JP2005332786A - レーザープラズマx線発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パルスレーザー光を集光照射するクライオターゲット層の修復を安定して速やかに行い、安定してパルスX線を発生できるようにする。
【解決手段】 クライオ化カバー5の下部に連接する軸受ホルダー39に接続孔72と複数の分配孔74とからなるターゲットガス分配部を設け、接続孔72にターゲットガス供給管2を接続し、各分配孔74をターゲットガス分配管76を介し、回転円筒部8の周囲のガス密封部を構成する空間88に開口するようクライオ化カバー5に設けた複数のターゲットガス供給口4に接続する。そして、回転ドラム部8の内部の冷媒である液体窒素のベーパガスをパイプ82に導いてターゲットガス供給管2を流れるターゲットガスを冷却し、そのターゲットガスをターゲットガス分配部を通すことによりさらに冷却し、ターゲットガス分配管76を経てターゲットガス供給口4へ分配する。
【選択図】 図2
【解決手段】 クライオ化カバー5の下部に連接する軸受ホルダー39に接続孔72と複数の分配孔74とからなるターゲットガス分配部を設け、接続孔72にターゲットガス供給管2を接続し、各分配孔74をターゲットガス分配管76を介し、回転円筒部8の周囲のガス密封部を構成する空間88に開口するようクライオ化カバー5に設けた複数のターゲットガス供給口4に接続する。そして、回転ドラム部8の内部の冷媒である液体窒素のベーパガスをパイプ82に導いてターゲットガス供給管2を流れるターゲットガスを冷却し、そのターゲットガスをターゲットガス分配部を通すことによりさらに冷却し、ターゲットガス分配管76を経てターゲットガス供給口4へ分配する。
【選択図】 図2
Description
この出願の発明は、高尖頭パワーを有し所定の周波数で繰り返し出力されるパルスレーザ光を、固体標的物質をターゲットとして集光照射することにより、高温高密度プラズマを生成し、該高温高密度プラズマからパルスX線(レーザープラズマX線)を連続的に繰り返し発生させるレーザープラズマX線発生装置に関し、特に、化学的に不活性で室温でガス状態のターゲット材を液体窒素等により極低温に冷却した回転円筒体の外表面に接触させることにより冷却し、固体化し結晶となって回転円筒体の外表面に付着させクライオターゲット層として形成して、そのクライオターゲット層をパルスレーザー光照射のターゲットとするレーザープラズマX線発生装置に関するものである。
高尖頭パワーを有し所定の周波数で繰り返し出力されるパルスレーザー光を、固体標的物質をターゲットとして集光照射することにより、高温高密度プラズマを生成し、該高温高密度プラズマからパルスX線(レーザープラズマX線)を連続的に繰り返し発生させるレーザープラズマX線発生装置として、本発明者らが開発した、Ke(キセノン)等の化学的に不活性で室温でガス状態のターゲット材を液体窒素等により極低温に冷却した回転円筒体の外表面に接触させることにより、冷却し、固体化し結晶となって回転円筒体の外表面に付着したクライオターゲット層を形成して、そのクライオターゲット層をパルスレーザー光照射のターゲットとするレーザープラズマX線発生装置が従来から知られている(特許文献1、2参照。)。
このレーザープラズマX線発生装置においては、回転円筒体の回転方向または軸方向への移動あるいはそれら2方向への移動の組み合わせにより、空間的に固定されたパルスレーザー光の集光照射点に対してクライオターゲット層を有する回転円筒体表面が面方向へ移動して、回転円筒体表面上で集光照射点が移動し、その間、ターゲット材が連続的に供給されて、パルスレーザー光の集光照射によるプラズマ化によってクレータ穴が発生したクライオターゲット層は修復される。そして、所定の周波数で繰り返し出力されるパルスレーザー光が、順次、クライオターゲット層表面の修復した箇所へ集光照射され、パルスX線が連続的に繰り返し発生する。
特開2001−357997号公報
特開2001−357998号公報
しかし、上記従来のレーザープラズマX線発生装置において、ガス状態のターゲット材を室温のまま供給したのでは、分子エネルギーが大きいため、極低温に冷却された回転円筒体の外表面に接触することによる固体化の速度が遅く、付着も遅いため、クライオターゲット層を安定して速やかに修復させることができない。
