JP2005331825A - 光導波路グレーティング製造装置及び光導波路グレーティング製造方法 - Google Patents

光導波路グレーティング製造装置及び光導波路グレーティング製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光導波路グレーティングの製造において、良好な製造効率を維持しつつ、位相マスクによる0次や高次の回折光の影響を抑制して、精度の良い光学特性を得ることができる光導波路グレーティング製造装置を提供する。
【解決手段】 位相マスク12と被覆樹脂除去部23bとの間に平行に遮断フィルタ22を挿入する。遮断フィルタ22は、±1次光に対する入射角のみ透過するフィルタであり、その結果、位相マスク12から出射される回折光によって生ずる干渉領域は、±1次光による干渉領域E1のみが形成され、他の高次光による干渉領域は生じない。これにより、0次光または高次光による干渉領域の影響を抑制して、±1次光による干渉領域E1の作用だけで被覆樹脂除去部23bに周期的な屈折率分布を得る。
【選択図】 図4

Description

本発明は、光通信等に用いられる光導波路のグレーティング部を製造する光導波路グレーティング製造装置及び光導波路グレーティング製造方法に関する。
光導波路のグレーティング部は、光導波路の光感受性をもつ部分に対し位相マスクを介して紫外光を照射することで周期的な屈折率分布を形成したものであり、ある特定の波長だけの光を透過または反射させることのできる光フィルタである。
紫外光は、位相マスクを通過した際に、位相マスク表面に形成されている回折格子によって回折される。この回折光が干渉することで紫外光の周期的な強度分布(干渉領域)が生じ、この周期的な強度分布をもつ紫外光が光導波路に照射されて、光感受性をもつ部分にのみ周期的な屈折率分布が形成される。
位相マスクによる回折には、全く回折されずにそのまま透過する0次光と、±1次光、さらに±2次光、±3次光、…、±n次光など±2次以上の高次の回折光(以下、高次光と呼ぶ)が生じるが、通常、グレーティング部の製造時においては±1次光のみが使用されるため、位相マスクも使用する波長に合わせて±1次光の強度が大きく、0次光を抑制するように設計されている(例えば特許文献1と特許文献2を参照)
図10は、位相マスクによって回折した±1次光のみによる干渉領域の概念図である。
同図に示すように、紫外光UVは位相マスク100によって回折され、±1次の回折光によって干渉領域E1(図10の斜線部分)が生ずる。この干渉領域E1によって、光感受性をもつ光導波路150には周期的に屈折率が変化するグレーティング部が形成される。
図11は、グレーティング部の屈折率変化の概念を説明するためのグラフであり、縦軸が屈折率変化、横軸が光導波路の長手方向を示している。同図において、屈折率の変調成分の半分をAC成分、変調成分の半分までの変化量を平均値、及び変調成分の下限をDC成分とする。
回折光が±1次のみの場合(図10参照)では、強度分布が周期的で強弱がはっきりとしたものとなり、この回折光で生ずる干渉領域E1によって形成されたグレーティング部の屈折率変化であるAC成分は大きなものとなる。AC成分は、光導波路グレーティングの透過率の大きさをほぼ決定するものであり、AC成分が大きければその透過率が大きくなる。したがって、±1次の回折光のみの干渉領域E1で形成された光導波路グレーティングは、非常に透過率が大きく光学特性の良いものとなる。
特許第2929569号公報 特開平11−223714公報
しかしながら、上記の位相マスクを用いて光導波路グレーティングを製造する場合、位相マスクの特性が光導波路グレーティングの光学特性や製造の安定性に大きな影響を及ぼすことになる。
前述したように、位相マスクは±1次光の強度が大きく0次光を抑制するように設計されているが、実際には、製造バラツキ等の理由から、位相マスクに入射した紫外光のうちの数%程度は0次光が透過し、さらに±1次光だけでなく高次光による干渉領域も生ずる。図12は、0次光と高次光を考慮した位相マスクによる干渉領域の概念を示し、同図中のE1は、±1次光のみの干渉領域、E2は±1次光と±2次光が重なる干渉領域、E3は、±1次光、±2次光及び±3次光が重なる干渉領域を示している。
このように、0次光が位相マスクを透過し、さらに±1次光だけでなく高次光による干渉領域も生ずる。このため、光導波路には、±1次光の干渉領域による屈折率変化に加え、0次光による屈折率の増加や、高次光による干渉領域によって±1次光によるものとは異なった屈折率変化が形成される。すなわち、±1次光によってAC成分は増加するが、0次光や高次光によってDC成分が増加することでAC成分のコントラストが悪化してAC成分の増加割合が小さくなり、AC成分が減少することがある。その結果、製造された光導波路グレーティングにおいて、目標とする光学特性を得ることが困難となる、という問題があった。
