JP2005332747A - 発光素子 - Google Patents

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克明 久家
Shinjiro Okada
伸二郎 岡田
Akira Tsuboyama
明 坪山
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Abstract

【課題】 高発光効率・高安定性である発光材料を用いた発光素子を提供する。
【解決手段】 陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が単核の4配位の金配位化合物を含有する発光素子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機化合物を用いた発光素子に関するものである。
有機EL素子は、高速応答性や高効率の発光素子として、応用研究が精力的に行われている(非特許文献1)。
一般に、金配位化合物は空気や湿気に安定であるものが多く、合成等の際の取扱が簡便であり、さらに通常扱い難い水銀を除けば、金が第三周期の遷移金属で最も大きい原子量を持つため、その重原子効果により、他にない高効率な発光素子を製造することが期待され、金配位化合物の性能を十分に引き出せば高性能な有機EL素子が可能になる。
非特許文献2には、2核の2配位の金配位化合物を用いた有機EL素子が開示されている。また、非特許文献3〜5には、本発明の一部の化合物と同じ構造を有する金配位化合物が開示されている。
Macromol.Symp.125,1〜48(1997) Applied Physics Letters 1999 74 No10 p1361 Journal of Chemical Society Dalton Transaction 1984 p969 Inorganica Chimica Acta (1995),231(1−2),p65−71 Journal of Chemical Society Dalton Transaction 1990 p2219
しかしながら、非特許文献2に記載のEL素子は、素子の効率の記載が不十分であり、金配位化合物の特性が十分引き出せているとは考えにくく、ディスプレイや照明などに用いるには十分な性能のものではない。
また、非特許文献3〜5には、発光もしくは金配位化合物を用いた発光素子作成に関しては記載がない。
本発明は、高発光効率・高安定性である発光材料を用いた発光素子を提供することを目的とする。
即ち、本発明の発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が二つの電極に挟まれた一つ又は複数の有機化合物層からなる発光素子において、該有機化合物層の一つが発光層であり、該有機化合物層の一つが単核の4配位の金配位化合物を含有することを特徴とする。
本発明の発光材料は、高発光効率・有機EL素子の発光材料に有用であり、これを用いた発光素子は優れた特性を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の発光材料である金配位化合物の特徴から説明する。
本発明に用いる金配位化合物は、単核の4配位の金配位化合物である。4配位の金配位化合物は2配位の金配位化合物に比べ配位数が多い。一般的に金属配位化合物の安定性において、中心金属もしくは金属−配位子間の結合に対する、例えば酸素や水といった外的な小分子の攻撃によって結合解裂が起こり分解するというプロセスが重要な要因の一つとなる。4配位の金配位化合物は2配位の金配位化合物に比べ中心金属周りを囲むように配位子が配置されるため、中心金属および金属−配位子間の結合を立体的に保護することができ、金配位化合物をさらに安定化できる。
金に配位している配位子は特に限定されるものではないが、1つの2座ホスフィン配位子が金原子に結合した単核の4配位の金配位化合物、例えば下記一般式(1)で示される部分構造を有する金配位化合物であることが望ましい。
Figure 2005332747
[但しAuは金イオンであり、Aは2座のホスフィン配位子である。R1、R2、R1’、R2’は、水素原子がハロゲンに置換されても良い炭素数10以下の分岐、環状または直鎖状のアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、または置換基を有しても良い複素環基であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。L1、L2は炭素、窒素、酸素、窒素、リン、硫黄から選ばれる元素を配位原子とする配位子であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。また、L1とL2が結合して2座配位子を形成してもよい。]
