JP2005330938A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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【課題】 外周電極の内側に内部電極を配置してなる排ガス浄化装置において、内部電極の曲がりを抑制する。
【解決手段】 棒状電極5の長手方向の両端部を外周電極4の長手方向の両端部に対して固定位置に保持し、且つ棒状電極5の熱膨張率を外周電極4の熱膨張率よりも小とする。両電極が高温下におかれた場合に棒状電極5が緊張され、これによって棒状電極5の曲がりを抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の排ガスを高電圧の印加によって処理する排ガス浄化装置に関する。
車両などの内燃機関の排ガスを浄化するための技術として、近年、円筒形の外周電極と、この外周電極の軸線に沿って延びる棒状の内部電極とを有し、両電極間に高電圧を印加して発生させたプラズマを用いて、通過する排ガスを浄化するような、いわば透過型またはストレートフロー型の排ガス浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような装置では、通過する排ガス中のNOxなどの物質がN等に変換されると共に、供給される排ガス中のPM(particulate matter; 粒子状物質)が内部電極からの放電により帯電され、これと内外の電極間の電界との相互作用によってPMが外周電極側に吸着され、高電圧の印加に伴って発生する熱により焼却処理される。
特開平8−323147号公報
ところで、このような内外の電極を用いる構成では、内部電極が熱膨張によって曲がると、内外の電極間の距離が不均一となって放電位置が偏り、性能が低下してしまうことが考えられる。
そこで本発明の目的は、外周電極の内側に内部電極を配置してなる排ガス浄化装置において、内部電極の曲がりを抑制できるような手段を提供することにある。
第1の本発明は、外周電極と、当該外周電極の内側に配置されて排ガスの流れ方向に延びる内部電極と、を備え、前記両電極間に高電圧を印加して排ガスを浄化する排ガス浄化装置において、前記内部電極の長手方向の両端部が前記外周電極の長手方向の両端部に対して固定位置に保持され、且つ前記内部電極の熱膨張率が前記外周電極の熱膨張率よりも小であることを特徴とする排ガス浄化装置である。
第1の本発明では、内部電極の長手方向の両端部が外周電極の長手方向の両端部に対して固定位置に保持され、且つ内部電極の熱膨張率が外周電極の熱膨張率よりも小とされているので、両電極が高温下におかれた場合に内部電極が緊張され、これによって内部電極の曲がりを抑制することができる。
第2の本発明は、請求項1に記載の排ガス浄化装置であって、前記内部電極に給電する給電栓が、突出方向に付勢されたプラグ電極を備え、当該プラグ電極が前記内部電極に摺接することを特徴とする排ガス浄化装置である。
第2の本発明では、内部電極の伸縮の前後に亘って、給電栓のプラグ電極が内部電極に摺接するので、内部電極の熱膨張の前後に亘って安定した給電を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明による排ガス浄化装置の縦断面図を示す概略構成図であり、図2は、図1におけるII−II線についての断面図であり、図3は、図1におけるIII−III線についての断面図である。これらの図面に示される排ガス浄化装置1は、車両に適用されると好適なものであり、プラズマリアクタまたはコロナリアクタとして構成されている。この排ガス浄化装置1は、図示されない内燃機関の燃焼室から排出される排ガスを浄化するために、当該内燃機関の排気系統を構成する排気管に組み込まれる。排ガス浄化装置1は、上流側ケース2a、下流側ケース2b、および処理ユニット組立体3を含んで構成されている。上流側ケース2aの内部には、図1において白抜矢印で示される方向に、内燃機関の燃焼室から排出される排ガスが導入される。そして、処理ユニット組立体3の内部で浄化された排ガスは、下流側ケース2bから不図示の排気管を介して外部に排出される。
ケース2a,2bは、金属とくにSUS等の耐熱材料により形成されており、排気管に接続すべき入口または出口を構成する端部21a,21bと、排気管よりも大径の概ね六角形の断面形状を有する拡径部22a,22bと、端部21aと拡径部22aとの間および端部22bと拡径部22bとの間に形成されたコーン部24a,24bとを含む。
このようなケース2a,2bの間には、固定枠7,7を介して処理ユニット組立体3が結合されている。処理ユニット組立体3は、複数(本実施形態では、19体)互いに平行に並設された処理ユニット6を含んで構成されており、各処理ユニット6は、断面略正六角形の筒状の外周電極4、および細径の直線状の棒状電極5からなる。各処理ユニット6の外周電極4は、固定枠7に上流端および下流端を溶接によって固定されている。
図3に示されるように、固定枠7の中心に1体の処理ユニット6が配置されると共に、固定枠7の内周面上に12体の処理ユニット6が等間隔に配置され、ケース2の中心の処理ユニット6と、上記12体の処理ユニット6との間に、6体の処理ユニット6が配置される。そして、各処理ユニット6の外周電極4のうち、互いに隣り合う外周電極4同士は、互いに外接し合う。
外周電極4は、ステンレス鋼(熱膨張率7.2×10−7×[10−6/K])からなり、正六角形の断面形状を有する。
棒状電極5は、外周電極4の中心軸上に配置されて排ガスの流れ方向に延びる。各棒状電極5には、放電特性の良好なタングステンのプレス焼成品(熱膨張率5.5×10−7×[10−6/K])を用いるのが好適である。
