JP2005325921A - 縦渦発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、剥離抑制が必要な場合には流れの状態にあわせた最適な縦渦を発生させ、また剥離抑制が不要な場合には縦渦を発生させないという能動的な制御を、従来技術2のように壁面に複数の微小孔を設けることなく、かつ、個々の微小孔から噴き出される流体の速度分布が直角三角形状の剪断層を形成するように制御するという複雑な手段によることなく、シンプルな構成で可能にすることを目的とする。 【解決手段】
本発明の縦渦発生装置は、物体壁面に噴流用の噴出し孔を設け、噴流と物体近傍の主流との干渉により縦渦を発生させる装置において、噴流が、主流方向xと垂直方向yの速度成分vから成る主流方向xと直角方向zの剪断層及び主流方向yと直角方向zの速度成分wから成る主流方向と垂直方向の剪断層を持ち、これらの各剪断層が、同一方向の回転を生成する速度勾配を形成するように、主流方向xに対して僅かに傾けられた速度分布を有し、かつ、主流方向yに分布されるようにしたことを特徴とするものである。
【選択図】 図5
本発明の縦渦発生装置は、物体壁面に噴流用の噴出し孔を設け、噴流と物体近傍の主流との干渉により縦渦を発生させる装置において、噴流が、主流方向xと垂直方向yの速度成分vから成る主流方向xと直角方向zの剪断層及び主流方向yと直角方向zの速度成分wから成る主流方向と垂直方向の剪断層を持ち、これらの各剪断層が、同一方向の回転を生成する速度勾配を形成するように、主流方向xに対して僅かに傾けられた速度分布を有し、かつ、主流方向yに分布されるようにしたことを特徴とするものである。
【選択図】 図5
Description
本発明は、航空機、ガスタービン、自動車等の分野に関し、詳述すると航空機の主翼及びガスタービンのタービン翼などの揚力の増加が必要とされる分野、あるいはガスタービン燃焼器の燃料噴射ノズルの分野に関するものである。
翼は高迎角になると剥離により失速するが、低ノズル数領域になると低迎角でも剥離が現れ、複雑な流れ場が生じる。
従来、航空機の翼には流れの剥離を抑制する方法として、翼面の前縁付近でかつスパン方向に突起物を並べ、その突起物の後流に形成される縦渦により主流と境界層間の運動量の交換を促している(以下「従来技術1」いう。例えば、特許文献1参照。)。
また、従来技術1の改良発明として、剥離抑制が必要な場合に流れの状態にあわせた縦渦を発生させ、剥離抑制が不要な場合には縦渦を発生させないという能動的な制御を可能にする発明が、本件発明の発明者による発明として特許出願されている(以下「従来技術2」いう。例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−338199号公報
特開2002−257104号公報
従来、航空機の翼には流れの剥離を抑制する方法として、翼面の前縁付近でかつスパン方向に突起物を並べ、その突起物の後流に形成される縦渦により主流と境界層間の運動量の交換を促している(以下「従来技術1」いう。例えば、特許文献1参照。)。
また、従来技術1の改良発明として、剥離抑制が必要な場合に流れの状態にあわせた縦渦を発生させ、剥離抑制が不要な場合には縦渦を発生させないという能動的な制御を可能にする発明が、本件発明の発明者による発明として特許出願されている(以下「従来技術2」いう。例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、従来技術1では、
(1)流れの剥離抑制を必要としない場合でも突起物が存在するため、常に突起物が抵抗体として作用する。
(2)突起物により形成される縦渦の渦度と大きさは主流速度のみによるため受動的であり、剥離抑制に最適な能動的制御が出来ない、
といった問題があった。
また、従来技術2では、従来技術1の問題は解決できるものの、壁面に複数の微小孔を設け、個々の微小孔から噴き出される流体の速度分布が直角三角形状の剪断層を形成するように制御する必要があったため、製作及び制御が複雑になるといった問題があった。
(1)流れの剥離抑制を必要としない場合でも突起物が存在するため、常に突起物が抵抗体として作用する。
(2)突起物により形成される縦渦の渦度と大きさは主流速度のみによるため受動的であり、剥離抑制に最適な能動的制御が出来ない、
といった問題があった。
また、従来技術2では、従来技術1の問題は解決できるものの、壁面に複数の微小孔を設け、個々の微小孔から噴き出される流体の速度分布が直角三角形状の剪断層を形成するように制御する必要があったため、製作及び制御が複雑になるといった問題があった。
