JP4043913B2 - コンクリート用インサート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート製の成形品や構造物に埋設されるボルトを取り付けることに用いられるインサート、詳しくはボルトを回転することなく取り付けることができるコンクリート用インサートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート製の成形品や構造物にさまざまな機材を結合するために、コンクリートにインサートを予め埋設しておき、そこへ結合用のボルトを取り付けて機材の結合を行なうことは広く行なわれている。 インサートは例えば実開昭49−55909号公報、特開平8−57838号公報、特開平8−135638号公報に記載されているようにボルトねじ込み用の雌ねじ孔を有しており、この雌ねじ孔にボルトを所要深さまでねじ込むことによって取り付けが行なわれるように作られている。
【0003】
このようなインサートとボルトとを用いて、例えば建築物のコンクリート床に空調ダクト、ガス管、水道管、電線や電話線のダクト、下層階の天井などの機材を吊り下げ保持する場合、これらの機材をコンクリート床に結合するボルトを取り付けるための多数個のインサートが機材の配置に従ってコンクリート床に下向きに埋設配備される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、コンクリートに埋設されているインサートにボルトをねじ込んで取り付ける作業は極めて面倒であって、殊に多数個の場合は取り付け完了までに長時間を要するばかりか、埋設場所によっては作業者が無理な姿勢で作業するため著しい疲労を招く、という問題がある。 また、複数種類の機材をコンクリート面から互いに異なる間隔で保持させる場合、或る機材の配置に従って埋設されているインサートに所定のボルトを取り付けなければならないが、別の機材のためのインサートに間違って取り付けたときにこれを取り外して正しいインサートに取り付け直さなければならず、このときもボルトを取り外しおよび取り付けの両方で多数回ずつ回さなければならないので作業能率を大幅に低下させる原因となる。
【0005】
本発明はボルトをねじ込むことによって取り付けるものとされている前記従来のインサートがもっている、殊に多数個のインサートが埋設されている場所では取り付け完了に長時間を要する、作業者に著しい疲労を与えやすい、間違って取り付けたときの取り替えが厄介である、という前述の課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところはきわめて簡単且つ迅速にボルトの取り付けができるコンクリート用インサートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は内側周面の少なくとも一部が円錐形に形成され大径基端側が閉止されているとともに小径先端側にボルトの差込口を有する案内筒体;内側周面に周方向等間隔で突出し傾斜方向へ延びる複数の突条;外側周面の少なくとも一部が内筒体の内側周面に対応する円錐面とされているとともにボルトと螺合する雌ねじ部を内側に有し、突条の間に配置されて案内筒体に嵌め込まれた複数の分割ナット部片;案内筒体の大径基端側に装入されて分割ナット部片を小径先端方向へ付勢した弾性部材;を具えており、そして分割ナット部片は弾性部材に押されて内径をボルト径よりも縮径した状態で案内筒体の先端部に保持され、差込口からボルトを挿入したときこのボルトに押されて内側周面に沿い拡径しながら移動するとともにボルトを雌ねじ部に不完全噛合状態で進入させ、ボルトの挿入を停止したとき弾性部材に押されて先端小径側へ戻ることによりボルトを雌ねじ部に螺合定着させるコンクリートに埋設されてボルトを取り付けるインサートにおいて、前記複数の分割ナット部片がそれぞれ弾性部材を有しており、そして前記分割ナット部片と弾性部材とが合成樹脂の一体成形品であることを特徴とする。
【0007】
