JP2005323830A - ガラス扉のサッシ構造及びこれを用いる冷凍/冷蔵ショーケース - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、信頼性の高いガラス扉のサッシ構造の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明は、ガラス板の端面に当接する部位(52a)とガラス板の周縁部におけるショーケースの庫内側の面を被覆する部位(52)とを備えた樹脂部材(50)と、樹脂部材に接する部位(80)とガラス板の周縁部におけるショーケースの庫外側の面を被覆する部位(62)とを有する金属部材(60)とを備える。樹脂部材と金属部材とは、一方の部材に形成された突起部(58,59)と、他方の部材に形成されかつ突起部を囲繞保持する突起保持部(68,69)とが互いに連結されることにより一体となっている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、冷凍および/または冷蔵ショーケースで使用されるガラス扉のサッシ構造に関する。
マーケットやコンビニエンスストア等に設置される冷蔵および/または冷凍ショーケースにおいて、開閉ドアに断熱性に優れた複層ガラスが広く使用されている。この種のショーケースでは、複層ガラスの周縁部は、サッシ(枠材)により保持されている。サッシは、複層ガラスの周縁部を受け入れるコの字断面を有し、複層ガラスの端面に対向する底面と、複層ガラスの両面(庫内側表面と庫外側表面)に対向する2つの側面とを有している。
サッシは、一般的に、剛性・強度の点で有利な金属材料により形成されるが、庫内側と庫外側との間の断熱性を高めるため、サッシの庫内側の部位を樹脂部材により構成する技術や、金属部材からなるサッシの庫内側の部位を樹脂部材により覆うような技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この従来技術では、サッシを構成する金属部材及び樹脂部材は、爪による引掛けや凸部と凹部の嵌め合いを介して接続されている。
特開平10−339075号公報 米国特許第6,606,833号明細書
ところで、冷蔵/冷凍ショーケースに使用されるガラス板のサッシは、通常的なサッシに必要とされる機能や剛性以外にも、高い断熱性を実現することが求められる。一方、上述の従来技術の如く、断熱性を高めるためにサッシの庫内側の部位を樹脂部材により構成する場合、同じ断面形状の金属製のサッシに比して剛性・強度が劣るので、サッシの耐久性やサッシによるガラス板の保持剛性が低下するという問題点が生じうる。また、樹脂部材と金属部材との接続態様によっても、サッシ全体としての信頼性(耐久性)が大きく影響を受けることになる。
また、通常的な金属製のサッシを用いる構成では、ガラス板の端面はグレージングチャンネル(コの字断面を有するゴム製の部材)により保護されるが、上述の従来技術の如く、サッシの庫内側の部位を樹脂部材により構成する場合、部品点数が増し、各部材間の関係や全体構造が複雑化する問題点がある。また、グレージングチャンネルを廃止する場合であっても、その弊害が適切に把握・補償されるべきである。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑み、信頼性の高いガラス扉のサッシ構造及びこれを用いる冷凍および/または冷蔵ショーケースの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態によれば、冷凍および/または冷蔵ショーケースで使用されるガラス扉のサッシ構造において、
ガラス板の端面に当接する部位と前記ガラス板の周縁部における前記ショーケースの庫内側の面を被覆する部位とを備えた樹脂部材と、前記樹脂部材に当接する部位と前記ガラス板の周縁部における前記ショーケースの庫外側の面を被覆する部位とを有する金属部材とを備え、
前記樹脂部材と前記金属部材とは、前記部材の一方に形成された突起部と、前記部材の他方に形成されかつ前記突起部を囲繞保持する突起保持部とが互いに連結されることにより一体となっていることを特徴とするガラス扉のサッシ構造が提供される。
