JP2005323823A - マッサージ機 - Google Patents

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Takahiro Shimura
高広 志村
Tomonori Ikumi
智則 伊久美
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Abstract

【課題】 被施療者のふくらはぎ以外の各部位についてマッサージ動作を実行している状態で検出手段によって生体情報を検出する場合、マッサージに伴う体動等のノイズの混入が少なく正確に生体情報を検出することができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】 脚置き部3に配置される右脚用第2空気袋13bを用いて脚の動脈の脈拍を空気袋内圧の変動として検出する。これにより、被施療者に無理な姿勢を強制することなく、かつ、特別な器具を装着させることなく、生体情報(心拍数)を検出することができる。また、脚以外の各部位についてマッサージ動作を実行している状態で生体信号を検出する場合、座部1に配置した空気袋内圧の変動を心拍信号として検出する場合に比べて、マッサージに伴う体動等のノイズの混入が少なく正確に生体情報を検出することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被施療者のリラックス度合いに応じてマッサージ動作を制御するマッサージ機に関する。
従来、マッサージ椅子等のマッサージ機においては、生体信号検出装置からの生体信号に基づいて被施療者のリラックス度合いを推定してマッサージ機能を可変するようになっている。
マッサージ機における生体信号検出装置としては、特許文献1に開示されているように、椅子の座部位置に配置された空気袋と、この空気袋の内圧を検出する圧力検出手段とから構成される生体情報検出手段を設けたものがある。このような生体信号検出装置によれば、生体の坐骨から伝わってくる骨振動等を、空気袋内の微小な内圧変動として圧力検出手段により捕らえて、これから生体信号、例えば心拍数を検出している。
特開2002−345768公報
しかしながら、特許文献1に開示されているような生体情報測定装置では、マッサージ刺激が強い場合や、座面あるいは背中や腰などの座面に近い部分をマッサージする場合には、マッサージ動作によるノイズの混入が大きく、生体情報の計測が困難となるという問題がある。また、計測中の発話等による被施療者の体動が、生体情報の計測に影響を与えるという問題がある。
ここで、特許文献1に記載のように座部に配置した空気袋内圧の変動を心拍信号として検出する場合における心拍信号検出例を図11に示す。図11(a)はマッサージ動作がない状態、図11(b)は一例として背もたれ部2の腰用空気袋8によって腰部位をマッサージした(マッサージ動作を実行した)状態の心拍信号を測定した結果である。図11(a)、図11(b)のいずれにおいても、縦軸は心拍検出信号の電圧レベルを、横軸は時間の経過を示す。リファレンスとしての心電図においては、そのR波の位置を実線の矢印で示してあり、例えばある単位時間中のR波の個数を計測することにより、心拍数を検出することができる。
マッサージ動作がない状態での出力信号を示す図11(a)のグラフによれば、圧力センサ30において、心拍動に伴う出力信号の急峻な変化が観察された。なお、破線の矢印で示した位置が心電図のR波に対応している。
これに対して、マッサージ動作がある状態での出力信号を示す図11(b)のグラフでは、心拍動に伴う出力信号の急峻な変化が部分的にノイズに埋もれていることが明白である。
したがって、特許文献1に記載のように座部に配置した空気袋内圧の変動を心拍信号として検出する場合においては、脚以外の各部位についてマッサージ動作を実行している状態で生体情報検出装置によって生体信号を検出する場合、マッサージ動作によるノイズが大きく混入し、生体情報の計測が困難となる問題がある。
