JP2005332770A - 膜電極接合体及び燃料電池システム - Google Patents

膜電極接合体及び燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池システムの出力をより確実に向上させる。
【解決手段】本発明の膜電極接合体10は、電解質層11と、電解質層11の一面に接合された空気極13と、電解質層11の他面に接合された水素極12とを有している。空気極13は、電解質層11の一面に接合された空気極反応層13aと、空気極反応層13aの非電解質層側に接合され、空気極反応層13aに空気を拡散する空気拡散層13bとからなる。空気極反応層13aは、電解質層11側で強く、空気拡散層13b側で弱い磁気力を奏するように構成されている。
【選択図】図13

Description

本発明は、燃料電池の膜電極接合体と、燃料電池システムとに関する。
従来、図14に示すような膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)90を用いた燃料電池システムが知られている。この膜電極接合体90は、イオン交換膜からなる電解質層91と、この電解質層91の一面に一体に形成された空気極93と、電解質層91の他面に一体に形成された水素極92とを有している。
空気極93は、電解質層91の一面に接合された空気極反応層93aと、空気極反応層93aの非電解質層側に接合され、空気極反応層93aに空気を拡散する空気拡散層93bとからなる。
また、水素極92は、電解質層91の他面に接合された水素極反応層92aと、水素極反応層92aの非電解質層側に接合され、水素極反応層92aに水素を拡散する水素拡散層92bとからなる。
一般的な膜電極接合体では、空気極反応層93a及び水素極反応層92aに触媒作用を奏する白金(Pt)等の触媒が担持されている。
そして、この膜電極接合体90を図示しないセパレータで挟むことにより最小発電単位である燃料電池のセルが構成され、このセルが多数積層されて燃料電池スタックが構成される。水素極反応層92aには水素供給手段によって水素が供給され、空気極反応層93aには空気供給手段によって空気が供給されるようになっている。こうして燃料電池システムが構成される。
この膜電極接合体90では、水素極反応層92aにおける電気化学的反応により、燃料の水素から水素イオンと電子とが生成される。そして、水素イオンはプロトン(H3+)の形で電解質層91内を空気極反応層93aに向かって移動する。また、電子は、燃料電池システムに接続された負荷を通り、空気極反応層93aに流れる。一方、空気極反応層93aにおいては、空気中に含まれる酸素と水素イオンと電子とから水が生成される。このような電気化学的反応が連続して起こることにより、燃料電池システムは起電力を連続して発生することができる。
しかし、空気極反応層93aでは、水素イオンとともに移動した水と電気化学的反応で生じた生成水とにより水が過剰となり、空気の拡散が阻害される(以下、「フラッディング」という。)。このため、電極上での反応物質(水素、酸素等)の反応速度に起因する活性化過電圧と、電極上での反応場(通常、電極に存在する触媒上)への反応物質又は反応生成物の移動のし易さに起因する濃度過電圧との損失により、燃料電池システムの出力が低下しやすい。
このため、特許文献1開示の空気極を採用することが考えられる。特許文献1開示の空気極は、ネオジウム−鉄−ホウ素磁石、サマリウム−コバルト磁石、フェライト磁石等の永久磁石を分散、配置してなるものである。この空気極を燃料電池システムに用いれば、永久磁石の磁気作用により、酸素を常磁性体として吸引しつつ水を反磁性体として排斥することができる。
すなわち、永久磁石近傍の数nmの領域では、距離をRとした場合、1/R2に比例する桁違いに大きな磁場勾配が生じ、その結果、磁気力と比例関係をもつ磁場と磁場勾配との積が非常に大きくなる。このため、酸素は、常磁性体として、永久磁石から重力の約103倍に相当する105N/m3程度の非常に大きな吸引力を受ける。他方、電気化学的反応後に触媒表面に生じる水は、永久磁石が発生する磁気力により、反磁性体として、永久磁石からやはり重力の約103倍に相当する106N/m3程度の非常に大きな排斥力を受ける。このため、電気化学的反応をする触媒の活性点から障害物としての水が排斥され、そこに酸素を速やかに供給することができるため、フラッディングが抑制され、燃料電池システムの出力向上を実現できると考えられる。