また、前記樹脂部材における前記ガラス板の端面に当接する部位は、前記ガラス板の端面全体を覆っていてよい。前記突起部および前記突起保持部は、前記ガラス板の端面に沿って延在する長尺な形状をそれぞれ有し、前記樹脂部材と前記金属部材とがスライドされることで互いに連結されてよい。前記ガラス板は、複層ガラスであってよい。本発明によるサッシ構造は、一若しくはそれ以上のガラス板との組み合せによりガラス扉として効果的に使用できる。このガラス扉は、冷凍および/または冷蔵ショーケースの開口部に取り付けられることにより効果的に使用できる。
以上説明したとおり本発明は、ガラス板の端面に当接する部位とガラス板の周縁部におけるショーケースの庫内側の面を被覆する部位とを備えた樹脂部材と、樹脂部材に接する部位とガラス板の周縁部におけるショーケースの庫外側の面を被覆する部位とを有する金属部材とを備えることにより、グレージングチャンネルを用いないにも拘わらず、ガラス板の端面が金属部材に接触することを防ぎ、ガラス板の破砕を防ぐことができる。
また、樹脂部材と金属部材とが、部材の一方に形成された突起部と、部材の他方に形成されるとともに突起部を囲繞保持するための突起保持部とが互いに連結されることにより一体となっているため、サッシの剛性が高く、充分な強度でガラス板を保持することができる。さらに、本発明では、サッシやガラス板にヒータを設けることなくこれらに結露が生じることを防ぐことができ、省エネルギーの観点で有利である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明によるショーケースの一実施例を示す概略的な外観図を示し、図2は、図1のA−A断面に相当し、本実施例によるショーケースのサッシ構造の要部断面図である。
本実施例のショーケースは、冷蔵及び/又は冷凍機能を有する冷凍及び/又は冷蔵ショーケースであり、図1に示すように、ショーケース本体10を有する。ショーケース本体10には、その内部空間(庫内空間)を冷却する手段(図示せず)が設けられる。
ショーケースは、開閉可能なガラス扉20を有する。ガラス扉20は、複層ガラス30と、複層ガラス30の周縁部を保持する枠材(サッシ)40とを含む。ガラス扉20は、ショーケース本体10の前面に設けられ、ショーケース本体10の庫内空間がガラス扉20の複層ガラス30を介して庫外から目視可能とされる。
複層ガラス30は、複数枚のガラス板32(図2の例では、2枚)を含む。複数枚のガラス板32は、互いに面直方向に対向して配置され、アルミ等で形成されたスペーサ34により、面直方向に所定間隔で互いに離間される。スペーサ34は、ガラス板32の周縁部に沿って、隣接する2枚のガラス板32の間に配設され、ガラス板32の端面側でブチルゴム等の封止材により、ガラス板32と共に一体的に固着される。尚、スペーサ34は、複数枚のガラス板32間に画成される空間内の空気を乾燥状態に保つための乾燥剤と共に、上記封止材が一体化されたものであってもよい。
枠材40は、1つの複層ガラス30に対して4つ設けられ、各枠材40は、複層ガラス30の各辺に対してそれぞれ設けられる。各枠材40は、複層ガラス30の4隅においてネジ等を介して互いに連結される。
枠材40は、PVC(polyvinyl chloride),ポリプロピレンやABS(acrylonitrile butadiene styrene)等の適切な硬質樹脂材料で形成された樹脂部材50と、アルミやスチール等の金属材料で形成された金属部材60とを有する。樹脂部材50及び金属部材60は、それぞれ等断面の押し出し成形により製造される。
樹脂部材50は、複層ガラス30の庫内側表面30aに対向する庫内側部位52を有する。庫内側部位52は、複層ガラス30の端面側から複層ガラス30の庫内側表面30aに略平行に延在している。庫内側部位52と複層ガラス30の庫内側表面30aとの間には、接着剤を封入するための第1の封入空間55が形成される。庫内側部位52の端部には、庫内側表面30aに当接して第1の封入空間55を閉塞する突起52aが形成される。
