JP2005324238A - レーザ加工方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率良いレーザ加工装置を得る。
【解決手段】レーザ加工装置は、レーザ光11を発生するレーザ発生手段10と、レーザ光11の入射を許容する開口部13を備えるとともに、内部に液体14が充填された状態で被加工金属体15の内部に挿入される高反射率材料からなる冷却パイプ12と、冷却パイプ12が挿入された状態の被加工金属体15を保持するとともに、レーザ光11と被加工金属体15との相対的な位置を制御する位置制御手段16と、冷却パイプ12の内部に液体14を充填する液体供給手段17と、から構成されている。ここで、開口部13はレーザ光11の光路上に位置するように設定されているので、レーザ光11は、被加工金属体15表面に孔をあけて通過してから冷却パイプ12のパイプ内面に到達するまでの間に液体14中を通過することになる。
【選択図】図3
【解決手段】レーザ加工装置は、レーザ光11を発生するレーザ発生手段10と、レーザ光11の入射を許容する開口部13を備えるとともに、内部に液体14が充填された状態で被加工金属体15の内部に挿入される高反射率材料からなる冷却パイプ12と、冷却パイプ12が挿入された状態の被加工金属体15を保持するとともに、レーザ光11と被加工金属体15との相対的な位置を制御する位置制御手段16と、冷却パイプ12の内部に液体14を充填する液体供給手段17と、から構成されている。ここで、開口部13はレーザ光11の光路上に位置するように設定されているので、レーザ光11は、被加工金属体15表面に孔をあけて通過してから冷却パイプ12のパイプ内面に到達するまでの間に液体14中を通過することになる。
【選択図】図3
Description
本発明は、レーザ加工方法および装置に係り、特に、被加工金属体表面にレーザ光を照射して孔あけ加工を実施する際に用いられるレーザ加工方法および装置の改良に関するものである。
従来から、レーザ照射によって被加工金属体に孔あけ加工を施す技術が知られている。例えば、ガソリン直噴用のインジェクタの噴射孔の加工においては、噴射孔が弁挿入孔の内面に開口しているため、レーザ光が噴射孔を貫通すると、噴射孔と逆側に位置する弁挿入孔の内面がレーザ光によって傷付けられるおそれがある。そこで、このような不都合を防止するために、下記特許文献1乃至3に示されるような技術が開示されている。
下記特許文献1には、被加工金属体であるノズルボディの弁挿入孔の内部に鏡部を配置したことを特徴とする技術が開示されている。この技術は、鏡部によって噴射孔を貫通したレーザ光が弁挿入孔の開口部側に向かって反射するための鏡面が形成されており、鏡面によって反射されたレーザ光の進行方向前方に、レーザ光吸収体を配置したことを特徴とするものである。
また、下記特許文献2には、被加工金属体内にレーザ光を吸収、散乱させることができる液体や粉体等を充填し、レーザ光が加工対象部位以外に照射されることを防止する技術が開示されている。
さらに、下記特許文献3には、被加工金属体内にディスクを配置し、加工を受けた壁から出現するレーザ光をこのディスクによって遮断することにより、他の壁をレーザ光の照射から保護するという技術が開示されている。
しかしながら、上述した各特許文献に開示されている技術については、問題が存在する。まず、特許文献1に開示の技術では、孔あけ加工により発生する残渣が鏡部に付着することで鏡面の反射率が低下し、鏡部が破損してしまうので長期に渡って使用することができないという問題を有している。
また、特許文献2に開示の技術において、被加工金属体内に液体を充填した場合には、レーザ光によってあけられた孔から液体が漏れ出し、加工を妨げてしまうという事態が発生する。一方、被加工金属体内に粉体を充填した場合には、粉自体やレーザ光によって溶けて固まった固形粉体がレーザ光によってあけられた孔に詰まってしまうおそれがある。また、液体、粉体とも加工後の除去に手間がかかるため、生産性が悪くなってしまうという問題を有している。
さらに、特許文献3に開示の技術では、ディスク自体がレーザ光によって加工されてしまうのでディスクを頻繁に交換しなければならず、加工されて発生する残渣も内部に残留してしまうので、除去に時間がかかってしまうという問題がある。
本発明に係るレーザ加工方法は、レーザ光の入射を許容する開口部を備えるとともに、内部に液体が充填された高反射率材料からなる冷却パイプを被加工金属体の内部に挿入し、かかる被加工金属体表面にレーザ光を照射して孔あけ加工を実施するとき、前記開口部が前記レーザ光の光路上に位置するように設定されることにより、前記レーザ光は、前記被加工金属体表面に孔をあけて通過してから前記冷却パイプのパイプ内面に到達するまでの間に前記液体中を通過するように設定されていることを特徴とする。
