JP2005325278A - フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学特性に優れ、特に、ポリビニルアルコールなどからなる液晶ディスプレイの偏光子との密着性に優れたフィルムを提供すること。
【解決手段】 ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤0.001〜10重量部と、酸化防止剤0.001〜5重量部とを含有することを特徴とするフィルム。溶融成形法によってフィルムを得る場合はさらに可塑剤2〜60重量部を有することが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂が、ブチルアセタール樹脂および/またはアセトアセタール樹脂であることが好ましい。
【解決手段】 ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤0.001〜10重量部と、酸化防止剤0.001〜5重量部とを含有することを特徴とするフィルム。溶融成形法によってフィルムを得る場合はさらに可塑剤2〜60重量部を有することが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂が、ブチルアセタール樹脂および/またはアセトアセタール樹脂であることが好ましい。
Description
本発明は、ポリビニルアセタール樹脂を主成分とするフィルムに関する。
液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板は、ヨウ素や染料を吸着配向させたポリビニルアルコールなどからなる偏光子の表裏両側を、透明な樹脂層で積層した構成からなり、この透明な樹脂層として、トリアセテートセルロースの様なセルロースエステルが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−131637
また、近年、液晶ディスプレイはCRTに代わるモニターとして大画面、高画質化のための研究開発や、市場要求に相応した低価格化が進んでいる。これに伴い、液晶ディスプレイ用偏光板の保護フィルムに対する要求として、光透過性の向上や複屈折の低減、安価な量産方式の開発などが求められている。
本発明は、光学特性に優れ、特に、偏光子との密着性に優れたフィルムを提供するものである。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤0.001〜10重量部と、酸化防止剤0.001〜5重量部を含有することを特徴とするフィルムを用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明のフィルムは、光学特性および偏光子との密着性に優れるという効果を有する。
ポリビニルアセタール樹脂とは、ポリビニルアルコールとアルデヒド類との反応で得られる環状アセタール構造を有する樹脂である。
ポリビニルアセタール樹脂の製造法としては、ポリビニルアルコールを熱水に溶解して得られたポリビニルアルコール水溶液を所定の温度(例えば、0〜95℃の範囲)で保持した状態で酸触媒およびアルデヒドを加え、攪拌しながらアセタール化反応を進行させ、次いで温度を上げて熟成させることにより反応を完結させて、その後、中和、水洗、乾燥を行って粉末樹脂を得る方法や、メタノールやエタノールなどの有機溶媒に粉末状のポリビニルアルコールを分散させて、0〜60℃で酸触媒およびアルデヒドを加え、攪拌しながらアセタール化反応を進行させて溶液化し、次いで反応温度を上げて反応を完結させた後に中和し、水などの析出溶媒を添加して樹脂を析出させ、水洗、乾燥して粉末樹脂を得る方法などが採用される。
ポリビニルアルコールの平均重合度は、特に制限されるものではないが、好ましくは300〜3000、より好ましくは1000〜2500である。ポリビニルアルコールの重合度が低いと、フィルムの機械的強度(耐切削性など)が低下することが懸念され、重合度が高いと溶融粘度が高くなり後記する溶融押し出しによるフィルム製造が難しくなる。また、ポリビニルアルコールのケン化度は、得られるポリビニルアセタール樹脂の透明性、耐熱性などの観点から、65モル%、好ましくは68モル%以上が好ましい。
アルデヒドとしては、通常のポリビニルアセタール樹脂の合成に用いられる原料であるアルデヒドを用いることができ、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、tert−ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド類、シクロヘキシルアルデヒドなどの脂環族アルデヒド類、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ハロゲン置換ベンズアルデヒド、フェニル置換アルキルアルデヒドなどの芳香族アルデヒド類などがある。これらの中で、得られる樹脂の熱変形温度の観点から、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドが好ましく用いられる。これらアルデヒドは単独または二種以上で用いられる。なお、以下の説明では、しばしば、アルデヒドとしてブチルアルデヒドを用いて得られるポリビニルアセタール樹脂をブチルアセタール樹脂、アセトアルデヒドを用いて得られるポリビニルアセタール樹脂をアセトアセタール樹脂と略記する。
