JP2005325382A - 導電性微粒子の製造方法、導電性微粒子、及び異方性導電材料 - Google Patents

導電性微粒子の製造方法、導電性微粒子、及び異方性導電材料 Download PDF

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Abstract

【課題】芯粒子と金属メッキ層との密着性が優れメッキ割れが極めて少ない導電性微粒子を得る製造方法、該製造方法により製造された導電性微粒子を提供する。
【解決手段】重合体微粒子の表面を金属メッキする導電性微粒子の製造方法であって、カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する分散安定剤を重合体微粒子形成時の分散安定剤とするか、あるいは前記官能基を有する重合性単量体を重合体微粒子形成時の重合性単量体とする少なくともいずれかの方法により、表面に前記官能基を有する物質を化学結合している重合体微粒子を得た後、金属メッキ触媒を吸着させて金属メッキする導電性微粒子の製造方法、該製造方法によって製造される導電性微粒子であって、体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れが存在する導電性微粒子の割合が1%以下である導電性微粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性微粒子の製造方法、導電性微粒子、及び異方性導電材料に関し、詳しくは、メッキ割れを低減した導電性微粒子の製造方法、該製造方法により製造された導電性微粒子、及び該導電性微粒子を用いた異方性導電材料に関する。
導電性微粒子は、バインダー樹脂や粘接着剤等と混合、混練することにより、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等の異方性導電材料として広く用いられている。
これらの異方性導電材料は、例えば、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器において、基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接続したりするために、相対向する基板や電極端子の間に挟み込んで使用されている。
上記異方性導電材料に用いられる導電性微粒子としては、従来から、金属粒子の他、樹脂粒子や有機質無機質複合粒子を芯粒子としてその表面に無電解メッキ法により金メッキ等を施した金属メッキ粒子が用いられている。樹脂粒子を芯粒子とした金属メッキ粒子については、例えば、特許文献1に記載されている。
これらの導電性微粒子の中で、金属粒子は、金属メッキ樹脂粒子や金属メッキ有機質無機質複合粒子に比べ、硬く、金バンプにくい込んでしまい、また復元性が乏しいため、基板やバンプの高さのばらつきを吸収できず、接続信頼性が低いのに対し、金属メッキ樹脂粒子や金属メッキ有機質無機質複合粒子は、金属粒子より柔らかく、復元力も高いため、基板やバンプの高さにばらつきがある場合でも電極端子間を比較的高い信頼性で接続することができる。
しかしながら、金属メッキされた導電性微粒子は、芯粒子と金属メッキ層との間の密着性が悪く、そのため、芯粒子を多孔質化させたり、エッチングにより芯粒子の表面に凹凸を発生させて、アンカー効果をもたせる等の必要性があった。
特公平3−44149号公報
このようにして製造された金属メッキされた導電性微粒子は、バインダー樹脂と混ぜ合わせて、例えば異方性導電フィルムを製造する際に、金属メッキ層は、せん断応力や振動により剥離することがあった。
更に、前述したように芯粒子を多孔質化したり、芯粒子の表面をエッチング処理して部分的に分解させると、芯粒子の強度が著しく低下し、電極端子と圧着処理する際に、芯粒子が破壊したり、圧縮変形したまま回復しない等の問題が生じる。このため、導通が不安定になるということがあった。また、圧着処理の際に、金属メッキ層が割れたり、芯粒子から剥離したりして導通不良が発生し、接続信頼性が低下するということがあった。
なお、特許文献1には、樹脂粒子表面に付着力のあるメッキ被膜を形成させるために、貴金属イオンをキレート又は塩を形成しうる非ポリマー性の表面処理剤にて担持させる処理方法が開示されている。しかしながら、この非ポリマー性の表面処理剤は、湿式法や乾式法で単に樹脂粒子表面に付着させただけのものであり、十分な付着力とはなっておらず、芯粒子と金属メッキ層との密着性が十分ではなかった。
本発明は、上記現状に鑑み、重合体微粒子を芯粒子とする導電性微粒子において、芯粒子が割れにくく、芯粒子と金属メッキ層との密着性が優れ、メッキ割れが極めて少ない導電性微粒子を得る製造方法、該製造方法により製造された導電性微粒子、及び該導電性微粒子を用いた異方性導電材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、重合体微粒子の表面を金属メッキする導電性微粒子の製造方法であって、カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する分散安定剤を重合体微粒子形成時の分散安定剤とするか、あるいはカルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する重合性単量体を重合体微粒子形成時の重合性単量体とする少なくともいずれかの方法により、表面に前記官能基を有する物質を化学結合している重合体微粒子を得た後、金属メッキ触媒を吸着させて金属メッキする導電性微粒子の製造方法を提供する。