JP2005331296A - 回転検出装置 - Google Patents

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JP2005331296A JP2004148250A JP2004148250A JP2005331296A JP 2005331296 A JP2005331296 A JP 2005331296A JP 2004148250 A JP2004148250 A JP 2004148250A JP 2004148250 A JP2004148250 A JP 2004148250A JP 2005331296 A JP2005331296 A JP 2005331296A
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Abstract

【課題】配設環境によることなく高い精度を維持して被検出体であるロータの回転検出を行うことのできる回転検出装置を提供する。
【解決手段】回転検出装置11は、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4を備えるセンサチップ2aと磁気抵抗素子MRE1〜MRE4にバイアス磁界を付与するバイアス磁石5とがリードフレーム6に装着された状態で一体に樹脂モールドされて構成されている。センサチップ2aは、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の配設面が回転態様の検出対象となるロータの一面と平行に対向するように設けられるとともに、バイアス磁石5は、リードフレーム6を介して磁気抵抗素子の後方裏面MRE1〜MRE4に設けられている。そして、モールド材17のうち、上記ロータと対向する面の裏面側には鉄などからなる磁性体片19が装着されている。
【選択図】 図4

Description

この発明は、例えば車両における車輪回転(車輪速)の検出やエンジン回転の検出など、各種機械の回転検出を行う装置に関し、特に磁気ベクトル変化に伴う磁気抵抗素子の抵抗値変化を利用して回転検出を行う回転検出装置に関する。
従来、この種の回転検出装置としては、例えば特許文献1に記載されている態様で車輪軸の回転速度を検出する装置が知られている。図7〜図9に、この特許文献1に記載されている回転検出装置も含めて、車輪速センサとして従来一般に採用されている回転検出装置の概要を示す。
まず、図7は、こうした回転検出装置が装着された自動車等の車両の車輪の一部を拡大して、その回転検出機構の断面構造とともに示したものである。この図7に示されるように、車輪軸SHには、その外周に沿って円環状に形成されたロータRTが取り付けられている。このロータRTは、その周縁部がN極とS極とに交互に着磁された着磁ロータとなっており、上記車輪軸SHの回転に伴い回転検出装置1の近傍にて回転する。
ここで、回転検出装置1は、付与される磁気ベクトルの変化を検出するセンサ部を有するICチップ2と、同センサ部にバイアス磁界を付与するバイアス磁石5とを備えて構成されており、これらが樹脂などからなるモールド材7によってシームレスにモールドされている。そして、この回転検出装置1が、上記車輪軸SHに設けられた回転検出機構のハウジングHOに外部から挿入されるかたちで取り付けられた取付部材Iに装着されることで、上記センサ部とロータRTとが対向配置されるようになる。このような位置関係により、上記センサ部には、バイアス磁石5による磁気ベクトルとロータRTによる磁気ベクトルとの合成ベクトルが付与されるようになり、ロータRTが回転するときに生じるこの合成ベクトルの変化が同センサ部によって検出されるようになる。
また、図8(a)、(b)は、上記回転検出装置1の内部構造についてその一例を示したものである。図8(a)にその平面構造を、また図8(b)にその側面構造をそれぞれ示すように、この回転検出装置1において、上記ICチップ2およびバイアス磁石5は、リードフレーム6を挟むかたちで同リードフレーム6の表裏に各々装着されている。このうち、ICチップ2は、上記センサ部を有するセンサチップ2aとその処理回路を有する処理回路チップ2bとから構成されている。
