JP2005321671A - 指向性拡散シート、それを用いた照明装置および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 異方性を有する指向性拡散シートを実現し、指向性拡散シートと導光板を用いて照明装置の輝度を均一で視角特性に優れたものにすること。
【解決手段】 光入射面側に光源が配置された導光板と、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列された指向性散乱シートを備える照明装置であって、柱状レンズの面内断面形状は長手を持った方向性を有しており、柱状レンズは面内で方向性が略揃うように配列され、柱状レンズの配向方向は指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として光源が配置されている側に傾斜している。そして、導光板の光入射面とは反対側の対向面は所定の角度のテーパを有している。
【選択図】 図1
【解決手段】 光入射面側に光源が配置された導光板と、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列された指向性散乱シートを備える照明装置であって、柱状レンズの面内断面形状は長手を持った方向性を有しており、柱状レンズは面内で方向性が略揃うように配列され、柱状レンズの配向方向は指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として光源が配置されている側に傾斜している。そして、導光板の光入射面とは反対側の対向面は所定の角度のテーパを有している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、時計、携帯電話、オーディオ、電子機器等に使用される液晶表示装置に用いられる照明装置、および表示装置に用いられる指向性拡散シートに関する。
近年、携帯機器、特に、携帯電話で用いる表示素子には小型軽量が要求されるため、液晶表示素子が多く用いられている。しかし、液晶表示素子は受光型のため、暗い場所での視認性に問題がある。そこで、液晶表示素子の前面または背面に照明装置を設置することが多い。薄型軽量を実現するためLEDを導光板の側面に配置したサイドライト型の照明装置が多用されている。
また、このような液晶表示装置に、周囲の領域に比べて屈折率の高い柱状中央領域を含んだ柱状構造が面内に複数本配列され、厚さ方向に光を導く機能を有する柱状レンズシートである導光体シートを用いることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−35576号公報(第3−5頁、第7図)
しかしながら、従来の柱状レンズシートにおいては、柱状レンズシートを構成する柱状レンズがシート面に対して等方的に配向しているために、方向の異なる照明成分を独立して効率良く散乱させることができないという課題を有していた。従って、従来の柱状レンズシートを用いた照明装置を用いた液晶表示装置においては、異なる二方向の視覚特性を独立に最適化することは困難であるという課題を有していた。
本発明の指向性拡散シートは、指向性拡散層として微細な柱状構造が面内に複数本配列され、柱状構造を取り巻く周縁領域の屈折率は柱状構造に比べて屈折率が高く形成され、厚さ方向に光を導く機能を有している。このような指向性拡散シートを用いることによって異なる2方向の照明光の制御を可能とし、上記課題を解決した。
さらに、指向性拡散シートを導光板の光照射面との対向面に接合した照明装置とすると共に、その柱状構造の配向方向を指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として光源が配置されている側に傾斜した構造の照明装置とした。さらに、導光板の光照射面側に柱状構造の配向方向を指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として光源が配置されている側と逆側に傾斜してなる構造の第二指向性拡散シートを接合した。
このような構造とすることによって、異なる2方向の照明光を制御した、良好な輝度と視角特性を持った照明装置を簡便に作製することが可能となり上記課題を解決することができた。
すなわち、本発明の指向性拡散シートは周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有するとともに、柱状レンズの面内断面形状は長手方向を持った方向性を有しており、柱状レンズは面内で方向性が略揃うように配列されている。ここで、柱状レンズの面内断面形状を六角形とした。さらに、指向性拡散シートの外周が、所定の幅を有する低屈折率領域で取り囲まれている。さらに、指向性拡散シートを構成する柱状構造の配列は、非周期的配列である。
また、本発明の照明装置は、透明材料で形成された導光板と、導光板の側端面に配置された光源と、前述のいずれかの構成の第一指向性拡散シートが導光板の光照射面との対向面上に接合されており、第一指向性拡散シートの外側に反射板が配置されている。そして導光板の光入射面とは反対側の対向面は所定角のテーパを有しており、第一指向性拡散シートを構成する柱状レンズの配向方向は、第一指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として光源が配置されている側に傾斜している。あるいは、光照射面を有する導光板と、導光板の入光面側に配置された光源と、導光板の背後側に設けられ、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有する指向性散乱シートと、指向性拡散シートの外側に設けられた反射板を備えるとともに、導光板の入光面とは反対側の対向面は所定の角度のテーパを有しており、柱状レンズの面内断面形状は長手方向に方向性を有する六角形であり、柱状レンズは面内で方向性が略揃うように配列され、周囲の領域の外周には、周囲の領域よりも屈折率の低い低屈折率領域が所定の幅で設けられており、柱状レンズの配向方向は指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として光源が配置されている側に傾斜している。
ここで、柱状レンズの傾斜角を約30〜60度とした。また、導光板の光入射面との対向面のテーパの角度を約3〜10度とした。
