JP2005326603A - 光通信装置 - Google Patents

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栄一 伊藤
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Abstract

【課題】 LDからの光をファイバ入射端面のコア部に導くための位置調整を簡易かつ迅速にすることができ、さらにはLDからの光が形成するスポットとコアの高精度な位置決めも迅速に達成できる光通信装置を提供することを目的とすること。
【解決手段】 光通信装置は、光源と、光ファイバと、光源と光ファイバとの間に配設され、少なくとも一面に、入射した光を入射端面に良好に収束させる内側領域と、入射した光を拡散させる外側領域とを有する集光レンズと、集光レンズを介して光が入射端面で形成するスポットを、該端面上で走査する移動手段と、入射端面を介して入射する光を受光する受光手段と、受光手段により受光された光が所定の条件を満たすまで前記移動手段を駆動制御する制御手段を有する構成にした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザ(以下、LDと記す)から照射される光を利用して光通信を行う光通信装置の構成に関する。
光通信装置は、LDで発光し情報による変調を施された光を光ファイバに伝達させる為の装置であり、LD、LDからの光を集光させるレンズ、光ファイバ等の光学部品から構成される。光ファイバー通信を加入者宅内に引き込む回線終端装置(ONU;Optical Network Unit)として使用される光通信モジュールでは、一般的に、送受信を一本の光ファイバで行う双方向型の通信に対応するため、光通信モジュール内にさらに受光素子や、異なる波長の光を分離するためのWDM(Wavelength Division Multiplex)フィルタ等が備えられる。
このような光通信モジュールでは、LDからの光を光ファイバのコアの略中心に集光させるため、LDは、コア径が数μmの光ファイバに対して高精度で位置決めされる。そして通常、これらの光学部品は溶着あるいは接着剤を用いて堅固に固定される。従来の位置調整方法としては、例えば、下記の特許文献1に開示される。
特開平6−94947号公報
特許文献1に開示される位置調整方法によれば、光ファイバから射出された光の光量を検出し、最も該光量が多い状態をもって、コアの略中心にLDからの光が入射していると判断する。
しかしながら、一般にファイバ入射端面におけるコア部とクラッド部の境界を判別するのは困難である。また、ファイバ入射端面において、コア部はクラッド部に比べて非常に小さい。そのため特許文献1に記載の方法を使用するためには、光ファイバから射出された光の光量が検出されるまでLDと光ファイバの相対的な位置調整を試行錯誤で繰り返さなければならず手間と時間がかかり効率が悪かった。従って必然的に、光通信に好適なスポットとコアの位置関係、つまりスポット中心とコア中心が一致した関係を確保するまでの手間や時間もかかってしまった。
以上の諸事情に鑑み、本発明は、LDからの光をファイバ入射端面のコア部に導くための位置調整を簡易かつ迅速にすることができ、さらにはLDからの光が形成するスポットとコアの高精度な位置決めも迅速に達成できる光通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本願発明に係る光通信装置は、情報により変調された光を照射する光源と、光が入射する入射端面を持ち、入射端面におけるコア部に入射した光を透過する光ファイバと、光の光路上、光源と光ファイバとの間に配設され、入射した光を入射端面に良好に収束させる内側領域と、入射した光を拡散させる外側領域とを有する集光レンズと、集光レンズを介して光が入射端面で形成するスポットを入射端面上でもれなく移動させる移動手段と、入射端面を介して入射する光を受光する受光手段と、受光手段により受光された光が所定の条件を満たすまで移動手段を駆動制御する制御手段を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、集光レンズを介した光が光ファイバの入射端面に形成するスポットは、主として内側領域を透過した光が入射端面に入射することにより形成される、ガウス分布の中心近傍の強度と略同一の高い強度を持つ中央部と、外側領域を透過した光が入射端面に入射することにより形成される、該中央部の周囲であって、ガウス分布よりも大きな広がりを持つ周辺部とからなる。つまり、本発明に係る装置で形成されるスポットは、従来の光通信装置の構成において、光ファイバの入射端面で形成されるスポットよりも巨大化される。このように本発明によれば、入射端面上に形成されるスポットは、光通信に好適な強度を保持しつつも、迅速に初期の位置調整を達成するのに相応しい状態にある。このようなスポットを入射端面上で走査することにより、走査範囲を広く取ることができるため、従来の初期の位置調整よりも短時間かつ簡易に入射端面におけるスポットをコア部近傍に導くことが可能になる。結果として、本発明によれば、スポット中心とコア中心を一致させる高精度な位置決めも迅速に達成される。
請求項2に記載の発明によれば、移動手段は、スポットを主走査方向に移動させると共に、所定ピッチで主走査方向と直交する副走査方向にずらすことにより、入射端面上でスポットを走査させている。そして、スポットの周辺部は、少なくとも主走査方向と交わる方向に広がりを持てばよい。
上記のようなスポットを形成するために、外側領域は、入射した光束に前記内側領域よりも大きな収差を付与するように構成することができる(請求項3)。該収差としては、例えば球面収差や非点収差が例示される。非点収差を付与する場合、外側領域を透過した光により形成されるスポットの長手方向が副走査方向と一致するような非点収差であることが望ましい。
他にも、上記のようなスポットを形成するために、外側領域は、内側領域とは異なる焦点距離を有するように構成したり、内側領域よりも入射した光を収束させる性能を低く抑える回折構造を持つ構成にしたりしてもよい。