本発明に係るレーザ加工方法において、前記レーザ光は、前記冷却パイプのパイプ内面に対して傾きを持って入射するように設定されていることが好適である。
また、本発明に係るレーザ加工方法では、前記冷却パイプの内部に充填される液体の体積が、常に一定に保たれていることとすることができる。
さらに、本発明に係るレーザ加工方法では、前記冷却パイプの内部に充填される液体の液位が、常に一定に保たれていることとすることができる。
またさらに、本発明に係るレーザ加工方法において、前記液体中にはマイクロバブルが含まれていることとすることが可能である。
本発明に係るレーザ加工装置は、レーザ光を発生するレーザ発生手段と、前記レーザ光の入射を許容する開口部を備えるとともに、内部に液体が充填された状態で被加工金属体の内部に挿入される高反射率材料からなる冷却パイプと、前記冷却パイプが挿入された状態の前記被加工金属体を保持するとともに、前記レーザ光と前記被加工金属体との相対的な位置を制御する位置制御手段と、前記冷却パイプの内部に液体を充填する液体供給手段と、を有し、前記被加工金属体表面にレーザ光を照射することによって被加工金属体に孔あけ加工を施す装置であって、前記位置制御手段は、前記冷却パイプが備える開口部が前記レーザ光の光路上に位置するように設定可能であるとともに、前記液体供給手段は、前記レーザ光が前記被加工金属体表面に孔をあけて通過してから前記冷却パイプのパイプ内面に到達するまでの間に前記液体中を通過するように液体の供給制御を実施可能であることを特徴とする。
本発明に係るレーザ加工装置において、前記位置制御手段は、前記レーザ光が前記冷却パイプのパイプ内面に対して傾きを持って入射するように前記冷却パイプの位置制御を行うことが可能である。
また、本発明に係るレーザ加工装置において、前記液体供給手段は、前記冷却パイプの内部に充填される液体の体積を常に一定に保持可能であることとすることができる。
さらに、本発明に係るレーザ加工装置において、前記液体供給手段は、前記冷却パイプの内部に充填される液体の液位を常に一定に保持可能であることとすることができる。
またさらに、本発明に係るレーザ加工装置において、前記液体供給手段は、孔あけ加工によって発生して液体中に堆積する加工滓を排出するための、加工滓排出手段を有することとすることができる。
さらにまた、本発明に係るレーザ加工装置は、前記液体中にマイクロバブルを発生させるためのマイクロバブル発生器を備えることが可能である。
なお上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
本発明によれば、レーザ光が加工対象部位以外に照射されることを防止できるとともに、効率良い孔あけ加工の実施が可能となる。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るレーザ加工装置の全体概要を示す図であり、図2は、図1におけるA部を拡大した詳細図である。本実施形態に係るレーザ加工装置は、レーザ光11を発生するレーザ発生手段10と、レーザ光11の入射を許容する開口部13を備えるとともに、内部に液体14が充填された状態で被加工金属体15の内部に挿入される高反射率材料からなる冷却パイプ12と、冷却パイプ12が挿入された状態の被加工金属体15を保持するとともに、レーザ光11と被加工金属体15との相対的な位置を制御する位置制御手段16と、冷却パイプ12の内部に液体14を充填する液体供給手段17と、から構成されている。
レーザ発生手段10としては、例えば、YAGパルスレーザ発振器を採用することができる。なお、本実施形態では、被加工金属体15としてガソリン直噴用のインジェクタを例示して説明するが、このようなインジェクタの噴射孔を加工する際には、波長532nm、最大平均出力20W、パルス幅30msec、パルス繰り返し数10kHzのYAGレーザを採用することが好適である。ただし、本発明の適用は、かかるYAGレーザに限定されるものではなく、あらゆる種類のレーザ光に適用可能であることは言うまでもない。
一方、冷却パイプ12の材質としては、反射率の高い銅やアルミ、銀等で構成することが可能であり、この冷却パイプ12は、被加工金属体15であるインジェクタの内部に挿入された状態で位置制御手段16に保持される。図1における位置制御手段16は、ロボットアームを採用した場合を例示しているが、冷却パイプ12と被加工金属体15を所望の位置に固定保持できるものであればどのような機構を採用しても良い。
