JP2005321289A - 近赤外吸収スペクトル測定用プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】毛髪の物性及び化学的情報を可能な限り収集することを目的とし、毛髪の部位を正確に固定して測定するための近赤外吸収スペクトル測定のためのプローブを提供する。
【解決手段】毛髪の近赤外吸収スペクトルを測定するためのプローブであって、2枚の固定板が測定時毛髪試料を固定できるように、それらの固定板が接続機構を介して接続した毛髪固定部と、固定部に接続された受光用グラスファイバーと、固定部に接続された照射用グラスファイバーとを備えたものが、その様な特性を有している。本プローブによって、毛髪部位の正確な固定が可能となり、毛髪の損傷の種類と度合を非侵襲的、且つ定量的に鑑別ができる。又、毛髪の測定部位の特定も可能であるため、履歴を時系列に沿って求めることもできる。
【選択図】図2
【解決手段】毛髪の近赤外吸収スペクトルを測定するためのプローブであって、2枚の固定板が測定時毛髪試料を固定できるように、それらの固定板が接続機構を介して接続した毛髪固定部と、固定部に接続された受光用グラスファイバーと、固定部に接続された照射用グラスファイバーとを備えたものが、その様な特性を有している。本プローブによって、毛髪部位の正確な固定が可能となり、毛髪の損傷の種類と度合を非侵襲的、且つ定量的に鑑別ができる。又、毛髪の測定部位の特定も可能であるため、履歴を時系列に沿って求めることもできる。
【選択図】図2
Description
本発明は、近赤外吸収スペクトルを測定するためのプローブに関し、更に詳細には、毛髪の近赤外吸収スペクトルを測定するのに好適なプローブに関する。
毛髪は、顔の多くの部分を被覆して占有しており、このものの印象形成への影響は非常に大きいことは、鬘会社のコマーシャルを引用するまでもなく明白なことである。その為、毛髪を健やかに保つことは、印象形成などに於いて重要なことであり、この為の毛髪の状態の鑑別は非常に意義深いことである。(例えば、特許文献1を参照)又、毛髪は、生体の状況を履歴を含めて、種々の生体情報が表現された生体部位であり、このものの特性を調べることは、その生体の特性を知る上で非常に有用なことでもある。この様な観点から、毛髪の特性を調べる研究が多数為されており、中でも、近赤外吸収スペクトルは、この様な特性を調べるための有力なツールであることが知られている。(例えば、特許文献2、特許文献3を参照)又、この為の口径の小さい照射・受光部を有するプローブも既に知られている(例えば、特許文献4を参照)。その他の毛髪の物性用のプローブとしては、折り曲げ強度測定用のプローブ(例えば、特許文献5を参照)、走査電子顕微鏡用のプローブ(例えば、特許文献6を参照)等が知られているが、いずれも切断採取した毛髪を対象としたイン・ビトロ(in vitro)用であり、毛髪の部位を直接に、且つ正確に固定して測定するイン・ビボ(in vivo)用のプローブは知られていない。
毛髪の近赤外吸収スペクトルを測定するためのプローブであって、近赤外線の照射・受光面と、それを挟んで固定すべき、近赤外線反射板と、前記照射・受光面と近赤外線反射板とを接続する接続部とを備えたものは全く知られていないし、この様な構成のプローブが、毛髪の部位を正確に固定して測定するために有用であり、履歴などを含めて毛髪の諸情報を近赤外吸収スペクトルより収集するのに有用であることも全く知られていない。
本発明は、この様な状況下為されたものであり、毛髪の物性及び化学的情報を可能な限り収集することを目的とし、毛髪の部位を正確に固定して測定するための近赤外吸収スペクトル測定のためのプローブを提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、毛髪の物性及び化学的情報を可能な限り収集することを目的とし、毛髪の部位を正確に固定して測定するための近赤外吸収スペクトル測定のためのプローブを求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、毛髪の近赤外吸収スペクトルを測定するためのプローブであって、2枚の固定板が測定時毛髪を固定できるように、それらの固定板が接続機構を介して接続した毛髪固定部と、固定部に接続された受光用グラスファイバーと、固定部に接続された照射用グラスファイバーとを備えたものが、その様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)毛髪の近赤外吸収スペクトルを測定するためのプローブであって、1)2枚の固定板を、前記固定板が測定時毛髪を固定できるように、接続機構を介して接続した毛髪固定部と、2)固定部に接続された受光用グラスファイバーと、3)固定部に接続された照射用グラスファイバーとを有することを特徴とする、プローブ。
