JP2005325873A - 燃料タンク、口金保持治具、および燃料タンクへのねじ込み接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な構成により、タンク本体への影響を好適に回避して口金へのねじ込み接続を適切に行うことができる燃料タンク、これに好適な口金保持治具および燃料タンクへのねじ込み接続方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 配管要素81がねじ込み接続される口金3をタンク本体2に備えた燃料タンク1において、口金3は、タンク本体2外に延出した外周縁に、輪郭が凸部または凹部からなる嵌合部31を有し、嵌合部31は、口金保持治具50の嵌合受け部62に嵌合されて口金3を口金保持治具50に対して回止め状態とするものである。嵌合部31および嵌合受け部62は、口金3の中心線200に直交する方向にのみ形成することが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 配管要素81がねじ込み接続される口金3をタンク本体2に備えた燃料タンク1において、口金3は、タンク本体2外に延出した外周縁に、輪郭が凸部または凹部からなる嵌合部31を有し、嵌合部31は、口金保持治具50の嵌合受け部62に嵌合されて口金3を口金保持治具50に対して回止め状態とするものである。嵌合部31および嵌合受け部62は、口金3の中心線200に直交する方向にのみ形成することが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば燃料電池車両等に搭載されるFRPタンクなどの燃料タンクに関し、特にその口金に配管要素がねじ込み接続される燃料タンク、口金保持治具、および燃料タンクへのねじ込み接続方法に関するものである。
従来、この種の燃料タンクの口金として、その内周側には、バルブや継手類などの配管要素をねじ込み接続するためのめねじが設けられ、口金の外周側となる接触面には、凹凸が設けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−219388号公報(第1図)
このような従来の燃料タンクでは、配管要素のねじ込み接続の際に口金がタンク本体に対して空回りすることを、口金に設けた凹凸によって阻止することができる点では有用である。
しかし一方では、ねじ込み接続の際のねじりトルクが燃料タンク全体に作用するため、ねじ込み接続の際に、タンク本体を直接的に治具で回止めしておく必要がある。このため、燃料タンクが耐ねじりトルク強度の小さいFRPタンクなどで構成されている場合には、ねじ込み接続の際の高トルク作用によって、タンク本体が損傷するおそれがあった。
しかし一方では、ねじ込み接続の際のねじりトルクが燃料タンク全体に作用するため、ねじ込み接続の際に、タンク本体を直接的に治具で回止めしておく必要がある。このため、燃料タンクが耐ねじりトルク強度の小さいFRPタンクなどで構成されている場合には、ねじ込み接続の際の高トルク作用によって、タンク本体が損傷するおそれがあった。
本発明は、簡易な構成により、タンク本体への影響を好適に回避して口金へのねじ込み接続を適切に行うことができる燃料タンクを提供することをその目的としている。また、この種の燃料タンクの口金へのねじ込み接続に好適な口金保持治具、および燃料タンクへのねじ込み接続方法を提供することをその目的としている。
本発明の燃料タンクは、配管要素がねじ込み接続される口金をタンク本体に備えた燃料タンクにおいて、口金は、タンク本体外に延出した外周縁に、輪郭が凸部または凹部からなる嵌合部を有し、嵌合部は、口金保持治具に嵌合されて口金を口金保持治具に対して回止め状態とするものである。
また本発明の口金保持治具治具は、この本発明の燃料タンクの口金を回止め状態で保持する口金保持治具であって、嵌合部に嵌脱可能に形成された嵌合受け部を備えたものである。
また本発明の口金保持治具治具は、この本発明の燃料タンクの口金を回止め状態で保持する口金保持治具であって、嵌合部に嵌脱可能に形成された嵌合受け部を備えたものである。
