JP2005331130A - スターリング冷凍機 - Google Patents

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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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Abstract

【課題】 リニアモータのピストンを駆動するための駆動用コイルで消費される電力の無駄を抑制することが可能なスターリング冷凍機を提供する。
【解決手段】 リニアモータには、並んで設けられた第1、第2および第3コイル部16a,16bおよび16cとタップ切換リレー50とが4つのタップ106a,106b,106c,106を介して設けられている。タップ切換リレー50は、第2コイル部16bにのみ交流電流が流れる状態と、第1、第2および第3コイル部16a,16bおよび16cのそれぞれに交流電流が流れる状態とに変化可能である。したがって、ピストンのストロークが小さい場合には中央の第2コイル部16bのみが用いられてピストンが駆動され、ピストンのストロークが大きい場合には、第1、第2および第3コイル部16a,16bおよび16cの3つが用いられてピストンが駆動される。
【選択図】 図8

Description

本発明は、リニアモータが搭載されたスターリング冷凍機に関するものである。
従来より、スターリング冷凍機は、シリンダ内に設けられたピストンと、そのピストンと所定の位相差を有しながら往復運動するディスプレーサとを有している。そのピストンおよびディスプレーサの往復運動によって作動媒体が圧縮または膨張される。それにより、スターリング冷凍機の内部に膨張空間と圧縮空間とが生じ、膨張空間で生成された冷熱が用いられて、冷気が生成される。
上記従来のスターリング冷凍機においては、ピストンのストロークが大きければ大きいほど冷凍能力が高くなる。したがって、大きな冷凍能力を必要としない場合には、ピストンのストロークを小さくする制御が行なわれている。
特開平6−62506号公報 特開2000−155958号公報
しかしながら、ピストンのストロークが小さくなった場合においても、コイルの長さは一定である。したがって、たとえば、コイルの長さ方向の中央部にピストンの振幅の中心が位置する場合には、ピストンの振幅が非常に小さいときには、コイルの両端において発生する磁界はピストンの駆動に寄与しない。したがって、コイルの両端の近傍に流れている電流は無駄な電流となっている。
しかしながら、従来のスターリングエンジンにおいては、コイルの全長のうち電源部が発生した電流が流れる部分の長さを変更する手段がないため、コイルの両端において消費される電力は無駄なものとなっている。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コイルにおいて無駄な電力が消費されることが抑制されたスターリング冷凍機を提供することである。
本発明の各局面のスターリング冷凍機は、往復運動するピストンと、ピストンを駆動するリニアモータの駆動コイルと、駆動コイルに交流電流を流す電源部と、駆動コイルと電源部とを電気的に接続する接続部と、接続部の接続状態を変更する制御部とを備えている。
本発明の一の局面のスターリング冷凍機は、接続部が駆動用コイルの通電部分を変更可能であり、制御部は接続部の接続状態を変更することによって駆動コイルの通電部分を変更する。
上記の構成によれば、必要に応じて駆動用コイルの通電部分を変更することができるため、スターリング冷凍機の消費電力の無駄を抑制することができる。
また、本発明の一の局面のスターリング冷凍機は、制御部が、ピストンのストロークを算出する手段と、ストロークに基づいて駆動コイルの通電部分を変更する手段とを含んでいる。
上記の構成によれば、ピストンのストロークに正確に対応して駆動用コイルの通電部分を変更することができる。
本発明の他の局面のスターリング冷凍機の駆動用コイルにおいては、第1コイル部、第2コイル部、および第3コイル部がこの順番でピストンの往復運動の方向に沿って並んで設けられている。また、接続部は、電流が第1コイル部、第2コイル部および第3コイル部に流れる通常状態と、電流が第2コイル部にのみ流れる省電力状態とのそれぞれの接続状態に変更され得るものである。また、制御部は、接続部が通常状態となる第1制御および接続部が省電力状態となる第2制御のうちからいずれか1の制御を選択して実行する。
上記の構成によれば、必要に応じて駆動用コイルの状態を通常状態から省電力状態へ変更することにより、使用しないコイル部において電力が無駄に消費されることを抑制することができる。
本発明のさらに他の局面のスターリング冷凍機の駆動用コイルにおいては、第1コイル部、第2コイル部、および第3コイル部がこの順番でピストンの往復運動の方向に沿って並んで設けられている。接続部は、その接続状態が、電流が第1コイル部および第3コイル部に流れる通常状態と、電流が第2コイル部にのみ流れる省電力状態とのそれぞれの接続状態に変更され得るものである。制御部は、接続部が通常状態となる第1制御および接続部が省電力状態となる第2制御のうちからいずれか1の制御を選択して実行する。
上記の構成によれば、前述の一および他の局面のスターリング冷凍機により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
前述の他の局面およびさらに他の局面のスターリング冷凍機においては、第1コイル部および第3コイル部と第2コイル部とは、並列に接続されていることが望ましい。
第1コイル部および第3コイル部と第2コイル部とが並列に接続されていれば、第1コイル部、第2コイル部および第3コイル部の全てが直列に接続する場合に比較して、駆動用コイル全体に印加される電圧を小さくすることができる。
本発明の別の局面のスターリング冷凍機は、制御部が、ピストンのストロークを算出する手段と、ストロークが所定値より小さいか否かを判別する手段と、ストロークが所定値以上である場合に第1制御を実行し、ストロークが所定値より小さい場合に、第2制御を実行する手段とを含んでいる。
上記の構成によれば、ピストンのストロークの値に対応して第1制御と第2制御とを切り換えることができる。
本発明のさらに別の局面のスターリング冷凍機の駆動用コイルにおいては、第1コイル部、第2コイル部、および第3コイル部がこの順番でピストンの往復運動方向に沿って並んで設けられている。また、接続部は、電流が第1コイル部、第2コイル部および第3コイル部の全てに流れる通常状態と、電流が第1コイル部および第3コイル部にのみ流れる第1省電力状態と、電流が第2コイル部にのみ流れる第2省電力状態とのそれぞれの接続状態に変更され得るものである。制御部は、接続部が通常状態となる第1制御、接続部が第1省電力状態となる第2制御、および接続部が第2省電力状態となる第3制御のうちからいずれか1の制御を選択して実行する。