(2)前記照射用グラスファイバーが受光用グラスファイバーの周囲に一様に配置するか、又は照射用グラスファイバーと受光用グラスファイバーとが均等に分散配置することを特徴とする、(1)に記載のプローブ。
(3)前記接続機構が弾性体を介した接続であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のプローブ。
(4)前記接続機構が、固定部に接続する柄部の端を弾性体を仲介して接続したものであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載のプローブ。
(5)前記固定板の面積が0.1〜25cm2であることを特徴とする(1)〜(4)何れか1項に記載のプローブ。
(6)前記受光用グラスファイバーと照射用グラスファイバーとが同一固定板に接続されていて、拡散反射型近赤外スペクトル測定用であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載のプローブ。
(7)グラスファイバーが固定されていない固定板の、測定時毛髪を固定できる他の固定板との面が近赤外線を反射する構造であることを特徴とする、(6)に記載のプローブ。
(8)前記受光用グラスファイバーと照射用グラスファイバーとが異なる固定板に接続されていて、透過型近赤外スペクトル測定用であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載のプローブ。
(9)毛髪の損傷の種類と度合いを鑑別するためのものであることを特徴とする、(1)〜(8)何れか1項に記載のプローブ。
(1)毛髪の近赤外吸収スペクトルを測定するためのプローブであって、1)2枚の固定板を、前記固定板が測定時毛髪を固定できるように、接続機構を介して接続した毛髪固定部と、2)固定部に接続された受光用グラスファイバーと、3)固定部に接続された照射用グラスファイバーとを有することを特徴とする、プローブ。
(2)前記照射用グラスファイバーが受光用グラスファイバーの周囲に一様に配置するか、又は照射用グラスファイバーと受光用グラスファイバーとが均等に分散配置することを特徴とする、(1)に記載のプローブ。
(3)前記接続機構が弾性体を介した接続であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のプローブ。
(4)前記接続機構が、固定部に接続する柄部の端を弾性体を仲介して接続したものであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載のプローブ。
(5)前記固定板の面積が0.1〜25cm2であることを特徴とする(1)〜(4)何れか1項に記載のプローブ。
(6)前記受光用グラスファイバーと照射用グラスファイバーとが同一固定板に接続されていて、拡散反射型近赤外スペクトル測定用であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載のプローブ。
(7)グラスファイバーが固定されていない固定板の、測定時毛髪を固定できる他の固定板との面が近赤外線を反射する構造であることを特徴とする、(6)に記載のプローブ。
(8)前記受光用グラスファイバーと照射用グラスファイバーとが異なる固定板に接続されていて、透過型近赤外スペクトル測定用であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載のプローブ。
(9)毛髪の損傷の種類と度合いを鑑別するためのものであることを特徴とする、(1)〜(8)何れか1項に記載のプローブ。
