイルスの特異的なsiRNAsの効果の大きさが、ウイルスRNAに対する効果とウイルスタンパク質に対する効果とで異なったことの説明のひとつとしては、siRNAと結合した標的RNAが、切断される前にRT−PCRによって検出されたということである。
JCウイルスの増殖に対するRNAi法の効果を試験するために、JCウイルス感染SVG−A細胞の赤血球凝集活性をsiRNA導入36時間後に測定した。JCウイルス感染細胞にそれぞれのsiRNAを導入した36時間後のJCウイルス感染細胞から調製した抽出物について赤血球凝固活性(HA)を分析した。データは、細胞抽出物25μlあたりの赤血球凝固活性力価として表し、少なくとも3回の独立した試験での平均値±標準偏差である。結果を図9にグラフ化して示す。図9の縦軸は細胞抽出物25μlあたりの赤血球凝固活性力価(HA titer/25μL)を示し、グラフの左側の黒抜き部分はスクランブルsiRNAを導入した場合を示し、その右側の斜線部分はAg122が導入された場合を示し、その右側の灰色部分はVP274が導入された場合を示し、右側の白抜き部分はAg122及びVP274の両者が導入された場合を示す。図9中の**印はP<0.02で有意差があることを示す。
この結果、Ag122若しくはVP274、又はその両方のsiRNAsを導入した細胞の赤血球凝集活性は、スクランブルsiRNAを導入した細胞と比較してそれぞれ、6.7%、9.3%、4.1%であった(図9参照)。このように、アグノタンパク質又はVP−1を標的とするsiRNAは、感染細胞でのJCウイルス増殖を大きく阻害した。
以上のことから、JCウイルスに既に感染した細胞でのJCウイルスの増殖を、RNAi法によって顕著に阻害することができることを本発明者が初めて実証し、確認することができた。この結果は、PMLの治療に対する新しいアプローチの開発に重要な意味を持つものであり、PMLに対するRNAi法に基づいた抗ウイルス戦略を適用するには、中枢神経系へのsiRNAの効果的かつ特異的なデリバリーが極めて有効な手段であることを明らかにするものである。
JCウイルス感染SVG細胞においてJCウイルスのアグノタンパク質及びVP−1をコードしているmRNAに特異的なsiRNAを用いてウイルスのタンパク質の発現を抑制することが可能であり、JCウイルス感染価も顕著に低下した。ウイルス感染が成立した後のウイルスの増殖の抑制が可能であることは、実際のウイルス感染症の治療を開発してゆく上で極めて有用であり、これによりウイルスの感染による各種の感染症、例えばPMLや痴呆症の治療が可能となる。
本発明は、siRNAという極めて短い2本鎖RNAの導入という簡便な手法により、JCウイルスに感染した後の細胞におけるJCウイルスの増殖を抑制することができ、当該ウイルスの感染による各種の疾患の治療が可能となった。また、本発明は、JCウイルスに感染した後の細胞におけるJCウイルスの増殖を抑制するための極めて有効な塩基配列を有するポリヌクレオチド、及び当該ポリヌクレオチドからなるsiRNAを提供するものである。さらに、本発明のsiRNAはJCウイルスの後期mRNAにおけるアグノタンパク質及びVP−1をコードするmRNAの発現を抑制することができ、両方のタンパク質の発現を同時に抑制することができることから、極めて有効なウイルス増殖抑制剤を提供するものでもある。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
siRNAの構築
以下に示す各センス鎖及びアンチセンス鎖となるRNAを2’−ACE−RNA合成法(2'-acetoxyethoxy-methyl ether RNA synthesis)により合成し、それぞれのセンス鎖及びアンチセンス鎖から目的のsiRNAを合成した。
Ag122: センス鎖 5'‐GGUGAAGACAGUGUAGACG-dTdG-3'
アンチセンス鎖 5'‐CGUCUACACUGUCUUCACC-dTdG-3'
Ag147: センス鎖 5'‐AAAGACAGAGACACAGUGG-dTdT-3'
アンチセンス鎖 5'‐CCACUGUGUCUCUGUCUUU-dTdT-3'
VP274: センス鎖 5'‐UGAGGAUCUAACCUGUGGA-dTdT-3'
アンチセンス鎖 5'‐UCCACAGGUUAGAUCCUCA-dTdT-3'