酸触媒としては、例えば、塩酸、リン酸、硫酸、クエン酸、パラトルエンスルホン酸などを、一種で、あるいは、二種以上混合して用いる。これらの酸触媒は、一般に反応液のpHが0.3〜2.0となるように適量添加される。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系紫外線吸収剤などがある。これら紫外線吸収剤は単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。紫外線吸収剤の配合量は、ポリビニルアセタール樹脂に対する重量基準で10〜100000ppm、好ましくは100〜10000ppmの範囲である。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などがあり、これらの中でもフェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどのアクリレート系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−)ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物などがある。
リン系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレンなどのモノホスファイト系化合物、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイトなどのジホスファイト系化合物などがある。これらの中でもモノホスファイト系化合物が好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどがある。
これらの酸化防止剤は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化防止剤の配合量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲である。
フィルム成形法としては、公知の溶融成形法や溶液流延法などが採用される。一般的には、光学的に良好な物性を有するフィルムを得る目的で溶液流延法が好まれるが、本発明のポリビニルアセタール樹脂においては溶融成形法を用いて良好なフィルムを得ることができる。溶融成形法としては、Tダイを用いた方法やインフレーション法などの溶融押し出し法、熱プレス法、カレンダー法などがある。これらの中で、厚さムラが小さく、15〜500μm程度の厚さに加工しやすい観点からTダイ溶融押し出し法が好ましい。溶融押し出し温度は、ポリビニルアセタール樹脂の重合度、可塑剤配合量などにより異なるが、樹脂温度で110〜220℃、好ましくは130〜200℃、更に好ましくは150〜190℃の範囲である。溶融押し出しする場合の引き取りロールの温度は、Tダイから排出された樹脂フィルムを徐冷できる温度に設定することが好ましく、具体的には、排出される樹脂温度の少なくとも10℃以上低く設定することが好ましい。
溶融成形法によってフィルムを得る際には、加工性を向上させる目的で適正量の可塑剤が添加されるものである。その一例を挙げれば、エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコール−2−エチルブチレート、1,4−プロピレングリコール−2−エチルブチレート、1,2−プロピレングリコール−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−2−エチルヘキソエート、トリエチレングリコール−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−2−エチルヘキソエート、テトラエチレングリコール−2−エチルブチレートなどがある。可塑剤の添加量は、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して、2〜60重量部、好ましくは5〜40重量部、更に好ましくは10〜35重量部である。
溶液流延法としては常法を採用することができ、具体的にはポリビニルアセタール樹脂及び添加剤を溶媒に溶解または微分散させた液状組成物を適正な支持体上に流延し、溶媒を乾燥除去する方法である。支持体としては、一般的に溶液流延法で用いられる、例えば、金属ドラム、ガラス板、金属ベルト、各種プラスチックフィルムなどのロール、ベルト、ロールなどが使用できる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒などを用いることができる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のフィルムは、必要に応じて表面処理を施すことも可能である。表面処理の方法としては、従来公知の任意の方法が採用可能である。例えば、コロイド放電処理などの電気的処理、低圧または常圧下でのプラズマ処理、オゾンの存在下または非存在下での紫外線照射処理、クロム酸などによる酸処理、シラン系プライマーあるいはチタン系プライマーなどのプライマー処理などがある。また、ハードコートなどのコーティング処理を行うことも可能である。