これらのうちでも、より好ましくは、下記一般式(2)で示される部分構造を有する金配位化合物である。
Figure 2005332747
[但し、Bは2座配位子であり、X1、X2は炭素、窒素、酸素、窒素、リン、硫黄から選ばれる原子であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。]
さらには2つの2座ホスフィン配位子が金原子に結合した単核の4配位の金配位化合物、例えば、一般式(2)におけるX1、X2が、それぞれPR34、PR3’R4’[但し、R3、R4、R3’、R4’は、水素原子がハロゲンに置換されても良い炭素数10以下の分岐、環状または直鎖状のアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、および置換基を有しても良い複素環基であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。]であり、2座のホスフィン配位子A、Bが同一または異なる金配位化合物であれば最適である。
また金配位化合物は該化合物が持つ電荷が中性であるものに限らず、電荷を持ったイオン性の化合物であっても良い。
本発明の金配位化合物は、熱的に安定で、高い発光効率を示し発光材料に適している。特に固体粉末状態において他の化合物と比べ強い発光を示すことが特徴である。一般には希薄溶液で強く発光する化合物でも固体粉末状態においては、発光が極端に弱くなる物が多い。これらは、発光材料分子間の相互作用によって、基底状態において会合体を形成する、あるいは、励起会合体を形成し、本来の発光特性が得られなくなる現象であり、これは「濃度消光」現象として知られている。本発明における金配位化合物は、濃度消光に強い発光材料といえる。従って、発光素子中の発光層を考えるとき、一般には、ホスト材料中に発光材料を少量ゲスト材料として加えることで濃度消光を回避する。本発明の材料は、この濃度消光の制約がないため、濃度を濃くするあるいは、100%の発光層を形成することができ、高い発光効率を有し、かつ、生産性のよい発光素子を製造することができる。また発光特性の濃度依存性が小さいため、生産ばらつきなどが抑えられ、この観点からも生産性の高い発光素子を作成することが可能である。
金配位化合物の中心金属の金イオンはプラス1価を用いることが好ましい。金原子の電子配置から考えると、プラス1価の金は、d電子が10個含まれる。一般に、遷移金属で偶数個のd電子の場合には、良好な発光特性を示す場合が多い。
本発明者らの検討により、本発明の金配位化合物の少なくとも一部は、イオン性の錯体であっても、蒸着が可能であることが明らかになった。後述する例示化合物1001と1040は真空蒸着法によって蒸着が可能であることが明らかになった。これは蒸着膜の分析から(EDS:エネルギー分散型蛍光X線分析、WDS:波長分散型蛍光X線分析)確認された。我々の知る限り、イオン性の燐光発光物質で真空蒸着ができるものはこれが初めてである。
真空蒸着法は、安定で膜質の良い薄膜を作成できるため、有機LED素子の作成方法として一般によく用いられる。一般的に真空蒸着法を用いて金属配位化合物の薄膜を作成する場合、用いる金属配位化合物は電荷的に中性であるものが望ましいが、本発明の金配位化合物を用いれば、従来、真空蒸着法による薄膜形成に対して不向きとされていた、電荷を有するイオン性の金属配位化合物でもあっても何ら問題がない。今まで我々の実験から、分子量が大きくなると、昇華性が落ち、この蒸着法を用いることが難しい。我々の実験では、真空蒸着を可能にするためには、化合物の分子量は、好ましくは1500以下、さらに好ましいのは1200以下が望ましい。
本発明の金配位化合物に用いる配位子に関して説明する。
本発明に用いることのできる配位子の化学構造式を以下にあげる[但し、下記基本構造は、縮合環基または置換基を有しても良い。該置換基は、ハロゲン原子、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、または、置換基を有しても良い芳香環基である。前記アルキル基のCH2基は、−O−または−NR−(Rはアルキル基または、置換されても良い芳香環基)に置換されても良く、また、H原子は芳香環基またはハロゲン原子に置換されても良い。]
以下に示す配位子は0価の配位子である。
Figure 2005332747
Figure 2005332747
Figure 2005332747
Figure 2005332747