本実施形態において、各棒状電極5の両端部は、金属製の格子部材8の格子点に固定されている。各格子部材8は、セラミック等の絶縁材からなる筒状の支持部材9および固定枠7を介して、片側あたり3箇所の外周電極4の延長上に固定されている。図4に示されるとおり、格子部材8は、支持部材9の口縁に対応する部分に係合肩部8aを備えており、格子部材8と棒状電極5との結合に伴って、係合肩部8aと支持部材9とが係合することによって、格子部材8が支持部材9に支持される。なお、支持部材9の表面には環状の凹凸が形成されており、放電の経路距離の拡大による沿面放電の抑制が図られている。
各棒状電極5は、格子部材8および給電栓10を介して、図示されない電源ユニットに接続される。各処理ユニット6の外周電極4は、図示されない端子を介して電気的に接地されている。なお、電源ユニットとしては、直流高圧電源、交流高圧電源、直流パルス電源、および直流とパルスとの重畳電源の何れかを用いることができる。
給電栓10は、図5に示されるとおり、プラグ電極11、絶縁碍子12および金属製のシェル13を含んで構成されている。プラグ電極11の下端部11aは、絶縁碍子12の内部に突出後退可能に支持されている。プラグ電極11の本体11bと下端部11aとの間に、皿バネ11cがセットされており、皿バネ11cの弾力により下端部11aが突出方向に常時付勢されている。下端部11aの先端には、導電性の耐摩擦材料層11dが形成されている。プラグ電極11の下端部11aは、図1に示すとおり、棒状電極5の先端部に形成された斜面5aに摺接している。給電栓10は、シェル13に形成されたネジ部13aによって、上流側ケース2aに固定される。
以上のとおり構成される排ガス浄化装置1では、内燃機関の始動に合わせて、各処理ユニット6にてプラズマを発生させるべく、電源ユニットによって、各処理ユニット6の外周電極4と棒状電極5との間に、棒状電極5を陽極として高電圧が印加される。そして、始動した内燃機関の燃焼室からの排ガスがケース2の内部へと導入されると、処理ユニット6の外周電極4と棒状電極5との間の放電によってプラズマ状態が生じ、排ガス中のNOxなどの所定物質が活性化され、反応が促進されてN等の物質に変換させられる。また、供給される排ガス中のPMが棒状電極5からの放電により帯電され、棒状電極5と外周電極4との間における電界との相互作用によって外周電極4に吸着され、高電圧の印加に伴って発生する熱により燃焼ないし酸化が促進されることになる。
ここで本実施形態では、棒状電極5の長手方向の両端部が外周電極4の長手方向の両端部に対して固定位置に保持され、且つ棒状電極5の熱膨張率が外周電極4の熱膨張率よりも小とされているので、両電極が高温下におかれた場合に棒状電極5が緊張され、これによって棒状電極5の曲がりを抑制することができる。
また本実施形態では、棒状電極5に給電する給電栓10が、突出方向に付勢されたプラグ電極11を備え、このプラグ電極11が棒状電極5に摺接することとしたので、棒状電極5の伸縮の前後に亘って、給電栓10のプラグ電極11が棒状電極5に摺接し、棒状電極5の熱膨張の前後に亘って安定した給電を行うことができる。
また、プラグ電極11と棒状電極5とが相互に固定されていないので、両者が相互に固定されている場合のように振動などによる両者の固定点の疲労破壊のおそれはない。さらに、プラグ電極11と棒状電極5とが相互に固定されておらず、且つ給電栓10がケース2にネジ結合されているので、装置全体を分解することなく給電栓10を点検・交換でき、高い作業性を実現することができる。
なお、本発明は上述の各実施形態に記載の態様に限定されず、各種の変形が可能である。例えば本発明では、単一の棒状電極ないし内部電極について複数個の外周電極を設けてもよく、また、外周電極4に囲まれた空間にセラミックスなどのハニカム構造体を設置するなど、プラズマの利用の有無やPMの濾過如何にかかわらず、電力の作用により排ガスを改質処理しうる各種の構成を用いることができ、いずれも本発明の範疇に属するものである。また本発明は、車両以外の内燃機関について適用できることはいうまでもない。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置を示す概略構成図である。 図1におけるII−II線についての断面図である。 図1におけるIII−III線についての断面図である。 格子部材の取付構造を示す斜視図である。 給電栓を示す断面図である。
符号の説明
1 排ガス浄化装置
2a 上流側ケース
2b 下流側ケース
3 処理ユニット組立体
4 外周電極
5 棒状電極
6 処理ユニット
8 格子部材
9 支持部材
10 給電栓

Claims (2)

  1. 外周電極と、当該外周電極の内側に配置されて排ガスの流れ方向に延びる内部電極と、を備え、前記両電極間に高電圧を印加して排ガスを浄化する排ガス浄化装置において、
    前記内部電極の長手方向の両端部が前記外周電極の長手方向の両端部に対して固定位置に保持され、且つ前記内部電極の熱膨張率が前記外周電極の熱膨張率よりも小であることを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 請求項1に記載の排ガス浄化装置であって、
    前記内部電極に給電する給電栓が、突出方向に付勢されたプラグ電極を備え、当該プラグ電極が前記内部電極に摺接することを特徴とする排ガス浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108816519A (zh) * 2018-07-10 2018-11-16 浙江菲达环保科技股份有限公司 一种用于1300mw等级超超临界机组的电除尘器
CN108816519B (zh) * 2018-07-10 2023-08-15 浙江菲达环保科技股份有限公司 一种用于1300mw等级超超临界机组的电除尘器

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