JP2005326825A - 生物由来の素材を用いた液晶デバイス、フレキシブル透明基板およびカーボンナノチューブ保持体 - Google Patents

生物由来の素材を用いた液晶デバイス、フレキシブル透明基板およびカーボンナノチューブ保持体 Download PDF

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Abstract

【課題】フレキシブルな光スイッチ、表示デバイスなどを提供する。
【解決手段】ホヤセルロースを含むセルロースシートを、透明電極が形成されたフレキシブルな透明ポリマーフィルムで挟んだ後、セルロースシートに液晶を含浸させ、それを偏光子で挟む。透明ポリマーフィルムもホヤセルロース由来のファイバーを含有している。セルロースシートまたは透明ポリマーフィルムの材料として、ホヤセルロースとバクテリアセルロース(ナタデココなど)との混合材料、さらには植物由来の微細繊維状セルロースやトロロアオイ由来の多糖、ノリウツギ由来の多糖を含む混合材料を用いてもよい。
【選択図】図13

Description

本発明は、生物由来の素材をエレクトロニクス分野におけるデバイス材料に応用する技術に関し、特に、トロロアオイやノリウツギから採取したヘミセルロース類、ホヤセルロース等の応用技術に関する。
[背景技術1]
現在実用化されている液晶デバイスは、ガラス基板間もしくは高分子基板間に保持された形態または高分子マトリックスに分散された形態で使用されている。しかし、ガラス基板を用いたものではデバイスの自在な変形が難しい。また、とくにディスプレイなど光学的な用途に用いる場合、紙の印刷物のような人間の目になじんだ明るい表示を得ることが容易ではない。とくに白色に難がある。さらに、性能向上のためガラス基板、高分子基板にラビング、コーティングなど特殊な処理を要する場合があり、その工程は複雑である。また、環境への負荷の軽減、資源リサイクルの観点から、ガラス基板やプラスティック基板の使用は、今後好ましくない問題を生ずる可能性がある。
[背景技術2]
従来、通常のポリマー材料基板上に形成した金属配線、透明導電膜、ガスバリア膜などは、組上げプロセス時、実装プロセス時の温度負荷で、基板材料との熱膨張係数の違いから断線、破損の可能性があり、これがフレキシブル表示デバイス実現の大きな障壁の一つとなっていた。
[背景技術3]
カーボンナノチューブ(以下、CNTと記す。)は電界放出型表示装置(以下、FEDと記す。)のコールドカソード材料として用いられる(下記特許文献1〜19参照)。
従来、コールドカソード材料にCNTを用いる場合、これを金属や樹脂などのペーストに混ぜて背面板上の保持層に塗布していた。このため、乾燥、焼成、表面処理などの工程を経て成膜されたコールドカソードは、大部分のCNTが背面板に対して平行に固定され、また、CNTの先端が一定の方向性を持たずに無秩序に固定されてしまう。
このため、電子放出を生じさせるための印加電圧が上昇し、低消費電力化を阻害しているという問題があった。また、各々のコールドカソード間において均一な電子放出を得ることが難しく、画素間での輝度のばらつきとなって画質が低下する原因となっている。
特開2004ー349187号公報 特開2004ー323871号公報 特開2004ー281308号公報 特開2004ー234865号公報 特開2004ー178972号公報 特開2004ー140288号公報 特開2004ー085392号公報 特開2004ー055484号公報 特開2004ー047254号公報 特開2004ー047240号公報 特開2004ー031679号公報 特開2004ー002182号公報 特開2003ー297222号公報 特開2003ー292312号公報 特開2003ー249613号公報 特開2003ー095625号公報 特開2003ー063813号公報 特開2003ー045315号公報 特開2003ー367543号公報
[課題1]
本発明が解決しようとする課題は、構造が簡単であり、製造工程が単純であり、かつ応答速度が速い液晶デバイスを提供すること、さらには、柔軟性を併せ持つ液晶デバイスを提供することにある。
[課題2]
本発明が解決しようとする課題は、柔軟でありながら高い透明性とガラス並の低熱膨張性とを併せ持つフレキシブル透明基板を提供することにある。
[課題3]
本発明が解決しようとする課題は、構造が簡単であり、製造工程が単純であり、明るい表示が可能であり、かつ応答速度が速い表示デバイスを提供すること、さらには、柔軟性を併せ持つ表示デバイスを提供することにある。
[課題4]
本発明が解決しようとする課題は、構造が簡単であり、製造工程が単純であり、かつ応答速度が速い記録デバイスを提供すること、さらには、柔軟性を併せ持つ記録デバイスを提供することにある。
[課題5]
本発明が解決しようとする課題は、構造が簡単であり、製造工程が単純であり、かつ応答速度が速いセンサーデバイスを提供すること、さらには、柔軟性を併せ持つセンサーデバイスを提供することにある。
[課題6]
本発明が解決しようとする課題は、CNTを一定の方向に配向させた状態で安定に保持したCNT保持体を提供することにある。
[課題7]
本発明が解決しようとする課題は、CNTを一定の方向に配向させた状態で安定に保持したCNT保持体を簡単な工程で製造できる製造方法を提供することにある。
[液晶デバイス]
本発明の液晶デバイスは、少なくとも構成要素の一部に紙と液晶を含むデバイスであって、紙が、ホヤセルロースを含有するものである。
本発明の液晶デバイスには、以下の液晶デバイスが含まれる。
紙が、バクテリアセルロース及び/又は平均直径10μm以下の植物由来微細繊維状セルロースを含有する液晶デバイス。
紙中のホヤセルロースの質量比率がバクテリアセルロースの質量比率以下である液晶デバイス。
紙中のホヤセルロースの質量比率がバクテリアセルロースの質量比率以上である液晶デバイス。
紙に液晶を含浸させてなる液晶デバイス。
紙の層と液晶の層とを互いに積層してなる液晶デバイス。
液晶がネマティック液晶である液晶デバイス。
液晶がスメクティック液晶である液晶デバイス。
液晶がコレステリック液晶である液晶デバイス。
液晶が強誘電性液晶である液晶デバイス。
紙がシート状である液晶デバイス。
紙が粉砕された状態である液晶デバイス。
紙がゲル状である液晶デバイス。
紙がトロロアオイやノリウツギから採取したヘミセルロース類を含有している液晶デバイス。
[フレキシブル透明基板]
本発明のフレキシブル透明基板は、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、透明ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーを含有しているものである。
本発明のフレキシブル透明基板には、透明ポリマー材料が、バクテリアセルロール由来のファイバーを含有しているものも含まれる。
本発明のフレキシブル透明基板には、透明ポリマー材料が、トロロアオイやノリウツギから採取したヘミセルロース類を含有しているものも含まれる。
本明細書中において、「透明」という用語は「可視光を透過する」あるいは「可視光を透過し得る」という意味で用いられている。
[表示デバイス]
本発明の表示デバイスは、本発明の液晶デバイスを備えたものである。
本発明の表示デバイスは、フレキシブル透明基板を備えたものである。
本発明の表示デバイスには、以下の液晶デバイスが含まれる。
前記フレキシブル透明基板が、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、当該透明ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーを含有しているものである液晶デバイス。
前記フレキシブル透明基板が、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、当該透明ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーと共にバクテリアセルロール由来のファイバーを含有しているものである液晶デバイス。
前記フレキシブル透明基板が、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、当該透明ポリマー材料が、トロロアオイやノリウツギから採取したヘミセルロース類を含有しているものである液晶デバイス。
[記録デバイス]
本発明の記録デバイスは、本発明の液晶デバイスを備えたものである。
本発明の記録デバイスは、フレキシブル透明基板を備えたものである。
本発明の記録デバイスには、以下の記録デバイスが含まれる。
前記フレキシブル透明基板が、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、当該透明ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーを含有しているものである記録デバイス。
前記フレキシブル透明基板が、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、当該透明ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーと共にバクテリアセルロール由来のファイバーを含有しているものである記録デバイス。
前記フレキシブル透明基板が、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、当該透明ポリマー材料が、トロロアオイやノリウツギから採取したヘミセルロース類を含有しているものである記録デバイス。
[センサーデバイス]
本発明のセンサーデバイスは、本発明の液晶デバイスを備えたものである。
本発明のセンサーデバイスは、フレキシブル透明基板を備えたものである。
本発明のセンサーデバイスには、以下のセンサーデバイスが含まれる。
前記フレキシブル透明基板が、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、当該透明ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーを含有しているものであるセンサーデバイス。
前記フレキシブル透明基板が、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、当該透明ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーと共にバクテリアセルロール由来のファイバーを含有しているものであるセンサーデバイス。
前記フレキシブル透明基板が、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、当該透明ポリマー材料が、トロロアオイやノリウツギから採取したヘミセルロース類を含有しているものであるセンサーデバイス。
[CNT保持体]
本発明のCNT保持体は、ホヤセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)を有し、当該セルロース層中に、CNTを分散させた樹脂(流動状態の樹脂、未硬化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向(たとえば重力方向)に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を硬化させて得られるものである。