そして、特に、回転円筒体外表面へのターゲット材の供給量の場所によるばらつきが大きいと、クライオターゲット層の修復状況が安定しない。
本発明は、こうした問題点を解決するもので、極低温に冷却した回転円筒体の外表面のパルスレーザー光が集光照射される位置にガス状態にて供給したターゲット材を冷却し固体化させて形成するクライオターゲット層の修復を安定して速やかに行い、安定してパルスX線を発生することができるレーザープラズマX線発生装置を提供することを目的とする。
本発明のレーザープラズマX線発生装置は、略円筒状のカバーと、該カバーの内側で回転する回転円筒体を備え、前記カバーに設けたターゲット材供給口から化学的に不活性で室温でガス状態のターゲット材をガス状態にて供給し、内部に冷媒を導入して極低温に冷却した回転円筒体の外表面に接触させることにより、冷却して、固体化し結晶となって前記回転円筒体の外表面に付着したクライオターゲット層を形成し、該クライオターゲット層の表面に、高尖頭パワーを有し所定の周波数で繰り返し出力されるパルスレーザー光を集光照射するとともに、前記回転円筒体の回転方向または軸方向への移動あるいはそれら2方向への移動の組み合わせにより、空間的に固定されたパルスレーザー光の集光照射点に対してクライオターゲット層を有する回転円筒体の外表面を面方向へ移動させて、該回転円筒体の外表面上で前記集光照射点を相対移動させ、前記パルスレーザー光の集光照射により高温高密度プラズマを生成し、該パルスレーザー光の集光照射によるプラズマ化によってクレータ穴が発生したクライオターゲット層を、前記ターゲット材供給口から供給する前記ターゲット材の供給により修復させ、前記高温高密度プラズマからパルスX線を連続的に繰り返し発生させるレーザープラズマX線発生装置において、前記回転円筒体の外表面の前記パルスレーザー光が集光照射される位置に向けてターゲット材を供給するターゲット材供給口を円周方向に間隔を開けて複数個配置するとともに、前記カバーの下部連接部分に、ガス状態のターゲット材を前記複数個のターゲット材供給口へ等分配する分配部を設けたことを特徴とする。
このレーザープラズマX線発生装置は、Ke(キセノン)等の化学的に不活性で室温でガス状態のターゲット材が、ガス状態にて、回転円筒体の外表面に向けて供給される。そして、そのガス状態のターゲット材が、極低温に冷却された回転円筒体の外表面に接触して、冷却され、固体化し結晶となって付着し、堆積して、クライオターゲット層を形成する。そして、そのクライオターゲット層の表面に、高尖頭パワーを有するパルスレーザー光が集光照射されることにより、高温高密度プラズマが生成され、該高温高密度プラズマからパルスX線が発生する。そして、回転円筒体の回転方向または軸方向への移動あるいはそれら2方向への移動の組み合わせにより、空間的に固定されたパルスレーザー光の集光照射点に対して、回転円筒体の外表面が面方向へ移動して、回転円筒体の外表面に形成されたクライオターゲット層上で集光照射点が移動し、その間、ターゲット材が連続的に供給されて、パルスレーザ光の集光照射によるプラズマ化によってクレータ穴が発生したクライオターゲット層の修復が行われる。
その際、冷媒により極低温に冷却された回転円筒体を介してカバーが冷却され、そのカバーの下部連接部分に設けられた分配部も冷却される。そして、その冷却された分配部を通ることによってターゲット材が冷却され、円周方向に間隔を開けて配置された複数個のターゲット材供給口に分配されて、低温で分子エネルギーの小さいガスとなって回転円筒体外表面のパルスレーザー光が集光照射される位置に供給される。また、そのターゲットガスは各ターゲット材供給口へ均等に分配することができ、ターゲット材の供給量の円周方向の各位置でのばらつきを少なくすることができる。そして、そうしたターゲット材の冷却および等分配を、ターゲット材供給口を円周方向に間隔を開けて複数個配置するとともにカバーの下部連接部分に分配部を設けるという簡単でコンパクトな構成により実現できる。
こうして、簡単でコンパクトな構成により、回転円筒体の外表面のパルスレーザー光が集光照射される位置のクライオターゲット層を安定して速やかに修復し、安定してパルスX線を発生するようにできる。
また、このレーザープラズマX線発生装置は、カバーの内表面と回転円筒体の外表面との間で回転円筒体の外表面のパルスレーザー光が集光照射される位置に、ターゲット材供給口からガス状態にて供給されたターゲット材を保持する略密封状態の空間を設けたものとすることにより、ガス状態で供給されたターゲット材をクライオターゲット層の修復箇所に高密度に保持することができ、クライオターゲット層の修復速度を一層速めることができる。