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の製造方法によって製造される導電性微粒子であって、体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れが存在する導電性微粒子の割合が1%以下である導電性微粒子を提供する。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなる異方性導電材料を提供する。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の導電性微粒子の製造方法は、重合体微粒子の表面を金属メッキするものであって、カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する分散安定剤を重合体微粒子形成時の分散安定剤とするか、あるいはカルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する重合性単量体を重合体微粒子形成時の重合性単量体とする少なくともいずれかの方法により、表面に前記官能基を有する物質を化学結合している重合体微粒子を得た後、金属メッキ触媒を吸着させて金属メッキするものである。
従って、本発明における、重合体微粒子としては、カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する分散安定剤を重合体微粒子形成時の分散安定剤とするか、あるいはカルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する重合性単量体を重合体微粒子形成時の重合性単量体とする少なくともいずれかの方法により、表面に前記官能基を有する物質を化学結合していることが必要である。
本発明における重合体微粒子を得る方法は特に限定されず、例えば、乳化重合、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合等の重合法による方法等が挙げられる。なかでも、重合後の重合体微粒子を分級せずとも均一な粒径の重合体微粒子が得られるのでシード重合法が好ましい。なお、シード重合法については、例えば、特開昭64−81810号公報等が知られている。
上記シード重合法の具体的方法としては、例えば、シード粒子を分散した水中に、エチレン性不飽和単量体からなる水性エマルジョンと、油溶性重合開始剤の水性エマルジョンとを添加し、シード粒子にエチレン性不飽和単量体及び油溶性重合開始剤を吸収させた後、エチレン性不飽和単量体を重合する方法が挙げられる。また、重合に際しては、懸濁状態を安定化させるために分散安定剤を用いることが好ましい。
なお、シード粒子の重量平均分子量は20000以下が好ましい。また、上記エチレン性不飽和単量体は、シード粒子1重量部に対して10〜500重量部とすることが好ましい。
本発明においては、重合体微粒子の表面に、カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する物質を化学結合させるために、カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する分散安定剤を重合体微粒子形成時の分散安定剤とするか、あるいはカルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する重合性単量体を重合体微粒子形成時の重合性単量体とする少なくともいずれかの方法が用いられる。この際、前記官能基を有する分散安定剤は、重合時の油溶性重合開始剤の働きでグラフト化等により表面に化学結合されている。また、前記官能基を有する重合性単量体は、重合時にエチレン性不飽和単量体と共に共重合されることにより表面に化学結合されている。
カルボキシル基を有する分散安定剤は、懸濁状態を安定化させるものであれば特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、ポリイタコン酸、ポリイタコン酸ナトリウム、ポリイタコン酸アンモニウム、スチレン/マレイン酸塩交互共重合体、イソブチレン/マレイン酸塩交互共重合体等が挙げられる。ここで、ポリ(メタ)アクリル酸とはポリメタクリル酸又はポリアクリル酸を意味する。
スルホン基を有する分散安定剤は、懸濁状態を安定化させるものであれば特に限定されず、例えば、ポリスルホン酸、ポリスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらの分散安定剤は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
カルボキシル基を有する重合性単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、α−エチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の(メタ)アクリル酸及びそのα−又はβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びそのエステル誘導体;コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル等の不飽和ジカルボン酸モノエステル誘導体等が挙げられる。
スルホン基を有する重合性単量体は、例えば、ビニルスルホン酸等が挙げられる。
これらの重合性単量体は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明における重合体微粒子を形成するために用いるエチレン性不飽和単量体は特に限定されず、架橋性単量体又は非架橋性単量体のみから形成されてもよいし、架橋性単量体に加えて非架橋性単量体が併用されてもよい。なかでも、適度な圧縮特性を得るためには架橋性単量体が含まれることが好ましい。