Figure 2005332747
Figure 2005332747
Figure 2005332747
以下に示す配位子は、構造式中に示した「CH」、「CH2」、「NH」、「SH」または「OH」の水素原子が引き抜かれ、マイナス1価の2座配位子となる。これらの配位子の金原子に対する配位原子は、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子または酸素原子である。
Figure 2005332747
以下に示す配位子はI01〜I05までは0価の単座配位子を示してある。これらの配位子の金原子に対する配位原子はリン原子および窒素原子である。またI06〜I08までは構造式中に示した「SH」または「OH」の水素原子が引き抜かれ、マイナス1価の単座配位子となる。これらの配位子の金原子に対する配位原子は、硫黄原子および酸素原子である。
Figure 2005332747
以下に、本発明の金属配位化合物の具体例を示す。
表1〜表4に、化3〜化9に示す配位子が金原子に配位した、一般式(2)で示される金配位化合物の構造式を示す。ここで、表1についてはAおよびBが共にホスフィン2座配位子であり、両者の構造が同じである金配位化合物、表2についてはAおよびBが共にホスフィン2座配位子であり、両者の構造が異なる金配位化合物を示してある。表3に示した金配位化合物は、Aがホスフィン2座配位子であり、Bがホスフィン以外の2座配位子である化合物を示している。表1〜表3に示した金配位化合物は、配位子がすべて0価なので配位化合物全体ではプラス1価の配位化合物である。これらイオン性の配位化合物の場合、カウンターアニオンとして、PF6-、ClO4-、BF4-、ハロゲンイオンなどを用いることができる。
Figure 2005332747
Figure 2005332747
Figure 2005332747
表4に、化10に示すマイナス1価の2座配位子が1つと、0価のホスフィン2座配位子が1つ、金原子に配位した、一般式(2)で示される金配位化合物を示す。表4に示した金配位化合物はマイナス1価の2座配位子を1つと、0価のホスフィン2座配位子を1つ有するため全体の電価は0価となる。
Figure 2005332747
表5に、ホスフィン2座配位子を1つと、化11に示す単座配位子を2つ有する、一般式(1)で示される金配位化合物を示した。表5の中で、化合物番号5001〜5009に関しては0価のホスフィン2座配位子を1つと0価の単座配位子を2つ有する金配位化合物であり、配位子がすべて0価なので配位化合物全体ではプラス1価の配位化合物である。これらイオン性の配位化合物の場合、カウンターアニオンとして、PF6-、ClO4-、BF4-、ハロゲンイオンなどを用いることができる。また、化合物番号5010〜5018に関しては0価のホスフィン2座配位子を1つと0価の単座配位子を1つ、さらにマイナス1価の単座座配位子を1つ有する金配位化合物であり、配位化合物全体では0価の金配位化合物である。
Figure 2005332747
以下に、化11に示す単座配位子を4つ有する、化学構造式J1で示される金配位化合物を示した。化学構造式J1中のL1〜L4は配位原子が窒素原子、酸素原子、リン原子および硫黄原子から選ばれる単座配位子であり、L1〜L4は同じでも異なっていてもよい。化合物番号6001および6002の金配位化合物の有する単座配位子はすべて0価であるため金配位化合物全体ではプラス1価の配位化合物である。これらイオン性の金配位化合物の場合、カウンターアニオンとして、PF6-、ClO4-、BF4-、ハロゲンイオンなどを用いることができる。化合物番号6003および6004の金配位化合物の有する配位子は0価の単座配位子が3つとマイナス1価の単座配位子が1つであるため、金配位化合物全体の電価は0価となる。
Figure 2005332747
Figure 2005332747
本発明者の検討により、例示化合物1040はX線結晶構造解析により擬似的なテトラヘドラル構造を有する[Au(PPh264PPh22]Clであることが確認された。
配位子は単座で金原子に配位するものと2座で金に配位するものが示してあるが、単座配位子に比べ、2座配位子が金に配位している単核の4配位の金配位化合物の方がキレート効果(2座、3座配位子といった多座配位子が金属に配位する時、キレート環が形成される結果、錯体の安定度が増大する効果)の影響で安定性が向上する。さらに表1〜4に示したような、2座の配位子が二つ配位した単核の4配位の金配位化合物はさらにその安定性が増すためさらに好ましい。