本発明のCNT保持体は、バクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)を有し、当該セルロース層中に、CNTを分散させた樹脂(流動状態の樹脂、未硬化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を硬化させて得られるものである。
本発明のCNT保持体は、ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)を有し、当該セルロース層中に、CNTを分散させた樹脂(流動状態の樹脂、未硬化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向(たとえば重力方向)に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を硬化させて得られるものである。
前記ホヤセルロースおよび前記バクテリアセルロースの平均繊維径は4〜200nmであることが望ましい。
[CNT保持体]
本発明のCNT保持体は、CNTを分散させた多糖類の溶液に重力方向に電界を印加することにより当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該溶液を乾燥させて得られるものである。
本発明のCNT保持体は、バクテリアセルロース及び/又はホヤセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTを分散させた多糖類の溶液を含浸させた状態で、当該セルロース層に重力方向に電界を印加することにより当該セルロース層中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該紙を乾燥させて得られるものである。
前記多糖類は、セルロース系多糖類であることが望ましい。
前記セルロース系多糖類は、ヘミセルロース類であることが望ましい。
前記ヘミセルロース類がトロロアオイまたはノリウツギから抽出される成分であることが望ましい。
[CNT保持体の製造方法]
本発明の製造方法は、ホヤセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTを分散させた樹脂(流動状態の樹脂、未硬化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させることによりCNT保持体を得る方法である。
本発明の製造方法は、バクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTを分散させた樹脂(流動状態の樹脂、未硬化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させることによりCNT保持体を得る方法である。
本発明の製造方法は、ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTを分散させた樹脂(流動状態の樹脂、未硬化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させることによりCNT保持体を得る方法である。
本発明の製造方法は、ホヤセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTおよび金属微粒子を分散させた樹脂(流動状態の樹脂、未硬化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させることによりCNT保持体を得る方法である。
本発明の製造方法は、バクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTおよび金属微粒子を分散させた樹脂(流動状態の樹脂、未硬化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させることによりCNT保持体を得る方法である。
本発明の製造方法は、ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTおよび金属微粒子を分散させた樹脂(流動状態の樹脂、未硬化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させることによりCNT保持体を得る方法である。
前記ホヤセルロースおよび前記バクテリアセルロースの平均繊維径は4〜200nmであることが望ましい。
[CNT保持体の製造方法]
本発明の製造方法は、CNTを分散させた多糖類の溶液に重力方向に電界を印加することにより当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該溶液を乾燥させることによりCNT保持体を得る方法である。
本発明の製造方法は、バクテリアセルロース及び/又はホヤセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTを分散させた多糖類の溶液を含浸させた状態で、当該セルロース層に重力方向に電界を印加して当該セルロース層中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該セルロース層を乾燥させることによりCNT保持体を得る方法である。
前記多糖類は、セルロース系多糖類であることが望ましい。
前記セルロース系多糖類は、ヘミセルロース類であることが望ましい。
前記ヘミセルロース類は、トロロアオイまたはノリウツギから抽出される成分であることが望ましい。
本発明の液晶デバイスは、構造が簡単であり、製造工程が単純であり、応答速度が速く、しかも低電圧で駆動できる。さらに、柔軟性を併せ持つこともできる。
本発明のフレキシブル透明基板は、フレキシブルでありながら高い透明性とガラス並の低熱膨張性を併せ持っている。
本発明の表示デバイスは、構造が簡単であり、製造工程が単純であり、明るい表示が可能であり、応答速度が速く、しかも低電圧で駆動できる。さらに、柔軟性を併せ持つこともできる。
本発明の記録デバイスは、構造が簡単であり、製造工程が単純であり、応答速度が速く、しかも低電圧で駆動できる。さらに、柔軟性を併せ持つこともできる。
本発明のセンサーデバイスは、構造が簡単であり、製造工程が単純であり、応答速度が速く、しかも低電圧で駆動できる。さらに、柔軟性を併せ持つこともできる。
本発明のCNT保持体は、CNTを一定の方向に配向させた状態で安定に保持できる。製造工程が単純であり、さらに、柔軟性を併せ持つこともできる。
本発明の製造方法は、CNTを一定の方向に配向させた状態で安定に保持したCNT保持体を簡単な製造工程で製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、バクテリアセルロースおよび植物由来微細繊維状セルロースに関する記述については、特開2003ー5162号公報中の記載を適宜使用する。
[液晶デバイス]
本発明の液晶デバイスは、少なくとも構成要素の一部に紙と液晶を含むデバイスであって、紙が、ホヤセルロースを含有するものである。
紙中のホヤセルロースの質量比率は、好ましくは50〜100質量%である。
ホヤセルロースは、ホヤ(海鞘、Ascidian)によって生産されたセルロースである。
ホヤは、脊索動物門 尾索動物亜門 ホヤ綱 に属する海産動物の総称である。ホヤの名は、ランプシェードに当たる火屋(ほや)にかたちが似ていることに由来している。また、ホヤはその形状から「海のパイナップル」と呼ばれたりもする。
ホヤは、成長過程で変態する動物として知られ、その成体は海底に固着し、植物の一種とさえ誤認されるような外観を持つ。幼生はオタマジャクシ様の形態を示す。ホヤは、脊椎動物に近縁であり、発生過程の研究材料としても有用である。ホヤは、光受容器、神経、筋肉、脊索等の組織をもつ。血液(血球中)にバナジウムを高濃度に含む種類がある。ホヤは、体内でセルロースを生成することのできる、現在確認されている唯一の動物である。
カタユウレイボヤ (Ciona intestinalis) は、生物学において発生のモデル生物として用いられる。ホヤは発生学の材料として古くから用いられてきたため、その分野での知見が蓄積されている。また2002年にはドラフトゲノム配列が決定された。動物としては7番目となる。さらに近縁種のユウレイボヤ (C.savignyi) でもゲノムプロジェクトが行われている。
ホヤから得られるセルロースは、きわめて分子量が大きいことが判っている。一部の音響機器メーカでは、ホヤセルロースを用いたスピーカ振動板の開発が行われている。
ホヤセルロースを含有した紙を液晶デバイスの構成要素の一部として用いることにより、以下のような種々の効果が得られる。
液晶の保持が容易になるため、デバイス構造をシンプルにすることができ、かつ、紙に含まれるホヤセルロース繊維と液晶分子の相互作用によって液晶分子の配向制御を容易にできる。したがって、性能向上のために従来必要とされた基板表面のラビングやコーティングなどの特殊な処理をしなくても、優れた性能を有する液晶デバイスを製造できる。応答速度が大きく、低電圧で駆動できるなどデバイスとしての性能が優れている。明るく、白色が鮮やかであるなど光学特性が向上する。柔軟性を有するデバイスを作成することができる。液晶デバイスの性能の向上と共に、コストの低減をもたらし、さらに新しい液晶デバイスの利用方法ももたらす。ホヤセルロース繊維を含む紙を用いた場合には、環境への負荷が少なく、資源リサイクルの観点からも好ましくない問題を生じるおそれが少ない。
本発明の液晶デバイスの構成要素の一部である紙は、ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースを含有したものであってもよい。
また、本発明の液晶デバイスの構成要素の一部である紙は、ホヤセルロースと共に平均直径10μm以下の植物由来微細繊維状セルロースを含有したものであってもよい。
また、本発明の液晶デバイスの構成要素の一部である紙は、ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースおよび平均直径10μm以下の植物由来微細繊維状セルロースを含有したものであってもよい。
また、本発明の液晶デバイスの構成要素の一部である紙は、トロロアオイという植物の根から採れる多糖を含有したものであってもよい。
これら複数種類のセルロース繊維を含む紙を用いた場合も、環境への負荷が少なく、資源リサイクルの観点からも好ましくない問題を生じるおそれが少ない。
紙中のホヤセルロースの質量比率はバクテリアセルロースの質量比率以上でも未満でもよい。両者の質量比率は目標とするデバイス特性に応じて適切な値に選定すればよい。ホヤセルロース繊維の分子量および直径は、バクテリアセルロースのそれとは異なるので、両者の比率を適切に選定することにより目標のデバイス特性を実現できる。紙中に植物由来微細繊維状セルロースを含有させる場合も同様である。
本発明の液晶デバイスに使用する紙の形態としては、シート状、粉砕された状態、ゲル状等が挙げられる。
紙がシート状のものである場合、その厚さは液晶デバイスの種類や特性に応じて選定される。たとえば、シート状の紙を透過光観測型の液晶デバイスとして使用する場合には、厚さは好ましくは0.01〜30μm、さらに好ましくは0.01〜5μm程度であるが、反射光観測型のデバイスとして使用する場合には、これよりさらに厚いものでもよく、1cm以下、好ましくは数mm以下程度の厚さのものも使用可能である。
紙の原料の一部となるホヤセルロースを産生するホヤの種類は特に限定されない。ホヤ の種類は100種以上ある。ホヤの種類として、ユウレイボヤ、スボヤ、カタユウレイボヤ、エボヤ、スジキレボヤ、リッテルボヤ、ミハエルボヤ、等を挙げることができる。現在マボヤが養殖され食用等として多く流通しているので、材料供給事情から判断してこれを用いることが望ましいが、ドラフトゲノム配列が決定されているという点ではカタユウレイボヤやユウレイボヤを使用することが望ましい。