上記架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン及びその誘導体、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。上記架橋性単量体は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記非架橋性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。上記非架橋性単量体は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。
上記油溶性重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和単量体100重量部に対して、0.1〜3重量部であることが好ましい。
本発明における導電性微粒子の製造方法は、カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する物質を表面に化学結合している重合体微粒子を得た後、金属メッキ触媒を吸着させて金属メッキするものである。
上記金属メッキに使用される金属は特に限定されず、例えば、ニッケル、金、銀、銅、コバルト又はこれらを主成分とする合金等が挙げられる。
上記金属メッキする方法としては、金属メッキ触媒を利用した無電解メッキ方法が好ましい。なお、金属メッキ層は単一の金属層であっても複数の金属からなる複層であってもよい。
本発明における金属メッキ層の厚さは0.02〜5μmが好ましい。金属メッキ層の厚さが0.02μm未満であると、金属層が薄く導電性が得られにくい。また、金属メッキ層の厚さが5μmを超えると導電性微粒子が硬くなりすぎ電極端子間の間隔に追随して導電性微粒子が変形し難くなる。
本発明においては、表面に前記官能基を有する物質を化学結合している重合体微粒子を得た後、金属メッキ触媒を吸着させて金属メッキすることが必要である。
重合体微粒子表面に、前記官能基を有する物質が化学結合していることにより、金属メッキ触媒が効果的に吸着される。
上記金属メッキ触媒としては、例えば、硫酸パラジウム、塩化パラジウム等が挙げられる。
金属メッキ触媒を吸着させて金属メッキする方法としては、例えば、重合体微粒子を別途調整した金属メッキ触媒液に浸した後、重合体微粒子を取り出し、金属メッキ液に加えて無電解メッキを行なえばよい。なお、金属メッキされた重合体微粒子を更に金属メッキしてもよい。
上記無電解メッキ方法としては、例えば、無電解メッキ液を所定の方法にしたがって建浴、加温したところに、金属メッキ触媒を吸着させた重合体微粒子を浸漬し、還元反応で金属メッキ層を析出させる方法等が挙げられる。
本発明における導電性微粒子の粒径は、1〜10μmであることが好ましい。また、導電性微粒子と電極との接触面積のばらつきが小さく安定した接続が得られるため、CV値(粒径分布の標準偏差を平均粒径で除して百分率とした値)は、10%以下であることが好ましい。
本発明の導電性微粒子は、本発明の製造方法によって製造される導電性微粒子であって、体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れが存在する導電性微粒子の割合が1%以下であることが好ましい。
本発明における、体積平均粒子径の測定は、例えば、コールターカウンター(コールター社製)を用いて行うことができる。
また、本発明における、メッキ割れの測定は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)により行い、倍率としては、観察しやすい倍率を選べばよいが、例えば、1000倍で観察することにより行うことができる。
体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れが存在する導電性微粒子の割合は、無作為に選んだ1000個の粒子について測定し、そのなかで体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れがあるものの個数を測定することにより得られる。
体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れが存在する導電性微粒子の割合が1%を超えると、導通不良が発生し、接続信頼性が低下することがある。
本発明の異方性導電材料は、上述した本発明の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなるものである。
上記異方性導電材料としては、本発明の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されていれば特に限定されるものではなく、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
本発明の異方性導電材料の作製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して分散させ、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤等とする方法や、絶縁性の樹脂バインダー中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して導電性組成物を作製した後、この導電性組成物を必要に応じて有機溶媒中に均一に溶解(分散)させるか、又は加熱溶融させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定のフィルム厚さとなるように塗工し、必要に応じて乾燥や冷却等を行って、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電シート等とする方法等が挙げられ、作製しようとする異方性導電材料の種類に対応して、適宜の作製方法をとればよい。また、絶縁性の樹脂バインダーと、本発明の導電性微粒子とを、混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