本発明の近赤外吸収スペクトル測定用プローブを用いることにより、毛髪の物性及び化学的情報を可能な限り収集するために不可欠である、毛髪部位の正確な固定が可能となり、毛髪の損傷の種類と度合の定量性のある鑑別が可能となる。又、毛髪の測定部位の特定も可能であるため、履歴を時系列に沿って求めることもできる。
本発明の近赤外吸収スペクトル測定用プローブは、毛髪の物性及び化学的情報を可能な限り収集することを目的とし、毛髪の部位を正確に固定する機構を備えた、近赤外分光装置に使用するためのプローブに関する。
ここで、毛髪の物性及び化学的情報とは、引っ張り強度、ねじり硬さや摩擦感等の毛髪の物性値、毛髪中の水分量、毛髪表面の状態や形態、漂白やパーマ等の毛髪の損傷の種類と損傷度合が挙げられる。
ここで、毛髪の部位を正確に固定する機構とは、in vitroにおける切断採取した毛髪を測定台上に固定するときに得られる再現性あるスペクトルを、ヒトの毛髪を切断採取しないin vivo測定においても得ることができる機構である。このような機構として、測定者及び被験者の動きや振動をプローブに伝達しない、近赤外線光の照射部・受光部と毛髪の固定部が一体化したものが好ましい。
ここで、近赤外分光装置とは、試料に近赤外線光を照射し、試料からの拡散反射光或いは透過光を検出し、検出結果を利用して試料中の被検物質の分析を行うことができる装置をいう。
本発明のプローブは、毛髪の近赤外吸収スペクトルを測定するためのプローブであって、1)2枚の固定板を、前記固定板が測定時毛髪を固定できるように、接続機構を介して接続した毛髪固定部と、2)固定部に接続された受光用グラスファイバーと、3)固定部に接続された照射用グラスファイバーとを有することを特徴とする。
前記2枚の固定板の面積は0.1〜25cm2程度が好ましく、より好ましくは、1〜20cm2である。固定板の形状は、正方板、長方板、円板、楕円板、或いは蒲鉾型等、特段の限定はなく使用できる。かかる固定板と試料たる毛髪の接触面は、測定時に毛髪が動かないように固定すべき構造を有することが好ましい。前記固定すべき構造としては、毛髪の固定が十分な構造であれば、特段の制限なく、何れも使用できる。例えば、前記固定板の一方又は両方が蒲鉾型、四角型、又は三角型の凹部を存し、毛髪試料を該凹部に固定しやすい構造を有すること、或いは、固定板の面に於ける毛髪と接触する部分に、他の面と噛み合わさる凹凸構造を有することが好ましく例示できる。該噛み合わさる凹凸構造としては、例えば、互いに噛み合う平坦状、鋸状、イボイボ状等の凹凸や曲面構造を付すことが好ましく例示できる。かかる表面の材質としては、近赤外の帯域に吸収を持つ材質は好ましくなく、近赤外の帯域(13000〜4000cm−1)に吸収を持たない樹脂などの有機系材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PTFE類似物、セラミック、及び白金やアルミニウム等の各種金属を選択することができる。
前記固定板は、毛髪の測定部位を動かさないように固定する作用を有する。同時に、受光用グラスファイバーと照射用グラスファイバーとを固定する作用も有する。前記受光用グラスファイバーと照射用グラスファイバーとは、拡散反射型の近赤外スペクトルを測定するためには、同一の固定板に存することが好ましく、透過型の近赤外スペクトルを測定するためには、異なる固定板に存し、照射された近赤外線が、より効率的に受光用のグラスファイバーに入光できるように、入射角方向と位置とを調整して設置することを要する。
前記グラスファイバーの固定板への接続にあたっては、グラスファイバーの破損がないように、角度を調整して接続することが好ましい。これらの固定板を接続する接続機構としては、弾性体を介して、開閉自由な構造とすることが好ましく、前記固定板と、前記弾性体との接続には、柄などを介しても良く、柄を介することが、使用性の面で好ましい。
前記弾性体としては、応力に対して変形し、応力解除後形状が復元するものであれば特段の限定はなく使用でき、例えば、ゴム板、鋼の板バネ、螺旋形のバネなどが好ましく例示できる。
本発明の近赤外吸収スペクトル測定用プローブが用いられる近赤外分光装置の構成図を図1に示す。図1の符号1で表される近赤外分光装置は、信号処理装置(符号2)と検出器(符号3)とプローブ(符号6)から構成されている。
前記検出器(符号3)は、試料に近赤外線光を照射するための光源(符号4)と、照射後試料からの拡散反射又は透過された近赤外線光を検出するためのセンサー(符号5)を有している。