この問題を解消するために、光導波路150と位相マスク100との間の距離を大きくとることにより、高次光による干渉領域E2,E3,…,Enの影響を抑制するといった方法が考えられるが、このような方法を採ると、光導波路150に照射される干渉領域E1の紫外光の範囲が狭まるため、光導波路グレーティングの製造に時間がかかり、製造効率が非常に低下することになる。
本発明は上記従来の問題点に鑑み、光導波路グレーティングの製造において、良好な製造効率を維持しつつ、位相マスクによる0次や高次の回折光の影響を抑制して、精度の良い光学特性を得ることができる光導波路グレーティング製造装置及び光導波路グレーティング製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光導波路グレーティング製造装置は、光源から照射された光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを備え、光感受性を有する光導波路に対し前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を照射して、該光導波路に、周期的な屈折率分布を有するグレーティング部を形成する光導波路グレーティング製造装置において、前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される回折光のうち所定のn次(n:整数)以外の回折光を遮断する遮断機構を備えたことを特徴とする。
また、本発明の光導波路グレーティング製造装置は、光源から照射された光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを備え、光感受性を有する光導波路に対し前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を照射して、該光導波路に、周期的な屈折率分布を有するグレーティング部を形成する光導波路グレーティング製造装置において、前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される±1次光以外の回折光を遮断する遮断機構を備えたことを特徴とする。
また、本発明の光導波路グレーティング製造装置は、光源から照射された光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを備え、光感受性を有する光導波路に対し前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を照射して、該光導波路に、周期的な屈折率分布を有するグレーティング部を形成する光導波路グレーティング製造装置において、前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される回折光のうち±1次光以外の高次光と0次光のいずれか一方のみを遮断する遮断機構を備えたことを特徴とする。
前記遮断機構は、所定の入射角の光のみを透過する入射角依存性のフィルタで構成しても良く、例えば前記フィルタを、光透過性基板上に薄膜を積層した構成の多層膜フィルタで構成する。また、前記遮断機構は、前記位相マスクを保護するための保護機能を有するように構成しても良い。
また、本発明の光導波路グレーティング製造方法は、入射した光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを用意し、光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を、光感受性を有する光導波路に対して照射して露光する光導波路グレーティング製造方法であって、前記光導波路の光被照射面と前記位相マスクのマスク面とが平行になるように前記光導波路と前記位相マスクを所定の距離を隔てて配置する工程と、前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される回折光のうち所定のn次(n:整数)以外の回折光を遮断する遮断部材を挿入する工程と、前記位相マスクと前記遮断部材との平行出しを行う工程と、光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を前記光導波路に対して照射する工程とを順次実行することを特徴とする。