本発明は、被施療者のふくらはぎ以外の各部位についてマッサージ動作を実行している状態で検出手段によって生体情報を検出する場合、マッサージに伴う体動等のノイズの混入が少なく正確に生体情報を検出することができるマッサージ機を提供することを目的とする。
本発明は、被施療者の臀部を支える座部と、被施療者の腰または背中を支える背もたれ部と、前記座部の先端部分近傍に設けられて被施療者の脚を支える脚置き部と、前記座部、前記背もたれ部および前記脚置き部における被施療者の身体の所定の部位に対応させて設けられた施療子を用いて、被施療者の身体に対する刺激を周期的に与えてマッサージを施す施療手段と、前記脚置き部に設けられ、前記座部に座っている被施療者のふくらはぎを収容する凹部と、この凹部内に収容された被施療者のふくらはぎが接する位置に設けられ、被施療者の生体情報を検出する検出手段と、この検出手段により検出した被施療者の生体情報に基づいて前記施療手段が被施療者に与える刺激を制御する制御手段と、を備える。
本発明によれば、被施療者のふくらはぎ以外の各部位についてマッサージ動作を実行している状態でマッサージに伴う体動等のノイズの混入が少なく正確に生体情報を検出することができる。
本発明の実施の一形態を図1ないし図10に基づいて説明する。本実施の形態は、マッサージ機としてマッサージ椅子100を適用した例である。
ここで、図1はマッサージ椅子100を概略的に示す外観斜視図、図2はその使用状態を示す側面図、図3はマッサージ椅子100に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。マッサージ椅子100は、脚部4に支持されて被施療者の臀部を支える座部1と、座部1に対して立設されており被施療者の腰または背中を支える背もたれ部2と、座部1の先端部分近傍に設けられて被施療者の脚を支える脚置き部3とで構成されている。背もたれ部2は、座部1に対してリクライニング可能に取り付けられている。また、背もたれ部2は、その上部にヘッドレスト5が設けられている。さらに、脚置き部3は、脚部4の前端部に連結されていて、取り付け軸4aを中心として回動可能である。この脚置き部3は、図示しないラチェット機構およびアクチュエータ機構により複数の傾斜角度に位置決めされるように設けられている。
まず、座部1の内部構造について説明する。図1に示すように、座部1の前部にはマッサージ椅子100に座った被施療者の大腿部をマッサージする施療子である大腿用空気袋6が配設され、座部1の後部には被施療者の尻部をマッサージする施療子である尻用空気袋7が配設されている。これら大腿用空気袋6及び尻用空気袋7は、気密性を有する合成樹脂材料を用いて細長い扁平な袋に形成されており、それぞれ座部1の幅方向に延びて配設されている。これら大腿用空気袋6及び尻用空気袋7は、後述の圧縮空気の給排気に伴い膨張・収縮を繰り返すことにより、被施療者の大腿部及び被施療者の尻部をマッサージする。なお、各空気袋6,7には、それぞれ図示しない給排気口が設けられており、これらの給排気口にはそれぞれ対応する給排気管が接続されている。これらの管は軟質ビニール管などの可撓性を有するエアチューブなどからなる。
次に、背もたれ部2の内部構造について説明する。図1に示すように、背もたれ部2の下端部にはマッサージ椅子100に座った被施療者の腰部をマッサージする施療子である腰用空気袋8が配設され、背もたれ部2の上端部には被施療者の首部及び肩部をマッサージする施療子である首肩用空気袋9が配設され、首肩用空気袋9の下方に位置して被施療者の背中部をマッサージする施療子である背中用空気袋10が配設されている。これらの腰用空気袋8、首肩用空気袋9、背中用空気袋10は、それぞれ背もたれ部2の幅方向に並設されている。さらに、背もたれ部2の腰用空気袋8と首肩用空気袋9との間には、被施療者の背筋をマッサージする施療子である背筋用空気袋11が配設されている。この背筋用空気袋11は、背もたれ部2の幅方向中央において、この背もたれ部2の長手方向(縦方向)に延びていて、被施療者の背筋位置に対応するように設けられている。これらの各空気袋8,9,10,11は、前述した大腿用空気袋6及び尻用空気袋7と同様に、気密性を有する合成樹脂材料を用いて扁平な袋に形成されていて、空気の給排気に伴い膨張・収縮を繰り返すことにより、マッサージ椅子100に座った被施療者の各部をマッサージする。なお、各空気袋8,9,10,11には、それぞれ図示しない給排気口が設けられており、これらの給排気口にはそれぞれ対応する給排気管が接続されている。これらの管は軟質ビニール管などの可撓性を有するエアチューブなどからなる。