さらに、導光板の光照射面に第二指向性拡散シートが接合されており、第二指向性拡散シートを構成する柱状レンズの配向方向は、第二指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として光源が配置されている側とは逆側に傾斜している。そして、柱状レンズの傾斜角は第一指向性拡散シートを構成する柱状レンズの傾斜角よりも小さい。ここで、第二指向性拡散シートの柱状レンズの傾斜角を約0〜30度とした。また、第一指向性拡散シートおよび第二指向性拡散シートの導光板照射面側の表面上に、導光板の屈折率よりも大きく、第二指向性拡散シートの柱状レンズの外周領域の屈折率と略等しい屈折率を有する高屈折率層を設けた。さらに、この高屈折率層として、高屈折率接合剤を用いた。
また、指向性拡散シートを構成する柱状レンズの面内断面形状の長手方向が導光板の入射面に対して略垂直になるように配列されている。そして、第一指向性拡散シートを構成する柱状レンズの充填密度が、光源から離間するに従って大きくなっている。あるいは、第一指向性拡散シートを構成する柱状レンズにおける面内断面形状の長手方向の長さが、光源から離間するに従って短くなっている。さらに、導光板の光入射面と光照射面に略垂直な二つの側面には、光拡散構造が形成されている。
本発明によれば、良好な輝度と視角特性を有する薄型軽量の照明装置を提供できるために、これを用いた液晶表示装置の表示品質が向上するのみならず、液晶表示装置の薄型軽量化をも実現できるという効果を有する。
本発明の指向性拡散シートは、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有しており、柱状レンズの面内断面形状は長手方向に方向性があり、柱状レンズは面内で方向性が揃うように配列されている。ここで、柱状レンズの面内断面形状を六角形とした。さらに、指向性拡散シートの外周が、所定の幅を有する低屈折率領域で取り囲まれている構成とした。また、指向性拡散シートを構成する柱状構造の配列を非周期的な配列とした。
すなわち、本発明の指向性拡散シートは、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有するとともに、柱状レンズの面内断面形状は長手方向に方向性を有する六角形であり、柱状レンズは面内で方向性が略揃うように配列され、周囲の領域の外周には、周囲の領域よりも屈折率の低い低屈折率領域が所定の幅で設けられている。
本発明の照明装置は、光照射面を有する導光板と、導光板の光入光面側に配置された光源と、導光板の背後側に設けられ、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有する指向性散乱シートと、指向性拡散シートの外側に設けられた反射板を備えている。そして、導光板の光入射面とは反対側の対向面は所定の角度のテーパを有しており、柱状レンズの面内断面形状は長手を持った方向性を有しており、柱状レンズは面内で方向性が略揃うように配列され、柱状レンズの配向方向は指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として光源が配置されている側に傾斜している。ここで、柱状レンズの傾斜角を約30〜60度とした。また、テーパの角度を約3〜10度とした。
さらに、光照射面側には第二指向性拡散シートが設けられ、第二指向性拡散シートを構成する柱状レンズの配向方向は、第二指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として光源が配置されている側とは逆側に傾斜しており、柱状レンズの傾斜角は指向性拡散シートを構成する柱状レンズの傾斜角よりも小さいこととした。ここで、第二指向性拡散シートを構成する柱状レンズの傾斜角を約0〜30度とした。また、指向性拡散シートおよび第二指向性拡散シートの導光板照射面側の表面上に、導光板の屈折率よりも大きく、第二指向性拡散シートを構成する柱状レンズの外周領域の屈折率と略等しい屈折率を有する高屈折率層を有する構成とした。ここで、高屈折率層として高屈折率接合剤を用いた。
あるいは、指向性拡散シートを構成する柱状レンズの面内断面形状の長手方向が、導光板の入射面に対して略垂直になるように配列されている。さらに、指向性拡散シートを構成する柱状レンズの充填密度が、光源から離れるに従って大きくなっている。あるいは、指向性拡散シートを構成する柱状レンズの面内断面形状の長手方向の長さが、光源から離れるに従って短くなっている。
また、導光板における光入射面と光照射面に略垂直な二つの側面に、光拡散構造が設けられている。
また、本発明の表示装置は、前述したいずれかの構成の照明装置と、照明装置の光照射面側に設けられた非自発光型の表示素子とを備える構成とした。
以下に本発明の指向性拡散シートとそれを用いた照明装置に関して図面を参照しながら説明する。図1に本発明の指向性拡散シートの平面図を模式的に示す。本実施例の指向性拡散シートは、透明なシートの面内に微細な柱状構造1が配列している。この柱状構造1の面内断面形状は図1に示されているように、長手方向を持った方向性を有している。その形状は、図1においては長六角形形状をしている。この形状は長六角形形状以外にも、長円形や長方形あるいはその他の一方向に長くなった形状を用いることができる。長六角形形状は面内で最密充填しやすい上に周縁領域2の幅を所定の値に制御しやすくまた形成時のマスク製造が容易であるという特徴を持っている。
柱状構造1を取り巻く周縁領域2は、柱状構造1の領域に比べて屈折率が高く形成されて、周縁領域2に沿って厚さ方向に光を導く機能を有している。この周縁領域2は層状レンズとしての機能を有している。すなわち、屈折率が周縁領域2の中心に向かう程連続的に大きくなっているグレイディッドインデックス型層状レンズ、または周縁領域2の屈折率が柱状構造1の屈折率よりも高い2層構造になっているステップインデックス型層状レンズが平面状に網の目状に分布しているフィルム構造になっている。
グレイディッドインデックス型層状レンズの場合においても、ステップインデックス型層状レンズの場合においても、それらを構成する柱状構造の面内での傾斜方向を柱状構造の配向方向と呼ぶことにする。
