JP2005323032A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電波の干渉に対して通信エラーとなったチャンネルを迅速にホッピングパターンから除くことにより、通信の途絶を防止し、高品質な無線通信装置を提供する。
【解決手段】周波数の異なる多数のチャンネルの中からホッピングパターンに基づいて選択したチャンネルにより通信を行う無線通信装置において、選択したチャンネルでの通信エラーを検出するエラー検出部と、選択したチャンネルを所定数ごとのブロックとして区分し、このブロックごとに通信エラーをカウントアップするブロックエラーカウンタを有するエラーカウンタ処理部22と、不良ブロックとしてブロックエラーカウンタが第1の閾値以上となったブロックに属するチャンネルを不良チャンネルとして除いたホッピングパターンとするチャンネル管理部23と、不良チャンネルを除いたホッピングパターンで周波数ホッピングをする通信制御部21とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、周波数ホッピング型のスペクトル拡散方式で通信を行う無線通信装置に関する。
近年、無線ネットワークはさまざまな規格が標準化され、さまざまな用途を持つ装置が同じ規格の無線ネットワークに接続されるようになってきている。
例えば、無線ネットワーク規格であるブルートゥース(Bluetooth(商標))は、コンピュータのみならず、プリンタ、スキャナなどのコンピュータ周辺機器や、ファクシミリ装置、オーディオ装置、コードレス電話機などがブルートゥースの規格で接続することができる。
ブルートゥースは、ISM(Industry Science Medical)バンドと呼ばれる、2.402GHzから2.480GHzまでの周波数帯域を使用している。ブルートゥースでの通信方式は、このISMバンドを79チャンネルの周波数帯域に分割し、そのチャンネルを625μsごとにランダムに変えて通信を行う周波数ホッピング型のスペクトル拡散方式を採用している。
しかし、この周波数帯域は、電子レンジなどに使用されるマグネトロンが発生する電磁波の周波数と重複する帯域でもある。また、同様な無線ネットワークであるIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers,米国電気電子学会)で制定された802.11aや802.11bなども同じISMバンドを使用している。
そのため、ブルートゥースで通信をしている無線通信装置の近くで、電子レンジを使用した場合や、同じISMバンドを使用する他の無線ネットワークの規格の通信を行った場合では、電波が干渉されるためにエラーが多発して通信が行えない状況となることがある。
このような状況でも、ブルートゥースによる通信ではないが、良好に周波数ホッピングを行うことができるコードレス電話装置が、特許文献1に記載されている。
特許文献1によれば、通話前であるチャンネル選択段階において、92チャンネルの中から周波数ホッピングする75チャンネルの電界強度を測定して選択し、通話段階において、通信エラーが発生すると、チャンネル選択段階で不良であるチャンネルとした中で最も電界強度レベル(電波の干渉ノイズ)が小さいチャンネルと交換することで、音声信号を正確に復調できるとある。
特開2001−326974号公報
しかし、特許文献1に記載のコードレス電話装置では、通信エラーが発生したチャンネルを1チャンネルずつ、ホッピングパターンから除き、良好なチャンネルをホッピングパターンに追加しているため、広帯域で干渉するような電波を発する電子レンジなどでは、不良となるチャンネルとの入れ替えに時間がかかり、通信が途中で途切れるという事態が想定される。
本発明は、電波の干渉に対して通信エラーとなったチャンネルを迅速にホッピングパターンから除くことにより、通信の途絶を防止し、高品質な無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明は、周波数の異なる多数のチャンネルの中からホッピングパターンに基づいて選択したチャンネルにより通信を行う無線通信装置において、前記選択したチャンネルでの通信エラーを検出するエラー検出部と、前記選択したチャンネルを所定数ごとのブロックとして区分し、このブロックごとに前記通信エラーをカウントアップするブロックエラーカウンタを有するエラーカウンタ処理部と、不良ブロックとして前記ブロックエラーカウンタが第1の閾値以上となったブロックに属するチャンネルを不良チャンネルとして除いたホッピングパターンとするチャンネル管理部と、前記不良チャンネルを除いたホッピングパターンで周波数ホッピングをする通信制御部とを有することを特徴とする。
本発明の無線通信装置は、エラーカウンタ処理部により、ホッピングパターンに使用するチャンネルを所定数ごとに区分したブロックごとに、通信エラーが発生したブロックごとのブロックエラーカウンタをカウントアップすることで、ブロックごとのエラー発生回数を管理することができる。また、チャンネル管理部により、このブロックエラーカウンタが第1の閾値以上となると、不良ブロックとしてブロックに属するチャンネルを除いたホッピングパターンのテーブルを作成するので、容易に不良ブロックと良好ブロックとの識別をすることができる。また、不良チャンネルを1度に所定数ずつ除いたテーブルとすることができる。また、通信制御部が、このテーブルのホッピングパターンに従って周波数ホッピングをするので、干渉ノイズにより影響が発生したチャンネルを素早く回避させることができる。よって、高品質な無線ネットワークの通信を行うことができる。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、周波数の異なる多数のチャンネルの中からホッピングパターンに基づいて選択したチャンネルにより通信を行う無線通信装置において、選択したチャンネルでの通信エラーを検出するエラー検出部と、選択したチャンネルを所定数ごとのブロックとして区分し、このブロックごとに通信エラーをカウントアップするブロックエラーカウンタを有するエラーカウンタ処理部と、ブロックエラーカウンタが第1の閾値以上となったブロックに属するチャンネルを不良チャンネルとして前記ホッピングパターンから除外するチャンネル管理部とを有することを特徴とするものである。
エラーカウンタ処理部により、チャンネルを所定数ごとに区分したブロックごとに、通信エラーが発生した回数をカウントするブロックエラーカウンタをカウントアップすることで、ブロックごとのエラー発生回数を管理することができる。
また、チャンネル管理部により、第1の閾値以上となったブロックエラーカウンタのブロックを、不良ブロックとしたブロックに属するチャンネルを不良チャンネルとして除いたホッピングパターンとするので、容易に不良チャンネルをホッピングパターンから除くことができる。また、不良チャンネルを1度に所定数ずつのブロックを除いたホッピングパターンとすることができる。
また、通信制御部により、この不良チャンネルを除いたホッピングパターンで周波数ホッピングをするので、干渉ノイズにより影響が発生したチャンネルを素早く回避させることができる。
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、選択したチャンネルの電界強度を測定する測定部を有し、エラーカウンタ処理部は、測定部により測定した電界強度が所定値以下となったチャンネルの属するブロックのブロックエラーカウントをカウントダウンする機能を有し、チャンネル管理部は、ブロックエラーカウンタが第2の閾値以下となったブロックをホッピングパターンに追加する機能を有することを特徴とするものである。
エラーカウンタ処理部により、測定部により測定した電界強度が所定値以下となったチャンネルのブロックエラーカウンタをカウントダウンすることにより、一時的に不良と判定されたブロックのエラーカウント値を、その後に不良と判定されたチャンネルを再度測定することでカウントダウンさせることができる。
また、チャンネル管理部により、ブロックエラーカウンタが第2の閾値以下となった不良ブロックをホッピングパターンに追加することにより、通信可能と判断した不良ブロックを良好なブロックとしてホッピングパターンに追加することができ、周波数ホッピングに使用する周波数帯域をブロックの単位で広げることができる。
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、選択したチャンネルの電界強度を測定する測定部を有し、エラーカウンタ処理部は、選択したチャンネルごとに通信エラーをカウントアップするチャンネルエラーカウンタを有し、測定部により測定した電界強度が所定値以下となったチャンネルのチャンネルエラーカウンタをカウントダウンするとともに、当該チャンネルが属するブロックのブロックエラーカウンタをカウントダウンする機能を有し、チャンネル管理部は、不良チャンネルが所定数以上であり、ブロックエラーカウンタが第2の閾値より大きく、かつチャンネルエラーカウンタが第3の閾値以下であるチャンネルのみをホッピングパターンに追加する機能を有することを特徴とするものである。
エラーカウンタ処理部により、通信エラーが発生した回数をカウントするチャンネルエラーカウンタをカウントアップすることで、チャンネルごとのエラー発生回数を管理することができる。また、エラーカウンタ処理部は、測定部により測定した電界強度が所定値以下となったチャンネルのブロックエラーカウントをカウントダウンするとともに、当該チャンネルが属するブロックのブロックエラーカウンタをカウントダウンすることにより、一時的に不良と判定されたチャンネルおよびブロックのエラーカウントを、その後に不良と判定されたチャンネルを再度測定することでカウントダウンさせることができる。