続いて、脚置き部3の構造について説明する。ここで、図4は脚置き部3の構成を示す斜視図である。図4に示すように、脚置き部3は、幅方向両側にそれぞれ側壁3a,3bを有し、幅方向中央位置に中間壁3cを有しており、側壁3a,3bおよび中間壁3cの間にはU字形状の施療凹部12a,12bが形成されている。これらの施療凹部12a,12bは、その上面及び長手方向両端(前後両端)がそれぞれ開放された構成であって、その内部には被施療者の脚(ふくらはぎ部分)が出し入れされる。
右脚用の施療凹部12aを相互間に作る側壁3aと中間壁3cの相対向する施療凹部12a内側面には、それぞれ1つまたは複数の空気袋、例えば2個の空気袋13a,13bがそれぞれ配設されている。つまり、側壁3aには2個の右脚用第1空気袋13aが施療凹部12aの前後方向に並べて取り付けられており、側壁3aと対向する中間壁3cには2個の右脚用第2空気袋13bが施療凹部12aの前後方向に並べて取り付けられている。
同様に、左脚用の施療凹部12bを相互間に作る側壁3bと中間壁3cの相対向する施療凹部12b内側面には、それぞれ1つまたは複数の空気袋、例えば2個の空気袋13c,13dがそれぞれ配設されている。つまり、側壁3bには2個の左脚用第1空気袋13cが施療凹部12bの前後方向に並べて取り付けられており、側壁3bと対向する中間壁3cには2個の左脚用第2空気袋13dが施療凹部12bの前後方向に並べて取り付けられている。
各空気袋13a,13b,13c,13dは、気密性を有する合成樹脂材料を用いて袋状に形成されていて、圧縮空気の給排気に伴い膨張・収縮するものであり、膨張したとき施療凹部12a,12b内の被施療者の脚を両側から包み込むように挟み得る大きさに形成されている。なお、各空気袋13a,13b,13c,13dの施療凹部12a,12b側面に接する裏面には、図示しない給排気口が設けられている。これらの給排気口にはそれぞれ対応する給排気管が後述のように接続されている。これらの管は軟質ビニール管などの可撓性を有するエアチューブなどからなる。
また、本実施の形態のマッサージ椅子100においては、各種の指令の宣言を受け付けるリモートコントローラRが備えられている。リモートコントローラRは、特に図示しないが、各空気袋6〜11,13a〜13dの動作を選択するポイント選択スイッチ群と、各種の自動コースを選択する自動コース選択スイッチ群と、上記スイッチ群における選択情報や各空気袋6〜11,13a〜13dの動作位置を表示するLCD(Liquid Crystal Display)による表示部と、選択された情報を後述する制御装置26に送信し、表示部を作動させるマイクロコンピュータからなるリモコン制御装置とを有している。
さらに、本実施の形態のマッサージ椅子100においては、マッサージ椅子100の下部、つまり座部1の下側空間に、ユニット化されたエアー給排気装置20および生体情報検出装置21が配置されている。
図3に示すように、エアー給排気装置20は、施療手段として機能するものであり、エアーコンプレッサ22、フィルタータンク23、分配切替器24、電磁開閉弁25a,25b、制御装置26を備えている。エアーコンプレッサ22、フィルタータンク23、分配切替器24、電磁開閉弁25a,25bは、圧縮空気を給排気する給排気手段を構成する。