前記検出器(符号3)にグラスファイバーを介してプローブ(符号6)が接続されている。該プローブには、以下で記載するように、照射・受光面が配設されている。よって、光源(符号4)から発せられる近赤外線光はグラスファイバーを通り、プローブの照射・受光面から試料に照射され、一方、試料からの拡散反射又は透過された近赤外線光は、プローブの照射・受光面で受光され、グラスファイバーを通りセンサー(符号5)で検出される。
信号処理装置(符号2)は、検出器の光源に関し所望の条件に設定するための出力部(符号7)と、検出器のセンサーからの光情報を適宜次なる演算処理部に伝達するための入力部(符号8)と、測定時に得られる初期の光情報を所望のデータに変換するための演算処理部(符号9)(演算処理部には、必要に応じ一次記憶装置(符号10)が接続されている)と、表示部(符号11)と記録部(符号12)から構成されている。
次にプローブについて詳しく説明する。
近赤外吸収スペクトル測定用であるプローブ(図1の符号6)は、上記のとおり、検出器に接続されており、光源からの光を伝達し、試料に光を照射し、試料から得られる光を受光し、受光した光をセンサー部に伝達する働きをする。
本発明の拡散反射型近赤外吸収スペクトル測定用プローブの一実施形態にかかる構成図を図2に示す。
図2には、毛髪の固定のための固定板(符号1及び6)と、その固定板により測定時毛髪試料を固定できるように、接続機構(符号3)を介して接続した2つの毛髪固定部(符号2)と、片方の毛髪固定部に接続された照射用グラスファイバー(符号4)及び受光用グラスファイバー(符号5)が記載してある。
本発明のプローブは、2つの固定板(図2の符号1及び6)に挟まれた毛髪試料に、照射用グラスファイバー(符号4)から導かれた光を照射し、試料からの拡散反射光を固定板(符号1)で受光し、受光用グラスファイバー(符号5)を経由してセンサー部へ伝達する。
グラスファイバーを備えていない前記毛髪固定部に接続した固定板(符号6)の面(図2のA面)は、近赤外線光を反射する構造を有し、反射された近赤外線光はもう一方の固定板(符号1)に接続した受光用グラスファイバー(符号5)へ到達する。この反射機能を有する固定板(符号6)表面の材質としては、近赤外の帯域に吸収を持つ材質は好ましくなく、近赤外の帯域(13000〜4000cm−1)に吸収を持たない樹脂などの有機系材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PTFE類似物、セラミック、及び白金やアルミニウム等の各種金属を選択することができる。
前記接続機構(符号3)は、2つの毛髪固定部(符号2)の端を弾性体を介して接続するものであり、弾性体としてはゴム板、鋼の板バネ、螺旋形のバネなどが好ましく例示できる。
図2の拡散反射型近赤外吸収スペクトル測定用プローブの構成図中の、固定板(図2の符号1)にかかる詳細を図3の(a)及び(b)に示す。
図3(a)において、B面方向から見たのが図3(b)である。2枚の固定板(符号1及び図2の符号6)は、直接にヒトの毛髪試料を正確に固定するためのものであるが、その形状は長方形が好ましく、0.1〜25cm2程度の面積を有することが好ましく、より好ましくは、1〜20cm2である。これは、この条件での試料に対する固定板のグリップ力が適切な範囲であり、その結果、再現性の高い近赤外吸収スペクトルデータを得ることができるためと考えられる。
図3(b)の固定板(符号1)に接続した毛髪固定部(柄部、符号2)に固定されたグラスファイバーの配置パターンは、照射用グラスファイバー(符号4)が受光用グラスファイバー(符号5)の周囲に一様に配置するか、又は照射用グラスファイバーと受光用グラスファイバーとを均等に分散配置することが好ましい。このような配置条件では毛髪試料からの拡散反射光が効率よく受光面(図3(a)のB面)に到達し、その結果、再現性の高い近赤外吸収スペクトルデータを得ることができるためと考えられる。
本発明の透過型近赤外吸収スペクトル測定用プローブの一実施形態にかかる構成図を図4に示す。
図4には、毛髪の固定のための固定板(符号1及び6)と、その固定板により測定時毛髪試料が固定できるように、接続機構(符号3)を介して接続した2つの毛髪固定部(符号2)と、片方の毛髪固定部に接続された照射用グラスファイバー(符号4)、もう一方の毛髪固定部に接続された受光用グラスファイバー(符号5)が記載してある。