各領域が上述した特徴を有するためには、内側領域と外側領域は、集光レンズにおける少なくとも一方の面において、それぞれ異なる面形状を有することにより区別される。より詳しくは、内側領域は、入射した光を入射端面に良好に収束させるような面形状にして、外側領域は、内側領域とは異なる面形状にする。他にも、内側領域と外側領域で屈折率を変える構成にしてもよい。詳しくは、内側領域は、入射した光を入射端面に収束させるような屈折率に設定し、外側領域は、内側領域とは異なる屈折率に設定する。なお、屈折率を変えることにより二つの領域が形成された集光レンズの製造方法としては、グレートインデックスレンズ・ファイバーの製造方法に準ずる方法が想定される。例えば領域が分割されていない通常のレンズの外側領域または内側領域の一方ににゲルマニア(GeO2)やホウ素(B)、フッ素(F)等をドープする。これにより、内側領域と外側領域の屈折率差を発生させることができる。
内側領域と外側領域が異なる面形状として構成される場合、内側領域と外側領域は、互いの形状が、内側領域と外側領域の境界位置において略連続となるように構成されることが望ましい(請求項10)。例えば、外側領域は、内側領域側に内側領域の面形状から外側領域の面形状に連続して変化する面形状を持つ中間領域を有するように構成することができる(請求項11)。該中間領域は、例えば一次微分が連続した面形状として表される(請求項12)。
また、光ファイバは、入射端面が該端面で反射した光が反射位置に対応した光強度分布を持つように構成されており、受光手段は、入射端面で反射した光を受光するように構成することができる(請求項14)。具体的には、入射端面において、コア部とクラッド部間に所定寸法の段差を形成する(請求項15)。所定寸法は、反射光が段差によって回折するような寸法であることが望ましい(請求項16)。このような構成の場合、制御手段は、受光手段により受光された光の強度分布が基準分布が有する所定の特徴を有するまで移動手段を駆動制御するとよい(請求項17)。ここで、光強度分布が基準分布と略一致するまで駆動制御すれば、スポットをコア近傍に導く初期の位置調整だけでなく、該スポットの中心と該コアの中心が一致するような高精度な位置決めまで自動的に行うことができる(請求項18)。
より詳しくは、上記の所定寸法は、光の波長をλとし、媒質の屈折率をnとすると、略λ/(4n)よりも小さい値、例えば略λ/(8n)に設定される。また、入射端面における段差は、コアがクラッドよりも突出することにより形成されても良く、コアがクラッドよりも凹むことにより形成されても良い。コアを突出あるいは凹ませるためにはフォトリソ技術を用いることができる。なお、より高精度な位置決めを実現するためには、コアの端面とクラッドの端面とを略平行になるように加工することが好ましい。
また、光ファイバは、該光ファイバ内に入射した光の一部を取り出し自在に構成されており、受光手段は、光ファイバから取り出された光の一部を受光するように構成することができる(請求項19)。このような構成の場合、制御手段は、受光手段により受光された光の光量が所定値以上になるまで移動手段を駆動制御するとよい(請求項20)。
請求項21に記載の発明によれば、集光レンズは、入射端面に入射した光をコア内に有効に取り込むための最大開口数をNA0、集光レンズと入射端面間の距離をLとすると、内側領域の径φは、以下の条件(1)、
φ≦NA0×2L・・・(1)
を満たすように構成される。集光レンズの内側領域が条件(1)を満たすように構成することにより、内側領域と外側領域の境界を、初期の位置調整を迅速化するためのスポットの巨大化を行うと同時に光通信に好適な強度の光を十分にコア部へ導けるような適切な位置に設定することができる。
また、移動手段としては、集光レンズや光源、もしくは光ファイバを駆動することにより、スポットを入射端面上で走査させてもよい。他にも、移動手段は、集光レンズとファイバ端面の間に設置され、入射光束を第一の方向および第二の方向に偏向する透過型偏向部材を有する構成にしても良い。透過型偏向部材としては、頂角を変化させることができる頂角可変プリズムが例示される。
以上説明したように本発明によれば、光通信に必要十分な光強度を中心に有しつつも、従来の光通信装置において入射端面に形成されるスポットよりも大きなスポットを形成することにより、走査範囲を広く確保することができる。これにより、送信用の信号光の光ファイバの入射端面上での入射位置をコア部に導く初期の位置調整が短時間でかつ簡易に実行することができる。
図1は、本発明の第一実施形態としての光通信モジュール10の構成を表す図である。光通信モジュール10は、光ファイバー通信を加入者宅内に引き込むONUとして用いられる。例えば光通信モジュール10は、一本の光ファイバで上り信号として波長1.3μmを送信し、下り信号として1.5μmの信号を受信するように構成された、双方向のWDM伝送に対応した光通信モジュールである。第一実施形態の光通信モジュール10は、LD、集光レンズ2、および光ファイバ3と、光検出器4、コントローラ5、アクチュエータ6を備える。なお、実際に使用される光通信モジュールは、LDから出力され集光レンズ2を介して光ファイバ3に入射する光束の光ファイバ3での入射角は極めて小さい。しかし図1では、説明の便宜上、該入射角を実際の角度よりも大きく示している。
図1に示す光通信モジュール11において、光ファイバ3の入射端面は、ファイバの延出方向と直交する面以外の面で切断されている。また、LDからの光が入射端面3aに0°以外の入射角で入射するように各部材が配置構成されている。これにより、光通信モジュール10では、偏向部材を用いることなく、入射端面3aからの反射光を光検出器4に導いている。なお、図1に示す構成は、ファイバのカップリング効率が高くかつ製造が容易になるという特徴を有する。なお、光通信モジュール10において、光ファイバ3は、入射端面3aでの屈折現象を考慮し、該ファイバの光軸が集光レンズ2の光軸に対して所定の角度傾くように配設されている。
なお、図1をはじめ各図において、一点鎖線で示す基準軸AXは、光通信モジュール10において位置調整の基準となる中心軸である。第一実施形態では、LDと入射端面3a間における基準軸AXは集光レンズ2の光軸と一致し、入射端面3aと光検出器4間における基準軸AXはコア部3c中心と光検出器4の中心Oを結ぶ線と一致する。つまり第一実施形態の光検出器4は、LDから照射され、コア中心で反射した光線が中心Oに導かれるように配設されている。