特開2002−198057号公報
しかし、上記特許文献1開示の技術を用いた燃料電池システムでは、永久磁石が空気極において単に分散、配置されているに過ぎないことから、空気極の厚さ方向で磁気力に相違がない。このため、仮に空気極反応層での磁気力が弱く、空気拡散層での磁気力が強い場合には、プロトンの伝導とは無関係な自由水が電解質層側から空気極側に移動しやすい。また、仮に空気極反応層内での磁気力が弱い場合には、水素と酸素との反応による生成水も空気極反応層内に留まり易い。これらのため、自由水や生成水が邪魔になって酸素が空気極反応層に供給され難くなると考えられる。また、仮に空気極反応層での磁気力が弱く、空気拡散層での磁気力が強い場合には、空気が空気拡散層に留まり易く、空気極反応層まで移動し難いこととなると考えられる。これらの場合には、濃度過電圧の損失により、出力向上を必ずしも実現し得ないと思われる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、燃料電池システムの出力をより確実に向上させることを解決すべき課題としている。
本発明の膜電極接合体は、電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極と、該電解質層の他面に接合された水素極とを有し、該空気極は、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散するための空気拡散層とからなる膜電極接合体において、
前記空気極反応層は、前記電解質層側で強く、前記空気拡散層側で弱い磁気力を奏するように構成されていることを特徴とする。
本発明の膜電極接合体では、空気極反応層の電解質層側で磁気力が強く、空気拡散層での磁気力が弱いため、自由水が電解質層側から空気極反応層に移動し難くなっている。また、この膜電極接合体では、空気極反応層の電解質層側での磁気力が強いため、生成水は速やかに空気極反応層の電解質層側から空気拡散層側に移動する。これらのため、自由水や生成水が邪魔になり難く、酸素が空気極反応層に供給され易くなる。また、この膜電極接合体では、電解質側の磁気力が強く、空気拡散層側の磁気力が弱いため、空気は空気拡散層に留まらず、空気極反応層まで移動し易い。
したがって、この膜電極接合体によれば、濃度過電圧の低減により、燃料電池システムの出力をより確実に向上させることができるのである。
本発明の膜電極接合体は、電解質層、空気極及び水素極を有する。電解質としては、ナフィオン(登録商標)等のイオン交換樹脂を採用することができる。空気極は、電解質層の一面に接合された空気極反応層と、空気極反応層の非電解質層側に接合され、空気極反応層に空気を拡散する空気拡散層とからなる。また、水素極は、電解質層の他面に接合された水素極反応層と、水素極反応層の非電解質層側に接合され、水素極反応層に水素を拡散する水素拡散層とからなり得る。
空気極反応層は、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト等の導電性のある基材と、この基材に固定した少なくとも触媒及び電解質とからなり得る。基材は撥水性及びガス透過性を有するものであり得る。撥水性を有するものとするためには、カーボンクロス等の基材に撥水材を塗布しておくことができる。水素極反応層は、基材と、この基材に固定した少なくとも触媒及び電解質とからなり得る。
空気拡散層や水素拡散層は、基材と、この基材に固定した少なくとも導電材料とからなり得る。基材にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子等の撥水粒子を混合することもできる。