エアーコンプレッサ22は、圧縮空気供給手段として用いられるものであって、その圧縮空気吐出口には供給管27を介してフィルタータンク23が接続されている。フィルタータンク23は、エアーコンプレッサ22から供給された圧縮空気の脈動を吸収して圧縮空気流を平滑化するために使用されている。このフィルタータンク23の出口には、供給管28が接続されており、空気分配手段としての分配切替器24に接続されている。分配切替器24は、この種のエアー式マッサージ機に用いられている周知のモータ等により駆動される流路切替用のロータを有したロータリー弁であって、供給管28が接続される1つの吸気ポートと、各給排気管29a〜29hが個別に接続される複数の分配ポートと、一つの排気ポートとを有しており、その流路切換用のロータの回転により、任意に選択された分配ポートと給気ポートとを連通するとともに、選択されなかった分配ポートを排気ポートに連通させて各空気袋6〜11,13a〜13dについての選択的給気と選択的排気とができるように形成されている。
電磁開閉弁25aは、右脚用第2空気袋13bに接続されており、流路を開けた時に右脚用第2空気袋13bは給排気管29gと連通し、流路を閉じた時には右脚用第2空気袋13bは給排気管29gとの連通が切り離されるようになっている。電磁開閉弁25bは、一端が右脚用第2空気袋13bに接続され、もう一端が大気に連通されている。
制御装置26は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える周知のマイクロコンピュータ構成である。この制御装置26のROMには各種の動作モードを実行させるプログラムが格納されており、その選択された動作モードに従ってエアーコンプレッサ22、分配切替器24、電磁開閉弁25a,25bの動作を制御して各空気袋6〜11,13a〜13dに対する選択的給排気を行わせるように構成されている。
なお、各種動作モードとしては全身マッサージコース、上半身マッサージコース、下半身マッサージコース、リラックスコースのコース別動作モードと、首肩、背中、背筋、腰、尻、大腿、脚の身体各部を単独にマッサージするポイントマッサージ動作モード、及び前記コース別動作モードと脚用ポイントマッサージ動作モードを同時に実施させる脚同期マッサージモードとが設定されている。前記各動作モードは、入力装置としてのリモートコントローラRにより入力される。特に、リラックスコースとは、マッサージ中、被施療者の生体情報である心拍数を測定し、測定された心拍数から被施療者のリラックス状態を評価し、この評価結果に基づいてマッサージ動作における動作圧力、動作速度、動作位置を制御するコースである。一般に、人がリラックスすると心拍数は減少することが知られている。このことから心拍数が減少しているときには、被施療者はリラックスしているとみなし、マッサージのスピードを遅くする、あるいはマッサージの強度を弱めるように、マッサージ動作における動作圧力、動作速度、動作位置を制御するアルゴリズムがプログラミングされている。
生体情報検出装置21は、圧力センサ30と生体情報処理部31とを備えて形成されている。生体情報処理部31は、図示しない増幅回路、フィルタ回路、A/D変換回路、マイクロコンピュータを有しており、制御装置26により動作を制御される。
圧力センサ30は、半導体圧力センサやコンデンサマイクロフォンであり、右脚用第2空気袋13bとエアチューブである給排気管29gを介して接続され、右脚用第2空気袋13bの内部圧力変化を電気信号に変換する。そして、圧力センサ30で生成された出力信号は、生体情報処理部31へと送られる。生体情報処理部31へと送られた圧力センサ30で生成された出力信号は、生体情報処理部31の増幅回路を通過後、フィルタ回路で心拍振動成分以外のノイズ成分が除去され、A/D変換回路でアナログ−デジタル変換され、マイクロコンピュータで心拍数が演算される。このようにして生体情報処理部31において演算された心拍数は、制御装置26に出力され、制御装置26におけるマッサージ動作制御に供される。すなわち、制御装置26においては、生体情報処理部31において演算された心拍数に基づいて、マッサージのスピードを遅くする、あるいはマッサージの強度を弱めるように制御する。ここに、生体情報に基づいて被施療者のリラックス度合いを推定し、エアー給排気装置20が被施療者に与える刺激を制御する制御手段が実現されている。
次に、マッサージ椅子100に内蔵された制御装置26のROMに格納されたプログラムがCPUに実行させる機能のうち、本実施の形態のマッサージ椅子100が備える特長的な機能について説明する。ここでは、リラックスコースがリモートコントローラRによって指定された場合、マッサージ椅子100に座った被施療者の心拍数を検出してマッサージ動作における動作圧力、動作速度、動作位置を制御してマッサージするリラックスコースにおけるマッサージ処理の流れを図5のフローチャートに基づいて説明する。