本発明のフィルムは、光学特性を活かして光学的等方フィルム、光学材料の保護フィルムなどとして用いることができ、とりわけ、偏光板用保護フィルムとして液晶表示装置周辺などの光学用途に好適である。偏光板保護フィルムとして用いる場合は偏光子(延伸、染色したポリビニルアルコールフィルム)と貼り合わせて耐久性に優れる偏光板とすることができる。本発明のフィルムの主成分であるポリビニルアセタール樹脂は分子内に水酸基を有し、ポリビニルアルコール製の偏光子との密着性、接着性がよく、耐久性に優れる一因となる。
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対し、可塑剤30重量部と、紫外線吸収剤0.3重量部と、酸化防止剤0.2重量部とをヘンシェルミキサーで配合し、コンパウンドを得た。次に、このコンパウンドをTダイを備えた溶融押出機(田辺プラスチック機械製40mm単軸押出機)に供給して厚さ150μmの原反フィルムを得た。この原反フィルムを、表面温度40〜45℃に調整した第一ロールと、60〜65℃に調整した第二ロールと、10〜15℃に調整した第三ロールを通して再度巻き取り、本実施例のフィルムを得た。得られたフィルムについて、以下に示した測定を行いその結果を表1に示した。
なお、本実施例において、ポリビニルアセタール樹脂は電気化学工業(株)製デンカブチラール4000−2(商品名)、可塑剤はトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエート、紫外線吸収剤は2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、酸化防止剤は1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンである。
ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対し、可塑剤30重量部と、紫外線吸収剤0.3重量部と、酸化防止剤0.2重量部とをヘンシェルミキサーで配合し、コンパウンドを得た。次に、このコンパウンドをTダイを備えた溶融押出機(田辺プラスチック機械製40mm単軸押出機)に供給して厚さ150μmの原反フィルムを得た。この原反フィルムを、表面温度40〜45℃に調整した第一ロールと、60〜65℃に調整した第二ロールと、10〜15℃に調整した第三ロールを通して再度巻き取り、本実施例のフィルムを得た。得られたフィルムについて、以下に示した測定を行いその結果を表1に示した。
なお、本実施例において、ポリビニルアセタール樹脂は電気化学工業(株)製デンカブチラール4000−2(商品名)、可塑剤はトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエート、紫外線吸収剤は2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、酸化防止剤は1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンである。
[フィルム厚み]
フィルムの中央部から50mm×50mmの四角片を切り出し、温度23℃±1℃、湿度50%±5%の雰囲気下でMD方向の中央部を10mm間隔で4箇所、及び、TD方向の中央部を10mm間隔で4箇所の計8箇所測定した平均値である。
フィルムの中央部から50mm×50mmの四角片を切り出し、温度23℃±1℃、湿度50%±5%の雰囲気下でMD方向の中央部を10mm間隔で4箇所、及び、TD方向の中央部を10mm間隔で4箇所の計8箇所測定した平均値である。
[全光線透過率およびヘイズ]
日本電色社製ヘイズメーターNDH2000を用いて、温度23℃±1℃、湿度50%±5%の雰囲気で測定して得た値である。
日本電色社製ヘイズメーターNDH2000を用いて、温度23℃±1℃、湿度50%±5%の雰囲気で測定して得た値である。
[複屈折]
ユニオプト社製複屈折測定装置ABR−10Aを用いて、測定温度23℃±1℃、垂直方向、波長633nm(He−Na光源)、フィルム片20mm×20mm正方形の枠内を均等刻みで計25点測定した平均値である。
ユニオプト社製複屈折測定装置ABR−10Aを用いて、測定温度23℃±1℃、垂直方向、波長633nm(He−Na光源)、フィルム片20mm×20mm正方形の枠内を均等刻みで計25点測定した平均値である。
[密着性]
偏光子を想定した市販のポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製ビニロンフィルム「クラリアHH(厚み70μm)」の片面に本発明のフィルムを積層させて、ハンドローラを用いて端部から二つのフィルムを密着させ、脱泡しつつ貼り合わせた。ハンドローラ圧力は約1kg/cm2、ローラスピード1m/分、雰囲気温度25℃、湿度50±5%で実施した。貼り合わせたフィルム試料を70℃の乾燥器中で3分間保持した後取り出し放冷した。この貼り合わせサンプルの各フィルム端を両手で持ちながら開き、その際の剥離状態、材料破壊の程度を観察したものである。半分以上材料破壊が起こったものを○、一部材料破壊が起こったものを△、容易にはがれたものを×とした。