ここで、センサチップ2aは、磁気ベクトルの変化に伴って抵抗値が変化する磁気抵抗素子MRE1〜MRE4を上記センサ部として備えている。これら磁気抵抗素子MRE1〜MRE4は、電気的には、磁気抵抗素子MRE1およびMRE2からなるハーフブリッジ回路と、磁気抵抗素子MRE3およびMRE4からなるハーフブリッジ回路との2組のハーフブリッジ回路として構成されている。なお、このICチップ2においてその給電端子と出力端子とを兼ねる各端子T1およびT2は上記モールド材7から引き出される構造となっており、上記センサチップ2aおよび処理回路チップ2bは、これら端子T1およびT2とボンディングワイヤWを介して電気的に接続されている。また、上記各端子T1およびT2は、電気的なコネクタを兼ねる先の取付部材I(図7)に装着され、該取付部材Iの他方に接続される外部のワイヤリングを介して図示しない制御装置などに電気的に接続されることとなる。
一方、図9は、上記ロータRTと回転検出装置1を構成する上記センサチップ2aおよびバイアス磁石5との関係を模式的に示したものである。この図9に示されるように、回転検出装置1の近傍にて上記ロータRTが回転するとき、バイアス磁石5による磁気ベクトル、およびロータRTによる磁気ベクトルの合成ベクトルSVが変化し、この変化する合成ベクトルSVが上記センサチップ2aを構成する磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に対して様々な方向から作用するようになる。そしてこの回転検出装置では、合成ベクトルCVのこのような変化がこれら磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の各抵抗値の変化として感知されて、その対応する電気信号が上記処理回路チップ2b(図8)に出力される。すなわちここでは、それぞれハーフブリッジ回路を形成する磁気抵抗素子MRE1およびMRE2と磁気抵抗素子MRE3およびMRE4とにおける各中点電位の変化が処理回路チップ2bに与えられ、該処理回路チップ2bにおいて差動増幅や2値化などの処理が施された後、上記車輪軸SH(図7)の回転に対応した信号として端子T1およびT2から取り出される。
特開2002−357454号公報
ところで、上述したような回転検出装置は通常、その配設環境が必ずしも望ましい環境にあるとは限らない。事実、先の図7に例示した車輪速センサとして用いられる回転検出装置にあっても、車輪軸SHや回転検出機構のハウジングHOなど、上記磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の周辺に配置される諸々の部材(周辺磁性体)は通常、鉄などの強磁性体から構成されている。このため、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルの基準角度が、このような周辺磁性体による磁気的な影響を受けて変化することも懸念される。そして、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルの基準角度がこうして変化するようなことがあると、上記各中点電位に不要なオフセットが生じるなど、上記端子T1およびT2を通じて取り出される回転情報の信頼性にも影響が生ずるようになる。
このため、上記回転検出装置1も含めた従来一般の回転検出装置では、当該装置が配設される環境ごとにバイアス磁石や磁気抵抗素子の配置態様を変更するなどの磁気回路の調整が必要となることが多く、汎用性に乏しいものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、配設環境によることなく高い精度を維持して被検出体であるロータの回転検出を行うことのできる回転検出装置を提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、磁気抵抗素子を備えるセンサチップと前記磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与する磁石とがリードフレームに装着された状態で一体に樹脂モールドされてなり、前記センサチップの近傍にてロータが回転するときに前記バイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化を前記磁気抵抗素子の抵抗値の変化として感知して前記ロータの回転態様を検出する回転検出装置として、前記磁気抵抗素子に作用する磁気ベクトルの基準角度を調整可能な1乃至複数の磁性体片をモールド樹脂に装着することとした。