また、冷却パイプ12には、レーザ光11を透過できるとともに冷却効果を有する液体14が充填されている。液体14には、水や液体窒素、液体アルゴン等を採用することが可能である。この液体14は、液体供給手段17によって供給されており、例えば、リザーバタンク18を設け、このリザーバタンク18内の液体14の液量や液位を調節することによって、冷却パイプ12に充填される液体14の供給制御が可能となっている。なお、リザーバタンク18における液量調節は、例えば、液位測定センサ19を設けておき、この液位測定センサ19からの出力信号に基づいて行うことが可能である。なお、以下の説明では、液体14に水を用いた場合を例示して説明する。
以上のような構成を有するレーザ加工装置を用いることによって、被加工金属体15表面にレーザ光11を照射して被加工金属体15に孔あけ加工を施すことが可能なのであるが、本実施形態において特徴的な点として、冷却パイプ12が備える開口部13がレーザ光11の光路上に位置するように設定されていることが挙げられる。この位置制御は、位置制御手段16によって行われている。そして、冷却パイプ12内には、液体供給手段17によって液量調節された水14が充填されているので、レーザ光11は、被加工金属体15表面に孔をあけて通過してから冷却パイプ12のパイプ内面に到達するまでの間に水中を通過するようになっている。このような構成とすることによって、水14はレーザ光11からエネルギを受ける冷却パイプ12を冷却するという効果を発揮することができるので、冷却パイプ12自体の破損を防止することが可能である。
また、位置制御手段16は、レーザ光11が冷却パイプ12のパイプ内面に対して傾きを持って入射するように冷却パイプ12の位置制御を行っているので、孔を貫通したレーザ光11は、冷却パイプ12の中を多重反射する際に、入射エネルギの一部が冷却パイプ12のパイプ内面に吸収されて、次第にエネルギを奪われることになる。
以上のようにして、レーザ光11のエネルギは冷却パイプ12を伝って分散し、同時に冷却パイプ12は水14によって冷却される。また、水14は蒸発することでレーザ光11によって発生する冷却パイプ12の熱を奪うことになるのであるが、水14は液体の状態であれ水蒸気の状態であれレーザ光11を吸収しないので、孔あけ加工に対して影響を及ぼすことはない。気化して無くなった水14については、液体供給手段17を用いることによって冷却パイプ12の内部に充填される水14の体積、あるいは水位を常に一定に保持することができるので、レーザ光11が水14を介さずに直接冷却パイプ12に接触することはない。
孔あけ加工によって発生する加工滓については、冷却パイプ12内の水14に落下することになるのであるが、液体供給手段17に設けた加工滓排出手段20を用いることにより排出が可能となっている。なお、図1に示す加工滓排出手段20は、液体供給手段17中に設けたバイパス経路とバルブによって構成されている。
冷却パイプ12を被加工金属体15中に挿入する方法としては、冷却パイプ12を挿入してから水14を充填させる方法を採ることも可能であるが、あらかじめ冷却パイプ12中に水14を充填した状態で止水用バルブ21を締め、その後被加工金属体15中に挿入する方法を採用することも可能である。後者の方法によれば、被加工金属体15を入れ替えるたびに水14の充填・排出操作を行う必要が無く、水14を充填された状態での冷却パイプ12の移動もできるので、作業効率を向上させることが可能である。
さらに、本実施形態に係るレーザ加工装置では、図3に示すように、液体供給手段17にマイクロバブル発生器22を設置し、液体14中にマイクロバブルを発生させるようにすることも好適である。液体14中にマイクロバブルを発生させることによってレーザ光11が泡の表面で散乱するので、レーザ光11のエネルギをさらに効率良く失わせることが可能となるからである。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 レーザ発生手段、11 レーザ光、12 冷却パイプ、13 開口部、14 液体(水)、15 被加工金属体、16 位置制御手段、17 液体供給手段、18 リザーバタンク、19 液位測定センサ、20 加工滓排出手段、21 止水用バルブ、22 マイクロバブル発生器。
Claims (11)
- レーザ光の入射を許容する開口部を備えるとともに、内部に液体が充填された高反射率材料からなる冷却パイプを被加工金属体の内部に挿入し、かかる被加工金属体表面にレーザ光を照射して孔あけ加工を実施するとき、