偏光子を想定した市販のポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製ビニロンフィルム「クラリアHH(厚み70μm)」の片面に本発明のフィルムを積層させて、ハンドローラを用いて端部から二つのフィルムを密着させ、脱泡しつつ貼り合わせた。ハンドローラ圧力は約1kg/cm2、ローラスピード1m/分、雰囲気温度25℃、湿度50±5%で実施した。貼り合わせたフィルム試料を70℃の乾燥器中で3分間保持した後取り出し放冷した。この貼り合わせサンプルの各フィルム端を両手で持ちながら開き、その際の剥離状態、材料破壊の程度を観察したものである。半分以上材料破壊が起こったものを○、一部材料破壊が起こったものを△、容易にはがれたものを×とした。
[実施例2]
実施例1におけるポリビニルアセタール樹脂を電気化学工業(株)製デンカブチラール5000−Aに変更し、可塑剤をトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエート40重量部に変更したものである。実施例1と同様の測定を行い、その測定結果を表1に示した。
実施例1におけるポリビニルアセタール樹脂を電気化学工業(株)製デンカブチラール5000−Aに変更し、可塑剤をトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエート40重量部に変更したものである。実施例1と同様の測定を行い、その測定結果を表1に示した。
[実施例3]
ブチルアセタール樹脂は下記の方法、手順で作製した。まず、ブチルアセタール樹脂合成のための原料の1つであるポリビニルアルコール水溶液は、150Lの溶解槽に純水90000部、及び、平均重合度1700、ケン化度98.7モル%のポリビニルアルコール10000部を投入し、撹拌しながら加温して完溶させることにより調整した。
ブチルアセタール樹脂は下記の方法、手順で作製した。まず、ブチルアセタール樹脂合成のための原料の1つであるポリビニルアルコール水溶液は、150Lの溶解槽に純水90000部、及び、平均重合度1700、ケン化度98.7モル%のポリビニルアルコール10000部を投入し、撹拌しながら加温して完溶させることにより調整した。
反応器下部に3つの供給口を有し、反応器上部に1つの排出口を有する容積3Lの筒型ガラス製反応器(棒バッフル2本付き)を準備した。反応器に純水を満たし、撹拌しながら(アンカー翼、350rpm)内温を33℃に保持した。
上記の10%ポリビニルアルコール水溶液と、酸触媒として35%塩酸、アルデヒドとしてブチルアルデヒドを準備し、各々の供給速度が9.0kg/hr、0.29kg/hr、0.69kg/hrとなるように反応器下部からフィードしながら、生成したブチルアセタール化反応液(以下、スラリーと言い換える)を反応器上部から排出させた。排出開始後1時間経過した時点で、スラリーを別に準備した9Lの熟成槽へ移送し(移送量5kg)、撹拌した状態で55℃で3時間熟成させた。熟成槽の撹拌翼は三枚後退翼であり、撹拌回転数は170rpmであった。
次に、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH8.5に調整し、常温まで冷却した。得られたスラリーを遠心分離器により含水率45%に脱水し、樹脂分に対して10倍量の純水を添加して希釈し、30分間撹拌して水洗した。この脱水、水洗操作を3回繰り返し、得られたスラリーを再度脱水した後、熱風乾燥して粉状のブチルアセタール樹脂を得た。ブチラール化度は70モル%であった。
このブチルアセタール樹脂を用いて、実施例1に記載した方法に従って溶融押出法により厚さ135μmのフィルムを作製した。実施例1と同様の測定を行い、その測定結果を表1に示した。
[実施例4]
ポリビニルアセタール樹脂としてのデンカブチラール4000−2を30重量部、酸化防止剤としての1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.7重量部、紫外線吸収剤としての2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’ジメチルベンジル)フェニル]−2 H−ベンゾトリアゾール0.3重量部、溶媒としてのエタノール69重量部をミキシングタンクに投入し、撹拌して、ポリビニルアセタールドープ液を作製した。
ポリビニルアセタール樹脂としてのデンカブチラール4000−2を30重量部、酸化防止剤としての1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.7重量部、紫外線吸収剤としての2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’ジメチルベンジル)フェニル]−2 H−ベンゾトリアゾール0.3重量部、溶媒としてのエタノール69重量部をミキシングタンクに投入し、撹拌して、ポリビニルアセタールドープ液を作製した。
このドープ液を平面支持体上に流延し、剥離可能になるまで乾燥してから剥ぎ取った後、90℃で2時間、次に100℃で30分間乾燥して厚さ120μmのポリビニルアセタールフィルムを作製した。実施例1と同様の測定を行い、その測定結果を表1に示した。
[実施例5]
アセトアセタール樹脂は下記の方法、手順で作製した。実施例3と同様の手順で10%ポリビニルアルコール水溶液を準備した。原料の一つであるアセトアルデヒドは冷媒ジャケットの付いた貯槽に仕込み、内温5℃に維持した。