この指向性拡散シートは、例えば、屈折率の異なる2種類以上の光重合性化合物からなる液状反応層に、グラデーション加工を施したフォトマスクを介して紫外線を照射することによって、光照射強度による光重合性化合物の光重合速度の違いによって屈折率の分布状態を制御することによって製造できる。
本実施例の指向性拡散シートには、柱状構造における面内断面形状の短径方向の長さが1μm〜100μm、長径方向の長さが30μm〜1000μm、層状レンズ高さ(指向性拡散シート層厚)が10μm〜200μm、層状レンズの断面方向のレンズ幅が1〜1000μmの指向性拡散シートを用いることができる。しかしながら、製造歩留まりや光利用効率あるいはハンドリングのし易さなどを考慮すると、柱状構造の短径方向の長さは5μm〜100μm、長径方向の長さは50〜500μm、層状レンズ高さは20μm〜80μm、層状レンズの幅は10〜500μmとするのが好ましい。また、層状レンズの屈折率差は0.01〜0.05のものを用いることができる。さらに柱状構造の傾斜角は10〜70度のものが利用できるが、10〜45度のものを用いた方が、より見やすい角度で明るい画像が得られるために好ましい。
図2は、本発明による指向性拡散シートの別の実施例を示す平面図である。図2の構成が図1の構成と異なっている点は、指向性拡散シートの外周が低屈折率領域3で取り囲まれていることである。この低屈折率領域3の屈折率は柱状構造1の屈折率と同じになっている。この低屈折率領域3は、幅30〜500μmを持っている。この低屈折率領域3を形成することによって、本発明の指向性拡散シートを後述する照明装置に適用したときに、外周部から抜ける光量を低減させることができる。
図3に本発明の照明装置の断面構成を模式的に示す。導光板6の下面には接合層7を介して本発明の指向性拡散シート5が接合されている。また、指向性拡散シート5の外側には反射板8が配置されている。
LED光源4から出射した光は、導光板6の内部を導波し、導光板6の光照射面である上面側から図示されていない被照明体に面状一様に照射される。被照明体として、液晶表示素子を用いることによって、輝度が均一で明るい薄型の液晶表示装置とすることができる。導光板6は、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂あるいはシクロオレフィン系樹脂などの透明な高分子で作られている。図3では1つしか描画されていないが、LED光源4は3から5個といった複数用いられるのが通常である。また、図示していないが、LED光源4に向かい合っている導光板6の側面(光入射面)には、微小プリズムが形成されている。微小プリズムは、LED光源4から出射した光が導光板6内部で広がる角度を制御するために設けられている。この微小プリズムは図1紙面上の上下方向の稜線を持っており、広がり角は微小プリズムの頂角および高さによって制御することができる。
さらに、導光板6の光入射面と反対側の端面はテーパ面である。このテーパの角度は、約3〜10度の範囲となっている。また、テーパの向きは図3に示されている方向と同方向でも良いし、逆側でも構わない。また、図3ではテーパ面が平面の場合を示したが、テーパ面は曲面でも良いし、くの字形や逆くの字形に折れ曲がった平面でも良い。また、光入射面と光照射面に略垂直な導光板の2つの側面には光拡散構造が形成されている。この光拡散構造として、例えば、シボ構造などの微細な散乱構造体を用いることができる。
指向性拡散シート5は接合層7によって導光板6と接合されている。接合層7として、エポキシ系接着剤やアクリル系接着剤のような通常の光学接着剤層を用いても良いが、通常のフィルム粘着剤を用いるのが簡便である。この接合層として高屈折率接合層9を用いた構成を図5に示す。高屈折率接合層9を用いることによって、導光板6から効率良く光を指向性拡散シート5に伝えることが可能となり、その結果、照明装置の輝度を向上させることができる。通常の粘着剤では空気などの混合によって屈折率が低下するために、高屈折率接合層9は接着剤または粘着剤に高屈折率高分子材料または高屈折率酸化物超微粒子を混合して得る。ここで用いた指向性拡散シート5は、柱状構造の配向方向が指向性拡散シート5の面に立てた垂線の方向を基準としてLED光源4の配置されている側に傾斜して形成されている。指向性拡散シート5の面に立てた垂線の方向に対して配向方向がなす角度を傾斜角と呼ぶことにすると、その傾斜角は約30〜60度の範囲内にある。
図4に本発明の照明装置に関する他の断面構成を模式的に示す。図4に示した構成が図1で示した構成と異なる点は、導光板6の光照射面上に第二指向性拡散シート5bが接合層7bによって接合されている点である。図面では明確ではないが、第二指向性拡散シート5bを構成する柱状構造は、第二指向性拡散シート5bの面に立てた垂線を基準としてLED光源が配置されている側と逆側に傾斜して配向している。その傾斜角は、第一指向性拡散シート5aの傾斜角よりも小さく、約0〜30度となっている。
図6に、第一指向性拡散シート5aと第二指向性拡散シート5bとを、高屈折率接合層9aと9bを用いて導光板6に接合した構成を示す。このような構成によって、光利用効率を向上させることができる。この高屈折率接合層9aと9bのどちらか一方に通常の接合層を用いたとしても、両方とも通常の接合層を用いるよりも光利用効率は向上する。
図7に本発明の照明装置に関する他の構成の断面を模式的に示す。第一指向性拡散シート5aと第二指向性拡散シート5bの導光板側の表面にはそれぞれ高屈折率層19a、19bが形成されている。これらの高屈折率層と導光板6との間には通常の接合層7a、7bが設けられている。この高屈折率層19aおよび19bの屈折率は導光板6の屈折率よりも大きな値となっており、指向性拡散シートを構成している層状レンズの高屈折領域の屈折率と同程度またはそれよりも小さい値を持っている。高屈折率層19aおよび19bの層厚は1〜5μm程度である。高屈折率層19aや19bの形成方法としては、CeO2やMgOとSiO2の材料混合物を真空蒸着で成膜しても良いし、シリカゾルとチタニアゾルの混合ゾルなどの屈折率を調整された混合ゾルを塗布焼成して形成しても良い。