本発明の発光材料は、固体中で良く発光するため、発光層中で、高濃度で用いることができる。しかしながら、配位化合物を同じ配位子で構成する場合、その配位化合物は比較的結晶化しやすく、発光素子として用いる場合、劣化しやすいなど問題が起こる可能性がある。そのため、分子の対称性を落として結晶化を抑制することができる。その例を表2〜表4に示した。表2〜表4に示した金配位化合物は構造の異なる複数の配位子を有するため、分子構造の対称性が低い。このような分子構造を有するものは、アモルファス性が高く、結晶性が低いため有機LED素子の発光材料には、より望ましい。
本発明の金配位化合物の発光メカニズムについては幾つかの可能性が考えられる。
(1)LMCT(ligand−to−metal−charge−transfer)励起状態
(2)MLCT(metal−to−ligand−charge−transfer)励起状態
(3)金属中心励起状態
(4)配位子中心(ππ*)励起状態
以下に示す発光に関する記述に関しては、我々の発光メカニズムに関する一つのモデルである。本発明の金配位化合物の発光性最低励起状態は、特にホスフィン配位子に代表されるような強い電子ドナー配位子のみを有する場合、LMCT(配位子から金属への電荷移動)により生じる3重項状態であることが予想される。もしくは金属中心励起状態も考えられる。
ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、アザキノリン、アザイソキノリン環などN原子を介して直接金原子に配位しているものの場合、励起状態になるとき、基底状態から、電子が上位の軌道に遷移するが、上記複素環は、電子欠乏性のため、電子を受け入れやすい。そのため、金原子から励起遷移時に複素環が電子を受け入れる場合が多い。これら、複素環を有する配位子が励起遷移時に金原子から電子を受け入れる。励起遷移時に、金属から配位子に電子が電荷移動する場合に、その励起状態をMLCT励起状態と呼ぶ。配位子中心(ππ*)励起状態も考えられる。
本発明の配位化合物の中には電子欠乏性の複素環であるピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、アザキノリン、アザイソキノリン環などがN原子を介して直接金原子に配位しているものもあるが、この場合上記の幾つかの発光性最低励起状態((1)〜(4))の可能性を考えなくてはならない。
本発明の金配位化合物の発光寿命は、固体状態で0.1μs〜100μsであり、3重項励起状態を経由した発光であり、遅延蛍光または燐光である。
高発光効率のためには、基底状態と励起状態の構造変化を抑制するような配位子構造にすることが重要である。本発明の金配位化合物は、溶液に比べ固体中では上記構造変化が抑制されるため、強い発光が得られると考えられる。これが金配位化合物が、固体でよく発光する一つの理由である。
これまで、用いられてきたアルミキノリノール誘導体、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体などは、溶液中で非常に強い発光が得られ、その強発光特性がそのまま固体分散中でも保持される。この特性が有機EL素子においても有効に働き、素子の高発光効率が得られた。しかしながら本発明の金配位化合物では溶液中の発光に比べて固体中の発光は非常に強い。本発明者らはこの特性に着眼し有機EL素子の高効率で安定発光に有用であることを見出した。
本発明の金配位化合物は有機EL素子の発光材料に有用である。高い発光効率を有することは言うまでもなく、真空蒸着プロセスや溶液にして塗布するスピンコートプロセスや、インクジェットノズルを用いた塗布方式にも適する。
今まで発光素子の素子作成工程として真空蒸着プロセスを用いた場合、その発光材料としてはその昇華性の問題から中性の、電荷を持たない金属配位化合物を用いるという制限があった。本発明者らは今まで一般的に真空蒸着プロセスには不向きとされていたイオン性の金属配位化合物を発光材料として用いて、真空蒸着プロセスにより発光素子を作成することができることを見出した。これにより金属配位化合物の持つ電荷に制限されることなく真空蒸着プロセスにより安定した素子作成が可能になる。
次に、本発明の発光素子について説明する。
本発明の発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子であり、有機化合物を含む層の少なくとも一層、好ましくは発光層が上記金配位化合物を含有する。
本発明の有機EL素子の基本的な構成を図1(a)〜(d)に示した。
図1に示したように、本発明の有機EL素子は、透明基板15上の透明電極14と金属電極11の間に設けられた単層または複数の有機膜層から構成される。
図1(a)は、最も単純な構成で、有機層が発光層12のみからなるものである。
