JP2005331963A - 対物レンズおよびその製造誤差の補正方法並びに該対物レンズを用いた光ピックアップ装置 - Google Patents

対物レンズおよびその製造誤差の補正方法並びに該対物レンズを用いた光ピックアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型化を図ることができ、また、光の利用効率の低下を伴うことなしに、収差が少なく、かつ、その収差を簡単に補正することができる対物レンズおよびその製造誤差の補正方法並びに該対物レンズを用いた光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】 対物レンズ6は、両面が非球面の単玉対物レンズである。対物レンズ6の開口数は0.75以上であり、使用波長の少なくとも1つにおける上記ガラスの屈折率をnとし、d線におけるアッベ数をvとすると、1.75<n、かつ、35<vを満足する材料からなる。また、上記対物レンズ6の焦点距離をfとし、該対物レンズ6の第1面の焦点距離をf1とすると、0.5<f/f1<0.6を満足する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学的情報記録媒体に情報の記録・再生を行う対物レンズに関し、特に、収差の少ない対物レンズおよびその製造誤差の補正方法並びに該対物レンズを用いた光ピックアップ装置に関するものである。
光を利用した技術は、周波数が高いため高速である、空間情報処理ができる、位相処理ができるなどの多くの特徴を有している。このため、通信、計測、加工などの多岐にわたる分野で研究・開発され、実用化されている。
それらの技術のなかで、光源から出射され、記録媒体に照射される光ビームを絞り込むために、高精度な対物レンズが用いられている。近年、特に光を利用した画像記録装置などへの要求は大きく、大容量化へ向けての技術は大変重要になりつつある。光情報記録の大容量化のためには、記録媒体の高記録密度化にもまして、ビームスポットの小径化、即ち、対物レンズによるビームスポットの十分な絞り込みが必要である。このようにビームスポットを小さくすることにより、より多くの情報を記録することができる。
また、ビームスポット径は、使用する光源の波長に比例する一方、対物レンズにおける開口数NA(Numerical Aperture)に反比例する。従って、ビームスポットの小径化を図るには、使用する光源の波長を短くするか、または、対物レンズにおける開口数NAを大きくし、高開口数化を図る必要がある。
光の波長については、近年、青色レーザダイオードや青あるいは緑色SHGレーザが開発されつつあり、短波長化が進んでいる。
一方、対物レンズの開口数NAについては、例えば、CD(Compact Disc)はNA=0.45であり、DVD(Digital Versatile Disc)はNA=0.6である。このように、DVDは、CDに比べて高開口数であり、記録できる情報の高密度化を達成してきた。
また、2群2枚のレンズを用いて、対物レンズの更なる高開口数化を目指した光ピックアップ装置が、特許文献1に記載されている。この光ピックアップ装置においては、鏡筒などを介して一体化された2群2枚のレンズで対物レンズを構成している。これにより、対物レンズの開口数をNA=0.85とし、高開口数化を図ることができる。
しかしながら、この光ピックアップ装置は、対物レンズが、鏡筒などを介して一体化された2群2枚のレンズにより構成されている。従って、これらのレンズを一体化する際、各々のレンズの間隔、光軸に対する傾きや中心ずれなどを精度良く位置決めしなければならない。このため、位置決めの際、実際にレーザビームを出射してビームスポットの絞り込み状態や、発生する収差を見ながら位置を調整する必要があり、これらの位置決め工程は煩雑となる。
また、2群2枚のレンズを固定するためには樹脂が必要となる。この樹脂は耐熱性・耐湿性が十分ではなく、経時変化する。このように、樹脂は特性変化を生じることがあり、信頼性に乏しい。
さらに、2群2枚のレンズは、鏡筒などを含めると、重量が大きくなる。一般に、フォーカス制御やトラッキング制御は、アクチュエータ(駆動装置)によって、対物レンズを光軸に対して平行方向や垂直方向に移動させて行われる。このとき、対物レンズの重量が大きいと、対物レンズを高速に駆動することができず、情報の記録・再生の速度の遅延を招来する。
一方、対物レンズに単玉レンズを用いて高開口数化を図る光ピックアップ装置が特許文献2に記載されている。この光ピックアップ装置は、図37に示すように、回折型レンズ103と非球面レンズ102とが一体化された対物レンズ、凸型スキュープレート104、および、凹型スキュープレート105を備えている。光源から出射されたレーザビームを、対物レンズを介してディスク101に照射することにより、情報がディスク101に記録・再生される。対物レンズとして、回折型レンズ103と非球面レンズ102とが一体化されたものを用いることにより、色収差を補正することができる。また、凸型スキュープレート104および凹型スキュープレート105を互いに逆方向に移動させることにより、コマ収差を補正することができる。
このように、図37に示す光ピックアップ装置の対物レンズには、単玉レンズが用いられているため、位置決め工程や、レンズを固定するための樹脂などは必要ない。
特開平10−123410号公報 特開平9−311271号公報
しかしながら、図37に示す対物レンズは、回折型レンズ103と非球面レンズ102とを組み合わせて用いている。このため、対物レンズ製造工程時の誤差により回折効率が低下した場合、レーザビーム(光)のレンズ透過率が小さくなり、光の利用効率の低下を招来する。また、回折型レンズ103の回折格子の間隔は非常に小さいものであるため、製造が困難である。このような回折型レンズ103を用いることにより、製造コストは増大し、また、偏光方向による特性変化が発生する。従って、回折型レンズ103を備えた対物レンズは、更なる小型化は困難である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化を図ることができ、また、光の利用効率の低下を伴うことなしに、収差が少なくかつその収差を簡単に補正することができる対物レンズおよびその製造誤差の補正方法並びに該対物レンズを用いた光ピックアップ装置を提供することにある。
本発明の対物レンズは、上記の課題を解決するために、開口数が0.75以上の対物レンズであって、該対物レンズは両面が非球面の単玉対物レンズであり、使用波長の少なくとも1つにおける屈折率をnとし、d線におけるアッベ数をvとすると、