そして、その空間を円周方向に複数の空間に分割して、それら複数の空間に対しそれぞれターゲット材供給口を配置することにより、複数の空間のそれぞれにガス状態のターゲット材を略均等に分配することができ、クライオターゲット層をむらなく安定して修復することができる。
また、このレーザープラズマX線発生装置は、ガス状態のターゲット材を分配部の上流で回転円筒体の冷却に使用した冷媒から発生する極低温ガスにより冷却するよう構成することができ、それにより、ガス状態にて供給されるターゲット材を一層低温とし、クライオターゲット層の修復速度を一層速くすることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明のレーザープラズマX線発生装置は、簡単でコンパクトな構成により、回転円筒体の外表面のパルスレーザー光が集光照射される位置のクライオターゲット層を安定して速やかに修復し、安定してパルスX線を発生するようにできる。
図1〜4は、本発明の実施の形態の一例を示している。図1はこの実施の形態のレーザープラズマX線発生装置の全体概略構成を示す模式図、図2はその要部詳細構成図、図3はX−X断面図、図4はY−Y断面図である。
この実施の形態のレーザープラズマX線発生装置は、図1に模式的に示すように、真空チャンバー1の内部に、化学的に不活性で室温でガス状のターゲット材(以下、ターゲットガスという。)を移送するターゲットガス供給管2と、パルスレーザー光の集光照射口3とターゲットガス供給口4(ターゲット材供給口)とを備えたクライオ化カバー5(カバー)が配置され、ターゲットガス供給管2がクライオ化カバー5の内部にターゲットガスを導入するよう接続され(図1は概略構成を示すもので、実際には後述のとおりターゲットガス分配部を介して接続される。)、そのクライオ化カバー5の内側に回転円筒体6が回転方向および軸方向移動可能に設置されている。なお、図示の例は、縦型で、真空チャンバー1に対し回転円筒体6を上下方向に配置した装置であるが、同様の構造で回転円筒体6を横に倒した横型の装置としてもよい。
回転円筒体6は内部が空洞で、回転方向および軸方向へ駆動するための回転シャフト部7と、クライオターゲット層を形成させる回転ドラム部8とで構成されている。そして、回転円筒体6の内部に、回転シャフト部7を貫通して回転ドラム部8の内部に達するよう冷媒導入パイプ9が挿入されている。
前記回転シャフト部7は真空チャンバー1の壁部を貫通して外部へ延設されている。そして、その貫通部分には、Oリング、磁性流体などの真空シール部10が設けられている。
回転円筒体6の回転シャフト部7は、真空シール部10と接触するため、熱伝導の悪い材料で作られている。また、回転ドラム部8は液体窒素、ヘリウムガス等の冷媒で内部から冷却して外表面を極低温に保つため、熱伝導の良い材料で作られている。
また、前記回転円筒体6を回転方向または軸方向へ移動させるための駆動装置として、あるいは回転方向および軸方向の移動を組み合わせた駆動を行う駆動装置として、回転方向駆動装置11と軸方向駆動装置12が設置され、それらが回転シャフト部7にそれぞれ連結されている。
そして、真空チャンバー1の側方に、高尖頭パワーを有する所定周波数のパルスレーザー光を発生するパルスレーザー光発生装置13が設置されている。このパルスレーザー光発生装置13から出力されるパルスレーザー光16は、レーザー集光レンズ14を通して、真空チャンバー1の側壁に設けられた入射口15から入射され、回転ドラム部8の外表面近傍に位置する空間的に固定された集光照射点17に集光する。
パルスレーザー光の集光照射口3は、パルスレーザー光16の集光照射とそれにより発生するX線の射出のための必要最低限の大きさの穴で形成される。
また、回転円筒体6は、回転ドラム部8で挟んで回転シャフト部7側と先端側(図示の例では下端)がそれぞれ単数個または複数個の軸受19、20により支承されている。これらの軸受19、20は、スラスト用、ラジアル用、またはスラスト用とラジアル用を組合わせた軸受、あるいは、スラスト用とラジアル用を組合せたものと同等の性能を有する軸受である。