LDで発光された光は、集光レンズ2を介して光ファイバ3の入射端面3aに収束し、スポットを形成する。図2は、集光レンズ2の概略構成および光ファイバ3との配置関係を示す図である。図2に示すように、集光レンズ2は、少なくとも一方の面(ここでは光ファイバ3側の面2a)が、光軸AX側に位置する内側領域21と内側領域21よりも外周側にある外側領域22を有する。内側領域21と外側領域22は、入射光束に対する収束性能が異なるような面形状に構成されている。より具体的には、内側領域21は、略無収差で良好に収束する性能をもつ面形状に形成される。また、外側領域22は、内側領域21よりも収束性能が抑えられた面形状に形成される。内側領域21と外側領域22は、互いの境界において滑らかに、換言すれば連続的に接続される。各領域21、22が互いの境界において連続的に接続されるために、必要に応じて、内側領域21の面形状から外側領域22の面形状に連続して変化する面形状を持つ中間領域23を外側領域22に設けることも可能である。このとき、中間領域23は一次微分が連続した面形状となる。
以上のような集光レンズ2を介した光によって入射端面3aに形成されるスポットSは、図3に示すように、主として内側領域を透過した光が収束する中央部S1と、外側領域22を透過した光が入射することにより該中央部の周囲に現れる周辺部S2からなる。スポット中央部S1は、ガウス分布の中心近傍に近似する強度を持つ。またスポット周辺部S2は、反射光が光検出器4によって検出される程度の強度であってガウス分布の広がりよりも広い範囲を持つ。すなわち、内側領域21から射出された光は、大きな強度をもつため、光通信に使用される。一方、外側領域22から射出された光は、主として初期の位置調整時に使用される光であり、光通信には使用されない。なお、図3に示すスポットSは、説明の便宜上、中央部S1と周辺部S2との境界を図示しているが、実際に入射端面3aでは、該境界は表れない。
なお、光ファイバ3の性質上、所定の開口数以上の光はたとえファイバ内に入射したとしても、コアとクラッドの境界で全反射することができず、射出端面(不図示)まで伝送されない。そのため、上記所定の開口数をNA0、内側領域21から射出されて光通信に用いられる光の開口数をNA1とすると、両者には以下の関係が要求される。
NA1≦NA0
ここで、集光レンズと入射端面間の距離をLとすると、上記関係より、内側領域はその径φが、以下の条件(1)を満たすように設計されればよいことが分かる。
φ≦NA0×2L・・・(1)
第一実施形態の内側領域21は、光検出器4による入射端面3aからの反射光の受光精度の向上と、光伝送時のカップリング効率の有効性とのバランスを図るため、入射端面3aで形成されるスポット中央部S1の径が該端面におけるコア部3cの径よりもわずかに大きくなるように設計される。そのため、光が入射端面3aにおいて光伝送効率の最も高い位置にある状態、つまりスポット中心とコア3c中心が略一致している場合であっても、該光のスポット中央部S1(つまり光通信が可能な程度に十分に強度が高い領域)の一部はクラッド3bに形成される。但し、入射端面3aにおいてスポット中央部S1がコア3c内に収まるように内側領域21を設計しても、本発明を実施することができる。
第一実施形態の集光レンズ2は、例えば、図4に示す面形状に構成される。図4は、外側領域22を透過した光が球面収差を持つように設計された集光レンズ2と該集光レンズ2を透過した光の収束状態を示す図である。図4において、内側領域21の最外周(つまり内側領域21における最も外側領域22側)を透過した光線を破線で示し、外側領域22の最外周(つまり集光レンズ2の最外周)を透過した光線を実線で示す。
なお、図4に示す集光レンズ2の内側領域21は、いずれもLDから照射される光が入射端面3aにおいて形成するスポット中央部S1の径が該端面におけるコア部3cの径よりもわずかに大きくなるように設計される。
図4に示すように、外側領域22を透過した光が球面収差を持つように設計された集光レンズ2を用いると、各領域21、22いずれを透過した光線も入射端面3a近傍で良好に収束する。外側領域22も内側領域21と同様、正のパワーを持つ面形状として構成される。従って、外側領域22を透過した光も収束はする。しかし、外側領域22を透過した光は、球面収差が発生するため、その収束度合いは、内側領域21を透過した光よりも小さくなる。そこで、本文では、内側領域22を透過した光の収束と明確に区別するために、便宜上、外側領域22を透過した光は広範囲に拡散しつつ入射する、と説明する。図5は、図4に示す集光レンズ2を透過した光が入射端面3aで形成するスポットの強度分布である。図5に示すように、スポット中央部S1は、主として内側領域21を透過した光によって高い強度を示す。またスポット周辺部S2は、外側領域22を透過した光によって広範囲にわたっていることがわかる。
LDで発光された光は、上記構成の集光レンズ2を介して光ファイバ3の入射端面3aに入射する。ここで集光レンズ2は、コントローラ5の制御下、アクチュエータ6によって、光軸に垂直な面内の一つの軸方向(X’方向)および該X’方向と直交するY’方向で移動可能な状態にある。つまり、上記スポットは、該レンズ2の駆動する方向に応じて入射端面3a上を移動する。以下、スポットの移動方向のうち、集光レンズ2のX’方向、Y’方向への各移動に対応する方向をそれぞれX方向、Y方向という。
なお、本明細書では上記スポットの駆動方向(X方向、Y方向)を基準として位置関係および方向を説明する。本実施形態の構成では、LD側から入射端面3aを見た場合、コア3cの位置の左方向をX(+)方向、右方向をX(−)方向とする。また、コア3cの位置の上方向をY(+)方向、下方向をY(−)方向とする。
また図1に示すように、入射端面3aは、コア3cがクラッド3bの面に対して略直交する方向(光ファイバ3の光軸方向)に突出することにより段差が形成されている。また入射端面3aは、突出したコア3cの面とクラッド3bの面とが略平行になるように加工される。本実施形態では、フォトリソ技術を用いることにより入射端面3aを上記形状に加工している。段差の寸法は、λ/(4n)よりも小さい値に設定される。但し、λは入射する光の波長で、nは媒質の屈折率である。このように段差の寸法を設定することにより、スポット径がコア径よりも若干大きくなるように集光された光束が、突出したコア3cの面とクラッド3bの面の双方に入射すると、回折現象が起こる。なお本実施形態では、該媒質を空気と想定する。従って、本実施形態では上記所定寸法を略λ/8に設定する。
光通信モジュール10は、入射端面3aで反射する光を光検出器4に導く。そのため、光通信モジュール10では、LDからの光が入射端面3aに0°以外の入射角で入射するように構成している。これにより、入射端面3aで反射した光の光路は入射端面3aに入射する光の光路と異なる。光ファイバ3の入射端面3aで反射した反射光は、光検出器4に入射し、回折パタンを形成する。