本発明のプローブは、2つの固定板(図4の符号1及び6)に挟まれた毛髪試料に、照射用グラスファイバー(符号4)から導かれた光を照射し、試料からの透過光を固定板(符号6)で受光し、受光用グラスファイバー(符号5)を経由してセンサー部へ伝達する。
片方の固定板(符号1)に接続した毛髪固定部(柄部、符号2)に固定された照射用グラスファイバー(符号4)の配置は、中心に1本でも良いし、又、均等分散配置しても何れでも良い。又、もう一方の固定板(符号6)に接続した毛髪固定部(柄部、符号2)に固定された受光用グラスファイバー(符号5)の配置は、中心に1本でも良いし、又、均等分散配置しても何れでも良い。このような配置条件では、照射光が毛髪試料へ均等且つ効率的に到達し、又、毛髪試料からの透過光が効率よく受光面(符号6の固定板表面)に到達し、その結果、再現性の高い近赤外吸収スペクトルデータを得ることができるためと考えられる。
かくして、本発明の近赤外吸収スペクトル測定用プローブを用いることにより、毛髪部位の正確な固定が可能となり、再現性の高い近赤外吸収スペクトルデータを得ることができ、毛髪の損傷の種類と度合の定量性のある鑑別ができる。
以下に、前記実施例1の拡散反射型近赤外吸収スペクトル測定用プローブを用いて測定した試験例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれら実施例、試験例にのみ限定されないことは言うまでもない。
<試験例1>
予め用意した異なる4種の毛髪を準備し、状態の異なる毛髪は、化学処置の種類によって調整した。化学処置の種類としては、パーマ処置、ブリーチ処置、及びパーマとブリーチとによる複合処置を行った。パーマ処置では、チオグリコール酸アンモニウム10%を行い、ブリーチ処置では、3%過酸化水素及び3%アンモニアを含むブリーチ処置剤で処置3回を行い、複合処置では、パーマ処置10%後にブリーチ処置を1回行った。
予め用意した異なる4種の毛髪を準備し、状態の異なる毛髪は、化学処置の種類によって調整した。化学処置の種類としては、パーマ処置、ブリーチ処置、及びパーマとブリーチとによる複合処置を行った。パーマ処置では、チオグリコール酸アンモニウム10%を行い、ブリーチ処置では、3%過酸化水素及び3%アンモニアを含むブリーチ処置剤で処置3回を行い、複合処置では、パーマ処置10%後にブリーチ処置を1回行った。
パーマ及びブリーチ処理履歴のない11名の被験者を募集し、本発明の実施例1の拡散反射型近赤外吸収スペクトル測定用プローブ(図2参照)を使用し、20℃一定環境下で、直径約7〜8mmの毛束を近赤外(NIR)測定を行った。次に、11名のうち6名の毛髪に前記パーマ処置を施し、又、残りの5名の毛髪に前記ブリーチ処置を施し、何れも十分に毛髪を乾燥後、本発明のプローブを用いてNIR測定を行った。更に、パーマ処置を施した6名の毛髪に対してブリーチ処置を施し、十分に毛髪を乾燥後に本発明のプローブを用いてNIR測定を行った。尚、NIR測定の際は、処置のばらつきを考慮に入れ、6〜10ヶ所を測定した。未処置及び各種化学処置等によって得られた近赤外吸収スペクトルについて、統計的処理ソフトのピロエット(ジーエルサイエンス(株))を用いて、主成分分析を行った。
5060〜4500cm−1の近赤外吸収スペクトルに対して主成分分析を行った結果を図5に示す。これより、非常に鮮明に未処置、ブリーチ処置、パーマ処置及び複合処置(パーマ+ブリーチ)毎のクラス分けが非常に鮮明に為されていることが分かる。ブリーチ処置をすれば下方にプロット群が変移する。又、パーマ処置を行うとプロット群は右方へ変移する。各プロット群は十分に分かれて平面上に展開している。かくのごとくに、本発明の拡散反射型近赤外吸収スペクトル測定用プローブを使用すると、プロット位置を見ることにより、化学損傷の種類と度合を鑑別が可能であり、in vivoの計測には好ましいことが分かる。
<比較例1>
試験例1において、本発明の実施例1の近赤外吸収スペクトル測定用プローブを使用せずに、通常のプローブを手に持って、同様の検討を行った結果を図6に示す。これより、円で表示される未処置、ブリーチ処置、パーマ処置及び複合処置(パーマ+ブリーチ)毎のクラス分けが大凡には為されてはいるが、クラスの重複や分布の拡大が存している。かくのごとく、通常のプローブでは、化学損傷の種類と度合が鑑別が困難であり、in vivoの計測には好ましくないことが分かる。