また、チャンネル管理部により、不良チャンネル数が所定数以上であり、ブロックエラーカウンタが第2の閾値以上で、かつチャンネルエラーカウンタが第3の閾値以下であるチャンネルのみをホッピングパターンに追加することにより、不良チャンネルが所定数以上となって、これ以上使用するチャンネルの確保が困難となった場合に、通信可能と判断した不良チャンネルを良好なチャンネルとしてホッピングパターンに追加することができ、周波数ホッピングに使用する周波数帯域をチャンネルの単位で広げることができる。
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、選択したチャンネルの電界強度を測定する測定部を有し、エラーカウンタ処理部は、選択したチャンネルでの通信エラー、または測定部により測定した電界強度が所定値以上となることでチャンネルのチャンネルエラーカウンタをカウントアップする機能を有し、チャンネル管理部は、チャンネルエラーカウンタが第4の閾値よりも大きくなったチャンネルを不良チャンネルとしてホッピングパターンから除外する機能を有することを特徴とするものである。
エラーカウンタ処理部が、選択したチャンネルでの通信エラーまたは測定部による電界強度の測定結果に基づいてチャンネルエラーカウンタをカウントアップするので、チャン
ネルごとに通信状態の管理が容易にできる。
また、チャンネル管理部が、このチャンネルエラーカウンタの値が第4の閾値以上となったチャンネルをホッピングパターンから除外するので、通信状況に応じたホッピングパターンとすることができると同時に、新しい干渉を回避することができる。
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、第1の閾値は、前記第2の閾値より大きいことを特徴とするものである。第1の閾値を、第2の閾値より大きくすることにより、良好なブロックから、通信エラーが第1の閾値以上の回数発生して不良なブロックとした直後に、電界強度が所定値以上であったため、ブロックエラーカウンタをカウントダウンさせ不良なブロックから良好なブロックとなるといった動作の繰り返しを防止することができる。
(実施の形態1)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置の一例であるコードレス電話機の親機を中心とした無線ネットワークを介して複数の無線通信装置が接続している図である。図2は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置の一例であるコードレス電話機の親機の構成図である。図3は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置のエラー値の重み付けについて説明する図である。図4は、チャンネルエラーカウンタおよびブロックエラーカウンタの構成の一例を示す図である。図5は、ホッピングテーブルの構成を示す図である。
図1に示すように、無線ネットワーク1には、コードレス電話機の親機2を中心として、子機3、PDA(Personal Digital Assistant)4、通信機能を有するデジタルカメラ5が、電波を介して接続できる範囲内にある。
この無線ネットワーク1は、ブルートゥースの仕様に準拠したピコネットとよばれる無線ネットワークであり、親機2がマスタ装置、その他の通信装置がスレーブ装置として通信している。親機2は、有線で公衆回線網6に接続されており、公衆回線網6を介して通話相手と通信することができる。
このように本発明の実施の形態に係る無線通信装置の一例であるコードレス電話機の親機の構成を図2に基づいて説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る無線ネットワークに接続可能な電子装置の一例であるコードレス電話機の親機2の構成図である。図2において、親機2は、アンテナ10から受信した無線電波の復調や、アンテナ10へ送信する無線電波の変調をする無線部11を有している。
無線部11は、ISMバンドとよばれる、2.402GHzから2.480GHzまでの周波数帯域を使用して、例えば周波数変調方式(Frequency Shift Keying)や位相変調方式(Phase Shift Keying)で変調および復調する。また無線部11は、受信したブルートゥースに準拠したパケットを同期相関器12へ出力する。
同期相関器12は、受信したパケットの先頭部分であるアクセスコードにより、親機2が接続する無線ネットワーク内のパケットであるか否かを判断する。また、無線部11は、親機2が周波数ホッピングに使用するチャンネルの周波数帯域の電界強度を測定する測定手段としての機能を有している。
同期相関器12は、アクセスコードにより受信したパケットが、親機2が接続する無線ネットワークのパケットであると判定すると、パケットを受信パケット解析部13へ出力する。また、同期相関器12は、アクセスコードに含まれるプリアンブル、シンクワードまたはトレーラなどで発生した同期エラーをチェックして、通信エラーが発生した場合には、エラー計数処理部20へ通知する。
受信パケット解析部13は、パケットの中間部であるパケットヘッダを解析することで、無線ネットワーク内のそれぞれの通信装置との同期確立に使用される共通パケットや、音声データの同期通信に使用されるSCOパケットや、データの送受信の非同期通信に使用されるACLパケットなどを判定する。
受信パケット解析部13によりパケットがSCOパケットで音声データの受信であると判断されると、SCOパケットは音声パケット処理部14へ出力される。また、受信パケット解析部13によりパケットがACLパケットと判定されればデータパケット処理部18へ出力される。
また、受信パケット解析部13は、パケットヘッダに含まれる8ビットの誤り検出符号(HEC)をチェックして、通信エラーが発生した場合には、エラー計数処理部20へ通知する。
音声パケット処理部14は、SCOパケットの最終部であるペイロード内に格納されている音声データを分離してスピーチバッファ15に格納する。また、音声パケット処理部14は、ペイロードに含まれる16ビットのCRC、または60ビットのパリティをチェックし、エラー発生時には、エラー計数処理部20へ通知する。そして、音声パケット処理部14内に設定される閾値以上のエラーがあった場合は、エラー計数処理部20へ通知するとともに、そのパケットを破棄する。
スピーチバッファ15は、例えば子機3から送信される音声データを格納しスピーチデコーダ16へ出力する。
スピーチデコーダ16は音声データをアナログ信号に変換し、スピーカ17から音声として出力する。
データパケット処理部18は、ACLパケットの最終部であるペイロード内に格納されているデータを分離してデータバッファ19に格納する。
また、データパケット処理部18は、ペイロードに含まれる16ビットのCRCをチェックし、エラー発生時には、エラー計数処理部20へ通知するとともに、所定の値以上のエラーが発生した場合は、そのパケットを破棄する。
データバッファ19に格納されたデータは、通信制御部21により読み出されて解析され、そのパケットに対する応答処理が行われる。
通信制御部21は、親機2の通信手順の制御を行う通信手段であり、同期相関器12、受信パケット解析部13、音声パケット処理部14と、データパケット処理部18と、送信パケット作成部30を制御することで、無線ネットワークを介して接続された他の無線通信装置と送受信の制御を行う。また、通信制御部21は、データバッファ19に格納されたパケットの内容に応じて各種の通信制御および送信電力の制御などを行う。通信制御部21は、無線部11から電界強度の測定をした結果をエラーカウンタ処理部22へ通知する。また、その測定結果に基づいて、ホッピングパターンから除いたチャンネルを電界
強度の強さ順に並べた測定テーブル28を作成し、ホッピングパターンに追加するか否かの判定をする機能を有している。
エラー計数処理部20は、同期相関器12、受信パケット解析部13、音声パケット処理部14およびデータパケット処理部18からエラーを検出した旨の通知があると、パケットのエラーが発生した箇所に応じた重み付けとしたエラー値をエラーカウンタ処理部22へ出力する。
この同期相関器12と、受信パケット解析部13と、音声パケット処理部14と、データパケット処理部18と、エラー計数処理部20とでエラー検出部を構成している。
ここで、エラー計数処理部20がエラーカウント処理部22へ出力するエラー値の内容について、図2および図3に基づいて説明する。
エラー値の重み付けは、エラー検出する同期相関器12、受信パケット解析部13、音声パケット処理部14、データパケット処理部18によって異なっている。
図3に示すように、パケット50は、ブルートゥースの仕様に準拠したフォーマットである。パケット50は、先頭部であるアクセスコード51と、中間部であるパケットヘッダ52と、最終部であるペイロード53の3つのパートから構成されている。
アクセスコード51は、その先頭部にバイナリで1と0が4ビット繰り返し配置されたプリアンブル54と、64ビットのブルートゥースアドレスが格納されるシンクワード55と、プリアンブル54と同様にバイナリで1と0が4ビット繰り返し配置されたトレーラ56から構成される。
同期相関器12は、このアクセスコード51が正しいビット列とならない時に、エラーとしてエラー計数処理部20へ通知する。