ホヤからのセルロースの採取方法および採取したホヤセルロースの処理方法(洗浄方法、純化方法、分子量調整方法、等)は任意である。ホヤセルロースの分子量調整方法として酵素加水分解を挙げることができる。酵素加水分解によりホヤセルロースのミクロフィブリルは微細な変化を起こす。ホヤセルロースの採取方法については後述する。
ホヤセルロースのフィルム(シート、紙)を製造する方法はいくつかある。その一例として、ホヤから採取したセルロースゲルを、水洗後、離解させ、平面支持体上で乾燥させることにより、均一薄膜を得る方法を挙げることができる。この水洗水には目的に応じて殺菌剤、前処理剤などの薬剤を添加することもできる。セルロースゲルを離解させる方法として、たとえば、特開平5ー51885号公報のホモジナイザーを用いて水中に超高速回転する等の手法があるが、その他に特公平5ー80484号公報の酸化水分解処理を施した後、機械的せん断する方法もある。
ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースを含有したフィルム(シート、紙)を製造する方法はいくつかある。その一例として、ホヤセルロースとバクテリアセルロースを適量ずつ混合し、平面支持体上で乾燥させることにより、均一薄膜を得る方法を挙げることができる。
ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースと植物由来微細繊維状セルロース(平均直径10μm以下の)を含有したフィルム(シート、紙)を製造する方法はいくつかある。その一例として、ホヤセルロースとバクテリアセルロースと植物由来微細繊維状セルロースを適量ずつ混合し、平面支持体上で乾燥させることにより、均一薄膜を得る方法を挙げることができる。
ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースと植物由来微細繊維状セルロース(平均直径10μm以下の)とトロロアオイ由来の多糖を含有したフィルム(シート、紙)を製造する方法はいくつかある。その一例として、ホヤセルロースとバクテリアセルロースと植物由来微細繊維状セルロースとトロロアオイ根由来の多糖を適量ずつ混合し、平面支持体上で乾燥させることにより、均一薄膜を得る方法を挙げることができる。
上記の何れかの方法あるいは別の方法により得られたホヤセルロース含有フィルム(シート、紙)に透明電極を形成する方法は、特に限定されない。その簡単な方法の一つとして、たとえば、水を含んだゲル状のフィルムを水中で透明導電性ガラス(たとえば、透明インジウムー酸化錫(ITO))をコーティングしたガラス板に貼り付ける方法がある。このガラス板上にて室温で自然乾燥させて得られる乾燥セルロース薄膜(紙)は、透明電極を有する均一な透明薄膜になっている。
透明導電性ガラスをコーティングしたガラス板を二枚使用し、両ガラス板の透明導電性ガラスコーティング面でセルロースフィルム(紙)を挟めば、セルロースフィルム(紙)の両面に透明電極(フィルムを介して互いに向き合う対向電極)を形成することができる。
ガラス板の代わりに、柔軟性を有する透明樹脂板を使用すれば、その両面に透明電極が形成されたセルロースフィルム(紙)層を有する柔軟構造(可撓性を有する構造)のデバイスが得られる。
また、基板(ガラス板に限らない。)から剥離可能な透明導電性コーティングを採用すれば、電極形成後に基板からセルロースフィルムを剥がすことにより、その両面に透明電極が形成されたセルロースフィルム(紙)を得ることができる。
本発明の液晶デバイスに使用する液晶は、特に限定はなく、たとえば、ネマティック液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶など様々な液晶が挙げられる。これらの液晶は、容易に紙の中に浸透し、本発明の紙と液晶を含むデバイスを形成することができる。
本発明において、紙と液晶を複合化する方法も特に限定されない。紙に液晶を浸透(含浸)させる、たとえば、減圧下で浸透させる、紙に液晶を噴霧する、離解した紙又はゲル状の紙と液晶を混合する等、任意の方法が採用できる。本発明の液晶デバイスにおいて、液晶と紙の比率は、紙の種類や形態、液晶の種類、デバイスに要求される性能等により、広範に変えることができ、たとえば、容積比率で95/5〜5/95、好ましくは90/10〜10/90、さらに好ましくは80/20〜20/80である。
本発明の液晶デバイスの対向電極間の電位差(すなわち電極間の電界強度)が変化すると、紙の屈折率と液晶の屈折率との関係で液晶の配向が変化する。その結果、透過光量、反射光量が変化する。したがって、本発明の液晶デバイスは、光スイッチ、表示デバイス、記録デバイスなどとして機能し得る。
また、温度が変化した場合も液晶の屈折率が変化するので、紙液晶複合体の透過光量、反射光量、スペクトルが変化する。したがって、本発明の液晶デバイスは、温度センサとして機能し得る。
また、電界、磁界、照射光量、圧力などその他の外的因子の変化によっても、液晶の配向や構造変化などにより紙液晶複合体の光学的性質が変化する。したがって、本発明の液晶デバイスは、温度センサに限らず多様なセンサーデバイスとして機能し得る。
本発明の液晶デバイスの構成要素の一つである紙には、主としてバクテリアセルロースからなりその中に少量のホヤセルロースを含有した紙も含まれる。
バクテリアセルロースを産生する微生物は特に限定されないが、たとえば、グルコンアセトバクター・キシリナス・サブスピーシーズ・キシリナス(Gluconacetobacter xylinus subsp. xylinus) ATCC10245、ATCC11142、ATCC12878、ATCC14851、ATCC23767、ATCC23768、ATCC23770、グルコンアセトバクター・ハンセニイ(Gluconacetobacter hansenii) ATCC10821、ATCC23769、ATCC35959、グルコンアセトバクター・リクイファシエンス(Gluconacetobacter liquefaciens) ATCC23749、ATCC23750、ATCC23751、グルコンアセトバクター・ジアゾトロピクス(Gluconacetobacter diazotrophicus) ATCC49037、ATCC49038、ATCC49039、アセトバクター・キシリナム・サブスピーシーズ・シュクロファーメンタンス(Acetobacter xylinum subsp.sucrofermentans) FERM BP-4545、アセトバクター・パストリアヌス(Acetobacter pasteurianus) FERM BP-4176、サルシナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属細菌、アグロバクテリウム属細菌等でバクテリアセルロースを産生するものを利用することができる。
培地成分は、前記微生物の培養に用いられる公知の培地と同様でよい。すなわち、炭素源、窒素源、無機塩類、その他必要に応じてアミノ酸、ビタミン等の有機微量栄養素を含有する通常の栄養培地を用いればよく、炭素源としては、グルコース、スクロース、マルトース、澱粉加水分解物、糖蜜等が利用されるが、エタノール、酢酸、クエン酸等も単独あるいは上記の糖と併用して利用することができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、硝酸塩、尿素、ペプトン等の有機あるいは無機の窒素源が利用される。無機塩類としては、リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等が利用される。有機微量栄養素としては、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、核酸、さらにはこれらの栄養素を含むペプトン、カザミノ酸、酵母エキス、大豆蛋白加水分解物等が利用され、生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変異株を用いる場合には、要求される栄養素をさらに補添する必要がある。
培養形態は、静置培養、通気攪拌培養、振盪培養、振動培養、エアリフト型の培養などがあり、本発明は特に限定するものではないが、静置培養が好ましい。培養条件は、pHは5〜9、温度は10〜40℃、特に好ましくは25〜30℃に制御しつつ1〜15日間、好ましくは1〜3日間程度が良く、静置培養の場合は表層にバクテリアセルロースがゲル状に蓄積される。このゲルを取り出して必要により、水洗する。この水洗水には目的に応じて殺菌剤、前処理剤などの薬剤を添加することもできる。採取したゲル状のバクテリアセルロースを均一ホモジナイザー等で離解した離解物として用いることもできる。たとえば、特開平5ー51885号公報のホモジナイザーを用いて水中に超高速回転する等の手法があるが、その他に特公平5ー80484号公報の酸化水分解処理を施した後、機械的せん断する方法もある。水洗後は乾燥するが、平面支持体を用いてセルロースの均一薄膜を形成させる方法が好ましい。
以下、ホヤセルロースを含有したバクテリアセルロースのフィルム(シート、紙)の製造法の一例を具体的に示す。セルロース生産菌、たとえばグルコンアセトバクター・ハンセニイ(Gluconacetobacter hansenii) ATCC10821を、下記に例示される液体培地に植えつけロータリーシェーカーで180rpm、25℃、4日間程度、培養してバクテリアセルロースの培養液を調整する。
<培養液>
スクロース 50.0g/l
Bacto Yeast extract(DIFCO社) 5.0g/l
燐酸二水素カリウム 3.0g/l
硫酸マグネウシム・7水塩 2.4g/l
硫酸アンモニウム 1.0g/l
フィチン酸ナトリウム 0.2g/l
pH 5.0
殺菌 120℃、15分
この培養液を、殺菌済みの桐山ロート用ろ紙 No.5B でろ過して固形物を除去する。固形物を除いた培養液と新たな上記「液体培地」を1:1の割合で混合する。その混合液中に洗浄・離解処理済みのホヤセルロースを適量混合し、その混合液をセルロースゲルの厚さが0.01〜4mm程度になるまで静置培養する。培養温度は20℃〜30℃とし、水準器で調整した水平台上で培養を行う。生成したゲル状のセルロース薄膜を流水(純水)で1〜4日間洗浄する。更に、このセルロース薄膜を2N水酸化ナトリウムに10分間程度浸して洗浄後、再び流水(純水)で1〜4日間洗浄する。
この水を含んだゲル状のセルロース薄膜を水中で、透明導電性ガラス、たとえば、透明インジウムー酸化錫(ITO)をコーティングしたガラス板にはりつける。このガラス板を室温で自然乾燥させることにより、透明電極を有する均一なセルロース乾燥薄膜が得られる。このセルロース乾燥薄膜の厚さは0.01μm〜5μmである。
一方、平均直径10μm以下の植物由来微細繊維状セルロースは、木材等を高度に叩解あるいは摩叩して得られるセルロースである。たとえば、パルプ繊維等のセルロース繊維をボールミル等により打砕・離解したり、水中で加圧離解したり、音波により離解したりすることにより得られる(特公昭48ー6641号公報、特公昭50ー38720号公報、特開平8ー284090号公報等)。また、木材パルプ以外に砂糖大根、柑橘類その他柔組織細胞のセルロースを特開昭59ー80402号や「CELLULOSE (1996)3, 183-188」に記載の方法に従って、離解してもよい。こうして、本発明では植物由来微細繊維状セルロースのミクロフィブリルの平均直径を10μm以下(英国特許第2,066,145号)、好ましくは1nm〜2.0μm、より好ましくは1nm〜100nmとする。