上記の構成によっても上記のスターリング冷凍機により得られる効果と同様の効果を得ることができる。また、駆動用コイルの状態を3段階の状態のうちのいずれか1の状態に切り換えることができるため、よりきめ細かくスターリング冷凍機の消費電力を削減することができる。
本発明の異なる局面のスターリング冷凍機の駆動用コイルにおいては、第1コイル部、第2コイル部、および第3コイル部がこの順番でピストンの往復運動の方向に沿って並んで設けられている。第2コイル部は、第1中央以外コイル部、中央コイル部、および第2中央以外コイル部がこの順番で並んで設けられている。接続部は、電流が第1コイル部、第2コイル部および第3コイル部の全てに流れる通常状態と、電流が第1中央以外コイル部、中央コイル部、および第2中央以外コイル部にのみ流れる第1省電力状態と、中央コイル部にのみ電流が流れる第2省電力状態とのそれぞれの接続状態に変更され得るものである。制御部は、接続部が通常状態となる第1制御と、接続部が第1省電力状態となる第2制御と、接続部が第2省電力状態となる第3制御のうちからいずれか1の制御を選択して実行する。
上記の構成によれば、前述の各局面のスターリング冷凍機により得られる効果に加えて、駆動用コイルの状態を3段階の状態のうちから選択された1つの状態にすることができるため、ピストンのストロークに対応して木目細かく、使用される駆動用コイルの状態を変化させることができる。その結果、より木目細かく、スターリング冷凍機の消費電極を低減することができる。
前述の異なる局面のスターリング冷凍機においては、制御部が、ピストンのストロークを算出する手段と、ストロークが所定値より小さい状態、ストロークが所定値以上特定値以下である状態、およびストロークが所定値よりも大きな特定値より大きい状態からなる3つの状態のうちいずれの状態であるかを判別する手段を備えている。また、制御部は、ストローク値が特定値よりも大きい場合に、第1制御を実行し、ストロークが所定値以上かつ特定値以下である場合に、第2制御を実行し、かつ、ストロークが所定定値よりも小さい場合に、第3制御を実行する手段を備えている。
上記の構成によれば、ピストンのストロークの値に対応して第1制御、第2制御および第3制御のうちからいずれか1の制御を選択することができる。
まず、実施の形態の冷却庫に用いられるスターリング冷凍機を説明する。
図1は、実施の形態のスターリング冷凍機40を示す断面図である。スターリング冷凍機40においては、2つの部分で構成されている円筒形状のシリンダ3内に、円柱形のピストン1およびディスプレーサ2が嵌め込まれている。ピストン1とディスプレーサ2とは、圧縮空間9を介して設けられ、共通の駆動軸として軸Yを有している。
ディスプレーサ2の先端側に膨張空間10が形成されている。圧縮空間9と膨張空間10とはヘリウム等の作動媒体が流通する媒体流通路11を介して連通している。媒体流通路11内には、再生器12が設けられている。再生器12は、作動媒体の熱を蓄積するとともに、蓄積した熱を作動媒体に供給する。シリンダ3の略中間には鍔部(フランジ)3aが設けられている。鍔部3aにはドーム状の耐圧容器4が取り付けられることによって密閉されたバウンス空間(背面空間)8が形成されている。
ピストン1は後端側で支持バネ5と一体化されている。ディスプレーサ2はピストン1の中心孔1aを貫通するロッド2aを介して支持バネ6と一体化されている。支持バネ5と支持バネ6とはボルトおよびナット22により連結されている。後述するように、ピストン1が往復運動すると、ディスプレーサ2は、ピストン1とディスプレーサ2との間に生じる慣性力によって、ピストン1に対して所定の位相差を有する状態で往復運動を行な
う。
バウンス空間8内のシリンダ3の外側には内側ヨーク18が嵌め込まれている。内側ヨーク18には隙間19を介して外側ヨーク17が対向している。外側ヨーク17の内側には駆動用コイル16が嵌め込まれている。隙間19には環状の永久磁石15が移動可能に設けられている。永久磁石15はカップ状のスリーブ14を介してピストン1と一体化されている。内側ヨーク18、外側ヨーク17、駆動用コイル16、および永久磁石15によって、ピストン1を軸Yに沿って移動させるリニアモータ13が構成されている。
駆動用コイル16には、リード線20,21,22,23が接続されている。この4本のリード線のうち2本のリード線が、後述するタップ切換リレー50の切換動作によって選択されて使用される。また、本実施の形態においては、リード線20,21,22,23からなる4本のリード線が用いられているが、後述する各実施の形態においては、タップ切換リレー50の種類に応じて、3本または6本のリード線が用いられる。ただし、リード線の数は、実施の形態に記載されている数に限定されず、タップ切換リレーの形態に応じて、適宜変更され得るものである。リード線20,21,22,23は、耐圧容器4の壁面を貫通し、制御ボックス30に接続されている。制御ボックス30によってリニアモータ13に駆動電力が供給される。
上記構成のスターリング冷凍機40は、リニアモータ13によってピストン1が往復運動すると、ピストン1に対して所定の位相差を有する状態でディスプレーサ2が往復運動する。これにより、圧縮空間9と膨張空間10との間を作動媒体が移動する。その結果、逆スターリングサイクルが形成される。
図2は、制御ボックス30とスターリング冷凍機40との電気的な接続の状態を示す図である。スターリング冷凍機40の外側面には、膨張空間10の温度Tcを検知する温度センサ34、圧縮空間9の温度Thを検知する温度センサ35、および、バウンス空間8の温度Tbを検知する温度センサ36が取り付けられている。
制御ボックス30には、温度センサ34の出力情報をアナログ情報からデジタル情報へ変換するTcA/D変換部108、温度センサ35の出力情報をアナログ情報からデジタル情報へ変換するThA/D変換部109、温度センサ36の出力情報をアナログ情報からデジタル情報へ変換するTbA/D変換部110が設けられている。また、リード線20,21,22,23を介してハーメチックシール端子37にはリニアモータ駆動用電圧出力部101が接続されている。リニアモータ駆動用電圧出力部101は、リニアモータ13の駆動電圧を出力する。リニアモータ駆動用電圧出力部101および電流センサ30は、タップ切換リレー50に接続されている。タップ切換リレー50には、4本のリード線20,21,22,23が接続されている。このタップ切換リレー50については後で詳細に説明する。
図3は、制御ボックス30の更に詳細を示すブロック図である。制御ボックス30には、各種演算等を行なうマイクロコンピュータ104が設けられる。マイクロコンピュータ104には、制御ボックス30の各部に電源を供給する電源部105が接続されている。