ボルトを適宜深さまで挿入して手を離すことにより、分割ナット部片がボルトを包み込んで螺合し、回転させることなく取り付けを行なうことができる。また、取り外すときは突条が分割ナット部片の回り止めとして働くので、回転させることによって確実に取り外すことができる。このように、挿入するだけで回転させることなく取り付けられるため、ボルトの取り付け作業が簡単且つ迅速に行なえるようになり、多数個のインサートに対しても短時間で作業者に大きな負担を与えることなく取り付けを完了することができ、またボルトの取り替えの手間を半減させることができ、特に、合成樹脂の一体成形品として分割ナット部片のそれぞれの案内筒体基端側へ向いた面に弾性部材を立設し、各弾性部材が分割ナット部片を個別に押すことが可能で、一回のボルト取り付け作業で役目を終るととも安価に提供可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、先ず、図1、図2および図3を参照して、コンクリートに埋設されるインサートの本体である案内筒体1は、円錐形の内側周面2Aおよびその大径基端に連続する円筒形の内側周面2Bを有する胴部2の大径基端側と小径先端側とに環突縁3,4を設け、大径基端側の開口は環突縁3に底蓋5を嵌め込んで閉止するとともに、小径先端側の環突縁4をボルトの差込口6としたものであって、胴部2の小径先端は係止段7を経て環突縁4に移行している。
【0009】
円錐形内側周面2Aには周方向等間隔、本実施の形態では180度の位相、即ち胴部2の中心軸線を挟んだ対称位置に突出して傾斜方向へ延びる二つの突条8が設けられている。
【0010】
二つの突条8の間の円錐形内側周面2Aに沿う領域には二つの分割ナット部片11が嵌め込まれている。 この分割ナット部片11の外側周面は円錐形内側周面2Aと等しいテーパ角の円錐面12とその大径端に連続する円柱面13とからなり、ボルトと螺合する雌ねじ部14を内側に有してる。
【0011】
更に、胴部2の大径基端側にはスポンジを円筒状に成形してなる弾性部材16が装入されており、この弾性部材16は二つの分割ナット部片11を押して係止段7に重ねている。 このときの状態は図1、図2に示されており、向かい合った分割ナット部片11の雌ねじ部14に囲まれた空孔はボルト径よりも小径である。
【0012】
このような構成としたインサートは、差込口6の入口端をコンクリート表面に面一に露出させて埋設されるが、図1に符号18で示した台座を環突縁4に嵌装したものにおいては、台座18の先端円板18Aをコンクリート表面に面一に露出させて埋設される。 尚、この台座18は保持すべき機材を識別させるための着色が施してあり、複数種の機材が混在している場所において機材毎に異なる色彩のものを使用することにより、ボルトの取り付け間違いが防止される、という利点およびインサート自体が深く埋設されるためコーン破壊強度が高くなる、という利点がある。
【0013】
次に、図4を参照してボルト21の取り付け手順を説明する。 差込口6からボルト21を挿入すると、その先端面が分割ナット部片11の係止段7から突出している端面部分に当って図4(A)に示すように分割ナット部片11を押し上げるようになる。
【0014】
ボルト21は向かい合った分割ナット部片11の間の空孔に進入しようとし、そのために分割ナット部片11は円錐形内側周面2Aに沿って互いの間隔を拡げながら大径基端側へ移動させられ、拡径した空孔にボルト21が進入するようにある。このときの状態は図4(B)に示されており、ボルト21は雌ねじ部14と不完全に噛み合って分割ナット部片11を押しながら空孔に深く進入する。
【0015】
ボルト21を所要深さまで挿入したとき、挿入を停止して手を離すか、または必要に応じ抜き出し方向へ引張ると、分割ナット部片11は弾性部材16に押されて小径先端方向へ戻り、空孔が縮径することによって図4(C)に示すようにボルト21が雌ねじ部14と完全に噛み合った状態となる。これより分割ナット部片11は小径先端方向へ戻ることができないので、ボルト21は分割ナット部片11に螺合してインサートに定着されることとなる。
【0016】
筒部2の内側周面は基端部の環突縁3に達するまで円錐形の内側周面2Aとし、分割ナット部片11の外側周面は全体を円錐面12とすることができる。
しかし、本実施の形態のように円筒形内側周面2Bと円柱面13とを胴部2と分割ナット部片11とに設けたものにおいては、円錐形内側周面2Aと円錐面12とによって拡径しながら移動した分割ナット部片11が円筒形内側周面2Bに円柱面13が重なった後は平行移動することとなる。