次に指向性拡散シートの中を光が伝播する様子について説明する。図11に、ステップインデックス型指向性拡散シートを用いた場合の光の挙動を模式的に示す。ここでは、簡単のため、図5と6に示したのと同様に高屈折率接合層9を用いた場合を説明する。図中に導光板6の内部から指向性拡散シートに入射する光の光路の1つを矢印18で示す。導光板6の中を導波している光は様々な入射角を持って高屈折率接合層9に入射するが、入射光の多くは導光板の臨界角よりも大きな入射角を持って入射する。高屈折率接合層9は導光板6に比べて大きな屈折率を持っているために、高屈折率接合層9への屈折角はスネルの法則に従って入射角よりも小さくなる。ステップインデックス型層状レンズは、高屈折率領域である周縁領域2と低屈折率領域である柱状構造1とが明確な境界を持って形成されている。ここで、周縁領域2の屈折率は高屈折率接合層9の屈折率と等しいかまたは大きい。従って、高屈折率接合層9から周縁領域2に入射した光はそのまま直進するかさらに導光板照射面の法線側に向かって屈折する。周縁領域2に入射した光は柱状構造1との境界面に入射するが、境界面への入射角は大きな値となっているために光は全反射される。この光は周縁領域2と柱状構造1との境界面で繰り返し全反射して上方に導波していき、指向性拡散シートの上面から出射される。指向性拡散シートの上面への入射角は、周縁領域2の境界面で光が反射されることによって臨界角よりも小さな値となっているために外部に出射される。このとき、指向性拡散シートのシート厚と周縁領域2への光の入射角と入射位置によって指向性拡散シートからの光の出射方向が定まる。そして、指向性拡散シートのシート厚が厚くなればなるほど光は散乱方位の偏りが大きくなるように出射する。また、周縁領域2と柱状構造1の屈折率差が大きいほど散乱角度範囲は広くなる。さらに、指向性拡散シートのシート厚が厚くなればなるほど、また周縁領域2の幅が狭くなればなるほど、さらにシート面内での柱状構造1の個数密度が大きくなればなるほどヘイズ値は大きくなる。
次に、導光板6の内部から周縁領域2にさらに大きな入射角で入射してきた光が入射する場合を図12に示す。この場合、図中の光路34で示されているように、周縁領域2と柱状構造1との境界面に入射する光の入射角は、図11の場合に比べて小さくなる。その結果、光は境界面を透過して柱状構造1に進入し指向性拡散シートの表面で全反射して再び導光板6に戻ってくる。このように、周縁領域2に入射する光の角度によって、指向性拡散シートの表面から光が散乱照射されるか、全反射して再び導光板に戻ってくるかが決まる。一般に、ある角度範囲で指向性拡散シートに入射した光は周縁領域2内を導波して表面から散乱出射され、その角度範囲以外の角度で入射した光は周縁領域2内をほぼ直線透過して散乱を受けない。ここで、この散乱出射される光の入射角を散乱入射角、直線的に透過する光の入射角を直線透過角と呼ぶことにする。
本発明の指向性拡散シートを構成する柱状構造の面内断面形状には長手方向に方向性がある。そして、柱状構造は指向性拡散シートの面内に分散して配置されているが、その周縁領域2は連続した構造になっている。従って、入射光の内、周縁領域2の長手方向の光成分は直線的に透過し、短手方向の光成分は散乱を受けて偏向される。従って、導光板内部で光が繰り返し反射されて伝播するに従って光入射面に垂直な成分が多くなる。その結果、照明装置内で一様な照明が可能となる。
次に、グレイディッドインデックス型の指向性拡散シートの中を光が伝播する様子を説明する。グレイディッドインデックス型の指向性拡散シートは、低屈折率領域である柱状構造1と、領域幅の中心付近の屈折率が最大になるような分布を持った周縁領域2で構成されているが、ステップインデックス型指向性拡散シートのように柱状構造1と周縁領域2との間には明確な境界面を持っていない。グレイディッドインデックス型指向性拡散シートを構成する周縁領域の内部に入射した光はより屈折率の高い方へと光路を曲げる。従って、この周縁領域の中での光路は滑らかな曲線を示す。しかし、この場合においても、ステップインデックス型指向性拡散シートの場合と同様に、散乱入射角と直線透過角が存在する。すなわち、散乱入射角で入射した光は周縁領域内を導波して指向性拡散シートの表面から散乱出射されるが、直線透過角で入射した光はほぼ直進し指向性拡散シートの表面で全反射され再び導光板6の方に戻る。このときもステップインデックス型指向性拡散シートの場合と同様に、指向性拡散シートの層厚と周縁領域への光の入射角と入射位置によって指向性拡散シートからの光の出射方向が定まる。そして、指向性拡散シートの層厚が厚いほど散乱方位の偏りが大きくなるように出射する。また、柱状構造と周縁領域によって形成される屈折率の変化量が大きいほど散乱角は大きくなる。さらに、指向性拡散シートの層厚が厚くなるほど、また周縁領域の幅が狭くなるほど、さらにシート面内での柱状構造の個数密度が大きくなるほどヘイズ値は大きくなる。そして、柱状構造の面内断面形状における長手方向の方向性が大きくなるほど、散乱特性の異方性は大きくなる。
また、ステップインデックス型指向性拡散シートやグレイディッドインデックス型指向性拡散シートに関わらず、柱状構造と周縁領域との屈折率差あるいは屈折率変化量を調節することによって、散乱入射角は45度程度以下の任意の角度とすることができる。ここで、導光板6の内部を伝播する光の多くは、高屈折率接合層9への入射角が約43度以上の傾斜した角度になっている。なぜならこのような角度の光が内部で効率良く全反射して伝播するためである。また、この導光板内の導波光入射角はLED光源側に傾斜した角度を持った成分が多くなる。一方、指向性拡散シートは散乱入射角で入射した特定の光のみに対して散乱作用をし、それ以外の入射角度で入射した光に対しては通常の透明シートに対するのと同様に直線的に透過する。
本発明の照明装置では、第一指向性拡散シートの柱状構造をLED光源側に傾斜させて構成し、第二柱指向性拡散シートの柱状構造をLED光源側と逆側に傾斜させて構成することによって、導光板内で伝播する光を効率良く指向性拡散シートで散乱させるようにしている。具体的には、第一指向性拡散シートの出射面に立てた法線に対して、柱状構造の配向角をLED光源側に約30〜60度傾斜させて構成している。第二指向性拡散シートの出射面に立てた法線に対して、柱状構造の配向角をLED光源とは反対側に約0〜30度傾斜させて構成している。