また、マイクロコンピュータ104には、電圧値入力部102が接続されている。電圧値入力部102は、電源部105の入力電圧を検出する電圧センサ(図示せず)の検出値をアナログ情報からデジタル情報へ変換された状態で受け入れる。また、マイクロコンピュータ104には、リニアモータ13の電流を検出する電流センサ33の検出値がアナログ情報からデジタル情報へ変換されたものが入力される電流値入力部103が接続されている。さらに、制御ボックス30をリセットするリセット部106、PWM(Pulse Width Modulation)インバーター波形を生成するための発振部107、および書換可能な不揮発性記憶素子(EEPROM:Erectric Erasable Programable Read Only Memory)からなる記憶部111がマイクロコンピュータ104に接続されている。
この記憶部111には、少なくとも各スターリング冷凍機40に応じた、入力電圧と出力との関係が記憶されている。図1に示したようなフリーピストン型のスターリング冷凍機40においては、ディスプレーサ2がピストン1の往復運動に基づく圧縮空間9および膨張空間10の圧力変動に起因して往復運動する。そのため、媒体流通路11を通過する冷媒の流動抵抗の変化等に起因して、入力電圧に対するディスプレーサ2の移動量がスタ
ーリング冷凍機40ごとにばらつく傾向がある。このばらつきが生じるということは、一定の入力電圧を複数のスターリング冷凍機のそれぞれに与えた場合においても、スターリング冷凍機の出力が異なってしまうということを意味する。
そこで、各スターリング冷凍機の出力を正確に制御するために、スターリング冷凍機に応じた入力電圧と出力との関係を数値データとして算出するとともに、その数値化されたデータを記憶部111に記憶させる。それにより、マイクロコンピュータ104は、前述の関係を示す数値化されたデータを用いてリニアモータ駆動用電圧出力部101から出力される電圧をコントロールする。
後述するように、電圧値入力部102からマイクロコンピュータ104へ入力されたデータに応じてマイクロコンピュータ104から電源部105へ制御信号が送信される。これにより、電源部105の出力電圧が制御される。また、リニアモータ駆動用電圧出力部101は、マイクロコンピュータ104の制御によって電源部105の出力電圧をPWMインバータ波形に変換するとともに、その変換されたPWMインバータ波形の電圧をリニアモータ13に供給する。
図4は、マイクロコンピュータ104の内部構成を示すブロック図である。マイクロコンピュータ104内には、制御プログラムが記憶された読出し専用のROM121、演算の一時記憶を行なうRAM122、運転時間等を計時するタイマ123、および入出力用のI/Oポート125がCPU124に接続されている。CPU124がROM121から読出した制御プログラムを実行することにより、スターリング冷凍機40の制御が行なわれる。
上述の本実施の形態のスターリング冷凍機40は、所定の交流波形の駆動電圧がリニアモータ13に印加されると、ピストン1がその所定の交流波形の駆動電圧に対応した周期およびストロークで往復運動を行なう。したがって、リニアモータ13に印加される駆動電圧を制御することにより、ピストン1の往復運動の周期およびストロークを制御することが可能である。
次に、上記本実施の形態のフリーピストン型スターリング冷凍機の動作原理をより詳細に説明する。
ピストン1は、リニアモータ13により駆動される。ピストン1は、支持バネ5に弾性的に支持されている。そのため、ピストン1は、その位置と時間との関係が正弦波を描くように運動する。また、ピストン1の動きにより、圧縮空間9内の作動ガスは、その圧力と時間との関係が正弦波を描くように運動する。圧縮空間9内で圧縮された作動ガスは、まず、放熱用熱交換部としての圧縮空間9から熱を放出する。次に、圧縮された作動ガスは、ディスプレーサ2の周囲に設けられた再生器12で冷却される。その後、圧縮された作動ガスは、再生器12から吸熱用熱交換部としての膨張空間10へ流入する。
膨張空間10の作動ガスは、ディスプレーサ2の動きにより膨張する。膨張した作動ガスは、その温度が低下する。膨張空間10内の作動ガスは、その圧力と時間との関係が正弦波を描くように運動する。膨張空間10内の作動ガスの圧力と時間との関係を示す正弦波は、圧縮空間9内の作動ガスの圧力と時間との関係を示す正弦波に対して、所定の位相差を有する波形であるが、同じ周期で変化する波形である。すなわちディスプレーサ2はピストン1に対して所定の位相差を有する状態で往復運動する。
膨張空間10における冷凍能力は、ディスプレーサ2の往復運動によって生じる膨張空間10内の作動ガスの圧力の変動の度合いによって決定される。また、膨張空間10の圧力は、ピストン1の位相とディスプレーサ2の位相との変化、すなわち膨張空間10の圧力と圧縮空間9の圧力との差によって生じるディスプレーサ2とピストン1との相対的な位置の変化によって変動する。
ディスプレーサ2とピストン1との相対的な位置関係は、ディスプレーサ2の質量、支持バネ6のバネ定数およびピストン1の周波数により決定される。また、ディスプレーサ2の質量および支持バネ6のバネ定数は、設計時に決定されるものであり、これを運転時に変更することはできない。
そこで、本実施の形態のスターリング冷凍機40においては、図3に示すインバータ波形を出力する制御ボックス30(この内部には、電流センサ33を内蔵している。)と、スターリング冷凍機40の吸熱用熱交換部としての膨張空間10の温度を測定するためのサーミスタ回路(Tcサーミスタ)と、放熱用熱交換部としての圧縮空間9の温度を測定するためのサーミスタ回路(Thサーミスタ)と、バウンス空間8の温度を測定するためのサーミスタ回路(Tbサーミスタ)とが設けられている。
なお、本実施の形態および後述する各実施の形態においては、上記制御ボックス30内のマイクロコンピュータ104が、TcA/D変換部108、ThA/D変換部109、およびTbA/D変換部110のそれぞれを介して得られた各サーミスタ回路の情報および電流センサ33の情報、電圧測定回路112等を用いて、ピストン1を駆動するための駆動電圧をリニアモータ駆動用電圧出力部101から出力する。
マイクロコンピュータ104から出力される電圧波形は、デジタル信号すなわちパルス波形である。このパルス波形をリニアモータ駆動用電圧出力部101においてアナログ信号すなわち正弦波に変換する。この正弦波の周波数が、スターリング冷凍機40のピストン1の周波数になる。
なお、デジタル信号をアナログ信号に変換するときには、上述したようにPWMが用いられる。つまり、マイクロコンピュータ104から順次出力される複数のパルスは、その幅が、小さいものから大きなものへと除々に変化し、ピークの幅になった後、除々に小さなものへと戻っていくように構成されている。それにより、交流波形が生成される。