本発明は、上記した従来技術1及び従来技術2の有する問題を解決するために提案されたものであり、剥離抑制が必要な場合には流れの状態にあわせた最適な縦渦を発生させ、また剥離抑制が不要な場合には縦渦を発生させないという能動的な制御を、従来技術2のように壁面に複数の微小孔を設けることなく、かつ、個々の微小孔から噴き出される流体の速度分布が直角三角形状の剪断層を形成するように制御するという複雑な手段によることなく、シンプルな構成で可能にすることを目的とする。
物体表面に噴流用の孔を設け、噴流と物体周りの流れと干渉により発生する渦を利用する場合、通常の噴流の噴出し方法では噴流の左右に反対向きに回転する渦が形成され、渦間には上昇流が発生するため、これら2つの渦は直ちに物体近傍より垂直方向に離脱してしまう。渦を作る目的は物体近傍の流れを攪拌するためであるので、渦には出来るだけ物体近傍に沿って流れることが要求される。これを実現させるためには形成される渦を1つにする必要がある。
上記の目的を達成するため、請求項1記載の縦渦発生装置は、物体壁面に噴流用の噴出し孔を設け、噴流と物体近傍の主流との干渉により縦渦を発生させる装置において、噴流が、主流方向xと垂直方向yの速度成分vから成る主流方向xと直角方向zの剪断層及び主流方向xと直角方向zの速度成分wから成る主流方向と垂直方向の剪断層を持ち、これらの各剪断層が、同一方向の回転を生成する速度勾配を形成するように、主流方向xに対して垂直方向y及び直角方向zに速度成分を持つ速度分布を有し、かつ、主流方向xに分布されるようにしたことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するため、請求項2記載の縦渦発生装置は、請求項1記載の縦渦発生装置において、噴出し孔の途中に多数の小孔を有する偏向部材を傾斜して設けたことを特徴とするものである。
上記の目的を達成するため、請求項1記載の縦渦発生装置は、物体壁面に噴流用の噴出し孔を設け、噴流と物体近傍の主流との干渉により縦渦を発生させる装置において、噴流が、主流方向xと垂直方向yの速度成分vから成る主流方向xと直角方向zの剪断層及び主流方向xと直角方向zの速度成分wから成る主流方向と垂直方向の剪断層を持ち、これらの各剪断層が、同一方向の回転を生成する速度勾配を形成するように、主流方向xに対して垂直方向y及び直角方向zに速度成分を持つ速度分布を有し、かつ、主流方向xに分布されるようにしたことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するため、請求項2記載の縦渦発生装置は、請求項1記載の縦渦発生装置において、噴出し孔の途中に多数の小孔を有する偏向部材を傾斜して設けたことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するため、請求項3記載の縦渦発生装置は、物体壁面に噴流用の噴出し孔を設け、噴流と物体近傍の主流との干渉により縦渦を発生させる装置において、噴流が、主流方向xと垂直方向yの速度成分vから成る主流方向xと直角方向zの剪断層及び主流方向yと直角方向zの速度成分wから成る主流方向と垂直方向の剪断層を持ち、これらの各剪断層が、同一方向の回転を生成する速度勾配を形成するように、主流方向xに対して僅かに傾けられた速度分布を有し、かつ、主流方向yに分布されるようにしたことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するため、請求項4記載の縦渦発生装置は、請求項3記載の縦渦発生装置において、入口及び出口の開口を異なる矩形状の形状とし、これら入口及び出口の矩形状の開口を連続して結ぶように穿孔して噴出し孔を形成するとともに、前記2つの矩形状の開口は主流方向xに対して僅かな角度βだけ傾けられたx′方向が長辺であり、入口の矩形状の開口は、出口の矩形状の開口に比較してx′方向の長辺が小で、かつ、短辺が大であるような寸法関係に形成されたことを特徴とするものである。