回転検出装置としてのこのような構成によれば、磁性体片をモールド樹脂に装着するだけの簡易な構造を通じて、磁気抵抗素子に作用するバイアス磁界の磁気ベクトルの基準角度を任意に、しかも容易に調整することができるようになる。すなわち、周辺磁性体による磁気的な影響を受けやすい配設環境にあったとしても、同磁性体片の装着を通じてそれら磁気的な影響を回避することが可能となり、上記バイアス磁界を付与する磁石や磁気抵抗素子自体の配置等をあえて調整せずとも、同磁気抵抗素子に作用する磁気ベクトルの基準角度を適正な角度に保つことができるようになる。そしてこのため、被検出体であるロータの回転検出精度も自ずと高く維持されるようになる。
しかも、上記構成によれば、磁石やセンサチップ自体の個体差、または位置ずれ等に起因して上記磁気抵抗素子に作用する磁気ベクトルの基準角度にずれが生じたような場合であっても、これら磁石やセンサチップが樹脂モールドされた状態で同磁気ベクトルの基準角度を適正に調整することも可能となり、当該回転検出装置としての歩留まりの向上が期待できるようにもなる。
また、この場合には特に、請求項2に記載の発明によるように、前記センサチップを、前記磁気抵抗素子の配設面が前記回転態様の検出対象となるロータの一面と平行に対向するように設けるとともに、前記磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与する磁石を、前記リードフレームを介して前記磁気抵抗素子の後方裏面に設け、さらに、前記磁性体片を、前記モールド樹脂のうち、前記ロータと対向する面の裏面側であって且つ、前記磁石と前記磁気抵抗素子との間に位置する部分にそれら磁石および磁気抵抗素子の投影面との重複も含めて装着するようにすることで、当該回転検出装置としての回転態様の検出精度をより好適に維持することができるようになる。
すなわち、こうしてモールド樹脂に磁性体片が装着される場合、モールド樹脂のうちの例えば上記磁石とロータとの間に位置する部分などでは、上記ロータが回転するときにバイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化に不要な影響を及ぼしかねない。そして、こうした不要な磁気ベクトルの変化も磁気抵抗素子の抵抗値の変化として同様に感知されるため、当該回転検出装置としての回転検出精度の低下を招きかねない。
この点、上記構成によれば、センサチップを磁気抵抗素子の配設面がロータの一面と平行に対向するように設けるとともに、磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与する磁石を上記リードフレームを介して磁気抵抗素子の後方裏面に設け、そして上記磁性体片についてはこれを、上記モールド樹脂のうち、ロータと対向する面の裏面側であって且つ、磁石と磁気抵抗素子との間に位置する部分に、それら磁石および磁気抵抗素子の投影面との重複も含む態様で装着するようにしている。
磁性体片のこのような部位への装着によれば、まず、磁石と磁気抵抗素子との間に付与される磁気ベクトル、すなわち磁気抵抗素子に作用する磁気ベクトルの基準角度を的確に調整することができるようになる。さらには、磁性体片が上記モールド樹脂のうちのロータと対向する面の裏面側に配置されるため、上記ロータが回転するときにバイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化への不要な影響も好適に抑制されるようになる。
また、これら請求項1あるいは2に記載の構成において、請求項3に記載の発明によるように、前記モールド樹脂の前記磁性体片が装着される部分に同磁性体片を収容するための凹部を設けるようにすれば、特に上記磁性体片をモールド樹脂の表面に装着する場合に、同磁性体片の装着によって不要な突起が生じることを避けることができるようになる。
なお、上記磁性体片としては、例えば請求項4に記載の発明によるように、
・鉄系金属片によって形成されるもの。
あるいは、請求項5に記載の発明によるように、
・磁石片によって形成されるもの。
等々が有効である。
これらいずれの場合であれ、上記磁気抵抗素子に作用する磁気ベクトルの角度を好適に調整することができる。ただし、上記磁性体片としての扱いやすさやコスト面等からすれば、これを鉄系金属片によって形成することが、実用上はより望ましい。
また、前記回転態様の検出対象となるロータは基本的に任意であるが、特に請求項6に記載の発明によるように、同ロータとして、その周縁部にN極とS極とが交互に着磁された着磁ロータが採用される場合には、上記磁石による磁気ベクトルとこの着磁ロータによる磁気ベクトルとの合成ベクトルが磁気抵抗素子に作用することとなり、上記磁気抵抗素子に作用する磁気ベクトルの強度を容易に確保することができるようになる。またこれにより、上記バイアス磁界を付与する磁石の小型化を図ることも容易となる。