樹脂部材50は、マグネットガスケット70を保持するガスケット保持部位56を更に有する。マグネットガスケット70は、軟質樹脂で形成された柔軟な本体を有し、樹脂部材50のガスケット保持部位56の溝内に嵌入・保持される楔状の被保持部72を有している。マグネットガスケット70は、枠材12の長手方向に沿って複層ガラス30の全周に亘り設けられ、ガラス扉20の閉状態において、ショーケース本体10の枠材12の表面に吸着し、ガラス扉20とショーケース本体10の枠材12との間の隙間をシールする機能を有する。尚、ショーケース本体10の枠材12は、ショーケース本体10の壁体の前側に固定され、ショーケース本体10の開口部(オープニング)を画成している。
樹脂部材50は、複層ガラス30の端面30bに対向する端面側部位54を有する。本実施例の端面側部位54は、複層ガラス30の端面30b全体(ガラス板32及びスペーサ34)に対向している。即ち、端面側部位54は、複層ガラス30の端面30bの全体を覆うように、複層ガラス30の庫内側表面側から庫外側表面側まで延在している。
金属部材60は、複層ガラス30の庫外側表面30cに対向する庫外側部位62を有する。金属部材60の庫外側部位62は、樹脂部材50の庫内側部位52と同様に、複層ガラス30の端面側から形成され、複層ガラス30の庫外側表面30cに略平行に延在している。庫外側部位62と複層ガラス30の庫外側表面30cとの間には、接着剤を封入するための第2の封入空間65が形成される。庫外側部位62の端部には、第2の封入空間65を閉塞する突起62aが形成される。尚、突起62aと複層ガラス30の庫外側表面30cとの間に、緩衝材(例えば、軟質樹脂製のモール)が設けられてもよい。
金属部材60は、複層ガラス30の端面30bに対向する端面側部位64を更に有する。端面側部位64は、複層ガラス30の端面30bに略平行に延在し、樹脂部材50の端面側部位54よりも複層ガラス30の端面30bから離れる方向にオフセットされている。端面側部位64は、樹脂部材50のガスケット保持部位56を覆う位置まで延在する。金属部材60の端面側部位64と庫外側部位62により画成される角部には、閉断面部66が形成される。閉断面部66は、枠材40の剛性を高める役割を果たす。閉断面部66の内部には、ガラス扉20の回転軸(ヒンジピン)が挿通されてよい。
尚、金属部材60は、枠材40として必要な強度・剛性に大きく寄与する強度部材であるため、金属部材60には、ガラス扉20をショーケース本体10に対して回転可能に支持するヒンジ機構、ガラス扉20を閉状態まで引き込むドアクローザー機構、ガラス扉20の最大開度を規制するストッパ機構、及び、ユーザにより操作されるドアハンドルのような、取付部に高い機械的強度を必要とする機構・部材が取り付られる。
本実施例の樹脂部材50と金属部材60とは、枠材40の長手方向(樹脂部材50及び金属部材60の押し出し方向)に沿ったスライド式の係合を介して接続されている。樹脂部材50及び金属部材60間のスライド式の接続部は、好ましくは、2ヶ所以上設定され、可能な限り互いに離れた位置に設定される。図2に示す例では、閉断面部66の複層ガラス端面側に第1の接続部が設定され、当該第1の接続部と略対角位置にある端面側部位64の庫内側端部に第2の接続部が設定されている。
具体的には、樹脂部材50は、図2に示すように、T字形断面の第1の突起部58と、L字形断面の第2の突起部59とを有する。第1の突起部58は、ガスケット保持部位56の外側の側面(複層ガラス30の端面30bから遠い側の側面)に突設されている。第2の突起部59は、端面側部位54の外側の面(複層ガラス30の端面30bから遠い側の面)に突設されている。何れの突起部58,59も、その断面形状に起因して、複層ガラス30の厚み方向の幅が変化している。即ち、複層ガラス30の端面30bに近い側に、幅の小さい首部を有し、複層ガラス30の端面30bから遠い側に、幅の大きい頭部を有する。