図1(b)と(c)は、有機層が2層からなり、それぞれ発光層12とホール輸送層13と、発光層12と電子輸送層16からなる。
図1(d)は、有機層が3層からなりホール輸送層13、発光層12および電子輸送層16からなるものである。
発光層12には、電子輸送性と発光特性を有するアルミキノリノール錯体など(代表例は、以下に示すAlq)が用いられ、上記金属配位化合物を含有することが好ましい。また、ホール輸送層13には、例えばトリフェニルアミン誘導体(代表例は、以下に示すαNPD)が主に用いられる。また高分子の場合、PVKが用いられる。PVKは、主にホール輸送性であり、PVK自体が青色のEL発光を示す。電子輸送層16としては、例えば、オキサジアゾール誘導体など、または、以下に示すAlq、BphenやBCPを用いることができる。
Figure 2005332747
<製造例1>
窒素雰囲気下、50mlフラスコにAuCl(PPh3)(100mg,0.25mmol)とトルエン(10ml)を加えた。この溶液に1,2−ジフェニルホスフィノベンゼン(225mg,0.5mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。溶液は徐々に白色懸濁液となった。生成した白色懸濁液をろ過後、得られた白色固体をトルエンおよびへキサンの順で洗浄し、減圧下乾燥させた。この白色固体を少量の塩化メチレンに溶かし、その溶液の上に静かにジエチルエーテルを乗せ,再結晶することにより例示化合物1040の塩化物体[Au(PPh264PPh22]Clを収率51%(143mg)で得た。
ガラス基板上にAlを100nm蒸着した基板上に、得られた例示化合物1040の塩化物体[Au(PPh264PPh22]Clを10-4Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着することで100nmの蒸着膜を作成した。
この蒸着膜の組成分析は、波長分散型蛍光X線分析装置ZXE−100e(理学電機工業製)による波長分散型蛍光X線分析法および走査型電子顕微鏡XL−30(FEI社製)を用いてEDS(EDAX社製)によるエネルギー分散型蛍光X線分析法により行った。
波長分散型蛍光X線分析の結果、基板上からは[Au(PPh264PPh22]Clに由来する金、リンおよび塩素が検出された。なお標準サンプルとしてガラス基板上にAlを100nmのみ蒸着した基板を測定したが、金、リンおよび塩素は全く検出されなかった。またエネルギー分散型蛍光X線分析法を用いて分析した結果、同様に金、リンおよび塩素が基板から検出され、金:リン:塩素の組成比が0.9:0.7:4となった。これは蒸着した[Au(PPh264PPh22]Clに含まれる各原子数の比1:1:4に近い値をとっている。
以上の結果から[Au(PPh264PPh22]Clが真空蒸着法により基板に蒸着されていることが確認された。
<製造例2>
窒素雰囲気下50mlフラスコにAuCl(PPh3)(100mg,0.25mmol)とトルエン(10ml)を加えた。この溶液にジフェニルホスフィノメタン(192mg,0.5mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。溶液は徐々に白色懸濁液となった。生成した白色懸濁液をろ過後、得られた白色固体をトルエンおよびへキサンの順で洗浄し、減圧下乾燥させることにより例示化合物1001の塩化物体[Au(PPh2CH2PPh22]Clを収率45%(110mg)で得た。
<実施例1>
本実施例では、素子構成として、図1(d)に示す有機層が3層の素子を使用した。
ガラス基板(透明基板15)上に100nmのITO(透明電極14)をパターニングして、対向する電極面積が3mm2になるようにした。そのITO基板上に、以下の有機層と電極層を10-4Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着し、連続製膜した。
有機層1(ホール輸送層13)(40nm):化合物FL1
有機層2(発光層12)(40nm):金配位化合物(例示化合物1040)
有機層3(電子輸送層16)(50nm):BPhen
金属電極層1(1nm):KF
金属電極層2(120nm):Al
Figure 2005332747
<実施例2>
有機相2(発光層12)、金属電極層2を以下の様に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製した。
有機層2(発光層12)(60nm):CBP:金配位化合物(例示化合物1040)(重量比50重量%)
金属電極層2(150nm):Al
<実施例3>