また、上記の目的を達成するため、請求項4記載の縦渦発生装置は、請求項3記載の縦渦発生装置において、入口及び出口の開口を異なる矩形状の形状とし、これら入口及び出口の矩形状の開口を連続して結ぶように穿孔して噴出し孔を形成するとともに、前記2つの矩形状の開口は主流方向xに対して僅かな角度βだけ傾けられたx′方向が長辺であり、入口の矩形状の開口は、出口の矩形状の開口に比較してx′方向の長辺が小で、かつ、短辺が大であるような寸法関係に形成されたことを特徴とするものである。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)剥離抑制が必要な場合には流れの状態にあわせた最適な縦渦を発生させ、また剥離抑制が不要な場合には縦渦を発生させないという能動的な制御を、従来技術のように壁面に複数の微小孔を設けることなく、かつ、個々の微小孔から噴き出される流体の速度分布が直角三角形状の剪断層を形成するように制御するという複雑な手段によることなく、シンプルな構成で可能にできる。
(2)翼の実験結果から、層流剥離及び乱流剥離に対する抑制手段として非常に有効であり、その投入エネルギーに対する揚力増加の利得が大きい。
したがって、特に、低速での剥離が問題となる旋回を避ける安全装置として有効であり、また、気象観測、災害時の偵察用として注目されている小型飛行機への利用に適している。
(1)剥離抑制が必要な場合には流れの状態にあわせた最適な縦渦を発生させ、また剥離抑制が不要な場合には縦渦を発生させないという能動的な制御を、従来技術のように壁面に複数の微小孔を設けることなく、かつ、個々の微小孔から噴き出される流体の速度分布が直角三角形状の剪断層を形成するように制御するという複雑な手段によることなく、シンプルな構成で可能にできる。
(2)翼の実験結果から、層流剥離及び乱流剥離に対する抑制手段として非常に有効であり、その投入エネルギーに対する揚力増加の利得が大きい。
したがって、特に、低速での剥離が問題となる旋回を避ける安全装置として有効であり、また、気象観測、災害時の偵察用として注目されている小型飛行機への利用に適している。
本発明に係る縦渦発生装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して以下に説明する。
図1は、縦渦の生成原理を説明するための図である。
今、主流方向をx、主流と垂直方向をy、主流と直角方向をzとする。縦渦の生成には物体表面から噴出される噴流と主流Uとの干渉が必要であるが、このときの噴流は、主流方向xと垂直方向yの速度成分vから成る主流方向xと直角方向zに剪断層1を持ち、さらに、主流方向xと直角方向zの速度成分wから成る主流方向xと垂直方向yに剪断層2を持ち、これらの各剪断層1、2が同一方向の回転を生み出す速度勾配でなければならない。この同一方向の回転を生み出す速度勾配は、例えば、図1に示すように、y方向の噴流速度vのx・z面の分布を右肩上がりの三角形にし、z方向の噴流速度wのx・y面の分布を逆三角形にし、これらを合成することで得られる。
さらに上記の剪断層1、2は主流Uの流れ方向に分布する必要がある。
図1に示すように、主流Uに対して各剪断層1、2が同一方向の回転を生み出す速度勾配である噴流を合成することにより、縦渦3を形成することができる。
今、主流方向をx、主流と垂直方向をy、主流と直角方向をzとする。縦渦の生成には物体表面から噴出される噴流と主流Uとの干渉が必要であるが、このときの噴流は、主流方向xと垂直方向yの速度成分vから成る主流方向xと直角方向zに剪断層1を持ち、さらに、主流方向xと直角方向zの速度成分wから成る主流方向xと垂直方向yに剪断層2を持ち、これらの各剪断層1、2が同一方向の回転を生み出す速度勾配でなければならない。この同一方向の回転を生み出す速度勾配は、例えば、図1に示すように、y方向の噴流速度vのx・z面の分布を右肩上がりの三角形にし、z方向の噴流速度wのx・y面の分布を逆三角形にし、これらを合成することで得られる。
さらに上記の剪断層1、2は主流Uの流れ方向に分布する必要がある。
図1に示すように、主流Uに対して各剪断層1、2が同一方向の回転を生み出す速度勾配である噴流を合成することにより、縦渦3を形成することができる。
図2は、図1に示した縦渦の生成原理を実現する第一の手段を示したものである。
この第一の手段は、主流Uの流れ方向xに対して垂直方向yと直角方向zに速度成分を持つ噴流4を作るものである。この手段の場合、剪断層がa−b側とa−c側に存在しているが、噴流速度成分vとwの剪断層による回転方向が一致するのはa−b側となる。このため、a−b側にのみ縦渦3が形成される。
この第一の手段は、主流Uの流れ方向xに対して垂直方向yと直角方向zに速度成分を持つ噴流4を作るものである。この手段の場合、剪断層がa−b側とa−c側に存在しているが、噴流速度成分vとwの剪断層による回転方向が一致するのはa−b側となる。このため、a−b側にのみ縦渦3が形成される。