また、本発明の光導波路グレーティング製造方法は、入射した光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを用意し、光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を、光感受性を有する光導波路に対して照射して露光する光導波路グレーティング製造方法であって、前記光導波路の光被照射面と前記位相マスクのマスク面とが平行になるように前記光導波路と前記位相マスクを所定の距離を隔てて配置する工程と、前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される±1次光以外の回折光を遮断する遮断部材を挿入する工程と、前記位相マスクと前記遮断部材との平行出しを行う工程と、光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を前記光導波路に対して照射する工程とを順次実行することを特徴とする。
また、本発明の光導波路グレーティング製造方法は、入射した光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを用意し、光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を、光感受性を有する光導波路に対して照射して露光する光導波路グレーティング製造方法であって、前記光導波路の光被照射面と前記位相マスクのマスク面とが平行になるように前記光導波路と前記位相マスクを所定の距離を隔てて配置する工程と、前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される回折光のうち±1次光以外の高次光と0次光のいずれか一方のみを遮断する遮断部材を挿入する工程と、前記位相マスクと前記遮断部材との平行出しを行う工程と、光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を前記光導波路に対して照射する工程とを順次実行することを特徴とする。
本発明によれば、光導波路グレーティングの製造において、良好な製造効率を維持しつつ、位相マスクによる0次や高次の回折光の影響を抑制して、精度の良い光学特性を容易に得ることが可能になる。
本発明の光導波路グレーティング製造装置及び光導波路グレーティング製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施の形態]
図1(a),(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る光導波路グレーティング製造装置の構造を示す構造図であり、同図(a)はその上面図、同図(b)はA−B断面図である。
この光導波路グレーティング製造装置は、光導波路グレーティングの作製に適した波長の紫外光UVを照射するエキシマレーザ光源等の照射光学系から成る光源部30と、紫外光UVの照射方向に往復可動すると共に回転可動自在の微動ステージ10,20を備えている。
微動ステージ10の上面部にはマスクホルダ11が立設され、そのマスクホルダ11の中央部には石英ガラス板等から成る位相マスク12が保持されている。位相マスク12は、紫外光入射面が紫外光UVの照射方向に対して垂直になるように配置される。
位相マスク12は、入射した紫外光UVを回折して周期的な強度分布を有する紫外光を出射するもので、紫外光出射面側に回折格子12aが形成されている。回折格子12aは、位相マスク12の紫外光出射面に周期的に所定幅の複数の凹溝が一定の間隔で平行に形成されたもので、その凹溝幅と各凹溝間隔は、目標とする光導波路グレーティングの光学特性に応じて適宜設定されるようになっている。
一方、微動ステージ10と紫外光UVの照射方向に所定の間隙をおいて配置された微動ステージ20の両側には、紫外光UVの照射方向に対して垂直方向にセットされる光ファイバ23を把持するファイバ把持部24がそれぞれ配置されている。
光ファイバ23は、そのコア領域に例えばGeO2(酸化ゲルマニウム)を添加して光感受性をもたせたものであり、その被覆樹脂23aのうち、グレーティング部を形成すべき部分の被覆樹脂が除去されている。この光ファイバ23は、位相マスク12から出射された照射光が被覆樹脂除去部23bに照射されるようにファイバ把持部24のV溝に置かれ、クランプ板25により固定される。このとき、光ファイバ23の長手方向と位相マスク12に形成された回折格子12aの凹溝幅方向とが平行になるように設置される。
また、微動ステージ20の上面には、本発明の特徴部分である遮断機構を構成すべく、固定治具21と、その固定治具21に着脱自在に装着固定された遮断フィルタ22とが配されている。