本実施形態は、光検出器4として4分割フォトディテクタを使用する。具体的には、図6に示すように、受光面4aは、該受光面4aの中心Oで互いに直交する二本の境界線4b、4cによって、4つの格子状の受光エリアA〜Dに分割されている。光検出器4は、上記二本の境界線4b、4cの延出方向を、それぞれX”方向、Y”方向とする。本実施形態では、入射端面3aに形成されるスポットのX方向、Y方向への移動により、光検出器4上に表れるパターンの強度分布が変動する方向を、X”方向とY”方向に一致するように、光検出器4を配置している。なお入射端面3aと光検出器4との間には、反射光が4つの受光エリアA〜D内に入射するように、所定の光学系(不図示)が配置されている。光検出器4は、受光エリアA〜Dごとに受光した光量に対応する電圧信号をコントローラ5に出力する。コントローラ5は、各電圧信号から光検出器4によって受光された光の強度分布を生成する。
なお、図6に示すように、受光面4a上における中心Oを通りY”方向に延出する境界線4bを基準として受光エリアA、D側がX”(+)方向、受光エリアB、C側がX”(−)方向という。同様に受光面4a上における中心Oを通りX”方向に延出する境界線4cを基準として受光エリアA、B側がY”(+)方向、受光エリアC、D側がY”(−)方向という。
光通信モジュール10では、各部材を組み付ける際、LDからの光が集光レンズ2を介して入射端面3aのコア部3cに入射するように、換言すれば光通信が実現するように、入射端面3aでのスポットをコア部3c近傍に導くための位置調整(初期の位置調整)が行われる。本実施形態では、スポットがコア3c近傍に導かれると引き続き、スポット中心をコア中心に一致させる高精度な位置決めを行う。なお、本実施形態において、初期の位置調整は光通信モジュール10の電源投入時や予期せぬ外乱によってスポットとコアの位置関係に大きなずれが生じた場合に行われるものと想定する。これに対し、高精度な位置決めは光検出器4からの出力に基づく負帰還制御によって常時実行されるものと想定する。そこで本文では、上記の高精度な位置決めに関する制御を、リアルタイム制御という。以下、初期の位置調整からリアルタイム制御までの一連の位置決め処理を順に説明する。
図7(A)は、従来の光通信モジュールの初期の位置調整時に、入射端面におけるスポットの動作を、図7(B)が第一実施形態の光通信モジュール10の初期の位置調整時に、入射端面3aにおけるスポットの動作を、それぞれ説明する図である。
図7(A)、(B)に示すように、初期の位置調整は、入射端面3aにおいてスポットを基準軸AXと直交するX方向(主走査方向)に所定距離スポットを移動させた後、基準軸AXおよびX方向の双方に直交するY方向(副走査方向)に該スポットをずらし、再度主走査方向にスポットを移動させることにより実行される。従って、入射端面3a上で、もれなくスポットを走査させるためには、互いに隣接する主走査方向に移動するスポットの軌跡の間隔つまり走査ピッチをスポット径よりも小さくする必要がある。つまり、副走査方向の走査ピッチはスポット径に依存する。
図7(A)に示すように従来の光通信モジュールでは、集光レンズを透過した全ての光を良好に収束させて、コア径d0と略同一径のスポット(スポット径d1)を形成している。そのため、走査ピッチP1は、スポット径D1に対応して非常に小さい値に設定せざるを得ない。従って、初期の位置調整のために必要なスポットの走査時間(走査距離)は、長くなってしまう。
これに対し、第一実施形態の光通信モジュール10によれば、図7(B)に示すように、集光レンズ2の外側領域22を透過した光によって、スポット全体の径d2がコア径d0よりも十分に大きくなっている。なお、ここではスポット径d2はコア径d0の約3〜4倍程度になるように外側領域22は構成される。これにより、走査ピッチP2は従来よりも大きな値に設定することができる。つまり、スポットをより迅速にコア3c近傍に導くことができる、換言すれば初期の位置調整のために必要なスポットの走査時間(走査距離)が短くてすむ。
図8(A)〜(F)は、X方向に関する一連の位置決め処理について説明するための図である。図8(A)〜(F)の左側は、入射端面3aにおける光の入射状態を示し、図8(A)〜(F)の右側は、左図に示す各光の入射状態時に光検出器4からの出力に基づいてコントローラ5により生成される光強度分布を示す。
図8(A)〜図8(F)に示すように、光強度分布は、入射端面3aにおける光の入射位置(スポットの位置)により異なる。つまり、コントローラ5が生成する光強度分布は、スポットとコア3cとのずれに対応して変化する。より詳しくは、スポットが完全にクラッド3bに位置している状態では(図8(A))、いわゆるガウス分布に近似する光強度分布が生成される。そして、該スポットがコア部3cに近接すると(図8(B)以降)、クラッド部3bとコア部3cとの段差によって回折現象が発生する。従って、光強度分布は、中央に大きい強度を示していた0次光が徐々に弱くなり、逆に該回折現象によって発生した1次光の強度が大きく表れてくる。つまり、光強度分布に変化が生じる。
そこで、コントローラ5は、生成される光強度分布に変化が生じるまで、上述したスポットの入射端面3a上での走査を実行する。これにより、スポットの少なくとも一部をコア3cに位置させる。
図8(B)に示すように、スポットの一部がコア3cに位置した状態で(つまり初期の位置調整が完了した状態で)、コントローラ5は、スポット中心がコア中心に一致するようにリアルタイム制御を行う。図8(D)は、LDからの光がコア3cよりもX(−)方向に入射している状態と該状態におけるLDからの光の光強度分布である。図8(F)は、LDからの光がコア3cよりもX(+)方向に入射している状態と該状態におけるLDからの光の光強度分布である。図8(E)は、LDからの光の入射位置がコア3cと略一致する状態と該状態におけるLDからの光の光強度分布である。
図8(D)に示すようにLDからの光の入射位置がコアよりもX(−)方向にずれている場合、光検出センサAおよびDの出力の和(以下、X”(+)方向の出力という)よりも光検出センサBおよびCの出力の和(以下、X”(−)方向の出力という)のほうが大きくなる。各センサA〜Dの出力(つまり、各センサA〜Dにおける受光光量)は光強度分布の積分値に比例することから、LDからの光の入射位置がコアよりもX(−)方向にずれている場合、X”(−)方向のほうが高い光強度分布になるのがわかる。逆に、図8(F)に示すようにLDからの光の入射位置がコア3cよりもX(+)方向にずれている場合、X”(−)方向の出力よりもX”(+)方向の出力のほうが大きくなる。従って、光強度分布は、X”(+)方向のほうが高くなる。