上記の燃料タンクの構成によれば、口金のタンク本体外に延出した嵌合部に口金保持治具(の嵌合受け部)を嵌合させることで、口金を回止め状態にすることができる。これにより、口金への配管要素のねじ込み接続について、口金をタンク本体に対して空回りさせることなく、適切に行うことができる。また、ねじ込み接続のねじりトルクが直接的に作用する口金を回止め状態とすることで、タンク本体自体を強い力で回止めしなくて済むため、ねじ込み接続に伴うタンク本体の損傷を好適に回避することができると共に、口金およびタンク本体の互いの接触面の形状について、自由度を高めることができる。
なお、燃料タンクとしては、繊維強化プラスチック製タンク(FRPタンク)のみならず、金属タンクも含まれる。燃料タンクに貯留される燃料としては、天然ガスなどの炭化水素系の気体燃料や純水素ガスの気体燃料に限らず、メタノールやガソリンなどの液体燃料も含まれる。また、配管要素としては、ニップルなどの継手類(管継手)のほか、ねじ込み接続用のおねじを有するバルブなども含まれる。
上記の口金保持治具は、嵌合受け部を嵌合部に嵌合させる回止め位置と、嵌合部から完全に退避させる回止め解除位置と、の間で嵌合受け部を進退移動させる移動手段を更に備え、嵌合受け部が回止め解除位置のときに、燃料タンクに取付けおよび取外し可能に構成されていることが、好ましい。
この構成によれば、燃料タンクへのねじ込み接続を行う場合には、嵌合受け部を回止め解除位置に位置させた口金保持治具を燃料タンクに取り付け、その後、移動手段により嵌合受け部を回止め位置へと進出させ、嵌合受け部を嵌合部に嵌合させる。これにより、口金が回止め状態となり、適切にねじ込み接続を行うことが可能となる。一方、ねじ込み接続の完了後には、移動手段により嵌合受け部を回止め解除位置へと移動させ、嵌合受け部を嵌合部から完全に退避させる。これにより、口金保持治具を燃料タンクから取り外すことが可能となる。
このように、嵌合受け部を嵌合部(の凹凸の深さ方向)に対して移動手段により出入させる構成とすることで、口金保持治具専用の無駄スペースを不要にすることが可能となる。すなわち、例えば図9や図10に示すように嵌合部を円環スプラインとし且つ嵌合受け部用の移動手段がない場合には、口金保持治具を燃料タンクから取り外すためには、口金保持治具を配管要素側にいったんスライドさせる必要があり、そのための隙間(無駄スペース)を確保しておく必要があるが、上記の本発明の構成によれば、この無駄スペースがなくても口金保持治具を取り外すことができる。したがって、制約された設置スペースに燃料タンクを設置する場合に、設置スペースとの関係上、燃料タンクの容量を適切に増やすことができる。
このように、嵌合受け部を嵌合部(の凹凸の深さ方向)に対して移動手段により出入させる構成とすることで、口金保持治具専用の無駄スペースを不要にすることが可能となる。すなわち、例えば図9や図10に示すように嵌合部を円環スプラインとし且つ嵌合受け部用の移動手段がない場合には、口金保持治具を燃料タンクから取り外すためには、口金保持治具を配管要素側にいったんスライドさせる必要があり、そのための隙間(無駄スペース)を確保しておく必要があるが、上記の本発明の構成によれば、この無駄スペースがなくても口金保持治具を取り外すことができる。したがって、制約された設置スペースに燃料タンクを設置する場合に、設置スペースとの関係上、燃料タンクの容量を適切に増やすことができる。
この場合、移動手段は、前記嵌合受け部を進退移動させるソレノイドを有することが、好ましい。
この構成によれば、簡易な構成により嵌合受け部を進退移動させることができる。
上記のような燃料タンクの構成の場合、嵌合部は、口金の中心線に直交する一方向にのみ形成されていることが、好ましい。
一方、このような燃料タンクの口金を回止め状態で保持する口金保持治具は、嵌合部に対応して口金の中心線に直交する一方向にのみ形成され、嵌合部に嵌脱する嵌合受け部と、口金の外周縁に臨む内周縁に嵌合受け部を有する分割可能な治具本体と、を備え、治具本体は、口金の中心線に直交する一方向に分割可能に構成されていることが、好ましい。
一方、このような燃料タンクの口金を回止め状態で保持する口金保持治具は、嵌合部に対応して口金の中心線に直交する一方向にのみ形成され、嵌合部に嵌脱する嵌合受け部と、口金の外周縁に臨む内周縁に嵌合受け部を有する分割可能な治具本体と、を備え、治具本体は、口金の中心線に直交する一方向に分割可能に構成されていることが、好ましい。