次に、本発明の液晶デバイスの具体的態様について説明する。
本発明の液晶デバイスの一態様として、ホヤセルロースを含むセルロースシートの両面に透明電極を形成するとともに、当該セルロースシートに液晶を浸透(含浸)させたものを挙げることができる(図1および図2参照)。この液晶デバイスは、たとえば透明インジウムー酸化錫(ITO)電極をホヤセルロースを含むセルロースシートの両面に貼り付けた後、ネマティック液晶をセルロースシートに浸透(含浸)させることにより得られる。この液晶デバイス中の液晶は、相対向する透明電極間に印加する電圧を変化させると、高速に応答してその配向状態が変化する。
本発明の液晶デバイスの別の一態様として、ホヤセルロースを含むセルロースシートの両面に透明電極を形成するとともに、当該セルロースシートに液晶を浸透(含浸)させ、且つこのセルロースシートを介して偏光子を直交ニコルの状態に配置したものを挙げることができる(図3および図4参照)。この液晶デバイスは、たとえば透明インジウムー酸化錫(ITO)電極をホヤセルロースを含むセルロースシートの両面に貼り付けた後、ネマティック液晶をセルロースシートに浸透させ、これを二枚の偏光子で挟むことによって得られる。この液晶デバイスは、その相対向する透明電極間に印加する電圧を変化させると、セルロースシート中の液晶が高速に応答してその配向状態が変化するので、透過光量が急激に変化する。この液晶デバイスは、光スイッチや表示デバイスなどとして機能し得る。この液晶デバイスを表示デバイスに用いれば、紙の印刷物のような人間の目になじんだ明るい表示が可能となる。
本発明の液晶デバイスでは何ら液晶の配向処理を施していないが、ホヤセルロース繊維(さらにはバクテリアセルロース繊維)と液晶分子との相互作用の結果、自動的にホモジニアス配向しており、これに電圧を印加することにより屈折率の異方性のため分子配向の変化が起こり、ホメオトロピック配向となったため透過光量が変化するものと考えられる。
本発明の液晶デバイスの更に別の一態様として、ホヤセルロースを含むセルロースシートを、透明電極が形成されたフレキシブルな透明基板(シート)で挟むとともに、当該セルロースシートに液晶を浸透(含浸)させたものを挙げることができる(図5および図6参照)。この液晶デバイスは、ホヤセルロースを含むセルロースシートを、たとえば透明インジウムー酸化錫(ITO)電極が形成されたフレキシブルな透明ポリマーフィルムで挟んだ後、ネマティック液晶をセルロースシートに浸透させることにより得られる。この液晶デバイスにより、フレキシブルな液晶デバイスが実現できる。
本発明の液晶デバイスの更に別の一態様として、ホヤセルロースを含むセルロースシートを、透明電極が形成されたフレキシブルな透明基板(シート)で挟むとともに、当該セルロースシートに液晶を浸透(含浸)させ、且つこのセルロースシートを介して偏光子を直交ニコルの状態に配置したものを挙げることができる(図7および図8参照)。この液晶デバイスは、ホヤセルロースを含むセルロースシートを、たとえば透明インジウムー酸化錫(ITO)電極が形成されたフレキシブルな透明ポリマーフィルムで挟んだ後、ネマティック液晶をセルロースシートに浸透させ、これを二枚の偏光子で挟むことによって得られる。この液晶デバイスにより、フレキシブルな光スイッチや表示デバイスなどを実現できる。この液晶デバイスを表示デバイスに用いれば、紙の印刷物のような人間の目になじんだ明るい表示が可能となる。
本発明の液晶デバイスの更に別の一態様として、ホヤセルロースを含むセルロースシートに、温度によって色(反射光または透過光の色)が変化する液晶を浸透(含浸)させたものを挙げることができる(図9参照)。この液晶デバイスは、たとえばコレステリック液晶(コレステリルオレイルカーボネート20質量%とコレステリルノナノエート80質量%の混合液晶)をホヤセルロースを含むセルロースシートに浸透させることにより得られる。この液晶デバイスの反射色は、室温から70℃の温度範囲で、赤と紫の間で大きく変化する。したがって、この液晶デバイスは、極めて簡単な構造の温度センサとして機能する。
本発明の液晶デバイスのその他の具体的な形態として、紙層と液晶層の積層体が挙げられる(図10参照)。
本発明の液晶デバイスのその他の具体的な形態として、ホヤセルロースを含むセルロースシートを、透明電極が形成された透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であってその透明ポリマー材料がホヤセルロース由来のファイバーを含有しているフレキシブル透明基板で挟むとともに、当該セルロースシートに液晶を浸透(含浸)させたものを挙げることができる(図11および図12参照)。
本発明の液晶デバイスの更に別の一態様として、ホヤセルロースを含むセルロースシートを、透明電極が形成された透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であってその透明ポリマー材料がホヤセルロース由来のファイバーを含有しているフレキシブル透明基板で挟むとともに、当該セルロースシートに液晶を浸透(含浸)させ、且つこのセルロースシートを介して偏光子を直交ニコルの状態に配置したものを挙げることができる(図13および図14参照)。
[フレキシブル透明基板]
本発明のフレキシブル透明基板は、透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であり、透明ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーを含有している。本発明のフレキシブル透明基板は、すなわち、透明ポリマー材料をホヤセルロース由来の極細の透明ファイバーで補強してなるフレキシブル透明基板である。本発明のフレキシブル透明基板には、透明ポリマー材料が、バクテリアセルロール由来のファイバーを含有しているものが含まれる。本発明のフレキシブル透明基板には、透明ポリマー材料が、平均直径10μm以下の植物由来微細繊維状セルロースを含有しているものが含まれる。本発明のフレキシブル透明基板には、透明ポリマー材料が、トロロアオイやノリウツギから採取した多糖を含有したものも含まれる。本発明のフレキシブル透明基板は、ホヤセルロース(バクテリアセルロール由来のファイバー、パルプ繊維由来のファイバー、トロロアオイ由来の多糖、ノリウツギ由来の多糖、等を含有したものを含む)を乾燥させ、それに透明ポリマーを浸透させることにより製造できる。
透明ポリマー材料の補強材料としては、ホヤセルロース由来の極細(好ましくは直径が100nm以下)の透明ファイバー(バクテリアセルロール由来の透明ファイバーおよび/またはトロロアオイ由来の多糖を含有したものを含む)を使用することが望ましい。透明ポリマー材料の補強材料にファイバー径100nm以下の透明ファイバーを使用することで、フレキシブルでありながら平行光線透過率85%を越える高い透明性とガラス並の低い線熱膨張係数とを併せ持ったフレキシブル透明基板を実現できる。ファイバー径がナノサイズであることから、この高い透明性は複合させる樹脂との屈折率差に左右されることがない。また粒子形状では無くファイバー形状のフィラーであることから、熱膨張係数はフィラーとマトリクス樹脂との体積平均値よりもはるかに低減させることができる。
さらに、この透明ファイバーフィラーは、熱膨張係数がシリコン結晶の約1/30と石英ガラス並に低く、弾性率もガラスより高くアラミド繊維(ケブラー)並、と優れた特性を有している。また、生物由来であり、生合成が可能で、生産・廃棄に関する環境負荷が極めて小さいなど、既存のフィラー材料には無い今後の社会要請に適合した特性も併せ持っている。
従来、通常のポリマー材料基板上に形成した金属配線、透明導電膜、ガスバリア膜などは、組上げプロセス時、実装プロセス時の温度負荷で、基板材料との熱膨張係数の違いから断線、破損の可能性があり、これがフレキシブル表示デバイス実現の大きな障壁の一つとなっていたが、本発明のフレキシブル透明基板により、フレキシブルな表示デバイスの実現が可能となる。
この成果は、長年透明ポリマー材料研究者の夢とされてきた樹脂製光学部品の精度向上、樹脂製大型窓材料の実現にも途を拓くものである。
本発明のフレキシブル透明基板は、有機ELディスプレイ用の透明基板(カラーフィルタの支持体、有機EL素子の支持体、電極支持体、等)や電子ペーパ用の透明基板(カラーフィルタの支持体、電極支持体、不揮発性表示媒体の支持体、等)として利用できる。また、本発明の液晶デバイスを用いた液晶ディスプレイ用の透明基板(図11、図12、図13および図14参照)としても利用できる。電子ペーパの種類として、電気泳動方式の電子ペーパ、ツイストボール(twisted ball)方式の電子ペーパ、強誘電液晶を用いた電子ペーパ、電子粉流体を用いた電子ペーパなどを挙げることができる。
[フレキシブル基板]
本発明のフレキシブル透明基板から「透明」すなわち「可視光を透過する」という性質(形容)を省けば、フレキシブル基板が得られる。本発明は、必ずしも透明であることを要件としないフレキシブル基板にもかかわるものである。
本発明のフレキシブル基板は、ポリマー材料からなるフレキシブル基板であり、ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーを含有している。本発明のフレキシブル基板は、すなわち、ポリマー材料をホヤセルロース由来の極細のファイバーで補強してなるフレキシブル基板である。本発明のフレキシブル基板には、ポリマー材料が、バクテリアセルロール由来のファイバーを含有しているものが含まれる。本発明のフレキシブル基板には、ポリマー材料が、平均直径10μm以下の植物由来微細繊維状セルロースを含有しているものが含まれる。本発明のフレキシブル基板には、ポリマー材料が、トロロアオイやノリウツギから採取した多糖を含有したものも含まれる。本発明のフレキシブル基板は、ホヤセルロース(バクテリアセルロール由来のファイバー、パルプ繊維由来のファイバー、トロロアオイ由来の多糖、ノリウツギ由来の多糖、等を含有したものを含む)を乾燥させ、それに透明ポリマーを浸透させることにより製造できる。
ポリマー材料の補強材料としては、ホヤセルロース由来の極細(好ましくは直径が100nm以下)の透明ファイバー(バクテリアセルロール由来のファイバーおよび/またはトロロアオイ由来の多糖を含有したものを含む)を使用することが望ましい。ポリマー材料の補強材料にホヤセルロース由来のファイバーファイバーを使用することで、フレキシブルでありながらガラス並の低い線熱膨張係数を有する基板を実現できる。粒子形状では無くファイバー形状のフィラーであることから、熱膨張係数はフィラーとマトリクス樹脂との体積平均値よりもはるかに低減させることができる。
さらに、このファイバーフィラーは、熱膨張係数がシリコン結晶の約1/30と石英ガラス並に低く、弾性率もガラスより高くアラミド繊維(ケブラー)並、と優れた特性を有している。また、生物由来であり、生合成が可能で、生産・廃棄に関する環境負荷が極めて小さいなど、既存のフィラー材料には無い今後の社会要請に適合した特性も併せ持っている。
従来、通常のポリマー材料基板上に形成した金属配線、透明導電膜、ガスバリア膜などは、組上げプロセス時、実装プロセス時の温度負荷で、基板材料との熱膨張係数の違いから断線、破損の可能性があり、これがフレキシブル表示デバイス実現の大きな障壁の一つとなっていたが、本発明のフレキシブル基板により、フレキシブルな表示デバイスなどの実現が可能となる。
