JP2005322448A - レドックスフロー電池用電解液タンク及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期の使用に亘り電解液の浸透を抑制することができるレドックスフロー電池用電解液タンクの製造方法、及びレドックスフロー電池用電解液タンクを提供する。
【解決手段】 有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなるシート片10を複数用意し、シート片10の接合部12同士を重ね合わせて機械的プレスし、シート片10同士を接合する接合プレス工程と、シート片10において、上記接合プレスが施されていない部分(非接合部14)を機械的プレスする脱気プレス工程とを具える。接合のためのプレスだけでなく、ゴム層中のボイドを低減するための脱気プレスを行うことで、電解液が浸透しにくいレドックスフロー電池用電解液タンクが得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電極に流通させる電解液を貯留するレドックスフロー電池用電解液タンク、及びその製造方法に関するものである。特に、長期の使用に亘り電解液の浸透を防止して絶縁抵抗の低下が少ないレドックスフロー電池用電解液タンク、及びその製造方法に関する。
レドックスフロー電池は、従来、負荷平準化や瞬低対策などとして利用されている。図3はレドックスフロー電池の動作原理を示す説明図である。この電池は、イオン交換膜からなる隔膜103で正極セル100Aと負極セル100Bとに分離されたセル100を具える。正極セル100Aと負極セル100Bの各々には正極電極104と負極電極105とを内蔵している。正極セル100Aには、正極電極104に供給されると共に、正極電極104から排出される正極電解液を貯留する正極用タンク101が導管106、107を介して接続されている。負極セル100Bには、負極電極105に供給されると共に、負極電極105から排出される負極電解液を貯留する負極用タンク102が導管109、110を介して接続されている。各電解液にはバナジウムイオンなど原子価が変化するイオンの水溶液を用い、ポンプ108、111で循環させ、正負極電極104、105におけるイオンの価数変化反応に伴って充放電を行う。例えば、バナジウムイオンを含む電解液を用いた場合、セル内で充放電時に生じる反応は次のとおりである。
正極:V4+→V5++e-(充電) V4+←V5++e-(放電)
負極:V3++e-→V2+(充電) V3++e-←V2+(放電)
各極の電解液を貯留するタンクとして、ゴム層を具えるシート材を袋状に加工したものがある。例えば、有機繊維からなる基布にゴム層を被覆した後、ゴム層を加硫させたシート片を所定の形状となるように貼り合わせたシート材から形成したものがある(特許文献1参照)。このゴム層を具えるシート材からなるタンクは、(1)可撓性に富み、コンパクト化が可能であるため、運搬や設置作業が行い易い、(2)収納スペースの形状に適合した形状に形成し易く、スペースを有効に用いることができる、といった利点を有している。
特開2000-21433号公報(特許請求の範囲参照)
しかし、従来のタンクでは、長期の使用に亘ると、電解液の浸透により絶縁抵抗が低下する可能性があり、電解液の浸透を効果的に防止するための対策が求められている。
そこで、本発明の主目的は、電解液の浸透を防止して絶縁性能の低下を抑制し、より長寿命なレドックスフロー電池用電解液タンク、及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、ゴム層を具えるシート片を複数接合したシート材を用いてタンクを形成するにあたり、シート片同士の接合部だけでなく接合のためのプレスが施されない部分にもプレス加工を施すことで上記目的を達成する。
即ち、本発明レドックスフロー電池用電解液タンクの製造方法は、有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなる構成材の全面に機械的プレスを行う工程を具えることを特徴とする。
本発明者らが調べたところ、従来の方法により作製したゴム層を具えるシート材からなる電解液タンクでは、時間の経過に伴い電解液の浸透により絶縁抵抗が低下する可能性があることがわかった。従来の方法により作製した電解液タンクを調べたところ、シート材には、絶縁破壊強度が低下した部分(7〜10kV/mm程度)と、絶縁破壊強度の低下がほとんどない、或いは全くない部分(14〜19kV/mm程度)とが存在しており、絶縁破壊強度が低下して絶縁破壊強度が小さい部分には、ゴム層中に直径10μm程度の微小な気泡(ボイド)が多数存在し、絶縁破壊強度の低下がほとんどない、或いは全くなく絶縁破壊強度が大きな部分には、ボイドが少ないことがわかった。そして、シート材において上記絶縁破壊強度が大きい部分は、シート片同士がプレスにより接合された接合部や接合部と共にプレスが施された接合部近傍であり、絶縁破壊強度が小さい部分は、上記プレスが施されていない部分(非接合部)であることがわかった。