1.75<n、かつ、35<v
を満足する材料からなると共に、上記対物レンズの焦点距離をfとし、該対物レンズの第1面の焦点距離をf1とすると、
0.5<f/f1<0.6
を満足することを特徴としている。
上記の構成によれば、対物レンズとして単玉対物レンズを用いており、例えば、回折素子などは必要としない。このため、対物レンズを透過する光(レーザビーム)の利用効率を高くすることができる。また、対物レンズの製造を容易にすることができ、さらに対物レンズの小型化を図ることができる。
また、対物レンズの開口数が0.75以上であるため、例えば、記録媒体に照射するビームスポットを小さくすることができ、記録媒体における高記録密度化を図ることができる。
一般に、光の波長によって、対物レンズの材料における屈折率が異なることにより色収差が生じ、これにより、像の位置や大きさは波長によって異なることとなる。
しかしながら、35<vとすることにより、色収差を小さくすることができ、僅かな波長変動によって、像点が移動し、ビームスポットがぼけることを防止することができる。
また、1.75<nとすることにより、対物レンズの第1面の曲率を小さくすることができ、容易に対物レンズを製造することができる。
また、一般に、対物レンズにおいては、その非球面頂点の曲率、形状など、対物レンズの構成によって球面収差が生じる。この球面収差の発生により、レーザビームを記録媒体に精度良く集光することが困難となる。
しかしながら、上記の構成によれば、0.5<f/f1とすることにより、第1面の焦点距離を小さくする、即ち、曲率を大きくすることができる。これにより、第2面によるレーザビームの屈折は小さくてよく、第2面の曲率を小さくすることができる。従って、第2面による球面収差を小さくすることができる。
また、f/f1<0.6とすることにより、第1面の焦点距離を大きくする、即ち、曲率を小さくすることができる。これにより、作動距離WD(ワーキングディスタンス)を長くすることができる。
上記の対物レンズは、光が入射する側の面が凸面であるメニスカス型レンズであることが好ましい。
上記の構成によれば、コマ収差および球面収差を小さくすることができる。
上記の対物レンズは、対物レンズの開口数をNAとし、対物レンズの有効径をDとし、対物レンズの中心厚さをtとすると、
0.8<t/(NA・D)<1.0
を満足することが好ましい。
上記の構成によれば、0.8<t/(NA・D)とすることにより、良好な軸外特性を得ることができる。
t/(NA・D)<1.0とすることにより、対物レンズの体積や重量を小さくすることができる。これにより、光ピックアップ装置における対物レンズの高速駆動を図ることができる。
また、例えば、t/(NA・D)が1.0以上である場合、例えば、対物レンズがガラスからなるとすると、対物レンズを製造する際、大きな体積のプリフォーム(モールド成型前段階の球形のガラス材)が必要となる。このとき、通常の大きさのプリフォームを用いたとすると、プリフォームの曲率半径が、対物レンズの第1面の曲率半径と比較して大きくなるため、金型の第1面の中央部と対物レンズとなるガラスとの間に空間ができる。この空間のガスが抜けないため、形成された対物レンズは、形状不良を起こしやすい。
しかしながらt/(NA・D)<1.0とすることにより、形状不良を起こすことなく、対物レンズを製造することができる。
上記の対物レンズは、対物レンズの両面間の距離と、両面がそれぞれの近軸曲線半径で表される球面とした場合の両面間の距離との差は、両面のうちいずれかの面頂点から遠ざかるにつれ、単調に大きくなることが好ましい。
上記の構成によれば、対物レンズの第1面および第2面は、共に、中心、即ち、面頂点から遠ざかるにつれて、近軸曲率半径で表される球面に比べて、対物レンズが単調に厚くなるような形状となっている。
これにより、対物レンズの開口数が高いことによる対物レンズの急激な面の傾きを和らげることができる。従って、容易に金型を製造することができる。また、球面収差を小さくすることができる。
上記の対物レンズは、対物レンズの開口数をNAとし、上記対物レンズの光が入射する側の面の有効径のうち入射高が最も高い光の入射位置における対物レンズ面の接線と、入射する光の光軸の垂線とがなす角度をθとすると、
60・NA<θ
を満足することが好ましい。
一般に、コマ収差を抑制するためには、上記角度θを大きくするか、あるいは、対物レンズを厚くする必要がある。上記角度θを大きくすることにより、対物レンズのカーブが急になる。これにより、対物レンズに対して斜めに光が入射したとしてもコマ収差を抑制することができる。
上記の対物レンズは、対物レンズの開口数をNAとし、該対物レンズの有効径をDとし、該対物レンズの作動距離をWDとすると、
D/(20・NA )<WD
を満足することが好ましい。
上記の構成によれば、作動距離WDを長くすることができる。従って、対物レンズと記録媒体との間の距離を良好に保つことができ、安定なシステムを構成することができる。
本発明の光ピックアップ装置は、光源と上記記載の対物レンズとを備え、該対物レンズを用いて光源から出射された光を記録媒体に照射することにより、該記録媒体に情報を記録または再生することを特徴としている。
上記の構成によれば、対物レンズを透過する光(レーザビーム)の利用効率低下を伴うことなく、色収差や球面収差などが小さく、レーザビームを記録媒体に精度良く集光することができる光ピックアップ装置を提供することができる。
上記の光ピックアップ装置は、光源と上記対物レンズとの間に、光源からの光を平行光束にするコリメータレンズと、球面収差を上記コリメータレンズと光源との距離を調整することにより補正する補正手段とを備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、色収差や球面収差などが小さく、また、それらの収差を容易に補正することができる光ピックアップ装置を提供することができる。
本発明の対物レンズの製造誤差の補正方法は、上記記載の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズを製造する際に発生する製造誤差を、光ピックアップ装置に対する対物レンズの傾きを調整することにより補正することを特徴としている。
一般に、対物レンズを製造する際、モールド時の金型の位置合わせ精度、対物レンズの材料であるプリフォームの重量や体積の精度、金型の加工精度などを考慮すると、対物レンズの両面の傾きや対物レンズの両面の中心ずれといった製造誤差が発生する。この製造誤差により、コマ収差が発生する。