はじめに、図1〜図3を参照して、この発明の原理について説明する。
前述のように、磁気抵抗素子に作用する磁気ベクトルは、この磁気抵抗素子の周辺に存在する磁性体による磁気的な影響を受けてその角度が変化することがある。例えば図1(a)に例示するように、バイアス磁石MGによる磁気ベクトルの基準角度が同図に示すベクトルTVに設定されていたとしても、その周辺に磁性体AR1が存在すると、その基準ベクトルもベクトルBV1として示す態様で変化するようになる。そして、こうした不要な磁気ベクトルの変化がセンサチップSSを構成する磁気抵抗素子MRE11〜MRE14の抵抗値の変化として感知されると、このようなセンサチップSSを用いてロータの回転態様を検出する回転検出装置としての回転検出精度の低下を招くようになることは前述の通りである。なおここでも、磁気抵抗素子MRE11およびMRE12と、磁気抵抗素子MRE13およびMRE14とは、電気的には各々ハーフブリッジ回路として構成されている。
しかし、このような環境におかれる場合であれ、図1(b)に例示するかたちで磁性体片MP1を配置することで、同図に示されるように、バイアス磁石MGによる磁気ベクトルの基準角度を、上記ベクトルBV1から適正な角度を有するベクトルTVに修正することができるようになる。
なお、この図1(b)に示すように、上記磁性体片MP1を、センサチップSSに対して図面上手前側に配置した場合、同磁性体片MP1によって修正されるベクトルTVも、実際には、上記修正前のベクトルBV1に対し、同様に図面上手前側に引きずられるようになる。ただし、磁気抵抗素子MRE11〜MRE14は、図面に対して平行または同一面となるいわばX−Y方向成分の磁気ベクトルの変化のみを抵抗値の変化として感知するため、この図1(b)に示されるように、バイアス磁石MGによる磁気ベクトルのこのX−Y方向成分の角度さえ適正な角度に設定される限り、所期の目的は達成される。
また、図2(a)に例示するように、バイアス磁石MGによる磁気ベクトルの基準角度が同じくベクトルTVに設定されていたとしても、その周辺にセンサチップSSの中心から偏倚するかたちで磁性体AR2が存在すると、その基準ベクトルもベクトルBV2として示される態様で変化するようになる。すなわちここでは、磁気抵抗素子MRE11およびMRE12側に作用するバイアス磁石MGによる磁気ベクトルが、特に磁性体AR2に引きずられるかたちで大きく変化している。
しかし、このような場合でも、図2(b)に例示するように、磁気抵抗素子MRE11およびMRE12と磁気抵抗素子MRE13およびMRE14とに作用する2つの磁気ベクトルのうち、大きく修正したい側の磁気ベクトルに対し、その修正したい側に偏倚するかたちで磁性体片MP2を配置することで、上述と同様の角度修正が可能となる。すなわちこれによっても、同図2(b)に示されるように、バイアス磁石MGによる磁気ベクトルの基準角度がベクトルBV2からベクトルTVに修正されて、適正な角度に設定されるようになる。
また一方、図3(a)に例示するように、バイアス磁石MGによる磁気ベクトルの基準角度が同様にベクトルTVに設定されていたとしても、その周辺に同図に示される態様で大きく偏倚する磁性体AR3が存在する場合には、その基準ベクトルもベクトルBV3として示される態様で変化するようになる。すなわちここでは、磁気抵抗素子MRE11およびMRE12側に作用するバイアス磁石MGによる磁気ベクトルと、磁気抵抗素子MRE13およびMRE14側に作用するバイアス磁石MGによる磁気ベクトルとの基準角度が、各々異なるかたちで変化している。
しかしこのような場合であれ、図3(b)に例示するように、修正対象となる上記2つの磁気ベクトルに対して各別に磁性体片MP3を配置することで、やはり上述と同様の角度修正が可能となる。すなわちこれによっても、同図3(b)に示されるように、バイアス磁石MGによる磁気ベクトルの基準角度がベクトルBV3からベクトルTVに修正されて、上記2つの磁気ベクトルの基準角度が各々適正な角度に設定されるようになる。
これら図1〜図3に示したように、バイアス磁石MGによる磁気ベクトルの基準角度が磁気的な影響を受けやすい環境にあったとしても、磁性体片の配設を通じてそれら磁気的な影響を回避することが可能となる。すなわち、バイアス磁界を付与するバイアス磁石MGや磁気抵抗素子MRE11〜MRE14自体の配置等をあえて調整せずとも、同磁気抵抗素子MRE11〜MRE14に作用する磁気ベクトルの基準角度を適正な角度に保つことができるようになる。