空気極反応層に磁気力の勾配をつけるため、空気極反応層には、触媒作用及び磁気作用を併せもつ磁性触媒が担持されていることができる。こうした燃料電池システムでは、図1に示すように、磁化された磁性触媒33は、その磁気作用により、酸素を常磁性体として吸引しつつ水を反磁性体として排斥することができる。また、磁性触媒33は、空気極反応層で還元反応を促進し、電気化学的反応の触媒作用を行う。すなわち、酸素は、常磁性体として、直にプロトンと反応する磁性触媒33自体から非常に大きな吸引力を受ける。他方、電気化学的反応後には磁性触媒33自体の表面に水が生じており、その水は、磁性触媒33自体が発生する磁気力により、反磁性体として、磁性触媒33自体からやはり非常に大きな排斥力を受ける。このため、実際に電気化学的反応をする磁性触媒33の活性点から障害物としての水が排斥され、その磁性触媒33に酸素を速やかに供給することができるため、フラッディングがより確実に抑制される。
発明者らの試験結果によれば、磁性触媒33としてはfct構造を主相とするPt合金を採用することができる。fct構造のPt合金は、図2に示すように、PtとFe、Co等の他の合金金属とが層構造をなすPt合金である。図3に示すように、Ptと他の合金金属とが層構造をなさない立方晶系面心立方格子(fcc)構造のPt合金を高温下の熱処理に供することにより、fct構造のPt合金が得られる。一般的に、合金化直後のPt合金は、準安定相である不規則なfcc構造をとり、これは軟磁気特性を示す。しかし、これを高温下の熱処理に供することにより、安定相である規則的なfct構造が形成され、Ku〜7×107erg/ccの高い一軸結晶磁気異方性を示す高い保磁気力を有するものとなる。
より具体的には、磁性触媒33としては、Pt−Fe合金を採用することができる。Pt−Fe合金の状態図を図4に示す。図4に示されるように、熱処理温度を900°Cとすると、Pt/Fe=35/65〜54/46(at%)の範囲で磁気作用を奏するfct構造を主相とするPt−Fe合金が得られる。発明者らの試験によれば、熱処理温度を1300°Cとすることにより、Pt/Fe=41/59〜74/26(at%)の範囲で磁気作用を奏するfct構造を主相とするPt−Fe合金が得られた。Pt/Fe=38.5/61.5(at%)のPt−Fe合金を1046°Cで100時間熱処理し、水で急冷したfct構造を主相とするPt−Fe合金の磁化曲線図を図5に示す。図5より、このfct構造を主相とするPt−Fe合金は、−3.8〜3.8kOeの高い保磁気力を有することがわかる。発明者らの推察によれば、Pt/Fe=40/60〜75/25(at%)の組成を有するPt−Fe合金を採用することが好ましい。また、保磁気力が絶対値で2kOe以上のPt−Fe合金を採用することが好ましい。さらに、粒径が1〜10nmのPt−Fe合金を採用することが好ましい。この種のPt−Fe合金は水溶液反応を基礎とする逆ミセル法、有機金属を用いる合成法等によって得られる。
また、磁性触媒33としては、Pt−Co合金を採用することもできる。Pt−Co合金の状態図を図6に示す。図6に示されるように、Pt/Co=40/60〜73/27(at%)の範囲で磁気作用を奏するfct構造を主相とするPt−Co合金が得られる。発明者らの推察によれば、Pt/Co=40/60〜75/25(at%)の組成を有するPt−Co合金を採用することが好ましい。また、保磁気力が絶対値で2kOe以上のPt−Co合金を採用することが好ましい。さらに、粒径が1〜10nmのPt−Co合金を採用することが好ましい。この種のPt−Co合金も水溶液反応を基礎とする逆ミセル法、有機金属を用いる合成法等によって得られる。
磁性触媒33によって空気極反応層に磁気力の勾配をつける場合、磁気力の異なる磁性触媒33を用いることができる。磁気力のない触媒は最も空気拡散層側に設けられ得る。磁気力の強い磁性触媒33としては、上記Pt−Fe合金、Pt−Co合金等を採用することができる。磁気力の弱い磁性触媒33としては、これらPt−Fe合金、Pt−Co合金等の劣悪品を採用することができる。また、磁性触媒33によって空気極反応層に磁気力の勾配をつける場合、磁性触媒の密度を変えることも可能である。
仮に、図7に示すように、磁性触媒33が空気極反応層において単に分散、配置されているに過ぎないとすると、各磁性触媒33は、上記特許文献1の永久磁石と同様、自己の体積に応じた磁気力しか生じず、磁気力が不足するおそれがある。また、この場合、各磁性触媒33が空気極反応層から脱落するおそれがある。これでは、磁気力に基づく吸引力及び排斥力が不十分になるおそれがあり、燃料電池システムの出力向上を必ずしも実現し得ないと思われる。