次に、リニアモータ13のピストン1のスロークXを制御する方法について説明する。
まず、制御ボックス30の定常時の駆動状態について図5および図6を用いて説明をする。図5は、定常時においてリニアモータ13に印加される電圧V、リニアモータ13の駆動用コイル16に流れる電流I、リニアモータ13の駆動用コイル16に発生する誘起電圧E、及び、ピストン1の変位Tの関係を示した図である。図6は、リニアモータ13の等価回路図である。また、図6に示すように、誘起電圧Eによって生じる電流Iの流れの方向と、印加電圧Vによって生じる電流の流れの方向とは逆である。
図5に示すように、電流Iは、リニアモータ13のインダクタンス(図6に示すL)の影響で、印加電圧Vよりもθだけ位相が遅れている。ここで、リニアモータ13に作用する推力の大きさは、電流Iの値に推力定数αを乗じた値となる。また、図6に示す等価回路図から分かるように、誘起電圧Eは、次の式(4)で表される。
E=V−R×I×cosθ−L×sinθ×(dI/dt)・・・(4)
したがって、モータ巻線抵抗Rが予め分かっていれば、電圧Vと、電流Iとを用いて誘起電圧Eを計算することができる。なお、位相差θは、電圧Vがピーク時の位相の値と電流Iがピークの時の位相の値との差を算出することによって得られる。
本実施の形態においては、ピストン1のストロークXは、次のように算出される。
ピストンの速度の最大値vは、v=E/αで表される。このピストンの速度の最大値v、推力定数αおよび角速度wを用いて、ピストンの振幅Tを表すと、T=v/w=E/(w・α)=[V−R×I×Cosθ−L×Sinθ×(dI/dt)]/(w・α)となる。
ストロークXは振幅Tの2倍であり、また、角速度wは周波数fを用いて表すとw=2×π×fであるため、次の式(5)によってピストン1のストロークXが算出される。
X=2×[V−R×I×Cosθ−L×Sinθ×(dI/dt)]/(2×π×f×α)・・・(5)
このように、位相差θ、モータ巻線抵抗R、電圧V、電流I、周波数f、および推力定数αが分かっていれば、ストロークXを算出することができる。
なお、前述のストロークXの算出方法は、特開2003−314919号公報および特開2003−65244号公報により詳細に開示されている。
以下、図7〜図9を用いて、本実施の形態のスターリング冷凍機40の駆動用コイル16の接続部の状態を変更するための処理を説明する。なお、以降に説明する各実施の形態においては、ピストン1のストロークXの中心位置は、図1の駆動用コイル16の軸Y方向の中心位置と一致するものとする。すなわち、ピストン1は、駆動用コイル16の長さ方向(ピストン1の往復運動の方向)の中心位置(駆動用コイル16の巻き方が一定の場合における駆動用コイル16の長さの1/2の位置)を基位置準として、一の方向と他の方向とに同じ距離だけ移動する往復運動を繰り返す。
図7は、実施の形態1の駆動用コイル16の全体構成を示す図である。駆動用コイル16は、第1コイル部16a、第2コイル部16bおよび第3コイル部16cがこの順番で並んで設けられている。ピストン1は、3つのコイル部内を3つのコイル部が並んでいる方向に往復運動する。また、図7に示す駆動用コイル16を具現化すると図8に示すような構造となる。第1コイル部16aの端部にはタップ106aが設けられている。第1コイル部16aと第2コイル部16bとの間にはタップ106bが設けられている。第2コイル部16bと第3コイル部16cとの間にはタップ106cが設けられている。第3コイル部16cの端部には、タップ106dが設けられている。
4つのタップ106a,106b,106c,106dは、それぞれ、配線を介してタップ切換リレー50に接続されている。タップ切換リレー50は、制御ボックス30によって制御されて磁界を発生させるコイル300と、コイル300による磁界の発生によってON/OFFの状態が切換わるレバー400aおよび400bとを備えている。
コイル300に電流が流れるように制御ボックス30が制御信号をタップ切換リレー50へ送信すると、レバー400aおよびレバー400bのそれぞれはOFFの状態からONの状態へ変化する。レバー400aおよびレバー400bがON状態になれば、第2コイル部16bにのみ電流が流れる。したがって、ピストン1のストロークXが小さいときには、レバー400aおよびレバー400bをOFF状態からON状態へ切換えることによって、第2コイル部16bのみを用いてピストン1を駆動させることが可能である。
また、ピストン1のストロークXが大きい場合には、制御ボックス30は、タップ切換リレー50へ制御信号を送信し、レバー400aおよびレバー400bのそれぞれをOFFの状態に切り換えることが可能である。これにより、第1コイル部16a、第2コイル部16bおよび第3コイル部16cは、直列に接続されているため、第3コイル部16a、第2コイル部16bおよび第3コイル部16cのそれぞれに、電源部としての制御ボックス30から供給された電流が流れる。その結果、駆動用コイル16のうち電流が流れる部分の長さは、大きなストロークXで往復運動するピストン1に対応したものとなる。
図9は、図8に示す駆動用コイル16の状態を切換えるときに実行されるコイル切換処理(1)を説明するためのフローチャートである。
図9に示すコイル切換処理(1)においては、まず、S81において、電流波形のピークの位相と電圧波形のピークの位相との差である位相差θが算出される。次に、S82において、図3に示す電流センサ33を用いて電流Iが検出される。その後、S83において、電圧Vが図3に示す電圧測定回路112を用いて算出される。次に、S84において、位相差θ、電圧V、電流I、およびモータ巻線抵抗Rを用いて、誘起電圧Eが算出される。その後、S85においては、ストロークXpAが前述の(5)式:X=2×[V−R×I×cosθ−L×sinθ×(dI/dt)]/(2×π×f×α)を用いて算出される。
S86においては、ピストン1の現在のストロークXpAが所定値Kよりも小さいか否かが判別される。S86において、ピストン1の現在のストロークXpAが、所定値Kよりも小さければ、S87の処理が実行される。
S87においては、電磁スイッチすなわちタップ切換リレー50がONの状態になっているか否かが判別される。S87において、タップ切換リレー50がONの状態であると判定されればタップ切換リレー50の状態を変更する必要がないため、S81の処理が再度実行される。
また、S87において、タップ切換リレー50がONの状態になっていると判定されればS88の処理が実行される。S88においては、タップ切換リレー50をOFFからONの状態へ切換えるための処理が実行される。すなわち、コイル300に制御信号が送信され、レバー400aおよび400bのそれぞれがOFFの状態からONの状態へ変化する。その後、S81の処理が実行される。また、S86において、ピストン1の現在のストロークXpAが指定値K以上であると判定されれば、S89の処理が実行される。S89においては、電磁スイッチすなわちタップ切換リレー50がOFFの状態となっているか否かが判別される。