この遮断フィルタ22は、前述した光導波路グレーティングの製造時において0次光と高次光の悪影響を抑制するため、位相マスク12と光導波路23bとの間に平行に挿入された±1次光のみを透過するフィルタである。すなわち、この遮断フィルタ22は、±1次光の回折角と同じ角度で被覆樹脂除去部23bに入射する紫外光UVのみを透過するフィルタであり、それ以外の角度で入射する0次光や高次光を遮断することができる。
具体的には、本実施の形態では、遮断フィルタ22を図2に示すような特性を有する多層膜フィルタで構成する。この多層膜フィルタ22は、ガラス基板上に多数の薄膜を蒸着方式やスパッタ方式で積層して構成されるフィルタであり、求められる特性に応じて薄膜の材料や層数などが決定される。多層膜フィルタの薄膜に使用する材料としては、Al、Cr、インコール、Ni、Au、Ag、Pt、Pd、Mo、W、Cu、Rhなどがある。
本実施の形態で使用する多層膜フィルタ22の特性は、図2に示すように、角度12〜14°で入射する光に対しては約95%以上透過し、それ以外の角度で入射する光を透過率5%以下に抑えるものになっている。このように、±1次光の入射角で透過率が95%以上になるように設計されたフィルタを使用することで、±1次光以外の光を遮断することができる。この入射角は、位相マスク表面に形成された回折格子の周期と入射する光の波長によって決定されるため、それぞれ用途に対して設計する。なお、図2の特性例において、入射角が55°以上のときに透過率が上昇しているが、これは、多層膜フィルタの設計上抑えられなかったためであるが、55°以上で入射してくる回折光は非常に弱いため問題はない。
次に、本実施の形態に係る光導波路グレーティングの製造方法について、図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
まずステップS11においては、光ファイバ23をファイバ把持部24に固定すると共に、位相マスク12をマスクホルダ11に保持した状態で、光ファイバ23の長手方向と位相マスク12の回折格子12aの凹溝幅方向とが平行になるように、微動ステージ10を操作して位相マスク12の位置を調整する。この平行調整では、レーザ照射による方式等を用いて、位相マスク12の紫外光出射面と被覆樹脂除去部23bの表面との距離を2点以上で測定し、その距離がすべて同じになるように位相マスク12の向きや位置を微動ステージ10を用いて調整する。
次のステップS12では、位相マスク12と被覆樹脂除去部23bの平行を保ったまま、位相マスク12と被覆樹脂除去部23bとの間隔を所定の距離に合わせる。この所定の距離は、遮断フィルタ22が挿入でき且つ露光が可能な距離であり、露光速度の向上を考えると、その距離はできるだけ小さい方が望ましい。しかし、光導波路グレーティングの製造において、位相マスク12、遮断フィルタ22及び被覆樹脂除去部23bの相互の接触は製品の信頼性や寿命などの点から好ましくない。これらのことから、遮断フィルタ22の厚みtのとき、位相マスク12と被覆樹脂除去部23bの距離は、例えばt+50μm程度が好ましい。
その後のステップS13では、遮断フィルタ22を位相マスク12と被覆樹脂除去部23bとの間に挿入する。すなわち、遮断フィルタ22を固定治具21に装着する。
続いて、ステップS14において、位相マスク12と遮断フィルタ22との平行出しを行う。この平行出しは、前記ステップS11で行った被覆樹脂除去部23bと位相マスク12との平行出しと同様の方法で行う。
そして、上述のようにして位相マスク12と遮断フィルタ22と光ファイバ23が光導波路グレーティング製造装置に固定された状態で、ステップS15において露光を行う。すなわち、光源部30から位相マスク12の紫外光入射面に対して垂直に紫外光UVを照射すると、位相マスク12の回折格子12aによって回折光が生じて位相マスク12の紫外光出射面から出射される。この位相マスク12の回折格子12aによる回折光は、高次になるにつれて回折角が広がる(図12参照)。したがって、位相マスク12と被覆樹脂除去部23bとの間に遮断フィルタ22を挿入すると、図4に示すように、その遮断フィルタ22に対する入射角も大きくなる。この遮断フィルタ22は、±1次光に対する入射角のみ透過するフィルタであるため、その他の入射角で入射した光は透過しない。その結果、位相マスク12から出射される回折光によって生ずる干渉領域は、±1次光による干渉領域E1のみとなり、他の高次光による干渉領域E2,E3,…は生じない。
これにより、0次光または高次光による干渉領域の悪影響を排除して、±1次光による干渉領域E1の作用だけで被覆樹脂除去部23bに周期的な屈折率分布を得ることができる。このようなことから、光導波路と位相マスクとの間の距離を大きくとるといった方法を採らなくとも、目標とする光学特性をもった光導波路グレーティングを容易に形成することができ、製造効率が向上する。
次に、本実施の形態の実施例について説明する。