VP691: センス鎖 5'−UACUGCCACAACAGUGCUG-dTdT-3'
アンチセンス鎖 5'−CAGCACUGUUGUGGCAGUA-dTdT-3'
LT78 : センス鎖 5'−UUCCUGUCAUGAGAAAAGC-dTdG-3'
アンチセンス鎖 5'−GCUUUUCUCAUGACAGGAA-dTdG-3'
LT134: センス鎖 5'−GGUGGGGACGAAGACAAGA-dTdT-3'
アンチセンス鎖 5'−UCUUGUCUUCGUCCCCACC-dTdT-3'
JCウイルス感染細胞へのAg122の導入によるJCウイルス後期タンパク質の発現に対するイムノブロッティング
SVG−A(SV40形質転換ヒト胎児グリア)細胞に、JCウイルス(Mad−1/SVEΔ株、赤血球凝集活性が細胞3×10個あたり1024単位)を接種し、接種4日後に、Ag122siRNA(120pmol/細胞6×10個)をリポフェクタミン2000(インビトロジェン社)を用いてSVG−A細胞へ導入した。
導入直後、導入2日後、3日後、4日後にJCウイルス後期タンパク質としてアグノタンパク質及びVP−1を、抗アグノタンパク質抗体又は抗VP−1抗体を用いたイムノブロッティングを行った。
結果を図2に示す。
JCウイルス感染細胞への各種siRNAの導入によるJCウイルスのタンパク質の発現に対するイムノブロッティング
実施例2と同様にして、実施例1で製造した各種のsiRNAをJCウイルス感染細胞へ導入した。導入2日後(ウイルス接種から6日後)、再度同じsiRNAを導入し、2回目のsiRNAの導入から48時間後に、それぞれのsiRNA導入細胞におけるJCウイルスのアグノタンパク質、VP−1、及びSV40ラージT抗原の発現量を、それぞれの特異的な抗体を用いてイムノブロッティングを行った。対照として、スクランブル配列を持つsiRNA(ダーマコン社)を導入した細胞を用いた。
結果を図3に示す。
Ag122siRNAによるタンパク質の発現の抑制
実施例2と同様にして、ラミンA/C(LaminA/C)特異的siRNA(ダーマコン社)(60pmol/ウェル)、及びAg122を60pmol/ウェル又は120pmol/ウェルのAg122siRNAをJCウイルス感染細胞へ導入した。それぞれのsiRNAの導入から48時間後に、それぞれのsiRNA導入細胞におけるJCウイルスのアグノタンパク質、VP−1、及びSV40ラージT抗原の発現量を、それぞれの特異的な抗体を用いてイムノブロッティングを行った。対照(Cont)として、細胞に形質導入試薬のみを導入したものを用いた。
結果を図4に示す。
JCウイルス感染細胞におけるAg122及びVP274の間接蛍光抗体免疫染色
実施例2と同様にして、Ag122(120pmol/ウェル)、VP274(120pmol/ウェル)、並びにAg122及びVP274(それぞれ60pmol/ウェル)をJCウイルス感染細胞へ導入した。siRNAの導入から48時間後に、それぞれのsiRNAが導入されたJCウイルス感染細胞をメタノールで固定し、当該細胞をVP−1又はアグノタンパク質の抗体で処理し、次にアレクサフルオル488(Alexa Fluor 488)の結合した抗ウサギ二次抗体(モレキュラープローブ社)で処理した。VP−1又はアグノタンパク質に陽性である細胞は共焦点レーザー顕微鏡(オリンパス社)で可視化され、6フィールドで計測した。
結果を図5にグラフで示す。
Ag122若しくはVP274、又はその両方のsiRNAが導入されたJCウイルス感染細胞でのアグノタンパク質及びVP−1のそれぞれの発現に対するイムノブロッティング
実施例2と同様にしてに、Ag122(120pmol/ウェル)、VP274(120pmol/ウェル)、並びにAg122及びVP274(それぞれ60pmol/ウェル)をJCウイルス感染細胞へ導入した。siRNAの導入から48時間後に、それぞれのsiRNAが導入されたJCウイルス感染細胞での、VP−1、アグノタンパク質およびアクチンの発現に対するイムノブロッティングを行った。
結果を図6に示す。
また、アグノタンパク質とVP−1のシグナルをイメージアナライザーにより定量化し、スクランブルsiRNAが導入された細胞での値に対する割合(%)をグラフ化して図7に示す。
JCウイルスのmRNAの発現量に対するAg122及びVP274の効果試験