金属部材60は、樹脂部材50の突起部58,59をそれぞれ囲繞して保持する突起保持部68,69を有する。第1の突起保持部68は、第1の突起部58に対応したT字形断面の溝を有し、第2の突起保持部69は、第2の突起部59に対応したL字形断面の溝を有している。尚、第1及び第2の突起保持部68,69の各溝と第1及び第2の突起部58,59との間には、組み付け時の第1及び第2の突起部58,59の各溝内での摺動を確保する最小限の隙間が設定されてよい。
尚、第1及び第2の突起部58,59及び第1及び第2の突起保持部68,69は、樹脂部材50及び金属部材60の押し出し成形により形成され、従って、複層ガラス30の端面30bに沿って延在する長尺な形状をそれぞれ有することになる。
次に、本実施例によるガラス扉20の枠材40の組み付け方法について説明する。先ず、樹脂部材50の第1及び第2の突起部58,59が、金属部材60の長手方向の一端から、金属部材60の第1及び第2の突起保持部68,69の各溝内に挿入され、次いで、樹脂部材50の挿入側端部が金属部材60の他端と一致するまで、第1及び第2の突起部58,59が金属部材60の長手方向に沿って第1及び第2の突起保持部68,69の各溝内でスライドされる。これにより、樹脂部材50と金属部材60との接続、即ちガラス扉20の枠材40の組み付けが完了される。枠材40は、複層ガラス30の周縁部に嵌め込まれ、複層ガラス30の各辺に嵌め込まれた各枠材40の金属部材60が互いに締結される。この際、枠材40(庫内側部位52及び庫外側部位62)は、第1及び第2の封入空間55,65内に予め塗布・封入された接着剤により複層ガラス30に固着される。尚、第1及び第2の封入空間55,65内の接着剤は、複層ガラス30の全周に亘って設定されてよく、若しくは、局所的に設定されてもよい。
本実施例では、樹脂部材50と金属部材60とは、突起部58,59と突起部58,59を囲繞・保持する突起保持部68,69とが互いに連結されることにより一体となっているので、爪による引掛けや凸部と凹部の嵌め合いによる接続態様に比して、樹脂部材50と金属部材60との間の接続が強固になる。従って、樹脂部材50が金属部材60に対して図2に示すX1、X2方向に回転変位しようとしても、樹脂部材50と金属部材60との接続が容易に解除されることは無い。
これに関して、枠材40と複層ガラス30との間にグレージングチャンネルが存在しない構成では、グレージングチャンネルの弾性変形に代わって、樹脂部材50(特に庫内側部位52)の変形によって、複層ガラス30の厚み方向の公差等が吸収されることになる。このような構成では、例えば複層ガラス30を枠材40に嵌め込む際、庫内側部位52が庫内側に開く方向(図2のX1方向)に変形する場合がある。この場合、樹脂部材50は、金属部材60に対してX1方向に回転変位しようとするので、従来的な爪による引掛けや凸部と凹部の嵌め込みによる接続態様では、樹脂部材50と金属部材60との間の接続が解除され易くなる。
また、複層ガラス30を両面から挟持する2つの部位(即ち、庫外側部位62及び庫内側部位52)が2部材(即ち、金属部材60及び樹脂部材50)で形成されている場合、1部品で形成される場合に比して、庫外側部位62及び庫内側部位52間の距離(複層ガラス30の厚み方向の距離)の公差が大きくなり、それ故に、上述のような樹脂部材50の変形(変位)が生じ易くなる。
これに対して、本実施例では、上述の如く、樹脂部材50が金属部材60に一体的に強固に接続されているので、複層ガラス30の庫内側表面30aを樹脂部材50の庫内側部位52により被覆し、複層ガラス30の庫外側表面30cを金属部材60の庫外側部位62により被覆し、且つ、グレージングチャンネルを廃止した場合であっても、それによる弊害(即ち、樹脂部材50の変形(変位)により接続が解除され易くなるという弊害)が生ずることはなく、信頼性の高い樹脂部材50及び金属部材60間の接続が実現される。