<実施例1>
本実施例では、光感受性をもつ被覆樹脂除去部23bに対して、グレーティング周期が1066nm程度の位相マスク12を介して、光源部30としてエキシマレーザを使用して波長248nmの紫外光UVを照射することにより、被覆樹脂除去部23bの長手方向に周期的な屈折率変化を形成した。このとき、位相マスク12と被覆樹脂除去部23bとの間に遮断フィルタ22を挿入した場合と挿入しない場合の各条件下で、光ファイバ23を2本ずつ用意して露光を行い、光導波路グレーティング部の露光時間に対する透過率と中心波長の変化を比較した。この測定において、露光時間に対する透過率とは、露光中に徐々に減少する1.55μm帯の透過率を言い、光ファイバに1.55μm帯の光を伝搬させたまま露光を行い、その1.55μm帯の光をスペクトルアナライザでモニタすることで露光時間と透過率の関係を得た。ここで、遮断フィルタ22は、入射角12〜14°の紫外光を95%以上透過し、それ以外の紫外光に対する透過率は5%以下になるように設計した多層膜フィルタを使用した。
このような条件下において、光導波路グレーティングの露光時間に対する透過率の測定結果を図5に示し、光導波路グレーティングの露光時間に対する中心波長シフト量の測定結果を図6に示す。
図5に示すように、露光を開始して4分後まではほとんど差が見られないが、8分後になると遮断フィルタ22を挿入してない方の透過率は一定となり増加しなくなった。遮断フィルタ22を挿入した方は、その後も透過率が増加し、最終的な透過率は遮断フィルタ22を挿入しない方の1.5倍の透過率を得ることができた。
また、図6から明らかなように、遮断フィルタ22を挿入した場合、4分以降の中心波長変化が遮断フィルタ22を挿入しない場合に比べて小さくなり、最終的には1nm程度小さくなっていることが判る。中心波長シフト量は、DC成分の増加と比例関係にあり、遮断フィルタ22を挿入した場合にはDC成分の増加が抑えられていることを確認することができた。
<実施例2>
光導波路グレーティングの光学特性の目標を適当に設定し、遮断フィルタ22を挿入したときと挿入しないときの各条件下で、複数本の露光を行った場合の歩留まりを比較した。その結果、遮断フィルタ22を挿入した場合は、挿入しない場合の1.2倍の歩留まりとなり、歩留まりの向上の効果が確認できた。
また、遮断フィルタ22を挿入して露光することで、位相マスク12の汚れが非常に少なくなり、位相マスク12を洗浄するまでの時間が、遮断フィルタ22を挿入しない場合に比べて1.5倍になった。すなわち、光ファイバ23の被覆除去を行ったときの被覆屑や極僅かな空気中の塵などが、露光の際に紫外光UVを照射することで位相マスク12に付着してしまい、位相マスク12の洗浄・交換が必要となる。このため、位相マスク12と被覆樹脂除去部23bとの間に多層膜フィルタから成る遮断フィルタ22を挿入することで、遮断フィルタ22が位相マスク12の汚れを防ぐための機構としても機能するため、位相マスク12の汚れが抑制されて、位相マスク12の寿命を長くすることができる。
本実施の形態では、±1次光のみ透過する遮断フィルタ22を位相マスク12と被覆樹脂除去部23bとの間に挿入するようにしたので、次のような効果がある。
(1)本実施の形態の遮断フィルタ22により、0次光及び高次光の影響を大きく抑制することができるため、DC成分の増加が非常に小さくなり、光導波路グレーティングにおいて大きな透過率を得ることができる。すなわち、0次光及び高次光によるAC成分への悪影響が小さいため、目標とする光学特性を容易に得ることができ、光導波路グレーティングの製造時において、製造時間の短縮及び歩留まりの向上が可能となり、製造効率が向上する。
(2)遮断フィルタ22により、空気中や被覆樹脂除去部23bに付着している塵や屑による位相マスク12の汚れを防ぐことができる。
(3)遮断フィルタ22を挿入する際には、遮断フィルタ22と位相マスク12とを平行にする作業を行うため、露光時には位相マスク12と遮断フィルタ22とは平行になっている。一方、位相マスク12による±1次光の回折光の回折角は一定であり、その角度は位相マスク12との距離が変わっても不変である。このため、位相マスク12と遮断フィルタ22との距離が変化しても、位相マスク12と遮断フィルタ22が平行であれば透過する±1次光は一定で光学特性には全く影響がない。したがって、遮断フィルタ22のセッティングにおいては、ステップS14で平行出しさえ行えば、その他の高精度な位置調整が不要となり、遮断フィルタ22を短い時間でセッティングすることができる。
[第2の実施の形態]