S89において、タップ切換リレー50が既にOFFの状態になっていると判定されればS81の処理が再度実行される。また、S89において、タップ切換リレー50がOFFの状態になっていると判定されればS90の処理が実行される。S90におていは、タップ切換リレー50をONの状態からOFFの状態へ切換える処理が行なわれる。その後、S81の処理が実行される。
上記のような構成の本実施の形態のリニアモータ13のタップ切換動作によれば、S86の処理において、制御ボックス30は、ピストン1のストロークXが所定値Kよりも小さいと判定されたときには第2コイル部16bのみを用いてピストン1を駆動させ、ピストン1のストロークXが所定値K以上になっていれば、第1コイル部16a、第2コイル部16b、および第3コイル部16cの全てを用いて、ピストン1を駆動させる。したがって、ピストン1のストロークXに応じて必要なコイル部のみが使用されるため、不必要なコイル部を使用してピストン1の駆動に寄与しない無駄な磁界が生成されることがない。その結果、スターリング冷凍機40において無駄な消費電力の発生を抑制することが可能となる。
また、タップ切換リレー50の状態をON状態にするかOFF状態にするかは、ピストン1の現在のストロークXの値に応じて決定される。そのため、ピストン1のストロークXの大きさと使用される駆動用コイル16の電流が流れる部分の長さとが対応したものとなる。その結果、消費電力の無駄の抑制を適正に行うことが可能となる。
なお、ピストン1のストロークXの代わりに、スターリング冷凍機40の冷凍能力を用いて、タップ切換リレー50の状態を変更するか否かが判別されてもよい。この場合、S81〜S85のステップにおいて、スターリング冷凍機40の冷凍能力が算出され、S86のステップにおいて、冷凍能力が所定値より小さいか否かを判別することによって、S87のステップが実行されるか、または、S89のステップが実行されるかが決定される。ピストン1のストロークXとスターリング冷凍機40の冷凍能力とはほぼ対応するため、この手法によっても駆動用コイル16での無駄な消費電力の発生を抑制することができる。
また、冷凍能力を算出する手法としては、放熱用熱交換部の温度Thおよび吸熱用熱交換部の温度Tcのそれぞれの値を制御ボックス30が取得し、予め実験により得られた冷凍能力の値が記憶されたデータテーブルから、温度Thの値および温度Tcの値によって特定される冷凍能力の値を取得する手法などが考えられる。なお、スターリング冷凍機40の冷凍能力は、たとえば、スターリング冷凍機40の吸熱用熱交換部が伝熱ヒータで熱っせられた状態で、温度センサ34の温度が−40℃であり、かつ、温度センサ35の温度が10℃となるようにスターリング冷凍機40を運転したときの、スターリング冷凍機40の消費電力に対する伝熱ヒータの消費電力の比である。
また、本実施の形態のスターリング冷凍機40は、往復運動するピストン1とピストン1の動作に従って動くディスプレーサ2とにより冷凍サイクルが形成されるものであり、かつ、制御ボックス30の制御によって、ピストン1とディスプレーサ2とがほぼ一定の共振周波数で駆動されるものである。このスターリング冷凍機40によれば、ピストン1のストロークXと冷凍能力とがほぼ比例関係にある。そのため、冷凍能力の値を算出することによって、ピストン1のストロークXの値を推定することができる。
(実施の形態2)
図10および図11に示す本実施の形態のスターリング冷凍機は、実施の形態1のスターリング冷凍機とほぼ同様である。したがって、本実施の形態のスターリング冷凍機に関しては、実施の形態1のスターリング冷凍機と異なる部分についてのみ説明がなされる。
本実施の形態のリニアモータ13に設けられる駆動用コイル16は、図10および図11に示すように、第1コイル部16d、第2コイル部16e、および第3コイル部16fがこの順番に並んで設けられかつ直列に接続されていることは実施の形態1の駆動用コイル16と同様であるが、電流が流れる順序が第1コイル部16d、第3コイル部16f、および第2コイル部16eの順またはその逆であることが、実施の形態1の駆動用コイルと異なる。
ただし、本実施の形態の駆動用コイル16は、第1コイル部16d、第2コイル部16e、および第3コイル部16fのそれぞれ内をピストン1が往復運動すること、および、第1コイル部16d、第2コイル部16e、および第3コイル部16fのそれぞれに同じ向きに電流が流れることに関しては、実施の形態1の駆動用コイル16と同様である。
また、本実施の形態の駆動用コイル16においては、第1コイル部16dの端部にはタップ106dが設けられている。第2コイル部106eの両端にはタップ106eおよび106fが設けられている。
また、タップ106dおよびタップ106eのそれぞれは、配線を介してタップ切換リレー50に接続されている。タップ切換リレー50とタップ106fとは、交流電源として機能する制御ボックス30に接続されている。タップ切換リレー50は、コイル300とレバー400とからなる。
本実施の形態においては、前述の実施の形態1の図9に示すコイル切換処理(1)と同様のタップ切換リレー50の制御によって、コイル300に電流が流れ、タップ切換リレー50がON状態になった場合には、第2コイル部16eにのみ交流電流が流れる。また、タップ切換リレー50がOFF状態となった場合には、第1コイル部16d、第2コイル部16eおよび第3コイル部16fの全てに交流電流が流れる。
したがって、ピストン1のストロークが大きい場合には、第1コイル部16d、第2コイル部16eおよび第3コイル部16fの全てが用いられてピストン1が駆動され、一方、ピストン1のストロークが小さいときには、第2コイル部16eのみが用いられてピストン1が駆動される。
つまり、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、ピストン1のストロークに応じて用いられる駆動用コイル16の電流が流れる部分の長さを変化させることができるため、極力消費電力の無駄を防止することができる。また、本実施の形態のスターリング冷凍機によれば、タップ切換リレー50が1つで済むため、実施の形態1に比較して、タップを1つ少なくすることができる。
(実施の形態3)
図12に示す本実施の形態のスターリング冷凍機は、実施の形態2のスターリング冷凍機とほぼ同様である。したがって、本実施の形態のスターリング冷凍機に関しては、実施の形態1のスターリング冷凍機と異なる部分についてのみ説明がなされる。