しかしながら、上記の構成によれば、この製造誤差によるコマ収差を光ピックアップ装置に対する対物レンズの傾きを調整することにより補正するので、収差を小さくすることができ、また、その収差は容易に補正することができる。
本発明の対物レンズの製造誤差の補正方法は、上記記載の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズを製造する際に発生する製造誤差を、光ピックアップ装置に対する記録媒体の傾きを調整することにより補正することを特徴としている。
上記の構成によれば、この製造誤差によるコマ収差を光ピックアップ装置に対する記録媒体の傾きを調整することにより補正するので、収差を小さくすることができ、また、その収差は容易に補正することができる。
以上のように、本発明の対物レンズは、開口数が0.75以上の対物レンズであって、該対物レンズは両面が非球面の単玉対物レンズであり、使用波長の少なくとも1つにおける屈折率をnとし、d線におけるアッベ数をvとすると、1.75<n、かつ、35<vを満足する材料からなると共に、上記対物レンズの焦点距離をfとし、該対物レンズの第1面の焦点距離をf1とすると、0.5<f/f1<0.6を満足する構成である。
これにより、例えば、回折素子などは必要としない。このため、対物レンズを透過する光(レーザビーム)の利用効率を高くすることができる。また、対物レンズの製造を容易にすることができ、さらに対物レンズの小型化を図ることができる。また、対物レンズの開口数が0.75以上であるため、例えば、記録媒体に照射するビームスポットを小さくすることができ、記録媒体における高記録密度化を図ることができる。
また、35<vとすることにより、色収差を小さくすることができ、僅かな波長変動によって、像点が移動し、ビームスポットがぼけることを防止することができる。さらに、1.75<nとすることにより、対物レンズの第1面の曲率を小さくすることができ、容易に対物レンズを製造することができるといった効果を奏する。
また、第2面によるレーザビームの屈折は小さくてよく、第2面の曲率を小さくすることができる。従って、第2面による球面収差を小さくすることができる。また、作動距離WD(ワーキングディスタンス)を長くすることができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の対物レンズは、光が入射する側の面が凸面であるメニスカス型レンズである構成である。
これにより、コマ収差および球面収差を小さくすることができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の対物レンズは、対物レンズの開口数をNAとし、対物レンズの有効径をDとし、該対物レンズの中心厚さをtとすると、0.8<t/(NA・D)<1.0を満足する構成である。
これにより、良好な軸外特性を得ることができる。また、対物レンズの体積や重量を小さくすることができる。従って、光ピックアップ装置における対物レンズの高速駆動を図ることができ、また、形状不良を起こすことなく、対物レンズを製造することができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の対物レンズは、対物レンズの両面間の距離と、両面がそれぞれの近軸曲線半径で表される球面とした場合の両面間の距離との差は、両面のうちいずれかの面頂点から遠ざかるにつれ、単調に大きくなる構成である。
これにより、対物レンズの第1面および第2面は、共に、中心、即ち、面頂点から遠ざかるにつれて、近軸曲率半径で表される球面に比べて、対物レンズが単調に厚くなるような形状となっている。
従って、対物レンズの開口数が高いことによる対物レンズの急激な面の傾きを和らげることができる。この結果、容易に金型を製造することができる。また、球面収差を小さくすることができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の対物レンズは、対物レンズの開口数をNAとし、上記対物レンズの光が入射する側の面の有効径のうち入射高が最も高い光の入射位置における対物レンズ面の接線と、入射する光の光軸の垂線とがなす角度をθとすると、60・NA<θを満足する構成である。
これにより、角度θを大きくすることができるため、薄い対物レンズにおいても、良好な軸外特性と得ることができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の対物レンズは、対物レンズの開口数をNAとし、該対物レンズの有効径をDとし、該対物レンズの作動距離をWDとすると、D/(20・NA)<WDを満足する構成である。
これにより、作動距離WDを長くすることができる。従って、対物レンズと記録媒体との間の距離を良好に保つことができ、安定なシステムを構成することができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の光ピックアップ装置は、光源と上記記載の対物レンズとを備え、該対物レンズを用いて、光源から出射された光を記録媒体に照射することにより、該記録媒体に情報を記録または再生する構成である。
これにより、対物レンズを透過する光(レーザビーム)の利用効率低下を伴うことなく、色収差や球面収差などが小さく、レーザビームを記録媒体に精度良く集光することができる光ピックアップ装置を提供することができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の光ピックアップ装置は、光源と上記対物レンズとの間に、光源からの光を平行光束にするコリメータレンズと、球面収差をコリメータレンズと光源との距離を調整することにより補正する補正手段とを備えている構成である。
これにより、色収差や球面収差などが小さく、また、それらの収差を容易に補正することができる光ピックアップ装置を提供することができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の対物レンズの製造誤差の補正方法は、上記記載の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズを製造する際に発生する製造誤差を、光ピックアップ装置に対する対物レンズの傾きを調整することにより補正する構成である。