上記ボイドは、ゴム層の形成材料を混錬中に混入したガスや、ゴム層を加硫する際に発生するガスなどによりゴム層中に形成されると考えられる。また、絶縁抵抗の低下は、これらボイドに電解液が浸透することで生じていたと考えられる。そして、シート片同士の接合部及びその近傍では、接合のためのプレス加工により、これらボイドを形成するガスが押し出されてボイドが消失又は減少した状態になっていたと推測される。即ち、接合のために行っていたプレスは、ゴム層中に存在するボイドの除去、又は縮小に寄与すると考えられる。
そこで、本発明製造方法は、絶縁抵抗の低下の要因となるボイドを低減、或いはなくすべく、シート片同士の接合部に接合のためのプレス加工を行うだけでなく、接合プレスが施されていない非接合部にもボイドを除去するためのプレス加工を行うことを規定する。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明に用いる構成材は、有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなるものとする。上記基布にゴム層を被覆したものを複数積層させた構成のものを用いてもよい。
基布を構成する有機繊維としては、長期に亘って電解液と接触していても、電解液の成分により劣化しにくいものが好ましい。例えば、耐酸性に優れるポリエステルやポリエチレン、フッ素樹脂などが挙げられる。中でもポリエステルは、強度が高く、低コストであるため、より好ましい。有機繊維を用いた基布としては、平織りやバスケット織りなどの一般的な構造のものが適用できる。また、ゴム層との接着性を向上するために、目開き状態に織り、基布の表裏面にゴム層を被覆した場合、ゴム同士が互いにブリッジで一体化する構成としてもよい。従来と同様のシート片を用いてもよい。
基布に被覆するゴムも、有機繊維と同様に、長期に亘って電解液と接触していても、電解液の成分により劣化しにくいものが好ましく、天然ゴム、合成ゴムのいずれでもよい。より具体的には、電解液に対する耐性に特に優れるクロロスルホン化ポリエチレンや、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)ゴム、ブチルゴムなどが挙げられる。その他、ゴムの1種として近年注目されている熱可塑性エラストマーなども用いることができる。また、ゴムの材質を問わず、架橋剤として有機過酸化物を用いると、硫黄を用いるよりも架橋密度を高め、ゴム層に電解液が浸透する速度を抑えると共に、機械的強度をも高くすることができて好ましい。
そして、構成材は、上記基布にゴム層を被覆した基材の状態、同基材を裁断したシート片の状態、同シート片同士を複数接合したシート材の状態が挙げられる。基材を裁断せずにそのままシート片としてもよい。このような構成材において、少なくとも一つの状態にある際に、機械的プレスを施すとよい。
即ち、具体的な手法1として、基材を作製した後、基材の全面に機械的プレス(脱気プレス)を施し、プレスされた基材からシート片を複数作製して、シート片の一部同士を重ね合わせ、この重複部分にプレスを施すことでシート片同士を接合する方法が挙げられる。このとき、基材は、ゴム層となる未加硫のゴムシートをカレンダー加工などで上記基布に重ね合わせ、加硫缶内で蒸気又は熱風により加熱することで加硫した後、脱気プレスを行ってもよいが、ゴム層の加硫と同時に押圧(脱気プレス)を行うと、作業性がよく好ましい。後者の場合、脱気プレスは、例えば、加熱と同時に押圧が可能なロートキュア機などを用いることが挙げられる。
別の手法2として、基材から複数のシート片を作製し、得られた各シート片の全面に機械的プレス(脱気プレス)を施し、プレスされたシート片の一部同士を重ね合わせ、この重複部分にプレスを施すことでシート片同士を接合する方法が挙げられる。このとき、上記と同様に基材を加硫缶などで加硫してから、シート片を作製し、各シート片に脱気プレスを行ってもよいし、未加硫の基材からシート片を作製し、各シート片に加硫と脱気プレスとを同時に行ってもよい。後者の場合、脱気プレスは、上記のようにロートキュア機などの加熱と押圧とを同時に行うことが可能な装置などを用いるとよい。
別の手法3として、基材から複数のシート片を作製し、シート片同士の接合と、シート片の全面に対する脱気プレスとを同時に行う方法が挙げられる。即ち、基材から得られたシート片の一部同士を重ね合わせた状態で、シート片の全面に機械的プレス(脱気プレス)を施す方法である。このとき、上記と同様に基材を加硫缶などで加硫してから、シート片を作製し、接合及び脱気プレスを行ってもよいし、未加硫のシート片を作製し、加硫と、接合及び脱気プレスとを同時に行ってもよい。後者の場合、接合及び脱気プレスは、上記のようにロートキュア機などの加熱と押圧とを同時に行うことが可能な装置などを用いるとよい。