前述の実施の形態2の図11に示す駆動用コイルの接続部においては、第1コイル部16d、第2コイル部16e、および第3コイル部16fが直列に接続される手法が示されている。しかしながら、本実施の形態のスターリング冷凍機40においては、図12に示すように、第1コイル部16dと第3コイル部16fとが直列に接続され、かつ第1コイル部16dおよび第3コイル部16fと第2コイル部16eとが並列に接続されている。また、タップ106eは、タップ切換リレー50と接続されるとともに、制御ボックス30にも直接接続されている。
このような駆動用コイル16によっても、制御ボックス30は、前述の実施の形態1の図9に示すコイル切換処理(1)と同様のタップ切換リレー50の制御によって、第2コイル部16eにのみ電流が流れる状態と、第1コイル部16d、第2コイル部16e、および第3コイル部16fの全てに電流が流れる状態とを選択することが可能になる。
また、本実施の形態の駆動用コイル16のように、第1コイル部16dおよび第3コイル部16fと第2コイル部16eとが並列に接続される場合には、第1コイル部16d、第2コイル部16eおよび第3コイル部16fを直列に接続する実施の形態1および2の駆動用コイル16に比較して、駆動用コイル16全体に印加される電圧を小さくすることができる。
(実施の形態4)
図13に示す本実施の形態のスターリング冷凍機は、実施の形態3のスターリング冷凍機とほぼ同様である。したがって、本実施の形態のスターリング冷凍機に関しては、実施の形態1のスターリング冷凍機と異なる部分についてのみ説明がなされる。
前述の実施の形態3の図12に示す駆動用コイル16のタップ切換リレー50は1つのみ用いられている。しかしながら、本実施の形態の駆動用コイル16においては、図13に示すように、タップ切換リレー50aおよび50bの2つが用いられている。
この場合、タップ切換リレー50aは、レバー400aとコイル300aとを有している。また、タップ切換リレー50bは、レバー400bとコイル300bとを有している。この図13に示すタップ切換リレー50によっても、タップ切換リレー50aおよびタップ切換リレー50bのそれぞれがONの状態であれば、第2コイル部16eにのみ交流電流が流れる。また、タップ切換リレー50aおよびタップ切換リレー50bのそれぞれがOFFの状態の場合には、第1コイル部16d、第2コイル部16eおよび第3コイル部16fの全てに交流電流が流れる。
その結果、制御ボックス30は、前述の実施の形態1の図9に示すコイル切換処理(1)と同様のタップ切換リレー50の制御によって、第1コイル部16d、第1コイル部16eおよび第3コイル部16fの全てに電流が流れる状態と第2コイル部16eにのみ電流が流れる状態とを選択することが可能である。
なお、本実施の形態においては、制御ボックス30は、前述の2つの状態以外に、第1コイル部106dおよび第3コイル部106fにのみ電流が流れる他の状態を選択することが可能である。他の状態は、タップ切換リレー50aがOFFの状態になり、タップ切換リレー50bがONの状態になる状態である。
したがって、本実施の形態の駆動用コイル16は、図13に示すように、タップ切換リレー50bおよびタップ切換リレー50aの状態を変化させることによって、第1コイル部16d、第2コイル部16e、および第3コイル部16fの全てに電流が流れる通常状態、第1コイル部16dおよび第3コイル部16fにのみ電流が流れる第1省電力状態、および第2コイル部16eにのみ電流が流れる第2省電力状態からなる3つ状態のうちいずれか1の状態に変化することが可能である。
次に、図13に示す本実施の形態の駆動用コイル16のコイル切換処理(2)を図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
本実施の形態の図14に示すコイル切換処理(2)においては、まず、S181〜S185において、図9に示す実施の形態1のコイル切換処理(2)のS81〜S85と全く同様の処理が実行される。次に、S186においては、ピストン1の現在のストロークXpAが所定値Kよりも小さいか否かが判別される。S186において、ピストン1の現在のストロークXpAが、所定値Kよりも小さいと判定されれば、S187の処理が実行される。
S187においては、タップ切換リレー50が第2省電力状態になっているか否かが判別される。S187において、タップ切換リレー50が第2省電力状態であると判定されればタップ切換リレー50の状態を変更する必要がないため、S181の処理が再度実行される。また、S187において、タップ切換リレー50が第2省電力状態以外の状態すなわち通常状態または第1省電力状態となっていると判定されればS188の処理が実行される。S188においては、タップ切換リレー50を通常状態または第1省電力状態から第2省電力状態へ切換えるための処理が実行される。その後、S181の処理が実行される。
また、S186において、現在のストロークXpAが所定値K(たとえば、3mm)以上であると判定されれば、S189の処理が実行される。S189において、ピストン1の現在のストロークXpAが所定値Kより大きな特定値T(特定値Tは、所定値Kより大きな値であればよく、たとえば、所定値K+1mmが用いられる)より大きいか否かが判別される。S189において、現在のストロークXpAが特定値Tより大きいと判定されれば、S190の処理が実行される。S190においては、タップ切換リレー50が通常状態になっているか否かが判別される。S190において、タップ切換リレー50が通常状態となっていると判定されればS181の処理が再度実行される。
また、S190において、タップ切換リレー50が通常状態となっていないと判定されれば、すなわちタップ切換リレー50が第1省電力状態または第2省電力状態となっていると判定されればS190の処理が実行される。S190においては、タップ切換リレー50を第1省電力状態または第2省電力状態から通常状態へ切換える処理が行なわれる。その後、S181の処理が実行される。
また、S189において、現在のストロークXpAが特定値T以下であると判定されれば、S192において、タップ切換リレー50が第1省電力状態になっているか否かが判別される。S192において、タップ切換リレー50が第1省電力状態であると判定されればタップの状態を切換る必要がないため、S181の処理が実行される。S192において、タップ切換リレー50が第1省電力状態となっていると判定されればS193においてタップ切換リレー50を通常状態または第2省電力状態から第1省電力状態へ切換る制御が実行された後、S181の処理が実行される。