上記絶縁性の樹脂バインダーの樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等のビニル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂及びこれらの硬化剤からなる硬化性樹脂;スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、これらの水素添加物等の熱可塑性ブロック共重合体;スチレン−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等のエラストマー類(ゴム類)等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型、熱硬化型、光硬化型、湿気硬化型等のいずれの硬化形態であってもよい。
本発明の異方性導電材料には、絶縁性の樹脂バインダー、及び、本発明の導電性微粒子に加えるに、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、増量剤、軟化剤(可塑剤)、粘接着性向上剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等の各種添加剤の1種又は2種以上が併用されてもよい。
(作用)
本発明の導電性微粒子の製造方法によれば、カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する分散安定剤を用いた場合は、重合時の油溶性重合開始剤の働きでグラフト化等により表面に前記官能基を有する分散安定剤が化学結合されている重合体微粒子が得られる。また、カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する重合性単量体を用いた場合は、重合時にエチレン性不飽和単量体と共に共重合されることにより表面に前記官能基を有する重合性単量体が化学結合されている重合体微粒子が得られる。
重合体微粒子表面を金属メッキするときに、金属メッキ触媒を重合体微粒子の表面に吸着させた際、重合体微粒子表面にカルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基が存在することにより金属メッキ触媒の吸着量が飛躍的に向上し、しかも前記官能基を有する物質は重合体微粒子に化学結合されているため吸着力も強いものと考えられる。従って、芯粒子を多孔質化させたりエッチングにより芯粒子の表面に凹凸を発生させてアンカー効果をもたせる処理等は必要ないかあるいは最小限にとどめることができるため、芯粒子が割れにくく、上述した金属メッキ触媒の吸着により芯粒子と金属メッキ層との密着性が優れ、メッキ割れが極めて少ない導電性微粒子を得ることができる。
本発明の導電性微粒子の製造方法は、上述の構成よりなるので、重合体微粒子を芯粒子とする導電性微粒子において、芯粒子が割れにくく、芯粒子と金属メッキ層との密着性が優れ、メッキ割れが極めて少ないものとすることができる。また、該製造方法により製造された導電性微粒子は、芯粒子が割れにくく、芯粒子と金属メッキ層との密着性が優れ、メッキ割れが極めて少ないものとなる。更に、該導電性微粒子を用いた異方性導電材料は、メッキ割れが極めて少なく接続信頼性に優れる。
特に、バインダー樹脂と混合して用いられる異方性導電フィルム用途では、電極端子と接続された後に導電性微粒子に加わるせん断応力や振動によっても金属メッキ層と芯粒子との密着力が高いことから金属メッキ層の剥離を防ぐことができる。また、電極端子と圧着処理する際にも導電性微粒子の変形による金属メッキ層の割れや剥離を抑えることができる。これにより、導通不良を防ぐことができ、接続信頼性に優れたものとすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
シード粒子として0.8μmのスチレン粒子5gと、イオン交換水500gと、5重量%のポリビニルアルコール水溶液100gとを混合し超音波を加え分散させた後、セパラブルフラスコに入れて均一に撹拌した。
次に、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート128g、ジビニルベンゼン32gを、過酸化ベンゾイル12g、ラウリル硫酸トリエタノールアミン9g、エタノール118gを添加したイオン交換水1035gより調製した乳化液を数回に分けてセパラブルフラスコに加え、12時間撹拌を行いシード粒子にモノマーを吸収させた。
その後、分散安定剤として、5重量%のポリビニルアルコール水溶液250gと、30重量%のポリアクリル酸水溶液250gとを加え窒素ガスを導入し90℃、9時間反応させ体積平均粒子径3μmの重合体微粒子を得た。
得られた重合体微粒子の表面に無電解ニッケルメッキを行い、約0.08μmのニッケルメッキ層を形成させた。更に、置換金メッキを行い、約0.03μmの金メッキ層をニッケルメッキ層の上に形成させ導電性微粒子を得た。
(導電性微粒子のメッキ割れ観察)