パケットヘッダ52は、10ビットの通信を管理するために必要なパラメータと、8ビットのHEC(ヘッダーエラーコード)とを有している。受信パケット解析部13は、パケットヘッダ52のHEC(ヘッダーエラーコード)をチェックして、エラー発生が検出された場合に、エラー計数処理部20へ通知する。
ペイロード53は、8ビットか16ビットのペイロードヘッダと、可変長であるペイロードボディと、16ビットのCRC、または60ビットのパリティから構成される。
音声パケット処理部14とデータパケット処理部18は、CRC、またはパリティをチェックして、エラー発生が検出された場合に、エラー計数処理部20へ通知する。
また、ペイロード53に格納されるデータが音声データの場合は、音声データ4ビットごとに1ビットのパリティが付加されたデータ列が形成されてペイロード53に格納されている。
従って、音声パケット処理部14に格納されたペイロード53の音声データに所定の値以上のエラーが含まれている場合、ペイロードパケットエラーとし、所定の値未満の場合は、ペイロードエラーとするよう、エラー計数処理部20へ通知する。
エラー計数処理部20では、エラー発生箇所に応じた重み付けを用いてエラー値としてエラーカウンタ処理部22へ出力する。例えば、同期相関器12で検出した同期エラー(
Sync-Error:SERR)を「3」とし、受信パケット解析部13で検出したパケットヘッダエラー(Header-Error:HERR)を「2」とし、音声パケット処理部14およびデータパケット処理部18に検出したペイロードエラー(Payload-Error:PERR)を「1」とし、ペイロードパケットエラー(Payload Packet-Error:PPERR)を「3」とした重み付けとしたエラー値とする。
このように、通信エラーの発生箇所の重要性に応じた重み付けを行うことで、後述するチャンネルエラーカウンタおよびブロックエラーカウンタのカウントアップを発生箇所に応じて大きくすることができる。従って、重要度の高い箇所が通信エラーとなったチャンネルを迅速にホッピングパターンから除くことができ、通信品質の向上を図ることができる。
また、この重み付けは一例であり、全て同じ数値とすることで、エラーの発生箇所に関わらず同じ重み付けとすることも可能である。
また、エラー計数処理部20に、通信エラーの発生箇所に応じた重み付けを設定として備えることで、親機2の設置環境に応じた重み付けとすることも可能である。
エラーカウンタ処理部22は、チャンネルエラーカウンタとブロックエラーカウンタの2つのカウンタを有している。
チャンネルエラーカウンタは、通信エラーが発生したチャンネルのエラー値をカウントするカウンタである。通信時にパケットの通信エラーが発生し、エラー計数処理部20から出力される通信エラーの発生箇所に応じたエラー値を入力し、該当するチャンネルのカウンタの値に加算する。チャンネルエラーカウンタは、周波数ホッピングに使用するチャンネルごとに設けている。
ブロックエラーカウンタは、周波数ホッピングに使用する全チャンネルを所定数ごとに区分してブロックとし、そのブロックごとに設けている。ブロックエラーカウンタは、そのブロックに属するチャンネルのチャンネルエラーカウンタの合計である。
また、エラーカウンタ処理部22は、通信をしていないスロットにおいて無線部11が測定したチャンネルの電界強度の値を通信制御部21を経由して入力する。電界強度の測定値が、所定値以下であった場合には、チャンネルエラーカウンタをカウントダウンする。
通信をしていないスロットのチャンネルの電界強度は、通信相手ではない装置(例えば、電子レンジや他の無線ネットワークの通信装置)からの干渉電波の強さを示している。従って、通信をしていないスロットのチャンネルの電界強度が所定値以下であるということは、通信エラーが発生しにくいチャンネルの周波数帯域であることを示している。
また、無線部11が測定した電界強度の値が、所定値より大きい場合には、チャンネルエラーカウンタをカウントアップする。これらのカウントアップおよびカウントダウンは、本実施の形態では、「1」としているが、親機2の設置環境に応じて適宜決めることができる。
また、エラーカウンタ処理部22は、所定時間経過するたびにタイマ27から発生する割り込みを受けた通信制御部21からの通知により、周波数ホッピングをするホッピングパターンに含まれるチャンネルのチャンネルエラーカウンタをカウントダウンする機能を有している。
これは、親機2が通信を開始すると、他の無線通信装置である子機3、PDA4、デジタルカメラ5などと頻繁に通信を行うため、通信をしていないスロットが無くなってしまう。従って、無線部11にてホッピングパターンに含まれているチャンネルの電界強度を測定する機会がほとんどなくなる。そのため、チャンネルエラーカウンタとブロックエラーカウンタは、通信エラーによるカウントアップのみとなり、周波数ホッピングに使用する全てのチャンネルが後述する不良チャンネルとなる可能性がある。このような状態を防止するため、エラーカウンタ処理部22は、タイマ27からの割り込みをトリガとしたカウントダウンを行っている。
詳細に説明すると、エラーカウンタ処理部22は、タイマ27から発生する割り込みを受けた通信制御部21からの通知により、周波数ホッピングをするホッピングパターンに含まれているチャンネルのチャンネルエラーカウンタの値を「1」カウントダウンし、ブロックエラーカウンタを再計算することで、ブロックエラーカウンタの値をカウントダウンさせる。ブロックを3チャンネルごとに区分した場合では、ブロックカウンタの値を「3」カウントダウンさせる。
タイマ27から発生する割り込み時間間隔である所定時間は、30秒程度とするのが望ましい。所定時間を数秒程度とすると、たまたま通信しない時間が数十秒あったのみで、チャンネルエラーカウンタの値が、数回カウントダウンされ、干渉電波の影響を受けているチャンネルにもかかわらず良好チャンネルとなってしまう。このような事態を防止するため、タイマ27の割り込みを発生させる時間間隔である前記所定時間を30秒程度としている。
ここで、エラーカウンタ処理部22が有するチャンネルエラーカウンタおよびブロックエラーカウンタの構成の一例を図4に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、チャンネルエラーカウンタは、親機2が周波数ホッピングに使用する偶数チャンネルを示すチャンネル番号ごとに設けている。また、ブロックエラーカウンタは、そのチャンネルを3チャンネルごとに区分したブロックごとに設けている。
例えば図4(a)の例ではチャンネル番号0,チャンネル番号2,チャンネル番号4の3つのチャンネルで1つのブロックを形成しており、チャンネル番号0ではチャンネルエラーカウンタは「2」であり、チャンネル番号2では「0」であり、チャンネル番号4では「4」であるので、このブロックのブロックエラーカウンタの値は合計「6」となっている。
図2に戻って、チャンネル管理部23は、エラーカウンタ処理部22によって、各チャンネルエラーカウンタとブロックエラーカウンタをカウントアップまたはカウントダウンされたカウンタに対応するチャンネルをホッピングパターンから除くまたは追加するなどの制御を行う。
チャンネル管理部23は、親機2が、通信を行うに際し、ブロック単位で通信品質が維持できないと判断される不良ブロック閾値(第1の閾値)と、ブロック単位で通信しても良いと判断される良好ブロック閾値(第2の閾値)と、チャンネル単位で通信しても良いと判断される良好チャンネル閾値(第3の閾値)と、チャンネル単位で通信品質が維持できないと判断される不良チャンネル閾値(第4の閾値)と、を有している。
ホッピングテーブル24は、チャンネル管理部23がエラーカウンタ処理部22のチャンネルエラーカウンタおよびブロックエラーカウンタに基づいて作成する各チャンネルの
各状態を管理したテーブルである。
チャンネル管理部23は、不良ブロック閾値以上となったブロックエラーカウンタのブロックに属するチャンネルをホッピングパターンから除き、これらのチャンネルを待機状態とする。これにより、不良と判断されるチャンネルを1度にブロック単位でホッピングパターンから除くことができる。
また、チャンネル管理部23は、この良好ブロック閾値以下となったブロックエラーカウンタに属するチャンネルをホッピングパターンに追加することで、良好と判断されるチャンネルを1度にブロック単位で追加することができる。このようにホッピングテーブル24は、チャンネル管理部23によってホッピングパターンから削除または追加されたものに切り替えられる。
図4(b)に示すように、例えば、第1の閾値である不良ブロック閾値を「16」とすると、チャンネル番号6,8,10が属するブロックは、ブロックエラーカウンタの値が「16」なので、不良ブロックとしてホッピングテーブル24から除かれる。
図5にホッピングテーブル24の構成を示す。このホッピングテーブル24には各チャンネル毎にチャンネルエラーカウンタの最新の値が書き込まれ、このチャンネルエラーカウンタの値が不良チャンネル閾値未満で通信しても良いと判断されるものが良好チャンネルとして、また不良チャンネル閾値以上で通信品質が維持できないと判断されるものが不良チャンネルとして、各チャンネル毎に状態情報が書き込まれる。また「使用」はホッピングパターンとして使用しているもの、「待機」は使用していないものを示す状態情報である。
また、ホッピングテーブル24には各ブロック毎でも状態情報が書き込まれる。すなわちブロックエラーカウンタの値が不良ブロック閾値未満であるものが良好ブロックとして、また不良ブロック閾値以上であるものが不良ブロックとして状態情報が書き込まれる。このホッピングテーブル24の状態情報として「使用」とされているチャンネルのみを用いてホッピングパターンが設定されている。