図5に示すように、リラックスコースがリモートコントローラRによって指定されると、電磁開閉弁25aが開かれ(ステップS1)、分配切替器24の分配ポートが脚用の給排気管29gに位置するように切り替えられ(ステップS2)、エアーコンプレッサ22により所定圧力まで給気され、右脚用第1空気袋13aと右脚用第2空気袋13bとが膨張する(ステップS3)。
その後、電磁開閉弁25aが閉じられ、右脚用第2空気袋13bは膨張状態が保持される(ステップS4)。このように膨張状態が保持された状態においては、右脚用第2空気袋13bが、被施療者の脚を圧迫することにより、脚にある動脈の脈拍が右脚用第2空気袋13bの内部圧力を微小に変化させる。したがって、右脚用第2空気袋13bの内部圧力変動を圧力センサ30によって捉え、ここから脈波を検出し、後段の生体情報処理部31で心拍数の算出が可能となる。すなわち、ステップS1〜S4により検出手段の機能が実行される。
次に、首肩、背中、背筋、腰、尻、大腿部といった脚前部および脚後部以外の身体各部のマッサージしながら(ステップS5)、逐次心拍数の検出を行い(ステップS6)、心拍数に応じてマッサージ動作が変更されるリラックスコースが運転される(ステップS7)。なお、ステップS6で検出した心拍数は、リモートコントローラRの表示部に表示される。
リラックスコースにおいて所定時間が経過すると(ステップS8のY)、電磁開閉弁25bを開け(ステップS9)、分配切替器24を排気ポートに切り替えることにより(ステップS10)、右脚用第2空気袋13b内の空気を排気し、被施療者の脚を開放する。なお、右脚用第2空気袋13bは、生体情報(心拍数)を検出する時以外は通常のマッサージ用空気袋として使用可能であることは言うまでもない。
なお、上述したようなマッサージ椅子100の生体情報検出装置21によって生体情報(心拍数)を検出する際には、図6に示すように脚置き部3を被施療者の足底が床面から離れるように上方に移動させるようにするのが望ましい。前述したように、マッサージ椅子100の脚置き部3は、取り付け軸4aを中心として回動可能であり、図示しないラチェット機構およびアクチュエータ機構により複数の傾斜角度に位置決めされるように設けられている。このようにして被施療者の足底を床面から離すことにより、被施療者の脚に無理な力がかからず、生体情報(心拍数)を検出する上でノイズとなる体動が生じ難くすることができる。なお、マッサージ椅子100の脚置き部3の昇降機構としては、エアバックの膨張収縮を利用したもの、モータによるスクリューシャフトの回転、流体シリンダによるリンク機構の伸縮等の各種の機構を用いることができる。
ここで、本実施の形態のマッサージ椅子100における心拍信号検出例を図7に示す。図7は、心拍検出信号の電圧レベル(上段)とリファレンス信号としての心電図;ECG(下段)とを示すグラフである。図7(a)はマッサージ動作がない状態、図7(b)は一例として背もたれ部2の腰用空気袋8によって腰部位をマッサージした(マッサージ動作を実行した)状態の心拍信号を測定した結果である。図7(a)、図7(b)のいずれにおいても、縦軸は心拍検出信号の電圧レベルを、横軸は時間の経過を示す。リファレンスとしての心電図においては、そのR波の位置を実線の矢印で示してあり、例えばある単位時間中のR波の個数を計測することにより、心拍数を検出することができる。なお、脚置き部3に内蔵された右脚用第2空気袋13bの内圧は、被施療者の脚が置かれた状態において、おおよそ10kPaとなるよう内部圧力を調整した。また、圧力センサ30として、低周波用マイクロフォン(プリモ社製EM155T)を使用した。圧力センサ30の出力は、心拍信号の周波数帯域を通過させるハイパスフィルタとして遮断周波数0.5Hzのハイパスフィルタを用いた心拍信号弁別回路を介して、図示しない汎用のデータレコーダで収録した。