上記のような構成の本実施の形態のリニアモータのタップ切換動作によれば、制御ボックス30は、ピストン1のストロークXが所定値Kよりも小さいときには第2コイル部16eのみを用いてピストン1を駆動させる。また、制御ボックス30は、ピストン1のストロークXが所定値K以上特定値T以下になっていれば、第1コイル部16dおよび第1コイル部16fのみを用いて、ピストン1を駆動させる。さらに、制御ボックス30は、ピストン1のストロークXが特定値T以上になっていれば、第1コイル部16d、第2コイル部16e、および第3コイル部16fの全てを用いて、ピストン1を駆動させる。したがって、ピストン1のストロークXに応じて必要なコイル部のみが使用されるため、不必要なコイル部を使用してピストン1の駆動に寄与しない無駄な磁界を生成することがない。その結果、スターリング冷凍機40の消費電力を削減することが可能となる。
また、タップ切換リレー50を動作させるか否かは、ピストン1のストロークXの大きさに基づいて決定されるため、ピストン1のストロークXの大きさと使用される駆動用コイル16の状態とが対応したものとなる。その結果、より正確に消費電力の無駄を防止することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態のスターリング冷凍機は、実施の形態1のスターリング冷凍機とほぼ同様である。したがって、本実施の形態のスターリング冷凍機に関しては、実施の形態1のスターリング冷凍機と異なる部分についてのみ説明がなされる。
本実施の形態のスターリング冷凍機の駆動用コイル16においては、図15に示すように、第1コイル部16gは、1つのコイル部からなり、第2コイル部は、第1中央以外コイル部16h、中央コイル部16iおよび第2中央以外コイル部16jからなり、かつ第3コイル部16kは、1つのコイル部からなっている。また、図15に示すように、第1コイル部16gの端部にはタップ106gが設けられている。第1コイル部16gと第1中央以外コイル部16hとの間にはタップ106hが設けられている。第1中央以外コイル部16hと中央コイル部16iとの間にはタップ106iが設けられている。中央コイル部16iと第2中央以外コイル部16jとの間にはタップ106jが設けられている。第2中央以外コイル部16jと第3コイル部16kとの間にはタップ106kが設けられている。第3コイル部16kの端部には、タップ106lが設けられている。
6つのタップ106g,106h,106i,106j,106k,106lは、それぞれ、配線を介してタップ切換リレー50に接続されている。タップ切換リレー50においては、制御ボックス30の制御によって、レバー400aおよび400bのそれぞれの状態が変化する。それにより、タップ切換リレー50は、レバー400bがタップ106gに接続され、かつ、レバー400aがタップ106lに接続される通常状態、レバー400bがタップ106hに接続され、かつ、レバー400aがタップ106kに接続される第1省電力状態、およびレバー400bがタップ106iに接続され、かつ、レバー400aがタップ106jに接続される第2省電力状態からなる3つの状態のうちいずれか1の状態に変化することが可能である。
つまり、タップ切換リレー50は、第1コイル部16g、第2コイル部16h,16i,16j、および第3コイル部16kの全てに電流が流れる通常状態、第2コイル部16h,16i,16jにのみ電流が流れる第1省電力状態、および第2コイル部16h,16i,16jのうち中央コイル部16iにのみ電流が流れる第2省電力状態からなる3つの状態のうちのいずれか1の状態に変化することが可能である。
前述のような駆動用コイル16を有するスターリング冷凍機40によれば、制御ボックス30は、ピストン1のストロークXが小さいときには、タップ切換リレー50が通常状態になる制御が実行され、ピストン1のストロークXが中程度である場合には、タップ切換リレー50が第1省電力状態になる制御が実行され、また、ピストン1のストロークXが大きい場合には、タップ切換リレー50が第2省電力状態になる制御が実行される。
上記のような本実施の形態のスターリング冷凍機によれば、図15に示すコイル16において、制御ボックス30は、第1コイル部16g、第2コイル部16h,16i,16j、および第3コイル部16kの全てを用いる通常状態、第2コイル部を構成する3つのコイル部16h,16g,16hのみを用いる第1省電力状態、および、第2コイル部16h,16g,16iを構成する3つのコイル部のうちの中央コイル部16iのみを用いる第2省電力状態からなる3つの状態のうちいずれか1の状態を、ピストン1のストロークXに応じて選択して実行することができる。そのため、ピストン1のストロークXに対して木目細かく対応して、使用される駆動用コイル16の状態を変更することが可能になる。
前述の実施の形態5の制御方法を示すフローチャートは、図14に示すコイル切換処理(2)のフローチャートと同様であるため、その説明は繰り返さない。
なお、実施の形態4および5のそれぞれにおいては、通常状態、第1省電力状態、および第2省電力状態の順に、リニアモータ13において消費される電力が小さくなっている。
また、前述の各実施の形態において、図3に示す電源部105およびそれに接続された電力供給源(たとえば、家庭用の100Vの電力供給源)が本発明の電源部として機能し、制御ボックス30のうち電源部105以外の部分が本発明の制御部として機能する。また、タップ16a,16b,16c,16d,16e,16f,16g,16h,16i,16j,16kおよびタップ切換リレー50は、本発明の接続部として機能する。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態のスターリング冷凍機の構造を示す断面図である。 実施の形態のスターリング冷凍機のリニアモータと制御ボックスとの関係を説明するための図である。 実施の形態のスターリング冷凍機の制御ボックスの内部構成を説明するための図である。 実施の形態のスターリング冷凍機のマイクロコンピュータの内部を説明するための図である。 リニアモータの電流の位相、電圧の位相、およびピストンの位相の関係を説明するための参考図である。 定常時のリニアモータの等価回路図である。 実施の形態1の駆動用コイルの全体構成を示す図である。 実施の形態1の駆動用コイルの回路構成を示す図である。 実施の形態1〜3の駆動用コイルに共通して用いられるコイル切換処理(1)を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2の駆動用コイルの全体構成を示す図である。 実施の形態2の駆動用コイルの回路構成を示す図である。 実施の形態3の駆動用コイルの回路構成を示す図である。 実施の形態4の駆動用コイルの回路構成を示す図である。 実施の形態4および5の駆動用コイルに共通して用いられるコイル切り換え処理(2)を説明するためのフローチャートである。 実施の形態5の駆動用コイルの回路構成を示す図である。
符号の説明