このレーザープラズマX線発生装置には、パルスレーザー光16の集光照射によるプラズマ化により後述のクライオターゲット層の表面に発生したクレータを検出する光学画像検出器21と、その検出信号に基づくクレータの位置座標とパルスレーザー光16の集光照射点17の位置座標を比較して、パルスレーザ光16の集光照射点17が回転ドラム部8の外表面上で所定の軌跡を描くように回転方向駆動装置11および軸方向駆動装置12を制御し回転円筒体6の移動位置を制御する位置制御装置22が設けられ、また、パルスレーザー光16の集光照射を回転円筒体6の移動に同期させる同期制御装置23が設けられている。
また、真空チャンバー1には真空ポンプ等の真空装置24が接続され、クライオ化カバー5にはターゲットガス供給路2を介して加圧したターゲットガスを供給するターゲットガス供給装置25が接続されている。
パルスレーザー光16の集光照射によるプラズマ生成により発生したパルスX線は、パルスX線集光鏡(図示せず)で集光反射し、X線射出口(図示せず)から真空チャンバー1の外部へ取り出される。
このレーザープラズマX線発生装置の要部構成は、詳細には、例えば図2に示すとおりで、中央部が開口した水平なフレーム31に、上方からフランジ体32がボルト固定され、そのフランジ体32に、下方から、上下両端にフランジ状の連結部33、34が一体に溶接された連結スリーブ35にボルト連結されて有底円筒状のクライオ化カバー5が垂直状態で配設されている。連結スリーブ35には、真空チャンバー1に連通する連通孔が設けられている。これにより、クライオ化カバー5の内部は、真空チャンバー1内と略同じ真空度に保たれる。そして、クライオ化カバー5の下部底面には、下部連接部分として、下方から軸受ホルダー39がボルト固定され、この軸受ホルダー39に軸受20が保持されている。
また、フランジ体32の上面には、略円筒状の真空カバー41が垂直状態で配設されて、一体溶接されたフランジ状の連結部42を介してボルト固定され、その真空カバー41に囲まれるよう、略円筒状で真空カバー41より小径の軸受アセンブリーホルダー43がやはり垂直状態で配置され、ボルト固定されている。
そして、軸受アセンブリーホルダー43の内側に、上下2段の配置で軸受19が保持され、それら上下の軸受19の間に磁気シール46が配設されている。
真空カバー41は、軸受アセンブリーホルダー43の周囲および上方に密閉空間を形成し、その密閉空間を図示しない真空ポンプにより真空に保持することも可能な構造であり、軸受アセンブリーホルダー43の上方において内側に張り出すようリング状の隔壁47が一体溶接され、そのリング状の隔壁47に、上下2段にシール48、49を保持したシールホルダー50が上方から配設され、ボルト固定されている。
そして、真空カバー41の上方に、図1に示す回転方向駆動装置11および軸方向駆動装置12からなる駆動機構が設置されている。そして、この駆動機構により上下方向および回転方向へ駆動される回転シャフト部7が、真空カバー41の内側を貫通して上下に配置され、この回転シャフト部7の下端延設部分に、連結部51を介して回転ドラム部8が連結され、その回転ドラム部8の底部中央に下方へ突設した下部シャフト部52が連結され、この下部シャフト部52が、軸受ホルダー39に保持された軸受20で支持されている。これら回転シャフト7、連結部51、回転ドラム部8および下部シャフト部52により回転円筒体6が構成される。
一方、回転シャフト部7の外周には、軸受アセンブリーホルダー43の内側に保持された軸受19のインナーレールと一体に回転するガイドスリーブ53が装着され、そして、このガイドスリーブ53の下方で、回転ドラム部8の上方外周上に、軸方向に相対移動可能なフランジ状の突起部54が設けられて、ガイドスリーブ53の下面と、フランジ状の突起部54の上面との間に、回転シャフト部7を囲んでベローズ55が配設され、また、ガイドスリーブ53の上部内周側に、回転シャフト部7を囲んで軸受56が装着されている。
そして、回転シャフト部7の内側に、冷媒として液体窒素を導入する冷媒導入パイプ9が挿入されている。この冷媒導入パイプ9は、装置上部の図示しない冷媒供給口から供給される液体窒素を回転ドラム部8の内部に導入するためのもので、外径が回転シャフト部7の内径より小さく、周囲に隙間Sができるよう配置されている。また、冷媒導入パイプ9の内側には、液面計57が挿入されている。
回転シャフト部7と冷媒導入パイプ9との隙間Sは、シールホルダー50の上方でシール58により密封されている。