マッサージ動作がない状態での出力信号を示す図7(a)のグラフによれば、圧力センサ30において、心拍動に伴う出力信号の急峻な変化が観察された。なお、破線の矢印で示した位置が心電図のR波に対応している。
マッサージ動作がある状態での出力信号を示す図7(b)のグラフにおいても、心拍動に伴う出力信号の急峻な変化が観察されていることが確認された。なお、破線の矢印で示した位置が心電図のR波に対応している。
このように本実施の形態のマッサージ椅子100によれば、脚置き部3に配置される右脚用第2空気袋13bを用いて脚の動脈の脈拍を空気袋内圧の変動として検出する。従って、マッサージ椅子100は、被施療者の姿勢がマッサージ椅子100の施療子(空気袋)が施すマッサージを受ける通常の姿勢のままで、特別な器具を装着させることなく、かつ被施療者の脚にマッサージ椅子100の施療子(空気袋)を圧迫させるだけで生体情報(心拍数)を検出することが可能となる。また、脚以外の各部位についてマッサージ動作を実行している状態で生体情報検出装置21によって生体信号を検出する場合、座部1に配置した空気袋内圧の変動を心拍信号として検出する場合に比べて、マッサージに伴う体動等のノイズの混入が少なく正確に生体情報を検出することが可能となる。
また、本実施の形態のマッサージ椅子100においては、血圧を測定することが可能である。血圧を測定する方式としては、オシロメトリック法とコロトコフ法が知られる。ここでは、オシロメトリック法による血圧測定処理の流れについて図8のフローチャートに基づいて説明する。
まず、血圧測定がリモートコントローラRによって指定されると、電磁開閉弁25aが開かれ(ステップS11)、分配切替器24の分配ポートが脚用の給排気管29gに位置するように切り替えられ(ステップS12)、エアーコンプレッサ22により所定圧力まで給気され、右脚用第1空気袋13aと右脚用第2空気袋13bとが膨張する(ステップS3)。
その後、電磁開閉弁25aが閉じられ、右脚用第2空気袋13bは膨張状態が保持される(ステップS14)。
次に、電磁開閉弁25bを大気開放して、右脚用第2空気袋13bの内部圧力を減圧する(ステップS15)。ここで、右脚用第2空気袋13bの内部圧力が徐々に減圧されるよう、電磁開閉弁25bの大気開放側には流路抵抗が形成されている。減圧する過程において、右脚用第2空気袋13b内の内部圧力変動を圧力センサ30で捉え、所定の圧力(例えば、大気圧)となるまで生体情報処理部31内の図示しないRAM(Random Access Memory)内に記録する(ステップS16〜17)。ここで検出される圧力変化は、大気開放による減圧曲線に、被施療者の脚にある動脈の脈拍による内部圧力の微小な変化が重畳したものとなる。
次に、生体情報処理部31のRAM内に記録された圧力データから、オシロメトリック法で使用される最高血圧、最低血圧の決定のアルゴリズム(一般的には、図9に示すように、圧脈波が急激に大きくなったときの空気袋の内圧を「最高血圧」、急激に小さくなったときの空気袋の内圧を「最低血圧」とする)に従い、生体情報処理部31のマイクロコンピュータにて最高血圧および最低血圧を計算する(ステップS18)。
最後に、ステップS18で計算された結果をリモートコントローラRの表示部に表示し(ステップS19)、血圧測定モードを終了する。
なお、コトコフ法においては、前記減圧過程において、別に設けたマイクロフォンでコロトコフ音(K音)を検出し、図10に示すように、コロトコフ音発生開始時のカフ圧を「最高血圧」、コロトコフ音が消えたときのカフ圧を「最低血圧」として、最高血圧と最低血圧を決定すれば良い。
このような血圧測定機能を備えることにより、マッサージ椅子100の利用時に、被施療者の血圧情報を被施療者に提示することができるので、日々の健康チェックを行うことができる。