1 ピストン、2 ディスプレーサ、16 駆動用コイル、16a,16d,16g 第1コイル部、16b,16e,16h,16i,16j 第2コイル部、16c,16f,16k 第3コイル部、50,50a,50b タップ切換リレー、300,300a,300b コイル、400,400a,400b レバー。

Claims (9)

  1. 往復運動するピストンと、
    前記ピストンを駆動するリニアモータの駆動コイルと、
    前記駆動コイルに電流を流す電源部と、
    前記駆動コイルと前記電源部とを電気的に接続する接続部と、
    前記接続部の接続状態を変更する制御部とを備えたスターリング冷凍機であって、
    前記接続部は、前記駆動コイルの通電部分を変更可能であり、
    前記制御部は、前記接続部の接続状態を変更することによって前記駆動コイルの通電部分を変更する、スターリング冷凍機。
  2. 前記制御部は、
    前記ピストンのストロークを算出する手段と、
    前記ストロークに基づいて前記駆動コイルの通電部分を変更する、請求項1に記載のスターリング冷凍機。
  3. 往復運動するピストンと、
    前記ピストンを駆動するリニアモータの駆動コイルと、
    前記駆動コイルに電流を流す電源部と、
    前記駆動コイルと前記電源部とを電気的に接続する接続部と、
    前記接続部の接続状態を変更する制御部とを備えたスターリング冷凍機であって、
    前記駆動コイルは、第1コイル部、第2コイル部、および第3コイル部がこの順番で前記ピストンの往復運動方向に沿って並んで設けられており、
    前記接続部は、電流が前記第1コイル部、前記第2コイル部および前記第3コイル部に流れる通常状態と、前記第2コイル部にのみ流れる省電力状態とのそれぞれの接続状態に変更され得るものであり、
    前記制御部は、前記接続部が前記通常状態となる第1制御および前記接続部が前記省電力状態となる第2制御のうちからいずれか1の制御を選択して実行する、スターリング冷凍機。
  4. 往復運動するピストンと、
    前記ピストンを駆動するリニアモータの駆動コイルと、
    前記駆動コイルに電流を流す電源部と、
    前記駆動コイルと前記電源部とを電気的に接続する接続部と、
    前記接続部の接続状態を変更する制御部とを備えたスターリング冷凍機であって、
    前記駆動コイルは、第1コイル部、第2コイル部、および第3コイル部がこの順番で前記ピストンの往復運動方向に沿って並んで設けられており、
    前記接続部は、電流が前記第1コイル部および前記第3コイル部に流れる通常状態と、前記第2コイル部にのみ流れる省電力状態とのそれぞれの接続状態に変更され得るものであり、
    前記制御部は、前記接続部が前記通常状態となる第1制御および前記接続部が前記省電力状態となる第2制御のうちからいずれか1の制御を選択して実行する、スターリング冷凍機。
  5. 前記第1コイル部および前記第3コイル部と前記第2コイル部とは、並列に接続されている、請求項3または4に記載のスターリング冷凍機。
  6. 前記制御部は、
    前記ピストンのストロークを算出する手段と、
    前記ストロークが所定値より小さいか否かを判別する手段と、
    前記ストロークが前記所定値以上である場合に前記第1制御を実行し、前記ストロークが前記所定値より小さい場合に、前記第2制御を実行する手段とを含む、請求項3または4に記載のスターリング冷凍機。
  7. 往復運動するピストンと、
    前記ピストンを駆動する駆動コイルと、
    前記駆動コイルに電流を流す電源部と、
    前記駆動コイルと前記電源部とを電気的に接続する接続部と、
    前記接続部の接続状態を変更する制御部とを備えたスターリング冷凍機であって、
    前記駆動コイルは、第1コイル部、第2コイル部、および第3コイル部がこの順番で前記ピストンの往復運動方向に沿って並んで設けられており、
    前記接続部は、電流が前記第1コイル部、前記第2コイル部および前記第3コイル部の全てに流れる通常状態と、前記第1コイル部および前記第3コイル部にのみ流れる第1省電力状態と、前記第2コイル部にのみ流れる第2省電力状態とのそれぞれの接続状態に変更され得るものであり、
    前記制御部は、前記接続部が前記通常状態となる第1制御、前記接続部が前記第1省電力状態となる第2制御、および前記接続部が前記第2省電力状態となる第3制御のうちからいずれか1の制御を選択して実行する、スターリング冷凍機。
  8. 往復運動するピストンと、
    前記ピストンを駆動するリニアモータの駆動コイルと、
    前記駆動コイルに電流を流す電源部と、
    前記駆動コイルと前記電源部とを電気的に接続する接続部と、
    前記接続部の接続状態を変更する制御部とを備えたスターリング冷凍機であって、
    前記駆動コイルは、第1コイル部、第2コイル部、および第3コイル部がこの順番で前記ピストンの往復運動方向に沿って並んで設けられており、
    前記第2コイル部は、第1中央以外コイル部、中央コイル部、および第2中央以外コイル部がこの順番で並んで設けられており、
    前記接続部は、電流が前記第1コイル部、前記第2コイル部および前記第3コイル部の全てに流れる通常状態と、前記第1中央以外コイル部、前記中央コイル部、および前記第2中央以外コイル部にのみ流れる第1省電力状態と、前記中央コイル部にのみ電流が流れる第2省電力状態とのそれぞれの接続状態に変更され得るものであり、
    前記制御部は、前記接続部が前記通常状態となる第1制御と、前記接続部が前記第1省電力状態となる第2制御と、前記接続部が前記第2省電力状態とからなる第3制御のうちからいずれか1の制御を選択して実行する、スターリング冷凍機。
  9. 前記制御部は、
    前記ピストンのストロークを算出する手段と、
    前記ストロークが所定値より小さい状態、前記ストロークが前記所定値以上かつ前記所定値よりも大きな特定値以下である状態、および前記ストロークが前記特定値より大きい状態からなる3つの状態のうちいずれの状態であるかを判別する手段と、
    前記ストロークが前記特定値よりも大きい場合に、前記第1制御を実行し、前記ストロークが前記所定値以上かつ前記特定値以下である場合に、前記第2制御を実行し、かつ、前記ストロークが前記所定値よりも小さい場合に、前記第3制御を実行する手段とを含む、請求項7または8に記載のスターリング冷凍機。
JP2004148086A 2004-05-18 2004-05-18 スターリング冷凍機 Withdrawn JP2005331130A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011143862A1 (zh) * 2010-05-18 2011-11-24 武汉高德红外股份有限公司 集成式斯特林制冷机

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