本発明のフレキシブル基板は、有機ELディスプレイ用の基板(有機EL素子の支持体、電極支持体、等)や電子ペーパ用の基板(電極支持体、不揮発性表示媒体の支持体、等)として利用できる。また、本発明の液晶デバイスを用いた液晶ディスプレイ用の基板(非観測側の基板)としても利用できる。
[CNT保持体]
本発明のフレキシブル基板は、CNT保持体にも応用できる。
本発明のCNT保持体には、以下のものが含まれる。
ホヤセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)を有し、当該セルロース層中に、CNTを分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化させて得られるCNT保持体(図15参照)。
バクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)を有し、当該セルロース層中に、CNTを分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化させて得られるCNT保持体(図16参照)。
ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)を有し、当該セルロース層中に、CNTを分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化させて得られるCNT保持体(図17参照)。
[CNT保持体の製造方法]
本発明の製造方法には、以下の方法が含まれる。
ホヤセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTを分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ(ステップS1)、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS2)、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させる(ステップS3)、CNT保持体の製造方法(図18参照)。この方法により図15のCNT保持体が得られる。
バクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTを分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ(ステップS11)、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS12)、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させる(ステップS13)、CNT保持体の製造方法(図19参照)。この方法により図16のCNT保持体が得られる。
ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTを分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ(ステップS21)、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS22)、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させる(ステップS23)、CNT保持体の製造方法(図20参照)。この方法により図17のCNT保持体が得られる。
ホヤセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTおよび金属微粒子を分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ(ステップS31)、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS32)、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させる(ステップS33)、CNT保持体の製造方法(図21参照)。この方法により図24のCNT保持体が得られる。
バクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTおよび金属微粒子を分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ(ステップS41)、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS42)、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させる(ステップS43)、CNT保持体の製造方法(図22参照)。この方法により図25のCNT保持体が得られる。
ホヤセルロースと共にバクテリアセルロースを含有したセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTおよび金属微粒子を分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ(ステップS51)、その状態で、当該セルロース層に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを一定の方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS52)、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させる(ステップS53)、CNT保持体の製造方法(図23参照)。この方法により図26のCNT保持体が得られる。
金属微粒子としては、金微粒子、白金微粒子などが用いられる。
CNTを分散させた樹脂を分散させた樹脂に電界を作用させて樹脂中のCNTを電界により一定の方向に配向させつつ泳動させる工程(ステップS2、ステップS12、ステップS22)並びにCNTおよび金属微粒子を分散させた樹脂に電界を作用させて樹脂中のCNTを電界により一定の方向に配向させつつ泳動させる工程(ステップS32、ステップS42、ステップS52)は、樹脂に超音波による振動を適宜与えつつ行うことが望ましい。振動の作用によりCNTの配向および泳動、ならびに金属微粒子の沈降を促進できる。すなわち、CNTが電界によって配向および泳動する際、その配向および泳動がセルロース層中の繊維によって阻害される可能性(繊維に引っ掛かる可能性)があるが、振動の作用によりそれを防止できる。また、金属微粒子が沈降する際、その沈降がセルロース層中の繊維によって阻害される可能性(繊維に引っ掛かる可能性)があるが、振動の作用によりそれを防止できる。
[CNT保持体]
図27は、図24〜図26のCNT保持体を加工することにより最終的に得られたCNT保持体を示している。加工には、樹脂固化後のセルロース層の層厚調整(スライシング、エッチング、表面切削、等)、CNTの先端を露出させる処理(CNTの先端側のセルロース層表層の樹脂およびセルロースの除去)、および金属微粒子層を露出させる処理(金属微粒子層側のセルロース層表層の樹脂およびセルロースの除去)、等が含まれる。このCNT保持体はFEDのカソード保持体に適用できる。
図28は、前述のいずれかのセルロース層(フィルム、紙)中に、CNTおよび金属微粒子を分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に部分的に電圧を印加する(電位差を発生させる)ことにより、当該溶液中のCNTを部分的に一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を固化(光固化、熱固化、等)させることにより得られたCNT保持体を、図24〜図26のCNT保持体と同様に加工することにより最終的に得られたCNT保持体を示している。このCNT保持体は、CNTが一定の方向に配向している領域(起毛領域、電界により配向させつつ電氣泳動させた領域)と、CNTがランダムに配向している(倒れている)領域(伏毛領域)とを有している。
本発明に係るCNT保持体を電子放出装置に使用することで、異常放電が起こりにくく信頼性の高い電子放出装置を提供できる。
[CNT保持体]
本発明のCNT保持体には、以下のものが含まれる。
多糖類(ヘミセルロース等)とCNTとを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該溶液を乾燥させて得られるCNT保持体(図29参照)。
多糖類(ヘミセルロース等)とバクテリアセルロースとCNTとを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該溶液を乾燥させて得られるCNT保持体(図30参照)。
多糖類(ヘミセルロース等)とホヤセルロースとCNTとを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該溶液を乾燥させて得られるCNT保持体(図31参照)。
多糖類(ヘミセルロース等)とバクテリアセルロースとホヤセルロースとCNTとを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該溶液を乾燥させて得られるCNT保持体(図32参照)。
多糖類(ヘミセルロース等)とCNTと金属微粒子とを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該溶液を乾燥させて得られるCNT保持体。
バクテリアセルロース及び/又はホヤセルロースを含有した紙に、多糖類(ヘミセルロース等)とCNTとを含む溶液を含浸させた状態で、当該紙に重力方向に電界を印加して当該紙中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該紙を乾燥させて得られるCNT保持体(図47、図48、図49参照)。
バクテリアセルロース及び/又はホヤセルロースを含有する紙に、多糖類(ヘミセルロース等)とCNTと金属微粒子とを含む溶液を含浸させた状態で、当該紙に重力方向に電界を印加して当該紙中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該紙を乾燥させて得られるCNT保持体(図50、図51、図52参照)。
[CNT保持体の製造方法]
本発明の製造方法には、以下の方法が含まれる。
多糖類(ヘミセルロース等)とCNTとを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS61)、重力方向に電界を印加しつつ当該溶液を乾燥させる(ステップS62)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図33参照)。この方法により図29のCNT保持体が得られる。
多糖類(ヘミセルロース等)とバクテリアセルロースとCNTとを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS71)、重力方向に電界を印加しつつ当該溶液を乾燥させる(ステップS72)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図34参照)。この方法により図30のCNT保持体が得られる。
多糖類(ヘミセルロース等)とホヤセルロースとCNTとを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS81)、重力方向に電界を印加しつつ当該溶液を乾燥させる(ステップS82)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図35参照)。この方法により図31のCNT保持体が得られる。