本発明の実施の一形態のマッサージ椅子を概略的に示す外観斜視図である。 その使用状態を示す側面図である。 マッサージ椅子に内蔵される各部の電気的接続を示すブロック図である。 脚置き部の構成を示す斜視図である。 リラックスコースにおけるマッサージ処理の流れを示すフローチャートである。 脚置き部を上方に移動させた状態を示す側面図である。 心拍検出信号の電圧レベルとリファレンス信号としての心電図とを示すグラフであり、(a)はマッサージ動作がない状態、(b)は腰部位をマッサージした状態を示す。 オシロメトリック法による血圧測定処理の流れを示すフローチャートである。 オシロメトリック法における最高血圧、最低血圧の決定手法を説明するためのグラフである。 コトコフ法における最高血圧、最低血圧の決定手法を説明するためのグラフである。 座部に配置した空気袋内圧の変動を心拍信号として検出する場合における心拍検出信号の電圧レベルとリファレンス信号としての心電図とを示すグラフであり、(a)はマッサージ動作がない状態、(b)は腰部位をマッサージした状態を示す。
符号の説明
1 座部
2 背もたれ部
3 脚置き部
6,7,8,9,10,11 施療子
12a,12b 凹部
13a 空気袋
20 施療手段
22,23,24,25a,25b 給排気手段
30 圧力センサ
31 生体情報処理部
100 マッサージ機

Claims (6)

  1. 被施療者の臀部を支える座部と、
    被施療者の腰または背中を支える背もたれ部と、
    前記座部の先端部分近傍に設けられて被施療者の脚を支える脚置き部と、
    前記座部、前記背もたれ部および前記脚置き部における被施療者の身体の所定の部位に対応させて設けられた施療子を用いて、被施療者の身体に対する刺激を周期的に与えてマッサージを施す施療手段と、
    前記脚置き部に設けられ、前記座部に座っている被施療者のふくらはぎを収容する凹部と、
    この凹部内に収容された被施療者のふくらはぎが接する位置に設けられ、被施療者の生体情報を検出する検出手段と、
    この検出手段により検出した被施療者の生体情報に基づいて前記施療手段が被施療者に与える刺激を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするマッサージ機。
  2. 前記施療手段は、圧縮空気を給排気する給排気手段と、前記脚置き部に設けられた凹部内に収容された被施療者のふくらはぎが接する位置に設けられた空気袋を有し、前記給排気手段による圧縮空気の給排気に伴って前記空気袋が膨張・収縮を繰り返すことにより、被施療者の身体に対する刺激を周期的に与えてマッサージを施し、
    前記検出手段は、凹部内に設けられた前記空気袋に連通して設けられた圧力センサと、被施療者の生体情報である心拍数を算出する生体情報処理部と、を有していて、前記施療手段の給排気手段によって空気袋を膨張させて前記凹部内に収容された被施療者のふくらはぎを圧迫することにより、被施療者のふくらはぎの動脈の脈拍による前記空気袋の内部圧力変動を前記圧力センサによって捉え、前記圧力センサで検出した脈波に基づいて前記生体情報処理部で被施療者の生体情報である心拍数を算出する、
    ことを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
  3. 前記検出手段により検出した被施療者の生体情報である心拍数を報知することを特徴とする請求項2記載のマッサージ機。
  4. 前記検出手段により生体情報を検出する際に、前記脚置き部を被施療者の足底が床面から離れるように上方に移動させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のマッサージ機。
  5. 前記検出手段は、前記空気袋を膨張させて前記凹部内に収容された被施療者のふくらはぎを圧迫した後、前記空気袋を徐々に収縮させることにより、被施療者のふくらはぎの動脈の脈拍による内部圧力の微小な変化が重畳した前記空気袋の内部圧力変動を前記圧力センサによって捉え、前記圧力センサで検出したデータに基づいて最高血圧及び最低血圧を算出する、
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一記載のマッサージ機。
  6. 前記検出手段により検出した被施療者の最高血圧及び最低血圧を報知することを特徴とする請求項5記載のマッサージ機。

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