図3は、図2に示すような主流方向xに剪断層a−bを維持した噴流4を作るための、オリフィス状の噴出し孔の具体例を示したものである。
図3において、(a)は縦断面図、(b)は平面図を表しており、噴出し孔5は、空気を貯蔵するタンク6等に接続されており、噴出し孔5において流れが縮流されるようになっている。噴出し孔5の途中には、メッシュ布、多孔板等からなる多数の小孔を有する偏向部材7が傾斜して設けられる。流体fは、噴出し孔5途中の偏向部材7を通過する際に、偏向部材7に対して直交する方向、すなわち、最大通過面積を確保する方向(図3の矢印で示す方向)に偏向される。このため、噴出し孔5の上方には、図2に示すような主流方向xに剪断層a−bを維持した噴流4が形成されることになる。
図3において、(a)は縦断面図、(b)は平面図を表しており、噴出し孔5は、空気を貯蔵するタンク6等に接続されており、噴出し孔5において流れが縮流されるようになっている。噴出し孔5の途中には、メッシュ布、多孔板等からなる多数の小孔を有する偏向部材7が傾斜して設けられる。流体fは、噴出し孔5途中の偏向部材7を通過する際に、偏向部材7に対して直交する方向、すなわち、最大通過面積を確保する方向(図3の矢印で示す方向)に偏向される。このため、噴出し孔5の上方には、図2に示すような主流方向xに剪断層a−bを維持した噴流4が形成されることになる。
図4は、図3の噴出し孔に対して横軸にz方向をとった場合の、y方向の距離が、y=3mm(□印)、y=10mm(×印)、y=20mm(△印)、y=40mm(○印)においてI型熱線プローブで計測した場合の速度分布を縦軸に示したものである。
この図から、yが大きくなるほど、すなわち、噴出し孔5から離れるほど速度分布が図の左側に移動しているのが分かる。これは、図2のa−b側においてのみ縦渦が形成されることを示している。
この図から、yが大きくなるほど、すなわち、噴出し孔5から離れるほど速度分布が図の左側に移動しているのが分かる。これは、図2のa−b側においてのみ縦渦が形成されることを示している。
図5は、図1に示した縦渦の生成原理を実現する第二の手段を示したものである。
この第二の手段は、主流Uの流れ方向xに対して僅かな角度βだけ傾けられたx′方向に、x′と直向するz′方向においてa−b−cの三角形で示すような速度成分を持つ噴流8を作るものである。
この手段の場合、噴流8の下流方向の軸x′が主流方向xと角度βだけ傾いているため、主流Uの速度成分であるUsinαが剪断層a−b側に、図1のwと同じ作用をし、縦渦3が形成される。
この第二の手段は、主流Uの流れ方向xに対して僅かな角度βだけ傾けられたx′方向に、x′と直向するz′方向においてa−b−cの三角形で示すような速度成分を持つ噴流8を作るものである。
この手段の場合、噴流8の下流方向の軸x′が主流方向xと角度βだけ傾いているため、主流Uの速度成分であるUsinαが剪断層a−b側に、図1のwと同じ作用をし、縦渦3が形成される。
図6は、図5に示すような主流方向xに対して僅かな角度βだけ傾けられたx′方向に剪断層a−bを維持した噴流8を作るための、オリフィス状の噴出し孔の具体例を示したものである。
図6において、(a)は平面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図であり、(a)において噴出し孔9の中心線10は、主流方向xと僅かな角度βだけ傾いたx′方向を向いている。
噴出し孔9は、物体の壁面11に形成されるものであり、噴流fの入口fi及び出口fdにそれぞれ異なる矩形状の開口12及び開口13を形成し、これらの開口を連続して結ぶように穿孔することにより形成される。前記2つの矩形状の開口12及び13はx′方向が長辺であり、入口fiの矩形状の開口12は、出口fdの矩形状の開口13に比較して長辺14が小で、かつ、短辺15が大であるような寸法関係に形成されている。
図6において、(a)は平面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図であり、(a)において噴出し孔9の中心線10は、主流方向xと僅かな角度βだけ傾いたx′方向を向いている。
噴出し孔9は、物体の壁面11に形成されるものであり、噴流fの入口fi及び出口fdにそれぞれ異なる矩形状の開口12及び開口13を形成し、これらの開口を連続して結ぶように穿孔することにより形成される。前記2つの矩形状の開口12及び13はx′方向が長辺であり、入口fiの矩形状の開口12は、出口fdの矩形状の開口13に比較して長辺14が小で、かつ、短辺15が大であるような寸法関係に形成されている。