そして、シールホルダー50には、上下2段のシール48、49に挟まれた内周部分に環状の溝59が形成されている。また、回転シャフト部7には、このシールホルダー50内周の環状の溝59に冷媒導入パイプ9周囲の隙間Sを開口させる横穴60が形成されている。そして、シールホルダー50内周の環状の溝59に連通して側方へ延びるようシールホルダー50に連通穴61が形成され、この連通穴61に連通する取出穴62が隔壁47に形成され、この隔壁47の取出穴62に開口する配管挿入口63が真空カバー41に形成されている。
クライオ化カバー5には、回転ドラム部8の外表面の所定位置に集光照射口3を形成する照射フランジ64が取り付けられ、その照射フランジ64が形成する集光照射口3に対し周方向に並ぶ複数箇所(この例では図3に示すように7箇所)にターゲットガス供給口4が形成され、各ターゲットガス供給口4に連通する配管接続部65が形成されている。ターゲットガス供給口4を形成する箇所の数は適宜変更できる。
また、クライオ化カバー5の下部底面に固定された軸受ホルダー39(下部連接部分)の下部に、ターゲットガスの分配部として、下面略中央に開口し先端に配管接続部71を備えた軸方向の接続孔72と、この接続孔72から径方向へ放射状に延びて軸受ホルダー39の周面に開口し先端にそれぞれ配管接続部73を備えた複数(この例では図4に示すように7個)の分配孔74とからなるターゲットガス分配部が形成されている。分配孔74の数はターゲットガス供給口4の数に合わせ、適宜変更できる。
そして、このターゲットガス分配部の接続孔72の配管接続部71に接続金具75aを介してターゲットガス供給管2が接続され、各分配孔74の配管接続部73に接続金具75bを介してターゲットガス分配管76の一端が接続され、それらターゲットガス分配管76の他端が、後述のようにガス密封部を構成する複数(この例では図3に示すように7個)の空間88a〜88gに対応する配置でクライオ化カバー5に設けられた各ターゲットガス供給口4の配管接続部65に、接続金具77を介して接続されている。
ターゲットガス供給管2は、フレーム31に固定された三股のニップル78と、その上方に配置された三股のニップル79を貫通して、フレーム31の上方へ延び、各ニップル78、79に接続金具80、81を介して密着固定され、それら上下のニップル78、79の間に、ターゲットガス供給管2の周りに密閉空間を形成するようパイプ82が取り付けられている。
これら上下のニップル78、79の間のターゲットガス供給管2とパイプ82はガス冷却熱交換器を構成するもので、上側のニップル79には、隔壁47の取出穴62に開口する真空カバー41の配管挿入口63との間に、回転ドラム部8内に発生したベーパガスを取り出して上下のニップル78、79の間のターゲットガス供給管2とパイプ82との間に導くための配管83が接続されている。また、下側のニップル78には、ターゲットガス供給管2とパイプ82との間を流れたベーパガスを大気中に放出するため配管84が接続されている。
回転円筒体6は、例えば毎秒1回転しながら軸方向に1mm上昇し、3回転分上昇すると、下降に転じて次の3回転は毎秒1回転しながら1回転毎に1mm下降し、3回転分下降すると、また上昇に転じ、以下、その繰り返しで回転しつつ上下するよう制御される(ただし、回転円筒体6の移動パターンは、その他、回転方向または軸方向への移動あるいはそれら2方向への移動の組み合わせによる任意のパターンであってよい。)。これにより、空間的に固定された集光照射点17に対し、回転円筒体6は回転ドラム部8の外表面が面方向へ移動する。そして、その移動範囲は、回転円筒体6が例えば上記のように毎秒1回転で1mm上下する場合は回転方向に全周で、上下(軸方向)に3mmであり、パルスレーザー光の集光照射によって発生するクレータ穴の径が例えば約0.6mmであるので、例えば上下に5mm弱が、パルスレーザー光の集光照射によりクライオターゲットがプラズマ化される範囲である。
クライオ化カバー5の内表面と回転ドラム部8の外表面との間には、回転ドラム部8外表面のパルスレーザー光16が集光照射される位置に対応して、ターゲット材供給口4から供給されたターゲットガスを高密度に保持する略密封状態のガス密封部を構成する空間88が形成され、この空間88が、図3に示すように複数(この例では8個)の仕切り部91によって複数(この例では7個)の略密封状態の空間88a〜88gに分割され、それら複数の空間88a〜88gがそれぞれガス密封部を構成している。そして、それら複数の空間88a〜88gに対しそれぞれターゲットガス供給口4が配置されている。