これにより、対物レンズの製造誤差によるコマ収差を光ピックアップ装置に対する対物レンズの傾きを調整することにより補正するので、収差を小さくすることができ、また、その収差は容易に補正することができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の対物レンズの製造誤差の補正方法は、上記記載の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズを製造する際に発生する製造誤差を、光ピックアップ装置に対する記録媒体の傾きを調整することにより補正する構成である。
これにより、対物レンズの製造誤差によるコマ収差を、光ピックアップ装置に対する記録媒体の傾きを調整することにより補正するので、収差を小さくすることができ、また、その収差は容易に補正することができるといった効果を奏する。
本発明の実施の一形態について図1ないし図36に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、光ピックアップ装置の構成を示す説明図である。本実施の形態に係る光ピックアップ装置は、図1に示すように、半導体レーザ1、コリメータレンズ2、整形プリズム3、偏光ビームスプリッター4、1/4波長板5、絞り14(図3参照)、対物レンズ6、検出系集光レンズ8、光検出器9およびレンズホルダー10を備えており、ディスク7に情報を記録・再生する。
ディスク7は図2に示すように、基板13上に、情報記録面12と、情報記録面12を保護するための光透過層11とがこの順に形成されている。光透過層11はガラスからなり、その厚さは0.1mmである。なお、ディスク7は、光学ディスクであればよく、例えば、光ディスクや光磁気ディスクなど、その種類は限定されるものではない。
なお、光透過層11は、ガラスに限られるものではなく、樹脂材料により形成されていてもかまわない。
半導体レーザ1は光源であり、例えば、波長405nmのレーザビームを出射する。なお、半導体レーザ1から出射されるレーザビームの波長は特に限定されるものではない。
コリメータレンズ2は、半導体レーザ1から出射されたレーザビームを平行光に変換する。
整形プリズム3は、レーザビームの強度分布を、楕円形から略円形に整形する。
偏光ビームスプリッター4は、2個の直角プリズムのどちらか一方の斜面に偏光膜を施し、接着して立方体にしたものである。偏光ビームスプリッター4では、入射面に平行な偏光方向をもつ光波を透過させ、入射面に垂直な偏光方向をもつ光波を反射させる。
1/4波長板5は直線偏光を円偏光に、また、円偏光を直線偏光に変換するためのものである。また、内部を透過するレーザビームにおける常光線と異常光線との間に、1/4波長分の光路差を生成する。
絞り14は、対物レンズ6に入射するレーザビームの光量を制限する。
対物レンズ6は、レンズホルダー10に固着されている。また、レンズホルダー10は図示しない4本のワイヤで光ピックアップ装置のアクチュエータに固定されている。アクチュエータにより、対物レンズ6は駆動される。対物レンズ6の構成については後述する。
検出系集光レンズ8は偏光ビームスプリッター4にて反射されたディスク7からの反射光を集光し、光検出器9に照射する。
光検出器9は、複数の受光素子を有し、フォーカス制御を行うために、各受光素子において入射光(レーザビーム)を電気信号に変換する。
半導体レーザ1から出射され、コリメータレンズ2において平行光に変換されたレーザビームは、その後、整形プリズム3により、ビーム形状を楕円から円形に整形され、偏光ビームスプリッター4に導かれる。
このレーザビームは、偏光ビームスプリッター4を透過し、1/4波長板5に入射する。1/4波長板5を通過したレーザビームの偏光方向は、直線偏光から円偏光になる。このレーザビームは絞り14によってその光量が制限された後、対物レンズ6により、ディスク7の光透過層11を透過し情報記録面12上に集光される。
ディスク7の情報記録面12上に集光されたレーザビームは、情報記録面12上で反射され、再び対物レンズ6を透過し、1/4波長板5に入射する。1/4波長板5において、レーザビームの偏光方向は、円偏光から直線偏光に変換されるが、その偏光方向は上述した往路のものとは90°異なる直線偏光となり、偏光ビームスプリッター4で反射される。このように、偏光ビームスプリッター4では、ディスク7に入射するレーザビームと、ディスク7から反射してくるレーザビームとを分離している。
偏光ビームスプリッター4で反射されたレーザビームは、検出系集光レンズ8により集光され、光検出器9における複数の受光素子領域で受光される。各受光素子領域から出力される信号は、図示しない演算回路によって処理され、フォーカスエラー信号や再生信号などとなる。
以下、対物レンズ6について説明する。
対物レンズ6は、図3に示すように、ガラスからなる両面非球面の単レンズ(単玉対物レンズ)であり、開口数NAは0.85である。ここで、非球面形状は、次式(1)
Z=(1/r)y /[1+{1−(1+K)(1/r)1/2 ]+Ay +By +Cy +Dy10+Ey12+Fy14+Gy16+Hy18+Jy20 …(1)
で表される。
ここで、Zは面頂点の接平面からの距離、yは光軸からの距離、1/rは非球面頂点の曲率(rは曲率半径)、Kは円錐定数、Aはy項の非球面係数、Bはy 項の非球面係数、Cはy 項の非球面係数、Dはy10項の非球面係数、Eはy12項の非球面係数、Fはy14項の非球面係数、Gはy16項の非球面係数、Hはy18項の非球面係数、Jはy20項の非球面係数である。
この対物レンズ6は、光源である半導体レーザ1が無限遠方に位置することとなる、いわゆる無限系のレンズとなっている。ここで、絞り14のうち、通過するレーザビーム量を制限する面をSTOとする。上記半導体レーザ1より発せられたレーザビームは、平行光線となされて、図3に示すように、絞り14(STO)を経て第1面S1(対物レンズ6におけるレーザビームの入射面)に入射される。このレーザビームは、第2面S2(対物レンズ6におけるレーザビームの出射面)より出射され、第3面S3(光透過層11)に入射され、光透過層11の出射面である情報記録面12上の像点(IMAGE)に結像される。
図3に示す対物レンズ6および光透過層11の面間隔(mm)、対物レンズ6を構成するガラスの屈折率(ガラス屈折率)、d線におけるアッベ数(ガラスアッベ数)などについて表1に示す。なお、対物レンズ6の第1面S1および第2面S2の非球面形状は12次まで考慮している。また、第1面S1の面間隔とは、光軸上の第1面S1から第2面S2までの距離、即ち、対物レンズ6の中心厚さであり、第2面S2の面間隔とは、第2面S2から第3面S3までの距離であり、第3面S3の面間隔とは、光透過層11の厚さである。