次に、こうした原理に基づいて構成したこの発明にかかる回転検出装置の一実施の形態について、図4および図5を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態の回転検出装置も、先の図7に例示したような車輪軸の回転速度を検出する装置を想定している。
すなわち、この実施の形態にかかる回転検出装置11も、図4(a)にその平面構造を、また図4(b)にその側面構造をそれぞれ示すように、基本的には、ICチップ2およびバイアス磁石5を備えて構成されている。そして、これらICチップ2およびバイアス磁石5は、リードフレーム6を挟むかたちで同リードフレーム6の表裏に各々装着された状態で、樹脂などからなるモールド材17によってシームレスにモールドされている。また、ICチップ2自体は、これも前述と同様に、センサ部を有するセンサチップ2aとその処理回路を有する処理回路チップ2bとから構成されている。そして、このICチップ2の給電端子と出力端子とを兼ねる各端子T1およびT2はモールド材17から引き出され、上記センサチップ2aおよび処理回路チップ2bは、これら端子T1およびT2とボンディングワイヤWを介して電気的に接続されている。
一方、この実施の形態にかかる回転検出装置において、上記モールド材17の表面には、鉄片からなる磁性体片19が装着されている。すなわち、図5に、ロータRTと上記回転検出装置11の斜視構造を併せて示すように、同回転検出装置11では、上記モールド材17の表面に例えば先の図1(b)に例示したかたちで磁性体片19を装着し、これによって前述した周辺磁性体による磁気的な影響に起因する上記バイアス磁石5による磁気ベクトルの基準角度のずれを修正するようにしている。そして、その修正態様は、先に原理として説明した通りである。これにより、回転検出装置11がロータRTに対向する環境において、高い精度を維持して同ロータRTの回転検出を行うことができるようになる。なお、この実施の形態においても、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルは、バイアス磁石5による磁気ベクトルと着磁ロータからなるロータRTによる磁気ベクトルとの合成ベクトルとなっている。
また、同図5、および先の図4(a)、(b)から明らかなように、回転検出装置11が上記ロータRTと対向する環境では、モールド材17内のセンサチップ2aは、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の配設面がロータRTの一面と平行に対向するようになる。また、上記バイアス磁石5は、リードフレーム6を介して上記磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の後方裏面に設けられるかたちとなる。そして、この実施の形態では、上記磁性体片19についてこれを、モールド材17の表面のうち、ロータRTと対向する面の裏面側であって且つ、バイアス磁石5と磁気抵抗素子MRE1〜MRE4との間に位置する部分に、それらバイアス磁石5および磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の投影面との重複も含めるかたちで装着することとしている。
上記磁性体片19のこのような部位への装着によれば、同磁性体片19が上記モールド材17のうちのロータRTと対向する面の裏面側に配置されることとなるため、同ロータRTが回転するときにバイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化への不要な影響も抑制することができるようになる。なお、この実施形態では、磁性体片19の上記モールド材17の表面からの不要な突出を避けるべく、同モールド材17の表面にあらかじめ形成されている凹部に同磁性体片19を装着することとしている。
また一方、こうした磁性体片19の装着部位、あるいはその配設角度等も含めた装着態様は、例えば当該回転検出装置11の配設環境があらかじめ設計図等によって提示される場合には、情報処理装置によるいわゆる磁気シミュレーションによって事前に決定することもできる。
この磁気シミュレーションでは、回転検出装置11が例えば図7に例示したような回転検出機構のハウジングに取り付けられた環境において、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用するバイアス磁石5およびロータRTによる磁気ベクトルの基準角度が予測される。そして、その予測をもとに、その角度が所望とされる角度に維持されるように、同じく磁気シミュレーションを通じて上記磁性体片19の装着部位、装着態様等が決定される。