また、本実施例では、金属部材60の庫外側部位62及び樹脂部材50の庫内側部位52は、上述の如く、複層ガラス30を両面から挟み込むように、複層ガラス30の表面30c,30aにそれぞれ固着されている。このような構成では、樹脂部材50の庫内側部位52が複層ガラス30の庫内側表面30aに単に当接するだけの構成若しくは庫内側表面30aをカバーするだけの構成に比して、枠材40の曲げ・捩じれ剛性(枠材40による複層ガラス30の保持剛性)が大きく向上する。一方、このような構成では、樹脂部材50にガラス扉20の開閉動作中に多様な入力が作用するので、従来的な爪による引掛けや凸部と凹部の嵌め込みによる接続態様では、強度上(耐久性)の問題が生じうる。これに対して、本実施例では、樹脂部材50と金属部材60の接続部に高い強度を付与することができるので、ガラス扉20の開閉回数の多い過酷な使用環境下においても、高い耐久性を維持することができると共に、樹脂部材50と金属部材60との接続が容易に解除されることは無い。
また、本実施例によれば、樹脂部材50の庫内側部位52が複層ガラス30の庫内側表面30aに固着されるので、複層ガラス30の庫内側の周縁部の見栄えが向上する。即ち、本実施例によれば、ガラス扉20の開閉回数の多い過酷な使用環境下においても、樹脂部材50の庫内側部位52が複層ガラス30の庫内側表面30aから容易に浮き上がることはない。
また、本実施例では、樹脂部材50を庫内側に配設することで、庫内側と庫外側との間での断熱性を高める一方、金属部材60を樹脂部材50が庫外から目視できないように庫外側に配設することで、枠材40の良好な見栄え(意匠性)が確保されている。特に、本実施例では、樹脂部材50(端面側部位54)により複層ガラス30の端面30b全体が覆われているので、複層ガラス30の端面30bを介した庫内と庫外との間での熱移動が抑制され、ガラス扉20全体としての断熱性が向上する。また、金属部材60と庫内空間との間の熱の絶縁性が増すので、金属部材60上の結露の発生が効果的に抑制される。これにより、従来的に複層ガラス30のガラス板32や枠材40に設定されていた結露防止用のヒータを廃止することが可能となり得る。
また、本実施例では、複層ガラス30のガラス板32の端面に樹脂部材50(端面側部位54)が対向・当接しているので、ガラス板32の端面が、樹脂部材50の緩衝機能により適切に保護される。従って、本実施例によれば、樹脂部材50の緩衝機能によりガラス板32の破砕を防ぐことができるので、ガラス板32の端面を保護するための追加の部材(典型的にはグレージングチャンネル)が不要となる。また、本実施例では、樹脂部材50の端面側部位54が庫内側及び庫外側のガラス板32の端面に当接しているので、上述のような樹脂部材50の金属部材60に対するX1、X2方向の回転変位が更に抑制され、樹脂部材50と金属部材60との接続が更に解除され難くなる。
更に、本実施例では、樹脂部材50及び金属部材60は、複層ガラス30の端面30bに垂直な方向で互いに当接し合う当接面80を有している。この当接面80は、好ましくは、2ヶ所以上設定され、可能な限り互いに庫内外方向で離れた位置に設定される。当接面80は、樹脂部材50の端面側部位54の背面(端面側部位64側の面)の略全体に亘って設定されてもよい。図2に示す例では、金属部材60の閉断面部66と樹脂部材50の端面側部位54との間に、庫外側の当接面80が設定され、金属部材60の第1の突起保持部68と樹脂部材50のガスケット保持部位56との間に、庫外側の当接面80が設定されている。これにより、枠材40全体としての剛性が更に向上すると共に、上述のような樹脂部材50の金属部材60に対するX1、X2方向の回転変位が効果的に抑制される。また、当接面80を介して樹脂部材50から金属部材60への力の伝達が実現されるので、樹脂部材50と金属部材60との接続部(特に第1及び第2の突起部58,59の根元部)に応力が集中するのが防止される。
次に、図3を参照して、本発明によるショーケースのその他の一実施例を説明する。図3は、図1のA−A断面に相当し、本実施例のショーケースの要部断面図である。以下、本実施例の特徴的な構成を説明し、他の構成は上述の実施例と同様であってよい。