アセトアセタール樹脂は下記の方法、手順で作製した。実施例3と同様の手順で10%ポリビニルアルコール水溶液を準備した。原料の一つであるアセトアルデヒドは冷媒ジャケットの付いた貯槽に仕込み、内温5℃に維持した。
反応器下部に3つの供給口を有し、反応器上部に1つの排出口を有する容積9Lの筒型ガラス製反応器(棒バッフル2本付き)を準備した。反応器に純水を満たし、撹拌しながら(アンカー翼、350rpm)内温を45℃に保持した。
10%ポリビニルアルコール水溶液、35%塩酸、アセトアルデヒドの各々の供給速度が9.0kg/hr、0.29kg/hr、0.42kg/hrとなるように反応器下部からフィードしながら、生成したアセトアセタール化反応液(以下、スラリーと言い換える)を反応器上部から排出させた。排出開始後1時間経過した時点で、スラリーを別に準備した9Lの熟成槽へ移送し(移送量5kg)、撹拌した状態で55℃で3時間熟成させ、次に62℃で2時間熟成させて反応を完結させた。熟成槽の撹拌翼は三枚後退翼であり、撹拌回転数は170rpmであった。
次に、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH8.0に調整し、常温まで冷却した。得られたスラリーを遠心分離器により含水率48%に脱水し、樹脂分に対して10倍量の純水を添加して希釈し、30分間撹拌して水洗した。この脱水、水洗操作を3回繰り返し、得られたスラリーを再度脱水した後、熱風乾燥して粉状のアセトアセタール樹脂を得た。アセタール化度は72モル%であった。
こうして得られたアセトアセタール樹脂100重量部に対し、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエートを35重量部、酸化防止剤として1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンを0.2重量部、紫外線吸収剤として2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α’ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールを0.3重量部、ヘンシェルミキサーで配合し、造粒含浸配合物(以下、コンパウンドと言い換える)を得た。このコンパウンドを実施例1と同様の手順でTダイを備えた溶融押出機に供給し、厚さ160μmの原反フィルムを得た。なお、押出機運転条件と製膜条件は次の通りである。次に、こうして得た原反フィルムを、表面温度50〜60℃に調整した第一ロールと、80〜85℃に調整した第二ロールと、20〜25℃に調整した第三ロールを通して、再度巻き取り、最終的に厚さ135μmのフィルムを作製した。実施例1と同様の測定を行い、その測定結果を表1に示した。
[比較例1]
トリアセテートセルロースフィルム(富士写真フィルム社製フジタック:厚み125μm)について、実施例1と同様の測定を行い、その測定結果を表1に示した。
トリアセテートセルロースフィルム(富士写真フィルム社製フジタック:厚み125μm)について、実施例1と同様の測定を行い、その測定結果を表1に示した。
本発明によるポリビニルアセタール樹脂を主成分とするフィルムは、液晶表示装置周辺の光学フィルム、特に、偏光板用保護フィルムとして利用可能である。
Claims (6)
- ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤0.001〜10重量部と、酸化防止剤0.001〜5重量部とを含有することを特徴とするフィルム。
- ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対し、可塑剤2〜60重量部と、紫外線吸収剤0.001〜10重量部と、酸化防止剤0.001〜5重量部とを含有することを特徴とするフィルム。
- ポリビニルアセタール樹脂が、ブチルアセタール樹脂および/またはアセトアセタール樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載したフィルム。
- 溶融押し出し法で成形して得られたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載したフィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載したフィルムを、偏光子の片面もしくは両面に積層して得られた偏光板。
- 請求項5に記載した偏光板を用いた液晶表示装置。
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KR20180065975A (ko) | 2015-10-07 | 2018-06-18 | 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 | 폴리비닐아세탈 수지 조성물, 접착 시트 및 접착 시트의 제조 방법 |
-
2004
- 2004-05-17 JP JP2004145894A patent/JP2005325278A/ja active Pending
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