上記の燃料タンクの構成によれば、嵌合部が一方向にのみ形成されているため、ねじ込み接続の完了後に、口金保持治具を取り外すことを容易にして、燃料タンクの大容量化に供し得る。例えば上記のように口金保持治具が嵌合受け部用の移動手段を有しない構成であっても、口金保持治具の治具本体を分割可能に構成し、且つ治具本体が嵌合部の形成方向と同じ方向に分割可能に構成した本発明の口金保持治具の場合には、ねじ込み接続の完了後に、治具本体を配管要素側にいったんスライドさせなくとも、治具本体を適切に分割して口金保持治具を燃料タンクから取り外すことが可能となる。これにより、より一層簡易な構成により、設置スペースとの関係において、燃料タンクの容量を適切に増やすことができる。
上記の燃料タンクの場合さらに、嵌合部は、口金の外周縁に分散して複数が設けられ、複数の嵌合部は、口金の中心線に直交する一方向にのみ互いに平行に形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、嵌合部と嵌合受け部との接触面積が増えるため、燃料タンクは、ねじ込み接続におけるトルクに対してより一層強固に抗することが可能となる。
本発明の燃料タンクへのねじ込み接続方法は、上記した本発明の燃料タンクの口金に配管要素をねじ込み接続する燃料タンクへのねじ込み接続方法であって、嵌合部に口金保持治具を嵌合させることにより、口金を口金保持治具に回止め状態とし、この回止め状態で口金に配管要素をねじ込み接続するものである。
この構成によれば、口金への配管要素のねじ込み接続の際に、タンク本体自体を強い力で回止めしなくとも、口金を口金保持治具でタンク本体に対して直接的に回止め状態にするため、作業性良くねじ込み接続を行うことができると共に、ねじ込み接続によってタンク本体が損傷することを好適に回避することができる。
本発明の燃料タンクによれば、口金保持治具用に口金の外周縁に嵌合部を備えるという簡易な構成により、タンク本体への影響を好適に回避して、口金に配管要素を適切にねじ込み接続することができ、生産性を高めることができる。
本発明の口金保持治具によれば、本発明の燃料タンクの口金を適切に回止めすることができるため、燃料タンクへの配管要素のねじ込み接続の作業性を高めることができる。
本発明の燃料タンクへのねじ込み接続方法によれば、本発明の燃料タンクのタンク本体を積極的に回止め状態とするのではなく、口金を回止め状態として配管要素をねじ込み接続するようにしているため、その作業性を高めてこれを適切に行うことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る燃料タンク、口金保持治具、および燃料タンクへのねじ込み接続方法ついて説明する。本実施形態の燃料タンクは、口金に口金保持治具用の回止め構造を設けることで、継手類などの配管要素のねじ込み接続を適切に行うことができるものである。燃料タンクには、気体や液体の各種の流体を貯留することができるが、ここでは燃料タンクとして、燃料電池システムを搭載した機器として代表される燃料電池車両に搭載され、水素ガスを貯留したFRPタンクを例に説明する。以下では、FRPタンクおよび口金保持治具の構成について順に説明した上で、FRPタンクへのねじ込み接続方法について説明する。
図1および図2に示すように、FRPタンク1は、内部に水素ガスが高圧で貯留されるタンク本体2と、タンク本体2の長手方向の一端部に設けられた口金3と、を備えている。タンク本体2の外殻は、ガスバリア性を有する内側のライナーと、ライナーの外側を覆うように設けられ、FRP(Fiber Reinforced Plastic)からなるシェルと、の2層構造で構成されている。なお、図2等の断面図では、ライナーおよびシェルの各々のハッチングは省略されており、タンク本体2全体として一つのハッチングで示されている。ライナーは、例えば高密度ポリエチレンなどの樹脂で構成される。
タンク本体2は、円筒状のタンク胴部11と、タンク胴部11に一体に連なり両端部に位置する半円球状の一対のドーム部12と、で内部に水素ガスの貯留空間を構成している。ドーム部12の一方には、口金3が取り付けられる取付け開口部13が設けられている。例えば、口金3は、取付け開口部13に嵌め込まれた部分と取付け開口部13との間に設けた図外のガスケットを介して、取付け開口部13に気密にシールされた状態で取り付けられる。