図7は、図6に示した噴出し孔9を主流方向xに対して15度傾けたときのy=5mmにおける噴流の速度分布を示したものである。y=5mmにおいても、x′方向に縦長の速度分布が形成されているのが分かる。このときの噴流の最大速度(噴出し孔9の中心部における速度)は20m/secであった。この噴流の最大速度は、主流Uの大きさにより適宜設定されるものであるが、通常、主流Uの約2〜5倍程度に設定される。
図8は、平板18表面に沿って主流を形成させた境界層平板に設置された縦渦発生装置と座標系を示したものである。なお、図5及び図6に示した第二の縦渦発生装置では、x方向に対してα傾けて噴出し孔9が配置される。縦渦発生装置を速度5m/secの風洞測定部に置き、噴流を最大速度は20m/secで噴いた場合、噴流の下流50mmにおいてI型熱線プローブで計測すると図9に示すような速度成分が得られた。図9から、境界層の盛り上がりが認められ、高速部分が右側に比べて左側では壁面に近づいており、境界層平板上に反時計回りの縦渦が生成されていることが確認出来る。
図10は、翼型16に設けられる縦渦発生装置の一例を示したものである。
この例では、縦渦発生装置が翼型16の前縁17と前縁17からL/3後縁寄りの負圧面の2箇所に設けられている。縦渦発生装置、主流Uの大きさ及び翼型の形状等に応じて剥離の発生する箇所が相違するため、剥離の発生する箇所に適宜設けられる。
噴出し孔9は、主流Uの方向xに対してβ=15゜傾けられ、横方向に6個づつ並んで設けられており、その向きを交互に異ならせている。
この例では、縦渦発生装置が翼型16の前縁17と前縁17からL/3後縁寄りの負圧面の2箇所に設けられている。縦渦発生装置、主流Uの大きさ及び翼型の形状等に応じて剥離の発生する箇所が相違するため、剥離の発生する箇所に適宜設けられる。
噴出し孔9は、主流Uの方向xに対してβ=15゜傾けられ、横方向に6個づつ並んで設けられており、その向きを交互に異ならせている。
図11は、縦渦発生装置(VG)付き翼型の迎え角αに対する揚力係数CLの変化を示したものである。縦渦発生装置(VG)を装着しない場合に比べて揚力係数が増大していることが認められる。
以上のように、本発明に係る縦渦発生装置は、航空機の主翼及びガスタービンのタービン翼などの揚力の増加が必要とされる装置に適している。
1 剪断層
2 剪断層
3 縦渦
4 噴流
5 噴出し孔
6 タンク
7 偏向部材
8 噴流
9 噴出し孔
10 中心線
11 壁面
12 開口
13 開口
14 長辺
15 短辺
16 翼型
17 前縁
18 平板
2 剪断層
3 縦渦
4 噴流
5 噴出し孔
6 タンク
7 偏向部材
8 噴流
9 噴出し孔
10 中心線
11 壁面
12 開口
13 開口
14 長辺
15 短辺
16 翼型
17 前縁
18 平板
Claims (4)
- 物体壁面に噴流用の噴出し孔を設け、噴流と物体近傍の主流との干渉により縦渦を発生させる装置において、噴流が、主流方向xと垂直方向yの速度成分vから成る主流方向xと直角方向zの剪断層及び主流方向xと直角方向zの速度成分wから成る主流方向と垂直方向の剪断層を持ち、これらの各剪断層が、同一方向の回転を生成する速度勾配を形成するように、主流方向xに対して垂直方向y及び直角方向zに速度成分を持つ速度分布を有し、かつ、主流方向xに分布されるようにしたことを特徴とする縦渦発生装置。
- 噴出し孔の途中に多数の小孔を有する偏向部材を傾斜して設けたことを特徴とする請求項1記載の縦渦発生装置。
- 物体壁面に噴流用の噴出し孔を設け、噴流と物体近傍の主流との干渉により縦渦を発生させる装置において、噴流が、主流方向xと垂直方向yの速度成分vから成る主流方向xと直角方向zの剪断層及び主流方向yと直角方向zの速度成分wから成る主流方向と垂直方向の剪断層を持ち、これらの各剪断層が、同一方向の回転を生成する速度勾配を形成するように、主流方向xに対して僅かに傾けられた速度分布を有し、かつ、主流方向yに分布されるようにしたことを特徴とする縦渦発生装置。
- 入口及び出口の開口を異なる矩形状の形状とし、これら入口及び出口の矩形状の開口を連続して結ぶように穿孔して噴出し孔を形成するとともに、前記2つの矩形状の開口は主流方向xに対して僅かな角度βだけ傾けられたx′方向が長辺であり、入口の矩形状の開口は、出口の矩形状の開口に比較してx′方向の長辺が小で、かつ、短辺が大であるような寸法関係に形成されたことを特徴とする請求項3記載の縦渦発生装置。
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