そして、図8(E)に示すようにLDからの光の入射位置がコア3cと略一致する場合、LDからの光のうち光軸上を通る光線は、光ファイバ3の中心で反射した後光検出器4の受光面4aに入射する。従って、各光検出センサA〜Dの出力は略等しくなり、光強度分布も左右がほぼ対称になる。該光強度分布を各光検出センサA〜Dの出力に換算した場合、各出力は略等しくなっている。つまり、各出力比は1:1:1:1である。
コントローラ5は、各光検出センサA〜Dからの出力に基づいて作成される現在の光強度分布が、LDからの光の入射端面3a上におけるスポット中心がコア3c中心の位置と一致するときの光強度分布(以下、基準分布という)と略一致するようにリアルタイム制御を行う。本実施形態では基準分布は図8(E)に示す分布が該当する。
なお、各センサA〜Dの信号出力(つまり、各センサA〜Dにおける受光光量)は光強度分布の積分値に比例する。従って、実際に各センサA〜Dの信号出力が、予め取得した基準分布に対応する各センサA〜Dの信号出力に略一致するように入射端面3aで形成されるスポットの位置を移動させることによっても入射端面3aにおけるスポットの位置決めを行うことができる。
まずコントローラ5は、X”(+)方向の出力からX”(−)方向の出力を引いた値(以下、X”方向の出力差という)を求める。図9は、X”方向の出力差と、入射端面3aにおけるスポット中心のコア3c中心に対するX方向のずれ量との関係を表すグラフである。図9に示すように、入射端面3aで形成されるスポットのX方向のずれ量は、X”方向の出力差に対してS字状に変化する。従って、X”方向の出力差が求められればX方向のずれ量は所定の範囲内((D)〜(F))で一義的に決定する。本実施形態のコントローラ5は、X”方向の出力差をなくす、つまりX方向のずれ量が0になるように、アクチュエータ6を介して集光レンズ2をX’方向に駆動して、入射端面3a上での入射位置をX方向に移動させる。なお、X方向のずれ量が0の状態とは、検出された光強度分布と基準分布が略一致する状態、つまり本実施形態においては、X”(+)方向の出力とX”(−)方向の出力との比(以下、X”方向の出力比という)が1:1である状態である。
例えば、図8(D)に示す位置に入射端面3aにおけるスポットがある場合、図9中(D)に示すように、スポット中心はコア3c中心からX(−)方向にずれている。従ってコントローラ5は、X”方向の出力差が0となるようにX(+)方向に入射端面3a上での入射位置を移動させる。また、図8(F)に示す位置に入射端面3aにおける入射位置がある場合、図9中(F)に示すように、スポット中心はコア3c中心からX(+)方向にずれている。従ってコントローラ5は、X”方向の出力差が0となるようにX(−)方向に入射端面3a上での入射位置を移動させる。図8(E)に示す位置に該入射位置がある場合、つまり光強度分布が基準分布と一致する場合、図9中(E)に示すようにX”方向の出力差はない。従って、この場合、コントローラ5は、スポット中心がコア3c中心と一致しており、光伝送効率が最良であると判断し、集光レンズ2のX方向への駆動は行わない。
コントローラ5が、上記のようにX”方向の出力差をなくすように負帰還制御することにより、LDからの光が入射端面3aにおいて形成するスポットの中心をコア3c中心に一致させるように高精度な位置決めを行うことができる。このように本実施形態によれば、中心部の強度は光通信に好適なレベルを維持しつつも、広範囲にわたって強度を持つ周辺部からなるスポットを走査させる。これにより、該スポットをコア近傍に導く初期の位置調整が簡易かつ迅速に達成される。また上記のように、該初期の位置調整後引き続きスポット中心とコア中心を一致させるリアルタイム制御も精確に実行される。このように、光通信モジュール10によれば、一連の位置決め処理を簡易かつ迅速に実行することができる。
以上が、コントローラ5が行うX方向に関する一連の位置決め処理の説明である。Y方向に関する一連の位置決め処理も同様の原理で実行されるため、ここでの詳細な説明は省略する。但し、Y方向に関する位置決め処理において、入射端面3a上におけるスポットのY方向へのずれ量は、光検出センサAおよびBの出力の和(以下、Y”(+)方向の出力という)から光検出センサCおよびDの出力の和(以下、Y”(−)方向の出力という)を引くことにより算出されるY”方向の出力差に基づいて決定される。そしてコントローラ5は、Y”方向の出力差がなくなるように集光レンズ2のY’方向への駆動制御を行う。
図10は、光検出器4によって検出されるX”、Y”それぞれの方向の光強度分布を入射端面3aでの入射位置ごとに表す表である。入射端面3a上におけるLDからの光が形成するスポット中心が、コア3c中心からX方向とY方向の一方もしくは両方にずれている場合は、各光検出センサA〜Dからの出力が異なるために、光強度分布が+方向と−方向とで対称ではない。そこで、上記位置決め処理を行うことにより、X”方向もY”方向も出力差が0の状態になる。つまり、X”方向の光強度分布もY”方向の光強度分布もともに基準分布と一致する。
以上の位置決め処理によってX”方向の光強度分布およびY”方向の光強度分布が基準分布と一致すると、コントローラ5は、LDからの光の入射位置がコア3c位置にあると判断する。なお、上述したリアルタイム制御は、光通信を行っている間も常時実行される。すなわち、経時変化等によって光通信中にLDからの光の入射位置がコア3cからずれたとしても、コントローラ5は、光検出器4からの出力に基づいて、位置ずれを補正することができる。よって光通信モジュール10によれば、常にスポット中心とコア中心を一致させた状態を維持することができる。
また上記では、便宜上、X方向の位置決め処理とY方向の位置決め処理とを区別して説明したが、実際の光通信モジュール10では、X方向の位置決め処理とY方向の位置決め処理は同時に行われる。
以上が第一実施形態の光通信モジュール10の説明である。なお、第一実施形態の光通信モジュール10は、以下のように変形することによっても同様の効果を奏することができる。
上記実施形態では、集光レンズ2の外側領域22には、入射した光に球面収差を付与するような面形状を施したと説明した。ここで、外側領域22は、該領域22を透過した光が拡散して上記のような周辺部S2を形成することができるのであれば、上記面形状以外の面形状であってもよい。以下、集光レンズ2の変形例をいくつか示す。