Figure 2005331963
また、対物レンズ6は、ディスク7の光透過層11の厚さが0.1mmのときに略無収差となるように設計されている。対物レンズ6を構成するガラスの屈折率nは、入射するレーザビームの波長が405nmの場合、表1に示すように、n=1.81691である。また、対物レンズ6は、開口数NA=0.85、焦点距離f=1.763mm、第1面S1の焦点距離f1=3.18mm、d線でのアッベ数v=47.3、中心厚さt=2.3、有効径D=3mmである。
ここで、d線(波長587.6nm)のスペクトル線に対する屈折率をndとし、F線(波長486.1nm)のスペクトル線に対する屈折率をnFとし、C線(波長656.3nm)のスペクトル線に対する屈折率をnCとしたとき、d線でのアッベ数vは、次式(2)
v=(nd−1)/(nF−nC) …(2)
で表される。また、対物レンズ6の有効径とは、対物レンズ6において、レーザビームが入射することができる範囲の径のことである。
また、対物レンズ6は、その焦点距離をfとし、第1面S1の焦点距離をf1とすると、次式(3)
0.5<f/f1<0.6 …(3)
で表される。
一般に、対物レンズにおいては、その非球面頂点の曲率や形状などの対物レンズの構成によって球面収差が生じる。また、ディスクなどの記録媒体が傾いた際には、レーザビームにはコマ収差が発生する。また、レーザビームは、X軸方向とY軸方向とで別の位置に結像し、この現象を非点収差という。これらの収差の発生により、レーザビームをディスクに精度良く集光することが困難となる。
しかしながら、上記式(3)に示すように、0.5<f/f1とすることにより、第1面S1の焦点距離を小さくする、即ち、曲率を大きくすることができる。これにより、第2面S2によるレーザビームの屈折は小さくてよく、第2面S2の曲率を小さくすることができる。従って、第2面S2による球面収差を小さくすることができる。
また、f/f1<0.6とすることにより、第1面S1の焦点距離を大きくする、即ち、曲率を小さくすることができる。これにより、作動距離WD(ワーキングディスタンス)を長くすることができる。
対物レンズ6は、図3に示すように、第1面S1、即ち、レーザビームが入射する側の面が凸面であるメニスカス型レンズである。従って、良好な軸外特性を得ることができ、コマ収差および球面収差を小さくすることができる。
対物レンズ6は、その開口数をNAとし、有効径をDとし、中心における厚さをtとすると、次式(4)
0.8<t/(NA・D)<1.0 …(4)
を満足する。0.8<t/(NA・D)とすることにより、良好な軸外特性を得ることができる。
また、一般に、対物レンズ6の開口数NAと有効径Dが決定すると、対物レンズ6における第1面S1と第2面S2との曲率の関係が略決定する。これにより、対物レンズ6の重量(体積)を決定する最も大きな因子は、対物レンズ6の厚さとなる。即ち、対物レンズ6が厚い場合は重量が大きくなり、対物レンズ6が薄い場合は重量が小さくなる。
従って、t/(NA・D)<1.0とすることにより、対物レンズ6の体積や重量を小さくすることができる。これにより、光ピックアップ装置における対物レンズ6の高速駆動を図ることができる。また、t/(NA・D)が1.0以上である場合、対物レンズ6を製造する際、大きな体積のプリフォーム(モールド成型前段階の球形のガラス材)が必要となる。このとき、通常の大きさのプリフォームを用いたとすると、プリフォームの曲率半径が、対物レンズ6の第1面S1の曲率半径と比較して大きくなるため、金型の第1面の中央部と対物レンズ6となるガラスとの間に空間ができる。従って、この空間のガスが抜けないため、形成された対物レンズ6は、形状不良を起こしやすい。しかしながらt/(NA・D)<1.0とすることにより、形状不良を起こすことなく、対物レンズ6を製造することができる。
対物レンズ6の第1面S1および第2面S2は、共に、中心、即ち、面頂点から遠ざかるにつれて、近軸曲率半径で表される球面に比べて、対物レンズ6が単調に厚くなるような形状となっている。第1面S1における、近軸曲率半径で表される球面からのずれを図8に示し、第2面S2における、近軸曲率半径で表される球面からのずれを図9に示す。
これにより、対物レンズ6の開口数NAが高いことによる対物レンズ6の急激な面の傾きを和らげることができる。従って、容易に金型を製造することができる。また、球面収差を小さくすることができる。
また、対物レンズ6の開口数をNAとし、第1面S1(対物レンズ6の光が入射する側の面)の有効径のうち入射高が最も高い光の入射位置における対物レンズ面の接線と、入射する光の光軸の垂線とがなす角度をθ(度)とすると、対物レンズ6は、次式(5)
60・NA<θ …(5)
を満足する。上記角度θは、即ち、図3に示すように、絞り14によって制限されて対物レンズ6に照射されるレーザビームの光束のうち、その外周上の一点における対物レンズ6の面に対する接線と、光軸の垂線とがなす角度のことである。
一般に、コマ収差を抑制するためには、上記角度θを大きくするか、あるいは、対物レンズ6を厚くする必要がある。上記角度θを大きくすることにより、対物レンズ6の第1面S1のカーブが急になる。これにより、対物レンズ6に対して斜めにレーザビームが入射したとしてもコマ収差を抑制することができる。
従って、上記式(5)を満足することにより、角度θを大きくすることができるため、薄い対物レンズにおいても、良好な軸外特性と得ることができる。
対物レンズ6の開口数をNAとし、有効径をDとし、作動距離をWDとすると、対物レンズ6は、次式(6)
D/(20・NA )<WD …(6)
を満足する。
これにより、作動距離WDを長くすることができる。従って、対物レンズ6とディスク7との間の距離を良好に保つことができ、安定なシステムを構成することができる。
ここで、対物レンズとして、上記表1および図3に示す対物レンズ6を用いた場合の球面収差(LONGITUDINAL SPHERICAL ABER )を図4に、非点収差(ASTIGMATIC FIELD CURVES )を図5に示す。また、X軸方向とは、光透過層11と平行な面において、偏光ビームスプリッター4と検出系集光レンズ8とを結ぶ方向に平行な方向である。Y方向とは、光透過層11と平行な面において、X方向と垂直をなす方向である。
図4に示すように、対物レンズ6を用いることにより、球面収差を抑制することができることがわかる。また、図5に示すように、対物レンズ6を用いることにより、非点収差を抑制することができることがわかる。