このため、図8(A)〜(C)に示すように、磁性触媒33は、磁性体からなる電極用磁性担体31の外周面に担持されていることが好ましい。こうであれば、磁性触媒33及び電極用磁性担体31の合計の体積による十分な磁気力を生じる。また、磁性触媒33が電極用磁性担体31に磁着して脱落し難い。なお、この場合、触媒作用を発揮していない磁性触媒33であっても、その磁気作用を有効に利用することができる。
電極用磁性担体31としては、鉄、コバルト、ニッケル、鉄−コバルト合金、鉄−ニッケル合金、アルニコ等、一元系金属又は二元系以上の多元系合金を採用することができる。電極用磁性担体31は、上記磁性触媒33と同様、電極用磁性担体31が触媒作用及び磁気作用を併せもつものであることもできる。例えば、電極用磁性担体31として、Pt−Fe合金、Pt−Co合金、Pt−Fe−Co合金等の触媒作用及び磁気作用を併せもつ多元系合金を採用することができる。粒径が20〜100nmの電極用磁性担体31を採用することが好ましい。
電極用磁性担体31としては、図9(A)に示すように、強磁性体ではあるが、保磁力が小さく、磁石のように保持力がないためにそれ自体で磁気力を有さないものの他、図9(B)に示すように、既に弱い磁気力を有するもの、図9(C)に示すように、既に強い磁気力を有するものを採用することができる。また、既に磁気力を有するものをさらに磁気化することもできる。
図9(A)に示すように、強磁性体ではあるが、それ自体で磁気力を有さない電極用磁性担体31を用いる場合、図8(A)に示すように、各磁性触媒33のS極同士及びN極同士は整列せず、互い違いでS極とN極とが整列することにより、極めて弱い磁気力が生じる。
図9(B)に示すように、弱い磁気力を有する電極用磁性担体31を用いる場合、図8(B)に示すように、電極用磁性担体31及び各磁性触媒33のS極及びN極が整列して弱い磁気力を生じる。
図9(C)に示すように、強い磁気力を有する電極用磁性担体31を用いる場合、図8(C)に示すように、電極用磁性担体31のN極に各磁性触媒33のS極が配向し、電極用磁性担体31のS極に各磁性触媒33のN極が配向し、電極用磁性担体31及び各磁性触媒33のS極及びN極が整列してより強い磁気力を生じる。また、電極用磁性担体31の磁気化により各磁性触媒33の磁化を継続することができる。
図8(A)〜(C)及び図9(A)〜(C)に示すように、磁性触媒33は導電性磁性体32によって電極用磁性担体31の外周面に担持されていることができる。導電性磁性体32としては、カーボン等を採用することができる。厚みが数nmの導電性磁性体32を採用することが好ましい。例えば、アーク放電によってカーボンと電極用磁性担体を構成する磁性体の金属とを同時に高温化して飛散させ、それらが凝固する過程で金属がカーボンに内包されたカーボンナノカプセルを析出する。そして、そのカーボンナノカプセルへ磁性触媒を担持する。こうして、磁性触媒33を導電性磁性体32によって外周面に担持した電極用磁性担持触媒30が得られる。
電極用磁性担持触媒30によって空気極反応層に磁気力の勾配をつける場合、磁気力の異なる電極用磁性担持触媒30を用いることができる。磁気力のない電極用磁性担持触媒30は最も空気拡散層側に設けられ得る。また、電極用磁性担持触媒30によって空気極反応層に磁気力の勾配をつける場合、電極用磁性担持触媒30の密度を変えることも可能である。
本発明の膜電極接合体は以下のように製造され得る。まず、電極用磁性担体31、導電性磁性体32、電極用磁性担持触媒30等を用意する。電極用磁性担持触媒30は、電極用磁性担体31の外周面に導電性磁性体32を介して磁性触媒33を担持することによって得られる。
そして、基材に少なくとも電極用磁性担持触媒30及び電解質溶液を混合したペーストを塗布した後、乾燥させて空気極反応層を製造する。この際、既に磁気力を有する電極用磁性担持触媒30を用い、電解質層側に強い磁気力を有する電極用磁性担持触媒30、中間に弱い磁気力を有する電極用磁性担持触媒30、空気拡散層側に磁気力を有さない電極用磁性担持触媒30を順次多層に形成する。また、磁気力のない電極用磁性担持触媒30を用い、電解質層側が強い磁気力を有し、空気拡散層側が弱い磁気力を有するように磁場を与えることもできる。