試験例1において、本発明の実施例1の近赤外吸収スペクトル測定用プローブを使用せずに、通常のプローブを手に持って、同様の検討を行った結果を図6に示す。これより、円で表示される未処置、ブリーチ処置、パーマ処置及び複合処置(パーマ+ブリーチ)毎のクラス分けが大凡には為されてはいるが、クラスの重複や分布の拡大が存している。かくのごとく、通常のプローブでは、化学損傷の種類と度合が鑑別が困難であり、in vivoの計測には好ましくないことが分かる。
実施例1のプローブにおいて、その形状を毛髪がより固定しやすい構造とした実施例を示す。かかる近赤外吸収スペクトル測定用プローブの一実施形態にかかわる構成を図7及び図8に示す。
図7には、毛髪試料の固定のための蒲鉾型構造、四角型構造、及び三角型構造の固定板を記載してある。前記固定板の一方又は両方が蒲鉾型、四角型、又は三角型の凹部を存し、毛髪試料を該凹部に固定しやすい構造を有している。又、図8には、固定板の面に於ける毛髪と接触する部分に、他の面と噛み合わさる凹凸構造を有する鋸状及びイボイボ状の固定板を記載してある。このような凹部及び/又は凹凸構造は、in vivo計測において、一定量の毛髪の拘束、毛束の作成不要、毛髪試料に対する強いグリップ力等の特徴を有している。前記固定板の形状は特段の限定はなく使用できるが、前記凹部及び/又は凹凸構造は、再現性のあるスペクトルが得られることからより好ましい。又、毛髪の部位を特定した測定、例えば、現在から時系列的に遡った履歴を特定するのにも好ましい。現在の毛髪の先端より、測定位置までの距離を、毛髪の平均成長速度で除することにより、遡及すべき時間が算出される。
本発明の近赤外吸収スペクトル測定用プローブを用いることにより、毛髪部位の正確な固定が可能となり、毛髪の損傷の種類と度合の定量性のある鑑別ができる。かような鑑別法は、毛髪用の化粧料の選択や評価、毛髪の状態の変化のモニタリング等の活用ができる。
Claims (9)
- 毛髪の近赤外吸収スペクトルを測定するためのプローブであって、1)2枚の固定板を、前記固定板が測定時毛髪を固定できるように、接続機構を介して接続した毛髪固定部と、2)固定部に接続された受光用グラスファイバーと、3)固定部に接続された照射用グラスファイバーとを有することを特徴とする、プローブ。
- 前記照射用グラスファイバーが受光用グラスファイバーの周囲に一様に配置するか、又は照射用グラスファイバーと受光用グラスファイバーとが均等に分散配置することを特徴とする、請求項1に記載のプローブ。
- 前記接続機構が弾性体を介した接続であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプローブ。
- 前記接続機構が、固定部に接続する柄部の端を弾性体を仲介して接続したものであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載のプローブ。
- 前記固定板の面積が0.1〜25cm2であることを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載のプローブ。
- 前記受光用グラスファイバーと照射用グラスファイバーとが同一固定板に接続されていて、拡散反射型近赤外スペクトル測定用であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載のプローブ。
- グラスファイバーが固定されていない固定板の、測定時毛髪を固定できる他の固定板との面が近赤外線を反射する構造であることを特徴とする、請求項6に記載のプローブ。
- 前記受光用グラスファイバーと照射用グラスファイバーとが異なる固定板に接続されていて、透過型近赤外スペクトル測定用であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載のプローブ。
- 毛髪の損傷の種類と度合いを鑑別するためのものであることを特徴とする、請求項1〜8何れか1項に記載のプローブ。
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