多糖類(ヘミセルロース等)とバクテリアセルロースとホヤセルロースとCNTとを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS91)、重力方向に電界を印加しつつ当該溶液を乾燥させる(ステップS92)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図36参照)。この方法により図32のCNT保持体が得られる。
多糖類(ヘミセルロース等)とCNTと金属微粒子とを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS101)、重力方向に電界を印加しつつ当該溶液を乾燥させる(ステップS102)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図37参照)。この方法により図47のCNT保持体が得られる。
多糖類(ヘミセルロース等)とバクテリアセルロースとCNTと金属微粒子とを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS111)、重力方向に電界を印加しつつ当該溶液を乾燥させる(ステップS112)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図38参照)。この方法により図48のCNT保持体が得られる。
多糖類(ヘミセルロース等)とホヤセルロースとCNTと金属微粒子とを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS121)、重力方向に電界を印加しつつ当該溶液を乾燥させる(ステップS122)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図39参照)。この方法により図49のCNT保持体が得られる。
多糖類(ヘミセルロース等)とバクテリアセルロースとホヤセルロースとCNTと金属微粒子とを含む溶液に重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS131)、重力方向に電界を印加しつつ当該溶液を乾燥させる(ステップS132)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図40参照)。この方法により図50のCNT保持体が得られる。
バクテリアセルロースを含有する紙に、多糖類(ヘミセルロース等)とCNTとを含む溶液を含浸させた状態で(ステップS141)、当該紙に重力方向に電界を印加して当該紙中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS142)、重力方向に電界を印加しつつ当該紙を乾燥させる(ステップS143)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図41参照)。この方法により図51のCNT保持体が得られる。
ホヤセルロースを含有する紙に、多糖類(ヘミセルロース等)とCNTとを含む溶液を含浸させた状態で(ステップS151)、当該紙に重力方向に電界を印加して当該紙中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS152)、重力方向に電界を印加しつつ当該紙を乾燥させる(ステップS153)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図42参照)。この方法により図52のCNT保持体が得られる。
バクテリアセルロースおよびホヤセルロースを含有する紙に、多糖類(ヘミセルロース等)とCNTとを含む溶液を含浸させた状態で(ステップS161)、当該紙に重力方向に電界を印加して当該紙中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS162)、重力方向に電界を印加しつつ当該紙を乾燥させる(ステップS163)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図43参照)。この方法により図53のCNT保持体が得られる。
バクテリアセルロースを含有する紙に、多糖類(ヘミセルロース等)とCNTと金属微粒子とを含む溶液を含浸させた状態で(ステップS171)、当該紙に重力方向に電界を印加して当該紙中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS172)、重力方向に電界を印加しつつ当該紙を乾燥させる(ステップS173)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図44参照)。この方法により図54のCNT保持体が得られる。
ホヤセルロースを含有する紙に、多糖類(ヘミセルロース等)とCNTと金属微粒子とを含む溶液を含浸させた状態で(ステップS181)、当該紙に重力方向に電界を印加して当該紙中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS182)、重力方向に電界を印加しつつ当該紙を乾燥させる(ステップS183)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図45参照)。この方法により図55のCNT保持体が得られる。
バクテリアセルロースおよびホヤセルロースを含有する紙に、多糖類(ヘミセルロース等)とCNTと金属微粒子とを含む溶液を含浸させた状態で(ステップS191)、当該紙に重力方向に電界を印加して当該紙中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後(ステップS192)、重力方向に電界を印加しつつ当該紙を乾燥させる(ステップS193)、ことによりCNT保持体を製造する方法(図46参照)。この方法により図56のCNT保持体が得られる。
金属微粒子としては、金微粒子、白金微粒子などが用いられる。
CNTを分散させた多糖類の溶液に電界を作用させて溶液中のCNTを電界により重力方向に配向させつつ泳動させる工程(ステップS61、ステップS71、ステップS81、ステップS91、ステップS142、ステップS152、ステップS162)並びにCNTおよび金属微粒子を分散させた多糖類の溶液に電界を作用させて溶液中のCNTを電界により重力方向に配向させつつ泳動させる工程(ステップS101、ステップS111、ステップS121、ステップS131、ステップS172、ステップS182、ステップS192)は、溶液に超音波による振動を適宜与えつつ行うことが望ましい。振動の作用によりCNTの配向および泳動、ならびに金属微粒子の沈降を促進できる。すなわち、CNTが電界によって配向および泳動する際、その配向および泳動がセルロース層中の繊維によって阻害される可能性(繊維に引っ掛かる可能性)があるが、振動の作用によりそれを防止できる。また、金属微粒子が沈降する際、その沈降がセルロース層中の繊維によって阻害される可能性(繊維に引っ掛かる可能性)があるが、振動の作用によりそれを防止できる。
多糖類としては、水あるいは有機溶剤に溶解可能なものが好ましく適用される。多糖類としては、例えば、セルロース系多糖類、でんぷん類および天然ガム類などを挙げることができる。セルロース系多糖類としては セルロースを修飾して可溶化したものの他、植物より抽出される各種ヘミセルロース類を挙げることができる。また、でんぷん類としては、各種植物より抽出されるでんぷん類の他、アミロースおよびアミロペクチンなどを例示することができる。
具体的な例としては、でんぷん類では、デンプン(小麦デンプン、コーンスターチ、ばれいしょデンプン、かんしょデンプン、タピオカデンプン、小麦粉デンプンなど)、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン燐酸エステルナトリウム、酢酸デンプン、燐酸デンプン、カルボキシメチルスターチ、カルボキシエチルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ、シアノエチル化デンプンおよびアミロース、アミロペクチンなどがあり、セルロース系多糖類では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、各種ヘミセルロース(分岐構造を有するセルロース。植物の主要成分のひとつであり、例えばトロロアオイ、ノリウツギなどから抽出される粘液に含まれる)などの他、アルギン酸、アルギン酸ソーダ、ローカストビーンガム、グアルガム、カラニンゲル、寒天ゲル、アラビアガム、トラガントガム、カラギーナン、フコイダン、フノリ、ラミナラン、グルコマンナンなどの植物系多糖類、アエロモナスガム、キサンタンガム、デキストラン、納豆菌ガム、プルラン、ラムザンガムおよびレバンなどの微生物系多糖類などを挙げることができる。
このような多糖類の中でもメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒトロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよび各種ヘミセルロース(トロロアオイ、ノリウツギ由来成分などに含まれる分岐型セルロース)などのセルロース系多糖類が好ましい例として挙げられ、更に各種ヘミセルロースが特に好ましいものとして例示することができる。
本発明における多糖類の使用割合は、CNT成分100重量部に対して10〜100,000重量部が好ましく、より好ましくは50〜10,000重量部、更に好ましくは100〜10,000重量部である。 上記多糖類の使用割合が10重量部未満の場合には、CNTの分散性が満足でないレベルとなる場合があり、また、その量が100,000重量部を超えても分散効果の向上が見られない。
CNTは、繊維直径(D)が1〜1,000nm程度、長さ(L)が0.1〜1,000μm程度、L/Dが10〜1,000程度という大きなアスペクト比を有する径の細長い炭素からなるチューブ状の炭素化合物であり、種々の方法によって製造される。
CNTの製法としては、アーク放電法、レーザー蒸着法および触媒化学気相法(CVD)法などが知られており、非特許文献(「カーボンナノチューブの基礎」、コロナ社発行、斎藤弥八、板東俊治共著)などに詳細が記載されている。特に限定されないが、その中でも、CVD法、特に熱CVD法が気相で連続生産できるため工程がスムーズに進むので好ましい製法である。その場合、600℃〜1,200℃の高温で触媒と炭素源を接触させる方法で触媒を連続的に供給すれば、連続的にCNTを回収することが出来る。
CNTには、単層CNTと多層CNTの2種類がある。単層CNTは、1枚のグラフェン(単原子層の炭素六角網面)が円筒状に閉じた単原子層厚さの単層チューブである。本発明に用いる場合、単層チューブの方がカーボン繊維本数が1014本/gと多く、少量で種々の機能が発現できる可能性があることから好ましい態様である。
具体的なCNTとしては、ハイペリオン(Hyperion)社製の(登録商標)グラファイト フィブリル(Graphite fibril)、昭和電工(株)社製の(登録商標)ベイパー グロウン カーボン ファイバー(VaporGrown Carbon Fiber)、更には、ASISH社製の(商品名)ピログラフ III(Pyrograf III)などがある。
単層CNTは、種々の方法で溶液中に分散させたり溶解させたりすることができるが、本発明では多糖類を含む溶液中での極めて優れた分散性を発現させるために、CNT表面を修飾することが好ましい。しかしながら、単層CNT表面の修飾の程度を過度に上げた場合、抵抗値などの電気特性や機械特性を損なうことがあるため、この点を考慮すると修飾の程度は最小限にするのが好ましい。