別の手法4として、基材から複数のシート片を作製し、得られた各シート片の一部同士を重ね合わせ、この重複部分に機械的プレスを施すことでシート片同士を接合した後、上記接合プレスが施されていない部分に機械的プレス(脱気プレス)を施す方法が挙げられる。このとき、上記と同様に加硫缶などで加硫した基材から作製したシート片を用いたり、未加硫の基材から作製したシート片に加硫缶などで加硫してもよい。
本発明では、上記シート片を複数用意し、所定の形状となるようにシート片の一部(接合部)同士を重ね合わせて機械的プレス(接合プレス)して継ぎ合わせてシート材とし、このシート材により電解液タンクを形成する。この接合は、接合し合う各シート片の接合部間に未加硫のゴムを介在させ、この未加硫のゴムを加硫又は架橋させることで行うことが好ましい。ゴムの加硫又は架橋による接合を行うことで、接合部の接続性を高くすることができ、接合部からの電解液の漏洩を防止することができる。従って、接合プレスは、上記未加硫のゴムを加硫又は架橋できるように、圧力を加えると共に加熱して行うことが好ましい。圧力や温度は、接合及びゴムの加硫、架橋が可能な大きさを適宜選択するとよい。例えば、面圧として0.18MPa以上0.25MPa以下、温度として140℃以上160℃以下が挙げられる。
本発明の特徴とするところは、上記接合プレスに加えて、シート片において接合プレスが施されない部分、より具体的には、接合部やその近傍以外、即ち、シート片同士が重ね合わされない部分に機械的プレスを行う点にある。本発明は、シート片において接合プレスが施されない部分にも機械的プレスを施すことで、シート材の全面に亘ってゴム層中に存在するボイドを押し出し、ボイドに起因する絶縁抵抗の低下を効果的に抑制するものである。この脱気プレスを行うことで、電解液タンクを形成するシート材の全面に亘ってプレス加工が施されるため、シート材のゴム層中に存在するボイドを低減、或いは全くなくすことができる。
脱気プレスは、ボイドを形成するガスをゴム層から押し出すことができる程度に行えばよい。従って、加圧のみとしてもよいが、加熱しながら行うと、ボイドを形成するガスをより逃がし易く好ましい。具体的には、面圧0.18MPa以上0.25MPa以下で、140℃以上160℃以下に加熱して行うことが好ましい。面圧が0.18MPa未満、又は温度が140℃未満であると、圧力が小さいこと、又は温度が低いことで、ゴム層からガスを十分に追い出しにくい。一方、0.25MPa超、又は160℃超であると、基材の材質が劣化する恐れがある。
本発明製造方法により得られたレドックスフロー電池用電解液タンクは、タンクを構成するシート材のあらゆる部位において、ゴム層にボイドが少なく、或いは全くなく緻密化されているため、長期に亘り電解液を貯留していても、電解液が浸透しにくく、従来のタンクよりも絶縁抵抗の低下を抑制することができる。即ち、上記本発明製造方法により得られた電解液タンクは、タンク全域に亘って絶縁抵抗の低下量が小さい状態、或いは低下がほとんどない状態に維持することができる。具体的には、本発明レドックスフロー電池用電解液タンクは、上記のような有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなるシート片を複数接合させたシート材から形成され、これらシート材においてシート片同士を接合させた接合部の絶縁破壊強度と非接合部の絶縁破壊強度との差が3kV/mm以下であることを特徴とする。
上記構成を具える本発明製造方法は、ゴム層を有するシート材の前面、即ち、シート片同士を接合するためのプレス加工だけでなく、接合のためのプレス加工が施されない部分にもプレス加工を施すことで、ゴム層の形成材料の混錬時に混入したガスやゴム層の加硫時に発生したガスなどにより生じたボイドをゴム層中から押し出し、ゴム層中のボイドを効果的に低減或いは全くなくすことができるという優れた効果を奏し得る。そのため、本発明製造方法は、シート材のゴム層が緻密化されて電解液が浸透しにくい、即ち、絶縁抵抗の低下を防止することができる電解液タンクを提供することができる。
従って、本発明製造方法により得られた電解液タンクは、ゴム層への電解液の浸透が抑制され、絶縁抵抗が低下しにくいため長寿命である。また、本発明タンクは、ゴム層を具えるシート材からなることで、可撓性に富むため、運搬や設置作業が行い易いだけでなく、収納スペースに適した形状に形成し易く、シート片同士の接合部から電解液が漏れることがないという効果も奏する。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