図11は、外側領域22が内側領域21と異なる焦点距離を持つように設計された集光レンズ201と該集光レンズ201を透過した光の収束状態を示す図である。図11において、内側領域21の最外周(つまり内側領域21における最も外側領域22側)を透過した光線を破線で示し、外側領域22の最外周(つまり集光レンズ2の最外周)を透過した光線を実線で示す。以下に示す図12、図14においても同様である。
集光レンズ201を使用すると、内側領域21を透過した光は、入射端面3aで良好に収束するが、該内側領域21と異なる焦点距離を持つ外側領域22を透過した光は、入射端面3a以外の場所(収束位置f22)で収束する。つまり、外側領域22を透過した光は、入射端面3aにおいてデフォーカス状態となり、スポット周辺部S2を形成する。なお、集光レンズ201は、外側領域22を透過した光が入射端面3aでデフォーカス状態となっていればよい。従って図11では、収束位置f22は、集光レンズ201側から見て入射端面3aよりも後方に描かれているが、入射端面3aよりも前方に収束位置f22が位置するように外側領域22を設計しても同一の効果を奏することができる。なお、集光レンズ201を使用した時に入射端面3aでのスポットの強度分布は、集光レンズ2を使用した時と略同様であるため、図5を参照してここでの説明は省略する。
図12は、外側領域22が回折構造を備える集光レンズ202と該集光レンズ202を透過した光の収束状態を示す図である。集光レンズ202を使用すると、内側領域21を透過した光は、他の集光レンズ(2、201)と同様に、入射端面3aで良好に収束する。しかし、外側領域22を透過した光は、回折構造により複数次の回折光に分解される。そして、各次数の光がスポット中心部S1の一定周囲に広がりを持って入射することにより、強度が弱く広範囲に広がるスポット周辺部S2を形成する。集光レンズ202を使用した時に入射端面3aで形成されるスポットの強度分布を図13に示す。図13に示すように、集光レンズ202を使用した場合、複数次の回折光が収束しつつ入射する。そのため、スポット周辺部に若干の強度のばらつきが発生するものの、図5と同様に、スポットをコア3c近傍に迅速に導くため十分に広いスポットが形成されていることが分かる。
上記集光レンズ(2、201、202)を用いた場合、入射端面3aで形成されるスポットは、いずれも図3に示すように周辺部S2が中心部S1に対して略同心円状に広がりを持つ。ここで、上述したように、初期の位置調整は、スポットを主走査方向(X方向)に走査することにより実行される。このことは、主走査方向への走査範囲の広がりはスポット自体の移動によって保証されることを意味する。つまり、光通信モジュール10は、スポット周辺部S2が、少なくとも主走査方向と交わる方向に広がりを持ってさえいれば好適に実施することができる。例えば、光通信モジュール10に搭載される集光レンズは、外側領域22が非点収差を付与するような面形状を持つように設計することもできる。図14は、外側領域22を透過した光が非点収差を持つように設計された集光レンズ203と該集光レンズ203を透過した光の収束状態を示す図である。図14(A)は、光軸AXとY方向を含む断面(Y方向断面)での光の収束状態を示す。また、図14(B)は、光軸AXとX方向を含む断面(X方向断面)での光の収束状態を示す。
図14(A)、(B)に示すように、内側領域21を透過した光は、入射端面3aで良好に収束する。ここで、外側領域22を透過した光は、非点収差によってY方向断面とX方向断面とで収束位置が異なる。具体的には、図14(A)に示すように、外側領域22を透過した光は、Y方向断面では、非点収差によって内側領域を透過した光の収束位置とは異なる位置、つまり入射端面3aから離れた位置(収束位置f22y)で最も収束する。また図14(B)に示すように、外側領域22を透過した光は、X方向断面では、入射端面3a近傍(収束位置f22x)で最も収束する。
集光レンズ203を用いた場合、図14(A)、(B)に示すような収束状態になるため、入射端面3aでは、図15に示すように、周辺部S2がY方向には延出するがX方向には広がりを持たない楕円形状を呈するスポットが形成される。図15に示すスポットであれば、図7(B)に示す走査ピッチP2を大きな値に設定することができる。結果として、上記各集光レンズ(2、201、202)を使用した場合と同様の効果を奏することができる。図15に示すスポットの強度分布を図16に示す。なお、以上の説明では、走査範囲を最も広く確保する観点から、周辺部S2の広がりとY方向、つまり副走査方向を一致させている。しかし、周辺部S2の広がりが主走査方向と交差してさえいれば、走査範囲を広く確保することは可能であるため、必ずしも周辺部S2の広がりと副走査方向は一致していなくても良い。なお、この場合、X方向にビームスポットを広げていないため、コアへ入射する光量を増加させ、カップリング効率の向上が図られるという効果も得られる。
また上述した各集光レンズは、いずれも形状を変えることにより、内側領域と外側領域面を形成しているがこれに限定されるものではなく、例えば、屈折率を変えることにより各領域を形成することも可能である。
また、上記第一実施形態では、光ファイバ3の入射端面3aに入射したLDからの光が回折するために、該入射端面3aにおいて、コア3cをクラッド3bよりも突出させる構成にしているが、これ以外の構成、例えば、コア3cをクラッドよりもλ/8分凹ませる構成であっても同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、集光レンズ2を駆動させることにより、LDからの光が入射端面3aにおいて形成するスポットを移動させてコア3cに位置決めする構成を示した。スポットの移動手段としては、上記の構成以外の構成によるものであっても良い。図17は、光通信モジュール10の一変形例である光通信モジュール10’の概略構成を示す図である。光通信モジュール10’は、偏向部材Kを有する。そして、光通信モジュール10’では、集光レンズ2を駆動させずに偏向部材Kを駆動制御することによって入射端面3aにおけるスポットを移動させている。偏向部材Kとしては図18に示す頂角可変プリズムが例示される。