本実施例の樹脂部材50の端面側部位54は、複層ガラス30の端面30bに部分的に対向している。即ち、端面側部位54は、複層ガラス30の庫内側表面30aから庫外側表面30cまでは延在せず、金属部材60の閉断面部66付近で終端している。端面側部位54は、庫内側のガラス板32の端面に当接する部位を除いて、複層ガラス30の端面30bから離間している。この離間により、端面側部位54と複層ガラス30の端面30bとの間には、空間57が形成される。空間57は、金属部材60の庫外側部位62と複層ガラス30の庫外側表面30cとの間の第2の封入空間65に連通している。空間57には、第2の封入空間65と同様、接着剤が塗布・封入される。接着剤は、少なくとも庫外側のガラス板32の端面と金属部材60(閉断面部66)との間に封入される。これにより、ガラス板32の端面が金属部材60に接触することを防ぎ、ガラス板32の破砕を防ぐことができる。接着剤は、図3で封入範囲をハッチングにて示すように、金属部材60と樹脂部材50とを直接的に接着できる範囲にも設定されてもよい。この場合、金属部材60と樹脂部材50との接続がより強固となる。
金属部材60の端面側部位64の外側の表面には、フィン74が設けられる。フィン74は、金属部材60の端面側部位64の表面積を増加させ、金属部材60の端面側部位64の吸熱性能を高める。これにより、金属部材60上の結露の発生が更に抑制される。尚、上述の実施例においても、金属部材60の端面側部位64に同様のフィン74が設定されてよい。
本実施例においても、上述の実施例と同様、樹脂部材50と金属部材60とがスライド式の係合を介して接続されている。本実施例では、第1及び第2の突起部58,59は、円形断面の先端部を有している(複層ガラス30の端面30bに近い側に、幅の小さい首部を有し、複層ガラス30の端面30bから遠い側に、幅の大きい頭部を有する)。同様に、金属部材60の第1及び第2の突起保持部68,69は、第1及び第2の突起部58,59に対応した円形断面の溝を有している。また、上述の実施例と同様、第1及び第2の突起保持部68,69は、第1及び第2の突起部58,59の複層ガラス30の厚さ方向の段差を利用して、第1及び第2の突起部58,59を囲繞して保持している(即ち、頭部を囲繞して首部を掴むような態様で保持している)。従って、本実施例においても、上述の実施例と同様の効果が奏される。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した各実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した各実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
特に、樹脂部材50と金属部材60との間のスライド式の接続を実現する構造に関しては、上述した各実施例で示す構造に対して種々の変形及び置換を加えることができる。例えば、突起部58,59は、複層ガラス30の端面30bに近い側に、複層ガラス30の厚み方向の幅が小さい首部を有し、複層ガラス30の端面30bから遠い側に、幅の大きい部位を有していればよく、従って、首部が、必ずしも突起部58,59の根元にある必要は無く、幅の大きい部位が、必ずしも突起部58,59の先端にある必要は無い。また、1つの突起部に対して、同様の首部と頭部が2組以上設定されてもよく、この場合、それに対応して、1つの突起保持部に対して、頭部を収容する室が2つ以上形成される。
また、上述した各実施例では、樹脂部材50側に突起部が設定され、金属部材60側に突起保持部が設定されているが、金属部材60側に突起部が設定され、樹脂部材50側に突起保持部が設定されてもよい。この場合、複数の接続部のうちある接続部に対しては、樹脂部材50側に突起部が設定され、その他の接続部に対しては、金属部材60側に突起部が設定されてもよい。
また、上述の第1実施例において、樹脂部材50は、複層ガラス30の庫外側表面30cに対向する庫外側部位を有してよい。即ち、樹脂部材50は、複層ガラス30の周縁部を保持するコの字型断面を形成してもよい。但し、この場合、金属部材60の庫外側部位62は、樹脂部材50の庫外側部位を庫外側から覆うように形成される。この場合、樹脂部材50の庫外側部位は、庫内側部位52と同様の態様で、複層ガラス30の庫外側表面30cに固着されてよい。