実施例2と同様にして、Ag122(120pmol/ウェル)、VP274(120pmol/ウェル)、並びにAg122及びVP274(それぞれ60pmol/ウェル)をJCウイルス感染細胞へ導入した。それぞれのsiRNAを導入して12時間後、24時間後の細胞から全RNAを抽出し、DNaseIで処理をした後、スーパースクリプトファーストストランド合成システム(インビトロジェン社)で逆転写して、GeneAmp5700(アプライドバイオシステムズ社)を用いて、リアルタイムRT−PCRを行った。それぞれのウイルスにおけるmRNAの量は、同じサンプル中のβ−アクチンのmRNAの量により規格した。データは、スクランブルsiRNA(コントロール)が導入されたJCウイルス感染細胞での標準化された値に対する割合(%)として表わした。
この結果を図8にグラフ化して示す。
siRNAが導入されたJCウイルス感染SVG−A細胞でのJCウイルスの赤血球凝集活性
実施例2と同様にして、Ag122(120pmol/ウェル)、VP274(120pmol/ウェル)、並びにAg122及びVP274(それぞれ60pmol/ウェル)をJCウイルス感染細胞へ導入した。それぞれのsiRNAを導入して36時間後に細胞を回収し、1mMトリス−HCl,0.2%BSA(pH7.5)で細胞を溶解し、0.05U/mlノイラミニダーゼで37℃で一晩処理して、56℃で30分で不活化した後に、遠心分離を行い、上清をウイルス抽出液として用いた。このようにして得られたウイルス抽出液25μlを用いてヘマグルチネーションアッセイ法によりウイルス抽出液の赤血球凝集活性を測定した。
結果を図9にグラフ化して示す。
本発明は、有効な治療方法が開発されていないJCウイルスに起因する進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)や痴呆症などの疾患に有効な医薬組成物、及びその有効成分となるポリヌクレオチドを提供するものであり、疾患の治療薬や、JCウイルスの増殖抑制剤として産業上、極めて有用なものである。
図1は、JCウイルスの主な早期mRNA(Early mRNA)及び後期mRNA(Late mRNA)と本発明のsiRNA(図1中の矢印)との関係を示したものである。 図2は、siRNA導入後におけるJCウイルスのVP−1及びアグノタンパク質に対するイムノブロッティングを行った結果を示す図面に代わる写真である。図2の横方向は、siRNA導入後からの経過日数(dpi:days postinfection)を示し、図2の上段はVP−1を示し、下段はアグノタンパク質を示す。 図3は、2回目のsiRNAの導入(ウイルス接種から6日後)から48時間後での、それぞれのsiRNA導入細胞におけるJCウイルスのアグノタンパク質、VP−1、及びSV40ラージT抗原の発現量を、イムノブロッティングを行った結果を示す図面に代わる写真である。図3の横方向は導入したsiRNAを示し、縦方向はタンパク質の種類を示す。下段のアクチンは、陽性コントロールである。 図4は、ラミンA/C(LaminA/C)特異的siRNA、または、60pmol/ウェルもしくは120pmol/ウェルのAg122siRNAを導入したJCウイルス感染細胞での、ラミンA/C(LaminA/C)、LT、VP−1、アグノタンパク質、及びアクチンのそれぞれのタンパク質に対するイムノブロッティングを行った結果を示す図面に代わる写真である。図4の横方向は、導入したsiRNAを示し(Ag122の左側は60pmol/ウェルの場合を示し、右側は120pmol/ウェルの場合を示す。)、縦方向は各タンパク質の種類を示す。下段のアクチンは陽性コントロールである。 図5は、アグノタンパク質又はVP−1陽性である細胞の割合を間接蛍光抗体免疫染色により測定した結果を示すグラフである。図5の左側はアグノタンパク質の場合であり、右側はVP−1の場合を示す。各グラフの縦軸は、それぞれのタンパク質の陽性を示した細胞の、スクランブルsiRNAが導入された細胞に対する割合(% of sc)を示し、各グラフの左側の黒抜き部分はスクランブルsiRNAを導入した場合を示し、その右側の灰色部分はAg122が導入された場合を示し、その右側の灰色部分はVP274が導入された場合を示し、右側の白抜き部分はAg122及びVP274の両者が導入された場合を示す。