例示化合物1040に代えて例示化合物1001を用いた以外は実施例1と同様にして素子を作製した。
実施例で得られた素子の特性を評価した。発光スペクトルと発光強度は、スペクトル測定機「SR1」及び「BM7」(トプコン社製)で測定した。電圧印加時の電流値は、「4140B」(ヒューレッドパッカード社製)で測定した。発光効率(cd/A)は発光輝度と電流測定値から計算した。結果を以下に示す。
Figure 2005332747
いずれの素子も電圧電流特性は、良好な整流性を示した。実施例1、2においてEL発光は、300cd/cm2で発光させた時、良好な発光を示した。実施例3についても真空蒸着法によりEL発光素子を作成することができた。
本発明の有機発光素子の一例を示す断面図である。

Claims (8)

  1. 陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持された一または複数の有機化合物を含む層を少なくとも有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層の少なくとも一層が単核の4配位の金配位化合物を含有することを特徴とする発光素子。
  2. 前記金配位化合物が、下記一般式(1)で示される部分構造を有すること特徴とする請求項1に記載の発光素子。
    Figure 2005332747
    [但し、Auは金イオンであり、Aは2座のホスフィン配位子である。R1、R2、R1’、R2’は、水素原子がハロゲンに置換されても良い炭素数10以下の分岐、環状または直鎖状のアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、または置換基を有しても良い複素環基であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。L1、L2は炭素、窒素、酸素、窒素、リン、硫黄から選ばれる元素を配位原子とする配位子であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。また、L1とL2が結合して2座配位子を形成してもよい。]
  3. 前記金配位化合物が、下記一般式(2)で示される部分構造式を有すること特徴とする請求項2に記載の発光素子。
    Figure 2005332747
    [但し、Bは2座配位子であり、X1、X2は炭素、窒素、酸素、窒素、リン、硫黄から選ばれる原子であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。]
  4. 前記X1、X2が、それぞれPR34、PR3’R4’[但し、R3、R4、R3’、R4’は、水素原子がハロゲンに置換されても良い炭素数10以下の分岐、環状または直鎖状のアルキル基、置換基を有しても良い芳香環基、および置換基を有しても良い複素環基であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。]であり、2座のホスフィン配位子A、Bが同一または異なること特徴とする請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記金配位化合物がイオン性であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光素子。
  6. 前記有機化合物を含む層のうち発光層が、前記金配位化合物を含有することを特徴とする請求項4に記載の有機発光素子。
  7. 前記金配位化合物を含む層を、該金配位化合物を真空蒸着法によって蒸着することにより形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発光素子。
  8. 前記金配位化合物を含む層が、該金配位化合物を100%含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の発光素子。
JP2004151652A 2004-05-21 2004-05-21 発光素子 Withdrawn JP2005332747A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007053132A (ja) * 2005-08-15 2007-03-01 Fujifilm Corp 有機電界発光素子
JP2015174846A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 住友化学株式会社 金錯体、膜及び化合物

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