また、基材に少なくとも触媒及び電解質溶液を混合したペーストを塗布した後、乾燥させて水素極反応層を製造する。一方、基材に少なくとも導電材料を混合したペーストを塗布した後、乾燥させて空気拡散層や水素拡散層を製造する。空気極反応層及び空気拡散層の基材を共通化したり、水素極反応層及び水素拡散層の基材を共通化したりすることもできる。得られた空気極反応層及び水素極反応層により空気極を構成し、この空気極を水素極反応層及び水素拡散層からなる水素極と電解質層とを接合する。こうして本発明の膜電極接合体を得る。
本発明の膜電極接合体を水素供給手段、空気供給手段等とともに組み付けることにより、本発明の燃料電池システムとなる。すなわち、本発明の燃料電池システムは、上記膜電極接合体と、前記水素極に水素を供給する水素供給手段と、前記空気極に空気を供給する空気供給手段とを備えたことを特徴とする。
水素供給手段は水素極に水素を供給するものである。水素ボンベ、セパレータの水素室等を水素供給手段とすることができる。空気供給手段は、空気極に空気を供給するものである。ブロア、セパレータの空気室等を空気供給手段とすることができる。本発明の燃料電池システムは出力がより確実に向上する。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。この燃料電池システムでは、図10に示す複数のセル1が用いられている。各セル1は膜電極接合体(MEA)10と一対のセパレータ20とを備えている。
膜電極接合体10は、イオン交換膜からなる電解質層11と、この電解質層11の一面に一体に接合された水素極12と、電解質層11の他面に一体に接合された空気極13とを有している。
水素極12は、電解質層11側に設けられる水素極反応層12aと、水素極反応層12aの非電解質層側に接合され、水素極反応層12aに水素を拡散する水素拡散層12bとからなる。
また、空気極13は、電解質層11側に設けられる空気極反応層13aと、空気極反応層13aの非電解質層側に接合され、空気極反応層13aに空気を拡散する空気拡散層13bとからなる。
各セパレータ20は、一面側に水素極12に水素を供給するための水素室21が形成され、他面側に空気極13に空気を供給するための空気室22が形成されたものである。
各セル1は、水素極12側に水素室21が対面し、空気極13側に空気室22が対面するように膜電極接合体10と一対のセパレータ20とが積層されたものである。そして、膜電極接合体10とセパレータ20とを順次積層することによりスタックが構成される。また、水素極12側と空気極13側とで共通する上記セパレータ20を採用している。なお、スタックの両端のセパレータ20には水素室21又は空気室22だけが形成されている。
スタックには、各セル1の水素室21に図示しないバルブを介して連通する水素ボンベ2と、各セル1の空気室22に連通するブロア3とが接続されている。水素ボンベ2及びセパレータ20の水素室21が水素極反応層12aに水素を供給する水素供給手段である。また、ブロア3及びセパレータ20の空気室22が空気極反応層13aに空気を供給する空気供給手段である。
実施例の燃料電池システムの特徴的な構成として、空気極反応層13aには、図11及び図12に示すように、無数の電極用磁性担持触媒30が担持されている。各電極用磁性担持触媒30は、電極用磁性担体31と、電極用磁性担体31の外周面にカーボン32を介して担持された磁性触媒33とからなる。
電極用磁性担体31は、平均粒径が50nm、Pt/Fe=50/50(at%)のPt−Fe合金を熱処理し、水で急冷したfct構造を主相とするPt−Fe合金である。また、磁性触媒33は、平均粒径が5nm、Pt/Fe=50/50(at%)のPt−Fe合金を熱処理し、水で急冷したfct構造を主相とするPt−Fe合金である。
各電極用磁性担持触媒30は各磁性触媒33及び/又は電極用磁性担体31が磁化されている。電極用磁性担持触媒30は、磁気力が電解質層11側で強く、空気拡散層13b側で弱くなっている。