第一指向性拡散シートにLED光源側から入射する光は、図12で示した光路34と同様の光路となる。従って、第一指向性拡散シートにLED光源側から入射した光は、第一指向性拡散シートの表面で反射され、第一指向性拡散シートから導光板側に出射する。このとき、柱状構造の傾斜角は30〜60度であり、散乱入射角は10〜45度とすることができるために、適切な傾斜角と散乱入射角の第一指向性拡散シートを用いることによって、裏面からの反射光を0〜100%の割合で導光板側に散乱出射させることができる。この散乱光が導光板の照射面に入射する光の入射角は、−15〜45度であるために、ほとんどの光をスネルの法則に従って導光板の照射面から出射させることができる。
また、第二指向性拡散シートにLED光源側から入射する光は図11で示した光路18と同様である。このとき、LED光源から導光板内を伝播して直接入射した光の入射角は約43度以上であり、一方、第二指向性拡散シートを構成する柱状構造の傾斜角は0〜30度である。そのため、第二指向性拡散シートの傾斜角を30度、散乱入射角を45度と大きく設定しても、約30%程度の光は表面で全反射して導光板側に戻る。一方、上記のように、第一指向性拡散シートの裏面で反射されて散乱出射された光は、第二指向性拡散シートに入射角約−15〜45度の範囲内で入射することになる。従って、第一指向性拡散シートと第二指向性拡散シートの傾斜角と散乱入射角を適切に選択すれば、この散乱光はほぼ100%第一指向性拡散シートから散乱出射させることができる。
本発明の照明装置においては、指向性拡散シートとして、柱状構造における面内断面形状の短径方向の長さが1μm〜100μm、長径方向の長さが30μm〜1000μm、層状レンズ高さ(指向性拡散シート層厚)が10μm〜200μm、層状レンズの断面方向のレンズ幅が1〜1000μmの指向性拡散シートを用いることができる。しかしながら、製造歩留まりや光利用効率あるいはハンドリングのし易さなどを考慮すると、柱状構造の短径方向の長さは5μm〜100μm、長径方向の長さは50〜500μm、層状レンズ高さは20μm〜80μm、層状レンズの幅は10〜500μmとすることが好ましい。また、層状レンズの屈折率差は0.01〜0.05のものを用いることができる。さらに柱状構造の傾斜角は10〜70度のものが利用できるが、10〜60度のものを用いるのが好ましい。
このように、本発明の照明装置は、従来の照明装置のように導光板表面または裏面にプリズムなどの微細反射構造体を形成することなく、効率良くLED光源からの光を照射面側から出射させることができる。そのため、製造が容易になり、低コストで製品を作ることができる。
図8を用いて本発明の液晶表示装置における光路について説明する。図8に示した液晶表示装置は、図5で示した照明装置で液晶パネル10を照明している。また、照明装置内部を伝播する光の光路を、いくつかの場合に分けて矢印11、12および13で示してある。LED光源4から出射された光は、導光板6の内部に入った後高屈折率接合層9との界面に入射した後、第一指向性拡散シート5に入射する。この入射光は第一指向性拡散シート5に入射する光は直線透過角で入射することになるため、そのまま第一指向性拡散シートの裏面で反射される。このとき、指向性拡散シートの散乱入射角の範囲内で光が反射すると、その光は層状レンズ内を導波して表面から散乱放出される。導光板6に戻った散乱光の内、光照射面への入射角が約43度以下の成分は、導光板6の光照射面でフレネル反射を受け、一部は光路11で示したように被照射対である液晶パネル10を背面から照射する。また、散乱光の内、光照射面でフレネル反射を受けて反射された光は再び導光板6の内部に戻り、第一指向性拡散シート5の裏面に達する。この到達光は再びフレネル反射を受け、一部が透過し反射板8で反射されて第一指向性シートに裏面から再入射する。この再入射光は第一指向性拡散シートで再び導光板6の内部に散乱出射され、その一部は光路12で示すように液晶パネル10を背面から照射する。
一方、指向性拡散シートの散乱入射角以上の角度で反射した光は、光路13で示すように、そのまま指向性拡散シート5を直線的に透過して、再び高屈折率層9を透過して導光板6の内部に戻る。この導光板内部に戻った光は、通常の平面透明基板内を導波するのと同様にして、内部で複数回全反射を繰り返して、光入射面との対向面に入射する。光入射面との対向面で反射した光の光路の1例を図9に示す。光入射面との対向面はテーパを有しているために、反射光はその分だけ偏向されて導光板6の内部に戻る。そのため、その戻り光は図9に示されているように照射面の対向面への入射光よりも大きな入射角で導光板6の照射面に入り、さらに反射されて第一指向性拡散シート5に戻ってくる。この光の一部は第一指向性拡散シート5の散乱入射角で入射するため、第一指向性拡散シート5を透過した光は反射板8に対して散乱出射する。その散乱角によって、一部の光は反射板8で反射された後、第一指向性拡散シート5を透過し光路14で示されるように導光板6の表面から液晶パネル10を照射する。また、残りの光は反射板8で反射された後、第一指向性拡散シート5を透過し光路15で示されるように導光板6の内面で全反射して再び導光板6の内部に戻る。一方、LED光源4から出射した光の光入射面に平行な成分に関しては、その広がり角が層状レンズの散乱入射角以内のものは、指向性拡散シート5を通過する度に、散乱を受けて導光板6の内部に戻る。この作用により、光入射面に平行な光成分は導光板6の内部を伝播するに従って、層状レンズの散乱入射角の範囲内を持った成分に変換されて伝播するようになる。このことによって、光入射面に平行な光成分は均一化され、その結果一様な照明をすることが可能となる。
以上説明したような導光板6の内部での様々な光路が存在する結果、図8で示された本発明の照明装置は効率の良い照明を行うことができる。
次に、図10を用いて指向性拡散シートを2枚有する照明装置を用いた表示装置における光路について説明する。すなわち、図6で示した照明装置で液晶パネル10を照明した構成の液晶表示装置について説明する。図10の構成が図8の表示装置と異なっている点は、第一指向性拡散シート5a側から第二指向性拡散シート5bに入射した光が、第二指向性拡散シート5bの散乱入射角の範囲にある場合は、第二指向性拡散シート5bの表面からその傾斜角を中心として散乱入射角の範囲内に制御された光が液晶パネル10に対して散乱照射される点である。このことによって、この液晶表示装置は図8で示した液晶表示装置よりも視角特性に優れた画像表示を実現することができる。