ホッピングチャンネル計算部25は、ホッピングテーブル24と、クロックカウンタ26の値に基づいて、周波数ホッピングするチャンネルの順序を算出する。算出したチャンネルの順序の中からホッピングテーブル24を参照して待機状態にあるチャンネルを除いた、使用状態のみのチャンネルをホッピングパターンとする機能を有している。
ホッピングチャンネル計算部25により算出されたホッピングパターンにより、通信制御部21は、スレーブ装置と通信を行う。また、待機状態から使用状態または使用状態から待機状態へホッピングテーブル24が変更となった場合に、通信制御部21は、その変更となったホッピングテーブル24の内容と、いつからその変更を適用するかの適用時間とをデータバッファ32へ格納して、送信パケット作成部30を経由してスレーブ装置へ送信し、周波数ホッピングの同期を取る。
スピーチエンコーダ33は、マイク34から入力された音声をデジタルへ変換し、音声データとしてスピーチバッファ31へ格納する。
送信パケット作成部30は、スピーチバッファ31に格納された音声データに基づいてパケットを作成し、無線部11へ出力する。
また、同期確立のパケットの送出や、各種情報の通知を行う場合には、通信制御部21
が作成したデータをデータバッファ32に格納して、送信パケット作成部30によりパケットとして無線部11から送信される。
以上のように構成される本発明の実施の形態に係る無線通信装置の一例であるコードレス電話機の親機の動作を、図1〜図16に基づいて説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置の干渉回避手順の説明をするフローチャートである。図7は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置のブロック退避手順を説明するフローチャートである。図8は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置のチャンネル退避手順を説明するフローチャートである。図9は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置の再測定手順を説明する測定テーブルの構成を示す図である。図10は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置の不良チャンネル復帰手順を説明するフローチャートである。図11は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置の良好ブロック処理を説明するフローチャートである。図12は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置の不良ブロック処理を説明するフローチャートである。図13は、本発明の実施の形態に係る無線通信装置のチャンネルエラーカウンタの動作を説明する図である。図14は、1つのチャンネルに対応するチャンネルエラーカウンタの数値の増減を示した図である。図15は、ブルートゥースのパークモードを説明する図である。図16は、親機が不良チャンネル復帰手順を行うタイミングを得るための動作を説明するフローチャートである。
図6に示すように、まず、S10にて親機2が、共通パケット、ACLパケットまたはSCOパケットを、チャンネル番号8にて受信したものとする。この時点でのチャンネルエラーカウンタおよびブロックエラーカウンタを図4(a)に示すように、チャンネル番号8のエラー値を示すチャンネルエラーカウンタは「5」、チャンネル番号8が属するブロックのブロックエラーカウンタはチャンネル番号6〜10のエラー値の合計で「13」である。
同期相関器12、受信パケット解析部13、音声パケット処理部14、データパケット処理部18のいずれかでエラーが検出された場合(S20)、エラーカウンタ処理部22は、エラー計数処理部20より通知されたパケットのエラー発生箇所に応じた重み付けされたエラー値を入力する。このエラー値は、図3で示される重み付けに基づいた値である。受信したパケットに同期エラーが発生した場合には、エラー計数処理部20により「3」が出力される(S30)。
S20にて、パケットの受信でエラーがない場合は、S10へ移行する。
エラーカウンタ処理部22は、入力したエラー値をパケットの受信に使用したチャンネルに該当するチャンネルエラーカウンタに加算する。同期エラーが発生した場合はチャンネルエラーカウンタに「3」を加算(カウントアップ)する。例えば使用したチャンネルがチャンネル番号8であるとすると、図4(b)に示すようにチャンネル番号8のチャンネルエラーカウンタは、「5」に「3」を加算して「8」となっている(S40)。
チャンネル管理部23は、カウントアップしたチャンネルエラーカウンタの値が、不良チャンネル閾値以上であるか否かを判定する(S50)。例えば、不良チャンネル閾値を「8」とする。この場合、チャンネル番号8のチャンネルエラーカウンタは「8」なのでS60へ移行する。すなわちチャンネル番号8は、不良チャンネル閾値以上であるので、チャンネル管理部23は、ホッピングテーブル24のチャンネル番号8の状態を不良チャンネルとする(S60)。
S50にて、不良チャンネル閾値が8未満であれば、S60の処理は実行せずS70へ
移行する。
エラーカウンタ処理部22は、チャンネル番号8のチャンネルエラーカウンタが更新されているので、チャンネル番号8が属するブロックのブロックエラーカウンタの更新を行う。そしてチャンネル管理部23は、ブロックエラーカウンタが不良ブロック閾値(第1の閾値)以上であるか否かを判定する(S70)。例えば、不良ブロック閾値を「16」とする。この場合、チャンネル番号8が属するブロックのエラー値は、チャンネル番号6,8,10の合計である16であり、不良ブロック閾値と等しいため、S80へ移行する。
チャンネル番号8が属するブロックが、不良ブロックであるため、チャンネル管理部23は、不良ブロックをホッピングパターンから除くことができるか否かの判定をする(S80)。
この判定は、次のような手順で行われる。まず、全チャンネルの中から、ホッピングパターンとして使用している使用状態であるチャンネル数をカウントする。そして、そのカウント値からホッピングパターンを行う最小チャンネル数を閾値とした値を減算する。最小チャンネル数を「20」とした場合では、周波数ホッピングは最低20チャンネルで行うことを意味している。つまり、その減算した値が、ブロックを構成するチャンネル数より小さい場合は、S70で不良ブロック閾値以上になった不良ブロックをホッピングパターンから除くと最小チャンネル数より少なくなってしまう可能性があるため、不良ブロックのチャンネルを待機状態にできない。従って、S90へ移行し、ブロック退避手順に従って不良ブロックの退避を行う。
また、減算した値が、ブロックを構成するチャンネル数以上である場合は、不良ブロックをホッピングパターンから除いても最小チャンネル数より多いため、S100へ移行し、S70で不良ブロック閾値以上となった不良ブロックに属するチャンネルを待機状態とし、ホッピングパターンから除く。
S70にて、ブロックエラーカウンタが不良ブロック閾値未満であった場合は、S110へ移行する。そしてS110では、S60にて不良チャンネルとしたチャンネルをホッピングパターンから除くことができるか否かの判定を行う。
この判定は、次の手順で行われる。まず、全チャンネルの中から、ホッピングパターンとして使用している使用状態であるチャンネル数をカウントする。そして、そのカウント値がホッピングパターンを行う最小チャンネル数とした閾値より多いか否かの判定をする。つまり最小チャンネル数を「20」とすると、その使用状態であるチャンネル数が、最小チャンネル数「20」以下であると、S40でカウントアップして不良チャンネルとなったチャンネルを待機状態とし、ホッピングパターンから除くと最小チャンネル数「20」より少なくなってしまう。従って、S110の判定では否となりS120へ移行し、後述するチャンネル退避手順に従って不良チャンネルの退避を行う。
また、最小チャンネル数より大きい場合には、S130へ移行する。すなわち、使用状態であるチャンネル数が、最小チャンネル数「20」より多いと(使用状態のチャンネル数「21」以上)、1つの不良チャンネルをホッピングパターンから除いても最小チャンネル数「20」以上を確保できるので、S130へ移行し、不良チャンネルを待機状態とし、ホッピングパターンから除く。
このように、ブロックエラーカウンタが不良ブロック閾値(第1の閾値)以上となるような広帯域の干渉ノイズにより通信エラーが発生した場合に、チャンネル管理部23が、
チャンネルを所定数ごとに区分したブロック単位で、ホッピングパターンから除いたホッピングテーブル24とすることができる。従って、通信制御部21が、この不良チャンネルを除いたホッピングパターンで周波数ホッピングをすることができ、干渉ノイズにより影響が発生したチャンネルを素早く回避させることができる。
また、ブロックエラーカウンタが不良ブロック閾値(第1の閾値)未満であるが、チャンネルエラーカウンタが不良チャンネルとなるような狭帯域の干渉電波により通信エラーが発生した場合に、チャンネル管理部23が、チャンネル単位でホッピングパターンから除いたホッピングテーブル24とすることができる。従って、通信制御部21が、この不良チャンネルを除いたホッピングパターンで周波数ホッピングをすることができ、干渉ノイズの帯域幅に応じたホッピングパターンとすることができる。
次に、不良ブロックに属するチャンネルをホッピングパターンから除くと最小チャンネル数より少なくなる可能性がある場合に実行されるブロック退避手順(図6のS90)を、図7に基づいて説明する。