口金3は、ステンレスなどの金属で形成されている。口金3は、取付け開口部13に嵌め込まれる断面円形の胴部21と、胴部21の一方の端部に一体に形成され、タンク本体2外に延出されたフランジ部22と、胴部21の内周面に形成され、配管要素81(図7参照)をねじ込み接続するためのめねじ23と、を有している。
フランジ部22は、所定の厚みを有しており、その外周縁には、口金保持治具50に嵌合されるための複数の嵌合部31が分散して設けられている。より詳細には、フランジ部22の外周縁は、上下対称に形成されており、上下に平行に延びる左側面部32および右側面部33と、これら左側面部32および右側面部33の間の上下にそれぞれ位置し、全体として輪郭が凹凸の形状を繰り返す複数の嵌合部31と、で構成されている。
本実施例における上側の複数の嵌合部31は、上下の一方向にのみ延びる5つの凸部31aと、隣接する凸部31aの間に位置する4つの凹部31bと、で構成されている。これらの凸部31aおよび凹部31bは、口金3の中心線200に直交する上下方向にのみ互いに平行に形成されている。5つの凸部31aは、中央に位置する凸部31aが最も長く形成され、中央から左右外側に向かうにつれて長さが短くになるように形成されている。下側の複数の嵌合部31も、同様に5つの凸部31aおよび4つの凹部31bで構成されている。このような各嵌合部31に口金保持治具50が嵌合することによって、口金3は、口金保持治具50に対して回止め状態となる。
なお、凸部31aおよび凹部31bの数や長さは任意である。例えば、図3(a)や(b)に示すように、フランジ部22の輪郭から相対的に凸または凹となる一つの嵌合部31で構成してもよい。あるいは、同図(c)に示すように上下対称に複数の嵌合部31を互いに平行に構成してもよい。また同図(d)に示すように、口金3の中心線200に対して対角位置となるように(点対称に)且つ中心線200に直交する一方向にのみ延在するように、複数の嵌合部31を互いに平行に構成してもよい。また、凸部31aの両側面の形状等についても、適宜設計することができる。例えば、凸部31aの両側面を上下方向に平行に形成してもよいし、凸部31aを円錐台状に形成してもよい。なおまた、嵌合部31の形成方向は上下方向のみならず、左右方向であってもよい。
次に、図4および図5を参照して、口金保持治具50について説明する。口金保持治具50は、プレート状の上治具51および下治具52の2分割可能な治具本体53と、下半部に下治具52を固定すると共に上半部に上治具51を案内する案内溝54を形成した左右一対のガイドレール55と、上治具51の上面部に一体に設けられた固定ブロック56と、固定ブロック56を各ガイドレール55の上端部に固定して上治具51を下治具52に実質的に連結する一対の連結ボルト57と、を備えている。なお、治具本体53を2以上に分割可能に構成することもでき、例えば上治具51を左半部と右半部とにさらに左右に分割することもできる。
上治具51および下治具52は、ステンレスである口金3に対応して形成され、例えばステンレスで形成されている。上治具51の左右両側部は、各ガイドレール55の内側面に形成された案内溝54に、上下方向に案内可能に構成されている。治具本体53の中央部には、口金3のフランジ部22に臨む開口部61が貫通形成されている。開口部61は、上治具51および下治具52の両者にそれぞれ半分ずつ形成されることで、全体として略円環状に形成されている。フランジ部22の外周縁が臨む開口部61の内周縁には、口金3の複数の嵌合部31に嵌脱可能な複数の嵌合受け部62と、口金3の左側面部32および右側面部33に接触する左右の端面部63と、が形成されている。
複数の嵌合受け部62は、上治具51および下治具52にそれぞれ振り分けられて上下対称に形成されており、複数の嵌合部31に対応して、全体として輪郭が凹凸の形状を繰り返す形状となっている。すなわち、上治具51の複数の嵌合受け部62は、上下方向にのみ互いに平行に形成され、各々が口金3の下側の複数の嵌合部31に嵌脱可能に構成されている。下治具52の複数の嵌合受け部62も同様に、上下方向にのみ互いに平行に形成され、各々が口金3の上側の複数の嵌合部31に嵌脱可能に構成されている。また同様に、左右の端面部63は、上治具51および下治具52の両者に跨って形成されている。複数の嵌合受け部62が複数の嵌合部31に嵌合することによって、口金保持治具50は口金3を回止め状態とする。