有機繊維からなる基布にゴム層を被覆したものを積層してなるシート片を複数接合したシート材を作製し、シート材の接合部及び非接合部の絶縁破壊強度(kV/mm)を調べてみた。試験に用いたシート材は、以下のように作製した。
まず、シート片を得るために、基材を作製した。基材は、ポリエステル繊維を目開き状態で平織りした基布の両面に、EPDMゴムシートをカレンダー加工により被覆したシートを5層積層した後、蒸気加硫釜にてゴム層の蒸気加硫を行って作製した(厚さ3mm)。この基材を所定の寸法に裁断してシート片を得た。
上記各シート片の接合部間に、未加硫ゴムからなるゴムテープを配置し、この部分を加圧すると共に加熱して、ゴムテープを加硫すると共にシート片同士を接合する(接合プレス工程)。本例において接合プレスは、面圧0.25MPa、150℃×120分で行った。このようにして接合部に接合プレスを施したシート材Iが得られる。このシート材Iをサンプル1とする。
上記接合プレス工程により得られたシート材Iにおいて、接合プレスを施した接合部以外の部分、即ち、シート片において、他のシート片と重ね合わされない部分(非接合部)に機械的プレス(脱気プレス)を行う。この脱気プレスにより、非接合部のゴム層に含有されるボイドを形成するガスを追い出す。本例において脱気プレスは、面圧0.20MPa、150℃×90分で行った。この工程により得られたシート材IIをサンプル2とする。
また、上記と同様にして作製したシート片において、上記と同様に各シート片の接合部間にゴムテープを配置し、この接合部に加えて、非接合部も加圧すると共に加熱する。この工程により、ゴムテープを加硫してシート片同士を接合すると同時に、シート片の全面に亘って機械的プレス(接合及脱気プレス)を行ってシート材IIIを作製した。本例において接合及び脱気プレスは、面圧0.25MPa、150℃×120分で行った。この工程により得られたシート材IIIをサンプル3とする。
上記サンプル1〜3について、DC耐電圧試験を行い、絶縁破壊強度、及び低下量を調べてみた。耐電圧試験は、加電圧側の銅板と、受け側銅板との間に各サンプルを挟み込んだ状態で、1kV/秒で0Vから100kVに電圧を加えていくことで行った。また、各測定部位において複数箇所の耐電圧をそれぞれ測定し、その平均を求めると共に、接合部の絶縁破壊強度と非接合部の絶縁破壊強度との差(表1において絶縁破壊強度差)を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2005322448
本例においてサンプルNo.2は、接合プレスの際、接合部だけでなく接合部の近傍においてもプレスされるように作製したため、脱気プレスは、接合プレスが施された接合部及びその近傍を除く部分に行った。
表1サンプルNo.1から、脱気プレスを施さない場合、非接合部では、絶縁抵抗が低いことがわかる。これに対し、構成材の全面に脱気プレスを施したサンプルNo.2及び3では、いずれも接合部の絶縁破壊強度と非接合部の絶縁破壊強度との差が小さい、具体的には、同差が3kV/mm以下であり、非接合部であっても、絶縁抵抗の低下が少ないことがわかる。
上記試験の結果から、本発明は、電解液の長期の貯留によっても、絶縁抵抗の低下が少ない、或いは全くないレドックスフロー電池用電解液タンクを提供できるものであることが確認された。また、本発明は、ゴム層のボイドを無くし又は減少させ、ゴム層を緻密化することでタンクを構成するシート材中に電解液が浸透することを抑制し、絶縁耐久性を向上することができるため、タンクの寿命を従来よりも非常に長く、例えば、10倍程度にできるものと推定される。
なお、上記シート片を用いてレドックスフロー電池用電解液タンクを作製するには、例えば、以下のように行うとよい。例えば、上記と同様にして基材を作製し、この基材を所定の寸法に裁断して複数のシートを得る。本例では、矩形状のシート片10を5枚用意し、そのうち、2枚のシート片10(図1(A)においては上端及び下端に位置するシート片)はそれぞれ、対向する二つの角部を切り落とし、糊代部11を設けた。また、各シート片10の長手方向において対向する二つの側縁(糊代部11を具えるシート片では糊代部11を具える側縁と対向する側縁のみ)は、それぞれ別のシート片10と重なり合わせて接合される接合部12となる。
次に、各シート片10の接合部12間に、未加硫ゴムからなるゴムテープ13を配置し、この部分(接合部12)と、非接合部14とを加圧すると共に加熱して、ゴムテープ13を加硫すると共にシート片10同士を接合すると同時に脱気プレスを行う。このような接合及び脱気プレスを繰り返し行い、図1に示すシート材Sを得る。