この燃料電池システムにおいて、空気極反応層13a近傍における室温での磁気力をシミュレーションする。磁気力はF=X/2μ0×∇(B)2によって計算される。μ0は4π×10-7(H/m)、Xは体積磁化率(酸素は1.93×10-6、水は−9.05×10-6)である。このため、酸素のX/2μ0は0.77、水のX/2μ0は−3.60である。結果を図13に示す。なお、この結果は、図中に示すように、電極用磁性担持触媒30が電解質層11と空気拡散層13bとの間で列を作っていると仮定し、列と列との中間位置における磁気力を計算したものである。
図13より、この膜電極接合体10の空気極反応層13aには、自由水を電解質11との界面から電解質11内に排除する磁気力と、その界面から生成水を空気拡散層13b側に排出するとともに、空気拡散層13bから酸素をその界面に吸引する磁気力とが作用していることがわかる。
すなわち、この膜電極接合体10では、図12にも示すように、空気極反応層13aの電解質層11側で磁気力が強く、空気拡散層13bでの磁気力が弱いため、自由水が電解質層11側から空気極反応層13aに移動し難くなっている。また、この膜電極接合体10では、空気極反応層13aの電解質層11側での磁気力が強いため、生成水は速やかに空気極反応層13aの電解質層11側から空気拡散層13b側に移動する。これらのため、自由水や生成水が邪魔になり難く、酸素が空気極反応層13aに供給され易いのである。また、この膜電極接合体10では、電解質11側の磁気力が強く、空気拡散層13b側の磁気力が弱いため、空気は空気拡散層13bに留まらず、空気極反応層13aまで移動し易いのである。
したがって、この膜電極接合体10によれば、濃度過電圧の低減により、燃料電池システムの出力をより確実に向上させることができることがわかる。
本発明は電気自動車等の移動用電源、あるいは据え置き用電源に利用可能である。
磁性触媒の構成並びに酸素及び水への磁気力を示す概念図である。 fct構造のPt合金の模式構造図である。 fcc構造のPt合金の模式構造図である。 Pt−Fe合金の状態図である。 fct構造を主相とするPt−Fe合金の磁化曲線図である。 Pt−Co合金の状態図である。 分散された複数の磁性触媒の構成を示す概念図である。 電極用磁性担持触媒の構成を示す概念図である。 電極用磁性担体等の構成を示す概念図である。 実施例の燃料電池システムに係り、セルの要部模式断面図である。 実施例の膜電極接合体の要部拡大模式図である。 実施例の膜電極接合体の要部拡大模式図である。 空気極反応層近傍の磁気力を示すグラフである。 従来に係り、膜電極接合体の模式図である。
符号の説明
11…電解質層
13…空気極
12…水素極
13a…空気極反応層
13b…空気拡散層
10…膜電極接合体
33…磁性触媒
31…電極用磁性担体
32…カーボン(導電性磁性体)
30…電極用磁性担持触媒
2、21…水素供給手段(2…水素ボンベ、21…水素室)
3、22…空気供給手段(3…ブロア、21…空気室)

Claims (4)

  1. 電解質層と、該電解質層の一面に接合された空気極と、該電解質層の他面に接合された水素極とを有し、該空気極は、該電解質層の一面に接合された空気極反応層と、該空気極反応層の非電解質層側に接合され、該空気極反応層に空気を拡散するための空気拡散層とからなる膜電極接合体において、
    前記空気極反応層は、前記電解質層側で強く、前記空気拡散層側で弱い磁気力を奏するように構成されていることを特徴とする膜電極接合体。
  2. 前記空気極反応層には、触媒作用及び磁気作用を併せもつ磁性触媒が担持されていることを特徴とする請求項1記載の膜電極接合体。
  3. 前記磁性触媒は、磁性体からなる電極用磁性担体の外周面に担持されていることを特徴とする請求項2記載の膜電極接合体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の膜電極接合体と、前記水素極に水素を供給する水素供給手段と、前記空気極に空気を供給する空気供給手段とを備えたことを特徴とする燃料電池システム。
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