ガイドレール55は、上部に連結ボルト57用のボルト穴65が形成されており、固定ブロック56を載置するようにしてこれを連結ボルト57で固定可能に構成されている。固定ブロック56がガイドレール55に固定された状態では、上治具51と下治具52とが分離不能に連結された状態となり、口金保持治具50は口金3を保持可能な状態となる。なお、このような連結構成に代えて、上治具51および下治具52にボルト穴をそれぞれ形成し、上治具51と下治具52とを連結ボルト57で直接連結するようにしてもよい。
固定ブロック56は、その両端部に連結ボルト57用のボルト穴66が貫通形成されている。固定ブロック56は、下治具52に対する上治具51の分離あるいは接合の移動に際して、オペレータが把持する部位として機能することができる。すなわち、下治具52およびガイドレール55からなる下側治具ユニット71に対し、上治具51および固定ブロック56からなる上側治具ユニット72を連結あるいは分離する際の作業を、オペレータは固定ブロック56を介して行うことができる。なおもちろん、上治具51と下治具52とを直接連結する場合には、固定ブロック56を省略することができる。
ここで、図6ないし図8を参照して、上記の口金保持治具50を用いて、FRPタンク1に配管要素81をねじ込み接続する方法について簡単に説明する。なお、図8(b)では配管要素81を省略している。先ず図6に示すように、専用台91にFRPタンク1および口金保持治具50の下側治具ユニット71を固定する。下側治具ユニット71については、ガイドレール55の下部を専用台91に固定する。FRPタンク1については、専用台91に設けた二つの支持受け部92に、タンク胴部11の下部を長手方向の2箇所で支持させてこれらに固定する。このとき、FRPタンク1の口金3の下側の嵌合部31を、下治具52の嵌合受け部62に嵌合させる。
次に図7に示すように、上治具51を一対のガイドレール55間に案内させて、上治具51の嵌合受け部62を口金3の上側の嵌合部31に嵌合させると共に、固定ブロック56をガイドレール55に連結ボルト57で固定する。これにより、口金3は口金保持治具50に対して回止め状態となる。ここで、継手類等の配管要素81のおねじ81aを口金3のめねじ23に螺合させ、配管要素81を所定のトルクでねじ込む。このとき、口金3は口金保持治具50によって回止め状態となっているため、口金3がタンク本体2に対して空回りすることなく、配管要素81を口金3にねじ込むことができる。また、タンク本体2自体を強い力で回止めしなくて済むため、タンク本体2への影響を好適に回避しながら、作業性良くねじ込み接続を行うことができる。
そして図8に示すように、ねじ込み接続の完了後には、先ず連結ボルト57を外し、次いで上側治具ユニット72を上側へと引き抜くように取り外す。上記のように、嵌合部31と嵌合受け部62とは上下方向にのみ形成されているため、上治具51をそのまま上方向へとガイドレール55に案内させることで、嵌合受け部62を嵌合部31から離脱させて上治具51を下治具52から分離することができる。このような構成であるため、ねじ込み接続の作業を作業性良く行うことができると共に、設置スペースとの関係上、FRPタンク1の容量を長手方向に増やすことが可能となる。この点について、図9および図10を参照して詳述する。
図9および図10に示すように、例えば嵌合部31を円環スプラインとして、これに対応して口金保持治具50の上治具51および下治具52の嵌合受け部62を形成した場合にも、口金3を口金保持治具50に回止め状態とすることができる。しかし、嵌合部31の凹凸が口金3の外周縁の全周に亘って形成されているため、配管要素81のねじ込み接続の完了後に口金保持治具50を取り外すためには、口金保持治具50を口金3の中心線200に沿って配管要素81側にいったんスライドさせる必要がある。すなわち、嵌合受け部62を嵌合部31から離脱させるために、配管要素81と口金3との間に図10(a)に示すスライドしろC(隙間)を確保しておく必要がある。もっとも、嵌合受け部62を嵌合部31に嵌合させる際、すなわち口金3に口金保持治具50を取付ける際にも、上治具51および下治具52は口金3の中心線200に沿ってスライドさせる必要があることは言うまでもない。