図18は、頂角可変プリズム20の一例を示す断面図である。頂角可変プリズム20は、2枚の平行ガラス板21、22と、該2枚のガラス板21、22によって封止される弾性状の蛇腹カバー23を有する。カバー23の内部にはシリコーンオイル等の液体が充填されている。各ガラス板21、22は、ガラス保持部24a〜24dによって保持されている。ガラス保持部24aは、頂角調整部27により移動自在に保持されている。詳しくは、ガラス保持部24aは、モータ部25により回転自在なリードねじ26に螺合している。そのため、リードねじ26の回転に伴い、ガラス保持部24aが図中α方向(リードねじ26の延出方向)に進退移動する。これにより、各ガラス板21、22がなす頂角θが変化し、頂角可変プリズム20を透過する光の光路を移動させる(図中破線から実線へ)ことができる。従って、該光路の移動方向がX’方向やY’方向に対応するように2つの頂角可変プリズム20を配置することにより、集光レンズ2を駆動させることなく、スポットを移動させることができる。このように、偏向部材Kを配設する変形例は、集光レンズが一体形成されたLDを用いたモジュールのように、集光レンズ自体を駆動させることができない構成に非常に好適である。
なお、偏向部材Kとしては、他にも以下のような構成を例示することができる。例えば、図18に示す頂角可変プリズム20は、所定の一方向にのみ光路を移動可能ないわゆる一軸可変タイプを想定して説明したが、互いに異なる二方向に光路を移動可能ないわゆる二軸可変タイプを使用することも有効である。また、二つの楔形プリズムのセットを偏向部材Kとして使用しても良い。この場合、各楔形プリズムを傾けたり回転させたりして各々の配置位置を変化させることにより、光を偏向させることができる。また、LD自体をX’方向やY’方向に駆動させることにより、入射端面3aにおけるスポットの位置を移動させることも可能である。さらには、集光レンズ2と偏向部材Kの双方を用いてスポットを移動させることも可能である。
以上が第一実施形態の光通信モジュール10の説明である。次いで、第二実施形態の光通信モジュール100を説明する。図19は、第二実施形態の光通信モジュール100を示す概略図である。図19において、図1や図17と同一の部材には同一の符号を付し、ここでの説明は省略する。
第二実施形態では、光ファイバ3内に該ファイバ内に導かれた光の一部を取り出すハーフミラー部3dが形成されている。つまり、第二実施形態の光検出器4は、入射端面3aで反射した光ではなく、光ファイバ3のコア内に入射した光の一部を検出する。そのため、第二実施形態の光通信モジュール100における光ファイバ3の入射端面3aは、第一実施形態とは異なり、基準軸AXに対して直交する面内に配設される。また、該入射端面3aは、クラッド3bとコア3cに段差を設けていない。
また、第一実施形態の初期の位置調整では、光検出器4の検出結果に基づいて生成された光強度分布が所定の特徴を備えるか否かを判断することにより、スポットがコア部3cに導かれたかどうかを判断している。これに対して、第二実施形態の光通信モジュール100では、初期の位置調整に際して、光検出器4に入射した光の光量が所定レベル以上に達したか否かを判断する。つまり、もし、コア部3cにスポット中心部S1が位置しているならば、光検出器4で検出されるであろう光量のレベルは、スポットがコア部3cに位置しない状態や、スポット周辺部S2のみがコア部3cに位置している状態よりも遙かに高いものとなる。そこで、コントローラ5は、上記所定レベルを基準値として予め保有している。そしてコントローラ5は、光検出器4で検出された光量が所定レベル以上に達するまで、入射端面3a上でスポットを走査することにより、初期の位置調整を実行する。
第二実施形態の光通信モジュール100のリアルタイム制御としては、本出願人が特開2003−338795号公報で提案する、集光レンズ2を二軸にwobblingさせつつスポット中心とコア中心を一致させる手法が好適である。
なお、第二実施形態においても第一実施形態で説明した種々の変形例を適用することが可能である。
本発明の第一実施形態の光通信モジュールの概略構成を表す図である。 本実施形態の集光レンズの概略構成および光ファイバとの配置関係を示す図である。 本発明の入射端面上に形成されるスポットを説明するための図である。 外側領域を透過した光が球面収差を持つように設計された集光レンズと該集光レンズを透過した光の収束状態を示す図である。 集光レンズを透過した光が入射端面で形成するスポットの強度分布である。 本実施形態の光検出器の受光面を示す図である。 図7(A)は、従来の光通信モジュールの初期の位置調整を、図7(B)が第一実施形態の光通信モジュールの初期の位置調整を、それぞれ説明する図である。 コントローラが行う一連の位置決め処理について説明するための図である。 X”方向の出力差と、入射端面におけるスポット中心のコア中心に対するX方向のずれ量との関係を表すグラフである。 光検出器によって検出されるX”、Y”それぞれの方向の光強度分布を入射端面での入射位置ごとに表す表である。 本発明の第一実施形態の集光レンズの変形例を示す。 本発明の第一実施形態の集光レンズの変形例を示す。 回折構造を持つ集光レンズを使用した時に入射端面で形成されるスポットの強度分布を示す。 本発明の第一実施形態の集光レンズの変形例を示す。 非点収差を付与する集光レンズを使用した時に入射端面で形成されるスポットの形状を示す。 非点収差を付与する集光レンズを使用した時に入射端面で形成されるスポットの強度分布を示す。 本発明の第一実施形態の光通信モジュールの変形例を示す。 本発明の第一実施形態の光通信モジュールにおける移動手段の変形例を示す。 本発明の第二実施形態の光通信モジュールを示す概略図である。
符号の説明
2 集光レンズ
3 光ファイバ
3a 入射端面
3b クラッド
3c コア
4 光検出器
5 コントローラ
10、10’100 光通信モジュール

Claims (26)

  1. 情報により変調された光を照射することができる光源と、
    前記光が入射する入射端面を持ち、前記入射端面におけるコア部に入射した前記光を透過する光ファイバと、
    前記光の光路上、前記光源と前記入射端面との間に配設され、入射した光を前記入射端面に収束させる内側領域と、入射した光を拡散させる外側領域とを有する集光レンズと、
    前記集光レンズを介して前記光が前記入射端面で形成するスポットを前記入射端面上でもれなく移動させる移動手段と、
    前記入射端面を介して入射する前記光を受光する受光手段と、
    前記受光手段により受光された前記光が所定の条件を満たすまで前記移動手段を駆動制御する制御手段を有することを特徴とする光通信装置。
  2. 請求項1に記載の光通信装置において、
    前記移動手段は、前記スポットを主走査方向に移動させると共に、所定ピッチで該主走査方向と直交する副走査方向にずらすことにより、前記入射端面上で前記スポットを走査させ、