各データは少なくとも3回の独立した試験での平均値±標準偏差である。図5のグラフ中の**印は、P<0.02(スチューデントのt検定)で有意差があることを示す。 図6は、Ag122若しくはVP274、又はその両方のsiRNAが導入された細胞でのアグノタンパク質及びVP−1のそれぞれの発現の阻害を、イムノブロッティングした結果を示す図面に代わる写真である。図6の横方向は導入したsiRNAを示し、縦方向はタンパク質を示す。アクチンは陽性コントロールである。 図7は、Ag122若しくはVP274、又はその両方のsiRNAが導入された細胞でのアグノタンパク質及びVP−1のそれぞれの発現の阻害を、イムノブロッティングした結果のアグノタンパク質とVP−1のシグナルをイメージアナライザーにより定量化して、スクランブルsiRNAが導入された細胞での値に対する割合(%)をグラフ化したものである。図7の左側はアグノタンパク質の場合であり、右側はVP−1の場合を示す。各グラフの縦軸は、それぞれのタンパク質の陽性を示した細胞の、スクランブルsiRNAが導入された細胞に対する割合(% of sc)を示し、各グラフの左側の黒抜き部分はスクランブルsiRNAを導入した場合を示し、その右側の斜線部分はAg122が導入された場合を示し、その右側の灰色部分はVP274が導入された場合を示し、右側の白抜き部分はAg122及びVP274の両者が導入された場合を示す。 図8は、JCウイルス感染細胞に各siRNAsを導入して、12時間及び24時間経過後のJCウイルス感染細胞から全RNAを抽出し、アグノタンパク質及びVP−1のmRNAに対する定量的RT−PCR解析を行った結果を示すグラフである。図8の左側はアグノタンパク質の12時間及び24時間後の場合であり、右側はVP−1の12時間及び24時間後の場合を示す。各グラフの縦軸は、それぞれのタンパク質のmRNAの量の、スクランブルsiRNAが導入された細胞に対する割合(% of sc)を示し、各グラフの左側の黒抜き部分はスクランブルsiRNAを導入した場合を示し、その右側の斜線部分はAg122が導入された場合を示し、その右側の灰色部分はVP274が導入された場合を示し、右側の白抜き部分はAg122及びVP274の両者が導入された場合を示す。図8中の*印はP<0.05で、**印はP<0.02で有意差があることを示す。 図9は、JCウイルス感染細胞にそれぞれのsiRNAを導入した36時間後のJCウイルス感染細胞から調製した抽出物について赤血球凝固活性(HA)を分析した結果をグラフ化したものである。図9の縦軸は細胞抽出物25μlあたりの赤血球凝固活性力価(HA titer/25μL)を示し、グラフの左側の黒抜き部分はスクランブルsiRNAを導入した場合を示し、その右側の斜線部分はAg122が導入された場合を示し、その右側の灰色部分はVP274が導入された場合を示し、右側の白抜き部分はAg122及びVP274の両者が導入された場合を示す。図9中の**印はP<0.02で有意差があることを示す。
配列番号1:アグノタンパク質をコードするDNAの塩基配列
配列番号2:アグノタンパク質のアミノ酸配列
配列番号3:アグノタンパク質及びVP−1をコードする後期mRNAの塩基配列
配列番号4:AG122siRNAのセンス鎖の塩基配列
5'‐GGUGAAGACAGUGUAGACG-dTdG-3'
配列番号5:Ag147のセンス鎖の塩基配列
5'‐AAAGACAGAGACACAGUGG-dTdT-3'

Claims (25)

  1. JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子、及び製薬学的に許容される担体を含有してなるJCウイルス感染症の治療のための医薬組成物。
  2. JCウイルス感染症が、進行性多巣性白質脳症である請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 短い干渉RNA(siRNA)が、15〜40塩基対の長さである請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 短い干渉RNA(siRNA)が、15〜25塩基対の長さである請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 短い干渉RNA(siRNA)のセンス側の塩基配列が、5’‐ggugaagacaguguagacg−dt−dg‐3’である請求項3又は4に記載の医薬組成物。