まず、チャンネル管理部23は、ホッピングテーブル24に基づき、不良ブロックとなったブロックに属するチャンネルの状態の判定を行う。良好ブロックに属するチャンネルが通信エラーの発生によって不良ブロックとなっても、そのブロック内の他のチャンネルが既に待機状態であれば、この他のチャンネルはホッピングパターンから除かれている。これは、新たに待機状態のチャンネルを待機状態とすることができないからである。この判定は、まず1番目のチャンネルの状態から判定を行い待機状態であれば、S250へ移行する(S200)。
使用状態であれば、チャンネル管理部23は、そのチャンネルが不良チャンネルであるか否かを判定する。これは、不良チャンネルとなっているということは、干渉電波の影響を受けていることを意味しているため、積極的に不良チャンネルを退避させホッピングパターンから除くための判定である。不良チャンネルでなければ、S250へ移行する(S210)。
次に、使用状態であり、かつ不良チャンネルと判定されたチャンネルは、待機状態としてホッピングパターンから除くことができるか否かの判定を行う。これは、図6のS110での判定と同様の手順で行われる(S220)。
S220にて、不良チャンネルを待機状態とし、ホッピングパターンから除くと最小チャンネル数より少なくなってしまう場合には、後述するチャンネル退避手順に従って不良チャンネルの退避を行う(S230)。
S220にて、不良チャンネルを待機状態としても、最小チャンネル数以上である場合には、不良チャンネルを待機状態とする(S240)。
そして、不良ブロックとしたブロックに属するチャンネル全てについて、S200からS240までの処理を行った否かの判定をし、行っていなければS200から2番目,3番目の各チャンネルについて実施する。3つのチャンネルを1つブロックに区分している場合には、3回繰り返す。全てのチャンネルについて処理を行っていれば、ブロック退避手順を終了する。(S250)。
このようにして、不良ブロックに属するチャンネルをホッピングパターンから除くと最小チャンネル数より少なくなる可能性がある場合に、チャンネル単位でホッピングパターンから除くことが可能か否かの判定を行う。
この判定により周波数ホッピングを行う最低のチャンネル数である最小チャンネル数を確保しつつ、不良ブロックに属する不良チャンネルをホッピングパターンから除くことができる。
次に、新たに不良チャンネルとなったチャンネルをホッピングパターンから除くと最小チャンネル数より少なくなる場合に実行されるチャンネル退避手順を図8に基づいて説明する。
まず、チャンネル管理部23は、最も小さいチャンネル番号から、そのチャンネルの状態が使用状態であるか否かの調査をする。例えば、図4(a)では、チャンネル番号2が使用状態であるか否かを判定する。使用状態である場合には、S350へ移行する(S300)。
次に、チャンネル管理部23は、待機状態であるチャンネルが不良チャンネルであるか否かの判定を行う。この判定およびS300の判定により、不良ブロックとなったために、その不良ブロックに属する全てのチャンネルが待機状態となりホッピングパターンから除かれたが、チャンネルエラーカウンタは不良チャンネル閾値より小さく、通信するに支障がないと思われるチャンネルを抽出することができる。待機状態であるチャンネルが不良チャンネルである場合には、S350へ移行する(S310)。
そして、いままで調査したチャンネルの中でチャンネルエラーカウンタの値が、最も小さいチャンネルか否かを判定する。小さい場合には、S330へ移行し、小さくない場合には、S350へ移行する(S320)。
チャンネル管理部23は、S320で判定されたチャンネのチャンネル番号を記憶する(S330)。
全てのチャンネルについて調査したか否かの判定を行い(S340)、調査していない場合には、調査対象のチャンネル番号を更新(S350)して、S300へ戻る。
S330の処理において、チャンネル管理部23が記憶したチャンネルが抽出できたか否かの判定を行う。つまり、チャンネルの状態が、良好チャンネルであり、待機状態であって、かつ最もチャンネルエラーカウンタの値が小さいチャンネルが抽出できたか否かを意味している。これは、最小チャンネル数を確保しつつ、新たに不良チャンネルとなったチャンネルをホッピングパターンから除くために、不良チャンネルとなったチャンネルの代わりに使用状態としてホッピングパターンに追加することができるチャンネルが抽出できたことになる(S360)。
抽出できた場合では、S330の処理にて記憶したチャンネル番号のチャンネルの状態を使用状態として、ホッピングテーブル24へ追加し(S370)、ホッピングパターンから除きたい新たに不良チャンネルとなったチャンネルの状態を待機状態とする(S380)。
S360にて、チャンネルが抽出できなかった場合には、後述する再測定手順にて、交換の対象となるチャンネルの選択を行う(S390)。
このようにして、新たに不良チャンネルとなったチャンネルをホッピングパターンから除くと最小チャンネル数より少なくなる場合に、チャンネルの状態が、良好チャンネルであり、待機状態であって、かつ最もチャンネルエラーカウンタの値が小さいチャンネルを
全チャンネルから選択し、そして不良チャンネルとホッピングパターンの入れ替えをする。そうすることで、最小チャンネル数を確保しつつ、不良チャンネルをホッピングパターンから除くことができる。
次に、待機状態であるチャンネルの電界強度を測定して、不良チャンネルと待機状態にあるチャンネルを入れ替え対象とするチャンネルを選択する再測定手順を図9に基づいて説明する。
再測定手順は、周波数ホッピングを行うチャンネル数が、最小のチャンネル数となり、新たに不良チャンネルが発生した場合に、この手順により、不良チャンネルをホッピングパターンから除いて、代わりにホッピングパターンに追加する追加用のチャンネルを抽出する。これは、通信制御部21が、エラーカウンタ処理部22の各チャンネルのチャンネルエラーカウンタの値と、無線部11によって測定される電界強度とに基づいて、入れ替え対象とするチャンネルを選択する測定テーブル28を作成して抽出を行う。以下にその手順を説明する。
(1)図9に示す測定テーブル28は、チャンネルエラーカウンタの値が不良チャンネル閾値以上であるチャンネルを抽出して作成されている。本実施の形態では測定テーブル28は、不良チャンネル閾値を「8」としているので、チャンネルエラーカウンタの値が「8」以上となっているチャンネルを抽出して作成されている。
(2)無線部11により、そのチャンネルの周波数帯域での電界強度を所定回数測定し、通信制御部21がその電界強度の測定結果に基づいて測定テーブル28を作成する。図9では4回測定して測定テーブル28を作成している。この回数は、1回でも良いし、6回以上としても良いが、回数が少ないと信頼性に欠け、回数が多いと処理時間を要してしまうため、3回から5回程度が望ましい。この回数をチャンネル管理部23に設定として記憶させることにより、親機2の設置環境に最適な回数で処理を行うことができる。
(3)4回測定した後に、その最大値を抽出して降順に並び替える。図9においては、チャンネル番号38を測定した2回目の「230」が最高値であり、かつ全チャンネルの測定値の最高値であるため、測定テーブル28の最上位となっている。また、チャンネル番号4についての各回の測定の中で1回目に測定された最大値「89」が、全チャンネルそれぞれについての最大値のなかでの最低であるため、このチャンネル番号4が測定テーブル28の最下位となっている。この電界強度は、大きい程、親機2が設置された周囲の干渉源となる装置の影響が強いことを示し、この電界強度が小さいと、通信に影響を与えるものがないということを示している。このようにそれぞれのチャンネルにおいて最大値を抽出して、その大小によって並び替える。
(4)通信制御部21は、チャンネルエラーカウンタの値が閾値以下であって、かつ測定された電界強度の最大値がもっとも小さいチャンネルを測定テーブル28から検索する。例えば図9における測定テーブル28の最下位から閾値「16」と比較する場合、最下位のチャンネル番号4は、測定された電界強度の最大値が「89」で全チャンネル中最も小さい値ではあるが、チャンネルエラーカウンタの値が「20」であり、閾値「16」より大きいため、対象から外される。そして、次に上位のチャンネル番号8のチャンネルエラーカウンタと閾値「16」を比較する。
(5)そしてチャンネル番号8のチャンネルエラーカウンタの値は「10」であり、閾値「16」より小さい。従ってチャンネル番号8が選択される。
(6)チャンネル番号8の周波数帯域を無線部11にて再測定する。
(7)チャンネル番号8の再測定結果が、所定値以上か否かを判定する。
(8)所定値以上であれば、不良チャンネルとなったチャンネルと、チャンネル番号8を交換する。つまり、不良チャンネルを待機状態とし、チャンネル番号8を使用状態とし、ホッピングパターンへ追加する。
(9)前記(7)の測定結果が所定値より大きい場合は、その次に上位のチャンネル番号68のチャンネルエラーカウンタが閾値「16」より小さいかを判定する。
(10)以降、(5)から(9)を繰り返して、不良チャンネルをホッピングパターンから除いて、代わりにホッピングパターンに追加する追加用のチャンネルを抽出する。すなわち、図9に示す例ではチャンネルエラーカウンタの閾値を「16」とした場合、閾値「16」以下のチャンネルは、チャンネル番号8,68,80,20,32,12,44である。