このように、指向性拡散シートを1枚用いる場合も、2枚用いる場合も、指向性拡散シートの表面から照射された光は拡散されているために、より均一な照明となる上に、散乱入射角によって規制される指向性のために効率的に液晶パネルを照射することができ、視角特性に優れ、均一で明るい照明装置とすることができる。
次に、指向性拡散シートを構成する柱状構造の充填密度について説明する。上記のように本発明に用いた指向性拡散シートは導光板内を伝播する光を効率良く散乱出射するために、指向性拡散シートを構成する柱状構造の充填密度をシート内で一様に配置すると、LED光源側の輝度が大きくなりすぎて輝度分布が悪くなってしまう。このような、指向性拡散シートの特徴を用いて、本発明の照明装置においては、導光板のLED光源に近い側の柱状構造の充填密度よりも遠い側の柱状構造充填密度の方が大きくなるように形成して得た指向性拡散シートを用いた。このようにすることによって、柱状構造の充填密度が一様な指向性拡散シートを用いた場合よりもLED光源からの光を均一に被照明体に照射することができる。
図13に指向性拡散シートの柱状構造充填密度を変化させた構成を示す。この図は、本発明の照明装置を指向性拡散シート側から見た平面図であり、LED光源4a、4b、4cが導光板の入射面に3個配置されている。指向性拡散シートには面内の断面形状が長円形の柱状構造1が複数配列されている。ここではLED光源側の柱状構造の長径がLED光源から離れるに従って短くなるように配列されている。これよって、柱状構造の充填密度を変化させている。図を見やすくするように誇張されて描かれているが、柱状構造の長径は、およそ5μm〜100μmまでの大きさで分布しており、その値は導光板サイズや図示されていない導光板や高屈折率層の屈折率、および柱状構造の層厚や屈折率によって最適値は変化する。そして、層状レンズを構成する周縁領域2の幅は柱状構造1の長手方向の中心付近で約30μm程度の一定の値となっている。また、指向性拡散シート面内での配列はモアレ縞の発生を防ぐために、周期性を除去した配列になっている。導光板内部を伝播する光の内、周縁領域2が柱状構造1の長手方向端点近傍に入射した光が、図11と図12で説明したように導光板外部に照射される。また、周縁領域2が柱状構造1の長手方向中央部と隣接する領域では、光は導光板の光入射面に垂直な方向を中心とした特定の散乱角内に集光されるように伝播する。そのため、図13に示す構成によれば、LED光源の近傍では導光板内部での伝播光の方向をそろえようとする作用が強く、LED光源から遠ざかるにつれて導光板内部を伝播する光を表面から拡散照明する作用が強くなっている。
図14に指向性拡散シートの柱状構造充填密度を変化させた他の構成例を示す。LED光源4a、4b、4cから離れるに従って長六角形形状の柱状レンズが配置されている列密度を変化させて充填密度が変わるように配列されている。具体的には、柱状レンズはLED光源の配列方向に一列に並んだ列単位で配列しており、この列密度がLED光源に近い側は疎に、LED光源から離れるに従って密になっている。ここでは、LED光源から離れるに従って列の幅が二次関数的に狭くなるように配列してある。
また、柱状構造の面内断面形状を長六角形とすることによって、周縁領域2の幅をそろえることが可能となり、光の利用効率が向上する。充填密度の変化のさせ方は、図14に示した以外にも、柱状構造の列間隔を一定にしておき、列内での柱状構造の配列密度を列がLED光源に近くなるほど疎になるようにしてもよいし、これと図14に示した方法を併用しても良い。
図15に本発明で用いた指向性拡散シートの光透過特性を示す。図15において、横軸は指向性拡散シートへの光の入射角、縦軸は各入射角に対する光透過強度を表している。図では、傾斜角が0度における指向性拡散シートの特性20、傾斜角がα度における指向性拡散シートの特性21を表している。ただし、測定雰囲気は大気中であり、指向性拡散シート単体で評価した場合を示してある。特性20の場合は、指向性拡散シートは角度±βで光強度がほぼゼロになっていることがわかる。入射角が−β〜βの範囲内では光は散乱透過され、入射角の絶対値がβ以上の範囲内では光は散乱されずに直進透過する。すなわち、βは散乱入射角である。一方、柱状構造の配向方向をα度だけ傾けた場合の特性21は、傾斜角が0度の場合に比べて、散乱入射角がそのままα度だけずれた位置にシフトする。そのとき、散乱入射角の範囲はほとんど変化なく、α−β〜α+βの範囲内にシフトするだけである。従って、図15の特性21においては、角度αで入射した光は透過時に散乱を受けるが角度−αで入射した光は散乱を受けずに直線透過する。すなわち、この指向性拡散シートを導光板に貼り付けたとき、角度−αで入射した光は指向性拡散シートの出射面で全反射して再び導光板の方に戻って行く。
傾斜角が0度である特性20の場合には、導光板からβ〜−βの角度で入射した照明光は、柱状構造内を伝播して表面から散乱照射される。また、γをβよりも大きいが臨界角よりも小さな角度であるとすると、入射角γで入射した光は指向性拡散シートの表面でフレネル反射を受けて、一部は表面から散乱を受けずに照射される。しかし、γをβと臨界角よりも大きな角度とすると、入射角γで入射した光は指向性拡散シートの出射面で全反射して再び導光板内部に戻り照明に寄与することはない。また、導光板内部を伝播する光の多くは約43度以上の大きな入射角を持って指向性拡散シートに入射するため、これを効率良く利用するためには指向性拡散シートに視角特性に適した傾斜角を与え、それに整合した散乱入射角のものを用いなければならない。
次に、配向方向がαだけ傾いた指向性拡散シートを用いた特性21の場合には、入射角α−β〜α+βの入射角度範囲で導光板から入射した光は散乱して出射される。また、それ以外の入射角度範囲で導光板から入射した光は、指向性シートの表面で全反射されて再び導光板内部に戻って行く。
本発明で用いる指向性拡散シートは、柱状構造の面内の断面形状が長手方向の方向性を持っている。その結果、周縁領域に形成される層状レンズも長手方向の方向性を持った構造となる。そのため、層状レンズの長手方向に関しては、散乱入射角の範囲が狭くなり、散乱光強度も弱くなる。βの値は、指向性拡散シートの層厚、柱状構造の口径比、あるいは柱状構造の屈折率差などを調整することによって、10〜45度程度までの任意の値に制御することができる。また、傾斜角αの値は、製造時の光照射角度を傾斜させることによって、0〜70度程度の任意の角度に設定することができる。従って、導光板から約43度の入射角を持った照明光が入射した場合に、αの値を35〜70度とすることによって導光板を導波している光を指向性拡散シートの表面から出射させることができる。ただし、αの値を大きくし過ぎると出射光の傾きが大きくなり過ぎ、照明装置を液晶表示装置に適用する場合に、表示の視認性が悪くなるために、αとして大きくても30〜60度程度にするのが望ましい。