本発明ではCNT分散性に優れる多糖類を用いているため、修飾の程度の低いCNTであっても比較的良好に溶液中に微分散させることができる。そして、CNTを溶液中に微分散させた状態で重力方向に電界を印加して当該溶液中のCNTを重力方向に配向させつつ泳動させた後、電界を印加しつつ当該溶液を乾燥させるので、CNTを一定の方向に配向させ且つ配向方向(製造時における重力方向)と直交する方向に良好に分散させた状態で保持したCNT保持体を得ることができる。
また、多層CNTは表面修飾程度を上げて極めて良好な微分散性を保ちつつ、CNTとしての種々の特性を発現することが出来る好ましい態様である。多層CNTは最表面の修飾の程度が高くても内部のグラファイト層はそのまま残っており、また電子はグラファイトの層間を飛び越えながら移動できるため、抵抗値などの電気特性を良好に維持することができる。また、機械強度も表面修飾の影響を受けにくい。
表面修飾したCNTとして、CNT外表面に少なくとも1種類以上の官能基を有するCNTが例示される。官能基の種類は特に限定されないが、例えば、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホン基およびエーテル基などを例示することができる。CNTを表面修飾する方法として、例えば、プラズマ処理が好ましく例示される。プラズマ処理方法は特に限定されないが、例えば、公知の低温プラズマ処理があり、これは処理空間内にCNTと処理するガスを供給した状態で高電圧を印加して発生するプラズマによりCNTを処理する方法である。プラズマ発生ガスは特に限定されないが、有機ガスと無機ガスが目的に応じ単独あるいは混合されて用いられる。プラズマ発生ガスとしては、例えば、酸素、窒素、水素、アンモニア、メタン、エチレンおよび四フッ化炭素など挙げられる。また、処理装置は特に限定されるものではなく、公知の内部電極方式または外部電極方式の処理装置を使用することができるが、電極の汚染のない点から外部電極方式の処理装置が好ましい。処理圧力、電源周波数および処理能力などの条件は特に限定されるものではなく、目的に応じ好ましく選定すればよい。
[CNT保持体]
図57は、図47〜図50、図54〜図56のCNT保持体を加工することにより最終的に得られたCNT保持体を示している。加工には、乾燥後のセルロース層(紙)の層厚調整(スライシング、エッチング、表面切削、等)、CNTの先端を露出させる処理(CNTの先端側のセルロース層表層の樹脂およびセルロースの除去)、および金属微粒子層を露出させる処理(金属微粒子層側のセルロース層表層の樹脂およびセルロースの除去)、等が含まれる。セルロース層(紙)には、不燃樹脂の被覆あるいは含浸による不燃処理が施されている。このCNT保持体は電解放出型表示装置の陰極保持体に適用できる。
図58は、前述のいずれかのセルロース層(紙)中に、CNTおよび金属微粒子を分散させた樹脂(非固化状態の樹脂)を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に部分的に電圧を印加する(電位差を発生させる。電界を作用させる。)ことにより、当該セルロース層(紙)中のCNTを部分的に一定の方向(重力方向)に配向させつつ泳動させた後、当該セルロース層(紙)を乾燥させることにより得られたCNT保持体を、図47〜図50、図54〜図56のCNT保持体と同様に加工することにより最終的に得られたCNT保持体を示している。このCNT保持体は、CNTが一定の方向に配向している領域(起毛領域、電界により配向させつつ電氣泳動させた領域)と、CNTがランダムに配向している(倒れている)領域(伏毛領域)とを有している。
本発明に係るCNT保持体を電子放出装置に使用することで、異常放電が起こりにくく信頼性の高い電子放出装置を提供できる。
[カソードパネル]
図59は、本発明のCNT保持体をFEDの背面板(コールドカソードパネル)のCNT膜(コールドカソード)に適用した例を示す部分断面図である。背面板は、基板、画素電極、およびCNT膜を有して構成されている。CNT膜は、その周囲部分と中央部分とで、表面の性質が異なっている。すなわち、CNT膜の中央部は、CNT膜表面に対してCNTが垂直方向に配向して生えた状態の表面(起毛表面)になっている、一方、CNT膜の周辺部分は、CNTが伏せた状態の表面(伏毛表面)になっている。CNT膜の金属微粒子層は、CNTと画素電極とを電気的に良好に接続するコンタクト層として機能している。図59の例では、基板に凹部が形成され、その凹部の底面部に画素電極およびCNT膜が設けられているが、フラットな基板表面に画素電極およびCNT膜を設けてもよいことは無論である。
[カソードパネル]
図60は本発明のCNT保持体を備えたカソードパネルの形態例を示す断面図、図61はその正面図である。図60に示すように、カソードパネル10は、ガラス基板11、金属配線12、CNT膜(CNT保持体)13で構成されている。ガラス基板11は、その厚みが1mmで、一辺の大きさが10mmである。また、金属配線12は、図61に示すように、外部引出しパッド16として200μm角の領域を有し、そのパッドと、500μm角のCNT膜下地部分17との間を、幅50μm、長さ200μmの配線18でつないでいる。
金属配線12は、厚みが1μmの金配線であり、その金の表面は、厚み100nmのチタンでコーティングされている。また、CNT膜13は、厚みが3μmで、大きさは400μm角である。CNT膜13の外周と金属配線12の外周との距離は、50μmである。CNT膜13は、その周囲部分と中央部分とで、表面の性質が異なっている。すなわち、中央部は、CNT膜表面に対してCNT結晶が垂直方向に配向して生えた表面を有している。
CNT膜13の中央部には、細長い結晶構造を有するシングルウォールCNTが、膜表面に対してほぼ垂直方向に数多く突き出す姿勢で並んでいる。これは、髪の毛が立っている状態を連想させる姿勢であるため、立毛表面状態と呼ばれる。
一方、CNT膜13の周辺部分は、伏毛表面15、すなわち、CNTの結晶(髪の毛に例えられる繊細な構造)が伏せた状態になっている。CNT膜13の表面は、厚さ約600nmのアルミニウムで被覆されている。
このように、CNT膜13の表面に、金属膜等の固体の膜を被せて伏毛表面を形成する場合もあるが、CNT膜13の表面に固体の膜を被せずに、伏毛表面を形成する場合もある。金属膜を被せないで伏毛表面を形成する例としては、CNT膜をエタノールに浸漬する方法がある。なお、エタノールに限らず、イソプロピルアルコール、純水、塩酸等の液体に浸漬することで、伏毛表面になる。また、浸漬する方法以外に、スプレーでエタノールを噴霧する方法もある。
これに類似する技術として、従来技術の中には、エッジ部分を絶縁物質でカバーする方法がある。しかし、この方法では、絶縁物質に放射電子やイオンが照射されることで、その絶縁物質がチャージアップし、電子の軌道が曲がったり、放電破壊のエネルギーが蓄積されたりする。本発明に係る技術は、このような絶縁膜を用いないものである。
従来の他の類似技術によれば、作成したCNT膜が、部分的に電子放出が多かったり、少なかったりする場合がある。また、電子放出を報告する科学論文の記事に掲載されている電子放出現象は、大概、不均一な電子放出である。このような現象が、本発明に係る技術と一見類似した現象のように見られる懸念がある。すなわち、科学論文に掲載されている現象は、人工的でない不均一現象である。かかる現象は、ある時刻では、ある部分から電子が出ているが、しばらくすると、その電子放出点が消滅して、別の場所から電子放出するという現象である。この現象は、制御されていない、予想不可能な現象である。
これに対して、本発明に係る技術は、人工的な作用によって、ある特定表面からの電子放出を抑制したり、あるいは反対に、ある特定の面のCNTを垂直に配向させて、電子放出を促進させたりする技術である。
この形態例のカソードパネル10を用いて、実際に蛍光体に電子を照射したときの様子を説明する。図62は、この形態例のカソードパネル10を用いたFEDを、破断線AーA’で切断したときの切断側面を示し、また、図63は、同じく破断線BーB’における切断側面図である。
図62において、蛍光体21として表した部分は、蛍光体と導電膜を組み合わせた構造を有する。この構造には、電流計23を介して、電源22の陽極が接続されている。また、カソードパネル10の金属配線12には、電源22の陰極が接続されている。そして、カソードパネル10と蛍光体21は、1×10-4Pa〜1×10-6Paの範囲の圧力で、真空に維持してある。
CNT膜13の中央部分の平坦部分から放出された電子は、図62において実線の矢印で示す電子軌跡として描いたように、蛍光体21に向けて直進する。その結果、蛍光体21に照射された電子は、蛍光体21を励起発光させる。これに対して、膜のエッジ部から電子を放出させると、その電子は、同図において破線矢印で示すような電子軌道を描き、エッジから膨らんだ曲線状に飛行する。
しかし、この形態例のカソードパネル10では、CNT膜13のエッジ部分(周辺部分)の表面を伏毛表面にして、電子を放出しにくくしているため、実際には、図62において破線で示すような電子放出は生じない。結果として、CNT膜13の平坦部からの電子放出だけが得られることになる。
なお、CNT膜13は、CNTの直径がナノメートルオーダーで、かつ、マイクロメートルオーダーの長い筒形状の端部で電界集中が生じるので、低電界で電子が放出される。また、伏毛表面では、その端部が下向きや横向きになっており、隣接するCNT結晶と絡み合って、その下側に潜る位置にあったりすることで、電界が集中しにくい。一方、立毛表面では、その端部がCNT表面に対して垂直方向に立つ姿勢をとるので、電界が集中しやすい。
図63に示す断面構造は、図62に比べて金属配線12の形状が異なる以外、その特徴は、図62に示すものと類似している。図63において、金属配線12のパッド、およびそのパッドへのワイヤー(電源22と金属配線12とを結んでいる曲線)が存在することで、蛍光体21と金属配線12との間に形成される等電位面(図中、水平方向に延びる多数の線で示す)が、図63に示すように左右非対称である。すなわち、図63の右半分では、等電位面が上に凸であるが、左半分では、下に凸である。
エッジ部から放出され、破線で描いた軌跡を辿る電子(上記のように、実際には放出されない)は、図63の右半分では、電子がCNT膜13からはみ出す方向に曲がって飛行する。これに対して、左半分では、電子がCNT膜13の中央方向に曲がって飛行する。
以上説明したように、この形態例では、曲がって飛行する電子が放出される領域であるCNT膜13のエッジ部分を、伏毛表面にすることで、曲がる電子を放出しないコールドカソードを実現している。
[応用例]
本発明のCNT保持体の用途はFEDのカソード保持体(コールドカソード)に限定されない。
本発明のCNT保持体は、有機ELディスプレイ用のフレキシブル基板(有機EL素子の支持体、電極支持体、等)、電子ペーパ用のフレキシブル基板(電極支持体、不揮発性表示媒体の支持体、等)、液晶ディスプレイ用のフレキシブル基板などとして利用できる。
本発明のCNT保持体は、電子回路の基板や筐体材料、電波遮蔽用のフィルムやシート、等、多種多様な用途に用いることができる。
[補足説明]
ホヤセルロースの採取方法について説明する。