遮断フィルタ22の特性を図2に示す例のように設計するのは、実際には非常に難しく高価となる。そこで、図7に示すような±1次光と0次光のみ透過する多層膜フィルタ(第1の遮断フィルタと記す)や、図8に示すような±1次光と高次光のみを透過する多層膜フィルタ(第2の遮断フィルタと記す)を設計すると、設計が比較的簡単で安価となる。本実施の形態は、このような0次と高次の回折光のどちらか一方のみを遮断する多層膜フィルタを遮断フィルタ22として使用したものである。その他の構成は、図1に示した光導波路グレーティング製造装置と同じである。また、光導波路グレーティング製造方法も図3で説明したものと同様である。
次に、本実施の形態の実施例について説明する。
露光条件は、上記第1の実施の形態の実施例1と同様であり、使用するフィルタは図7と図8の特性をもつものを使用した。
図9は、本実施例に係る光導波路グレーティングの露光時間に対する透過率の測定結果を示すグラフである。同図9から明らかなように、第1及び第2の遮断フィルタのいずれを用いた場合でも、フィルタを使用しない場合に比べ、光導波路グレーティングにおいて大きな透過率を得ることができた。
露光時間15分後の透過率で比較すると、フィルタを使用しない場合に比べて図7の特性をもつ第1の遮断フィルタの場合は約1.4倍であり、図8の特性をもつ第2の遮断フィルタの場合は約1.15倍となった。
通常、位相マスクは0次光を抑制するように設計されており、高次光に比べて0次光の透過する割合は小さい。したがって、図7の特性をもつ第1の遮断フィルタを用いた方が遮断フィルタ22の効果としては大きなものになる。
本実施の形態のように、0次と高次の回折光のどちらか一方のみを遮断する多層膜フィルタを遮断フィルタ22として使用した場合であっても、光導波路グレーティングにおいて十分な透過率を得ることができ、目標とする光学特性が得られやすく、光導波路グレーティングの製造時間の短縮及び歩留まりの向上が可能となり、製造効率が向上する。
なお、上記各実施の形態では、光導波路グレーティングの製造に±1次光を用いたが、その他の回折光の干渉で露光を行う場合には、そのときの露光条件によって、遮断フィルタ22における光透過の入射角を設計することになる。
第1の実施の形態に係る光導波路グレーティング製造装置の構造を示す構造図である。 第1実施の形態に係る遮断フィルタの特性を示すグラフである。 光導波路グレーティング製造方法を示すフローチャートである。 遮断フィルタを挿入した場合の回折光の概念図である。 光導波路グレーティングの露光時間に対する透過率の測定結果を示すグラフである。 光導波路グレーティングの露光時間に対する中心波長シフト量の測定結果を示すグラフである。 第2の実施の形態に係る遮断フィルタの第1の特性例を示すグラフである。 第2の実施の形態に係る遮断フィルタの第2の特性例を示すグラフである。 第2の実施の形態に係る光導波路グレーティングの露光時間に対する透過率の測定結果を示すグラフである。 位相マスクによって回折した±1次光のみによる干渉領域の概念図である。 光導波路グレーティング部の屈折率変化の概念を説明するためのグラフである。 0次光と高次光を考慮した位相マスクによる干渉領域の概念図である。
符号の説明
10,20 微動ステージ
11 マスクホルダ
12 位相マスク
12a 回折格子
21 固定治具
22 遮断フィルタ
23 光ファイバ
23b 被覆樹脂除去部
24 ファイバ把持部
25 クランプ板
30 光源部

Claims (9)

  1. 光源から照射された光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを備え、光感受性を有する光導波路に対し前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を照射して、該光導波路に、周期的な屈折率分布を有するグレーティング部を形成する光導波路グレーティング製造装置において、
    前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される回折光のうち所定のn次(n:整数)以外の回折光を遮断する遮断機構を備えたことを特徴とする光導波路グレーティング製造装置。
  2. 光源から照射された光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを備え、光感受性を有する光導波路に対し前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を照射して、該光導波路に、周期的な屈折率分布を有するグレーティング部を形成する光導波路グレーティング製造装置において、
    前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される±1次光以外の回折光を遮断する遮断機構を備えたことを特徴とする光導波路グレーティング製造装置。