但し、この抽出は、測定テーブル28の全チャンネルが対象となるものではなく、4回の再測定した結果の最大の電界強度の値が、良と判定される閾値以下であるチャンネルを交換用のチャンネルの抽出の条件とする。本実施の形態では、良と判定される閾値を「115」とする。これによって、交換用のチャンネルとして干渉ノイズの多いチャンネルが抽出されることを防止している。図9に、この「良」と判定する閾値「115」を示す線を図示している。この例ではチャンネルエラーカウンタが閾値「16」以下のチャンネルは、チャンネル番号8,68,80,20,32,12,44であるが、電界強度で良と判定される閾値「115」以下であるチャンネルはチャンネル番号8,68,80である。
このように、不良チャンネルとなった各周波数帯域を再測定することにより、一時的な干渉ノイズでの通信エラーで不良チャンネルとなり、その後は、通信するに支障がないと思われるチャンネルを抽出することができる。
次に、各チャンネルの電界強度に基づいてチャンネルエラーカウンタを更新して、そのチャンネルをホッピングパターンから除いたり、追加したりする不良チャンネル復帰手順を図10に基づいて説明する。
この不良チャンネル復帰手順では、親機2の通信制御部21は、空きスロットのホッピングパターンに従ってチャンネルの電界強度を測定する。すなわち、マスタ装置である親機2の送信スロット後のスレーブ装置からの受信スロットにおいて、受信するパケットがない空きスロットとなった場合に実行される。その際に無線部11が測定するチャンネルは、親機2が送信したチャンネルの次のホッピングパターンに基づいたチャンネルとなる。
受信動作時に、スレーブ装置である他の無線通信装置(例えば、子機3,PDA4,デジタルカメラ5)からパケットが送信された場合は、干渉ノイズであるか正常なパケットであるか電界強度の測定だけでは区別が付かない。従って、この不良チャンネル復帰手順は実行されない。この場合は、図3で示されるように、受信パケットの各エラー発生箇所に応じたチャンネルエラーカウンタのカウントアップを行う。
まず、S400にて通信制御部21は、空きスロットのホッピングパターンに従ったチャンネルの電界強度を無線部11から入力し、エラーカウンタ処理部22へ出力する。
エラーカウンタ処理部22は、測定結果が、干渉ノイズが無いまたは小さいことを示すカウントダウン閾値以下か否かを判定する(S410)。
S410にて、カウントダウン閾値以下であると判定された場合は、エラーカウンタ処理部22は、そのチャンネルに対応するチャンネルエラーカウンタの値をカウントダウンする。これは、一時的な干渉ノイズによって通信エラーが発生し、チャンネルエラーカウンタがカウントアップされたが、再度、そのチャンネルの電界強度を測定して干渉ノイズの有無を調査することで、通信に支障がない程度の電界強度であれば、エラーカウンタ処理部22により、チャンネルエラーカウンタをカウントダウンするというものである。そしてS450へ移行する(S420)。
S410にて、測定結果がカウントダウン閾値より大きいと判定された場合、測定結果がカウントアップ閾値以上か否かを判定する。カウントアップ閾値は、カウントダウン閾値より大きい値としており、カウントアップ閾値とカウントダウン閾値は異なる値としている。このような関係とすることにより、チャンネルエラーカウンタの値をカウントダウンさせるには干渉ノイズが大きく、またカウントアップするにはそれほど干渉ノイズの影響は無い場合に、チャンネルエラーカウンタの値を更新することなく、現状のままのチャンネルエラーカウンタの値とすることができる(S430)。
S430にて、測定結果がカウントアップ閾値以上であると判定された場合、そのチャンネルの周波数帯域と重なる干渉ノイズが存在することを示しているので、チャンネルエラーカウンタをカウントアップする(S440)。そしてS450へ移行する。
エラーカウンタ処理部22は、電界強度の測定を行ったチャンネルが属するブロックのブロックエラーカウンタを再計算する(S450)。
電界強度を測定したチャンネルは、S450にて再計算する前の状態が、不良ブロックに属していたか、否かの判定をする。良好ブロックであればS470へ移行し、不良ブロックであればS490へ移行する(S460)。
良好ブロックであれば、S460にてブロックエラーカウンタを再計算した結果、不良ブロック閾値以上であるか否かの判定を行う(S470)。
再計算した結果が、不良ブロック閾値未満であれば、良好ブロック処理(S480)を行う。
ここで、良好ブロック処理について図11に基づいて説明する。
チャンネルの電界強度を測定し、そのチャンネルが属するブロックが不良ブロックでない場合、そのチャンネルのチャンネルエラーカウンタが、通信しても良いと判断される良好チャンネル閾値以下であるか否かを判定する。本実施の形態では良好チャンネル閾値を「6」とする(S600)。
S600にて、良好チャンネル閾値以下であると判定された場合、そのチャンネルの状態を良好チャンネルへ変更してホッピングパターンへ追加して終了する(S610)。
S600にて、良好チャンネル閾値より大きいと判定された場合、次に通信品質が維持できないと判断される不良チャンネル閾値以上であるか否かの判定をする。本実施の形態では不良チャンネル閾値を「8」とする(S620)。
S620にて、不良チャンネル閾値以上と判定されると、そのチャンネルの状態を不良チャンネルへ変更してホッピングパターンから除いて終了する。
S620にて、不良チャンネル閾値より小さいと判定されると、また良好なチャンネルとするにはチャンネルエラーカウンタ値が大きく、不良チャンネルとするにはチャンネルエラーカウンタ値が小さいので、チャンネルの状態はそのまま変更せず終了する。
図10に戻って、S470にて再計算したブロックエラーカウンタの値が不良ブロック閾値以上である場合には、そのブロックを不良ブロックとして待機状態とすることができるか否かを判定する(S500)。
S500にて待機状態とすることができると判定された場合は、S400で測定したチャンネルが属するブロックを全て待機状態とする(S510)。
S500にて待機状態とすることが不可であると判定された場合は、図7にて説明したブロック退避手順を実施する(S520)。
S400にて電界強度を測定したチャンネルが属するブロックのブロックエラーカウンタを、S450にて再計算した結果が、良好ブロック閾値(第2の閾値)以下であるか否かを判定する(S490)。
S490にて、良好ブロック閾値以下であると判定された場合は、不良ブロック処理(S530)を行い終了する。また、良好ブロック閾値より大きいと判定された場合は、そのまま終了する。
次に、S530での不良ブロック処理について、図12に基づいて説明する。
チャンネルの電界強度を測定し、そのチャンネルが属するブロックが不良ブロックである場合、そのチャンネルのチャンネルエラーカウンタが通信しても良いと判断される良好チャンネル閾値以下であるか否かを判定する。良好チャンネル閾値は「6」としたので、チャンネルエラーカウンタの値を良好チャンネル閾値「6」と比較する(S700)。
S700にて、チャンネルエラーカウンタが良好チャンネル閾値以下である場合には、そのチャンネルの状態を良好チャンネルとしてホッピングパターンに追加する(S710)。
S700にて、チャンネルエラーカウンタが良好チャンネル閾値より大きい場合には、そのチャンネルが属するブロック全てについて調査したか否かの判定をし、まだ調査していない場合は、S700へ移行する。全てのチャンネルについて、調査し終えた場合には、終了する(S720)。
このように、パケットの受信時に通信エラーが発生してカウントアップしたチャンネルエラーカウンタおよびブロックエラーカウンタを、カウントダウンさせることができる。このカウントダウンは、パケットの受信がない空きスロットにて、ホッピングパターンに従ったチャンネルの電界強度を測定して、その測定結果に応じて行う。
チャンネルの電界強度を測定した結果に応じて、チャンネルエラーカウンタおよびブロックエラーカウンタをカウントダウンまたはカウントアップすることで、不良ブロックとしたが、その後の干渉電波の測定で通信可能と判断したブロックをホッピングパターンに追加することができ、周波数ホッピングに使用するチャンネルの周波数帯域をブロックの
単位で広げることができる。また、狭帯域の干渉ノイズがあった場合でも、チャンネルごとホッピングパターンに追加することができる。
また、ブロックが不良ブロックであるか否かの判定の基準となる不良ブロック閾値(第1の閾値)は、良好なブロックであるか否かの判定の基準となる良好ブロック閾値(第2の閾値)より大きくして、ブロックの状態遷移がヒステリシスの関係となるようにしている。これにより、電界強度の測定値によって不良ブロックと良好ブロックとの状態遷移を頻繁に繰り返すことを防止することができる。
このようにして、チャンネルエラーカウンタとブロックエラーカウンタとをカウントアップし、ホッピングテーブルからチャンネルまたはブロックを除き、そして電界強度を測定した結果によってカウントダウンしてチャンネルまたブロックをホッピングパターンに追加している。
次に、エラーカウンタ処理部22がタイマ27からの割り込みに応じてホッピングパターンに含まれるチャンネルエラーカウンタをカウントダウンするカウントダウン処理を図13に基づいて説明する。
まず、タイマ27から30秒ごとに割り込みが通信制御部21へ通知され、エラーカウンタ処理部22へその旨の通知が送信される。
この通知により、エラーカウンタ処理部22がチャンネル管理部23を介してホッピングパターンテーブル24の最初のチャンネルの状態を取得する。そしてエラーカウンタ処理部22は、チャンネルの状態が使用状態であるか否かを判定する。チャンネルの状態が使用状態ではない待機状態の場合はS850へ移行する(S800)。
チャンネルの状態が使用状態である場合、エラーカウンタ処理部22は、そのチャンネルのチャンネルエラーカウンタから所定値をカウントダウンする処理を行う。本実施の形態ではチャンネルエラーカウンタから所定値として「1」をカウントダウンする。