また、対物レンズ6へのレーザビームの入射角が0.5度の場合の横収差を示すグラフを図6(a)(b)に、対物レンズ6へのレーザビームの入射角が0度の場合の横収差を示すグラフを図7(a)(b)に示す。
図6・図7に示すように、対物レンズ6を用いることにより、X軸方向とY軸方向との収差が少なく、コマ収差も抑制することができる。
次に、対物レンズ6の製造誤差の補正方法について説明する。
対物レンズ6を製造する際、モールド時の金型の位置合わせ精度、対物レンズ6の材料であるプリフォームの重量や体積の精度、金型の加工精度などを考慮すると、対物レンズ6の両面の傾きは±1〜2分ばらつく。また、対物レンズ6の両面の中心ずれは±5μm程度である。この対物レンズ6の両面の傾きや中心ずれにより、コマ収差が発生する。
一方、光ピックアップ装置においては、ディスク7における情報記録面12上でのビームスポットの収差が、波面のr.m.s値で0.07λ以下(Marechal Criteria )であれば、十分絞り込んだ良好なビームとなる。この許容収差を光学部品に配分すると、対物レンズ6においては、0.03λ程度の収差に抑える必要がある。ここで、λは、波長である。
対物レンズ6の両面、即ち、第1面S1と第2面S2との傾きや中心ずれにより発生したコマ収差は、例えば、対物レンズ6の傾き(対物レンズチルト)やディスク7の傾き(ディスクチルト)を調整することにより補正することができる。
例えば、対物レンズ6における設計値に対する両面の傾き誤差が−10分〜10分の場合のコマ収差を、補正なしの場合、ディスク7の傾きを調整することにより補正した場合、および、対物レンズ6の傾きとディスク7の傾きとを共に調整することにより補正した場合について図10に示す。
図10に示すように、対物レンズ6における設計値に対する両面の傾き誤差が±2分程度発生した場合でも、上記のような補正をすることにより、コマ収差を0.03λ程度とすることができる。このように、容易にコマ収差を補正することができ、また、このような対物レンズ6は容易に製造することができる。
また、対物レンズ6における設計値に対する両面の中心ずれ誤差が−20μm〜20μmの場合のコマ収差を、補正なしの場合、対物レンズ6の傾きを調整することにより補正した場合、および、対物レンズ6の傾きとディスク7の傾きと共に調整することにより補正した場合について図11に示す。
図11に示すように、対物レンズ6における設計値に対する両面の中心ずれ誤差が±5μm程度発生した場合でも、上記のように補正をすることにより、コマ収差を0.03λ程度とすることができる。このように、容易にコマ収差を補正することができ、また、このような対物レンズ6は容易に製造することができる。
このように、対物レンズ6の製造誤差が大きく、コマ収差が発生しても、対物レンズ6の傾きやディスク7の傾きを調整することにより補正することができ、コマ収差を小さくすることができる。このような調整は、対物レンズ6を光ピックアップ装置に搭載する際、あるいは、光ピックアップ装置を記録再生装置に搭載する際に行えばよい。
このとき、再生信号のジッタ、エンベロープ、別途収差を検出する手段、または、対物レンズ6により、絞り込まれたレーザビームの形状や収差を観察・検出しながら、最適な対物レンズ6の傾きやディスク7の傾きに調整して固定してもかまわない。
また、対物レンズ6において、その厚さにばらつきがあると、球面収差が発生する。このような球面収差は、半導体レーザ1とコリメータレンズ2との間の距離を図示しない補正手段により調節することにより、補正することができる。
なお、球面収差については、凸レンズを2枚、あるいは、凸レンズと凹レンズとを組み合わせた、いわゆるビームエキスパンダーなどの光学系を別途搭載することにより補正してもかまわない。
また、対物レンズの構成は、上記表1および図3に示したものに限られるものではなく、以下に示す表2および図12に示される対物レンズ20としてもかまわない。対物レンズ20の開口数NAや焦点距離など、表2に示す条件以外は、表1および図3に示す対物レンズ6と同様である。
Figure 2005331963
ここで、対物レンズとして、上記表2および図12に示す対物レンズ20を用いた場合の球面収差を図13に、非点収差を図14に示す。
図13に示すように、対物レンズ20を用いることにより、球面収差を抑制することができる。また、図14に示すように、対物レンズ20を用いることにより、非点収差を抑制することができる。
また、対物レンズ20へのレーザビームの入射角が0.5度の場合の横収差を示すグラフを図15(a)(b)に、対物レンズ20へのレーザビームの入射角が0度の場合の横収差を示すグラフを図16(a)(b)に示す。
図15・図16に示すように、対物レンズ20を用いることにより、X軸方向とY軸方向との収差が少なく、コマ収差も抑制することができる。
対物レンズの構成は、以下に示す表3および図17に示される対物レンズ30としてもかまわない。対物レンズ30の開口数NAや焦点距離など、表3に示す条件以外は、表1および図3に示す対物レンズ6と同様である。
Figure 2005331963
ここで、対物レンズとして、上記表3および図17に示す対物レンズ30を用いた場合の球面収差を図18に、非点収差を図19に示す。
図18に示すように、対物レンズ30を用いることにより、球面収差を抑制することができる。また、図19に示すように、対物レンズ30を用いることにより、非点収差を抑制することができる。
また、対物レンズ30へのレーザビームの入射角が0.5度の場合の横収差を示すグラフを図20(a)(b)に、対物レンズ30へのレーザビームの入射角が0度の場合の横収差を示すグラフを図21(a)(b)に示す。
図20・図21に示すように、対物レンズ30を用いることにより、X軸方向とY軸方向との収差が少なく、コマ収差も抑制することができる。
対物レンズの構成は、以下に示す表4および図22に示される対物レンズ40としてもかまわない。対物レンズ40の開口数NAや焦点距離など、表4に示す条件以外は、表1および図3に示す対物レンズ6と同様である。
Figure 2005331963
ここで、対物レンズとして、上記表4および図22に示す対物レンズ40を用いた場合の球面収差を図23に、非点収差を図24に示す。
図23に示すように、対物レンズ40を用いることにより、球面収差を抑制することができる。また、図24に示すように、対物レンズ40を用いることにより、非点収差を抑制することができる。