以下に、本発明の具体例を説明する。
(具体例1)
図3で示した構成の照明装置を以下のように作製した。35mm×43mm×0.7mmのアクリル性導光板の表面に通常の粘着剤を用いて指向性拡散シートを貼り付けた。その導光板の端面に3本のLED光源を配置した。また、LED光源が配置されている側と反対側の導光板端面のテーパ角は7度とした。指向性拡散シートとしては、柱状構造の短径方向の散乱入射角が30度で長径方向の散乱入射角が8度のグレイディッドインデックス型指向性拡散シートを用いた。また、指向性拡散シートの厚みは70μm、柱状構造の短径としては30μmで長径としては200μmのものを用いた。貼り付ける指向性拡散シートの傾斜角として0度、15度、30度、60度の4種類のものを用いた。
図3で示した構成の照明装置を以下のように作製した。35mm×43mm×0.7mmのアクリル性導光板の表面に通常の粘着剤を用いて指向性拡散シートを貼り付けた。その導光板の端面に3本のLED光源を配置した。また、LED光源が配置されている側と反対側の導光板端面のテーパ角は7度とした。指向性拡散シートとしては、柱状構造の短径方向の散乱入射角が30度で長径方向の散乱入射角が8度のグレイディッドインデックス型指向性拡散シートを用いた。また、指向性拡散シートの厚みは70μm、柱状構造の短径としては30μmで長径としては200μmのものを用いた。貼り付ける指向性拡散シートの傾斜角として0度、15度、30度、60度の4種類のものを用いた。
LED光源を点灯した時に、作製した導光板から出射される光の出射角と輝度との関係を測定し図16に示した。図16では、散乱入射角0度の指向性拡散シートを用いた場合を曲線22に、散乱入射角15度の指向性拡散シートを用いた場合を曲線23に、散乱入射角30度の指向性拡散シートを用いた場合を曲線24に、散乱入射角60度の指向性拡散シートを用いた場合を曲線25に示してある。この結果から分かるように、配向角0度の指向性拡散シートを用いた場合は、シート表面からほとんど光が出射されていない。また、配向角が大きくなるほどシート表面から出射される光強度の最大値は大きくなっている。さらに、出射光量は傾斜角60度の場合が最大となった。これは、指向性拡散シートに入射する光は全反射角である約43度以上のものがほとんどであるためと考えられる。従って、傾斜角0度の指向性拡散シートに入射する光は、全て散乱入射角よりも大きくなって外部に出射しないことになる。一方、散乱入射角が30度以上の指向性拡散シートに関しては入射光に散乱入射角以内の成分が含まれてくるために、外部への出射光が増えている。この具体例から、図3に示すように指向性拡散シートを1枚だけ用いる場合は、柱状構造の傾斜角を約30〜60度にするのが良いことが確認できた。
(具体例2)
図4で示した構成の照明装置を以下のように作製した。35mm×43mm×0.7mmのアクリル性導光板の表面に通常の粘着剤を用いて第一指向性拡散シートと第二指向性拡散シートを貼り付けた。その導光板のサイドに3本のLED光源を配置した。また、LED光源が配置されている側と反対側の導光板端面のテーパ角は3度とした。第一指向性拡散シートと第二指向性拡散シートには、散乱入射角30度のグレイディッドインデックス型層状レンズを一様に配列したものを用いた。また、指向性拡散シートの厚みは70μm、柱状構造の短径としては30μmのものを用いた。また、第一指向性拡散シートの傾斜角は30度とし、第二指向性拡散シートの傾斜角として0度、15度、30度、60度の4種類のものを用いた。
図4で示した構成の照明装置を以下のように作製した。35mm×43mm×0.7mmのアクリル性導光板の表面に通常の粘着剤を用いて第一指向性拡散シートと第二指向性拡散シートを貼り付けた。その導光板のサイドに3本のLED光源を配置した。また、LED光源が配置されている側と反対側の導光板端面のテーパ角は3度とした。第一指向性拡散シートと第二指向性拡散シートには、散乱入射角30度のグレイディッドインデックス型層状レンズを一様に配列したものを用いた。また、指向性拡散シートの厚みは70μm、柱状構造の短径としては30μmのものを用いた。また、第一指向性拡散シートの傾斜角は30度とし、第二指向性拡散シートの傾斜角として0度、15度、30度、60度の4種類のものを用いた。
LED光源を点灯した時に、作製した導光板から出射される光の出射角と輝度との関係を測定し図17に示した。図中、散乱入射角0度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線26に、散乱入射角15度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線27に、散乱入射角30度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線28に、散乱入射角60度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線29に示してある。図17から明らかなように、第二指向性拡散シートの傾斜角が15度と30度の場合に大きな輝度が得られている。すなわち、第一指向性拡散シートの傾斜角が30度の場合は、第二指向性拡散シートの傾斜角が0〜30度であれば視角特性に適した散乱角となり、明るい照明が可能であることが分かる。
(具体例3)