例えば、図4(a)のチャンネル番号0のチャンネルエラーカウンタの値「2」から「1」カウントダウンする(S810)。
次に、エラーカウンタ処理部22は、カウントダウンしたチャンネルが不良チャンネルか否かを判定する。この判定は、もともと良好チャンネルであれば、チャンネルの状態は変わらないため、次のチャンネルを調査するためにS850へ移行する(S820)。
チャンネルエラーカウンタの値から「1」カウントダウンしたことで、良好チャンネル閾値以下であるか否かを判定する。良好チャンネル閾値以下である場合には、チャンネルエラーカウンタから「1」をカウントダウンする前は不良チャンネルであり、カウントダウンしたことで良好チャンネルになったことを示す。良好チャンネル閾値よりチャンネルエラーカウンタの値が大きい場合には、次にチャンネルを調査するためにS850へ移行する(S830)。
チャンネルエラーカウンタの値が、良好チャンネル閾値以下である場合では、チャンネルの状態を良好チャンネルへ変更する(S840)。
エラーカウンタ処理部22は、チャンネルが属するブロックの状態の調査が終了したか否かの判定をする。完了していない場合は、そのブロックに属するチャンネル全てに対してS800からS840までを繰り返すために、S800へ移行する。
例えば、図4(a)に示されるチャンネル番号0,2,4が同じブロックなので、チャンネル番号0,2,4のチャンネルエラーカウンタについてカウントダウンし、チャンネルの状態について調査したか判定する(S850)。
S850にて、ブロック単位での調査が終了した場合、エラーカウンタ処理部22は、ブロックのブロックエラーカウンタを再計算する。これは、そのブロックに属するチャンネルエラーカウンタを合計することにより行われる(S860)。
エラーカウンタ処理部22は、調査したブロックが不良ブロックであるか否かの判定をする。この判定は、もともと良好ブロックであれば、ブロックの状態は変わらないため、次のブロックの調査するためにS900へ移行する(S870)。
エラーカウンタ処理部22は、S860にて調査したブロックのブロックエラーカウンタを再計算した結果が良好ブロック閾値以下であるか否かの判定をする。良好ブロック閾値よりブロックエラーカウンタの値が大きい場合は、S900へ移行する(S880)。
ブロックエラーカウンタの値が良好ブロック閾値以下である場合は、エラーカウンタ処理部22は、チャンネル管理部23へ通知し、ホッピングテーブル24のブロックの状態を良好ブロックへ変更する(S890)。
周波数ホッピングをする全チャンネルについて調査したかを判定し、全てのチャンネルの調査が終了していない場合は、S800へ移行して、S800からS890までの処理を繰り返す。全てのチャンネルの調査が終了した場合は処理を終了する(S900)。
チャンネルエラーカウンタとブロックエラーカウンタのカウントアップおよびカウントダウンする様子を図14に基づいて説明する。
図14は、1つのチャンネルに対応するチャンネルエラーカウンタの数値の増減を示した図である。親機2がパケットの送信を行ってないアイドル状態では、チャンネルの電界強度を測定してその測定結果に応じて、チャンネルエラーカウンタの値は、図10に示される不良チャンネル復帰手順により増減している。
そして、親機2が通信状態となり、他の無線ネットワークからパケットを受信する。その際に、そのパケットのペイロードに含まれるCRCにエラーがあった場合、パケットエラーをデータパケット処理部18が検出する。図3に示すようにペイロードエラーはエラー発生回数に応じて重み付けが異なり、この場合はエラー発生回数が所定数を超えて重み付が「3」とすると、データパケット処理部18からの通知により「3」をエラー計数処理部20が、エラーカウンタ処理部22へ通知する。そして、エラーカウンタ処理部22は、チャンネルエラーカウンタを「3」カウントアップする。
次に受信したパケットのパケットヘッダに含まれるHEC(Header Error Check)にエラーが発生していることを、受信パケット解析部13が検出する。パケットエラーは重み付けが「2」であるため、エラー計数処理部20は「2」をエラーカウンタ処理部22へ通知する。そしてエラーカウンタ処理部22は、チャンネルエラーカウンタを「2」カウントアップする。
次に、同様にして、アクセスワードに含まれるSYNCにエラーが発生していることを同期相関器12が検出する。アクセスコードの同期エラーは重み付けが「3」であるため、エラーカウンタ処理部22は、チャンネルエラーカウンタを「3」カウントアップする
その時点で、チャンネルエラーカウンタの値は、不良チャンネル閾値以上となったため、不良チャンネルとしてホッピングパターンから除かれる。その後は、図10から図12に示される不良チャンネル復帰手順により、干渉ノイズがない場合に段々チャンネルエラーカウンタが減少していき、良好チャンネル閾値以下となったことで、ホッピングパターンに追加される。
このようにして、各チャンネルが干渉ノイズによって影響を受けた場合に、ホッピングパターンから除かれ、影響がなくなると追加される。
次に、図10から図12にて説明した不良チャンネル復帰手順を行うタイミングについて、図15および図16に基づいて説明する。
図15は、ブルートゥースのパークモードを説明する図である。図16は、親機が不良チャンネル復帰手順を行うタイミングを得るための動作を説明するフローチャートである。
親機2が通信を開始すると、ブルートゥースではホッピングパターンとして使用するチャンネルがランダムなので、不良チャンネル復帰手順による電界強度の測定を、各チャンネル均等に行うことが困難である。そこで、確実に不良チャンネル復帰手順を行うタイミングを図ることが必要となる。
ブルートゥースでは、スレーブ装置が低消費電力モードであるパークモードへ遷移した場合では、ピコネット内でのマスタ装置から周期的にビーコンと呼ばれるパケットが送信される。また、スレーブ装置には、マスタ装置に対してアクセス要求をするための時間スロットであるアクセスウィンドウが与えられる。
このビーコンおよびアクセスウィンドウは、マスタ装置がスレーブ装置に対して送信するパークモードへの遷移を要求するパケット(LMP_park_reqパケット)に含まれる制御データの時間情報により規定される。
この時間情報は、図15に示すように、ビーコンスロットの時間間隔であるビーコン列間隔T1と、ビーコンの開始からアクセスウィンドウまでの時間であるアクセスウィンドウ開始オフセットT2と、ビーコンの周期であるビーコン周期T3の各時間の定義を含んでいる。アクセスウィンドウは、そのアクセスウィンドウ開始オフセットT2により、ビーコン開始のスロットから相対的に定義される。
ブルートゥースにおけるビーコンスロットでは、マスタ装置である親機2が、ビーコンを送信した次のスロットでは、スレーブ装置である子機3、PDA4、デジタルカメラ5からの応答は不要なので、空きスロットとなる。
また、アクセスウィンドウにおいては、マスタ装置から送信される同報パケットに次の受信スロットは、パークモードへ遷移したそれぞれのスレーブ装置に割り当てられるAR_ADDR(Access Request Address)に基づいて応答するスロットが決まっているため、AR_ADDRに応じたスロットに、そのAR_ADDRに割り当てられたスレーブ装置からの通信がないと、どのスレーブ装置からも応答がない空きスロットなる。
このようにして得られる空きスロットのタイミングで、不良チャンネル復帰手順を行うことで、各チャンネルに対して均一に測定することが可能となる。
この空きスロットを得るための親機2の通信制御部21の動作を図16に基づいて説明する。
まず、スレーブ装置である子機3がパークモードへ遷移したとする。親機2は子機3へ、LMP_park_reqパケットにて、時間情報を含む制御データを送信して状態遷移を要求する。親機2の通信制御部21は、タイマ27へ時間情報あるT1,T2およびT3の時間設定をする。ビーコンスロットにてビーコンを送出してS910から実行を始める。
S910にて、ビーコンの周期であるビーコン周期T3の割り込み発生の有無を判定する。発生がない場合はS920へ移行する。割り込み発生有りの場合は、ビーコンスロットの開始を示しているので、ビーコンを送出するとともに、ビーコンスロットでは、スレーブ装置である子機3の応答はないので、空きスロットとなる。従って、S940にて、図10で示される不良チャンネル復帰手順を実行することができる。
S920にて、ビーコンスロットの時間間隔であるビーコン列間隔T1の割り込みの発生の有無を判定する。発生がない場合はS930へ移行する。割り込み発生有りの場合は、次のビーコン送出タイミングなので、ビーコンを送出するとともに、S940にて、図10で示される不良チャンネル復帰手順を実行することができる。
S930にて、ビーコンの開始からアクセスウィンドウまでの時間であるアクセスウィンドウ開始オフセットT2の割り込みの有無を判定する。発生がない場合はS910へ戻って割り込みの待ちを継続する。
割り込み発生有りの場合は、アクセスウィンドウの開始を示しているので、通信制御部21は、アクセスウィンドウの送信スロットで同報パケットなどの送信を行うとともに、S950にて、次の受信スロットが通信する装置がいるアクティブスロット(空きスロットではない)か否かの判定を行う。
空きスロットである場合、つまり、子機2の通信によるアクティブスロットではない場合、S940へ移行し、不良チャンネル復帰手順を実行する。
空きスロットでない場合、つまり、子機2の通信によるアクティブスロットである場合、S910へ戻り割り込み待ちを繰り返す。