また、対物レンズ40へのレーザビームの入射角が0.5度の場合の横収差を示すグラフを図25(a)(b)に、対物レンズ40へのレーザビームの入射角が0度の場合の横収差を示すグラフを図26(a)(b)に示す。
図25・図26に示すように、対物レンズ40を用いることにより、X軸方向とY軸方向との収差が少なく、コマ収差も抑制することができる。
対物レンズの構成は、以下に示す表5および図27に示される対物レンズ50としてもかまわない。対物レンズ50の開口数NAや焦点距離など、表5に示す条件以外は、表1および図3に示す対物レンズ6と同様である。
Figure 2005331963
ここで、対物レンズとして、上記表5および図27に示す対物レンズ50を用いた場合の球面収差を図28に、非点収差を図29に示す。
図28に示すように、対物レンズ50を用いることにより、球面収差を抑制することができる。また、図29に示すように、対物レンズ50を用いることにより、非点収差を抑制することができる。
また、対物レンズ50へのレーザビームの入射角が0.5度の場合の横収差を示すグラフを図30(a)(b)に、対物レンズ50へのレーザビームの入射角が0度の場合の横収差を示すグラフを図31(a)(b)に示す。
図30・図31に示すように、対物レンズ50を用いることにより、X軸方向とY軸方向との収差が少なく、コマ収差も抑制することができる。
対物レンズの構成は、以下に示す表6および図32に示される対物レンズ60としてもかまわない。対物レンズ60の開口数NAや焦点距離など、表6に示す条件以外は、表1および図3に示す対物レンズ6と同様である。
Figure 2005331963
ここで、対物レンズとして、上記表6および図32に示す対物レンズ60を用いた場合の球面収差を図33に、非点収差を図34に示す。
図33に示すように、対物レンズ60を用いることにより、球面収差を抑制することができる。また、図34に示すように、対物レンズ60を用いることにより、非点収差を抑制することができる。
また、対物レンズ60へのレーザビームの入射角が0.5度の場合の横収差を示すグラフを図35(a)(b)に、対物レンズ40へのレーザビームの入射角が0度の場合の横収差を示すグラフを図36(a)(b)に示す。
図35・図36に示すように、対物レンズ60を用いることにより、X軸方向とY軸方向との収差が少なく、コマ収差も抑制することができる。
このように、対物レンズ6・20・30・40・50・60は、単レンズを用いている。このため、2群レンズのように煩雑なレンズ調整を必要とせず、また、樹脂なども使用しないため信頼性が高い。また、鏡筒などを必要としないため、軽量で高速記録・再生が可能な対物レンズを提供することができる。さらに、回折素子を必要としないので、光の利用効率が高く、製造が容易で、かつ、小型化を図ることができる。
また、対物レンズ6・20・30・40・50・60は、開口数NAが0.75以上であるため、ビームスポットを小さくすることができ、ディスク7における高記録密度化を図ることができる。
さらに、対物レンズ6・20・30・40・50・60の材料となるガラスの、使用波長のうちの少なくとも1つにおける屈折率をnとし、d線におけるアッベ数をvとすると、nおよびvは、次式(7)
1.75<n、かつ、35<v …(7)
で表される。
光の波長によってガラスの屈折率が異なることにより、色収差が生る。この色収差により、像の位置や大きさが波長によって異なることとなる。
しかしながら、35<vとすることにより、色収差を小さくすることができ、僅かな半導体レーザ1の波長変動により像点が移動してビームスポットがぼけることを防止することができる。
また、1.75<nとすることにより、第1面S1の曲率を小さくすることができ、容易に対物レンズを製造することができる。
本発明の実施の一形態に係る光ピックアップ装置の概略の構成を示す説明図である。 ディスクの構成を示す説明図である。 上記光ピックアップ装置に用いられている対物レンズおよび絞りの構成を示す説明図である。 図3に示す対物レンズの球面収差を示すグラフである。 図3に示す対物レンズの非点収差を示すグラフである。 (a)は、図3に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図3に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 (a)は、図3に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図3に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 対物レンズの第1面における、中心軸からの距離(mm)と近軸曲率からのずれを示すグラフである。 対物レンズの第2面における、中心軸からの距離と近軸曲率からのずれを示すグラフである。 設計値に対する対物レンズ両面の傾き誤差が−10分〜10分の場合のコマ収差を示すグラフである。 設計値に対する対物レンズ両面の中心ずれ誤差が−20μm〜20μmの場合のコマ収差を示すグラフである。 対物レンズの他の構成を示す説明図である。 図12に示す対物レンズの球面収差を示すグラフである。 図12に示す対物レンズの非点収差を示すグラフである。 (a)は、図12に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図12に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 (a)は、図12に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図12に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 対物レンズのさらに他の構成を示す説明図である。 図17に示す対物レンズの球面収差を示すグラフである。 図17に示す対物レンズの非点収差を示すグラフである。 (a)は、図17に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図17に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 (a)は、図17に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図17に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 対物レンズのさらに他の構成を示す説明図である。 