  6. 短い干渉RNA(siRNA)のセンス側の塩基配列が、5’‐aaagacagagacacagugg−dt−dt−3’である請求項3又は4に記載の医薬組成物。
  7. siRNAを形成し得る遺伝子が、生体内において短い干渉RNA(siRNA)を生成させることができる当該siRNAのセンス配列及びアンチセンス配列をコードするDNAである請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
  8. siRNAを形成し得る遺伝子が、ヘアピンループ型の2本鎖RNAが細胞内で生成されるように、当該siRNAのセンス配列及びアンチセンス配列をコードしているDNAであって、当該siRNAのセンス配列とアンチセンス配列との間にループ構造を形成できる塩基配列が設けられているDNAである請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物。
  9. 遺伝子が、プロモーターを含有するものである請求項7又は8に記載の医薬組成物。
  10. 短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子が、当該遺伝子を生体内に導入するためのベクターに組み込まれている請求項1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
  11. ベクターが、プラスミド又はウイルスである請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 医薬組成物が、細胞へのRNAや遺伝子の導入を促進する物質を、さらに含有するものである請求項1〜11のいずれかに記載の医薬組成物。
  13. 少なくとも5’‐ggtgaagacagtgtagacg‐3’の塩基配列若しくはその相補配列又は対応するRNAの配列を有する、40塩基以下の長さからなるポリヌクレオチド。
  14. ポリヌクレオチドが、2本鎖のRNAである請求項13に記載のポリヌクレオチド。
  15. 2本鎖のRNAの両方の3’末端側に塩基対を形成していない2塩基を有する請求項14に記載のポリヌクレオチド。
  16. 少なくとも5’‐aaagacagagacacagtgg−3’の塩基配列若しくはその相補配列又は対応するRNAの配列を有する、40塩基以下の長さからなるポリヌクレオチド。
  17. ポリヌクレオチドが、2本鎖のRNAである請求項16に記載のポリヌクレオチド。
  18. 2本鎖のRNAの両方の3’末端側に塩基対を形成していない2塩基を有する請求項17に記載のポリヌクレオチド。
  19. JCウイルス感染症を治療するための、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子の使用。
  20. JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子、及び製薬学的に許容される担体を含有してなるJCウイルス感染症の治療のための医薬組成物の製造のための、JCウイルスのアグノタンパク質(Agnoprotein)をコードする遺伝子に対する短い干渉RNA(siRNA)又は当該siRNAを形成し得る遺伝子の使用。
  21. JCウイルス感染症が、進行性多巣性白質脳症である請求項19又は20に記載の使用。
  22. 短い干渉RNA(siRNA)が、15〜40塩基対の長さである請求項19〜21のいずれかに記載の使用。
  23. 短い干渉RNA(siRNA)のセンス側の塩基配列が、5’‐ggugaagacaguguagacg−dt−dg‐3’である請求項22に記載の使用。
  24. 短い干渉RNA(siRNA)のセンス側の塩基配列が、5’‐aaagacagagacacagugg−dt−dt−3’である請求項22に記載の使用。
  25. JCウイルス感染症の治療が、JCウイルスの増殖の抑制である請求項19〜24のいずれかに記載の使用。

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