これに対し、本実施例の嵌合部31および嵌合受け部62の構成によれば、嵌合受け部62をその形成方向(上下方向)に移動させることで、嵌合受け部62を嵌合部31から離脱させることができる。したがって、本実施例では上記のスライドしろCを設けなくて済む。これにより相対的ではあるが、図10(b)の破線に示すように、そのスライドしろの分だけFRPタンク1のタンク本体2の容量を長手方向に増やすことができる。一般にFRPタンク1が搭載される燃料電池車両は、FRPタンク1の設置スペースが制約されるものであるが、本実施例は、そのような制約された設置スペースにおいてFRPタンク1の容量を適切に増やすことができる点で有用である。
次に、本発明の実施例2に係るFRPタンク1、口金保持治具50、およびFRPタンク1へのねじ込み接続方法について、図11および図12を参照して実施例1との相違点を中心に説明する。なお、図12は、本発明の特徴部分についての主要部を概略的に示したものである。本実施例のFRPタンク1の口金3のフランジ部22は、図9および図10と同様に円環スプライン状に形成されている。具体的には、口金3のフランジ部22の外周縁は、輪郭が凹部からなる複数の嵌合部31を全周に亘って形成している。
本実施例の口金保持治具50は、ヒンジ101を介して連結された2分割構造の上治具51および下治具52からなる治具本体53と、ヒンジ101と反対側に設けられ上治具51と下治具52とを連結する連結ボルト57と、治具本体53の中央部に貫通形成され、口金3のフランジ部22に広く臨む開口部61と、開口部61の径方向に進退可能に治具本体53に設けられ、口金3の複数の嵌合部31に嵌脱可能な爪状の嵌合受け部62と、複数の嵌合受け部62を進退移動させる移動手段102と、を備えている。
複数の嵌合受け部62は、上治具51および下治具52にそれぞれ振り分けられ、これらが構成する開口部61の内周壁に進退可能に保持されている。移動手段102は、各嵌合受け部62の先端部を各嵌合部31の溝にそれぞれ嵌合させる回止め位置と、各嵌合受け部62の先端部を各嵌合部31の溝からそれぞれ完全に退避させる回止め解除位置と、の間で各嵌合受け部62を進退移動させる。各嵌合受け部62が回止め解除位置のときに、口金保持治具50はFRPタンク1に取付けおよび取外し可能に構成される。
移動手段102としては、例えば、上治具51の内部に半円周の周方向に亘るように組み込まれ、上治具51側の複数の嵌合受け部62の基部を押圧してその先端部を各嵌合部31の溝に嵌合させる図示省略した押圧部材と、螺進することにより押圧部材を縮径させ、押圧部材により嵌合受け部62を回止め位置に移動させる締込みねじ111と、を具備させる。また下治具52側にも対応するように、移動手段102としては、図示省略した同様の押圧部材を下治具52に組み込むと共に、押圧部材を介して下治具52側の嵌合受け部62を回止め位置に移動させる締込みねじ112を下治具52に設ける。
本実施例の口金保持治具50を用いて、FRPタンク1の口金3に配管要素81をねじ込み接続する場合には、専用台91にFRPタンク1にセットすると共に、嵌合受け部62を回止め解除位置に移動させた状態の口金保持治具50を、専用台91の所定位置にセットする。またこれに相前後して、上治具51と下治具52とを連結ボルト57で連結しておく。次いで、二つの締込みねじ111、112を螺進することにより、複数の嵌合受け部62を回止め位置に移動させて、各嵌合部31に嵌合させる。これにより、口金保持治具50がFRPタンク1に取り付けられ、口金3は口金保持治具50に対して回止め状態となる。ここで配管要素81を口金3のめねじ23にねじ込んでいくが、このとき上記実施例と同様に、口金3がタンク本体2に対して空回りすることなく、且つタンク本体2への影響を好適に回避しながら、配管要素81を口金3にねじ込むことができる。
ねじ込み接続の完了後には、二つの締込みねじ111、112を緩め、複数の嵌合受け部62を回止め解除位置に移動させる。そして連結ボルト57を外して上治具51をヒンジ101を中心として回動させることで、口金保持治具50を専用台91にセットしたままで、FRPタンク1を専用台91の上方へと取り外すことが可能となる。すなわち、口金3の嵌合部31が全周に亘って形成される場合であっても、本実施例のような口金保持治具50の構成を採用することで、図10に示した口金保持治具50用のスライドしろCがなくとも、口金保持治具50をFRPタンク1から相対的に取り外すことができる。したがって上記実施例と同様に、設置スペースとの関係上、FRPタンク1の容量を長手方向に増やすことが可能となる。