前記開口部が前記レーザ光の光路上に位置するように設定されることにより、
前記レーザ光は、前記被加工金属体表面に孔をあけて通過してから前記冷却パイプのパイプ内面に到達するまでの間に前記液体中を通過するように設定されていることを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項1に記載のレーザ加工方法において、
前記レーザ光は、前記冷却パイプのパイプ内面に対して傾きを持って入射するように設定されていることを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項1又は2に記載のレーザ加工方法において、
前記冷却パイプの内部に充填される液体の体積が、常に一定に保たれていることを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ加工方法において、
前記冷却パイプの内部に充填される液体の液位が、常に一定に保たれていることを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザ加工方法において、
前記液体中にはマイクロバブルが含まれていることを特徴とするレーザ加工方法。 - レーザ光を発生するレーザ発生手段と、
前記レーザ光の入射を許容する開口部を備えるとともに、内部に液体が充填された状態で被加工金属体の内部に挿入される高反射率材料からなる冷却パイプと、
前記冷却パイプが挿入された状態の前記被加工金属体を保持するとともに、前記レーザ光と前記被加工金属体との相対的な位置を制御する位置制御手段と、
前記冷却パイプの内部に液体を充填する液体供給手段と、
を有し、
前記被加工金属体表面にレーザ光を照射することによって被加工金属体に孔あけ加工を施すレーザ加工装置であって、
前記位置制御手段は、前記冷却パイプが備える開口部が前記レーザ光の光路上に位置するように設定可能であるとともに、
前記液体供給手段は、前記レーザ光が前記被加工金属体表面に孔をあけて通過してから前記冷却パイプのパイプ内面に到達するまでの間に前記液体中を通過するように液体の供給制御を実施可能であることを特徴とするレーザ加工装置。 - 請求項6に記載のレーザ加工装置において、
前記位置制御手段は、前記レーザ光が前記冷却パイプのパイプ内面に対して傾きを持って入射するように前記冷却パイプの位置制御を行うことを特徴とするレーザ加工装置。 - 請求項6又は7に記載のレーザ加工装置において、
前記液体供給手段は、前記冷却パイプの内部に充填される液体の体積を常に一定に保持可能であることを特徴とするレーザ加工装置。 - 請求項6〜8のいずれか1項に記載のレーザ加工装置において、
前記液体供給手段は、前記冷却パイプの内部に充填される液体の液位を常に一定に保持可能であることを特徴とするレーザ加工装置。 - 請求項6〜9のいずれか1項に記載のレーザ加工装置において、
前記液体供給手段は、孔あけ加工によって発生して液体中に堆積する加工滓を排出するための、加工滓排出手段を有することを特徴とするレーザ加工装置。 - 請求項6〜10のいずれか1項に記載のレーザ加工装置において、
前記液体中にマイクロバブルを発生させるためのマイクロバブル発生器を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004145995A JP2005324238A (ja) | 2004-05-17 | 2004-05-17 | レーザ加工方法および装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012106261A (ja) * | 2010-11-17 | 2012-06-07 | Honda Motor Co Ltd | 孔開け加工装置 |
JP2012240099A (ja) * | 2011-05-23 | 2012-12-10 | Shibaura Mechatronics Corp | レーザ処理装置及び方法 |
JP2016026886A (ja) * | 2015-09-11 | 2016-02-18 | 芝浦メカトロニクス株式会社 | レーザ処理装置 |
JP2020011251A (ja) * | 2018-07-17 | 2020-01-23 | 株式会社デンソー | レーザ加工装置 |
JP2020011250A (ja) * | 2018-07-17 | 2020-01-23 | 株式会社デンソー | レーザ加工装置 |
-
2004
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