  3. 光源から照射された光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを備え、光感受性を有する光導波路に対し前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を照射して、該光導波路に、周期的な屈折率分布を有するグレーティング部を形成する光導波路グレーティング製造装置において、
    前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される回折光のうち±1次光以外の高次光と0次光のいずれか一方のみを遮断する遮断機構を備えたことを特徴とする光導波路グレーティング製造装置。
  4. 前記遮断機構は、所定の入射角の光のみを透過する入射角依存性のフィルタで構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光導波路グレーティング製造装置。
  5. 前記フィルタは、光透過性基板上に薄膜を積層した構成の多層膜フィルタで構成したことを特徴とする請求項4に記載の光導波路グレーティング製造装置。
  6. 前記遮断機構は、前記位相マスクを保護するための保護機能を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光導波路グレーティング製造装置。
  7. 入射した光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを用意し、光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を、光感受性を有する光導波路に対して照射して露光する光導波路グレーティング製造方法であって、
    前記光導波路の光被照射面と前記位相マスクのマスク面とが平行になるように前記光導波路と前記位相マスクを所定の距離を隔てて配置する工程と、
    前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される回折光のうち所定のn次(n:整数)以外の回折光を遮断する遮断部材を挿入する工程と、
    前記位相マスクと前記遮断部材との平行出しを行う工程と、
    光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を前記光導波路に対して照射する工程とを順次実行することを特徴とする光導波路グレーティング製造方法。
  8. 入射した光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを用意し、光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を、光感受性を有する光導波路に対して照射して露光する光導波路グレーティング製造方法であって、
    前記光導波路の光被照射面と前記位相マスクのマスク面とが平行になるように前記光導波路と前記位相マスクを所定の距離を隔てて配置する工程と、
    前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される±1次光以外の回折光を遮断する遮断部材を挿入する工程と、
    前記位相マスクと前記遮断部材との平行出しを行う工程と、
    光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を前記光導波路に対して照射する工程とを順次実行することを特徴とする光導波路グレーティング製造方法。
  9. 入射した光を回折して周期的な強度分布を有する回折光を生成する位相マスクを用意し、光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を、光感受性を有する光導波路に対して照射して露光する光導波路グレーティング製造方法であって、
    前記光導波路の光被照射面と前記位相マスクのマスク面とが平行になるように前記光導波路と前記位相マスクを所定の距離を隔てて配置する工程と、
    前記位相マスクと前記光導波路との間に、前記位相マスクから出射される回折光のうち±1次光以外の高次光と0次光のいずれか一方のみを遮断する遮断部材を挿入する工程と、
    前記位相マスクと前記遮断部材との平行出しを行う工程と、
    光源から前記位相マスクを介して前記周期的な強度分布を有する回折光を前記光導波路に対して照射する工程とを順次実行することを特徴とする光導波路グレーティング製造方法。

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