図6は、このような磁気シミュレーションに基づく磁性体片19の装着部位、装着態様の決定手法についてその一例を示したものである。この図6に示す例では、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルの適正な基準角度は、同図に示されるベクトルBV4であったとする。しかし、回転検出装置11が咲きの図7に例示した態様で配設された環境にあるとして上記磁気シミュレーションを実行した結果、同磁気ベクトルの基準角度が、同図6に示されるベクトルBV41に変化すると予測されたとする。そこでこのような場合には、上記磁気ベクトルの基準角度のこのような変化を見込んで、同磁気ベクトルの基準角度が同図6に示されるベクトルBV42となるような部位に磁性体片19を装着することとなる。これにより、回転検出装置11の実際の配設環境においては、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルの基準角度が同図6に示されるベクトルTVまで変化することとなり、結果として、同基準角度も適正な角度に設定されるようになる。
以上説明したように、この実施の形態にかかる回転検出装置によれば、以下に記載するような優れた効果が得られるようになる。
(1)磁性体片19をモールド材17の表面に装着するようにした。このため、当該回転検出装置11の配設環境によることなく高い精度を維持して被検出体であるロータRTの回転検出を行うことができるようになる。
(2)モールド材17内のセンサチップ2aを、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の配設面がロータRTの一面と平行に対向するように設けるとともに、バイアス磁石5を、リードフレーム6を介して上記磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の後方裏面に設けるようにした。そして、磁性体片19についてはこれを、モールド材17の表面のうち、バイアス磁石5と磁気抵抗素子MRE1〜MRE4との間に位置する部分に、それらバイアス磁石5および磁気抵抗素子MRE1〜MRE4の投影面との重複も含めるかたちで装着するようにした。これにより、ロータRTが回転するときにバイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化への不要な影響も好適に抑制されるようになる。
(3)磁性体片19をモールド材17の凹部に装着するようにしたため、磁性体片19の装着によって不要な突起が生じることを避けることができるようになる。
(4)回転態様の検出対象となるロータRTがその周縁部にN極とS極とが交互に着磁された着磁ロータであるため、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルの強度を容易に確保することができるようになる。またこれにより、上記バイアス磁界を付与するバイアス磁石5の小型化を図ることも容易となる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・回転検出装置11の配設環境によって、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルの基準角度が、例えば先の図2(a)に示される態様で変化する場合には、磁性体片19についてもこれを先の図2(b)に示される態様で装着する。これによっても、前記(1)〜(4)の効果と同等、あるいはそれに準じた効果が得られるようになる。また、回転検出装置11の配設環境によって、磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルの基準角度が、例えば先の図3(a)に示される態様で変化する場合には、磁性体片19についてもこれを先の図3(b)に示される態様で装着する。これによっても、やはり、前記(1)〜(4)の効果と同等、あるいはそれに準じた効果が得られるようになる。なお、磁性体片19を先の図3(b)に示される態様で装着する場合には、2つの磁性体片をモールド材17の表面に装着することとなる。
・3つ以上の磁性体片をモールド材17に装着してもよい。
・磁性体片19の装着部位や装着態様の決定に際しては、上述した磁気シミュレーションに限らず、当該回転検出装置11が配設される実際の磁気的な環境の測定に基づいて同装着部位や装着態様を決定してもよい。