次に、本発明の実施例3について図13を参照して説明する。実施例3は、実施例2における口金保持治具50の移動手段102の変形例であり、その他の主要部は実施例2と同様である。本実施例の口金保持治具50の移動手段102は、嵌合受け部62を進退移動させるソレノイド131により構成され、ソレノイド131は複数の嵌合受け部62に対応して複数が治具本体53(上治具51および下治具52)に周方向に亘って組み込まれている。
ソレノイド131は、電磁石132およびばね133と、先端に嵌合受け部62を有するアーマチュア134と、を有している。電磁石132が消磁された状態では、バネ133によって付勢された嵌合受け部62は、回止め位置に進出して嵌合部31に嵌合する。一方、電磁石132が励磁された状態では、嵌合受け部62は、バネ133に抗して回止め解除位置に退避して嵌合部31から完全に退避する。したがって、本実施例においても実施例2と同様の作用効果を奏することができる。
1 FRPタンク(燃料タンク)、2 タンク本体、3 口金、31 嵌合部、31a 凸部、31b 凹部、50 口金保持治具、62 嵌合受け部、81 配管要素、102 移動手段、131 ソレノイド
Claims (8)
- 配管要素がねじ込み接続される口金をタンク本体に備えた燃料タンクにおいて、
前記口金は、前記タンク本体外に延出した外周縁に、輪郭が凸部または凹部からなる嵌合部を有し、
前記嵌合部は、口金保持治具に嵌合されて前記口金を当該口金保持治具に対して回止め状態とする燃料タンク。 - 前記嵌合部は、前記口金の中心線に直交する一方向にのみ形成されている請求項1に記載の燃料タンク。
- 前記嵌合部は、前記口金の外周縁に分散して複数が設けられ、
前記複数の嵌合部は、前記口金の中心線に直交する一方向にのみ互いに平行に形成されている請求項2に記載の燃料タンク。 - 請求項1に記載の燃料タンクの口金を回止め状態で保持する口金保持治具であって、
前記嵌合部に嵌脱可能に形成された嵌合受け部を備えた口金保持治具。 - 前記嵌合受け部を前記嵌合部に嵌合させる回止め位置と、当該嵌合部から完全に退避させる回止め解除位置と、の間で当該嵌合受け部を進退移動させる移動手段を更に備え、
前記嵌合受け部が前記回止め解除位置のときに、前記燃料タンクに取付けおよび取外し可能に構成されている請求項4に記載の口金保持治具。 - 前記移動手段は、前記嵌合受け部を進退移動させるソレノイドを有する請求項5に記載の口金保持治具。
- 請求項2または3に記載の燃料タンクの口金を回止め状態で保持する口金保持治具であって、
前記嵌合部に対応して前記口金の中心線に直交する一方向にのみ形成され、前記嵌合部に嵌脱する嵌合受け部と、
前記口金の外周縁に臨む内周縁に前記嵌合受け部を有する分割可能な治具本体と、を備え、
前記治具本体は、前記口金の中心線に直交する一方向に分割可能に構成されている口金保持治具。 - 請求項1に記載の燃料タンクの口金に配管要素をねじ込み接続する燃料タンクへのねじ込み接続方法であって、
前記嵌合部に口金保持治具を嵌合させることにより、前記口金を当該口金保持治具に回止め状態とし、この回止め状態で前記口金に前記配管要素をねじ込み接続する燃料タンクへのねじ込み接続方法。
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JP2014188834A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Toyota Motor Corp | 貯蔵タンクの製造に用いられる装置 |
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- 2004-05-12 JP JP2004142719A patent/JP2005325873A/ja active Pending
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