また、上述の第1実施例において、樹脂部材50の端面側部位54は、必ずしも複層ガラス30の端面30b全体に当接している必要は無く、複数のガラス板32の端面に対してのみ当接し、他の部位(スペーサ34)に対しては離間していてよい。また、樹脂部材50の端面側部位54と複層ガラス30の端面30bとの間に接着剤が介在してもよい。
また、本発明は、1つのショーケース本体10に対するガラス扉20の個数やガラス扉20の開閉方式を特定するものではなく、1つのショーケース本体10に対して一若しくはそれ以上のガラス扉20が設定されてもよく、ガラス扉20の回転軸は、ガラス扉20の左右何れの側にあってもよく、また、ガラス扉20の上下側にあってもよい。
また、本発明は、ガラス板32の種類を特定するものでなく、ガラス板32としては、表面にフィルム(膜)がコーティングされたガラス板、強化処理の施されたガラス板、複数枚のガラス板がフィルム等の中間膜を介して接合された合わせガラス板等の種々のものが使用できる。また、ガラス板32としては、いわゆる有機ガラスと称される透明樹脂板やこの透明樹脂板と通常のガラス板との積層体を用いることもできる。また、複層ガラス30に代えて、一枚のガラス板が使用されてもよい。
また、複数のガラス板32間に形成される空間には、空気以外の特殊な気体が充填されていてもよいし、真空又は低圧状態の何れであってもよい。
本発明によるショーケースの一実施例を示す概略的な外観図である。 第1実施例によるサッシ構造の要部断面図である。 その他の実施例によるサッシ構造の要部断面図である。
符号の説明
10 ショーケース本体
12 ショーケース本体の枠材
20 ガラス扉
30 複層ガラス
30a 庫内側表面
30b 端面
30c 庫外側表面
32 ガラス板
34 スペーサ
40 枠材
50 樹脂部材
52 庫内側部位
52a 突起
54 端面側部位
55 第1の封入空間
56 ガスケット保持部位
58,59 突起部
60 金属部材
62 庫外側部位
62a 突起
64 端面側部位
65 第2の封入空間
66 閉断面部
68,69 突起保持部
70 マグネットガスケット
72 被保持部
74 フィン
80 当接面

Claims (6)

  1. 冷凍および/または冷蔵ショーケースで使用されるガラス扉のサッシ構造において、
    ガラス板の端面に当接する部位と前記ガラス板の周縁部における前記ショーケースの庫内側の面を被覆する部位とを備えた樹脂部材と、前記樹脂部材に当接する部位と前記ガラス板の周縁部における前記ショーケースの庫外側の面を被覆する部位とを有する金属部材とを備え、
    前記樹脂部材と前記金属部材とは、前記部材の一方に形成された突起部と、前記部材の他方に形成されかつ前記突起部を囲繞保持する突起保持部とが互いに連結されることにより一体となっていることを特徴とするガラス扉のサッシ構造。
  2. 前記樹脂部材における前記ガラス板の端面に当接する部位は、前記ガラス板の端面全体を覆っている請求項1に記載のガラス扉のサッシ構造。
  3. 前記突起部および前記突起保持部は、前記ガラス板の端面に沿って延在する長尺な形状をそれぞれ有し、前記樹脂部材と前記金属部材とがスライドされることで互いに連結される請求項1または2に記載のガラス扉のサッシ構造。
  4. 前記ガラス板は、複層ガラスである請求項1〜3の何れか一項に記載のガラス扉のサッシ構造。
  5. ガラス板と請求項1〜4の何れか一項に記載のサッシ構造とを備えたことを特徴とするガラス扉。
  6. 庫内空間を形成するとともに開口部を備えたショーケース本体と、前記開口部に取り付けられた請求項5に記載のガラス扉と、前記庫内空間に配設された物品を冷却するための冷却手段とを備えたことを特徴とする冷凍および/または冷蔵ショーケース。
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