このようにして、不良チャンネル復帰手順による電界強度の測定を、ビーコンスロットやアクセスウィンドウの空きスロットを使用することで、各チャンネル均等に行っている。
以上のように、不良チャンネルまたは不良ブロックを除いたホッピングパターンとしている。このホッピングパターンをマスタ装置である親機2は、スレーブ装置へ通知することにより、新しいホッピングパターンで、お互いが相違なく周波数ホッピングする。これは、ホッピングチャンネル計算部25がクロックカウンタ26に基づいて周波数ホッピングするチャンネルの順序を算出し、チャンネルの状態が使用状態のみとしたホッピングパターンを通信制御部21がデータバッファ32へ格納し、送信パケット作成部30により、LMP_classificationの制御パケットとして送信することにより実現している。
本発明に係る無線通信装置は、高品質で通信を行うことが必要な、周波数ホッピング型のスペクトル拡散方式の無線ネットワークに適用できる。
本発明の実施の形態に係る無線通信装置の一例であるコードレス電話機の親機を中心とした無線ネットワークに複数の無線通信装置が接続している図 本発明の実施の形態に係る無線通信装置の一例であるコードレス電話機の親機の構成図 同無線通信装置のエラー値の重み付けについて説明する図 エラーカウンタ処理部が有するチャンネルエラーカウンタおよびブロックエラーカウンタの構成の一例を示す図 ホッピングテーブルの構成を示す図 本発明の実施の形態に係る無線通信装置の干渉回避手順の説明をするフローチャート 本発明の実施の形態に係る無線通信装置のブロック退避手順を説明するフローチャート 本発明の実施の形態に係る無線通信装置のチャンネル退避手順を説明するフローチャート 本発明の実施の形態に係る無線通信装置の再測定手順を説明する測定テーブルの構成を示す図 本発明の実施の形態に係る無線通信装置の不良チャンネル復帰手順を説明するフローチャート 本発明の実施の形態に係る無線通信装置の良好ブロック処理を説明するフローチャート 本発明の実施の形態に係る無線通信装置の不良ブロック処理を説明するフローチャート 本発明の実施の形態に係る無線通信装置のチャンネルエラーカウンタの動作を説明する図 1つのチャンネルに対応するチャンネルエラーカウンタの数値の増減を示した図 ブルートゥースのパークモードを説明する図 親機が不良チャンネル復帰手順を行うタイミングを得るための動作を説明するフローチャート
符号の説明
1 無線ネットワーク
2 親機
3 子機
4 PDA(Personal Digital Assistant)
5 デジタルカメラ
6 公衆回線網
10 アンテナ
11 無線部
12 同期相関器
13 受信パケット解析部
14 音声パケット処理部
15 スピーチバッファ
16 スピーチデコーダ
17 スピーカ
18 データパケット処理部
19 データバッファ
20 エラー計数処理部
21 通信制御部
22 エラーカウンタ処理部
23 チャンネル管理部
24 ホッピングテーブル
25 ホッピングチャンネル計算部
26 クロックカウンタ
27 タイマ
28 測定テーブル
30 送信パケット作成部
31 スピーチバッファ
32 データバッファ
33 スピーチエンコーダ
34 マイク
50 パケット
51 アクセスコード
52 パケットヘッダ
53 ペイロード
54 プリアンブル
55 シンクワード
56 トレーラ

Claims (8)

  1. 周波数の異なる多数のチャンネルの中からホッピングパターンに基づいて選択したチャンネルにより通信を行う無線通信装置において、
    前記選択したチャンネルでの通信エラーを検出するエラー検出部と、
    前記選択したチャンネルを所定数ごとのブロックとして区分し、このブロックごとに前記通信エラーをカウントアップするブロックエラーカウンタを有するエラーカウンタ処理部と、
    前記ブロックエラーカウンタが第1の閾値以上となったブロックに属するチャンネルを不良チャンネルとして前記ホッピングパターンから除外するチャンネル管理部とを有することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記選択したチャンネルの電界強度を測定する測定部を有し、
    前記エラーカウンタ処理部は、前記測定部により測定した電界強度が所定値以下となったチャンネルの属するブロックのブロックエラーカウントをカウントダウンする機能を有し、
    前記チャンネル管理部は、前記ブロックエラーカウンタが第2の閾値以下となったブロックを前記ホッピングパターンに追加する機能を有することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記選択したチャンネルの電界強度を測定する測定部を有し、
    前記エラーカウンタ処理部は、前記選択したチャンネルごとに前記通信エラーをカウントアップするチャンネルエラーカウンタを有し、前記測定部により測定した電界強度が所定値以下となったチャンネルのチャンネルエラーカウンタをカウントダウンするとともに、当該チャンネルが属するブロックのブロックエラーカウンタをカウントダウンする機能を有し、
    前記チャンネル管理部は、前記不良チャンネルが所定数以上であり、前記ブロックエラーカウンタが第2の閾値より大きく、かつチャンネルエラーカウンタが第3の閾値以下であるチャンネルのみを前記ホッピングパターンに追加する機能を有することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  4. 前記選択したチャンネルの電界強度を測定する測定部を有し、
    前記エラーカウンタ処理部は、前記選択したチャンネルでの通信エラー、または前記測定部により測定した電界強度が所定値以上となることでチャンネルのチャンネルエラーカウンタをカウントアップする機能を有し、
    前記チャンネル管理部は、チャンネルエラーカウンタが第4の閾値よりも大きくなったチャンネルを不良チャンネルとして前記ホッピングパターンから除外する機能を有することを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
  5. 前記第1の閾値は、前記第2の閾値より大きいことを特徴とする請求項3または4記載の無線通信装置。
  6. 周波数の異なる多数のチャンネルの中からホッピングパターンに基づいて選択したチャンネルによりパケットの通信を行う通信制御部と、
    前記選択したチャンネルでの通信エラーを検出するエラー検出部と、
    前記パケットの通信エラーをチャンネルごとのチャンネルエラーカウンタでカウントするチャンネルエラーカウンタと、ブロックごとのエラーをカウントするブロックエラーカウンタを有するチャンネルエラーカウント処理部と、
    前記チャンネルエラーカウンタが第1の閾値以上となったチャンネルを不良チャンネルとして前記ホッピングパターンから除外し、また追加すべきチャンネルを前記ホッピングパ
    ターンへ追加するチャンネル管理部とを有する無線通信装置であって、
    通信している間に行われる干渉回避手順において前記チャンネル管理部は、
    あるチャンネルでエラーが発生したら、前記チャンネルエラーカウンタは該チャンネルのエラー値を更新するとともに該チャンネルが属するブロックのブロックエラーカウンタを更新し、
    該チャンネルにおける更新したチャンネルエラーカウンタの値が不良チャンネル閾値以上であるか否かを判定し、
    該チャンネルのカウンタの値が不良チャンネル閾値以上であれば該チャンネルの状態を不良チャンネルとし、
    該チャンネルが属するブロックの前記ブロックエラーカウンタが不良ブロック閾値以上であるか否かを判定し、
    該チャンネルが属するブロックのブロックエラーカウンタが不良ブロック閾値以上である場合は該チャンネルが属するブロックをホッピングパターンから除くことができるか否かを判定し、
    前記ブロックをホッピングパターンから除くことができるか否かの判定では、
    不良ブロック閾値以上になった不良ブロックをそのままホッピングパターンから除くとホッピングパターンのチャンネル数が所定数を割り込む場合は不良ブロックの退避を行ない、
    不良ブロック閾値以上になった不良ブロックをそのままホッピングパターンから除いてもホッピングパターンのチャンネル数が所定数を割り込まない場合は不良ブロックに属するチャンネルを待機状態とし、
    前記ブロックエラーカウンタが不良ブロック閾値未満であった場合は、該ブロックに属するチャンネル毎にホッピングパターンに追加すべきか否かの判定を行ない、ホッピングパターンへ追加すると決定されたチャンネルを前記ホッピングパターンへ追加することを特徴とする無線通信装置。
  7. 前記チャンネル管理部は、良好ブロック閾値以下となったブロックエラーカウンタに属するチャンネルをホッピングパターンに追加して通話状態用ホッピングテーブルとする請求項6記載の無線通信装置。
  8. エラーが発生したチャンネルが属するブロックをホッピングパターンから除くことができるか否かの判定では、
    全チャンネルの中からホッピングパターンとして使用している使用状態であるチャンネル数をカウントし、そのカウント値からホッピングパターンを行う最小チャンネル数を閾値とした値を減算した値がブロックを構成するチャンネル数より小さい場合は、不良ブロックの退避を行ない、
    減算した値がブロックを構成するチャンネル数以上である場合は、不良ブロックに属するチャンネルを待機状態とすることを特徴とする請求項6記載の無線通信装置。
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