ホヤ の外被をカッター等で切断して5〜20mm程度の大きさにする。この切断片をホモジナイザーやミキサー等の粉砕装置を用いて粉砕する。処理時間は数分程度であり、粉砕の結果繊維状のスラリーが得られる。次に蛋白質を除去するために粉砕されたスラリーを例えば0.25N程度のNaOH溶液中で加熱し、還流装置で2〜8時間程度処理を行う。
蛋白質除去後、塩酸、硫酸等の酸で中和し、蒸留水で洗浄する。次に脂肪を除去するために、たとえばエーテルとエタノールの混合溶液(体積比 1:1)中で加熱し、ソックスレー抽出器等を用いて約4時間処理を行う。次に、高圧ホモジナイザー、ディスクファイナー、ジョルダン、ビータ等を用いてミクロフィブリル化を行う。
機種の選定は所望の叩解度の微細繊維が得られることを基準にすれば良い。以上の装置のうち、高圧ホモジナイザーは特に高剪断力が得られるため材料の微細化に特に優れている。
得られたセルロース質の微細繊維は、安定な水懸濁液を形成し、2%固形分懸濁駅で通常のB型粘度計を用いた測定によると2000cpの値を示し、0.5%固形分まで希釈しても水の分離層を形成しない。
この状態のセルロース質の微細繊維は、その大部分が直径0.1μm以下の微細繊維である。
本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面に、マトリクス状に整然と配列された透明電極群を有している。各透明電極は、ホヤセルロースシートを隔てて互いに対向する透明電極とペアで駆動される。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面にシート状の透明電極を有している。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面に、マトリクス状に整然と配列された透明電極群を設け、それを更に偏光子で挟んだ構造になっている。各透明電極は、ホヤセルロースシートを隔てて互いに対向する透明電極とペアで駆動される。この図では偏光子が透明電極群の外側に配置されているが、透明電極群を偏光子の外側に配置してもよい。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面にシート状の透明電極を設け、それを更に偏光子で挟んだ構造になっている。この図では偏光子が透明電極群の外側に配置されているが、透明電極群を偏光子の外側に配置してもよい。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面に、マトリクス状に整然と配列された透明電極群を有している。透明電極群は、フレキシブルな透明シートに保持されている。各透明電極は、ホヤセルロースシートを隔てて互いに対向する透明電極とペアで駆動される。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面にシート状の透明電極を有している。透明電極は、フレキシブルな透明シートに保持されている。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面に、マトリクス状に整然と配列された透明電極群を設け、それを更にフレキシブルな偏光子で挟んだ構造になっている。透明電極群は、フレキシブルな透明シートに保持されている。各透明電極は、ホヤセルロースシートを隔てて互いに対向する透明電極とペアで駆動される。この図では偏光子が透明電極群の外側に配置されているが、透明電極群を偏光子の外側に配置してもよい。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面にシート状の透明電極を設け、それを更にフレキシブルな偏光子で挟んだ構造になっている。この図では偏光子が透明電極群の外側に配置されているが、透明電極群を偏光子の外側に配置してもよい。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、温度によって色が変化する液晶をホヤセルロースシートに含浸させてなる。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶層をホヤセルロース層で挟んだ構造になっている。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面に、マトリクス状に整然と配列された透明電極群を有している。透明電極群は、ホヤセルロース由来のファイバーで補強したフレキシブル透明ポリマーシート(本発明のフレキシブル透明基板)に保持されている。各透明電極は、ホヤセルロースシートを隔てて互いに対向する透明電極とペアで駆動される。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面にシート状の透明電極を有している。透明電極は、ホヤセルロース由来のファイバーで補強したフレキシブル透明ポリマーシート(本発明のフレキシブル透明基板)に保持されている。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面に、マトリクス状に整然と配列された透明電極群を設け、それを更にフレキシブルな偏光子で挟んだ構造になっている。透明電極群は、ホヤセルロース由来のファイバーで補強したフレキシブル透明ポリマーシート(本発明のフレキシブル透明基板)に保持されている。各透明電極は、ホヤセルロースシートを隔てて互いに対向する透明電極とペアで駆動される。この図では偏光子が透明電極群の外側に配置されているが、透明電極群を偏光子の外側に配置してもよい。 本発明の液晶デバイスの形態例を示す分解斜視図である。この液晶デバイスは、液晶を含浸させたホヤセルロースシートの両面にシート状の透明電極を設け、それを更にフレキシブルな偏光子で挟んだ構造になっている。透明電極は、ホヤセルロース由来のファイバーで補強したフレキシブル透明ポリマーシート(本発明のフレキシブル透明基板)に保持されている。この図では偏光子が透明電極群の外側に配置されているが、透明電極群を偏光子の外側に配置してもよい。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の製造方法を例示する工程図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体の形態例を示す断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体を電界放出型表示装置のコールドカソードに適用した例を示す部分断面図である。 本発明のカーボンナノチューブ保持体を備えたカソードパネルの形態例を示す断面図である。 図60に示すカソードパネルの正面図である。 図61のAーA’断面図である。 図61のBーB’断面図である。
符号の説明
13:CNT膜(CNT保持体)

Claims (26)

  1. 少なくとも構成要素の一部に紙と液晶を含むデバイスであって、
    前記紙が、ホヤセルロースを含有するものである液晶デバイス。
  2. 前記紙が、バクテリアセルロース及び/又は平均直径10μm以下の植物由来微細繊維状セルロースを含有する請求項1の液晶デバイス。
  3. 前記紙に液晶を含浸した複合体デバイスである請求項1または2の液晶デバイス。
  4. 前記紙の層と液晶の層とを互いに積層した積層体デバイスである請求項または2の液晶デバイス。
  5. 前記液晶が、ネマティック液晶、スメクティック液晶、またはコレステリック液晶、または強誘電性液晶である請求項1〜4のいずれかの液晶デバイス。
  6. 前記紙が、シート状の紙、粉砕された状態の紙、またはゲル状の紙である請求項1〜5のいずれかの液晶デバイス。
  7. 透明ポリマー材料からなるフレキシブル透明基板であって、
    透明ポリマー材料が、ホヤセルロース由来のファイバーを含有しているフレキシブル透明基板。
  8. 透明ポリマー材料が、バクテリアセルロール由来のファイバーを含有している請求項7のフレキシブル透明基板。
  9. 請求項1〜6のいずれかの液晶デバイスを備えた表示デバイス。
  10. 請求項1〜6のいずれかの液晶デバイスを備えた記録デバイス。
  11. 請求項1〜6のいずれかの液晶デバイスを備えたセンサーデバイス。
  12. 請求項7または8のフレキシブル透明基板を備えた表示デバイス。
  13. 請求項7または8のフレキシブル透明基板を備えた記録デバイス。
  14. 請求項7または8のフレキシブル透明基板を備えたセンサーデバイス。
  15. バクテリアセルロース及び/又はホヤセルロースを含有したセルロース層を有し、当該セルロース層中に、カーボンナノチューブを分散させた樹脂を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電界を印加することにより、当該当該セルロース層中のカーボンナノチューブを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を硬化させて得られるカーボンナノチューブ保持体。
  16. バクテリアセルロース及び/又はホヤセルロースを含有したセルロース層中に、カーボンナノチューブを分散させた樹脂を含浸させ、その状態で、当該セルロース層に電界を印加することにより当該セルロース層中のカーボンナノチューブを一定の方向に配向させつつ泳動させた後、当該樹脂を硬化させる、カーボンナノチューブ保持体の製造方法。
  17. カーボンナノチューブを分散させた多糖類の溶液に重力方向に電界を印加することにより当該溶液中のカーボンナノチューブを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該溶液を乾燥させて得られるカーボンナノチューブ保持体。
  18. バクテリアセルロース及び/又はホヤセルロースを含有したセルロース層を有し、当該セルロース層中に、カーボンナノチューブを分散させた多糖類の溶液を含浸させた状態で、当該セルロース層に重力方向に電界を印加することにより当該セルロース層中のカーボンナノチューブを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該セルロース層を乾燥させて得られるカーボンナノチューブ保持体。
  19. 前記多糖類がセルロース系多糖類である請求項17または17のカーボンナノチューブ保持体。
  20. 前記セルロース系多糖類がヘミセルロース類である請求項19のカーボンナノチューブ保持体。
  21. 前記ヘミセルロース類がトロロアオイまたはノリウツギから抽出される成分である請求項20のカーボンナノチューブ保持体。
  22. カーボンナノチューブを分散させた多糖類の溶液に重力方向に電界を印加することにより当該溶液中のカーボンナノチューブを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該溶液を乾燥させる、カーボンナノチューブ保持体の製造方法。
  23. バクテリアセルロース及び/又はホヤセルロースを含有したセルロース層に、カーボンナノチューブを分散させた多糖類の溶液を含浸させた状態で、当該セルロース層に重力方向に電界を印加して当該セルロース層中のカーボンナノチューブを重力方向に配向させつつ泳動させた後、当該セルロース層を乾燥させる、カーボンナノチューブ保持体の製造方法。
  24. 前記多糖類がセルロース系多糖類である請求項22または23のカーボンナノチューブ保持体の製造方法。
  25. 前記セルロース系多糖類がヘミセルロース類である請求項24のカーボンナノチューブ保持体の製造方法。
  26. 前記ヘミセルロース類がトロロアオイまたはノリウツギから抽出される成分である請求項25のカーボンナノチューブ保持体の製造方法。
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