・ロータRTは、その周縁部にN極とS極とが交互に着磁された着磁ロータでなく、いわゆるギヤロータであってもよい。
・モールド材17の表面のうち、凹部以外の表面に磁性体片19を装着してもよい。また、モールド材17に凹部がなくてもよい。
・磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルの基準角度を任意に、しかも容易に調整するという効果を得る上では、磁性体片19をモールド材17の裏面に装着するようにしてもよい。ただし、バイアス磁石5やセンサチップ2aが樹脂モールドされた状態において、バイアス磁石5による磁気ベクトルの基準角度の調整を可能とし、当該回転検出装置としてのさらなる歩留まりの向上を期待する上では、同磁性体片19をモールド材17の表面に装着することがより望ましい。
・上記磁性体片19が鉄系金属片からなるとしたが、この磁性体片19としては、一般的な強磁性体など、上記磁気抵抗素子MRE1〜MRE4に作用する磁気ベクトルの基準角度を調整可能なものであれば、いかなるものを採用してもよい。またこの意味では、磁性体片19として磁石片を採用するようにしてもよい。
(a)および(b)は、この発明の原理を説明する平面図。 (a)および(b)は、この発明の原理を説明する平面図。 (a)および(b)は、この発明の原理を説明する平面図。 (a)は、この発明にかかる回転検出装置の一実施の形態についてその内部構造を示す平面図。(b)は、この発明にかかる回転検出装置の一実施の形態についてその内部構造を示す側面図。 同実施の形態の回転検出装置について、ロータとの関係も含めてその全体構造を示す斜視図。 磁性体片の装着部位、装着態様の決定手法を説明する平面図。 従来の車輪速センサとして採用されている回転検出装置、およびその配設環境例を示す断面図。 (a)は、従来の回転検出装置の内部構造を示す平面図。(b)は、従来の回転検出装置の内部構造を示す側面図。 磁気抵抗素子に付与される合成ベクトルの例を示す平面図。
符号の説明
1、11…回転検出装置、2…ICチップ、2a、SS…センサチップ、2b…処理回路チップ、5、MG…バイアス磁石、6…リードフレーム、7、17…モールド材、19、MP1〜MP3…磁性体片、MRE1〜MRE4、MRE11〜MRE14…磁気抵抗素子、W…ボンディングワイヤ、AR1〜AR4…磁性体、I…取付部材、SH…車輪軸、HO…ハウジング。

Claims (6)

  1. 磁気抵抗素子を備えるセンサチップと前記磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与する磁石とがリードフレームに装着された状態で一体に樹脂モールドされてなり、前記センサチップの近傍にてロータが回転するときに前記バイアス磁界と協働して生じる磁気ベクトルの変化を前記磁気抵抗素子の抵抗値の変化として感知して前記ロータの回転態様を検出する回転検出装置において、
    前記磁気抵抗素子に作用する磁気ベクトルの基準角度を調整可能な1乃至複数の磁性体片がモールド樹脂に装着されてなる
    ことを特徴とする回転検出装置。
  2. 前記センサチップは、前記磁気抵抗素子の配設面が前記回転態様の検出対象となるロータの一面と平行に対向するように設けられるとともに、前記磁気抵抗素子にバイアス磁界を付与する磁石は、前記リードフレームを介して前記磁気抵抗素子の後方裏面に設けられてなり、前記磁性体片は、前記モールド樹脂のうち、前記ロータと対向する面の裏面側であって且つ、前記磁石と前記磁気抵抗素子との間に位置する部分にそれら磁石および磁気抵抗素子の投影面との重複も含めて装着されてなる
    請求項1に記載の回転検出装置。
  3. 前記モールド樹脂の前記磁性体片が装着される部分には同磁性体片を収容するための凹部が設けられてなる
    請求項1または2に記載の回転検出装置。
  4. 前記磁性体片が鉄系金属片からなる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転検出装置。
  5. 前記磁性体片が磁石片からなる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転検出装置。
  6. 前記回転態様の検出対象となるロータは、その周縁部がN極とS極とに交互に着磁された着磁ロータからなる
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転検出装置。
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