【0017】
このことにより、ボルト21は不完全に噛み合った雌ねじ部14による抵抗が急増して強い押し込み力を必要とするようになる。 この抵抗の急増を感知したとき挿入を停止することにより、ボルト21の過度の挿入、例えば分割ナット部片11を貫通して底蓋5に達するまで挿入することをなくすことができる。 このことは、ボルト21を取り外す必要を生じたとき、少ない回転数で取り外すことができる、という利点をもたらす。
【0018】
ボルト21を取り外すために回転させたとき、分割ナット部片11は突条8が回り止めとして働くため共回りすることがなく、確実に取り外すことができる。即ち、案内筒体に突条8を設けるだけで分割ナット部片11に何の加工も施さないきわめて簡単な手段で共回りを防止できるものである。
【0019】
尚、インサートはコンクリートに埋設されて通常は一回の取り付け作業でボルト21を定着させそのまま放置されるものであり、弾性部材16は一回の圧縮・復元を行なうだけである。従って、合成樹脂で成形した重ね皿形ばねや金属製の圧縮コイルばねなどを用いてもよいが、スポンジを円筒状に成形した図示実施の形態のものを用いるのが価格面で有利である。
【0020】
尚また、図示説明を省略したが、分割ナット部片11のそれぞれの案内筒体1基端側へ向いた面に弾性部材を立設し、各弾性部材が分割ナット部片11を個別に押すようにすることもできる。 これらは一回のボルト取り付け作業で役目を終るので、合成樹脂の一体成形品として安価に提供可能とするのが好適である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると機材を結合するためのボルトを回転させることなく雌ねじに螺合して定着させることができ、ボルトの取り付けが極めて簡単且つ迅速に行なえるものであって、多数個のインサートに対しても短時間で作業者に大きな負担を与えることなく取り付けを完了させることができ、またボルトの付け替えも少ない手間で行なうことができるものであり、合成樹脂の一体成形品として分割ナット部片のそれぞれの案内筒体基端側へ向いた面に弾性部材を立設することにより、各弾性部材が分割ナット部片を個別に押すことが可能で、一回のボルト取り付け作業で役目を終るととも安価に提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦断面図。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図。
【図3】図1の分割ナット部片を拡大した(A)は正面図。(B)は下面図。
【図4】ボルトの取り付け手順を説明する図。
【符号の説明】
1 案内筒体、2A 円錐形内側周面、2B 円筒形内側周面、6 差込口、8 突条、11 分割ナット部片、12 円錐面、13 円柱面、14 雌ねじ部、16 弾性部材、21 ボルト
Claims (1)
- 内側周面の少なくとも一部が円錐形に形成され大径基端側が閉止されているとともに小径先端側にボルトの差込口を有する案内筒体、前記内側周面に周方向等間隔で突出し傾斜方向へ延びる複数の突条、外側周面の少なくとも一部が前記内側周面に対応する円錐面とされているとともにボルトと螺合する雌ねじ部を内側に有し、前記突条の間に配置されて前記案内筒体に嵌め込まれた複数の分割ナット部片、前記案内筒体の大径基端側に装入されて前記分割ナット部片を小径先端方向へ付勢した弾性部材、を具えており、前記分割ナット部片は前記弾性部材に押されて内径をボルト径よりも縮径した状態で前記案内筒体の先端部に保持され、前記差込口からボルトを挿入したときこのボルトに押されて前記内側周面に沿い拡径しながら移動するとともにボルトを前記雌ねじ部に不完全噛合状態で進入させ、ボルトの挿入を停止したとき前記弾性部材に押されて小径先端側へ戻ることによりボルトを前記雌ねじ部に螺合定着させるコンクリート用インサートにおいて、前記複数の分割ナット部片がそれぞれ弾性部材を有しており、そして前記分割ナット部片と弾性部材とが合成樹脂の一体成形品であることを特徴とするコンクリート用インサート。
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