このレーザープラズマX線発生装置は、冷媒導入パイプ9により回転ドラム部8の内部に冷媒としての液体窒素が導入され、回転ドラム部8が冷却されて、その外表面が極低温に保持される。そして、化学的に不活性で室温でガス状態であるターゲット材(クリプトン、キセノン、アルゴン等の希ガス等)がガス状態でターゲットガスとしてターゲットガス供給管2により供給され、そのターゲットガスがターゲットガス分配部の接続孔72から各分配孔74に分配され、各ターゲットガス分配管76を経てクライオ化カバー5の各ターゲットガス供給口4に送られ、各ターゲットガス供給口4から、ガス密封部を構成する各空間88a〜88gに噴出する。そして、噴出したターゲットガスは、回転ドラム部8の結晶固定溝85の壁面に接触して、冷却され、固体化し結晶となって付着し、堆積して、結晶固定溝85内にクライオターゲット層92を形成する。
そして、パルスレーザー光発生装置13により、高尖頭パワーを有し所定の周波数で繰り返し出力されるパルスレーザ光が、照射フランジ64の集光照射口3を通して入射し、回転ドラム部8の外表面近傍に位置する空間的に固定された集光照射点17において、結晶固定溝85内のクライオターゲット層92の表面に集光照射され、そのパルスレーザー光の集光照射により、高温高密度プラズマが生成し、その高温高密度プラズマからパルスX線が発生する。また、回転ドラム部8は回転シャフト部7と一体に回転方向および軸方向へ移動し、それにより、空間的に固定されたパルスレーザー光の集光照射点17に対して、回転ドラム部8の外表面が面方向へ移動し、結晶固定溝85内のクライオターゲット層92の表面でパルスレーザー光の集光照射点17が所定の軌跡を描いて移動し、その間、ターゲットガスが連続的に供給されて、パルスレーザー光の集光照射によるプラズマ化によってクレータ穴93が発生したクライオターゲット層92(図4参照)が修復され、所定の周波数で繰り返し出力されるパルスレーザー光の集光照射により、パルスX線が連続的に繰り返し発生する。
この実施の形態のレーザープラズマX線発生装置では、回転ドラム部8の内部には、液体窒素のベーパガスが発生し、そのベーパガスが、回転シャフト部7と冷媒導入パイプ9との間隙Sを上昇し、配管83によりガス冷却熱交換器のパイプ82内に導かれる。そして、ターゲットガス供給管2内を流れるターゲットガスがこの部分でベーパガスとの熱交換によって冷却される。
また、冷媒により極低温に冷却された回転円筒体6の回転ドラム部8および下部シャフト部52を介してクライオ化カバー5が冷却され、クライオ化カバー5の下部連接部分である軸受ホルダー39に設けられた接続孔72および分配孔74からなるターゲットガス分配部が冷却される。
そして、その冷却されたターゲットガス分配部の接続孔および分配孔74を通ることによってターゲットガスがさらに冷却されて、付着の効率の良い低温で分子エネルギー小さいガスとなり、ターゲットガス分配部の各分配孔74から各ターゲットガス分配管76を経て、円周方向に分割された空間88a〜88gにより構成される各ガス密封部に供給される。
各ターゲットガス分配管76は、分配されるターゲットガスの流量が同じで均等に分配されるよう、長さおよび径を略同じとする。また、その材質は、Cu、SUS等の金属とする。
以上、実施の形態の一例およびその変更例を説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、発明の技術的思想の範囲において適宜構成を変更して実施できることは勿論である。
1 真空チャンバー
2 ターゲットガス供給管
3 集光照射口
4 ターゲットガス供給口
5 クライオ化カバー
6 回転円筒体
7 回転シャフト部
8 回転ドラム部
9 冷媒導入パイプ
11 回転方向駆動装置
12 軸方向駆動装置
13 パルスレーザー光発生装置
15 入射口
16 パルスレーザー光
17 集光照射点
22 位置制御装置
23 同期制御装置
24 真空装置
25 ターゲットガス供給装置
S 隙間
64 照射フランジ
71、73 配管接続部
72 接続孔
74 分配孔
75、77 接続金具
76 ターゲットガス分配管
88(88a〜88g) ガス密封部を構成する空間
91 仕切り部
2 ターゲットガス供給管
3 集光照射口
4 ターゲットガス供給口
5 クライオ化カバー
6 回転円筒体
7 回転シャフト部