得られた導電性微粒子について、走査電子顕微鏡(SEM)により測定倍率1000倍で導電性微粒子の表面を観察し、コールターカウンターにより測定した体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れが観察された導電性微粒子の個数を数えた。このとき、体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れが存在する導電性微粒子の割合が1%以下であれば「○」とし、1%を超えた場合は「×」とした。なお、観察範囲は、100μm×130μmであり、観察個数は1000個とした。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
分散安定剤として、5重量%のポリビニルアルコール水溶液250gと、30重量%のポリアクリル酸水溶液250gとを使用せず、代わりに5重量%のポリビニルアルコール水溶液500gを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子を得た。また、実施例1と同様にして体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れが存在する導電性微粒子の割合を求めた。評価結果を表1に示す。
Figure 2005325382
表1より、実施例1で得られた導電性微粒子のメッキ割れの割合は少なく1%以下であった。一方、比較例1で得られた導電性微粒子のメッキ割れの割合は多く1%を超えていた。
(実施例2)
樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及びトルエン100重量部に、実施例1で得られた導電性微粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性微粒子を含有する接着フィルムを得た。なお、導電性微粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cm2 とした。
その後、導電性微粒子を含有する接着フィルムを、導電性微粒子を含有させずに得た接着フィルムと常温で貼り合わせ厚さ17μmで2層構造の異方性導電フィルムを得た。
(比較例2)
比較例1で得られた導電性微粒子を添加したこと以外は実施例2と同様にして異方性導電フィルムを得た。
(異方性導電材料の導電性評価)
得られた異方性導電フィルムを5×5mmの大きさに切断した。また、一方に抵抗測定用の引き回し線を持つ、幅200μm、長さ1mm、高さ0.2μm、L/S20μmのアルミニウム電極が形成されたガラス基板を2枚用意した。異方性導電フィルムを一方のガラス基板のほぼ中央に貼り付けた後、他方のガラス基板を異方性導電フィルムが貼り付けられたガラス基板の電極パターンと重なるように位置あわせをして貼り合わせた。
2枚のガラス基板を、圧力10N、温度180℃の条件で熱圧着した後、電極間の抵抗値を測定した。実施例2、比較例2で得られた異方性導電フィルムについてそれぞれ測定した。
また、作製した試験片に対してPCT試験(80℃、95%RHの高温高湿環境下で1000時間保持)を行った後、電極間の抵抗値を測定した。
評価結果を表2に示す。
Figure 2005325382
表2より、実施例1で得られた導電性微粒子を用いた実施例2の異方性導電フィルムは、比較例1で得られた導電性微粒子を用いた比較例2の異方性導電フィルムに比べ、接続抵抗値が低い。また、PCT試験後の、抵抗値の上昇の度合いは、実施例2のほうが比較例2に比べて低い。高い抵抗値の要因は、金属メッキ層の割れ、剥がれによるものと考えられ、その上、高温高湿処理後には割れの拡大により、更に抵抗値が顕著に上昇したものと考えられる。
本発明によれば、重合体微粒子を芯粒子とする導電性微粒子において、芯粒子が割れにくく、芯粒子と金属メッキ層との密着性が優れ、メッキ割れが極めて少ない導電性微粒子を得る製造方法、該製造方法により製造された導電性微粒子、及び該導電性微粒子を用いた異方性導電材料を提供できる。

Claims (3)

  1. 重合体微粒子の表面を金属メッキする導電性微粒子の製造方法であって、
    カルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する分散安定剤を重合体微粒子形成時の分散安定剤とするか、あるいはカルボキシル基及びスルホン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する重合性単量体を重合体微粒子形成時の重合性単量体とする少なくともいずれかの方法により、表面に前記官能基を有する物質を化学結合している重合体微粒子を得た後、金属メッキ触媒を吸着させて金属メッキすることを特徴とする導電性微粒子の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法によって製造される導電性微粒子であって、
    体積平均粒子径の1/2以上の長さのメッキ割れが存在する導電性微粒子の割合が1%以下であることを特徴とする導電性微粒子。
  3. 請求項2記載の導電性微粒子が樹脂バインダーに分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。

JP2004142853A 2004-05-12 2004-05-12 導電性微粒子の製造方法、導電性微粒子、及び異方性導電材料 Pending JP2005325382A (ja)

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WO2010032854A1 (ja) * 2008-09-19 2010-03-25 株式会社日本触媒 導電性微粒子およびこれを用いた異方性導電材料
JP2015205991A (ja) * 2014-04-21 2015-11-19 国立大学法人東京工業大学 金属担持微粒子の製造方法

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