具体例2と同じ構成で第一指向性拡散シートの傾斜角が60度のものを作製した。その結果を図18に示す。図中、散乱入射角0度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線30に、散乱入射角15度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線31に、散乱入射角30度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線32に、散乱入射角60度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線33に示している。図18から第二指向性拡散シートの傾斜角が30〜60度の場合に輝度が高くなることが分かった。しかしながら、第二指向性拡散シートの傾斜角を30度よりも大きくすると視角特性が悪くなるため、第二指向性拡散シートの傾斜角は、30度程度で用いるのが好ましい。
具体例2と同じ構成で第一指向性拡散シートの傾斜角が60度のものを作製した。その結果を図18に示す。図中、散乱入射角0度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線30に、散乱入射角15度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線31に、散乱入射角30度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線32に、散乱入射角60度の第二指向性拡散シートを用いた場合を曲線33に示している。図18から第二指向性拡散シートの傾斜角が30〜60度の場合に輝度が高くなることが分かった。しかしながら、第二指向性拡散シートの傾斜角を30度よりも大きくすると視角特性が悪くなるため、第二指向性拡散シートの傾斜角は、30度程度で用いるのが好ましい。
具体例2と3から、図4に示す構成の照明装置を作製する場合に、第一指向性拡散シートの傾斜角を約30〜60度とすると、第二指向性拡散シートの傾斜角は約0〜30度とすることによって、これを液晶表示装置に適用する場合、視角特性に優れた明るい照明装置とすることができることが分かった。
1 柱状構造
2 周縁領域
3 低屈折率領域
4、4a、4b、4c LED光源
5、5a 第一指向性拡散シート
5b 第二指向性拡散シート
6 導光板
7、7a、7b 接合層
8 反射板
9、9a、9b 高屈折率接合層
10 液晶パネル
2 周縁領域
3 低屈折率領域
4、4a、4b、4c LED光源
5、5a 第一指向性拡散シート
5b 第二指向性拡散シート
6 導光板
7、7a、7b 接合層
8 反射板
9、9a、9b 高屈折率接合層
10 液晶パネル
Claims (12)
- 周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有するとともに、
前記柱状レンズの面内断面形状は長手方向に方向性を有する六角形であり、前記柱状レンズは面内で前記方向性が略揃うように配列され、前記周囲の領域の外周には、前記周囲の領域よりも屈折率の低い低屈折率領域が所定の幅で設けられていることを特徴とする指向性拡散シート。 - 光照射面を有する導光板と、前記導光板の光入光面側に配置された光源と、前記導光板の背後側に設けられ、周囲の領域より屈折率の高い領域が厚み方向に連続的に形成された柱状レンズが面内に複数配列され、厚さ方向に光を導く機能を有する指向性散乱シートと、前記指向性拡散シートの外側に設けられた反射板と、を備えるとともに、
前記導光板の前記光入射面とは反対側の対向面は所定の角度のテーパを有しており、
前記柱状レンズの面内断面形状は長手方向に方向性を有する六角形であり、前記柱状レンズは面内で前記方向性が略揃うように配列され、前記周囲の領域の外周には、前記周囲の領域よりも屈折率の低い低屈折率領域が所定の幅で設けられており、前記柱状レンズの配向方向は前記指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として前記光源が配置されている側に傾斜していることを特徴とする照明装置。 - 前記柱状レンズの傾斜角は約30〜60度であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
- 前記テーパの角度は約3〜10度であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の照明装置。
- 前記光照射面側には第二指向性拡散シートが設けられ、前記第二指向性拡散シートを構成する柱状レンズの配向方向は、前記第二指向性拡散シートの面に立てた垂線の方向を基準として前記光源が配置されている側とは逆側に傾斜しており、前記柱状レンズの傾斜角は前記指向性拡散シートを構成する柱状レンズの傾斜角よりも小さいことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記第二指向性拡散シートを構成する柱状レンズの傾斜角は約0〜30度であることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
- 前記指向性拡散シートおよび前記第二指向性拡散シートの導光板照射面側の表面上に、前記導光板の屈折率よりも大きく、前記第二指向性拡散シートを構成する柱状レンズの外周領域の屈折率と略等しい屈折率を有する高屈折率層を有することを特徴とする請求項5または6のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記指向性拡散シートを構成する柱状レンズの面内断面形状の長手方向が、前記導光板の入射面に対して略垂直になるように配列されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記指向性拡散シートを構成する柱状レンズの充填密度が、前記光源から離れるに従って大きくなっていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記指向性拡散シートを構成する柱状レンズの面内断面形状の長手方向の長さが、前記光源から離れるに従って短くなっていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の照明装置。
- 前記導光板における光入射面と光照射面に略垂直な二つの側面に、光拡散構造が設けられたことを特徴とする請求項2〜10のいずれか一項に記載の照明装置。
- 請求項2〜11のいずれか一項に記載の照明装置と、前記照明装置の光照射面側に設けられた非自発光型の表示素子とを備えることを特徴とする表示装置。
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