8 回転ドラム部
9 冷媒導入パイプ
11 回転方向駆動装置
12 軸方向駆動装置
13 パルスレーザー光発生装置
15 入射口
16 パルスレーザー光
17 集光照射点
22 位置制御装置
23 同期制御装置
24 真空装置
25 ターゲットガス供給装置
S 隙間
64 照射フランジ
71、73 配管接続部
72 接続孔
74 分配孔
75、77 接続金具
76 ターゲットガス分配管
88(88a〜88g) ガス密封部を構成する空間
91 仕切り部
Claims (4)
- 略円筒状のカバーと、該カバーの内側で回転する回転円筒体を備え、前記カバーに設けたターゲット材供給口から化学的に不活性で室温でガス状態のターゲット材をガス状態にて供給し、内部に冷媒を導入して極低温に冷却した回転円筒体の外表面に接触させることにより、冷却して、固体化し結晶となって前記回転円筒体の外表面に付着したクライオターゲット層を形成し、該クライオターゲット層の表面に、高尖頭パワーを有し所定の周波数で繰り返し出力されるパルスレーザー光を集光照射するとともに、前記回転円筒体の回転方向または軸方向への移動あるいはそれら2方向への移動の組み合わせにより、空間的に固定されたパルスレーザー光の集光照射点に対してクライオターゲット層を有する回転円筒体の外表面を面方向へ移動させて、該回転円筒体の外表面上で前記集光照射点を相対移動させ、前記パルスレーザー光の集光照射により高温高密度プラズマを生成し、該パルスレーザー光の集光照射によるプラズマ化によってクレータ穴が発生したクライオターゲット層を、前記ターゲット材供給口から供給する前記ターゲット材の供給により修復させ、前記高温高密度プラズマからパルスX線を連続的に繰り返し発生させるレーザープラズマX線発生装置において、
前記回転円筒体の外表面の前記パルスレーザー光が集光照射される位置に向けてターゲット材を供給するターゲット材供給口を円周方向に間隔を開けて複数個配置するとともに、前記カバーの下部連接部分に、ガス状態のターゲット材を前記複数個のターゲット材供給口へ等分配する分配部を設けたことを特徴とするレーザープラズマX線発生装置。 - 前記カバーの内表面と前記回転円筒体の外表面との間で前記回転円筒体の外表面の前記パルスレーザー光が集光照射される位置に、前記ターゲット材供給口からガス状態にて供給されたターゲット材を保持する略密封状態の空間を設けたことを特徴とする請求項1記載のレーザープラズマX線発生装置。
- 前記空間を円周方向に複数の空間に分割して、それら複数の空間に対しそれぞれ前記ターゲット材供給口を配置したことを特徴とする請求項2記載のレーザープラズマX線発生装置。
- ガス状態のターゲット材を前記分配部の上流で前記回転円筒体の冷却に使用した冷媒から発生する極低温ガスにより冷却することを特徴とする請求項1、2または3記載のレーザープラズマX線発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004152533A JP2005332786A (ja) | 2004-05-21 | 2004-05-21 | レーザープラズマx線発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004152533A JP2005332786A (ja) | 2004-05-21 | 2004-05-21 | レーザープラズマx線発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005332786A true JP2005332786A (ja) | 2005-12-02 |
Family
ID=35487264
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004152533A Pending JP2005332786A (ja) | 2004-05-21 | 2004-05-21 | レーザープラズマx線発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005332786A (ja) |
-
2004
- 2004-05-21 JP JP2004152533A patent/JP2005332786A/ja active Pending
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