    前記スポットの周辺部は、少なくとも前記主走査方向と交わる方向に拡散していることを特徴とする光通信装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光通信装置において、
    前記外側領域は、入射した光束を前記内側領域よりも積極的に拡散させる為に大きな収差を付与するように構成されることを特徴とする光通信装置。
  4. 請求項3に記載の光通信装置において、
    前記収差は、球面収差であることを特徴とする光通信装置。
  5. 請求項3に記載の光通信装置において、
    前記収差は、非点収差であることを特徴とする光通信装置。
  6. 請求項5に記載の光通信装置において、
    前記外側領域は、該外側領域を透過した前記光により形成されるスポットの拡散方向が前記副走査方向と一致するような非点収差を付与することを特徴とする光通信装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載の光通信装置において、
    前記外側領域は、前記内側領域とは異なる焦点距離を有するように構成されることを特徴とする光通信装置。
  8. 請求項1または請求項2に記載の光通信装置において、
    前記外側領域は、前記内側領域よりも入射した光を拡散させる回折構造を持つことを特徴とする光通信装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の光通信装置において、
    前記内側領域と前記外側領域は、前記集光レンズにおける少なくとも一方の面において、それぞれ異なる面形状を有することにより区別され、
    前記内側領域は、入射した光を前記入射端面に収束させるような面形状を有し、
    前記外側領域は、前記内側領域とは異なる面形状であることを特徴とする光通信装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の光通信装置において、
    前記内側領域と前記外側領域は、互いの面形状が、前記内側領域と外側領域の境界位置において略連続となるように構成されることを特徴とする光通信装置。
  11. 請求項10に記載の光通信装置において、
    前記外側領域は、前記内側領域側に前記内側領域の面形状から前記外側領域の面形状に連続して変化する面形状を持つ中間領域を有することを特徴とする光通信装置。
  12. 請求項11に記載の光通信装置において、
    前記中間領域は、一次微分が連続した面形状であることを特徴とする光通信装置。
  13. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の光通信装置において、
    前記内側領域は、入射した光を前記入射端面に収束させるような屈折率に設定されており、
    前記外側領域は、前記内側領域とは異なる屈折率に設定されていることを特徴とする光通信装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の光通信装置において、
    前記入射端面は、該端面で反射した前記光が反射位置に対応した光強度分布を持つように構成されており、
    前記受光手段は、前記入射端面で反射した前記光を受光することを特徴とする光通信装置。
  15. 請求項14に記載の光通信装置において、
    前記入射端面は、コア部とクラッド部間に所定寸法の段差が形成されていることを特徴とする光通信装置。
  16. 請求項15に記載の光通信装置において、
    前記所定寸法は、前記反射光が前記段差によって回折するような寸法であることを特徴とする光通信装置。
  17. 請求項14から請求項16に記載の光通信装置において、
    前記制御手段は、前記受光手段により受光された光の強度分布が基準分布が有する所定の特徴を有するまで前記移動手段を駆動制御することを特徴とする光通信装置。
  18. 請求項17に記載の光通信装置において、
    前記制御手段は、前記受光手段により受光された光の強度分布に対応する信号が基準分布に対応する信号と略一致するまで前記移動手段を駆動制御することを特徴とする光通信装置。
  19. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の光通信装置において、
    前記光ファイバは、該光ファイバ内に入射した前記光の一部を取り出し自在に構成され、
    前記受光手段は、前記光ファイバから取り出された前記光の一部を受光することを特徴とする光通信装置。
  20. 請求項19に記載の光通信装置において、
    前記制御手段は、前記受光手段により受光された光の光量が所定値以上になるまで前記移動手段を駆動制御することを特徴とする光通信装置。
  21. 請求項1から請求項20のいずれかに記載の光通信装置において、
    前記集光レンズは、前記入射端面に入射した光をコア内に有効に取り込むための最大開口数をNA0、前記集光レンズと前記入射端面間の距離をLとすると、前記内側領域の径φは、以下の条件(1)、
    φ≦NA0×2L・・・(1)
    を満たすことを特徴とする光通信装置。
  22. 請求項1から請求項21のいずれかに記載の光通信装置において、
    前記移動手段は、前記集光レンズを光軸と直交する方向に駆動することにより、前記スポットを前記入射端面上で走査させることを特徴とする光通信装置。
  23. 請求項1から請求項21のいずれかに記載の光通信装置において、
    前記移動手段は、前記光源を光軸と直交する方向に駆動することにより、前記スポットを前記入射端面上で走査させることを特徴とする光通信装置。
  24. 請求項1から請求項21のいずれかに記載の光通信装置において、
    前記移動手段は、集光レンズとファイバ端面の間に設置され、入射光束を前記第一の方向および前記第二の方向に偏向する透過型偏向部材を有することを特徴とする光通信装置。
  25. 請求項24に記載の光通信装置において、前記透過型偏向部材は、頂角を変化させることができる頂角可変プリズムであることを特徴とする光通信装置。
  26. 請求項1から請求項21のいずれかに記載の光通信装置において、
    前記移動手段は、前記光ファイバを光軸と直交する方向に移動することにより、前記スポットを前記入射端面上で走査させることを特徴とする光通信装置。
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