得られたシート材Sに、電解液を流通させる導管(図3参照)を連結するための接続部(図示せず)を適宜取り付け、図1においてシート材Sの左右の縁部を中央部に向かって折り曲げ、これら縁部を重ね合わせる。そして、重ね合わせた縁部間に上記と同様の未加硫のゴムシートを挟み、重ね合せ部分を接合し、円筒状にする。次に、円筒状の両端にある開口部を塞ぐように両端の糊代部11を折り曲げ、開口部と糊代部11間に上記と同様の未加硫のゴムシートを挟んで糊代部11を接合し、図2(A)に示すような袋状にする。得られた袋状のシート材S2を折り曲げ、図2(B)に示すような直方体状のタンクTを得る。
本発明製造方法は、長期の使用に亘り、絶縁抵抗の低下が少ないレドックスフロー電池用電解液タンクを製造するのに利用される。また、本発明タンクは、レドックスフロー電池の電解液の貯留に利用される。
(A)は、本発明電解液タンクを形成するシート材の展開図、(B)は、シート片同士を接合する接合部近傍の部分断面図である。 本発明電解液タンクの作製手順の説明図であり、(A)は、タンクを構成するシート材を袋状にした状態を示し、(B)は、袋状にしたシート材を折り曲げて直方体状にした状態を示す。 レドックスフロー電池の動作原理の説明図である。
符号の説明
1、2 シート材 3 電解液タンク
10 基材片 11 糊代部 12 接合部 13 未加硫のゴムシート
14 非接合部
100 セル 100A 正極セル 100B 負極セル 101 正極用タンク
102 負極用タンク 103 隔膜 104 正極電極
105 負極電極 106、107 導管 108 ポンプ 109、110 導管

Claims (9)

  1. 有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなるシート片を複数接合させたシート材から形成され、
    前記シート材においてシート片同士を接合させた接合部の絶縁破壊強度と非接合部の絶縁破壊強度との差が3kV/mm以下であることを特徴とするレドックスフロー電池用電解液タンク。
  2. 有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなる構成材の全面に機械的プレスを行う工程を具えることを特徴とするレドックスフロー電池用電解液タンクの製造方法。
  3. 有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなる基材を用意する工程と、
    前記基材の全面に機械的プレスを行う脱気プレス工程と、
    前記プレスされた基材から複数のシート片を用意し、シート片の一部同士を重ね合わせて機械的プレスし、シート片同士を接合する接合プレス工程とを具えることを特徴とする請求項2に記載のレドックスフロー電池用電解液タンクの製造方法。
  4. 有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなる基材から複数のシート片を用意する工程と、
    前記シート片の全面に機械的プレスを行う脱気プレス工程と、
    前記脱気プレスされたシート片の一部同士を重ね合わせて機械的プレスし、シート片同士を接合する接合プレス工程とを具えることを特徴とする請求項2に記載のレドックスフロー電池用電解液タンクの製造方法。
  5. 有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなる基材から複数のシート片を用意する工程と、
    前記シート片の一部同士を重ね合わせた状態でシート片の全面に機械的プレスを行う接合及び脱気プレス工程とを具えることを特徴とする請求項2に記載のレドックスフロー電池用電解液タンクの製造方法。
  6. 有機繊維からなる基布にゴム層を被覆してなる基材から複数のシート片を用意する工程と、
    前記シート片の一部同士を重ね合わせて機械的プレスし、シート片同士を接合する接合プレス工程と、
    前記シート片において、前記接合プレスが施されていない部分を機械的プレスする脱気プレス工程とを具えることを特徴とする請求項2に記載のレドックスフロー電池用電解液タンクの製造方法。
  7. 脱気プレスは、構成材全面の押圧と同時に、ゴム層の加硫を行うことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のレドックスフロー電池用電解液タンクの製造方法。
  8. 脱気プレスは、面圧0.18MPa以上0.25MPa以下、140℃以上160℃以下で行うことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載のレドックスフロー電池用電解液タンクの製造方法。
  9. 請求項2〜8のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするレドックスフロー電池用電解液タンク。
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