図22に示す対物レンズの球面収差を示すグラフである。 図22に示す対物レンズの非点収差を示すグラフである。 (a)は、図22に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図22に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 (a)は、図22に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図22に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 対物レンズのさらに他の構成を示す説明図である。 図27に示す対物レンズの球面収差を示すグラフである。 図27に示す対物レンズの非点収差を示すグラフである。 (a)は、図27に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図27に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 (a)は、図27に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図27に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 対物レンズのさらに他の構成を示す説明図である。 図32に示す対物レンズの球面収差を示すグラフである。 図32に示す対物レンズの非点収差を示すグラフである。 (a)は、図32に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図32に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0.5度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 (a)は、図32に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のY軸方向の横収差を示すグラフであり、(b)は、図32に示す対物レンズへのレーザビームの入射角が0度の場合のX軸方向の横収差を示すグラフである。 従来の光ピックアップ装置の要部の構成を示す説明図である。
符号の説明
1 半導体レーザ(光源)
2 コリメータレンズ
3 整形プリズム
4 偏光ビームスプリッター
5 1/4波長板
6 対物レンズ
7 ディスク(記録媒体)
8 検出系集光レンズ
9 光検出器
10 レンズホルダー
11 光透過層
12 情報記録面
14 絞り
20 対物レンズ
30 対物レンズ
40 対物レンズ
50 対物レンズ
60 対物レンズ

Claims (11)

  1. 開口数が0.75以上の対物レンズであって、
    該対物レンズは両面が非球面の単玉対物レンズであり、使用波長の少なくとも1つにおける屈折率をnとし、d線におけるアッベ数をvとすると、
    1.75<n、かつ、35<v
    を満足する材料からなると共に、上記対物レンズの焦点距離をfとし、該対物レンズの第1面の焦点距離をf1とすると、
    0.5<f/f1<0.6
    を満足することを特徴とする対物レンズ。
  2. 上記対物レンズは、光が入射する側の面が凸面であるメニスカス型レンズであることを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
  3. 上記対物レンズの開口数をNAとし、該対物レンズの有効径をDとし、該対物レンズの中心厚さをtとすると、
    0.8<t/(NA・D)<1.0
    を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズ。
  4. 上記対物レンズの両面間の距離と、両面がそれぞれの近軸曲線半径で表される球面とした場合の両面間の距離との差は、両面のうちいずれかの面頂点から遠ざかるにつれ、単調に大きくなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の対物レンズ。
  5. 上記対物レンズの開口数をNAとし、上記対物レンズの光が入射する側の面の有効径のうち入射高が最も高い光の入射位置における対物レンズ面の接線と、入射する光の光軸の垂線とがなす角度をθとすると、
    60・NA<θ
    を満足することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の対物レンズ。
  6. 上記対物レンズの開口数をNAとし、該対物レンズの有効径をDとし、該対物レンズの作動距離をWDとすると、
    D/(20・NA )<WD
    を満足することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の対物レンズ。
  7. 上記対物レンズは、特定の波長に対して単一の屈折率を有する材料からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の対物レンズ。
  8. 光源と請求項1ないし7のいずれか1項に記載の対物レンズとを備え、該対物レンズを用いて、光源から出射された光を記録媒体に照射することにより、該記録媒体に情報を記録または再生することを特徴とする光ピックアップ装置。
  9. 上記光源と上記対物レンズとの間に、光源からの光を平行光束にするコリメータレンズと、球面収差を上記コリメータレンズと光源との距離を調整することにより補正する補正手段とを備えていることを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
  10. 請求項8または9に記載の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズを製造する際に発生する製造誤差を、上記光ピックアップ装置に対する対物レンズの傾きを調整することにより補正することを特徴とする対物レンズの製造誤差の補正方法。
  11. 請求項8または9に記載の光ピックアップ装置に用いられる対物レンズを製造する際に発生する製造誤差を、上記光ピックアップ装置に対する記録媒体の傾きを調整することにより補正することを特徴とする対物レンズの製造誤差の補正方法。
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